JP2001297275A - 無線電話装置、店舗装置、並びにこれらを用いた決済方法及びシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商取引において個人情報を店舗装置側並びに
店舗側のシステムに一切呈示することなく、個人情報を
保護しつつ決済を遂行すること。 【解決手段】 無線電話装置１０と、店舗装置２１を含
む店舗システム２０と、銀行システム３０，４０とを備
えている。店舗システム２０は、少なくとも売買代金の
合計金額データを無線電話装置１０に送信する。これを
受けた無線電話装置１０は、少なくとも当該合計金額デ
ータに電子署名を行ったデータと、予め無線電話装置１
０に格納された電子証明書とを銀行システム３０に送信
する。これを受けた銀行システム３０は、電子証明書及
び電子署名済みデータに基づく認証処理の後、合計金額
データに対応する金額を電子署名済みデータに対応する
顧客の口座ファイルから引き落とす処理と，合計金額デ
ータに対応する金額を店舗の口座ファイルに入金する処
理とを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線電話装置、店
舗装置、並びにこれらを用いた決済方法及びシステムに
係り、特に、無線電話装置と店舗装置又は銀行システム
との間の無線通信により商取引の決済を行うものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】商品・役務の売買の決済にデビットカー
ドの利用が実用化されている。このデビットカードの決
済では、売主の店舗装置と買主の口座情報を管理する銀
行装置との接続に際し、売主の店舗装置とＣＡＦＩＳ
（Credit And Finance Information System）等との接
続が条件となっている。店舗装置としては、デビットカ
ードを読み取るカードリーダが必要とされ、一般にＰＯ
Ｓ（Point-Of-Sales）機能を備えた端末が用いられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、次の不都合があった。 店舗−銀行間の通信に際しＣＡＦＩＳ等を経由する必
要があるため、ＣＡＦＩＳの手数料がかかっており、特
に少額取引の容易化を目指したデビットカードの利用に
際してはネックと考えられていた。 店舗−銀行間の通信費用が店舗持ちとなっており、店
舗への導入の抑制要因となっていた。 一般に店頭へのＰＯＳ装置の導入や決済情報を一元管
理する本部装置の設置が必要とされ、小店舗への導入の
抑制要因となっていた。 ＰＯＳ装置の機材規模は携帯に向かないため、例え
ば、タクシーの支払い、宅配ピザの支払い等に利用でき
なかった。 店員にカードを手渡す場合は、カードに記録された情
報が盗まれるおそれがあった。即ち、商取引において個
人情報を店舗装置側並びに店舗側のシステムに一切呈示
することなく、個人情報を保護しつつ決済を遂行するこ
とができなかった。

【０００４】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、電子商取引において安全かつ柔軟な決
済を可能にすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、店舗システム又は／及び銀
行システムとデータ通信を行う送受信部と、情報の表示
部と、制御部に対しデータ及び命令を入力する操作部
と、電子証明書が格納される記憶部と、これら各部の動
作を制御する制御部とを備えている。制御部は、送受信
部を介し、店舗システムに決済処理の開始を要求する信
号を出力する機能を備えている。

【０００６】ここで、送受信部は、無線でデータ通信を
行う無線送受信部に限られず、例えば店舗システムと有
線接続可能なコネクタを含むものでもよい。銀行システ
ムには、異なる銀行会社に属する複数の装置が含まれて
いてもよい。

【０００７】請求項２記載の発明では、前記制御部は、
操作部から電子署名用のパスワードの入力を受け付け電
子署名済みデータを生成し記憶部に格納し、店舗システ
ム又は銀行システムに対し、決済処理を行わせるため
に、記憶部から電子証明書及び電子署名済みデータを読
み出し、この電子証明書及び電子署名済みデータを送受
信部を介して送信する機能を備えている。

【０００８】請求項３記載の発明では、前記制御部は、
送受信部を介し店舗システムから少なくとも売買の合計
金額データを受信し記憶部に格納する機能と、送受信部
を介し、銀行システムに対し、売買の決済処理を行わせ
るために、電子証明書と売買の合計金額データに電子署
名を行ったデータとを送信する機能とを備えている。

【０００９】請求項４記載の発明では、前記制御部は、
合計金額データに代えて、モノ購入明細データを送受す
るものとし、このモノ購入明細データは、少なくとも売
買の合計金額データと、売買品目の明細データとを含
む。

【００１０】請求項５記載の発明では、前記制御部は、
送受信部を介し、銀行システムから入金完了の通知を受
信し記憶部に格納する機能と、店舗システムに決済後処
理を行わせるために、入金完了の通知を記憶部から読み
出し、送受信部を介して、店舗システムに転送する機能
とを備えている。

【００１１】請求項６記載の発明では、前記送受信部
は、無線でデータ通信を行う無線送受信部である。

【００１２】請求項７記載の発明では、無線電話装置と
データ通信を行う送受信部と、情報の表示部と、売買品
目の種別及び金額を入力する入力部と、情報の記憶部
と、これら各部の動作を制御する制御部とを備えてい
る。制御部は、入力部から入力された売買品目の金額に
基づいて少なくとも売買の合計金額データを算出し記憶
部に格納し、決済処理を行わせるために、合計金額デー
タを記憶部から読み出し、送受信部を介して、無線電話
装置に送信する機能を備えている。

【００１３】ここで、送受信部は、無線でデータ通信を
行う無線送受信部に限られず、例えば無線電話装置と有
線接続可能なコネクタを含むものでもよい。

【００１４】請求項８記載の発明では、前記制御部は、
合計金額データに代えて、モノ購入明細データを作成し
送信するものとし、このモノ購入明細データは、少なく
とも売買の合計金額データと、売買品目の明細データと
を含む。

【００１５】請求項９記載の発明は、請求項１乃至６記
載の無線電話装置と、請求項７又は８記載の店舗装置を
含む店舗システムと、銀行システムとを備えた決済シス
テムにおいて、コンピュータ処理により売買代金の決済
を行う方法である。店舗システムは、少なくとも売買代
金の合計金額データを無線電話装置に送信する。これを
受けた無線電話装置は、少なくとも当該合計金額データ
に電子署名を行ったデータと、予め無線電話装置に格納
された電子証明書とを銀行システムに送信する。 これ
を受けた銀行システムは、電子証明書及び電子署名済み
データ等に基づく認証処理の後、合計金額データに対応
する金額を電子署名済みデータ等に対応する顧客の口座
ファイルから引き落とす処理と，合計金額データに対応
する金額を店舗の口座ファイルに入金する処理とを実行
する。

【００１６】請求項１０記載の発明は、請求項１乃至６
記載の無線電話装置と、請求項７又は８記載の店舗装置
を含む店舗システムと、銀行システムとを備えた決済シ
ステムにおいて、コンピュータ処理により売買代金の決
済を行う方法である。無線電話装置は、店舗システムに
対し、少なくとも電子証明書と電子署名データとを送信
する。これを受けた店舗システムは、少なくとも売買代
金の合計金額データに電子署名を行ったデータと電子証
明書とを銀行システムに送信する。これを受けた銀行シ
ステムは、電子証明書及び電子署名済みデータ等に基づ
く認証処理の後、合計金額データに対応する金額を電子
署名済みデータ等に対応する顧客の口座ファイルから引
き落とす処理と，合計金額データに対応する金額を店舗
の口座ファイルに入金する処理とを実行する。

