JP2001309983A - 留置針注射器構造 - Google Patents

留置針注射器構造

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JP2001309983A
JP2001309983A JP2000044735A JP2000044735A JP2001309983A JP 2001309983 A JP2001309983 A JP 2001309983A JP 2000044735 A JP2000044735 A JP 2000044735A JP 2000044735 A JP2000044735 A JP 2000044735A JP 2001309983 A JP2001309983 A JP 2001309983A
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JP2000044735A
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Hiroshi Takagi
宏 高木
Hitoshi Suzuki
等 鈴木
Kentaro Takemae
健太郎 竹前
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内針を収納でき、且つ誤作動による外針の収
納がなく、しかも使用前の安全性が確保された留置針注
射器を提供することにある。 【構成】 使用後の内針(12)を収納可能な収納機構を備
えた収納筒(1)を備える。その収納機構は、収納筒(1)の
軸方向後端側へ内針(12)を付勢する付勢手段(コイルス
プリング8)と、その付勢手段(8)と内針(12)との間に位
置し、内針(12)の収納操作をするために収納筒(1)から
突出させる操作部(6a)を備える操作体(6)と、前記操作
部(6a)の軌道を確保するために収納筒(1)に設けられた
ガイド溝(2)と、そのガイド溝(2)に連続し、操作部(6a)
を収納筒(1)に対して固定可能な係止窓部とを備える。
前記係止窓部は、内針(12)を収納筒(1)から突出させた
状態を維持する位置に設けた使用時固定部(3)と、内針
(12)を収納筒(1)へ収納させた状態を維持する位置に設
けた使用後固定部(4)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、皮膚を貫通して
血管へ達するための金属製針たる内針と、その内針の外
側に位置し、血管内へ留置される軟質性の外針とを備え
た留置針注射器構造の技術に関するものである。
【0002】
【先行技術】本発明の従来技術の説明に当たり、本出願
人は、特許出願、実用新案登録出願を調査し、「留置針
を用いた注射器」において、「二次感染のおそれを防止
する」ための関連技術としていくつかの技術を抽出し
た。例えば、特開平9−629号は、「留置針」に関す
るものである。そしてその技術は、「使用済みの留置針
の内針を関係者が二次感染を受ける心配なく安全に廃棄
処理できる」ことを目的とし、「内針を保護カバーの内
部へ固定できる構造」を備えている。通常、外針は樹脂
製、内針はステンレス製であるので、「針刺し事故」に
よる二次感染が心配されるのは、主に内針である。した
がって、突き刺しのおそれがあるのは内針を、特開平9
−629号に示す技術のように、筒状体(特開平9−6
29号では「保護カバー」)の内部へ収納してしまうと
いう技術はいくつか存在する。また、特許269113
5号に開示された技術では、針10をシールドするため
のハウジング36と、針10に取り付けられたハブ50
と、ハブ50を孔(ガイド38)へ向かって付勢する板バ
ネ44と、シールドのための動きを指から伝えるための
ラッチ部分34とを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、収納のため
の筒状体には、内針を収納するのであり、外針は収納し
ないものが普通である。また、収納するための機構を備
えたものにおいては、内針および外針を患者の皮膚へ刺
す作業中や作業終了後に、当該機構が誤作動しても外針
は筒状体へ収納されないための工夫があると、作業の安
全性の確保や再度の作業による患者への負担をなくすこ
とができる。そのような誤作動に対する対応を、内針の
収納機構によって達成しようとすると機構が複雑になっ
たり、内針の収納を作動させようとする操作が面倒にな
ったりする。例えば、前述の特許2691135号で
は、板バネ44がハブ50を孔(ガイド38)へ向かって
付勢しているので、収納の動作が滑らかでない場合があ
る。また、移動中はずっと、ラッチ部分34から指を離
すことができない。一方、留置針注射器、特にその内針
は尖ったものであるから使用前の安全性も確保されてい
なければならない。更に、内針も外針も患者の皮膚へ刺
すものであるから使用前には清潔でなければならない。
本発明が解決すべき課題は、使用前には内針および外針
が清潔であり、使用前および使用後の内針の安全性が簡
単な操作で確保可能な留置針注射器を提供することにあ
る。ここで、請求項1記載の発明の目的は、使用後の内
針の安全性が確保可能な留置針注射器を提供することで
ある。また、請求項2記載の発明の目的は、更に、内針
および外針を収納できる留置針注射器を提供することで
ある。また、請求項3記載の発明の目的は、更に、使用
後の内針収納を簡単な操作で行える留置針注射器を提供
することである。また、請求項4記載の発明の目的は、
更に、患者への使用時に患者の血管を確実に捉えること
に寄与する留置針注射器を提供することである。また、
請求項5記載の発明の目的は、更に、組み立て作業が簡
単な留置針注射器を提供することである。また、請求項
6、請求項9および請求項11記載の発明の目的は、更
に、誤作動防止に寄与するとともに操作が簡単な留置針
注射器を提供することである。また、請求項7および請
求項8記載の発明の目的は、更に、外針と内針との密着
状態を簡単に解除できる留置針注射器を提供することで
