JP2001303184A - 成形性にすぐれた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板 - Google Patents

成形性にすぐれた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレス成型品の面歪みの発生がなく、パウダリ
ングなど表面品質上の問題のない高強度の合金化溶融亜
鉛めっき鋼板およびその製造方法の提供。 【解決手段】引張り試験における降伏点が300N/mm2以下
で、その素地鋼板は複合組織であり、化学組成が質量%
にてC:0.02〜0.06%、Si:0.2%以下、Mn:1.5〜
2.5%、Cr:0.03〜0.5%、Mo:0〜0.5%で、かつM
n、CrおよびMoの合計量が1.8〜2.5%であり、sol.
Al:0.01〜0.10、B:0.0003〜0.0030%、P:0.03%
以下、S:0.01%以下、N:0.008%以下である高強度
合金化溶融亜鉛めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車などに用いら
れるプレス加工性にすぐれた高強度の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃費向上を目的とした車体の軽
量化および衝突時の車室内安全性確保のため、自動車用
に加工性のすぐれた高強度薄鋼板が使用されるようにな
った。その後さらに環境保護のための排出ガス抑制がよ
り強く要望されるようになり、それとともに前面衝突の
みならず側面衝突に際しても乗員の安全を確保するため
の車体強化の必要性などが増すことによって、この加工
性にすぐれしかも強度の高い薄鋼板の性能向上への要望
はますます高まっている。
【0003】一方、車体の耐久性の点から、表面処理鋼
板の適用は増大し、その使用量は自動車用薄鋼板全体の
2/3以上にも達している。表面処理鋼板には安価で耐食
性にすぐれている点から合金化溶融亜鉛めっきが多用さ
れる。
【0004】連続溶融亜鉛めっき設備では、通常、鋼板
を還元性雰囲気中で加熱して表面を清浄化かつ活性化
し、冷却して溶融亜鉛浴をくぐらせて表面に亜鉛を付着
させ、浴から引き上げ直後にワイピングによりめっき層
の厚さを制御し、ついで必要に応じ加熱して合金化させ
る。しかしながら素地鋼板からみれば、このめっき方法
は基本的に鋼板を連続して加熱焼鈍し冷却する、一種の
連続焼鈍ないしは連続熱処理方法である。そこで、連続
溶融亜鉛めっき設備にて、素地鋼板の組成や製造履歴を
管理し、めっき時の鋼板の加熱冷却条件を種々制御し
て、プレス成形性のすぐれた、あるいは高強度の、様々
な性能を有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造が検討開発さ
れ、実用化されてきた。
【0005】高強度で、伸びが大きくしかも降伏点が低
いという特徴を有する複合組織鋼板がある。この鋼板
は、柔らかいフェライトの素地の中に硬いマルテンサイ
ト相を分散させ強化した組織を有しており、成形しやす
くプレス型に沿った形状を得やすい、すなわち形状凍結
性がすぐれているとして、とくに曲げ成形が主となる、
足回り部品などに多く使用されている。
【0006】連続溶融亜鉛めっき設備を用いた、この複
合組織を有する高強度めっき鋼板の製造方法の発明も多
く開示されている。これらはいずれもめっき浴に浸漬す
る前の鋼板の加熱をAc1変態点以上Ac3変態点以下の範
囲の温度、すなわちオーステナイト相とフェライト相と
の2相共存域とし、その後の溶融亜鉛浴までの冷却また
はめっき後の合金化処理後の冷却などの温度降下時に、
オーステナイト相から微細なマルテンサイト相を生じさ
せるものである。したがって二相温度域での加熱により
生じたオーステナイト相が、温度降下の過程でフェライ
トとパーライトになることをできるだけ抑止し、マルテ
ンサイト相へより多く変態するよう合金組成を選定した
り、温度降下時の条件を限定したりしている。
【0007】たとえば特開昭55-100935号公報では、
C:0.2%以下、Si:0.60%以下、P:0.150%以下、
sol.Al:0.01〜0.20%、Mn:3.5%以下で、Mn+
Siが2.3%以上である素地鋼板を、連続溶融亜鉛めっ
き設備にて合金化亜鉛めっきする際に、めっき浴槽と合
金化炉との間で鋼板をMs点以上の温度に保持し、形状
性にすぐれた高張力の合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする
製造方法の発明が開示されている。
【0008】また、特開昭55-122821号公報に提示され
た発明では、C:0.005〜0.15%、Mn0.3〜2.0%、C
r:0.03〜0.8%を含有する薄鋼板をめっきし合金化す
る際に、CrとMnの含有量に応じて加熱後の冷却速度
を制御する。
【0009】さらに、特開平5-163531号公報では、C:
0.01〜0.1%、Si:0.3%以下、Mn:2.0〜2.5%、
P:0.09%以下、B:0.0010〜0.0100%の鋼板を、725
〜850℃の温度に加熱した後の亜鉛めっき浴までの冷却
速度を5〜30℃/sとする、形状凍結性にすぐれた高強度
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の発明が開示され
ている。
【0010】これらの複合組織を有する高強度の合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は補強用メンバーなど車体の外部に
現れない構造部品において使用される。しかしながら、
ドアなど形状や表面品質のきびしい外板部品には、成形
性不足や面歪みの発生、あるいはめっき面の品質が必ず
しも十分でないことなどから、未だ適用されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】自動車の外板に使われ
る鋼板は、深絞り性がすぐれ、プレス型に沿った形状の
成形品が容易、すなわち型へのなじみがよく、かつ面歪
みが少ないことが要求される。鋼板の特性として、深絞
り性に関しては引張試験におけるr値が高いことが必要
で、型へのなじみや面歪みに対しては降伏点が低いこと
が重要になる。面歪みというのは、たとえばドアのよう
に面積が大で曲率の大きい平面形状に近い部品のプレス
成形において、把手部のような局所にくぼみを形成させ
た場合、くぼみ周辺の部分がその影響をうけてわずかで
はあるが広範囲に変形し、ドアとしての必要な面形状が
崩れてしまう現象をいう。
【0012】薄鋼板は強度が高くなると、通常r値は低
下し、降伏点が上昇するため、外板への高強度鋼板の採
用は限定される。ことに降伏点は面歪みの発生防止の点
から、大略250N/mm2以下に限定すべきであるとされて
いる。自動車の外板において、鋼板の強度を上げてその
効果が期待できるのは、440N/mm2以上と考えられる。し
かしながら、降伏点が250N/mm2を超える鋼板が使えない
とすれば、通常、プレス成形に用いられる薄鋼板では、
降伏点が引張強さに対し0.6〜0.7程度なので、有効な強
度の鋼板は外板には使用できないことになる。
【0013】本発明は、自動車の外板などに用いて、プ
レス成形品の面歪みの発生がなく、かつ、パウダリング
やチッピングなど表面品質状の問題の発生しない高強度
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およびその製造方法を提
供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】ドアのような外板パネル
に適用できる高強度鋼板として、本発明者らは、複合組
織鋼を合金化溶融亜鉛めっき鋼板の素地鋼板に用いるこ
とを検討した。これは複合組織鋼板は、同じ引張強さに
対し降伏点を大きく低下できるという特徴があるからで
ある。そこで、製造条件や強度レベルの異なる鋼板を種
々用意し、とくに面歪みの発生に注目して調査してみ
た。
【0015】その結果、降伏点が300N/mm2以下であれ
ば、面歪みの発生を抑止できることが明らかになった。
降伏点が300N/mm2まで高くなっても面歪みの発生がない
とすれば、引張強さが440N/mm2を超える高強度鋼板を用
い得る可能性がある。
【0016】このように、複合組織鋼板を用いれば、面
歪みが発生しない降伏点の上限が高くなる理由は次のよ
うに考えられた。鋼板がプレス成形加工されるときは、
1軸の応力による変形である引張試験と違って、2軸の
応力を受ける。2軸応力下の変形においては、引張試験
のr値が高いことは、降伏点の高い場合と同じ効果をも
たらす。すなわち、r値が高いということは、板に面方
向の応力が加えられたとき、応力に垂直な方向の変形
は、板厚の方向では変形抵抗が大きく、板面に平行な方
向では変形抵抗が小さいことを意味する。
【0017】引張試験では応力に垂直な方向は自由に変
形できるが、2軸の応力下では板面に平行な方向は拘束
されるので、プレス加工の変形は主として板厚の変形に
より進行する。したがって、r値が高い鋼板では、板厚
を減少させるのにより大きい応力を必要とし、降伏点が
高い場合と同じ挙動を示すことになる。これに対し複合
組織鋼板のr値は、通常、高いものが得られず1.0前後
と低く、このために降伏強度が高くても面歪みが発生し
にくと推定される。
【0018】プレス加工においては、同一形状の部品を
成形する場合、絞り加工の要素をある程度張出し加工の
要素で置き換えても、十分成形できる場合が多い。すな
わち複合組織鋼板は、r値が低く絞り性はよくないが、
伸びを大きくし延性を向上させ張り出しを容易にさせれ
ば、同じ形状の部品に対しr値の高い鋼板と同様に使用
できると考えられる。その上、部品成形に張り出し加工
変形の要素を増すことにより、加工硬化による強度上昇
も期待できる。
