JP2001296787A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001296787A
JP2001296787A JP2000111151A JP2000111151A JP2001296787A JP 2001296787 A JP2001296787 A JP 2001296787A JP 2000111151 A JP2000111151 A JP 2000111151A JP 2000111151 A JP2000111151 A JP 2000111151A JP 2001296787 A JP2001296787 A JP 2001296787A
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Kenichiro Kitajima
健一郎 北島
Yuichiro Toyohara
裕一郎 豊原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置のメイン電源がOFFの間でも
独立して稼働できる発熱体を使用することで、画像形成
に影響を与えやすい、帯電部、現像手段及び像担持体の
周囲環境を一定の条件に維持し、常に安定した画像形成
を行うことが可能な画像形成装置を提供する。 【解決手段】 装置本体内の温度及び湿度から算出した
水分量に基づいて感光ドラム1Y〜1Kへの印加電位及
び現像器4Y〜4Kへの印加電位を制御する画像形成装
置において、装置本体のメイン電源がOFFされてもこ
の装置本体とは独立に動作して、装置本体内の温度及び
湿度を所定の温度及び湿度に維持するために発熱する雰
囲気ヒーターH1,H2を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
するものであり、特に好適には、白黒あるいはカラー複
写機、プリンター、FAX等の電子写真方式を用いた画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像形成装置において、像担持体
である感光ドラムは、環境条件により物性が変動するた
め帯電手段の条件変更によって、適正画像が得られるよ
う好適条件に電位が制御される。
【0003】そして、画像形成において、レーザー露光
等の発光体により露光された感光ドラムの電位が低下
し、感光ドラムの帯電電位に応じて、電位が決定され
る。
【0004】また、現像装置の現像スリーブには現像バ
イアス電源から電圧が供給され、白地部のカブリ取り電
位(以下、Vback電位ともいう。)を、例えば20
0V程度確保された値に設定される。このレーザー露光
電位と現像電位の電位差によって、現像スリーブ上のト
ナーが感光ドラムに移動し、顕像化される。
【0005】従来技術では、周囲環境の変化の影響に応
じて、画像形成条件である感光ドラムの電位Vd、露光
部電位Vl、現像部の電位を決定する手段として、感光
ドラムの電位検知手段を用いてVd及びVlの値を読み
込む方法や、感光ドラムや中間転写材上、転写材、記録
体上での濃度検知手段を用いる方法などが一般的に提案
され、実施されている。
【0006】また、電位検知手段、濃度検知手段をもた
ない画像形成装置においても、周囲環境の温度/湿度検
知のみで画像形成条件を決定する方法も提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のかかる画像形成
装置は以下のような欠点があった。例えば、感光ドラム
の電位検知手段や濃度検知手段は高価であり、画像形成
装置の製品価格が高くなる。
【0008】特に、複数の色を出力するカラー画像形成
装置は、複数の感光ドラム、現像装置を備えているため
さらに高価になる。
【0009】また、電位検知手段、濃度検知手段を備え
ていない画像形成システムにおいては画像形成装置のメ
イン電源がONされた後、画像形成装置内に備えられた
環境センサーで温度及び湿度を検出し水分量を計算する
ため、メイン電源OFF時の周囲環境の変動履歴と、使
用する際の周囲環境に大きな差がある場合に画像形成条
件の条件設定精度が悪くなる不具合があった。
【0010】ここで、電位検知手段、濃度検知手段を用
いない画像形成条件の決定方法の一例を解説する。
【0011】まず、画像形成装置の温度/湿度検知手段
が測定した値を基に、周囲環境の水分量を計算する。こ
の水分量データを基に、現像剤の帯電状態から決定され
る必要現像コントラスト電位を、あらかじめ記憶してい
るデータから算出する。この算出された電位を以降、現
像Vcontとする。
【0012】その後、地肌かぶり電位であるVback
電位を現像Vcont電位に加え必要潜像コントラスト
電位(以降、潜像Vcontとする。)が決定される。
【0013】この潜像Vcont電位を得るために、あ
らかじめ記憶されている感光ドラムの電位と露光量に対
する露光部電位の関係より、必要潜像Vcontが得ら
れるVdか決定される。
【0014】この時、計算によって求められたVlの値
と、算出の現像Vcontの値を足した値が現像スリー
ブの設定電位となる。一度、画像形成装置のメイン電源
がONされた後は、環境が変動した場合でも追従できる
ように、画像出力命令がくる毎に周囲環境に合わせて条
件変更される。
【0015】上記の従来技術のように、感光ドラムの電
位検知手段、又は濃度検知手段を備えていない画像形成
装置は、感光ドラムの環境(温度、湿度)による感度変
動を、実験値を基に得られたVd−Vlの環境テーブル
のみから予測値を基に画像形成時の各部の電位設定が行
われる。
【0016】しかしながら、画像形成装置のメイン電源
がOFFされた状態で、例えば、週末に電源OFFされ
た状態で週明けに立ち上がるような場合、使用される環
境の空調設備も切られている場合が多い。