【００１７】請求項１１記載の発明では、前記合計金額
データに代えて、モノ購入明細データを用い、このモノ
購入明細データは、少なくとも売買の合計金額データ
と、売買品目の明細データとを含む。銀行システムは、
モノ購入明細データに基づいて顧客毎の購買履歴をデー
タベースに管理する。

【００１８】請求項１２記載の発明では、前記銀行シス
テムは、店舗の口座ファイルに入金する処理の完了後、
当該入金完了の通知を店舗システムに対し直接に又は無
線電話装置を介して店舗システムに送信し、決済後処理
に供する。

【００１９】請求項１３記載の発明は、商取引において
個人情報を店舗装置側並びに店舗側のシステムに一切呈
示することなく、個人情報を保護しつつ決済を遂行する
ことが可能であることを特徴とする。そのための構成
は、上記手段及び後述する実施の形態に示される。

【００２０】請求項１４〜１７に記載の発明も、実質同
一である。これにより、前述した目的を達成しようとす
るものである。

【００２１】

【発明の実施の形態】〔第１実施形態〕

【００２２】以下、本発明の一実施形態を図１乃至図３
に基づいて説明する。

【００２３】図１は、本実施形態に係る決済システムの
構成図である。この決済システムは、無線電話装置とし
ての携帯電話１０と、店舗システム２０と、銀行システ
ムとから構成されている。本実施形態において、銀行シ
ステムは、第１の銀行３０と、第２の銀行４０とを備え
ている。

【００２４】携帯電話１０は、店舗を利用する顧客が携
帯する。本実施形態において、この携帯電話１０は、店
舗システム２０との通信機能と、銀行システム３０，４
０との通信機能とを備えている。本実施形態において、
この通信機能は、無線によりデータ通信を行う無線通信
機能である。

【００２５】図２は、本実施形態における携帯電話１０
の構成図である。携帯電話１０は、店舗システム２０及
び銀行システム３０，４０と無線通信を行う無線送受信
部１１と、利用者（ユーザ）に情報を表示する表示部１
２と、利用者が制御部１５に命令を入力する操作部１３
と、制御部１５が処理に用いるデータを格納する記憶部
１４と、これら各部の動作を制御する制御部１５とを備
えている。無線送受信部１１は、ＲＦ部、ベースバンド
部、マイク及びスピーカ等の従来の携帯電話の構成要素
を含んで構成されている。

【００２６】記憶部１４には、携帯電話１０の固有の電
子証明書（デジタルＩＤ）１４１と、携帯電話網（セル
ラー網）を介して銀行システムに接続するための銀行の
電話番号１４２とが格納されている。本実施形態におい
て、電子証明書１４１は、Ｘ．５０９に準拠した電子証
明書であって、ＣＡ（Certificate-Authority）におい
て発行される。電子証明書１４１は、携帯電話１０の購
入の与信時に記憶部１４に格納してもよいし、携帯電話
１０の購入時にＰＩＮ（暗証番号、パスワード）だけ貰
い、このＰＩＮによる認証を介してＣＡからオンライン
で入手した電子証明書を記憶部１４に格納してもよい
し、それ以外の方法で格納してもよい。

【００２７】制御部１５は、ＣＰＵを備え、このＣＰＵ
のプログラム処理によって外線機能１５１と、内線機能
１５２とを実現する。ここで、外線機能とは、携帯電話
網を介してデータ通信を実現する機能をいい、内線機能
とは、携帯電話網を介さないでデータ通信を実現する機
能をいう。無線送受信部１１は、この外線機能１５１と
内線機能１５２とのそれぞれに対応する通信回路を備え
ている。ここで、内線機能を実現するデータ伝送媒体
は、電波でもよいし、赤外線でもよい。本実施形態にお
いて、制御部１５は、銀行システム３０，４０と通信す
る際には外線機能１５１を起動し、店舗システム２０と
通信する際には内線機能１５２を起動するようになって
いる。内線機能１５２の実現にあたっては、ブルートゥ
ース（bluetooth）の採用が考えられる。ただし、店舗
システム２０と通信する際に外線機能１５１を利用して
もよく、その場合、例えば既存のショートメール機能の
利用が考えられる。この場合、内線機能１５２の搭載は
任意である。

【００２８】一方図１において、店舗システム２０は、
複数の店舗に設置された複数の店舗装置２１と、これら
複数の店舗装置２１で得たデータを一元管理する本部装
置２２とを備えている。

【００２９】図３は、店舗装置２１の構成図である。店
舗装置２１は、携帯電話１０と無線データ通信を行う無
線送受信部２１１と、売買取引の内容を表示する表示部
２１２と、制御部２１５に対し売買取引データ及び命令
の入力を行う入力部２１３と、制御部１５１が処理に用
いるデータを格納する記憶部２１４と、本部装置２２と
データ通信を行うための本部通信部２１６と、これら各
部の動作を制御する制御部２１５とを備えている。

【００３０】入力部２１３は、売買商品の種別や売買代
金の入力が可能な入力キー２１３１と、商品に付された
バーコードから商品情報を読み取るバーコードリーダ２
１３２とを備えている。制御部２１５は、ＣＰＵのプロ
グラム処理により、従来一般的なＰＯＳ端末の機能を実
現するＰＯＳ機能２１５１と、携帯電話１０との間のデ
ータ通信を実現する内線機能２１５２と、本部装置２２
との間のデータ通信を実現する本部通信機能２１５３と
を実現する。無線送受信部２１１は、携帯電話１０との
間のデータ通信に必要な通信回路を備えている。携帯電
話との間のデータ通信は、上述のように電波でもよい
し、赤外線でもよく、通信経路も本実施形態のように内
線機能（例えばbluetooth）によって通信してもよい
し、携帯電話網を介して通信してもよい（例えばショー
トメール機能の利用）。

【００３１】また、図１において、第１の銀行３０は、
ネットバンク装置３１と、ネットバンクデータベース
（ネットバンクＤＢ）３２とを備えている。ネットバン
ク装置３１は、第１の顧客の口座ファイル（第１の顧客
口座ファイル）と、顧客が売買を行う店舗の口座ファイ
ル（店舗口座ファイル）とを備えている。通常は、ネッ
トバンク装置３１において、第１の顧客口座ファイルか
ら店舗口座ファイルに売買代金の振替が行われることに
より、顧客と店舗間の売買の決済がなされる。また、ネ
ットバンクＤＢ３２は、ネットバンク装置３１において
得られる購買履歴を顧客毎に管理する。