ある。また、請求項10記載の発明の目的は、更に、内
針を収納しても外針が収納されない留置針注射器を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。 (請求項1)請求項1記載の発明は、皮膚を貫通して血
管へ達するための金属製針たる内針(12)と、その内針(1
2)の外側に位置し、血管内へ留置される軟質性の外針(1
1)とを備えた留置針注射器構造に係る。すなわち、使用
後の内針(12)を収納可能な収納機構を備えた収納筒(1)
を備え、その収納機構は、収納筒(1)の軸方向後端側へ
内針(12)を付勢する付勢手段(コイルスプリング8)と、
その付勢手段(8)と内針(12)との間に位置し、内針(12)
の収納操作をするために収納筒(1)から突出させる操作
部(6a)を備える操作体(6)と、前記操作部(6a)の軌道を
確保するために収納筒(1)に設けられたガイド溝(2)と、
そのガイド溝(2)に連続し、操作部(6a)を収納筒(1)に対
して固定可能な係止窓部とを備える。更に、前記係止窓
部は、内針(12)を収納筒(1)から突出させた状態を維持
する位置に設けた使用時固定部(3)と、内針(12)を収納
筒(1)へ収納させた状態を維持する位置に設けた使用後
固定部(4)とを備える。以上のような構成である。付勢
手段としては、弾性部材、例えばコイルスプリングやひ
も状のゴムなどがある。 (作用)使用前においては、収納筒(1)から外針(11)お
よび内針(12)を突出させている。そして、患者へ注射す
る。注射後、収納筒(1)から突出している操作体(6)の操
作部(6a)を使用時固定部(3)からガイド溝(2)へ移動させ
る。すると、付勢手段(8)が収納筒(1)の軸方向の後端側
へ内針(12)を付勢し、操作部(6a)はガイド溝(2)に沿っ
て使用後固定部(4)へ向かって滑らかに素早く移動す
る。従って、内針(12)が収納筒(1)の内部空間へ移動
し、収納される。ここにおいて、内針(12)は収納筒(1)
に保護されているので、簡単な操作の留置針注射器によ
って、針刺し事故の未然防止に寄与することができる。
【0005】(請求項2)請求項2記載の発明は、請求
項1記載の留置針注射器構造を限定したものであり、収
納筒(1)は、内針(12)に装着された外針(11)をも収納可
能であるように形成した留置針注射器構造に係る。 (作用)内針(12)に装着された外針(11)をも収納可能と
しているので、使用前における運搬時などにおいて内針
(12)および外針(11)が損傷したりしないように保護する
ことができる。
【0006】(請求項3)請求項3記載の発明は、請求
項1または請求項2記載の留置針注射器構造を限定した
ものであり、使用時固定部(3)および使用後固定部(4)
は、操作部(6a)を収納筒(1)における筒周囲方向へ移動
させることによって収納筒(1)に対して固定するように
形成した留置針注射器構造に係る。 (作用)操作部(6a)を使用時固定部(3)からガイド溝(2)
へ移動させる場合、および操作部(6a)をガイド溝(2)か
ら使用後固定部(4)へ移動させる場合のいずれも、収納
筒(1)における筒周囲方向へ移動させることによって、
固定または固定解除が行えるので、操作が単純である。
そのため、例えば片手でも操作ができる。
【0007】(請求項4)請求項4記載の発明は、請求
項1、請求項2または請求項3記載の留置針注射器構造
を限定したものであり、操作体(6)の軸方向断面形状と
収納筒(1)の軸方向断面形状とは、操作部(6a)が使用時
固定部(3)に位置する場合には、操作体(6)の外周と収納
筒(1)の内壁との距離が極めて小さくなるような形状と
した留置針注射器構造に係る。「操作体(6)の外周と収
納筒(1)の内壁との距離」について「極めて小さい」と
は、操作体(6)の操作部(6a)を使用時固定部(3)からガイ
ド溝(2)へ回動させることはできるものの、操作体(6)と
収納筒(1)とのがたつきは極めて小さくなるような距離
であることをその趣旨としている。例えば、収納筒(1)
または操作体(6)が弾性変形することによって操作体(6)
の操作部(6a)を使用時固定部(3)からガイド溝(2)へ回動
させることはできる場合には、「操作体(6)の外周と収
納筒(1)の内壁との距離」をゼロとし、密着することと
してもよい。その場合には、がたつきはほとんどない
か、極めて小さいものとなる。なお、「操作体(6)の軸
方向断面形状と収納筒(1)の軸方向断面形状」について
は、具体的には、相互に凸部や溝を組み合わせるなどし
て形成することができる。より具体的には、図4および
図5にその断面形状を示す。 (作用)操作体(6)および収納筒(1)の断面形状を限定し
たことより、操作部(6a)が使用時固定部(3)内に位置す
る場合には、操作体(6)と収納筒(1)とのがたつきは極め
て小さく、操作体(6)が筒周囲方向へぶれにくい。この
ため、患者の血管へ内針(12)を刺したりする作業におい
て、患者の血管を確実に捉えることに寄与する。
【0008】(請求項5)請求項5記載の発明は、請求
項1から請求項4いずれかに記載の留置針注射器構造を
限定したものであり、付勢手段をコイルスプリング(8)
とし、そのコイルスプリング(8)と収納筒(1)の後端への
固定部材として尾栓(9)を備え、その尾栓(9)は、コイル
スプリング(8)の端部のリング部分を把持して固定する
とともに、収納筒(1)へ固定することとした留置針注射
器構造に係る。 (作用)コイルスプリング(8)、尾栓(9)を前述のように
構成したので、組み立て作業が簡易になる。
【0009】(請求項6)請求項6記載の発明は、請求
項3から請求項5いずれかに記載の留置針注射器構造を
限定したものであって、付勢手段(8)を誤動作防止や安
全性向上のために収納筒(1)の周方向へ付勢も機能する
ようにしたものである。すなわち、付勢手段(8)は、操
作部(6a)がガイド溝(2)側から係止窓部(3,4)側へも係止