【0019】そこで、引張強さは440N/mm2を超え、降伏
点が300N/mm2以下で延性ができるだけ大きく、かつ溶融
亜鉛めっき設備にて可能な範囲の処理条件により製造で
き、しかも合金化溶融亜鉛めっき層が加工によるパウダ
リングやチッピングを発生し難い素地の複合組織鋼板を
得ることを目標とし、その鋼組成を種々検討した。
【0020】その結果、次のようなことがわかってき
た。まず延性の点からCの含有量はできるだけ低い範囲
に限定すべきである。低いC含有量において複合組織と
するには、Mnなどオーステナイトを安定化させる元素
を多く添加しなければならない。しかし、これらの元素
の多量の含有は延性を悪くするが、Cr、Moあるいは
Bを同時に含有させて複合して用いると、同じ効果を得
るためのこれら元素の合計の含有量を低減できる。さら
に、PおよびSiは、延性を大きくは損なわずに強度を
向上させることができるが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のプレス加工時に生じやすいパウダリングやチッピング
には好ましくない。
【0021】目標とする特性を有する素地鋼板の化学組
成としては、上記のような傾向があきらかにされたの
で、さらにこのような組成の鋼にて、めっき前の素地鋼
板の製造条件や溶融亜鉛めっき設備における処理条件を
検討した。その結果従来より知られている、複合組織鋼
板を得る条件に準じて選定すればよいこともわかってき
た。すなわち、熱延の巻き取り温度をやや高めとし、め
っき前に二相域に加熱後、めっき浴までの冷却速度およ
び合金化処理加熱後の冷却速度を管理し、そしてめっき
処理後の整製過程での調質圧延はできるだけ少ない加工
でおこなうなどを留意することによって、より特性のす
ぐれた鋼板が得られたのである。
【0022】このような知見に基づき、さらに各限界条
件を明らかにして本発明を完成した。本発明の要旨は次
のとおりである。 (1) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、引張り試験に
おける降伏点が300N/mm2以下で、その素地鋼板は複合組
織であり、化学組成が質量%にてC:0.02〜0.06%、S
i:0.2%以下、Mn:1.5〜2.5%、Cr:0.03〜0.5
%、Mo:0〜0.5%で、かつMn、CrおよびMoの合
計量が1.8〜2.5%、sol.Al:0.01〜0.10、P:0.03%
以下、S:0.01%以下、N:0.008%以下であり、残部
はFeおよび不純物からなることを特徴とする成形性に
すぐれた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板。 (2) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、引張り試験に
おける降伏点が300N/mm2以下で、その素地鋼板は複合組
織であり、化学組成が質量%にてC:0.02〜0.06%、S
i:0.2%以下、B:0.0003〜0.003%、Mn:1.5〜2.5
%、Cr:0.03〜0.5%、Mo:0〜0.5%で、かつMn、
CrおよびMoの合計量が1.8〜2.5%、sol.Al:0.01
〜0.10、P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:0.008
%以下であり、残部はFeおよび不純物からなることを
特徴とする成形性にすぐれた合金化溶融亜鉛めっき高張
力鋼板。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の合金化溶融亜鉛めっき高
張力鋼板は、降伏点が300N/mm2以下で、その素地鋼の金
属組織がフェライト相中にマルテンサイト相の分散した
複合組織であることとする。これは降伏点が300N/mm2
超えると、自動車などの外板パネルにプレス成形した場
合、面歪みが発生しやすくなるからである。めっき素地
の鋼板の金属組織を複合組織とするのは、降伏点を300N
/mm2以下とし、かつ引張強さが440N/mm2を超える鋼板
とするためである。なお、複合組織の場合、わずかな変
形で降伏点は上昇するので、300N/mm2以下であれば、下
限値はとくには定める必要はない。
【0024】本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の、め
っき層を除く素地の鋼板の化学組成は、質量%にて以下
のように限定する。Cの含有量は0.02〜0.06%とす
る。Cは複合組織鋼板の強度を向上させる。0.02%を下
回ると強度が不足し、マルテンサイト相が十分得られず
所要の複合組織鋼板が得られなくなる。しかし0.06%を
超えると強度は向上するが、降伏点が300N/mm2を超えて
しまい、目的とする特性の鋼板が得られない。したがっ
て、Cの含有量は0.02〜0.06%とするが、安定して降
伏点を300N/mm2以下とするために望ましいのは0.02〜0.