【００３２】一方、第２の銀行４０は、顧客が特に第２
の銀行４０による決済を求めた場合に機能する。第２の
銀行４０は、本店装置４１と、第２の顧客口座ファイル
を有する所定の支店装置４２とを備えている。

【００３３】ここで、店舗システム２０の本部装置２
２、第１の銀行３０のネットバンク装置３１、第２の銀
行４０の本店装置４１及び支店装置４２は、それぞれ従
来一般的なコンピュータ要素（入力手段、表示手段、制
御手段（ＣＰＵ）、記憶手段、通信手段等）を備えてい
る。店舗システム２０、第１の銀行３０、第２の銀行４
０は、通信ネットワークを介して相互に接続されてい
る。携帯電話１０は、携帯電話網を介して通信ネットワ
ークに接続し、該通信ネットワークを介して第１の銀行
３０及び第２の銀行４０に接続可能となっている。

【００３４】次に、本実施形態の動作を図１に基づいて
説明する。

【００３５】顧客は、例えば店舗で商品を購入し、レ
ジにて精算を行う。店舗の店員は、店舗装置２１を操作
し、購入商品の商品情報（商品名、価格等）を入力部２
１３から入力する。制御部２１５は、この入力データに
基づいてモノ購入明細データ２１４１を記憶部２１４に
作成する。ここで、モノ購入明細データには、予め設定
された店舗コードと、顧客の購入に対する請求金額と、
顧客の購入商品の明細等が含まれる。ここまでの処理が
終了すると、制御部２１５は、表示部２１２の表示によ
り顧客に対し精算を要求する。これに対し、顧客は自己
の携帯電話１０を操作し、店舗装置２１に対し、モノ購
入精算の申し出を送信する。このとき、携帯電話１０の
制御部１５は、操作部１３の操作に応じて内線機能１５
２を起動し、無線送受信部１１を介して、モノ購入精算
の申し出を店舗装置２１に送信する。ここで、逆に店舗
装置２１から携帯電話１０に対しモノ購入精算の申し出
を送信し、以降の決済処理を開始することも可能であ
る。

【００３６】店舗装置２１の制御部２１５は、無線送
受信部２１１を介して、モノ購入精算の申し出を受信す
ると、記憶部２１４からモノ購入明細２１４１を読み出
し、無線送受信部２１１を介して携帯電話１０に送信す
る。携帯電話１０の制御部１５は、無線送受信部１１を
介して、モノ購入明細を受信すると、これを記憶部１４
に格納する（符号１４３）。

【００３７】携帯電話１０の制御部１５は、モノ購入
明細に記載された請求金額を表示部１２に表示し、顧客
に対し、購入了承の操作を求める。操作部１３を介して
購入了承の操作を受け付けると、制御部１５は、外線機
能１５１を起動してネットバンク装置３１に接続した
後、記憶部１４から電子証明書（デジタルＩＤ）１４１
とモノ購入明細１４３とを読み出し、モノ購入明細１４
３に電子署名を行い、無線送受信部１１を介して電子署
名済みのモノ購入明細及びこれに対応する電子証明書を
ネットバンク装置３１に送信する。この際、必要に応じ
て携帯電話１０に予め登録されていた、または、顧客操
作部１３から特別に指定した顧客が決済を希望する銀行
コードと口座番号とを上記ネットバンク装置３１への送
信データに付加する。電子証明書、または、この銀行コ
ード及び口座番号に基づいて、ネットバンク装置３１
は、顧客の口座を特定できるようになっている。携帯電
話１０とネットバンク装置３１との間の通信は、ＳＳＬ
等によるセキュリティ通信（暗号化）により行う。具体
的には、ネットバンク装置３１から携帯電話１０に対し
電子証明書要求（認証要求）を送信し、これに対し、携
帯電話１０は、上記の電子証明書と電子署名済みのモノ
購入明細データを返信する。この際、ネットバンク装置
３１と携帯電話１０との間で以降の暗号通信のための共
通鍵の送受を行う。携帯電話１０の制御部１５は、操作
部１３から正しいパスワードの入力を受け付けることに
より、電子署名済みデータの送信を許可する。ここで上
記において、携帯電話１０からネットバンク装置３１に
対し、モノ購入明細の内容の全部ではなく、顧客購入商
品の合計金額データだけを抽出して送信してもよい。

【００３８】ネットバンク装置３１は、顧客が指定し
た決済用の口座を確認し、第１の銀行内に設定されてい
る口座であれば、第１の顧客口座ファイルを検索する。
即ち、ネットバンク装置３１は、携帯電話１０から送信
された電子証明書及び電子署名済みのモノ購入明細を受
信格納した後、第１の顧客口座ファイルを顧客の電子署
名に基づいて検索する。又は、指定された口座番号に基
づいて顧客の口座を特定する。そして、ネットバンク装
置３１は、検索された第１の顧客口座ファイルの残高情
報及びモノ購入明細に含まれる合計金額データとを比較
して支払可能と判断すると、第１の顧客口座ファイル又
は当座貸越ファイルから店舗口座ファイルに請求金額
（売買代金）を振替え、携帯電話１０に対し、決済完了
の旨の電文（入金通知）を送信する。ここで、支払い可
能か否かの判断は、請求金額データよりも預金残高の方
が多いか否かを判断してもよいし、予め設定された当座
貸越の極度額の範囲内か否かを判断してもよいし、個別
融資審査に基づく当該金額分に対する個人ローン実行の
是非で判断してもよい。携帯電話１０の制御部１５は、
この入金通知を無線送受信部１１を介して受信し、その
内容を表示部１２に表示すると共に、内線機能１４２を
起動して店舗装置２１に入金通知を転送する。

【００３９】店舗装置２１の制御部２１５は、無線送
受信部２１１を介して入金通知を受信し、その内容即ち
決済完了の旨を表示部２１２に表示する。この表示を確
認した店員は、顧客の購入商品（モノ）を顧客に引き渡
し、取引は完了する。ここで、入金通知の改ざんを防止
するため、例えば、入金通知にネットバンク装置３１の
電子署名を施してもよい。

【００４０】店舗装置２１の制御部１５は、入金通知
を受信した後に、本部通信部２１６を介して本部装置２
２に接続し、当該入金通知を送信する。これにより、本
部・店舗間の精算処理も完了する。

【００４１】また、ネットバンク装置３１は、携帯電
話１０から受信した顧客の電子証明書及び電子署名済み
のモノ購入明細に基づいて、モノ購入明細の内容（モノ
・カネ・顧客データ）を顧客毎にネットバンクＤＢ３２
に蓄積する。ここで、ネットバンク装置３１は、本シス
テムを使用した売買の取引量に応じて店舗装置２１から
手数料を徴収してもよい（以降の実施形態において同
じ）。

【００４２】一方、顧客の指定した決済希望口座が第
２の銀行に在る第２の顧客口座であった場合、ネットバ
ンク装置３１は、ひとまず自己勘定等のファイルから請
求金額を立て替えて店舗口座ファイルに入金する。その
後、第２の銀行４０の本店装置４１に対し、支払いを立
て替えている顧客の識別情報と、その立替金額とを明記
した振替依頼を送信する。

