JP2001304942A - 車両用燃料計 - Google Patents

車両用燃料計

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JP2001304942A
JP2001304942A JP2000081687A JP2000081687A JP2001304942A JP 2001304942 A JP2001304942 A JP 2001304942A JP 2000081687 A JP2000081687 A JP 2000081687A JP 2000081687 A JP2000081687 A JP 2000081687A JP 2001304942 A JP2001304942 A JP 2001304942A
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fuel
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Kiyoshi Enomoto
清 榎本
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Nippon Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 燃料タンク内の燃料量をガソリン内の硫化物
質などによる可動接点の接触抵抗の影響を受けることな
く精度よく検出することのできる車両用燃料計を提供す
る。 【解決手段】 車両の燃料タンク内の異なる位置に配置
される可動接点S1,S2を有する第一の抵抗式センサ
ー1および第二の抵抗式センサー2とを備え、前記第一
と第二の抵抗式センサー1の抵抗体VR1,VR2の一
端同士を接続し、第一の抵抗式センサー1の可動接点S
1に定電流I0を供給する定電流回路ITを接続し、第
二の抵抗式センサー2の可動接点S2を回路的に接地す
るよう接続するとともに、抵抗体VR1,VR2の他端
の電圧を出力部3により検出するよう構成し、あるいは
単一の抵抗式センサー1の抵抗体VR1の一端を接地す
るとともに、可動接点S1に定電流を供給する定電流回
路ITを備え、かつ前記抵抗式センサー1の抵抗体VR
1の他端の電圧を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクを搭載
した車両における車両用燃料計に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンやメタノール等の燃料によって
走行する車両にあっては、燃料を収納する燃料タンクを
搭載し、ここからの燃料供給によってエンジンを駆動し
ており、こうした燃料の残量を指示する燃料計を運転席
前方のダッシュボードに設置し、運転者はこれを確認す
ることで燃料不足の判断とともに給油を行うようにして
いる。
【0003】このような燃料タンク内の燃料残量を指示
する燃料計としては、指針により指示をなす交差コイル
式計器やステッピングモータ式計器あるいはバーグラフ
やデジタル数値にて指示をなす液晶表示器や蛍光表示管
等が用いられ、タンク内の燃料残量を検出するものとし
ては、一般には構造が簡単で安価に構成できる抵抗式セ
ンサーを燃料タンク内に設置した液位センサーが知られ
ており、運転者は運転席にてこの燃料計にて指示される
燃料残量を運転中常に確認でき、目的地までの距離に応
じた給油の必要性を判断することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、こうした抵
抗式センサーからなる燃料計による燃料残量検出は、液
位に応じて浮遊するフロートに連結したアームにより可
動接点を角度回動し、抵抗体と接続した多くの電極との
接続位置にて液位に相応した抵抗値を電圧にて求めるよ
うにしているが、ガソリンやメタノール等の燃料中に浸
された状態にて接点位置が変化するため、その接点部分
における通電がなされる以上その接点部分に接触摩耗や
接点不良の問題が生じる可能性があるが接点材料の改良
で改善されてきている。ただし、特に劣悪なガソリン等
