JP2001304090A - 流体圧モータ - Google Patents

流体圧モータ

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JP2001304090A
JP2001304090A JP2000117283A JP2000117283A JP2001304090A JP 2001304090 A JP2001304090 A JP 2001304090A JP 2000117283 A JP2000117283 A JP 2000117283A JP 2000117283 A JP2000117283 A JP 2000117283A JP 2001304090 A JP2001304090 A JP 2001304090A
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tube
drum
water
fluid
pinch roller
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JP2000117283A
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Hideyuki Tsukagoshi
秀行 塚越
Seiichi Nozaki
誠一 野崎
Chikara Kitagawa
能 北川
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Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧水等の流体を用いて、可動部からの流体
の漏れがなく、出力ロスを抑え、高出力が得られる流体
圧モータを提供する。 【解決手段】 ドラム9と、該ドラム9の外周面又は内
周面の円周方向に沿って設けたチューブ11,12と、
該チューブ11,12に圧接しながら前記ドラム9と同
軸の回転軸15廻りに回転するピンチローラ13とを備
え、前記チューブ1,12内に流体を流してその圧力に
より前記ピンチローラ13を前記ドラム9廻りに回転さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸周りに配設
したチューブに流体を流すことにより回転駆動力を得る
流体圧モータに関し、特に低圧の水を用いた水圧モータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来までの一般家庭用の駆動機器は、電
気エネルギーを駆動源とした家電製品が大部分を占めて
いた。これらは、現在までに出力重量比が高く小型軽量
な駆動系を実現し、我々の生活基盤を支えてきたが、浸
水に弱く漏電や感電の危険性も内在するため、特に水仕
事場においては利用範囲に限度があった。
【0003】一方、家庭に供給される水道エネルギーを
駆動源として利用すれば、駆動部や制御部に電気を一切
用いない「家水製品」が実現可能になる。このような水
道水による簡易水圧駆動による水圧モータは、扱いが容
易な上に、(i)耐水性に優れ、(ii)冷却機能も兼
備し、(iii)動力密度が高く、(iv)電磁ノイズ
が全くない、という駆動長所を有する全く新たな駆動源
として家電製品とは異なる領域で重要な役割を担うこと
が期待できる。
【0004】具体的には、(1)入浴ブースター駆動に
よる介護のパワーアシスト、(2)洗浄可能な食肉加工
機器、(3)非常浸水時の除水機器などに応用できる
他、一般家庭を離れると、(4)電磁ノイズを嫌う半導
体ウェーハのクリーンルーム内での洗浄装置、(5)消
防ポンプからの排水を利用して火炎で包まれたビル内に
突入する消火ロボットの耐熱性に長けた車輪駆動部など
に適用できる。また、多量の作動水を要する場合には、
家庭内に小型ポンプを設け、作動水を循環させて使用す
ることもできる。
【0005】以上のような水圧モータを駆動するために
は、水を供給して駆動圧力を得るためのアクチュエータ
が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
流体アクチュエータを上記用途に併用することは事実上
不可能である。例えば、油圧アクチュエータに関して
は、水と油の粘性の違いによる漏れや潤滑性の相違ある
いは錆などの点から構造的にも材質的にも明らかに不適
である。また、従来の流体機械の基本構造は、機械可動