【００４３】これに対し、本店装置４１は、ネットバ
ンク装置３１の普通預金・当座預金等のファイルに対し
立替金額を入金する。また、支店装置４２は、第２の顧
客口座ファイルから請求金額を引き落とし、本店装置４
１の口座ファイルに入金する。この入金を確認した本店
装置４１は、ネットバンク装置３１に対し決済完了の旨
の通知（入金通知）を送信し、取引を終了する。

【００４４】以上説明した本実施形態によれば、店舗−
銀行間の通信に際しＣＡＦＩＳ等を経由する必要がない
ため、ＣＡＦＩＳ等の手数料がかからず、特に少額取引
の容易化を目指した従来のデビットカードのネックを解
消することができる。また、顧客の無線電話装置と銀行
システムとの間でデータ通信を行うことにより、従来の
店舗−銀行間の通信費用を削減でき、店舗への導入の抑
制要因を緩和することができる。また、顧客の無線電話
装置を利用して決済を行うので、従来のように店員にカ
ードを手渡す必要が無く、カードに記録された情報が盗
まれるおそれを防止することができる。

【００４５】〔第２実施形態〕

【００４６】次に、本発明の第２実施形態を図４に基づ
いて説明する。携帯電話１０、店舗システム２０、及び
銀行システム（第１の銀行３０及び第２の銀行４０）の
物理的構成、及び各要素間の接続形態は、第１実施形態
と同一である。

【００４７】顧客は、第１実施形態と同様に店舗での
精算を行い、携帯電話１０から店舗装置２１に対し、モ
ノ購入精算の申し出を送信する。第１実施形態で付言し
たように、モノ購入精算の申し出を店舗装置２１側から
携帯電話１０側に行うことで決済処理を開始させること
も可能である（以降の実施形態において同じ）。

【００４８】これに対し、店舗装置２１は、携帯電話
１０に対し、第１実施形態と同様にモノ購入明細を送信
する。

【００４９】携帯電話１０は、第１実施形態と同様
に、ネットバンク装置３１に対し、電子証明書（デジタ
ルＩＤ）と電子署名済みのモノ購入明細とを送信する。
ここで、携帯電話１０からネットバンク装置３１に対
し、モノ購入明細の内容の全部ではなく、顧客購入商品
の合計金額データだけを抽出して送信してもよい。

【００５０】これを受信したネットバンク装置３１
は、第１実施形態と同様に、第１の顧客口座ファイル
（普通預金・当座預金等の口座ファイル）から店舗口座
ファイルに売買代金を振替る。また、ネットバンク装置
３１は、決済完了の旨を入金通知として店舗システム２
０の本部装置２２に送信する。

【００５１】入金通知を受けた本部装置２２は、顧客
が取引中の店舗装置２１に対し、当該入金通知を転送す
る。店舗装置２１が、この入金通知を受信すると、本部
・店舗間の精算処理が終了する。ここで、ネットバンク
装置３１は、入金通知にモノ購入明細から抽出した店舗
コードを付加し、本部装置２２は、この店舗コードに基
づいて取引中の店舗装置２１を識別するようにしてもよ
い。

【００５２】店舗装置２１の制御部２１５は、上記の
入金通知を受信することにより、決済の完了を表示部２
１２に表示する。この表示を確認した店員は、顧客の購
入商品（モノ）を顧客に引き渡す。これにより、顧客−
店舗間の取引が終了する。

【００５３】また、ネットバンク装置３１は、第１実
施形態と同様に、モノ購入明細に基づく商取引情報（モ
ノ・カネ・顧客データ）をネットバンクＤＢ３２に格納
し管理する。

【００５４】顧客の指定した決済希望口座が第２の銀
行に在る場合、ネットバンク装置３１は、第１実施形態
と同様に、第２の銀行４０の本店装置４１に対し、立替
金額の振替依頼を送信する。

【００５５】これに対し、本店装置４１は、第１実施
形態と同様に、ネットバンク装置３１の普通預金・当座
預金等の口座ファイルへ立替金の入金を行う。また、支
店装置４２は、第１実施形態と同様に、第２の顧客口座
ファイルから請求金額を引き落とし、本店装置４１の口
座ファイルに入金する。この入金を確認した本店装置４
１は、ネットバンク装置３１に対し決済完了の旨の通知
（入金通知）を送信し、取引を終了する。

【００５６】このようにしても、第１実施形態と同様の
効果を奏することができる。

【００５７】〔第３実施形態〕

【００５８】次に、本発明の第３実施形態を図５に基づ
いて説明する。本実施形態では、第１の銀行３０におい
て、ネットバンクＤＢを設けない。携帯電話１０、店舗
システム２０、第２の銀行４０の物理的構成、及び各要
素間の接続形態は、第１実施形態と同一である。

【００５９】顧客は、第１実施形態と同様に店舗での
精算を行い、携帯電話１０から店舗装置２１に対し、モ
ノ購入精算の申し出を送信する。この際、携帯電話１０
の制御部１５は、記憶部１４から電子証明書１４１を読
み出し、この電子証明書１４１を、上記のモノ購入精算
の申し出に電子署名を行なったものと併せて店舗装置２
１に送信する。また、制御部１５は、操作部１３から受
け付けた又は記憶部１４に予め格納された顧客の決済用
口座情報を記憶部１４に格納されたネットバンク３０の
公開鍵によって暗号化し、店舗装置２１に対し送信す
る。

【００６０】店舗装置２１は、携帯電話１０から受信
した電子署名済みデータ及びこれに対応する電子証明書
と、顧客が購入した商品の合計金額に店舗の電子署名を
施したデータ及びこれに対応する店舗の電子証明書と、
暗号化された顧客の口座情報とを関連付けて本部装置２
２に送信する。本部装置２２は、店舗装置２１から受信
した携帯電話１０の電子署名済みデータ及び電子証明書
と、顧客購入商品の合計金額（店舗の電子署名済み）及
び店舗の電子証明書と、ネットバンク３０の公開鍵で暗
号化された口座情報とを、ネットバンク装置３１に転送
する。

【００６１】これを受信したネットバンク装置３１
は、顧客の口座情報を自己の秘密鍵によって復号し、第
１実施形態と同様に、第１の顧客口座ファイル又は当座
預金等の口座ファイルから店舗口座ファイルに対し売買
の合計金額を振替る。そして、決済完了の旨の電文（入
金通知）を店舗システム２０の本部装置２２に対して送
信する。

【００６２】ネットバンク装置３１から入金通知を受
けた本部装置２２は、顧客が取引中の店舗装置２１に対
し、当該入金通知を転送する。店舗装置２１が、この入
金通知を受信すると、本部・店舗間の精算処理が終了す
る。ここで、ネットバンク装置３１は、店舗の電子署名
に基づく当該店舗の識別情報を入金通知に付加し、本部
装置２２は、この店舗の識別情報に基づいて取引中の店
舗装置２１を特定するようにしてもよい。