の燃料中にあってはその燃料中の硫黄分によってAg
(銀)成分が硫化し、可動接点や抵抗体の摺動電極の表
面にその硫化銀が堆積することにより、接点間の電気抵
抗が増加して接点間の通電電流に影響し、可動接点を接
地したりあるいはこの可動接点を出力端子として使用す
るといったたとえば実公昭60−23709号のような
分圧仕様での検出方式においては、こうした硫化物によ
る接点間抵抗の影響にて可変抵抗体の可動接点による実
際の分圧が得られず、燃料計としての燃料量の指示に誤
差を生じるといった問題を有している。
【0005】そこで本発明は、硫化等の劣化や腐食に強
い高価な接点部または導体電極を用いることなく、ある
いはそうした接点部との併用によってより精度の高い燃
料量の検出を行う車両用燃料計を提供するものである。
また、たとえば一つのタンク内に車両の傾きによる液面
傾斜を考慮した平均液位検出を行うように、実開昭59
−12019号公報に開示されるようなタンク内に二つ
の液位センサーを配置してその平均を得るものや、実公
平2−38830号公報に開示されているような連通パ
イプによって連通された2室からなるタンクにおける各
々の分離室(メインタンク、およびサブタンクあるいは
リザーバタンク)に設けた二つの液位センサーの平均出
力によってタンク内全体の残燃料量を求めるものにおい
て、各々の液位センサーにおける前記硫化などによる接
点部における接触抵抗の影響を受けない燃料計を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用燃料計
は、車両の燃料タンク内に設置される液位センサーにて
燃料量を検出する燃料計であって、前記液位センサー
は、タンク内の異なる位置に配置される可動接点を有す
る第一および第二の抵抗式センサーからなり、前記第一
と第二の抵抗式センサーの抵抗体の各一端を接続すると
ともに、他端の間の電圧を検出する出力部を備え、かつ
一方の抵抗式センサーの可動接点に定電流を供給する定
電流回路を設け、さらに他方の抵抗式センサーの可動接
点を接地したことを特徴とする。
【0007】前記第一と第二の抵抗式センサーの抵抗体
の他端間に所定の抵抗値を有する出力抵抗を接続し、前
記出力部にて前記出力抵抗の両端電圧を検出することを
特徴とする
【0008】また前記出力部は、ハイインピーダンス入
力であることを特徴とする。
【0009】また前記出力部は、前記抵抗式センサーの
抵抗体の他端の間の電圧を検出することによって前記液
位センサーにより検出される燃料量を表示する表示部を
備えてなることを特徴とする。
【0010】また前記第一および第二の抵抗式センサー
の抵抗体の抵抗値を同一としたことを特徴とする。
【0011】また本発明は、車両の燃料タンク内に設置
される液位センサーにて燃料量を検出する燃料計であっ
て、前記液位センサーは、可動接点を有する抵抗式セン
サーからなり、前記抵抗式センサーの抵抗体の一端もし
くは前記可動接点の一方から定電流を供給する定電流回
路を接続し、他方を接地するとともに、前記抵抗式セン
サーの抵抗体の他端の電圧を検出する出力部を設けたこ
とを特徴とする。
【0012】車両の燃料タンク内に設置される液位セン
サーにて燃料量を検出する燃料計であって、前記液位セ
ンサーは、可動接点を有する抵抗式センサーからなり、
前記抵抗式センサーの抵抗体の一端もしくは前記可動接
点の一方から定電流を供給する定電流回路を接続すると
ともに、前記抵抗式センサーの抵抗体と並列に所定の抵
抗値を有する出力抵抗を接続し、この出力抵抗の両端電
圧を検出する出力部を設けたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】車両の燃料タンク内の異なる位置
に配置される可動接点S1,S2を有する第一の抵抗式
センサー1および第二の抵抗式センサー2とを備え、前
記第一と第二の抵抗式センサー1の抵抗体VR1,VR
2の一端同士を接続し、第一の抵抗式センサー1の可動
接点S1に定電流I0を供給する定電流回路ITを接続
し、第二の抵抗式センサー2の可動接点S2を回路的に