窓部(3,4)側に向かって周方向へも付勢されるように収
納筒(1)および操作体(6)へ装着されることとした留置針
注射器構造に係る。 (作用)付勢手段(8)が操作部(6a)をガイド溝(2)側から
係止窓部(使用時固定部3,使用後固定部4)側へ付勢し
ている。したがって、使用時には操作部(6a)が使用時固
定部(3)からガイド溝(2)へ向かうことを妨げ、誤作動防
止に寄与する。また、使用後に操作部(6a)をガイド溝
(2)へ導くまでの操作をすれば、操作部(6a)はガイド溝
(2)を通った後に使用後固定部(4)側へ付勢され、使用後
固定部(4)へ納まるように動くので、操作が簡単にな
る。
【0010】(請求項7)請求項7記載の発明は、請求
項1から請求項6いずれかに記載の留置針注射器構造を
限定したものであり、内針(12)を収納筒(1)へ収納する
ために操作体(6)を収納筒(1)に対して筒周囲方向へ回動
させた場合に、外針(11)が内針(12)とともに回動しない
ようにするため、外針(11)の根本部と収納筒(1)との間
に回動防止係合部を備えた留置針注射器構造に係る。 (作用)患者への注射時から血管を捕捉するまでは外針
(11)および内針(12)は、患者への負担を軽減するために
密着しているので、内針(12)を外針(11)から引き抜く際
に、その密着状態を解除する必要がある。本請求項によ
れば、回動防止係合部が存在することによって、操作体
(6)を回動させると内針(12)が操作体(6)とともに回動す
るが外針(11)が回動しないので、密着状態にある外針(1
1)および内針(12)を解除する機能を果たす。
【0011】(請求項8)請求項8記載の発明は、請求
項1から請求項7いずれかに記載の留置針注射器構造を
限定したものであり、外針(11)の根元部と操作体(6)と
の間には、操作部(6a)を使用時固定部(3)からガイド溝
(2)へ移動させるために回動させると外針(11)を軸方向
移動させるカム機構を備えた留置針注射器構造に係る。
ここで、「カム機構」につき、外針(11)を軸方向移動さ
せるとは、操作体(6)から遠ざかる方向と、近づく方向
の二種類がある。 (作用)患者への注射時から血管を捕捉するまでは外針
(11)および内針(12)は、患者への負担を軽減するため、
密着している。そのため、内針(12)を外針(11)から引き
抜く際に、その密着状態を解除する必要があるが、カム
機構は、その密着状体を解除する機能を果たす。また、
そのカム機構を利用して、操作部(6a)の操作によって外
針(11)を移動させることができ、患者への微妙な動きを
補助することができる。
【0012】(請求項9)請求項9記載の発明は、請求
項1から請求項8いずれかに記載の留置針注射器構造を
限定したものであり、収納筒(1)から突出した状態の外
針(11)および内針(12)をカバーするキャップ(13)を備
え、そのキャップ(13)は、収納筒(1)の外針(11)側端部
へ固定するとともに、固定時には、操作部(6a)を回動さ
せないためのストッパー機能を備えた留置針注射器構造
に係る。 (用語説明)「ストッパー機能」とは、例えば、簡単な
はめ合わせによるロック機構などである。更に具体的に
は、図11に示すような角筒端部(1f)とストッパー片(1
3d)との組み合わせである。 (作用)キャップ(13)は、収納筒(1)から突出した状態
の外針(11)および内針(12)をカバーするので、使用前に
おける危険を回避したり、衛生状態を保持することに寄
与する。また、ストッパー機能を備えているので、使用
前、例えば運搬中に操作部(6a)が誤作動することを防ぐ
ことができる。
【0013】(請求項10)請求項10記載の発明は、
請求項1から請求項9のいずれかに記載留置針注射器構
造を限定したものであり、外針(11)が収納筒(1)へ収納
されないようにするために収納筒(1)に固定される外針
維持用蓋部材(20)とを備え、その外針維持用蓋部材(20)
は、その内寸法が、内針(12)を貫通可能であって、外針
(11)における収納筒(1)側の端部(基部10aにおける鍔部1
0b)における外形寸法よりも小さく形成した留置針注射
器構造に係る。 (作用)外針(11)は、内針(12)とともに皮膚を貫通して
血管へ達する。続いて、外針(11)の収納筒(1)側の端部
(10b)を押さえながら内針(12)を抜く。この作業の際に
おいては、収納機構(6,8)が作動しても、外針(11)にお
ける収納筒(1)側の端部(10b)における外形寸法よりも小
さく形成された内寸法の外針維持用蓋部材(20)が存在す
るので、外針(11)が収納筒(1)へ収納されることはな
い。内針(12)を抜いた後に外針(11)の収納筒(1)側の端
部(10b)には、点滴チューブなど体内へ注入するための
液体注入管を接続する。
【0014】(請求項11)請求項11記載の発明は、
請求項10記載の留置針注射器構造を限定したものであ
り、内針(12)の尖端が外針(11)の尖端から突出して収納
筒(1)に対して固定された状態において、内針(12)およ
び外針(11)を覆うキャップ(13)を備え、そのキャップ(1
3)は、外針維持用蓋部材(20)と競合しないように収納筒
(1)に対して固定されることとした留置針注射器構造に
係る。ここで、「外針維持用蓋部材(20)と競合しないよ
うに収納筒(1)に対して固定される」とは、キャップ(1
3)を収納筒(1)から外す際に、外針維持用蓋部材(20)ま
でもが収納筒(1)から外れないような固定手段をいう。
具体的には、外針維持用蓋部材(20)が収納筒(1)へ固定
されたまま収納筒(1)の端部を内包するようなキャップ
(13)の固定構造、あるいは外針維持用蓋部材(20)におけ
る収納筒(1)への固定部分を欠設させた固定構造などで
ある。 (作用)内針(12)および外針(11)を覆うキャップ(13)を
備えているので、使用前は清潔な状態を保つことがで
き、使用時にはすぐに使用することができる。また、キ
ャップ(13)が、外針維持用蓋部材(20)と競合しないよう
に収納筒(1)に対して固定されることとしているので、
