JP2001303576A - 航空緑化工法 - Google Patents

航空緑化工法

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JP2001303576A
JP2001303576A JP2000124393A JP2000124393A JP2001303576A JP 2001303576 A JP2001303576 A JP 2001303576A JP 2000124393 A JP2000124393 A JP 2000124393A JP 2000124393 A JP2000124393 A JP 2000124393A JP 2001303576 A JP2001303576 A JP 2001303576A
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erosion
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Yoshiro Shiomi
義郎 塩見
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NP SOGO KAIHATSU KK
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急峻で脆弱な地形・地質で、豪雨・凍結融解
等が発生する通常工法では緑化が困難な崩壊地の表面侵
食を防止するために、短期間で木本類を含んだ自然植生
を復元して緑化を促す航空緑化工法を提供する。 【解決手段】 崩壊地に、先ずポルトランドセメントと
細骨材と繊維物質とポリマーディスパージョンと水とか
ら成る特殊モルタルをヘリコプターで散布して平面的に
見て隙間部を有する状態にモルタル膜を形成固化させて
地表面を安定化した後、少なくとも木本種子を含む種子
と肥料と化学的侵食防止資剤及び物理的侵食防止資材か
ら成る侵食防止材と混和材と水とから成る植生基材をヘ
リコプターで散布して植生を導入し、緑化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、急峻で脆弱な地形
・地質で、豪雨・凍結融解等が発生する通常工法では緑
化が困難な崩壊地の表面侵食を防止するために、早期に
自然植生を復元して緑化を促す航空緑化工法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】山林奥地や広大な面積に亘り発生した豪
雨災害,地震災害,火山噴火災害による崩壊地や荒廃地
等、作業員や機械力が入り難い広範囲の地域を緑化する
にはヘリコプターにより植生基材を空中散布する航空緑
化工法が時間的にも労力的にも有利である。
【0003】この航空緑化工法は、侵食防止材による地
表面の安定化と肥料及び種子による植生の導入とから成
っており、従来の工法では合成樹脂エマルジョン又はア
スファルト乳剤を主体としこれにファイバー類を配合し
た侵食防止材に種子及び肥料等を加えた植生基材を対象
地に空中散布していた。しかしながら、豪雨に見舞われ
たり、冬期の寒さが厳しく凍結融解が激しいなど地表面
の侵食力が大きい場合には、折角根着いた植生も断根・
滑落することがままあった。これは従来の侵食防止材が
合成樹脂エマルジョンやアスファルト乳剤を主材とし木
質繊維等を配合しただけのもので、その侵食防止機能が
主に合成樹脂エマルジョン等による地表面のごく表層の
土壌粒子の連結と木質繊維等により地表面上に薄い皮膜
を作ることとによるものであったため、一般に強度が小
さく劣化も比較的早いので、植生が充分侵食に耐える程
度にまで生育するまで表土を安定化させることができな
かったからである。このため、合成樹脂エマルジョン,
アスファルト乳剤等にポルトランドセメントを添加し、
セメントスラリーとして用いることが提案されている
が、地形・地質によっては土砂の流亡を確実に抑えるこ