部と作動流体が直接接触する構造であるため、油に比べ
粘性の低い水の漏れを防止するにはパッキンを堅固にせ
ざるを得ず、ひいては静摩擦力の増加を来し、出力ロス
となる。従って、特に低圧水、例えば水道圧の0.2M
Paから消防水圧の0.8MPa程度の低圧水による水
圧モータの実現はこれまで困難であった。
【0007】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、低圧水等の流体を用いて、可動部からの流体の漏
れがなく、出力ロスを抑え、高出力が得られる流体圧モ
ータの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、ドラムと、該ドラムの外周面又は内周
面の円周方向に沿って設けたチューブと、該チューブに
圧接しながら前記ドラムと同軸の回転軸廻りに回転する
ピンチローラとを備え、前記チューブ内に流体を流して
その圧力により前記ピンチローラを前記ドラム廻りに回
転させることを特徴とする流体圧モータを提供する。
【0009】この構成によれば、ドラムに沿ったチュー
ブ内に作動流体が流れ、このチューブの外側にピンチロ
ーラを圧接させ、チューブ内の流体圧によりこのピンチ
ローラを押圧してこれをドラム周囲で回転させる。これ
により、作動流体として低圧水を用いた場合でも、ピン
チローラに確実に駆動力を作用させ、これを回転させる
ことができる。この場合、チューブ内の作動流体は回転
軸に直接接触しないため、回転軸に対する流体の漏れ防
止のための堅固なパッキン等は不要である。したがっ
て、パッキン等の静摩擦力に基づく出力ロスを生じるこ
とはなく、低圧水により効率よくピンチローラを駆動し
て大きなトルクを得ることができる。
【0010】好ましい構成例では、2本のチューブを、
前記ドラムの内周面の対向するほぼ半周に沿って配設
し、3個の相互に連結されたピンチローラを前記回転軸
廻りに等間隔で設けたことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、ドラムの内周面にチュ
ーブが配設されるため、スペース的制約がある場合に、
ドラム外形を最大限に大きくしてその内面のチューブの
曲率半径を大きくすることができ、チューブに無理な変
形を来すことなく流体を円滑に流通させることができる
とともに、モータの小型化を図ることができる。このと
き3個のピンチローラのうちいずれか2個が常にチュー
ブを圧接した状態でトルクを発生しているため、デッド
ポイントがなく効率よく円滑にピンチローラを回転駆動
させることができる。
【0012】さらに好ましい構成例では、前記2本のチ
ューブは、その流体の入口同士が連通し、これらの入口
から前記ドラム円周方向に関し同一方向に水を流し、一
方のチューブの出口側に速度制御弁を設けたことを特徴
としている。
【0013】この構成によれば、ドラム内周面の対向す
るほぼ半周に設けた2本のチューブの入口同士を相互に
連通させて同一の流体供給源から作動流体を供給し、こ
れを同一回転方向に流すことにより、チューブのレイア
ウトをコンパクトにして円滑で効率的な流路が形成でき
る。また、一方のチューブの出口側を速度制御弁で絞る
ことにより流速を変化させ、このチューブに圧接してい
るピンチローラとともにこれに連結されて出力軸廻りに
一体的に回転する他のピンチローラの回転速度を制御し
て出力軸の回転数制御ができる。
【0014】さらに好ましい構成例では、前記回転軸に
減速機構を連結したことを特徴としている。
【0015】この構成によれば、回転軸からの出力回転
数を減速させて大きなトルクを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明に係る外接ピ
ンチローラ型水圧モータの構成説明図である。この水圧
モータ1は、内部に低圧水が流れるチューブ2が円筒ド
ラム3の外周面上に巻かれ、このチューブ2に圧接する
ピンチローラ4が回転アーム5の先端にベアリング(図
示しない)を介して軸支され、この回転アーム5はドラ
ム3と同軸位置の回転軸6廻りに回転可能に装着された
構造である。チューブ2は、ドラム3の側面に形成され
た開口部7を通してドラム3内に配設され、その水入口
2aは図示しない水供給源に接続されて低圧水をドラム
外周面上のチューブ2に導入し、水出口2bから出た水
は外部に排出され、または水供給源に戻される。