キャップ(13)を収納筒(1)から外す際に外針維持用蓋部
材(20)は収納筒(1)から外れない。したがって、使用後
に外針(11)が収納筒(1)へ収納されるという誤作動を防
止するという外針維持用蓋部材(20)の機能は、保全され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態及び図
面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図
面は、図1乃至21である。
【0016】(全体の概要)図1および図2に示すの
は、皮膚を貫通して血管へ達するための金属製の針たる
内針(12)と、その内針(12)の外側に位置し、血管内へ留
置される軟質性の外針(11)と、それら内針(12)および外
針(11)を収納する収納筒(1)を備えた留置針注射器構造
である。内針(12)および外針(11)の関係は、図3に示す
とおりである。まず、外針体(10)は、軟質樹脂製のパイ
プ針たる外針(11)を備え、その外針(11)は、尖端部分を
薄肉に形成し、内針(12)との密着度を高めている。ま
た、その尖端部分は、容易には外れないように接着して
ある。尖端部分とは逆側には、点滴など薬液のチューブ
との接続をするため、ロート状の基部(10a)を備えてい
る。更に、その基部(10a)の端部には、鍔部(10b)を備え
ている。
【0017】内針(12)は、ステンレス製のパイプ針であ
り、尖端部分は斜めにカットされて突き刺しやすくして
いる。尖端部分とは逆側には、外針体(10)の基部(10a)
に内装される筒状の装着部(12a)と、後述する収納機構
の一部たる操作体(6)と連結する筒状の連結部(12b)とを
連続して形成している。また、連結部(12b)の端部に
は、円柱形をした樹脂製のフィルター(12c)を詰めてい
る。収納筒(1)、操作体(6)および外針体(10)は、血管を
捉えた後に血液が浸入した様子を目視できるように、透
明な材質にて形成する。通常、合成樹脂による成型品で
ある。
【0018】前記した収納機構は、収納筒(1)の後端側
へ内針(12)を付勢するコイルスプリング(8)と、その付
勢手段(8)と内針(12)との間に位置し、内針(12)の収納
操作をするための操作体(6)とを備えている。操作体(6)
は概ね円柱形をなし、外針(11)との係合のため、細円筒
形の取付部(6d)を備えている。そして、使用前において
は、図1に示すように内針(12)および外針(11)を収納筒
(1)の内部空間へ収納している。収納筒(1)における一端
には尾栓(9)を固定するとともに他端を開放端(1b)と
し、図2のように内針(12)および外針(11)を突出させて
使用する。そして、図1に示すように使用後には再び、
収納筒(1)の内部空間へ内針(12)および外針(11)を、収
納機構を用いて収納する。
【0019】操作体(6)は、操作体(6)を指で動かすため
の板状の操作部(6a)を、収納筒(1)から突出させてい
る。すなわち、図4に示すように、収納筒(1)には、前
記収納機構が作動した場合に前記操作部(6a)の軌道を確
保するために設けられたガイド溝(2)と、そのガイド溝
(2)に連続し、操作部(6a)を収納筒(1)に対して固定可能
な係止窓部と備えている。そして、その係止窓部は、内
針(12)を収納筒(1)から突出させた状態を維持する位置
に設けた使用時固定部(3)と、内針(12)を収納筒(1)へ収
納させた状態を維持する位置に設けた使用後固定部(4)
とからなる。使用時固定部(3)は、操作部(6a)を使用時
固定部(3)へ固定するための誤動作防止突起(3a)を備え
ている。また、使用後固定部(4)は、操作部(6a)を使用
時固定部(3)とは反対側へ落とし込めるような形状をな
しており、そこへ操作部(6a)を収納して固定するための
収納突起(4a)を備えている。
【0020】(誤作動防止)図4および図5にて明らか
にしているように、前記した操作体(6)は、概ね円柱形
をなしているが、収納筒(1)の内壁に当接する操作体リ
ブ(6e)を周囲四カ所に備えている。また、前記の収納筒
(1)の内壁は、曲面部(1c)と平面部(1d)とを交互に組み
合わせた形状としている。図6に示すように、操作体
(6)および収納筒(1)をこのような形状としており、使用
時固定部(3)においては、操作体(6)の操作体リブ(6e)が
収納筒(1)の平面部(1d)たる内壁へ密着する。したがっ
て、操作部(6a)が使用時固定部(3)内に位置する場合に
は、操作体(6)と収納筒(1)とのがたつきは極めて小さ
く、操作体(6)が筒周囲方向へぶれにくい。このため、
患者の血管へ内針(12)を刺したりする作業において、患
者の血管を確実に捉えることに寄与する。なお、図4お
よび図5では、操作体リブ(6e)および平面部(1d)を四カ
所に設けるとして説明しているが、三カ所でもよい。た
だし、あまり多く設けると、操作体(6)の操作性とがた
つき防止とを両立できなくなる。
【0021】(コイルスプリングの係止)収納機構の一
部として用いられるコイルスプリング(8)は中央の巻き
線部(8a)よりも大径とした大径端部(8b)を、収納筒(1)
の一端に固定される尾栓(9)と、スプリング係止片(6f)
を介した操作体(6)とに固定される。尾栓(9)は、収納筒
(1)への固定を行う係止部(9a)と、コイルスプリング(8)
の大径端部(8b)を固定するための固定部(9b)とを有す
る。スプリング係止片(6f)は、収納筒(1)への固定を行
う係止部(6g)と、コイルスプリング(8)の大径端部(8b)
を固定するための固定部(6h)とを有する。なお、コイル
スプリング(8)の係止手段としては、図7に示すような
バリエーションもある。これは、コイルスプリング(8)
の両端部を幅狭部(8c)としておき、尾栓(9)の固定部(9
b)およびスプリング係止片(6f)の固定部(6h)を矢尻形状
にするのである。このようにすれば、矢尻形状部分をコ
イルスプリング(8)の幅狭部(8c)へ差し込むだけで組み
