JP2001298640A - デジタルカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルカメラ（電子カメラ）の撮像素子周
りの“ごみ”を清掃するための、誤って前面ガラスやシ
ャッタ羽根やミラー等を損傷する怖れのない防塵手段を
提供する。 【解決手段】 このため、清掃ボタン４により強制的に
撮像素子２２上、もしくは撮像素子上にユニット的に構
成されているローパスフィルタ２３等の光学部材等のご
みをモータ３３駆動のワイパ３１で自動的に清掃するよ
う構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子的に画像を取
り込むデジタルカメラに、また特に、撮像素子周りのご
みの清掃に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子的に画像を取り込むデジタル
カメラ（電子カメラ）は、ほぼ従来の銀塩カメラと並
び、一般的になってきた。ただし、フィルムに被写体を
感光させて撮影するものと、撮像素子に被写体光を当て
て画像を取り込むことの比較において問題になること
は、“ごみ”の問題である。

【０００３】銀塩カメラにおいては、フィルム面上のご
みは、撮影して巻き取ってしまうので、次のフィルム面
にはごみはないか、あるいは違う所に、異なる大きさの
ごみがついている程度である。よって、一個の大きなご
みが入ったとしても、影響があるのは一駒のみである。

【０００４】しかしながら、デジタルカメラのように、
撮像素子を使用して画像を取り込むシステムにおいて
は、撮像素子上にごみがあると、全ての写真に影響が出
てきてしまう。特に、レンズ交換式のカメラや、撮像素
子の前面にシャッタやミラー等の動くものがあると、一
般的に、ごみはかなりな量で発生し易い。

【０００５】このため、従来は、例えば特開平０６−３
０３４７１号公報に開示されているように、ワイパでガ
ラス表面をこすり、汚れやごみを取るものが知られてい
る。ただし、それは、カメラ全体が比較的ハードな環
境、例えば雨の中であるとかの時に、雨の滴（しずく）
や泥などから視界を確保するために、レンズ光学系の前
面ガラスをワイパで清掃するものであった。

【０００６】また、撮像素子面を清掃可能なように、所
定のモードにすると、ミラーをアップし、シャッタ先幕
のみを走らせて、撮像素子を露出させて、撮影者がエア
ーブラシ等で清掃するように構成したものもある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には、以下のような問題点があった。すなわち、前
記特開平０６−３０３４７１号公報は、カメラの前面の
ガラスの表面を清掃するワイパであり、外界の環境に対
してのワイパであって、撮像素子上のごみを取るもので
はなかった。

【０００８】また、清掃モードを持つものでは、撮影者
が撮像素子の表面のごみをエアーブラシ等で清掃するた
めに、誤って表面ガラスに傷をつけたり、逆にごみを入
れてしまったりすることがあった。また、誤って清掃モ
ードを途中で解除してしまい、シャッタ羽根やミラー等
を損傷してしまうこともあった。

【０００９】本発明は、以上のような局面に鑑みてなさ
れたもので、これらの問題点を解決するための手段の提
供を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、以下の各項（１）〜（４）のいずれかに示すデジ
タルカメラを提供することにより、前記目的を達成しよ
うとするものである。

【００１１】（１）電子的に画像を取り込むカメラにお
いて、撮像素子上の光学部材もしくはこの撮像素子面に
至る光路で略防塵構造を取っているユニットの最も外側
の光学部材面のごみを、自動的に除去するモードを有す
るように構成したことを特徴とするデジタルカメラ。

【００１２】（２）電子的に画像を取り込み、撮像素子
上の光学部材もしくはこの撮像素子面に至る光路で略防
塵構造を取っているユニットの表面を、ワイパでこする
ように構成したカメラにおいて、前記ワイパは前記撮像
素子上以外の位置に待機するように構成したことを特徴
とするデジタルカメラ。