【0017】このような構成において、チューブ2内を
矢印Aのように流れる低圧水の圧力により、ピンチロー
ラ4が押圧されて自転しながら回転軸6廻りに矢印Bの
ように回転する。
【0018】このような水圧モータ1では、作動水がド
ラム3に巻付けたチューブ2内を流れるため、水圧機器
の開発の際に大きな問題となる回転駆動部の材料や潤滑
の問題を考慮することなく円滑な回転動作が得られる。
実験の結果では、作動水の供給圧力0.8MPaのと
き、出力されたトルクは1.1Nmで、供給流量8l/
minのとき、回転速度500rpmという高速低トル
クの特性を得た。このような高速低トルク特性は、例え
ば減速機構等により低速高トルクに変換することができ
る。
【0019】図2は本発明の別の実施形態に係る内接ピ
ンチローラ型水圧モータの構成説明図である。この水圧
モータ8は内接ピンチローラ型であり、ドラム9の内周
面の対向するほぼ半周に沿って2本のチューブ11,1
2が配設される。ドラム9には直径上で対向する位置に
開口部10a,10bが形成される。一方の開口部10
aからチューブ11の水入口11aおよびチューブ12
の水出口12bが挿通し、他方の開口部10bからチュ
ーブ11の水出口11bおよびチューブ12の水入口1
2aが挿通する。低圧作動水はチューブ11,12内を
ドラム内周に沿って円周方向に関し同一方向(同一回転
方向)に流れる。
【0020】これらのチューブ11,12に圧接して3
個のピンチローラ13が120°の等間隔で回転ブラケ
ット14にベアリング(図示しない)を介して軸支され
る。回転ブラケット14は、ドラム9と同軸の回転軸1
5に固定されハウジング16にベアリング17を介して
支持される。この回転軸15に減速機構24を介して出
力軸22が連結される。
【0021】このような構成において、2本のチューブ
11,12に低圧作動水を矢印Aのように流すことによ
り、各チューブに圧接してこれを押し潰しているピンチ
ローラ13を、流れ方向(矢印A方向)に押圧し、これ
を自転させながら回転軸15廻りに矢印B方向に公転さ
せて駆動力を得る。
【0022】3個のピンチローラ13を等間隔で配置す
ることにより、いずれか1個のピンチローラがドラム9
の開口部10aまたは10bの位置にきて押圧力がフリ
ーになった場合に、他の2個のピンチローラが必ず両方
のチューブ11,12のそれぞれに圧接した状態となっ
てトルクを発生させるため、デッドポイント(ピンチロ
ーラがドラム開口部の位置でチューブからフリーとなっ
てトルクを発生しない状態となる特異点)がなくなる。
【0023】減速機構24は、この例では遊星歯車機構
からなり、回転軸15と一体的に回転するサンギヤ18
と、リングギヤ19と、例えば3個の遊星ギヤ20と、
各遊星ギヤ20を連結する出力板21とにより構成さ
れ、出力板21の中心に出力軸22が設けられる。出力
軸22は、ベアリング23を介してハウジング16に軸
支される。
【0024】このような減速機構24を用いることによ
り、減速比に応じてトルクを高めることができ、高速低
トルクのモータから消火ロボット等の駆動に適した低速
高トルクのモータに変換することができる。
【0025】遊星歯車を多段にしてさらにトルク増幅を
図ってもよい。遊星歯車機構に代えて他の減速シフトギ
ヤ機構を用いてもよい。また、トルク増幅のために、チ
ューブ本数を増やしてもよい。チューブ本数を増やすこ
とにより、流路面積が増加して流速が落ちトルクが大き
くなる。これにより、モータのサイズを大きくすること
なくトルクの増幅ができ、モータの小型化が図られる。
この場合、複数のチューブをバルブ等により選択可能に
設け、使用するチューブ本数を変えることによりトルク
制御してもよい。
【0026】図3は、上記各実施形態の水圧モータ1,
8のチューブ2,11,12の構成図である。このチュ
ーブは弾性のある柔軟なシリコンチューブ25の外側を
ナイロンブレードからなる被覆材26で覆ったものであ
り、柔軟性と形状保持性を有し、柔軟でありながら内部
から加圧されても半径方向に膨張しない性質を有してい
る。
【0027】図4は、本発明に係る水圧モータの理論ト
ルクの説明図である。図示したように簡略化したモデル
から理論トルクを算出する。潰されたチューブの端が半
円になると仮定する。また、ローラとチューブとの摩擦
を無視する。以下の式中の各記号は以下の表のとおりで
ある。
【0028】