立て作業が終えられるという利点がある。
【0022】(外針の回り防止)図8に示すのは、内針
(12)を外針(11)から引き抜く際に、外針(11)および内針
(12)の密着状態を解除する機構の一例である。患者への
注射時から血管を捕捉するまでは外針(11)および内針(1
2)は、患者への負担を軽減するために密着している。従
って、、内針(12)を外針(11)から引き抜く際に、外針(1
1)および内針(12)の密着状態を簡単に解除できると、操
作しやすい。そこで、外針体(10)の鍔部(10b)において
他の部分よりも拡開した拡開部(10c)を備え、収納筒(1)
にはその拡開部(10c)を抑える回り止め部(1d)を備えて
いる。操作体(6)の操作部(6a)を使用時固定部(3)からガ
イド溝(2)へ回動させると、内針(12)は操作体(6)に追従
して回動する。しかし、拡開部(10c)および回り止め部
(1d)の存在により、外針(11)および外針体(10)は回動を
抑えられる。すると、外針(11)および内針(12)は相対的
に回動することとなり、密着状態が解除されるのであ
る。図9は、操作体(6)の操作部(6a)を使用後固定部(4)
まで移動させることにより、内針(12)を収納筒(1)の内
部空間へ収納した状態を示している。
【0023】(ひねりによる安全性)図10は、コイル
スプリング(8)の収納筒(1)への装着において、周方向へ
ひねりを加える旨を表したものである。すなわち、コイ
ルスプリング(8)は、ガイド溝(2)に位置する操作部(6a)
が使用時固定部(3)あるいは使用後固定部(4)へ移動する
方向へひねった状態で尾栓(9)とともに収納筒(1)へ装着
している。このように装着しているので、使用時には操
作部(6a)がガイド溝(2)へ向かうことを妨げ、誤作動防
止に寄与する。また、使用後に操作部(6a)をガイド溝
(2)へ導くまでの操作をすれば、操作部(6a)はガイド溝
(2)を通った後に使用後固定部(4)へ納まるように動くの
で、操作が簡単になる。なお、尾栓(9)の収納筒(1)への
装着角度を変えることによって、コイルスプリング(8)
によるひねり力を調整することができる。なお、図10
では、収納筒(1)における尾栓(9)と反対側の形状を異な
らせたバリエーションをも同時に示しており、四角筒状
の角筒端部(1f)としている。この機能については後述す
る。
【0024】(収納筒端部とキャップ)図11には、収
納筒(1)について一端を四角筒状の角筒端部(1f)とする
とともに、使用前のキャップ(13)を装着した状態を示し
ている。キャップ(13)は、収納筒(1)から突出した状態
の外針(11)および内針(12)をカバーするものである。こ
のため、キャップ(13)を外せばすぐに使用することがで
きると同時に使用前における危険を回避し、外針(11)お
よび内針(12)が損傷することを防止できる。また、キャ
ップ(13)には、操作部(6a)に向かってストッパー片(13
d)が設けられている。このストッパー片(13d)は、キャ
ップ(13)を収納筒(1)へ装着した場合に、操作部(6a)の
ガイド溝(2)側に位置するようにしてある。収納筒(1)の
角筒端部(1f)が四角筒状をなしているので、キャップ(1
3)が収納筒(1)に対して回動することを防ぐこととな
る。そのため、ストッパー片(13d)は、常に操作部(6a)
のガイド溝(2)側に位置する。そのため、操作部(6a)が
誤作動することを防ぐことができるのである。
【0025】(カム機構1)図12には、操作部(6a)を
使用時固定部(3)からガイド溝(2)へ移動させるために回
動させると外針(11)を軸方向移動させるカム機構を備え
た留置針注射器構造を示している。患者への注射時から
血管を捕捉するまでは外針(11)および内針(12)は、患者
への負担を軽減するために密着しているので、内針(12)
を外針(11)から引き抜く際に、その密着状態を解除する
必要があるが、カム機構はその解除を行うために機能す
る。まず、内針(12)は、操作体(6)の先方に形成された
取付部(6j)へ固着されており、その取付部にはリブ(6k)
を形成し、外針体(10)の基部(10a)の内周に係合して容
易には外れないように結合される。また、リブ(6k)にお
ける反内針(12)側には、螺旋状の突条たるカム部(6m)を
形成している。なお、前記操作体(6)の取付部(6j)を、
操作体(6)とは別体に形成することによって、内針(12)
と操作体(6)とを分離して形成することも可能である。
【0026】一方、収納筒(1)の端部には、角筒端部(1
f)を形成し、その角筒端部(1f)の先端には、収納筒(1)
の軸方向にのみ摺動するような可動リング(7)を内包し
ている。またこの可動リング(7)内部には、図示を省略
するものの、前記のカム部(6m)に噛み合う螺旋状のカム
溝を備えている。それらカム部(6m)およびカム溝は、操
作体(6)を使用時固定部(3)からガイド溝(2)へ移動させ
ると可動リング(7)を前方へ移動させる方向に形成され
ている。なお、この移動長さは、1.0〜1.5ミリメ
ートル程度としている。以上のような構成において、操
作体(6)を使用時固定部(3)からガイド溝(2)へ移動させ
ると、操作体(6)に伴って内針(12)が回動する。同時
に、カム部(6m)も回動し、可動リング(7)内のカム溝を
移動し、可動リング(7)を前方へ押しやる。すると、可
動リング(7)に接している外針(11)が前方へ移動される
こととなる。そして、内針(12)と外針(11)との密着状態
が解除される。
【0027】(カム機構2)図13ないし図14には、
図12とは別のカム機構を示している。操作体(6)にお
ける前端にはリブ(6k)を備えた取付部(6j)を形成してお
り、その取付部(6j)の周囲において、その一部を軸方向
へ盛り上がるような山状のカム部(6m)としている。一
方、収納筒(1)の端部には、収納筒(1)の軸方向にのみ摺
動するような可動リング(7)を内包しており、その可動