とができないばかりか、固化したポルトランドセメント
が植生を阻害するという欠点があった。
【0004】また、前述の植生の断根・滑落について
は、導入種が侵食防止機能の早期発現の必要性から、生
育が早い草本類主体の植生種子となり、その結果、混播
された木本類が草本類に被圧され易く、また周辺自然植
生の侵入も困難となり、草本類主体の単調な植相の植生
が形成され易い。それらは、特に大きな侵食力が作用す
る場合に、木本類を含む植生群に比較して脆弱であり断
根し易い。また、草本類主体の単調な植生は景観的にも
違和感があるという欠点があった。そこで、導入種子設
計を木本類のみ又は木本類を主体とした各種緑化資材、
工法が提案されているが、侵食防止機能が充分に発現さ
れず、土砂の流出を引き起こし、緑化工法本来の目的が
達成されないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消し、急峻で脆弱な地形・地質で、豪雨
・凍結融解等の厳しい環境のため地表面の侵食力が大き
く通常の工法では土砂の流出を抑えきれないような崩壊
地でも充分満足するように地表面の安定と木本類を含む
植生群の成立とを図ることができる航空緑化工法を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく種々検討の結果、急峻で脆弱な地形・地質で豪
雨・凍結融解等が発生する崩壊地に、先ずポルトランド
セメントと、10mmパスで平均粒径1mm以下である細骨
材と、天然又は人工の繊維物質と、天然ゴムラテック
ス,合成ゴムラテックス,合成樹脂エマルジョンから選
ばれる1種又は2種以上から成るポリマーディスパージ
ョンと、水とから成る特殊モルタルをヘリコプターで散
布して平面的に見て隙間部を有する状態にモルタル膜を
形成固化させて地表面を安定化した後、少なくとも木本
種子を含む種子と、肥料と、天然高分子,合成高分子の
エマルジョン,アスファルト乳液から選ばれる1種又は
2種以上から成る化学的侵食防止資剤及び木質繊維,化
学繊維くず,段ボール・新聞紙の裁断物,布袋をほぐし
たものから選ばれる1種又は2種以上から成る物理的侵
食防止資材から成る侵食防止材と、動植物質,鉱物質,
合成の土壌改良資材から選ばれる1種又は2種以上と分
散・付着剤を加えることがある混和材と、水とから成る
植生基材をヘリコプターで散布して植生を導入し、緑化
を図れば良いことを究明して、本発明を完成したもので
ある。
【0007】そして、特殊モルタルの配合としては、 ポルトランドセメント 35〜45重量% 細骨材 35〜45重量% 繊維物質 0.1〜0.5重量% ポリマーディスパージョン(固形分として) 2〜4重量% 水分(清水及びポリマーディスパージョン中の水分) 15〜20重量% で、散布率が6〜10kg/m2であることが、また植生
基材は固形分の配合が 種子,肥料 5〜10重量% 侵食防止材 17〜25重量% 混和材 65〜75重量% であり、その全重量の0.5〜2倍の水を加えた植生基
材を固形分として0.5〜4kg/m2の散布率で散布す
ることが望ましいことも究明したのである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る航空緑化工法の対象
となる場所は、気象的には降雨量が多く且つ冬期の寒さ
が厳しくて寒暖の差が大きく、豪雨の雨滴衝撃,降雨の
表面流,凍結融解による地表面の侵食力が大きく、地形
・地質的には急傾斜且つ脆弱で降雨の表面流速の増加に
よる侵食力の増大により従来の侵食防止材による侵食防
止効果や草本類主体の単調な植相の植生を形成したので
はその植生による侵食防止効果が機能し難い箇所が選ば
れる。
【0009】施工時期は通常植生の発芽生育に好適な3
月〜6月に実施されるため、施工後梅雨等の豪雨に見舞
われた場合に急傾斜で脆弱な崩壊地は侵食防止材が流亡
してしまう可能性があるばかりか、冬期や春期に凍結融
解が激しい場合には導入後1〜2年程度の草本類主体の