【表1】
【0029】図4より、潰されたチューブの厚さhは以
下の式(1)になる。
【0030】
【数1】
【0031】また、ローラとチューブの接する長さlは
以下の式(2)になる。
【0032】
【数2】
【0033】角度θ°のとき、チューブの軸方向には、
単位面積あたりpsinθの力が作用する。これを面積積
分してローラの推力Fを算出する。
【0034】
【数3】
【0035】したがって、発生するトルクτは、 τ=2d(R−t)2πpとなる。
【0036】回転数については、モータがn回転する間
にQ=(Vn/1000)lの水が排出されるので、理
論回転数nは、 n=1000Q/Vとなる。
【0037】次に、上記内接ピンチローラ型水圧モータ
の動作特性について、実験結果に基づいて述べる。
【0038】図5(A)(B)(C)はそれぞれ、内接
ピンチローラ型水圧モータの体積効率、トルク効率およ
び回転数トルク特性の実験結果を示すグラフである。体
積効率については、無負荷での流量と回転数を計測し
た。水圧源には水圧ユニットを使用し、リリーフ弁で供
給圧力、供給流量を調節した。排出された水の重量と時
間を計測し、それらから流量を求め、回転数はストロボ
スコープを用いて計測した。
【0039】実験結果は図5(A)に示すように、ほぼ
200〜600rpm全域で十分に高い体積効率を示し
た。ただし回転数が大きくなると、わずかに体積効率が
低下した。この原因として、回転数とともに流量が増加
し、圧力も増加するため、チューブの隙間からの漏れ流
量が増加すること、および回転数増加とともに単位時間
あたりのローラとチューブの衝突回数が増加することな
どが考えられる。つぶれた状態で隙間のなくなるチュー
ブを用いるなどにより改善可能である。
【0040】トルク効率については、水圧ユニットを水
圧源として、圧力とトルクを計測した。圧力は圧力セン
サで計測した。トルクは電磁パウダプレーキを用いて計
測した。電磁パウダブレーキは、流れる電流に比例して
発生トルクが大きくなる。そこで、実験では、電磁パウ
ダブレーキの電流を少しずつ強くしていき、水圧モータ
が止まるときの電流を測定してトルクを求めた。
【0041】実験結果は図5(B)に示すように、圧力
とともにトルクおよびトルク効率も増加し、0.5MP
aで60%となった。トルク損失を低減することにより
さらにトルク効率を高めることができる。トルク損失の
大きな原因として考えられるのは、ローラとチューブと
の摩擦である。まっすぐなチューブを円形に巻いている
のでしわができるため、およびローラがチューブを押し
潰しながら回転しているために、摩擦損失があると考え
られる。また、圧力が大きくなると、その摩擦損失の割
合が小さくなり、トルク効率が大きくなると考えられ
る。チューブ特性として、曲率をもち、柔らかく伸びの
ないチューブを用いることにより、ローラとチューブと
の摩擦を減らしトルク効率をさらに高めることができ
る。
【0042】回転数トルク特性については、水圧ユニッ
ト及び一般の水道を水圧源として、供給圧力および流量
を一定にし、モータにかかる負荷を変化させたときの回
転数を測定した。モータには電磁パウダブレーキを用い
て、負荷を与えた。供給圧力は約0.5MPaである。
実験結果は、図5(C)に示すように、負荷が大きくな
るにつれて回転数が減少していった。
【0043】ここで、消火ロボットの駆動に用いること
を考えてみる。ロボットの重量を30kg、車輪の半径
を0.2mとすると、30度の傾斜を登るためには、1
つの車輪につき、約10Nm程度のトルクが必要にな
る。この実験結果から、供給圧力および減速比を考慮す
ると、消火ロボットの駆動に必要なトルクが得られてい
ることが分かる。
【0044】図6は、前述の図2の内接ピンチローラ型
水圧モータの作動水循環経路の例を示す構成図である。
水圧モータ8に低圧作動水を供給する水供給源27は、
電動モータ28により駆動されるポンプ30と、このポ
ンプ30の吐出側の水圧モータ8に水を送る供給通路3
1と、この供給通路31上に設けた緩衝用アキュムレー
タ32と、水圧モータ8からの戻り水を回収タンク33
に戻す戻り通路34と、ポンプ30の吐出側に設けたリ
リーフ弁35とにより構成される。供給通路31は、入
口側接続部Aで水圧モータ8に接続され、ポンプ30か
ら送られる回収タンク33からの作動水を水圧モータ8
に供給する。戻り通路34は出口側接続部Bで水圧モー