リング(7)は操作体(6)における前端に当接するようにし
ている。以上のような構成において、操作体(6)を使用
時固定部(3)からガイド溝(2)へ移動させると、操作体
(6)に伴って内針(12)が回動する。同時に、カム部(6m)
も回動するので、カム部(6m)の山状部分が可動リング
(7)を前方へ押しやる。すると、可動リング(7)に接して
いる外針(11)が前方へ移動されることとなる。そして、
内針(12)と外針(11)との密着状態が解除される。
【0028】(内針と外針との関係)図15は、本実施
形態に係る留置針注射器構造を用いて血管(30)を捉える
様子を示しており、図16は、内針(12)および外針(11)
の尖端部分の拡大図である。図15における右側の状態
は、血管(30)に内針(12)および外針(11)を刺した正常な
状態を示している。一方、図15における左側の状態
は、内針(12)が血管(30)に刺さっているものの、外針(1
1)が血管(30)へ到達していないので、正常な状態ではな
い。ところが、内針(12)さえ血管(30)へ到達していれば
内針(12)を通して操作体(6)の内部へ血液(P)が浸入して
くるので、「正常である」と判断してしまう場合があ
る。すなわち、これまでの留置針注射器構造では、正常
な状態を確保するには熟練を要する。しかし、図12、
図13および図14にて示したようなカム機構があれ
ば、操作部(6a)を回動させることによって可動リング
(7)が前進し、外針体(10)も前進するので、図15にお
ける左側の状態のまま操作部(6a)を操作しても、外針(1
1)が血管(30)へ到達する。したがって、内針(12)が血管
(30)へ到達し、内針(12)を通して操作体(6)の内部へ血
液(P)が浸入してくるのを確認さえできれば、操作部(6
a)を操作してよいので、それほどの熟練を要さなくても
正常な状態を確保することができる。
【0029】(蓋部材を備えた実施形態)図17に示す
のは、皮膚を貫通して血管へ達するための金属製針たる
内針(12)と、その内針(12)の外側に位置し、血管内へ留
置される軟質性の外針体(10)と、使用後の内針(12)を収
納可能な収納機構を備えた収納筒(1)とを備えた留置針
注射器構造である。主に、前述した実施形態との相違点
を説明する。操作体(6)は、内針(12)の連結部(12b)を差
し込んで固定可能な筒状の取付部(6d)と、その取付部(6
d)に差し込まれた内針(12)の連結部(12b)の軸方向を支
える板状のリブ(6c)と、そのリブ(6c)および取付部(6d)
の軸方向を長手方向として突出する長板状の操作部(6a)
とを備えている。 一方、収納筒(1)は、使用時におけ
る操作体(6)の位置と、使用後における操作体(6)の位置
と、それら二つの位置を結ぶ部分とには、操作体(6)の
操作部(6a)を収納筒(1)から突出させられる溝状のガイ
ド溝(2)を設けている。また、使用時における操作体(6)
の位置には、使用時に操作体(6)を安定して固定するた
め、ガイド溝(2)から連続した窓状の使用時固定部(3)を
形成している。この使用時固定部(3)は、操作部(6a)を
突出させるため操作部(6a)の長手方向寸法に一致した寸
法にて形成するとともに、ガイド溝(2)との境目に誤作
動防止突起(3a)を備えている。この突起(3a)は、使用時
に操作部(6a)がガイド溝(2)へ位置する妨げになる。
【0030】更に、使用後における操作体(6)の位置に
は、使用後に操作体(6)を安定して固定するため、ガイ
ド溝(2)から連続した窓状の使用後固定部(4)を形成して
いる。すなわち、尾栓(9)側へ更に後退させた位置に使
用後固定部(4)を備えた図4に示す実施形態とは異なら
せている。この使用後固定部(4)は、操作部(6a)を突出
させるため操作部(6a)の長手方向寸法よりも長い寸法と
するとともに、操作部(6a)の長手方向寸法に一致した寸
法の箇所に収納突起(4a)を備えている。この収納突起(4
a)は、操作部(4a)を尾栓(9)側へ後退させた際に操作部
(6a)へ係合させることによって、操作体(6)をその場所
へ固定する。また、収納筒(1)における外針体(10)と反
対側の端部には、尾栓(9)を固定するための切り欠き部
たる尾栓固定部(5)を備えている。この尾栓固定部(5)
は、片矢印形状の切り欠きであり、この形状に合わせた
係止部(9a)が尾栓(9)に備えられている。
【0031】さて、外針体(10)が収納筒(1)へ収納され
ないようにするため、収納筒(1)における尾栓(9)とは反
対側の端部には、外針維持用蓋部材(20)が固定されてい
る。この外針維持用蓋部材(20)は、短筒の一部に欠設部
(20c)を備えることによって樋状とした樋状部(20d)とし
ている。また、この外針維持用蓋部材(20)を収納筒(1)
に固定するため、収納筒(1)の端部外周への固定部たる
固定片(20d)と、その固定片(20b)と樋状部(20d)との間
に位置する連結部(20a)とを備えている。樋状部(20d)の
内寸法は、装着部(12a)、連結部(12b)を含めた内針(12)
における外形寸法よりも大きく、これらを貫通させるこ
とは可能であるが、外針体(10)における鍔部(10b)の外
形寸法よりも小さい。このため、外針体(10)は、収納機
構が作動して内針(12)が収納筒(1)の内部へ収納される
こととなっても、収納筒(1)の内部へ収納されることは
ない。なお、外針維持用蓋部材(20)は、その欠設部(20
c)が、使用時における操作体(6)の操作部(6a)の位置に
近接するように、収納筒(1)に対して固定している。
【0032】(図18)ここで、図18を参照させなが
ら、使用時について説明する。外針(11)および外針体(1
0)は、内針(12)とともに皮膚を貫通して血管へ達する。
続いて、外針体(10)の収納筒(1)側の鍔部(10b)を押さえ
ながら内針(12)を抜く。この作業の際においては、外針
維持用蓋部材(20)には欠設部(20c)が存在するので、外