接地するよう接続するとともに、抵抗体VR1,VR2
の他端の電圧を出力部3により検出するよう構成したこ
とにより、可動接点S1,S2と抵抗体VR1,VR2
の導体電極の接触抵抗が硫化などの影響によって増加し
たとしても第一および第二の抵抗式センサー1,2の抵
抗体VR1,VR2における定電流I0による接点位置
に依存した電圧降下は可動接点S1から接続側の抵抗値
r1,r2を通して可動接点S2にて接地される経路で
の各抵抗値r1,r2による電圧降下にて検出すること
ができ、精度の高い検出が可能となる。
【0014】また、前記抵抗体VR1とVR2の他端に
て電圧を検出する出力部3をハイインピーダンス入力と
することにより、可動接点S1,S2の接触位置におけ
る電圧降下をより精度よく検出できる。
【0015】また、前記抵抗体VR1,VR2の他端間
に所定の抵抗値を有する出力抵抗r0を接続し、前記出
力部3にて前記出力抵抗r0の両端電圧を検出するよう
にしたことにより、簡単な構成によって精度の高い検出
が可能となる。
【0016】また、出力部3には、前記抵抗式センサー
1,2の抵抗体VR1,VR2の他端の間の電圧を検出
することによって前記液位センサーにより検出される燃
料量を表示する表示部を備えることで、硫化による接点
抵抗の増加に大きく影響されない精度のよい燃料残量表
示が可能となる。
【0017】また前記第一および第二の抵抗式センサー
1,2の抵抗体VR1,VR2の抵抗値を同一としたこ
とにより、出力電圧による二つのセンサーでの平均化に
よる検出が容易となる。
【0018】また、前記液位センサーは、可動接点S1
を有する抵抗式センサー1からなり、たとえば前記抵抗
式センサー1の抵抗体VR1の一端を接地するととも
に、可動接点S1に定電流を供給する定電流回路ITを
備え、かつ前記抵抗式センサー1の抵抗体VR1の他端
の電圧を検出する出力部3を設けたことにより、単一の
センサーにおいても硫化等による接点抵抗の影響を受け
ない精度の高い検出を可能とする。
【0019】また、前記液位センサーは、可動接点S1
を有する抵抗式センサー1からなり、前記抵抗式センサ
ー1の抵抗体VR1の一端もしくは前記可動接点S1の
一方から定電流I0を供給する定電流回路ITを接続す
るとともに、前記抵抗式センサー1の抵抗体VR1と並
列に所定の抵抗値を有する出力抵抗r0を接続し、この
出力抵抗r0の両端電圧を検出する出力部3を設けたこ
とにより、簡易な構成にて精度の高い検出を可能とす
る。
【0020】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す回路構成図で
あって、車両用燃料タンク内の異なる位置に液位センサ
ーとしての第一の抵抗式センサー1と第二の抵抗式セン
サー2とが設けられており、これら抵抗式センサー1,
2は燃料タンク内の液面に浮遊するフロートアームに連
結して回動する可動接点S1,S2を有し、たとえばセ
ラミック絶縁基板上に平行に多数の導体電極を形成しそ
の上に両端間で同一の抵抗値を持つよう抵抗材料を印刷
形成してなる抵抗体VR1,VR2を設け、可動接点S
1,S2が前記導体電極上を摺動するように構成される
ものである。各抵抗式センサー1,2の抵抗体VR1,
VR2は各々その一端を接続しており、可動接点S1に
は定電流I0を供給する定電流回路ITが接続され、他
方の可動接点S2は車体にアース線を通して接地されて
いる。なお、BAは車載バッテリーである。
【0021】また、抵抗式センサー1,2の抵抗体VR
1,VR2の他端は、出力部3に接続されており、出力
部3は内部の入力トランジスタによってハイインピーダ
ンス入力としてある。これにより、定電流回路ITから
流れる定電流I0は、そのほとんどが可動接点S1から
抵抗体VR1,VR2、可動接点S2を通して流れ、検
出入力には可動接点S1,S2の端子電圧がほぼそのま
ま出力されるため、この電圧を検出することによって二
つの抵抗式センサー1,2による可動接点位置に基づい
たタンク内の平均液位を精度よく検出できる。
【0022】また出力部3は、各抵抗体VR1,VR2