タ8に接続され、戻り水を回収タンク33に戻して循環
させる。
【0045】この水圧モータ8は、前述のように、ドラ
ム9の内周面に沿って2本のチューブ11,12および
これらに圧接する3個のピンチローラ13を備えてい
る。両チューブ11,12の水入口11a,12a同士
は相互に連通して供給通路31の入口側接続部Aに接続
される。また、両チューブ11,12の水出口11b,
12b同士は合流して戻り通路34の出口側接続部Bに
接続される。
【0046】水出口11b,12bのうち一方のチュー
ブ(この例では11b側のチューブ11c)に速度制御
弁36が設けられる。速度制御弁36は、後述のよう
に、ワイヤ37の操作によりチューブ11cを絞って流
速を変化させる。
【0047】なお、入口側接続部Aを水道蛇口と連結
し、出口側接続部Bから排水することもできる。その場
合には循環用ポンプ30等は不要になる。ただし節水の
点では循環させることが望ましい。
【0048】図7は、上記速度制御弁36の構成図であ
る。フレーム41内に前述の2本のチューブのうち一方
の出口側チューブ11cが配設される。このチューブ1
1cを絞るピンチローラ38がフレーム41に装着され
る。ピンチローラ38の軸38aは、フレーム41に形
成したスロット40内でスライド可能となるように装着
される。スロット40は、上流側に向けてチューブに近
づくように傾斜して形成される。フレーム41にプーリ
39が装着され、これに巻回するワイヤ37を矢印方向
に引っ張ると、これに連動してピンチローラ38が同方
向にスロット40内をスライドしてチューブ11cを絞
って流速を低下させる。ワイヤ37を放せば水圧により
ピンチローラ38は自動的に元に戻る。復帰用スプリン
グを設けてもよい。
【0049】なお、一方のチューブを絞ってそのチュー
ブに圧接しているピンチローラを減速させることによ
り、これに連結されている他方のチューブに圧接してい
るピンチローラも減速され、そのチューブの流量も同様
に低下する。この場合、他方のチューブに流量センサを
取付けて、流量信号に基づいて速度制御弁36をフィー
ドバック制御することもできる。
【0050】図8は本発明に係る水圧モータの適用例を
示す説明図である。(A)は火災現場での消火ロボット
42の駆動輪等に組込んで駆動モータとして用いた例を
示す。水圧モータは、電気モータと異なり、水に濡れる
環境においても作動することができる。例えば、消防隊
員の進入が困難な地下街およびビル内での火災現場で
は、階段を自在に昇降して火元まで近づき放水する消火
ロボットが求められている。本発明によれば、このよう
なロボットの動力として消火ホース内に存在する強大な
水圧エネルギーを用いて、水を自噴しながら進行する耐
熱性、耐水性のある実戦的な消火ロボットが実現され
る。
【0051】(B)は介護機器の駆動源として用いた例
を示す。本発明の水圧モータは、低圧の水道水でも駆動
可能なため、介護におけるパワーアシストとして好適に
利用できる。特に一般に電気エネルギーが取得できない
浴室内では、本発明の水圧モータが極めて有効になる。
被介護者の浴槽からの出し入れ時に、手元の蛇口および
速度調整レバーをひねることにより、漏電の懸念のない
水圧モータ43を組込んだパワーアシストシステム44
が実現される。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドラムに沿ったチューブ内に作動流体が流れ、このチュ
ーブの外側にピンチローラを圧接させ、チューブ内の流
体圧によりこのピンチローラを押圧してこれをドラム周
囲で回転させるため、作動流体として低圧水を用いた場
合でも、ピンチローラに確実に駆動力を作用させ、これ
を回転させることができる。この場合、チューブ内の作
動流体は回転軸に直接接触しないため、回転軸に対する
流体の漏れ防止のための堅固なパッキン等は不要であ
る。したがって、パッキン等の静摩擦力に基づく出力ロ
スを生じることはなく、低圧水により効率よくピンチロ
ーラを駆動して大きなトルクを得ることができる。
【0053】特に内接型水圧モータとして、2本のチュ
ーブを、前記ドラムの内周面の対向するほぼ半周に沿っ
て配設し、3個の相互に連結されたピンチローラを前記
回転軸廻りに等間隔で設けた構成とすれば、ドラムの内
周面にチューブが配設されるため、スペース的制約があ
る場合に、ドラム外形を最大限に大きくしてその内面の