【００１３】（３）電子的に画像を取り込むカメラにお
いて、撮像素子上の表面部材もしくはこの撮像素子面に
至る光路で略防塵構造を取っているユニットの最も外側
の面をワイパで表面をこするように構成し、前記ワイパ
のこする面の一部に溝もしくは穴を配設したことを特徴
とするデジタルカメラ。

【００１４】（４）電子的に画像を取り込み、撮像素子
上の光学部材の表面もしくはこの撮像素子面に至る光路
で略防塵構造を取っているユニットの最も外側の面をワ
イパでこするように構成したカメラにおいて、前記ワイ
パでこする面は、周囲の面と同一もしくはレンズ側に突
出しているように構成したことを特徴とするデジタルカ
メラ。

【００１５】

【作用】（１）前項（１）に示す第１の発明は、撮像素
子上を自動的に清掃することで、撮像素子に常に同じご
みによる画像の欠陥をなくすることができる。

【００１６】（２）前項（２）に示す第２の発明は、撮
像素子上、もしくは撮像素子ユニットの表面ガラスの面
をワイパで清掃するようにし、ワイパの待機位置を撮像
素子以外の表面にすることで、ワイパブレードの圧力に
よる撮像素子の変形等を防ぐことができる。

【００１７】（３）前項（３）に示す第３の発明は、ワ
イパで清掃したごみが、再度撮像光学系の中に入ってこ
ないように、穴や溝の中に入れてしまうことができる。

【００１８】（４）前項（４）に示す第４の発明は、撮
像素子ユニットの表面と周りの面との高さに段差をつ
け、周りの面の高さを多少低くし、ワイパで拭いたごみ
が再度ガラス上に乗り上がり難くすると共に、普段、ワ
イパが待機している時に、ゴム部分の変形を小さくし
て、長期間でのワイパの変形を防ぐことができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を複
数の実施例に基づき、それぞれ図面を参照して詳細に説
明する。

【００２０】

【実施例】（第１実施例）以下、図面に示す実施形態に
基づき、本発明を詳細に説明する。

【００２１】図１ないし図５は、本発明の第１の実施例
の各説明図である。図１は、デジタルカメラの後面から
見た斜視図、図２は、図１カメラの断面図、図３は同本
体部分図、図４は図１カメラの回路ブロック図、図５
は、図１カメラのワイパ駆動シーケンスのフローチャー
トをそれぞれ示す。

【００２２】〈構成〉図１において、１はデジタルカメ
ラ本体、２はファインダ、３は、再生した画像を確認す
る液晶表示器（ＬＣＤ）、４はごみ清掃開始ボタン（清
掃ボタン）、５は、記録用メモリが入る蓋、６はレリー
ズボタン、５１はレンズ、５２はレンズのマウント部で
ある。

【００２３】図２において、７は、カメラ本体側のマウ
ント部、８は、液晶表示器３のためのバックライトユニ
ットで、液晶の後ろから光を当てている。

【００２４】１１はクイックリターンミラーで、レンズ
５１から入った光は、ここで反射してファインダ２に導
かれる。ただし一部の光はミラー１１の中心部のハーフ
ミラー部を通過してミラー１２で反射され、レンズ１
３、ミラー１４を介して測距ユニット１５に入り、被写
体にレンズピントを合わせる合焦信号を作り出す。

【００２５】１６はシャッタ羽根、２２は撮像素子（Ｃ
ＣＤ）で、地板２１に取り付けられている。２３は撮像
素子２２の前に付いている光学ユニットでローパスフィ
ルタである。２３ａは、ローパスフィルタ２３の表面で
ある。３１はワイパである。

【００２６】図３は、図１カメラの本体部分図で、３１
ａはワイパブレードで、ゴム等の可撓性の材質でできて
いる。このブレードはローパスフィルタ２３の表面２３
ａをこするように構成されている。３３は、ワイパ３１
を回動させるモータで、軸３２を介してワイパ３１を動
かす。