の他端間の電圧をたとえば差動増幅器によって検出し、
マイクロコンピュータの如き演算処理回路によって検出
液位に対応した表示信号を生成し、たとえば液晶表示装
置によるバーセグメント型表示やデジタル数値表示ある
いは可動磁石式計器による指針指示のような表示部を構
成しており、二つの抵抗式センサー1,2の抵抗体VR
1,VR2における定電流I0が流れる可動接点S1,
S2の接触位置までの検出抵抗値r1,r2による電圧
降下分が抵抗体VR1,VR2の他端間に電圧VOとし
て出力される。この出力電圧VOにて駆動可能な指針式
電圧計であれば、マイクロコンピュータのような演算処
理回路を介さずに直接計器の電圧入力端子に接続するこ
とで容易に指示可能である。
【0023】このとき、可動接点S1,S2の接触抵抗
がガソリン内で硫化での絶縁物堆積によって増加するよ
うなことがあったとしても、定電流回路ITは定電流I
0を供給するため、この接点部分における接触抵抗の変
化に対しても検出抵抗値r1,r2における定電流I0
による電圧降下には何らの影響を与えることがなく、常
に出力電圧VO=I0×(r1+r2)にて決定され、
可動接点S1,S2の接触位置にのみ依存した検出電圧
として精度の高い検出が可能となる。この場合、車両の
バッテリー電圧が12Voltであれば、I0として2
0mAの定電流設計をすると、可動接点S1,S2を通
した検出抵抗値(r1+r2)の最大は、12Volt
/0.02A=600Ωとなり、これに硫化による接触
抵抗の増加分を考慮して600Ω未満の適当な値にて抵
抗体VR1,VR2の抵抗値を設定すればよく、その範
囲内において定電流I0が流れる範囲では接触抵抗によ
る誤差を含まない精度の高い検出が可能となる。
【0024】なお、硫化などによる接触抵抗の増加が著
しく、定電流が確保できない場合には、出力部3におい
て正常な検出範囲であるか否かを電圧幅で設定しておき
この範囲をはずれるか、あるいは、定電流I0の流れる
経路に電流検出回路を設けて設定した定電流からはずれ
るかを検出し、表示部において所定の報知をなすように
すれば正常指示かどうかの判定が可能となり、抵抗式セ
ンサー1,2における著しい接触抵抗の増加異常などを
把握することができる。また、著しい接触抵抗の増加に
よる検出異常に対して、表示部により所定の報知を行う
ことは、運転者において燃料計の指示異常を把握する上
で至便であるが、そうした異常状態における異常指示を
行わないように、上述した異常範囲検出時には計器にお
ける指示を行わないように、予め出力部3においてそう
した異常範囲検出時には検出値に対する指示を行わない
ように設定することもできる。
【0025】すなわち、たとえば定電流I0の流れる経
路に直列に電流検出用抵抗を接続してその両端電圧を検
出するようにした電流検出回路を設け、この両端電圧を
出力部3により検出し、この両端電圧が設定した正常範
囲、つまり接触抵抗値が著しく増加して正常に定電流が
確保できず正常な検出指示ができなくなるような場合、
たとえば定電流I0の上下許容範囲±10%を外れるよ
うな変化が生じた場合には、異常状態として出力部3に
て検出出力に基づく燃料量検出処理やこれに応じた指示
処理を行わず、正常範囲にあるときのみ検出して指示す
るようにすることで、異常な指示を行わないようにする
ことができる。
【0026】つまり、実験的には、いかに強固な接触抵
抗(絶縁性被膜)が発生したとしても、接点が摺動して
いる以上機械的研削作用が働いて正常な接触状態で通電
することが確認されており、また抵抗体の摺動電極にて
摺動範囲全体に渡ってそうした異常な絶縁性被膜が生じ
ている状態も有り得ず、自動車の走行時液面が揺れて常
時摺動を繰り返していることから設定した定電流I0が
流れることがあるため、こうした正常検出値のみを取り
込んで平均化処理を行うことで常に正常な指示を行うこ
とが可能となる。
【0027】図2は、本発明における単一の抵抗式セン
サー1の構成を示したもので、燃料タンク内に設置され
た抵抗式センサー1は、抵抗体VR1および液位に対応
した抵抗体位置に接触する可動接点S1から構成され、