【００６３】店舗装置２１の制御部２１５は、上記の
入金通知を受信することにより、決済の完了を表示部２
１２に表示する。この表示を確認した店員は、顧客の購
入商品（モノ）を顧客に引き渡す。これにより、顧客−
店舗間の取引が終了する。

【００６４】顧客が第２の銀行の口座による決済を希
望した場合、ネットバンク装置３１は、第１実施形態と
同様に、第２の銀行４０の本店装置４１に対し、立替金
額の振替依頼を送信する。

【００６５】本店装置４１は、第１実施形態と同様
に、ネットバンク装置３１の普通預金・当座預金等の口
座ファイルへ立替金額を入金する。また、支店装置４２
は、第１実施形態と同様に、第２の顧客口座ファイルか
ら請求金額を引き落とし、本店装置４１に入金する。こ
の入金を受けた本店装置４１は、決済完了の旨の電文
（入金通知）をネットバンク３１に送信し、取引を終了
する。

【００６６】以上説明した本実施形態によれば、顧客の
無線電話装置を利用して決済を行うので、従来のように
店員にカードを手渡す必要が無く、カードに記録された
情報が盗まれるおそれを防止することができる。また、
顧客の口座情報を暗号化するので、店舗システムは顧客
の口座情報を解読できない。

【００６７】〔第４実施形態〕

【００６８】次に、本発明の第４実施形態を図６に基づ
いて説明する。本実施形態では、銀行システムは、銀行
４０のみで構成される。銀行４０は、上記各実施形態に
おける第１の銀行３０と同等の機能を備えている。携帯
電話１０、店舗システム２０、銀行４０の物理的構成、
及び各要素間の接続形態は、第１実施形態と同一であ
る。

【００６９】顧客は、例えば店舗で商品を購入し、レ
ジにて精算を行う。店舗の店員は、店舗装置２１を操作
し、購入商品の商品情報（商品名、価格等）を入力部２
１３から入力する。制御部２１５は、この入力データに
基づいてモノ購入明細データ２１４１を記憶部２１４に
作成する。ここで、モノ購入明細データには、予め設定
された店舗コードと、顧客の購入に対する請求金額と、
顧客の購入商品の明細等が含まれる。ここまでの処理が
終了すると、制御部２１５は、表示部２１２の表示によ
り顧客に対し精算を要求する。これに対し、顧客は自分
の携帯電話１０を操作し、店舗装置２１に対し、モノ購
入精算の申し出を送信する。このとき、携帯電話１０の
制御部１５は、操作部１３の操作に応じて内線機能１５
２を起動し、無線送受信部１１を介して、モノ購入精算
の申し出を店舗装置２１に送信する。

【００７０】店舗装置２１の制御部２１５は、無線送
受信部２１１を介して、モノ購入精算の申し出を受信す
ると、記憶部２１４からモノ購入明細２１４１を読み出
し、無線送受信部２１１を介して携帯電話１０に送信す
る。携帯電話１０の制御部１５は、無線送受信部１１を
介して、モノ購入明細を受信すると、これを記憶部１４
に格納する（符号１４３）。

【００７１】携帯電話１０の制御部１５は、モノ購入
明細に記載された請求金額を表示部１２に表示し、顧客
に対し、購入了承の操作を求める。操作部１３を介して
購入了承の操作を受け付けると、制御部１５は、外線機
能１５１を起動して本店装置４１に接続した後、記憶部
１４から電子証明書（デジタルＩＤ）１４１とモノ購入
明細１４３とを読み出し、モノ購入明細１４３に電子署
名を行った後、無線送受信部１１を介して銀行４０の本
店装置４１に送信する。携帯電話１０と本店装置４１と
の間の通信は、ＳＳＬ等によるセキュリティ通信（暗号
化）により行う。具体的には、本店装置４１から携帯電
話１０に対し電子証明書要求（認証要求）を送信し、こ
れに対し、携帯電話１０は、上記の電子証明書と電子署
名済みのモノ購入明細データを返信する。この際、本店
装置４１と携帯電話１０との間で以降の暗号通信のため
の共通鍵の送受を行う。携帯電話１０の制御部１５は、
操作部１３から正しいパスワードの入力を受け付けるこ
とにより、電子署名済みデータの送信を許可する。ここ
で、携帯電話１０の制御部１５は、当該携帯電話１０か
ら本店装置４１に送信する電子証明書のエクステンショ
ン（延長部）に、該携帯電話１０に予め登録されていた
顧客の決済用の銀行コードと口座番号とを付加してもよ
い。この銀行コード及び口座番号に基づいて、本店装置
４１は、顧客の引き落とし口座を知ることができる。ま
た上記において、携帯電話１０から本店装置４１に対
し、モノ購入明細の内容の全部ではなく、顧客購入商品
の合計金額データだけを抽出して送信してもよい。

【００７２】本店装置４１は、携帯電話１０から送信
された電子証明書及びモノ購入明細を受信格納し、該当
する顧客口座ファイルを電子証明書をキーとして検索す
る。そして、本店装置４１は、検索された顧客口座ファ
イルの残高情報及びモノ購入明細に含まれる請求金額デ
ータとを比較して支払可能と判断すると、本支店間の決
済により顧客口座ファイルから店舗口座ファイルに請求
金額（売買代金）を振り込む。そして、決済完了の旨の
電文（入金通知）を店舗システム２０の本部装置２２に
送信する。

【００７３】この入金通知を受けた本部装置２２は、
顧客が取引中の店舗装置２１に対し当該入金通知を転送
する。店舗装置２１が、この入金通知を受信すると、本
部・店舗間の精算処理が終了する。ここで、本店装置４
１は、入金通知にモノ購入明細から抽出した店舗コード
を付加し、本部装置２２は、この店舗コードに基づいて
取引中の店舗装置２１を識別するようにしてもよい。

【００７４】店舗装置２１の制御部２１５は、上記の
入金通知を受信することにより、決済の完了を表示部２
１２に表示する。この表示を確認した店員は、顧客の購
入商品（モノ）を顧客に引き渡す。これにより、顧客−
店舗間の取引が終了する。

【００７５】ここで、銀行４０の本店装置４１は、モノ
購入明細に基づく商取引情報（モノ・カネ・顧客デー
タ、購買履歴データ）を顧客毎にデータベースに格納し
管理してもよい。又は、携帯電話１０から本店装置４１
に対し、モノ購入明細の内容の全部ではなく、顧客購入
商品の合計金額データだけを抽出して送信してもよい。
また、本店装置４１は、本システムを使用した売買の取
引量に応じた手数料を店舗システム２０から徴収しても
よい。

【００７６】以上説明した本実施形態によれば、店舗−
銀行間の通信に際しＣＡＦＩＳ等を経由する必要がない
ため、ＣＡＦＩＳ等の手数料がかからず、特に少額取引
の容易化を目指した従来のデビットカードのネックを解
消することができる。また、顧客の無線電話装置と銀行
システムとの間でデータ通信を行うことにより、従来の
店舗−銀行間の通信費用を削減でき、店舗への導入の抑
制要因を緩和することができる。また、顧客の無線電話
装置を利用して決済を行うので、従来のように店員にカ
ードを手渡す必要が無く、カードに記録された情報が盗
まれるおそれを防止することができる。