【００２７】１ｂ，１ｃは各溝である。この溝にワイパ
３１で掃いたごみが入るように構成されている。ワイパ
３１は、光学部材２３上ではなく、本体１の１ａ面上に
あり、光学部材２３を介して撮像素子２２に通常ワイパ
ブレード３１ａの弾力負荷がかからないようにされてい
る。

【００２８】図４は、本ビデオカメラの回路構成ブロッ
ク図であり、１０１は、被写体を取り込むためのレンズ
ユニット、１０２は撮像素子であるＣＣＤ、１０３は、
取り込まれた画像信号を処理するためのデジタル信号処
理回路、１０４は画像信号処理部である。１０５はマイ
コン（マイクロコンピュータ）で、動作タイミングのシ
ステムを司どり、操作部材１１２の信号等も読み取れる
ように構成されている。

【００２９】１１１は電源回路で、このカメラの電源で
あり、各ユニットや素子に電源を供給している。１０９
は、液晶表示器の駆動回路であり、１１０のバックライ
ト、液晶パネルの駆動を行い、画像を表示するファイン
ダの役目を行う。

【００３０】１０６は圧縮回路で、図１のレリーズボタ
ン６に同期して、動画の中の一枚を静止画として取り込
む時に画像データを圧縮して、記録用メモリ１０８に記
録する。１０７は、圧縮回路１０６がデータを圧縮する
時のワーク用メモリである。メモリ１０８は不揮発性の
フラッシュメモリ等の記録メモリである。

【００３１】１２１は、図２のクイックリターンミラー
１１及びシャッタ羽根１６をチャージ、駆動するための
モータ、１２２，１２３は後幕シャッタ、前幕シャッタ
の駆動の緊締を解除するための各マグネットＭＧ１，Ｍ
Ｇ２、１２４は、ワイパを駆動するためのモータであ
り、１２５はＶ−ＯＵＴ（ビデオ信号出力）を示す。シ
ャッタのチャージ、シャッタ羽根走行、ミラーの動き等
に関しては公知技術であるため、詳細説明は省略する。

【００３２】〈動作〉図５は、ワイパ駆動シーケンスの
フローチャートである。

【００３３】電源オンの状態（ステップＳ１０１）でカ
メラ１の清掃ボタン４（図１）をオンする（ステップＳ
１０２）ことにより、モータ３３（図３）が回転して
（ステップＳ１０３）、ワイパ３１が時計方向に回転す
る。ワイパ３１が所定の角度を回転する（ステップＳ１
０４）ことで、モータ３３はオフ（ステップＳ１０５）
となる。

【００３４】本実施例では約９０度回転している。これ
は、撮像素子２２の前の部分は全てきれいに清掃し、ご
みがあった場合に、図３の溝１ｃにごみを入れるような
角度まで回転するように構成されている。次にモータ３
３が逆転して（ステップＳ１０６）元の位置に戻った
（ステップＳ１０７）ところで、モータ３３はオフとな
り（ステップＳ１０８）、ワイパ３１は元の位置で停止
する。そこで最初の待機位置に戻ったことになる。

【００３５】（第２実施例）図６は、本第２の実施例の
カメラ本体部分断面図を示す。

【００３６】１はカメラ本体、２１は、撮像素子２２を
取り付ける地板、２３は光学素子であるローパスフィル
タである。もちろん、ローパスフィルタ２３がなく、撮
像素子２２の表面ガラスが２３であっても良い。３１は
ワイパであり、可撓性のワイパブレード３１ａと一体的
に構成されている。３１，３１ａは、光学部材の表面に
位置している時の図で、３１′，３１ａ′は光学部材の
ローパスフィルタ２３の表面から距離ｌだけ離れ、本体
表面１ａ上に位置している時の状態を示す。