単調な植相の植生では滑落の恐れがある。そこで本発明
工法では、従来工法の侵食防止材より強力なもので安定
化を図ったことと、木本類のみ又は少なくとも木本類を
含む種子設計とすることを大きな特徴とする。
【0010】本発明工法では、対象地の安定化は最終的
には主として木本類を含む植生群(上層は木本類、下層
は草本類)の機能に依存させるので、施工後少なくとも
1年以上は強度を保つ安定した基盤を作ってその間に木
本系の植生を確実に活着させ生長させれば良く、そのた
めには不安定で脆弱な地質を豪雨や凍結融解から守る特
殊モルタルを使用することを大きな特徴とするものであ
り、具体的には最初に特殊モルタルをヘリコプターで空
中散布して植生基材と地山とが接するための隙間が存在
するように平面的に見て隙間部を有する状態にモルタル
膜を作り、特殊モルタルの崩壊地への強固な固着力によ
って崩壊面を物理的に抑えることで耐侵食力を発揮させ
て土砂の動きを止めて表面を安定させ、その後、モルタ
ル膜上にヘリコプターで植生基材を空中散布して植生を
確実に導入するのである。
【0011】導入植生については、少なくとも1年以上
の期間の侵食防止機能がモルタル膜に依存できるため、
草本類の果たす崩壊面に対する侵食防止機能を必要とし
ないので、生育が遅い木本類のみや木本類を主体に草本
類を少量混播した植生種子設計も可能となる。モルタル
膜上に散布された植生基材により安定した植生生育基盤
が提供でき、且つ上記植生種子設計により草本類がしば
しばもたらす被圧害が発生しないことにより、播種した
木本種子の成立はもちろん、木本類を含む周辺自然植生
の侵入も容易となり、その結果木本類を含む植生群を早
期に実現できることに大きな意義がある。
【0012】地表面の安定を図る特殊モルタルは、ポル
トランドセメントと、細骨材と、繊維物質と、ポリマー
ディスパージョンと、水とから成り、ポルトランドセメ
ントと細骨材と繊維物質とはプレミックスした製品とし
て使用することができる。細骨材を混入する理由は、モ
ルタル膜に厚みと表面に微細な凹凸を形成し、植生基材
の付着性を高めるためであり、繊維物質を混合する理由
は、モルタル膜のひび割れを防ぎ、着地時に飛散し難
く、平面的に見て隙間部を有する状態に付着し易くする
ためである。ポリマーディスパージョンを混合する理由
は、特殊モルタルの付着性,耐薬品性,耐凍結融解性,
乾燥収縮ひび割れ抑制性等の性質を向上させるためであ
る。水は特殊モルタルに流動性及び粘性を与え、セメン
トの硬化用水として働き強度を与える。
【0013】細骨材は、10mmパスで平均粒径1mm以下
であることが特殊モルタル製造時及び散布時の作業性の
向上及びモルタル膜表面の微細な凹凸形成に好ましく、
例えば粒状の炭酸カルシウムが好適に用いられる。天然
又は人工の繊維物質としては、ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ポリエステル,アクリル,ナイロン,ビニロ
ン,アミド等の合成繊維、木材パルプ,麻すさ,竹繊維
等の植物繊維、ガラス繊維,炭素繊維,金属繊維等の無
機繊維、石綿,岩綿等の天然鉱物繊維の中から選ばれる
1種又は2種以上が用いられ、例えば木材パルプと麻す
さとの混合物が好適に用いられる。ポリマーディスパー
ジョンとしては、天然ゴムラテックス,スチレン・ブタ
ジエン共重合体ラテックス(SBR)等の合成ゴムラテ
ックス,アクリル樹脂,スチレン・アクリル共重合体樹
脂,スチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂等の合成樹脂エ
マルジョンから選ばれる1種又は2種以上が用いられ、
例えば日本ラテックス工業社製のSBR系ラテックス
(商品名:JSRトマックスーパー)が好ましく使用で
きる。以上の組合せを散布率6〜10kg/m2とするこ
とにより、木本類が定着するに従って徐々にモルタル膜
は礫状化する。
【0014】特殊モルタルが固化したモルタル膜は、強
度が高く、豪雨の雨滴衝撃,降雨の表面流,凍結融解に