【００７７】〔第５実施形態〕

【００７８】次に、本発明の第５実施形態を図７に基づ
いて説明する。携帯電話１０、店舗システム２０、第２
の銀行４０の物理的構成、及び各要素間の接続形態は、
第４実施形態と同一である。

【００７９】顧客は、第４実施形態と同様に店舗での
精算を行い、携帯電話１０から店舗装置２１に対し、モ
ノ購入精算の申し出を送信する。

【００８０】これに対し、店舗装置２１は、携帯電話
１０に対し、第４実施形態と同様にモノ購入明細を送信
する。

【００８１】携帯電話１０は、第４実施形態と同様
に、第２の銀行４０の本店装置４１に対し、電子証明書
（デジタルＩＤ）と電子署名済みモノ購入明細とを送信
する。

【００８２】本店装置４１は、携帯電話１０から送信
された電子証明書及びモノ購入明細を受信格納し、該当
する顧客口座ファイルを電子証明書に基づいて検索す
る。そして、本店装置４１は、検索された顧客口座ファ
イルの残高情報及びモノ購入明細に含まれる請求金額デ
ータとを比較して支払可能と判断すると、本支店間の決
済により顧客口座ファイルから店舗口座ファイルに請求
金額を振替る。そして、携帯電話１０に対し、決済完了
の旨の電文（入金通知）を送信する。携帯電話１０の制
御部１５は、この入金通知を無線送受信部１１を介して
受信し、その内容を表示部１２に表示すると共に、内線
機能１４２を起動して店舗装置２１に入金通知を転送す
る。

【００８３】店舗装置２１の制御部２１５は、無線送
受信部２１１を介して支払通知を受信し、その内容即ち
決済完了の旨を表示部２１２に表示する。この表示を確
認した店員は、顧客の購入商品（モノ）を顧客に引き渡
し、取引は完了する。ここで、入金通知の改ざんを防止
するため、例えば、入金通知に本店装置４１の電子署名
を添付してもよい。

【００８４】店舗装置２１の制御部１５は、入金通知
を受信した後に、本部通信部２１６を介して本部装置２
２に接続し、入金通知を転送する。これにより、本部・
店舗間の精算処理も完了する。

【００８５】このようにしても、第４実施形態と同様の
効果を奏することができる。

【００８６】〔第６実施形態〕

【００８７】次に、本発明の第６実施形態を図８に基づ
いて説明する。携帯電話１０、店舗システム２０、銀行
４０の物理的構成、及び各要素間の接続形態は、第４実
施形態と同一である。

【００８８】顧客は、第４実施形態と同様に店舗での
精算を行い、携帯電話１０から店舗装置２１に対し、モ
ノ購入精算の申し出を送信する。顧客が操作部１３を操
作し、モノ購入精算の申し出を命令すると、制御部１５
は、表示部１２を介して顧客に電子署名データ（パスワ
ード、プライベート・キー）の入力を求める。顧客が操
作部１３を操作して所定の電子署名データを入力する
と、制御部１５は、当該電子署名データに基づいてモノ
購入精算の申し出に電子署名を行う。また、制御部１５
は、顧客によって操作部１３から入力され又は記憶部１
４に予め格納された顧客の口座情報を記憶部１４に予め
格納された銀行４０の公開鍵によって暗号化する。そし
て、制御部１５は、電子署名済みのモノ購入精算の申し
出と、記憶部１４に格納された電子証明書と、暗号化し
た口座情報とを無線送受信部１１を介して店舗装置２１
に送信する。

【００８９】店舗装置２１は、顧客が購入した商品の
合計金額データに店舗の電子署名を施し、当該店舗の電
子署名済みの合計金額データ及びこれに対応する店舗の
電子証明書と、携帯電話１０から受信した顧客の電子署
名済みデータ及びこれに対応する電子証明書（デジタル
ＩＤ）と、暗号化された顧客の口座情報とを本部装置２
２に送信する。本部装置２２は、店舗装置２１から受信
した携帯電話１０の電子署名済みデータ及び電子証明
書、店舗の電子署名済み合計金額及び電子証明書、並び
に暗号化された口座情報とを、銀行４０の本店装置４１
に転送する。

【００９０】これを受信した本店装置４１は、電子署
名及び電子証明書に基づいて顧客及び店舗を認証した
後、暗号化された顧客の口座情報を自己の秘密鍵によっ
て復号し、第４実施形態と同様に顧客の預金残高と取引
の合計金額とを比較し、支払い可能と判断すると、本店
の口座ファイルから店舗口座ファイルに対し売買の合計
金額を振替える。そして、店舗システム２０の本部装置
２２に対し、決済完了の旨の電文（入金通知）を送信す
る。

【００９１】この入金通知を受けた本部装置２２は、
顧客が取引中の店舗装置２１に対し、当該入金通知を転
送する。店舗装置２１が、この入金通知を受信すると、
本部・店舗間の精算処理が終了する。ここで、ネットバ
ンク装置３１は、店舗の電子証明書に基づく当該店舗の
識別情報を入金通知に付加し、本部装置２２は、この店
舗の識別情報に基づいて取引中の店舗装置２１を特定す
るようにしてもよい。

【００９２】店舗装置２１の制御部２１５は、上記の
入金通知を受信することにより、決済の完了を表示部２
１２に表示する。この表示を確認した店員は、顧客の購
入商品（モノ）を顧客に引き渡す。これにより、顧客−
店舗間の取引が終了する。

【００９３】また、本支店間の決済処理により、支店
の顧客口座ファイルから本店の口座ファイルに立替金を
振り替える。

【００９４】以上説明した本実施形態によれば、店舗−
銀行間の通信に際しＣＡＦＩＳ等を経由する必要がない
ため、ＣＡＦＩＳ等の手数料がかからず、特に少額取引
の容易化を目指した従来のデビットカードのネックを解
消することができる。また、顧客の無線電話装置を利用
して決済を行うので、従来のように店員にカードを手渡
す必要が無く、カードに記録された情報が盗まれるおそ
れを防止することができる。また、顧客の口座情報を暗
号化して店舗システムに渡すので、店舗システムは顧客
の口座情報を解読できない。