04%である。
【0025】Siの含有量は0.2%以下とし、特に添加
しなくてもよい。したがって下限は不純物レベルでもよ
い。Siの含有は伸びの低下を少なくして強度を向上さ
せ、その上複合組織を形成しやすくする。しかし、めっ
きの際の溶融亜鉛の濡れ性を悪くするので、0.2%を超
える含有はめっきむら発生の原因になり、めっき品質を
低下させるので好ましくない。
【0026】Mnは複合組織を得るために重要な元素で
あり、その含有量を1.5〜2.5%とする。1.5%を下回る
と、オーステナイト相の安定化効果が不足し、連続溶融
めっき設備の処理条件範囲では複合組織が得られなくな
る。しかし、2.5%を超える含有は、延性の低下により
加工性を悪くし、その上降伏点が300N/mm2を超えてしま
うおそれがある。
【0027】Crは含有量を0.03〜0.5%とする。Mn
と同様にオーステナイト相の安定化作用があり、Mnと
複合して含有させることによりその効果が大きくなる。
また、Mnに比較して、延性低下の影響が小さい。この
ような効果を得るためには、少なくとも0.03%の添加が
必要である。しかし、含有量が増すと溶融亜鉛の濡れ性
を悪くしめっき品質を悪くするので、多くても0.5%ま
でとする。
【0028】Moは、特には含有させなくてもよいが、
必要に応じ0.5%まで含有させる。MoはMnやCrと
同様な作用を有し、とくにMnおよびCrと複合して含
有させるとその効果が顕著であり、C含有量やMn含有
量を低くしたい場合、板厚が厚い場合、または溶融亜鉛
めっき設備の冷却能力不十分な場合など、有効に活用で
きる。このような効果を得るためには、少なくとも0.03
%以上の含有が望ましい。しかし、0.5%を超える含有
は、含有量に応じた作用の向上は小さく、コストも増大
してくる。
【0029】Mn、CrおよびMoの各元素それぞれの
含有範囲は上記のとおりであるが、さらに、Mnおよび
Crの含有量、またはMnおよびCrとMoの含有量
は、その合計を1.8〜2.5%に限定する。これはこれら3
元素の合計量が1.8%を下回る場合は、複合組織が十分
得られず強度が不足し、2.5%を超えると降伏点が300N/
mm2を超えてしまい、プレス成形品の面歪みの発生を抑
止できなくなるからである。
【0030】Bはオーステナイト相を安定化させ、複合
組織をより容易に形成させるために0.0003〜0.0030%含
有させる。Mn、CrおよびMoはいずれもその含有量
と共にオーステナイト相の安定化効果は増すが、一方に
おいて、これらの元素の増加は鋼の延性を低下させる。
これに対しBは微量の含有で、たとえばMnを0.3〜0.5
%程度増加させたのと同程度の効果が得られる。したが
って加工性を損なうことなくオーステナイト相を安定化
させ、複合組織の形成を容易にする。ただしこのような
効果を発揮させるには、Mnが十分含まれている必要が
ある。そして、この効果を得るには少なくとも0.0003%
以上必要であるが、含有量を変えてもその効果は変化せ
ず一定で、0.0030%を超えると、変形により割れを発生
しやすくなり、加工性が低下する。したがって、Bを含
有させる場合は0.0003〜0.0030%とする。
【0031】sol.Al含有量は0.01〜0.1%とする。A
lは連続鋳造時、鋳片の健全性確保、あるいは有効な固
溶Bの保有のための、溶鋼脱酸の結果として含有され
る。また、Nと結合して微細なAlN析出物を形成し、
溶融亜鉛めっき前の2相共存域での加熱時における、結
晶粒粗大化を抑止する効果がある。これらの効果を発揮
するにはsol.Alとして、少なくとも0.01%以上必要で
ある。しかし、0.1%を超えて含有させても効果が飽和
して無駄であるし、その上めっきの付着が悪くなること
がある。したがって、sol.Alの含有量は0.01〜0.1%
とする。
【0032】Pの含有量は、0.03%以下とする。Pは鋼
の原料から不純物として混入してくる元素の一つである
が、鋼の強度を高めるため添加することがある。しか
し、溶融亜鉛めっき層を合金化する際の鉄の拡散を抑制
して合金化を遅らせ、それが加工時のパウダリングやチ
ッピングの原因となるおそれがある。また、プレス加工
の際の二次加工脆化を生じさせたり、スポット溶接性を
悪くしたりする。そこで含有量は、多くとも0.03%まで
とするが、少なければ少ないほど好ましい。