よる侵食から地表を強力に保護できるため、土壌粒子の
分離流下を確実に防ぐことができるばかりか、熱伝導率
が大きく夜間結露を生じ易いので水分環境がよくなり植
生の生育を助け、更に木本類の定着に従って劣化して礫
状化し、モルタル膜の隙間に根を降ろした木本類の根元
部の生育を阻害しない。礫状化した礫は、雨滴衝撃から
地表面を保護し表面侵食を抑え、また結露等により水分
環境を整える等の効果を奏する。
【0015】また、ヘリコプターで空中散布して緑化を
図る植生基材は、種子と、肥料と、侵食防止材と、混和
材と、水とから成る。種子は、木本類のみの配合及び/
又は草木混合配合を現地に応じて設計する。これは、本
発明工法では対象地の安定化を最終的に主として木本類
を含む植生群の機能に依存させることにあるので、播種
した木本類の早期成立と木本類を含む周辺自然植生の侵
入を容易にするためには、木本類のみの配合が望ましい
が、景観上早期緑化が望まれる場合に生育が早い草本類
を混播することで対応するためであり、この草木混合配
合の場合には草本類の混合量が多すぎると播種した木本
類が被圧されたり周辺自然植生の侵入が困難となり草本
類主体の単調な植相の植生が形され易くなるために注意
が必要となる。肥料は、種子の設計に対応して速効性肥
料(例えば、N:P:K=15:15:15の高度化成
肥料)と緩効性肥料(例えば、N:P:K=10:1
8:15で例えば360日と溶出期間が長いタイプ)と
を組み合わせて使用することが好ましい。侵食防止材
は、散布した種子,肥料,更に混和材の流失を防止し、
植生が根付き生育するまでの期間持続することが必要で
あり、散布する種子,肥料とモルタル膜との粘着や種
子,肥料及び混和材相互の連結によって侵食の防止を図
る化学的侵食防止資剤と、種子の保持と植生へのマルチ
効果や繊維の絡み合いの力で侵食の防止を図る物理的侵
食防止資材とから成る。化学的侵食防止資剤は、天然高
分子,合成高分子のエマルジョン,アスファルト乳液か
ら選ばれる1種又は2種以上から成るもので、例えば酢
酸ビニル系のエマルジョン(日本製紙社製,商品名:バ
ーミエイトII)が、また物理的侵食防止資材は木質繊
維,化学繊維くず,段ボール・新聞紙の裁断物,布袋を
ほぐしたものから選ばれる1種又は2種以上から成るも
ので、例えば新聞古紙を0.10〜2.00mmを中心と
したバラ綿状の繊維に解繊したエヌピー総合開発社製
(商品名:エヌピーファィバー)が好適に使用できる。
【0016】混和材は、種子の流亡を抑えると共に生育
の基盤を形成するためのものであり、ピートモス,泥
炭,腐植酸質資材,バーク堆肥,木炭,けい藻土焼成
粒,貝殻粉末,カニがら,VA菌根菌等の動植物質の土
壌改良資材、ゼオライト,バーミキュライト,パーライ
ト,石膏等の鉱物質の土壌改良資材、ポリエチレンイミ
ン系資材,ポリビニルアルコール系資材の如き合成物の
土壌改良資材から選ばれる1種又は2種以上から成り、
これに分散・付着剤を加えたものであることが好まし
い。例えば、肥効の長い有機質肥料であるバーク堆肥
(エヌピー総合開発社製,商品名:千代田有機)に分散
・付着剤として例えばCMC(日本製紙社製,商品名:
サンローズSN30E)を加えたものであることが望ま
しい。前者は前記物理的侵食防止資材(商品名:エヌピ
ーファィバー)と共に特殊モルタルのアルカリストレ
ス,乾燥ストレスを緩衝する働きをし、後者は比重の異
なる各資材の分散やモルタル膜のへ付着を助ける。これ
らの資材を適度の散布性と種子の発芽促進のため、水で
0.5〜2倍に希釈して空中散布する。水は少ない方が
ヘリコプターの1回の飛行で運搬できる量を増加させる
ことができるので、流動性や散布性を損なわない範囲で
可及的に少なくすることが好ましい。
【0017】
【実施例】崩壊地に本工法を実際に施工した実施例を以
下に示す。標高1200〜1350m,平均傾斜率が約
45度,傾斜の向きが北西の崩壊地全域(1ヘクター
ル)の中の左岸15m×74mを試験区に設定し、種子