【００９５】ここで、本発明は、以上説明した実施形態
に限定されない。店舗システムは、本部装置の存在しな
い構成も可能である。店舗装置は、ＰＯＳ機能を備えて
いなくてもよい。この場合、小店舗でも容易に加盟店に
なれる（仲介する情報処理センター等が不要）。無線電
話装置と店舗装置との間の通信は、特に近距離に限定さ
れるものではなく、遠距離でもよい。例えば、タクシー
料金の支払いをタクシーの車中においてタクシー会社の
本部との無線電話通信により済ませることが可能であ
る。また、宅配ピザ等の出前の支払いを店頭の装置との
無線電話通信により済ませることが可能である。配達前
に予め済ませることも可能である。また、ガソリンスタ
ンドの支払いを車中において店頭の装置との無線電話通
信により済ませることが可能である。また、店舗装置を
携帯してもよい。この場合、決済情報の取得後、店舗シ
ステムと接続する。例えば、タクシーの運転手や宅配ピ
ザの配達人が携帯する。また、上記各実施形態では、主
にデビットカードに代わる銀行決済システムの実施の形
態を中心に示したが、本願発明の無線電話装置、店舗装
置、決済方法及びシステムは、クレジットカードその他
による決済システムの代替としても同様に有効であるこ
とは言うまでもない。

【００９６】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、柔軟性が高く、かつ、セキュリ
ティが高い決済手段を提供できる。

【００９７】また、携帯電話では、電話の他、インター
ネットショッピング、インターネットバンキング等も可
能であり、本発明を追加することにより、携帯電話１台
で多くの取引を行うことができ、携帯電話利用者に多大
なる利便性を提供できる。

【００９８】また、店舗−銀行間の通信に際しＣＡＦＩ
Ｓ等を経由する必要がないため、ＣＡＦＩＳ等の手数料
がかからず、特に少額取引の容易化を目指した従来のデ
ビットカードのネックを解消することができる。

【００９９】また、顧客の無線電話装置と銀行システム
との間でデータ通信を行う場合は、従来の店舗−銀行間
の通信費用を削減でき、店舗への導入の抑制要因を緩和
することができる。

【０１００】また、店舗装置は、銀行システムとの間で
直接決済を行うことも可能であり、店頭へのＰＯＳ装置
の導入や決済情報等を一元管理する本部装置の設置が必
ずしも必要なく、小店舗への導入の抑制要因を緩和する
ことができる。

【０１０１】また、顧客の無線電話装置と、店舗システ
ム及び銀行システムとの間で通信を行うことができれば
何処からでも決済が可能なので、例えば、タクシーの支
払いや宅配ピザの支払い等にも利用することができる。

【０１０２】また、顧客の無線電話装置を利用して決済
を行うので、従来のように店員にカードを手渡す必要が
無く、カードに記録された情報が盗まれるおそれを防止
することができる。即ち、商取引において個人情報を店
舗装置側並びに店舗側のシステムに一切呈示することな
く、個人情報を保護しつつ決済を遂行することが可能と
いう従来にない優れた決済方法等を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態の構成を示すブロック図
である。

【図２】図１に示す携帯電話の構成図である。

【図３】図１に示す店舗装置の構成図である。

【図４】本発明の第２実施形態の構成を示すブロック図
である。

【図５】本発明の第３実施形態の構成を示すブロック図
である。

【図６】本発明の第４実施形態の構成を示すブロック図
である。

【図７】本発明の第５実施形態の構成を示すブロック図
である。

【図８】本発明の第６実施形態の構成を示すブロック図
である。

【符号の説明】

１０ 携帯電話（無線電話装置） １１ 携帯電話の無線送受信部 １２ 携帯電話の表示部 １３ 携帯電話の操作部 １４ 携帯電話の記憶部 １５ 携帯電話の制御部 ２０ 店舗システム ２１ 店舗装置 ２２ 本部装置 ３０ 第１の銀行 ３１ ネットバンク装置 ３２ ネットバンクＤＢ ４０ 第２の銀行 ４１ 本店装置 ４２ 支店装置 １４１ 電子証明書 １４２ 銀行発信番号 １４３ モノ購入明細 １５１ 外線機能 １５２ 内線機能 ２１１ 店舗装置の無線送受信部 ２１２ 店舗装置の表示部 ２１３ 店舗装置の入力部 ２１４ 店舗装置の記憶部 ２１５ 店舗装置の制御部 ２１６ 店舗装置の本部通信部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０６Ｆ 17/60 ４３２ Ｇ０６Ｆ 17/60 ４３２Ｚ ５０６ ５０６ ５１２ ５１２ Ｇ０７Ｇ 1/14 Ｇ０７Ｇ 1/14 Ｇ０９Ｃ 1/00 ６４０ Ｇ０９Ｃ 1/00 ６４０Ｚ ６６０ ６６０Ｂ Ｈ０４Ｑ 7/38 Ｈ０４Ｂ 7/26 １０９Ｍ (72)発明者 高島 康裕 東京都渋谷区渋谷三丁目28番13号渋谷新南 口ビル フューチャーフィナンシャルスト ラテジー株式会社内 (72)発明者 今井 一好 東京都渋谷区渋谷三丁目28番13号渋谷新南 口ビル フューチャーシステムコンサルテ ィング株式会社内 (72)発明者 鈴木 貴志 東京都渋谷区渋谷三丁目28番13号渋谷新南 口ビル フューチャーシステムコンサルテ ィング株式会社内 Ｆターム(参考） 3E042 CC01 CD04 EA01 5B049 BB11 BB46 CC05 CC08 CC39 DD01 DD02 DD03 DD04 EE01 EE09 EE23 EE25 FF03 FF04 FF06 GG03 GG04 GG06 GG07 GG10 5B055 BB10 BB12 CB09 CC05 CC11 EE02 EE03 EE13 EE17 EE21 EE27 FA01 FA05 FB03 HA04 HB01 HB06 JJ05 KK01 KK05 KK09 KK18 MM11 MM14 MM20 PA05 PA11 PA34 5J104 AA09 LA06 NA05 PA02 PA07 PA10 5K067 BB02 BB21 EE02 EE10 EE16 FF02 FF23 GG01 GG11 HH05 HH23 HH36