この抵抗体VR1の一端もしくは可動接点S1の一方に
から定電流I0を供給する定電流回路ITが接続され、
他方を接地して定電流I0のほとんどがこの経路にて流
れるように、抵抗体VR1の他端に接続される出力部3
側へのインピーダンスを高く設定する。つまり出力部3
の入力インピーダンスを高く設計することで、可動接点
S1の接触位置から他端側への電流がほとんど流れない
ようになり、この範囲の抵抗分による電圧降下がほとん
どなくなる。ここでは、可動接点S1から定電流I0が
流れると、抵抗体VR1の一端が接地される経路での検
出抵抗値r1での電圧降下はVO=I0×r1となり、
他端側へはほとんど電流が流れることはないため、その
範囲の抵抗分での電圧降下がほとんどなく、他端側には
電圧VOにきわめて近い電圧が出力されるため、出力部
3にて抵抗体VR1における可動接点S1の接触位置す
なわち液位に対応したその電圧VOを検出すれば、接触
抵抗に影響されない精度の高い検出ができるものであ
る。
【0028】すなわち、図3にて示した接触抵抗部分の
等価回路図を用いて抵抗値と検出電圧の関係を説明する
と、定電流回路ITからの定電流I0は可動接点S1の
接点部における接触抵抗rsを通り抵抗体VR1に通電
され、そのほとんどが検出抵抗値r1を通して接地され
ることになり、その接触部における電圧VOは、I0×
r1にきわめて近似した値となる。接触抵抗rsによる
電圧降下はI0×rsとして生ずるがこの電圧は接触抵
抗の上流側にて発生するものであって、抵抗体VR1の
接触位置の電圧VOには全く影響を及ぼすことがなく、
抵抗体VR1の接触位置から他端側の抵抗値rtに微少
の電流ΔIが流れたとしても、検出抵抗値r1側への電
流値(I0−ΔI)>>ΔIの関係にて(I0−ΔI)
×r1>>ΔI×rtとなって、他端側に発生する電圧
はほぼVO=I0×r1に相当する値となり、出力部3
にてこの電圧VOを検出し燃料量を逐次表示したりある
いは所定の燃料量にて残量低下報知を行うなどの出力を
精度の高いものとすることができる。また、定電流回路
ITを可動接点S1側に接続し抵抗体VR1の一端を接
地したが、抵抗体VR1の一端側に定電流回路ITを接
続し可動接点S1側を接地するようにしてもよい。
【0029】なお出力部3は、マイクロコンピュータな
どによる演算部を有し、出力電圧VOをA/D変換して
デジタル値として演算すればよく、可動接点S1あるい
は抵抗式センサー1の導体電極表面における硫化などに
よる接触抵抗値あるいは可動接点S1の接地電位の浮き
(たとえば車体への接地による接触抵抗による電圧降
下)に対してもさらには電源電圧の変動に対しても影響
されない正確な計測が可能となり、この演算出力データ
に基づいて燃料量を電子式表示部にてデジタルあるいは
バーグラフ表示したり、あるいは可動磁石式計器やステ
ッピングモータ式計器のような指針駆動式計器にて指示
することができる。
【0030】また、抵抗式センサー1,2は燃料タンク
内の適正な位置、特に車両の傾斜による液面の傾きに影
響されにくい中央位置に配置され、定電流回路ITや出
力部3はリード線にて抵抗式センサー1,2の端子部と
電気接続されて車室内運転席前方の計器パネルに設置さ
れる計器ハウジング内回路基板に設けられるが、抵抗式
センサー1,2を構成するたとえばセラミック抵抗基板
上に回路素子を水密的に搭載するように構成してもよ
く、要は定電流I0と可動接点S1,S2の接触位置に
対応した検出抵抗値r1,r2による電圧降下にて正確
な検出が可能となるものである。
【0031】図4に示した実施例は、図1の実施例にお
ける抵抗式センサー1,2の抵抗体の他端間に所定の抵
抗値を有する抵抗体(出力抵抗)r0を接続したもので
あり、出力部3はこの出力抵抗r0の両端電圧VOを検
出し、液位に対応した表示等を行う。抵抗式センサー
1,2の抵抗体の各抵抗値をrv1,rv2とすると、
定電流回路ITからの定電流I0は、可動接点S1から
出力抵抗r0(抵抗値r0とする)を含む閉回路を通し
て可動接点S2に流れ接地されるため、抵抗式センサー