設計を木本類のみの木本区と、草本類主体で木本類を混
播した草木混播区とを交互に6区配置すると共に、この
試験区に隣接する右岸は従来工法である合成樹脂エマル
ジョン又はアスファルト乳剤を主体としこれにファイバ
ー類を配合した侵食防止材に草本類主体で木本類を混播
した草木混播種子設計の種子及び肥料等を加えた植生基
材を空中散布する通常施工区(対照区)とした。5月末
に先ず表1に示す組成の特殊モルタルを製造し、この特
殊モルタルをヘリコプターの散布用バケットに投入して
試験区に8.4kg/m2の割合で散布した。この散布時
に特殊モルタルは、或る程度の大きさの球状に分散して
落下し、試験区の地表に平面的に見て隙間部を有する状
態に崩壊面に沿った凹凸のある薄い面状に付着してモル
タル膜を形成して散布1日後には固化していた。この固
化したモルタル膜における隙間部の面積はモルタル膜全
面積の概略10%で、地表面に対する付着性は良好で、
侵食力に対し抑止効果が発揮できる程度の強度が得られ
た。
【0018】
【表1】
【0019】モルタル膜が固化した1日後、表2に示す
組成の植生基材のスラリーを製造し、この植生基材のス
ラリーをヘリコプターの散布用バケットに投入して試験
区に15.9kg/m2(固形分としては3kg/m2)の割
合で散布した。
【0020】
【表2】
【0021】施工後40日を経過した時点では、モルタ
ル膜の剥離・滑落は生じておらず、モルタル膜による侵
食防止機能が発揮されており、木本区では総ての種類の
導入種子が丈は低いが発芽生育していて、その多くはモ
ルタル膜の隙間に根を下ろしていて3cm以上に生育して
いる植生は簡単に引き抜けない状態にあったが、被覆率
は約10%であった。また、草木混播区は草本主体に発
芽生育していたが、微地形の凹部(沢部)は植生基材が
多く集積して水分環境も良いため被覆率は100%と概
観されたが、微地形の凸部(馬の背部)は15%程度と
概観され、被覆率にはむらがあった。対照区は、草木混
播区と同様の植生生育状況であり、侵食については一部
に細い水みちが発生していた。
【0022】施工後約2ヶ月半に集中豪雨(約2週間に
1000mm)があり、雨滴衝撃や降雨の表面流による侵食力
はかなり大きかったと思われるが、100日を経過した
時点での植生生育状況は木本区では依然として被覆率は
約25%と低く丈は3〜14cmと低かったが、侵食の発
生はなくモルタル膜と植生の剥離・滑落はなかった。草
木混播区では草本主体に発芽生育しており、被覆率は約
80%であり、草本の草丈は25〜70cm、木本の丈は
7cm前後のものが見られたが大部分の木本は被圧され
数、丈共に小さかった。対照区は、広い範囲で侵食が発
生し植生が滑落して、裸地面が発生していた。滑落して
いない植生箇所は草木混播区と同様の植生生育状況であ
った。
【0023】施工後約11ヶ月と14ヶ月の降雨量がか
なり多かったが、1年2ヵ月を経過した時点では、木本
区においてはモルタル膜と植生基材とに鹿の踏害や凍結
融解作用により剥離箇所が散見されたものの侵食はな
く、植生生育状況は被覆率70〜80%となっており、
また木本類を含んだ周辺自然植生が侵入繁茂していた。
これは、モルタル膜により地表面が安定化し、且つ肥料
養分がある植生生育基盤が提供されていることと、種子
設計が木本類のみであったために初期の被覆率が低く抑
えられ、周辺自然植生の種子が侵入定着する余地が提供
されたことと12ヵ月後に追肥を行ったこととに起因し
ていると考えられる。また草木混播区においてはモルタ
ル膜は草本の枯れ草に覆われて木本区より剥離が少な
く、且つモルタル膜下は湿潤状態となっており、被覆率
は草本類主体でほぼ100%であった。これに対し、対
照区においては地表面は100日後に観察された裸地部
が侵食され洗掘が進んでいる形跡が認められ、露岩は風
化が進行して亀裂が多数あり脆くなっいるものが多かっ
た。また、被覆率は60〜70%であった。