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 店舗システム又は／及び銀行システムと
   データ通信を行う送受信部と、情報の表示部と、制御部
   に対しデータ及び命令を入力する操作部と、電子証明書
   が格納される記憶部と、これら各部の動作を制御する制
   御部とを備え、 前記制御部は、前記送受信部を介し、前記店舗システム
   に決済処理の開始を要求する信号を出力する機能を備え
   ていることを特徴とした無線電話装置。
2. 【請求項２】 前記制御部は、操作部から電子署名用の
   パスワードの入力を受け付け電子署名済みデータを生成
   し記憶部に格納し、前記店舗システム又は銀行システム
   に対し、決済処理を行わせるために、前記記憶部から電
   子証明書及び電子署名済みデータを読み出し、この電子
   証明書及び電子署名済みデータを前記送受信部を介して
   送信する機能を備えていることを特徴とした請求項１記
   載の無線電話装置。
3. 【請求項３】 前記制御部は、 前記送受信部を介し前記店舗システムから少なくとも売
   買の合計金額データを受信し記憶部に格納する機能と、 前記送受信部を介し、前記銀行システムに対し、売買の
   決済処理を行わせるために、前記電子証明書と前記売買
   の合計金額データに電子署名を行ったデータとを送信す
   る機能とを備えていることを特徴とした請求項２記載の
   無線電話装置。
4. 【請求項４】 前記制御部は、前記合計金額データに代
   えて、モノ購入明細データを送受するものとし、 このモノ購入明細データは、少なくとも売買の合計金額
   データと、売買品目の明細データとを含むことを特徴と
   した請求項３記載の無線電話装置。
5. 【請求項５】 前記制御部は、前記送受信部を介し、前
   記銀行システムから入金完了の通知を受信し記憶部に格
   納する機能と、 前記店舗システムに決済後処理を行わせるために、前記
   入金完了の通知を前記記憶部から読み出し、前記送受信
   部を介して、前記店舗システムに転送する機能とを備え
   ていることを特徴とした請求項１記載の無線電話装置。
6. 【請求項６】 前記送受信部は、無線でデータ通信を行
   う無線送受信部であることを特徴とした請求項１記載の
   無線電話装置。
7. 【請求項７】 無線電話装置とデータ通信を行う送受信
   部と、情報の表示部と、売買品目の種別及び金額を入力
   する入力部と、情報の記憶部と、これら各部の動作を制
   御する制御部とを備え、 前記制御部は、前記入力部から入力された売買品目の金
   額に基づいて少なくとも売買の合計金額データを算出し
   記憶部に格納し、決済処理を行わせるために、前記合計
   金額データを記憶部から読み出し、前記送受信部を介し
   て、前記無線電話装置に送信する機能を備えていること
   を特徴とした店舗装置。
8. 【請求項８】 前記制御部は、前記合計金額データに代
   えて、モノ購入明細データを作成し送信するものとし、 このモノ購入明細データは、少なくとも売買の合計金額
   データと、売買品目の明細データとを含むことを特徴と
   した請求項７記載の店舗装置。
9. 【請求項９】 請求項１乃至６記載の無線電話装置と、
   請求項７又は８記載の店舗装置を含む店舗システムと、
   銀行システムとを備えた決済システムにおいて、コンピ
   ュータ処理により売買代金の決済を行う方法であって、 前記店舗システムは、少なくとも売買代金の合計金額デ
   ータを無線電話装置に送信し、 これを受けた無線電話装置は、少なくとも当該合計金額
   データに電子署名を行ったデータと、予め無線電話装置
   に格納された電子証明書とを銀行システムに送信し、 これを受けた銀行システムは、前記電子証明書及び電子
   署名済みデータに基づく認証処理の後、前記合計金額デ
   ータに対応する金額を前記電子署名により特定される顧
   客の口座ファイルから引き落とす処理と，前記合計金額
   データに対応する金額を店舗の口座ファイルに入金する
   処理とを実行することを特徴とした決済方法。
10. 【請求項１０】 請求項１乃至６記載の無線電話装置
    と、請求項７又は８記載の店舗装置を含む店舗システム
    と、銀行システムとを備えた決済システムにおいて、コ
    ンピュータ処理により売買代金の決済を行う方法であっ
    て、 前記無線電話装置は、店舗システムに対し、少なくとも
    電子証明書と、電子署名済みデータとを送信し、 これを受けた店舗システムは、少なくとも前記顧客の電
    子署名済みデータ及び電子証明書と、売買代金の合計金
    額データとを銀行システムに送信し、 これを受けた銀行システムは、前記電子証明書及び電子
    署名済みデータに基づく認証処理の後、前記合計金額デ
    ータに対応する金額を前記電子証明書に対応する顧客の
    口座ファイルから引き落とす処理と，前記合計金額デー
    タに対応する金額を店舗の口座ファイルに入金する処理
    とを実行することを特徴とした決済方法。
11. 【請求項１１】 前記合計金額データに代えて、モノ購
    入明細データを用い、 このモノ購入明細データは、少なくとも売買の合計金額
    データと、売買品目の明細データとを含み、 前記銀行システムは、前記モノ購入明細データに基づい
    て顧客毎の購買履歴をデータベースに管理することを特
    徴とした請求項９又は１０記載の決済方法。
12. 【請求項１２】 前記銀行システムは、前記店舗の口座
    ファイルに入金する処理の完了後、当該入金完了の通知
    を前記店舗システムに対し直接に又は前記無線電話装置
    を介して店舗システムに送信し、決済後処理に供するこ
    とを特徴とした請求項９又は１０記載の決済方法。
13. 【請求項１３】 商取引において顧客の個人情報を店舗
    装置側及び店舗側のシステムに一切呈示することなく、
    当該個人情報を保護しつつ決済を遂行することが可能で
    あることを特徴とするコンピュータ処理による決済方
    法。
14. 【請求項１４】 請求項１乃至６記載の無線電話装置
    と、請求項７又は８記載の店舗装置を含む店舗システム
    と、銀行システムとを備え、コンピュータ処理により売
    買代金の決済を行う決済システムにおいて、 前記店舗システムは、少なくとも売買代金の合計金額デ
    ータを無線電話装置に送信し、 これを受けた無線電話装置は、少なくとも当該合計金額
    データに電子署名を行ったデータと、予め無線電話装置
    に格納された電子証明書とを銀行システムに送信し、 これを受けた銀行システムは、前記電子証明書及び電子
    署名済みデータに基づく認証処理の後、前記合計金額デ
    ータに対応する金額を前記電子証明書に対応する顧客の
    口座ファイルから引き落とす処理と，前記合計金額デー
    タに対応する金額を店舗の口座ファイルに入金する処理
    とを実行することを特徴とした決済システム。
15. 【請求項１５】 請求項１乃至６記載の無線電話装置
    と、請求項７又は８記載の店舗装置を含む店舗システム
    と、銀行システムとを備え、コンピュータ処理により売
    買代金の決済を行う決済システムにおいて、前記無線電
    話装置は、店舗システムに対し、少なくとも電子証明書
    と電子署名済みデータとを送信し、 これを受けた店舗システムは、少なくとも前記顧客の電
    子署名済みデータ及び電子証明書と、売買代金の合計金
    額データとを銀行システムに送信し、 これを受けた銀行システムは、前記電子証明書及び電子
    署名済みデータに基づく認証処理の後、前記合計金額デ
    ータに対応する金額を前記電子証明書に対応する顧客の
    口座ファイルから引き落とす処理と，前記合計金額デー
    タに対応する金額を店舗の口座ファイルに入金する処理
    とを実行することを特徴とした決済システム。
16. 【請求項１６】 前記合計金額データに代えて、モノ購
    入明細データを用い、 このモノ購入明細データは、少なくとも売買の合計金額
    データと、売買品目の明細データとを含み、 前記銀行システムは、前記モノ購入明細データに基づい
    て顧客毎の購買履歴をデータベースに管理することを特
    徴とした請求項１４又は１５記載の決済システム。
17. 【請求項１７】 前記銀行システムは、前記店舗の口座
    ファイルに入金する処理の完了後、当該入金完了の通知
    を前記店舗システムに対し直接に又は前記無線電話装置
    を介して店舗システムに送信し、決済後処理に供するこ
    とを特徴とした請求項１４又は１５記載の決済システ
    ム。