【0033】Sの含有量は0.01%以下とする。Sも鋼の
原料に起因する不純物であり、硫化物の形で非金属介在
物として存在し、鋼の加工性を劣化させるので、少なけ
れば少ないほどよい。その存在による影響がほぼ無視で
きる限度として、0.01%以下に限定する。
【0034】Nの含有量は0.008%以下とする。Nは鋼
の製造過程で混入してくる不純物の一つであり、鋼板の
加工性の観点からは少なければ少ないほどよい。しか
し、Alと結合して微細なAlNを形成し、鋼の粗粒化
を抑制するので、通常の製造過程で混入する0.002〜0.0
08%程度の含有は好ましい場合がある。すなわちNの含
有量は、多くても0.008%以下とするが、下限はとくに
は定めない。
【0035】次に、本発明の鋼板を製造するための製造
方法は、基本的には、上述の化学組成とした素地鋼板を
用い、通常の連続溶融亜鉛めっき設備にて合金化処理を
おこなえば、目的とする降伏点が300N/mm2以下のプレス
成形時の面歪みのない、引張強さが440N/mm2を超える高
張力の合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。しかしな
がら、より安定して目的とする鋼板を製造するには、以
下の点に留意することが望ましい。
【0036】熱間圧延工程における巻き取り温度は、55
0〜700℃が好ましい。これは高めの巻き取り温度とする
ことにより、複合組織鋼がより安定して製造できるから
である。巻き取り温度を高くすると、熱間圧延直後の冷
却速度がおそくなり、冷却過程において残存するオース
テナイト相へCが濃化、すなわちCが偏在する傾向があ
る。これを冷却後、冷間圧延し連続溶融亜鉛めっき設備
において二相域に加熱してから冷却するときに、Cの偏
在が複合組織を形成させやすくするためと考えられる。
550℃以下の巻き取り温度では、このような効果は少な
く、700℃を超える巻き取りは、酸化スケールの増大や
コイル変形の問題が生じるおそれがある。
【0037】連続溶融亜鉛めっき設備にて、めっきおよ
び合金化処理をおこなう際、鋼板を二相域に加熱した後
の、溶融亜鉛浴温度近傍までの冷却は3℃/s以上の冷却
速度、合金化処理後250℃までの冷却は2℃/s以上であれ
ばよい。しかし、C量が低いため、オーステナイト相の
フェライトとパーライトへの分解が速く、Ms点も430
〜460℃程度と高いので、冷却はできるだけ速くするこ
とが望ましい。すなわち、オーステナイト相をより多く
マルテンサイト相とするには、通常450〜475℃である溶
融亜鉛浴までを3℃/s以上のできるだけ速い冷却とし、
亜鉛付着後はMs点以下に冷却しないようにして、合金
化処理の500〜550℃程度まで再加熱昇温し、その後は25
0℃位までを10℃/s以上と、できるだけ速く冷却するの
がよい。
【0038】製品とする鋼板の形状や表面状態の調製の
ため、伸び率0.5%以下の調質圧延または軽度のレベラ
ー加工を施す。これらの加工は、不必要ならおこなわな
いことが望ましい。この場合、加工度が増すと降伏点が
増加し、目的とする降伏点が300N/mm2以下の鋼板が得ら
れなくなるので、調質圧延の伸び率は0.5%以下に止め
るとよい。レベラーを通す場合も加工度が増すと降伏点
が高くなるので、できるだけ少なくすべきである。
【0039】
【実施例】連続鋳造法により表1に示す化学組成の鋼ス
ラブを製造し、1220℃に加熱して熱間圧延をおこない、
650℃で巻き取った。酸洗後圧下率76%として冷間圧延
をおこない幅1300mm、厚さ0.75mmの鋼板コイルとした。
この鋼板を連続溶融亜鉛めっき装置にてAc1点以上に加
熱して焼鈍後、冷却して溶融亜鉛浴に浸漬し目付量片面
あたり45g/m2の両面めっきをおこない、次いで520℃に
加熱して合金化処理した。
【0040】めっき装置出側にて、調質圧延およびレベ
ラー加工の施されてない状態のサンプルを採取し、JIS
5号試験片による引張試験、穴広げ試験、面歪み性評価
験、パウダリング試験をおこなった。鋼板の加工性評価
法の一つである穴広げ試験は、直径10mmの穴をクリアラ
ンスは板厚の12%として打ち抜き、直径50mmのしわ押さ
えにて頂角60°の円錐ポンチにより、割れの発生しない
限界の穴広げ率を測定した。
【0041】面歪みの評価は、図1に示すような、型中