チューブの曲率半径を大きくすることができ、チューブ
に無理な変形を来すことなく流体を円滑に流通させるこ
とができるとともに、モータの小型化を図ることができ
る。このとき3個のピンチローラのうちいずれか2個が
常にチューブを圧接した状態でトルクを発生しているた
め、デッドポイントがなく効率よく円滑にピンチローラ
を回転駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る外接ピンチローラ型水圧モータ
の構成説明図。
【図2】 本発明に係る内接ピンチローラ型水圧モータ
の構成説明図。
【図3】 水圧モータのチューブの構成図。
【図4】 本発明に係る水圧モータの理論トルクの説明
図。
【図5】 内接ピンチローラ型水圧モータの体積効率、
トルク効率および回転数トルク特性の実験結果を示すグ
ラフ。
【図6】 図2の内接ピンチローラ型水圧モータの作動
水循環経路の例を示す構成図。
【図7】 速度制御弁の構成図。
【図8】 本発明に係る水圧モータの適用例を示す説明
図。
【符号の説明】
1:水圧モータ、2:チューブ、3:円筒ドラム、4:
ピンチローラ、5:回転アーム、6:回転軸、7:開口
部、8:水圧モータ、9:ドラム、10a,10b:開
口部、11:チューブ、11a:水入口、11b:水出
口、12:チューブ、12a:水入口、12b:水出
口、13:ピンチローラ、14:回転ブラケット、1
5:回転軸、16:ハウジング、17:ベアリング、1
8:サンギヤ、19:リングギヤ、20:出力軸、2
1:出力板、22:出力軸、23:ベアリング、24:
減速機構、25:シリコンチューブ、26:被覆材、2
7:水供給源、28:電動モータ、30:ポンプ、3
1:供給通路、32:緩衝用アキュムレータ、33:回
収タンク、34:戻り通路、35:リリーフ弁、36:
速度制御弁、37:ワイヤ、38:ピンチローラ、3
9:プーリ、40:スロット、41:フレーム、42:
消火ロボット、43:水圧モータ、44:パワーアシス
トシステム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラムと、該ドラムの外周面又は内周面の
    円周方向に沿って設けたチューブと、該チューブに圧接
    しながら前記ドラムと同軸の回転軸廻りに回転するピン
    チローラとを備え、前記チューブ内に流体を流しその圧
    力により前記ピンチローラを前記ドラム廻りに回転させ
    ることを特徴とする流体圧モータ。
  2. 【請求項2】前記ドラムの内周面に、2本のチューブを
    対向するほぼ半周に沿って配設し、3個の相互に連結さ
    れたピンチローラを前記回転軸廻りに等間隔で設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の流体圧モータ。
  3. 【請求項3】前記2本のチューブは、その流体の入口同
    士が連通し、これらの入口から前記ドラム円周方向に関
    し同一方向に流体を流し、一方のチューブの出口側に速
    度制御弁を設けたことを特徴とする請求項2に記載の流
    体圧モータ。
  4. 【請求項4】前記回転軸に減速機構を連結したことを特
    徴とする請求項1、2または3に記載の流体圧モータ。
JP2000117283A 2000-04-19 2000-04-19 流体圧モータ Pending JP2001304090A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006255011A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Osaka Gas Co Ltd マッサージ装置
DE202014005820U1 (de) 2014-07-19 2014-08-13 Sigvard Scholz Antriebsvorrichtung mit Tauchrollen

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DE202014005820U1 (de) 2014-07-19 2014-08-13 Sigvard Scholz Antriebsvorrichtung mit Tauchrollen
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