【００３７】図示のように本体上にある時には、ブレー
ド３１ａは曲がっておらず、光学部材２３上にある時に
は図のようにブレードは曲がっている。このように構成
することで、待機位置にいる時にはブレードに負荷がか
からないので、変形したりすることがなく、またブレー
ドに本体表面のごみが付くこともなくなる。またブレー
ド３１ａは、本体表面１ａをこすらないので、本体表面
１ａのごみを撮像素子上に乗せてしまうこともなくな
る。またガラスの周りと段差があるので、本体上のごみ
が不用意にガラス上に乗ってしまうことも少なくなる。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように、前述第１の発明に
よれば、清掃ボタンによって、強制的に撮像素子上、も
しくは撮像素子上にユニット的に構成されているローパ
スフィルタ等の光学部材等のごみを清掃することで、常
に同じ位置にごみが写ることや、シャッタやミラーの動
作によって発生したごみが撮像素子上に溜まっていくこ
とが防げるようになった。

【００３９】また、清掃をワイパで行うように構成し、
かつワイパの待機位置を本体表面上にすることで、ワイ
パブレードの押し圧によって撮像素子の光軸に対しての
直角度が狂ったりすることがなくなった。

【００４０】また、本体のワイパが動く軌跡の中に溝を
設けることで、清掃したごみがガラスの周りに溜まるこ
となく、溝に落ちて２度とガラス表面に付くことがなく
なった。

【００４１】また、ガラスと本体との段差を設けた構成
にすることで、待機位置にある時にはブレードに負荷が
かからないので、変形したりすることがなく、またブレ
ードに本体表面のごみが付くこともなくなる。

【００４２】また、ブレードは本体表面をこすらないの
で、本体表面のごみを撮像素子上に乗せてしまうことも
なくなる。またガラスの周りと段差があるので、本体上
のごみが不用意にガラス上に乗ってしまうことも少なく
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例カメラの後ろ側斜視図

【図２】 図１カメラの断面図

【図３】 図１カメラの本体部分図

【図４】 図１カメラの回路構成ブロック図

【図５】 図１カメラのワイパ駆動シーケンスのフロー
チャート

【図６】 第２実施例のカメラ本体部分断面図

【符号の説明】

１ カメラ本体 １ａ 面 １ｂ，１ｃ 溝 ２ ファインダ ３ 液晶（ＬＣＤ） ４ ごみ清掃開始ボタン（清掃ボタン） １１ ミラー １６ シャッタ羽根 ２１ 撮像素子地板 ２２，１０１ 撮像素子（ＣＣＤ） ２３ ローパスフィルタ ３１ ワイパ ３３ モータ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子的に画像を取り込むカメラにおい
   て、 撮像素子上の光学部材もしくはこの撮像素子面に至る光
   路で略防塵構造を取っているユニットの最も外側の光学
   部材面のごみを、自動的に除去するモードを有するよう
   に構成したことを特徴とするデジタルカメラ。
2. 【請求項２】 電子的に画像を取り込み、撮像素子上の
   光学部材もしくはこの撮像素子面に至る光路で略防塵構
   造を取っているユニットの表面を、ワイパでこするよう
   に構成したカメラにおいて、 前記ワイパは前記撮像素子上以外の位置に待機するよう
   に構成したことを特徴とするデジタルカメラ。
3. 【請求項３】 電子的に画像を取り込むカメラにおい
   て、 撮像素子上の表面部材もしくはこの撮像素子面に至る光
   路で略防塵構造を取っているユニットの最も外側の面を
   ワイパで表面をこするように構成し、前記ワイパのこす
   る面の一部に溝もしくは穴を配設したことを特徴とする
   デジタルカメラ。
4. 【請求項４】 電子的に画像を取り込み、撮像素子上の
   光学部材の表面もしくはこの撮像素子面に至る光路で略
   防塵構造を取っているユニットの最も外側の面をワイパ
   でこするように構成したカメラにおいて、 前記ワイパでこする面は、周囲の面と同一もしくはレン
   ズ側に突出しているように構成したことを特徴とするデ
   ジタルカメラ。