針体(10)の収納筒(1)側の鍔部(10b)を押さえる指の動き
を邪魔しない。またこのとき、収納機構(6,8など)が作
動しても、外針体(10)における収納筒(1)側の鍔部(10b)
における外形寸法よりも小さく形成された内寸法の外針
維持用蓋部材(20)が存在するので、外針体(10)が収納筒
(1)へ収納されることはない。内針(12)を抜いたら、使
用時固定部(3)に位置していた操作部(6a)を指で動かす
ことによって誤動作防止突起(3a)を乗り越えさせ、ガイ
ド溝(2)へ導く。すると、コイルスプリング(8)が収縮
し、操作体(6)を尾栓(9)側へ移動させる。このとき操作
部(6a)は、ガイド溝(2)に沿って使用後固定部(4)へ移動
する。そして、使用後固定部(4)にある操作部(6a)を更
に回動させ、収納突起(4a)に操作部(6a)を係合させる。
すると、操作体(6)はその場に固定されることとなり、
操作体(6)に固定されている内針(12)が収納筒(1)から再
び突出することはほとんどなく、針刺し事故の発生確率
を低減させることができる。なお、外針維持用蓋部材(2
0)の欠設部(20c)は、前記操作部(6a)に近接させて位置
しているので、外針体(10)の収納筒(1)側の鍔部(10b)を
押さえながら内針(12)を抜く作業と、内針(12)の収納筒
(1)内部への収納を操作する操作とを、収納筒(1)を握り
変えずに行うことができる。
【0033】(保護キャップ)図19に示すのは、使用
時の状態にて内針(12)および外針(11)を保護するキャッ
プ(13)が装着された状態を示している。このキャップ(1
3)は、収納筒(1)の端部を内包する外周部(13a)を備えて
いる。本実施形態に係る留置針注射装置は、このキャッ
プ(13)を装着した状態で包装して供給されるので、キャ
ップ(13)を外せば、すぐに使用時の状態となる。
【0034】(蓋部材のバリエーション)図20には、
外針維持用蓋部材(20)の形状を前述の実施形態とは異な
らせた実施形態を示している。異ならせている点は、収
納筒(1)の端部外周への固定部たる固定片(20b)の代わり
に、片矢印形状の係止部(20e)を備えた点である。収納
筒(1)には、前述の係止部(20e)に対応させて外針維持用
蓋部材(20)を固定するための蓋係止部(1a)を備えてい
る。
【0035】(キャップのバリエーション)図21に
は、図3で示したキャップ(13)の形状を前述の実施形態
とは異ならせた実施形態を示している。異ならせている
のは、短筒部(13a)よりも長い内包部(13b)を備えている
点であり、キャップ(13)を収納筒(1)へ固定した際には
外針維持用蓋部材(20)は完全にキャップ(13)へ内包され
る。その内包部(13b)は、キャップ(13)を収納筒(1)へ固
定した際に使用時固定部(3)に到達するが、操作部(6a)
に対応する部分を切り欠いて操作部対応部(13c)として
いる。キャップ(13)を収納筒(1)から外す際に外針維持
用蓋部材(20)は収納筒(20)から外れることはなく、使用
後に外針体(10)が収納筒(1)へ収納されるという誤作動
を防止するという外針維持用蓋部材(20)の機能が損なわ
れることもない。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、使用後の
内針の安全性が確保可能な留置針注射器を提供すること
ができた。また、請求項2記載の発明によれば、更に、
内針および外針を収納できる留置針注射器を提供するこ
とができた。また、請求項3記載の発明によれば、更
に、使用後の内針収納を簡単な操作で行える留置針注射
器を提供することができた。また、請求項4記載の発明
によれば、更に、患者への使用時に患者への負担を軽減
する留置針注射器を提供することができた。また、請求
項5記載の発明によれば、更に、組み立て作業が簡単な
留置針注射器を提供することができた。また、請求項
6、請求項9および請求項11記載の発明によれば、更
に、誤作動防止に寄与するとともに操作が簡単な留置針
注射器を提供することができた。また、請求項7および
請求項8記載の発明によれば、更に、外針と内針との密
着状態を簡単に解除できる留置針注射器を提供すること
ができた。また、請求項10記載の発明によれば、更
に、内針を収納しても外針が収納されない留置針注射器
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態において、内針および外針が
収納された状態を示す断面図である。
【図2】内針および外針が突出した状態を示す断面図で
ある。
【図3】内針および外針の関係を示す図である。
【図4】収納機構の組立斜視図である。
【図5】操作体近傍を示す斜視図である。
【図6】操作体と収納筒との関係を示す断面図である。
【図7】収納機構のバリエーションを示す組立斜視図で
ある。
【図8】外針体と収納筒との関係におけるバリエーショ
ンを示すとともに、操作体と収納筒との関係を示す斜視
図である。
【図9】内針のみが収納筒へ収納された状態を示す断面
図である。
【図10】コイルスプリングを収納筒へ装着する様子を
示す斜視図である。
【図11】内針および外針をカバーするキャップ着脱の
様子を示す斜視図である。
【図12】カム機構を示す組立斜視図である。
【図13】カム機構を示す組立斜視図である。
【図14】カム機構の動きを示す斜視図である。
【図15】血管を捕捉する状態を示す斜視図である。
【図16】内針および外針の尖端部を示す拡大図であ
る。
【図17】外針維持用蓋部材を備えた実施形態を示す組
立斜視図である。
【図18】外針体を操作する指と外針維持用蓋部材とを
示す斜視図である。
【図19】内針および外針をカバーするキャップを装着
した状態を示す斜視図である。
【図20】外針維持用蓋部材のバリエーションを示す組
立斜視図である。
【図21】キャップのバリエーションを示す組立斜視図
である。
【符号の説明】
1 収納筒 1a 蓋係止
部 1b 開放端 1c 曲面部 1d 平面部 1e 回り止