央部にドア把手部相当形状のエンボス加工部を有する、
400mm角のカマボコ型のモデルパネル形状を成形した。
成形品の面形状を三次元形状測定機にて測定してデータ
を計算機に取り込み、目視判定による面歪みと最も相関
のあった、エンボス部の肩より10mm離れた位置の図に示
すxに平行な方向の形状曲線の、長さ300mmの範囲内に
おける二次微分係数の最大値と最小値から評価した。す
なわち、面歪みパラメータKを K = 二次微分係数の最大値 − 二次微分係数の最小値 とし、Kの値を目視判定の結果と対比すると、K≧50×
10-5の場合、面歪みが発生しており、K<50×10-5であ
れば面歪みがないと判断できる。
【0042】合金化めっきのめっき層品質を判定する耐
パウダリング性は、絞り比1.8の直径50mmのポンチによ
る円筒絞り成形をおこない、めっきの剥離量を秤量して
評価した。
【0043】表2に上記評価試験結果を製造条件と合わ
せて示す。この表2の結果から明らかなように化学組成
が本発明の定める範囲内であり、かつ降伏点が300N/mm2
以下である試番1〜9の鋼板は、引張強さが440N/mm2を超
え、面歪みパラメータの値が小さく、伸びが大きく穴広
げ性がすぐれており、めっき層のパウダリングもすくな
い。これに比し試番10〜17の鋼板は、化学組成が本発明
の範囲を逸脱するものであり、複合組織が十分得られず
降伏点が高く面歪みが大きいか、降伏点が低く面歪みが
小さくても、穴広げ性または耐パウダリング性がよくな
い。
【0044】
【表1】
【表2】
【発明の効果】本発明は、自動車の外板に適用できる、
高強度でありながら、面歪みの発生が少なくしかもの成
形性にすぐれた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方
法を提供するものであり、近年ますます強く要望される
ようになった、自動車の乗員の安全性向上や地球環境に
かかわる燃費向上に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】面歪みの評価に用いるモデルパネルの形状を示
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 剛 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 広瀬 洋三 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、引張
    り試験における降伏点が300N/mm2以下で、その素地鋼板
    は複合組織であり、化学組成が質量%にてC:0.02〜0.
    06%、Si:0.2%以下、Mn:1.5〜2.5%、Cr:0.0
    3〜0.5%、Mo:0〜0.5%で、かつMn、CrおよびM
    oの合計量が1.8〜2.5%、sol.Al:0.01〜0.10%、
    P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:0.008%以下で
    あり、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とす
    る成形性にすぐれた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板。
  2. 【請求項2】合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、引張
    り試験における降伏点が300N/mm2以下で、その素地鋼板
    は複合組織であり、化学組成が質量%にてC:0.02〜0.
    06%、Si:0.2%以下、B:0.0003〜0.003%、Mn:
    1.5〜2.5%、Cr:0.03〜0.5%、Mo:0〜0.5%で、か
    つMn、CrおよびMoの合計量が1.8〜2.5%、sol.A
    l:0.01〜0.10、P:0.03%以下、S:0.01%以下、
    N:0.008%以下であり、残部はFeおよび不純物から
    なることを特徴とする成形性にすぐれた合金化溶融亜鉛
    めっき高張力鋼板。
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