【0024】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る航空
緑化工法は、崩壊地に、先ずポルトランドセメントと、
細骨材と、ポリマーディスパージョンと、水とから成る
特殊モルタルをヘリコプターで散布して平面的に見て隙
間部を有する状態にモルタル膜を形成固化させた後、少
なくとも木本種子を含む種子と、肥料と、化学的侵食防
止資剤及び物理的侵食防止資材と、混和材と、水とから
成る植生基材をヘリコプターで散布して植生を導入し、
緑化を図る工法であるので、地表面に強固に付着して固
化したモルタル膜の効果により地表面が安定化され、更
にその後に形成固化したモルタル膜上に植生基材を散布
することにより容易且つ確実に植生が導入されるのであ
る。特に、木本類のみの種子設計とした場合、周辺自然
植生の侵入も容易となり、短期間で木本類を含んだ多く
の自然植生の成立、即ち、森林形態の植生群の基礎が実
現できるのである。そして、モルタル膜は木本類の成長
に従って礫状化するまで地表面の侵食が抑えられるばか
りでなく、モルタル膜下は湿潤状態が保たれマルチ効果
を生じさせるので、植生の緑化に極めて効果的である。
そして、モルタル膜は最終的に礫状化するので、木本類
の成長を阻害する要因にはならないのである。このよう
な種々の効果を奏する本発明に係る航空緑化工法の工業
的価値は非常に大きなものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 崩壊地に、先ずポルトランドセメント
    と、10mmパスで平均粒径1mm以下である細骨材と、天
    然又は人工の繊維物質と、天然ゴムラテックス,合成ゴ
    ムラテックス,合成樹脂エマルジョンから選ばれる1種
    又は2種以上から成るポリマーディスパージョンと、水
    とから成る特殊モルタルをヘリコプターで散布して平面
    的に見て隙間部を有する状態にモルタル膜を形成固化さ
    せて地表面を安定化した後、少なくとも木本種子を含む
    種子と、肥料と、天然高分子,合成高分子のエマルジョ
    ン,アスファルト乳液から選ばれる1種又は2種以上か
    ら成る化学的侵食防止資剤及び木質繊維,化学繊維く
    ず,段ボール・新聞紙の裁断物,布袋をほぐしたものか
    ら選ばれる1種又は2種以上から成る物理的侵食防止資
    材から成る侵食防止材と、動植物質,鉱物質,合成の土
    壌改良資材から選ばれる1種又は2種以上と分散・付着
    剤を加えることがある混和材と、水とから成る植生基材
    をヘリコプターで散布して植生を導入し、緑化を図るこ
    とを特徴とする航空緑化工法。
  2. 【請求項2】 特殊モルタルの配合が重量%で ポルトランドセメント 35〜45 細骨材 35〜45 繊維物質 0.1〜0.5 ポリマーディスパージョン(固形分として) 2〜4 水分(清水及びポリマーディスパージョン中の水分) 15〜20 であり、散布率が6〜10kg/m2である請求項1に記
    載の航空緑化工法。
  3. 【請求項3】 植生基材の配合が固形分の重量%で 種子,肥料 5〜10 侵食防止材 17〜25 混和材 65〜75 であり、その全重量の0.5〜2倍の水を加えた植生基
    材を固形分として0.5〜4kg/m2の散布率で散布す
    る請求項1及び2に記載の航空緑化工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109104953A (zh) * 2018-09-10 2019-01-01 桂美苹 一种大数据管理的作业设备

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CN109104953A (zh) * 2018-09-10 2019-01-01 桂美苹 一种大数据管理的作业设备

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