め部 1f 角筒端部 2 ガイド溝 3 使用時固定部 3a 誤動作
防止突起 4 使用後固定部 4a 収納突
起 5 尾栓固定部 6 操作体 6a 操作部 6b 固定用窓 6c リブ 6d 取付部 6e 操作体
リブ 6f スプリング係止片 6g 係止部 6h 固定部 6j 取付部 6k リブ 6m カム部 7 可動リング 8 付勢手段(コイルスプリング) 8a 巻き線
部 8b 大径端部 9 尾栓 9a 係止部 9b 固定部 10 外針体 10a 基部 10b 端部(鍔部) 11 外針 12 内針 12a 装着
部 12b 連結部 12c フィ
ルター 13 キャップ 13a 短筒
部 13b 内包部 13c 操作
部対応部 13d ストッパー片 20 外針維持用蓋部材 20a 連結
部 20b 固定片 20c 欠設
部 20d 樋状部 20e 係止
部 30 血管 P 血液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−174819 (32)優先日 平成11年6月22日(1999.6.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−183138 (32)優先日 平成11年6月29日(1999.6.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−43055(P2000−43055) (32)優先日 平成12年2月21日(2000.2.21) (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚を貫通して血管へ達するための金属
    製針たる内針と、その内針の外側に位置し、血管内へ留
    置される軟質性の外針とを備えた留置針注射器構造であ
    って、使用後の内針を収納可能な収納機構を備えた収納
    筒を備え、その収納機構は、収納筒の軸方向後端側へ内
    針を付勢する付勢手段と、その付勢手段と内針との間に
    位置し、内針の収納操作をするために収納筒から突出さ
    せる操作部を備える操作体と、前記操作部の軌道を確保
    するために収納筒に設けられたガイド溝と、そのガイド
    溝に連続し、操作部を収納筒に対して固定可能な係止窓
    部とを備え、前記係止窓部は、内針を収納筒から突出さ
    せた状態を維持する位置に設けた使用時固定部と、内針
    を収納筒へ収納させた状態を維持する位置に設けた使用
    後固定部とを備えることとした留置針注射器構造。
  2. 【請求項2】 収納筒は、内針に装着された外針をも収
    納可能であるように形成した請求項1記載の留置針注射
    器構造。
  3. 【請求項3】 使用時固定部および使用後固定部は、操
    作部を収納筒における筒周囲方向へ移動させることによ
    って収納筒に対して固定するように形成した請求項1ま
    たは請求項2記載の留置針注射器構造。
  4. 【請求項4】 操作体の軸方向断面形状と収納筒の軸方
    向断面形状とは、操作部が使用時固定部に位置する場合
    には、操作体の外周と収納筒の内壁との距離が極めて小
    さくなるような形状とした請求項1、請求項2または請
    求項3記載の留置針注射器構造。
  5. 【請求項5】 付勢手段をコイルスプリングとし、その
    コイルスプリングと収納筒の後端への固定部材として尾
    栓を備え、その尾栓は、コイルスプリングの端部のリン
    グ部分を把持して固定するとともに、収納筒へ固定する
    こととした請求項1から請求項4いずれかに記載の留置
    針注射器構造。
  6. 【請求項6】 付勢手段は、操作部がガイド溝側から係
    止窓部側に向かって周方向へも付勢されるように収納筒
    および操作体へ装着されることとした請求項1から請求
    項5いずれかに記載の留置針注射器構造。
  7. 【請求項7】 内針を収納筒へ収納するために操作体を
    収納筒に対して筒周囲方向へ回動させた場合に、外針が
    内針とともに回動しないようにするため、外針の根本部
    と収納筒との間に回動防止係合部を備えた請求項1から
    請求項6いずれかに記載の留置針注射器構造。
  8. 【請求項8】 外針の根元部と操作体との間には、操作
    部を使用時固定部からガイド溝へ移動させるために回動
    させると外針を軸方向移動させるカム機構を備えた請求
    項1から請求項7いずれかに記載の留置針注射器構造。
  9. 【請求項9】 収納筒から突出した状態の外針および内
    針をカバーするキャップを備え、そのキャップは、収納
    筒の外針側端部へ固定するとともに、固定時には、操作
    部を回動させないためのストッパーを備えた請求項1か
    ら請求項8いずれかに記載の留置針注射器構造。
  10. 【請求項10】 外針が収納筒へ収納されないようにす
    るために収納筒に固定される外針維持用蓋部材とを備
    え、その外針維持用蓋部材は、その内寸法が、内針を貫
    通可能であって、外針における収納筒側の端部における
    外形寸法よりも小さく形成した請求項1から請求項9の
    いずれかに記載留置針注射器構造。
  11. 【請求項11】 内針の尖端が外針の尖端から突出して
    収納筒に対して固定された状態において、内針および外
    針を覆うキャップを備え、そのキャップは、外針維持用
    蓋部材と競合しないように収納筒に対して固定されるこ
    ととした請求項10記載の留置針注射器構造。
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JP2004533278A (ja) * 2001-02-21 2004-11-04 セルポムド リミテッド 小型カテーテル挿入装置

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