1,2の抵抗体における可動接点S1,S2の接触位置
から一端側の抵抗値r1,r2との関係にて出力抵抗r
0の両端電圧VOを求めると、 VO=((I0×r0)/(rv1+rv2+r0))
×(r1+r2) となり、出力電圧VOは(r1+r2)に比例した値と
なるだけで、可動接点S1,S2の接触抵抗の影響を受
けることなく、液位に対応した可動接点S1,S2の接
触位置にて定まる抵抗値(r1+r2)に依存するため
精度の高い検出が可能となる。
【0032】図5に示した実施例は、単一の抵抗式セン
サー1にて液位を検出する図2の実施例における検出出
力構成を変更したものであり、ここでは定電流回路IT
を抵抗式センサー1の一端に接続し、可動接点S1を接
地している。また、抵抗式センサー1の抵抗体と並列に
所定の抵抗値を有する抵抗体(出力抵抗)r0を接続
し、この出力抵抗r0の両端電圧VOを出力部3にて検
出し液位を求めるようにしている。ここでも、抵抗式セ
ンサーVR1の抵抗値rv1と可動接点S1の接触位置
から一方側の抵抗値r1と出力抵抗r0の抵抗値r0お
よび定電流I0との関係にて、出力抵抗r0の両端電圧
として検出される出力電圧VOは、 VO=((I0×r0)/(r0+rv1))×r1 となり、出力電圧VOは可動接点S1の接触抵抗に影響
されることなく、液位に対応した可動接点S1の接触位
置にて定まる抵抗値r1に比例した値となるため、精度
の高い液位検出が可能となる。
【0033】なお、出力電圧VOが求まる上記式を説明
すると、定電流回路ITから流れる定電流I0は、出力
抵抗r0を含む閉回路を分流して可動接点S1に流れる
が、定電流回路ITの出力側から可動接点S1の接触位
置までの出力抵抗r0を通る回路と通らない回路の電圧
降下が回路的に同じとなるように流れるから、これを以
下に説明すると、出力抵抗r0を通る電流をIrとすれ
ば、出力抵抗r0を通らない回路の電流は(I0−I
r)であり、これら電流値は各回路の電圧降下が同じと
なるように流れるため、各電圧降下が等しい条件を当て
はめると、(I0−Ir)×r1=Ir×(r0+rv
1−r1) が成り立ち、これを分解整理すると、出力
抵抗r0を流れる電流Irは、 Ir×(r0+rv1)=I0×r1 Ir=(I0/(r0+rv1))×r1 となり、従
って、出力抵抗r0の両端電圧VOは、 VO=Ir×r0=((I0×r0)/(r0+rv
1))×r1 となって、前述した式を得ることができる。これは、定
電流による通電検出によって得られるものであり、抵抗
式センサーを二個使った図4の実施例においても同様の
結果が得られるものである。
【0034】このように、定電流回路ITによって定電
流I0を可動接点S1,S2を通して流すとともに、可
動接点S1,S2の接触位置における抵抗式センサー
1,2の抵抗体の電圧降下にて液位(可動接点S1,S
2の接触位置に対応)を、硫化などによる接触抵抗の影
響を受けることなく正確に検出できるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明になる燃料計は、車両の燃料タン
ク内に設けられて液位に応じて上下動するフロートによ
り可変抵抗式センサーの可動接点を駆動し、この可動接
点により分割される抵抗体の抵抗値比を検出して液位か
ら残燃料量を検出するものであって、抵抗式センサーの
可動接点を通して定電流を供給するとともに、抵抗体の
一端を通してこの定電流が流れることにより生ずる降下
電圧を抵抗体の他端から出力し、この出力電圧を燃料量
に対応した値として検出することにより、可動接点ある
いは抵抗体の導体電極表面における硫化などによる接触
抵抗値の増加に影響されない正確な燃料量検出を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる車両用燃料計の第一の実施例を
示す回路構成図。
【図2】 本発明になる車両用燃料計の第二の実施例を
示す回路構成図。
【図3】 本発明の抵抗式センサーの接点部の抵抗値関
係を示す等価回路図。
【図4】 本発明の第三の実施例を示す回路構成図。
【図5】 本発明の第四の実施例を示す回路構成図。
【符号の説明】
1 第一の抵抗式センサー 2 第二の抵抗式センサー 3 出力部 IT 定電流回路 VR1 第一の抵抗体 VR2 第二の抵抗体 S1 第一の可動接点 S2 第二の可動接点 I0 定電流 r1 検出抵抗値 rs 接触抵抗 r0 出力抵抗

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の燃料タンク内に設置される液位セ
    ンサーにて燃料量を検出する燃料計であって、前記液位
    センサーは、タンク内の異なる位置に配置される可動接
    点を有する第一および第二の抵抗式センサーからなり、
    前記第一と第二の抵抗式センサーの抵抗体の各一端を接
    続するとともに、他端の間の電圧を検出する出力部を備
    え、かつ一方の抵抗式センサーの可動接点に定電流を供
    給する定電流回路を設け、さらに他方の抵抗式センサー
    の可動接点を接地したことを特徴とする車両用燃料計。
  2. 【請求項2】 前記出力部は、ハイインピーダンス入力
    であることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料
    計。
  3. 【請求項3】 前記第一と第二の抵抗式センサーの抵抗
    体の他端間に所定の抵抗値を有する出力抵抗を接続し、
    前記出力部にて前記出力抵抗の両端電圧を検出すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用燃料計。
  4. 【請求項4】 前記出力部は、前記抵抗式センサーの抵
    抗体の他端の間の電圧を検出することによって前記液位
    センサーにより検出される燃料量を表示する表示部を備
    えてなることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料
    計。
  5. 【請求項5】 前記第一および第二の抵抗式センサーの
    抵抗体の抵抗値を同一としたことを特徴とする請求項1
    に記載の車両用燃料計。
  6. 【請求項6】 車両の燃料タンク内に設置される液位セ
    ンサーにて燃料量を検出する燃料計であって、前記液位
    センサーは、可動接点を有する抵抗式センサーからな
    り、前記抵抗式センサーの抵抗体の一端もしくは前記可
    動接点の一方から定電流を供給する定電流回路を接続
    し、他方を接地するとともに、前記抵抗式センサーの抵
    抗体の他端の電圧を検出する出力部を設けたことを特徴
    とする車両用燃料計。
  7. 【請求項7】 車両の燃料タンク内に設置される液位セ
    ンサーにて燃料量を検出する燃料計であって、前記液位
    センサーは、可動接点を有する抵抗式センサーからな
    り、前記抵抗式センサーの抵抗体の一端もしくは前記可
    動接点の一方から定電流を供給する定電流回路を接続す
    るとともに、前記抵抗式センサーの抵抗体と並列に所定
    の抵抗値を有する出力抵抗を接続し、この出力抵抗の両
    端電圧を検出する出力部を設けたことを特徴とする車両
    用燃料計。
  8. 【請求項8】 前記定電流回路からの定電流通電経路
    に、定電流検出回路を設けるとともに、この定電流検出
    回路による検出出力を出力部にて検出し、この検出出力
    が設定した許容範囲を外れた場合には、燃料量の検出処
    理を行わず、もしくは異常報知することを特徴とする請
    求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用燃料計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100506674B1 (ko) * 2002-11-04 2005-08-08 현대자동차주식회사 자동차용 연료게이지와 연료센더간의 매칭성 향상 방법

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