【0017】このような場合、画像形成装置のメイン電
源がOFFされ、画像形成装置の使用されない期間に
(高温/高湿)の環境や、(低温/低湿)の環境を経由
した状況で、画像形成装置の周囲環境が室内の空調設備
等により快適な環境に変化しても、ほぼ密閉状態に近い
画像形成装置内の環境状態は、短時間で周囲環境の雰囲
気環境になじんでいない状況が十分考えられる。
【0018】上記のような場合、環境データの読み取り
値のみから、画像形成条件を決定している画像形成装置
は、画像形成内の各プロセスの環境状態と、周囲環境の
状態のミスマッチにより、画像形成条件が適正値からず
れる可能性がある。
【0019】この条件設定のズレが発生した場合、画像
濃度の適正値からのズレ、文字つぶれ等の画像不具合、
画像流れ等が発生する。
【0020】これは周囲環境の温度/湿度(水分量)
が、現像剤や感光ドラムの特性に大きく影響を与えるた
めである。
【0021】例えば、現像剤の場合、周囲環境の温度/
湿度の条件によって帯電性能、流動性などが変動する。
また、感光ドラムの場合は露光量とVl電位の関係が変
動するためである。
【0022】上述のような、画像形成装置の電源OFF
された期間の環境履歴に関係なく、画像形成装置の立ち
上げ時、又は稼働中に画像形成装置内の環境を安定させ
る為、従来の技術では、例えば、特公平11−1432
94号に示されるような、感光ドラム内に発熱体を備
え、画像流れ等不具合が発生した場合、ユーザーが発熱
体のスイッチを画像形成装置の操作パネルより操作し、
約10分間、低湿環境では55℃±2℃で昇温させる手
法が提案されている。
【0023】このような温度調整手段を用いる場合、第
一にユーザーは、無駄な画像を出力し画像のチェックを
行わなければならず、ユーザーの手間をかける欠点が存
在する。また、画像確認のために画像出力を行うことも
コスト的に無駄である。
【0024】第2に、画像形成装置がネットワークプリ
ンターの様に、画像出力命令を行ったユーザーから離れ
た場所に存在している場合確認するのに時間がかかり、
かつ、ある一定量の画像出力を行った場合、その画像す
べてが利用できなくなりユーザーに多大な迷惑をかける
事になる。
【0025】第3に、画像流れが発生した後、ユーザー
は感光ドラムを昇温する10分と、画像形成温度である
37℃±2℃の通常温度になるまで待機状態になり時間
的にも無駄が多い。
【0026】また、複数の感光ドラムを用いたタンデム
構造の画像形成装置において、感光ドラム部分に発熱体
を備えた場合には、複数個の発熱体に電圧を供給する必
要があり感光ドラム部分の構成が複雑になる。
【0027】さらに、感光ドラムの近傍に電位検知セン
サーを備える構成にするとさらに、画像形成システムの
価格増加につながる。
【0028】従って、本発明の目的は、画像形成装置の
メイン電源がOFFの間でも独立して稼働できる発熱体
を使用することで、画像形成に影響を与えやすい、帯電
部、現像手段及び像担持体の周囲環境を一定の条件に維
持し、常に安定した画像形成を行うことが可能な画像形
成装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る画像形成装置は、装置本体内の温度及
び湿度から算出した水分量に基づいて像担持体への印加
電位及び現像手段への印加電位を制御する画像形成装置
において、前記装置本体のメイン電源がOFFされても
該装置本体とは独立に動作して、該装置本体内の温度及
び湿度を所定の温度及び湿度に維持するために発熱する
少なくとも1以上の発熱体を備えることを特徴とする。
【0030】また、前記装置本体の電源をONした後
に、前記発熱体の温度を段階的に変化させることを特徴
とする。
【0031】また、前記発熱体が維持する所定の温度
が、前記装置本体の動作保証温度の上限温度以下である
ことを特徴とする。
【0032】また、前記所定の温度及び湿度に維持され
る前記装置本体内に、前記像担持体を帯電させる帯電部
を備え、前記帯電部、現像手段及び像担持体が一体型の
カートリッジになっていることを特徴とする。
【0033】また、前記装置本体内の温度及び湿度を検
知する環境センサーを備え、該環境センサーの検知結果
から前記水分量を算出し、該算出された水分量に基づい
て前記像担持体への印加電位及び現像手段への印加電位
が制御されることを特徴とする。
【0034】このように本発明によれば、装置本体(す
なわち画像形成装置本体)が外部電源に接続された状態
で、画像形成装置のメイン電源を切られた状態(OF
F)であっても、装置本体と外部電源とが接続されてい
る場合には、画像形成装置のプロセス部分とは別に独立
して稼働することのできる発熱体(例えば雰囲気ヒータ
ー)を備える。
【0035】そのため、周囲環境の温度、湿度の情報か
ら感光ドラム等の像担持体の潜像電位、現像スリーブ等
の現像手段の現像電位たる印加バイアス電位を決定し、
帯電、露光、現像、転写、定着を行って画像形成を行う
画像形成装置において、発熱体により、通常状態よりも
昇温された状態に温度制御される事で、画像形成装置内
の相対湿度を周囲環境よりもさげた状態に保つことがで
きる。
【0036】そして、画像形成の主要部分「帯電部、現
像手段、像担持体」をまとめて調温/調湿しておくこと
で、周囲の温度及び湿度を検知する環境センサーが読み
込んだデータのみでの条件設定が可能になる。
【0037】また、像担持体の温度制御を行うと、像担
持体の状態と、現像部(特に現像剤)の環境が異なるた
め、その後の画像形成装置内/外の環境変動が発生した
場合、さらに像担持体の温度を制御するための例えばド
ラムヒータを用いなければならない状況が発生する可能
性があるのに対し、本発明を用いれば、「帯電部、現像
部、感光ドラム」は常に同じ環境変化をするため制御を
簡素化できる。
【0038】以上のように本発明は、常に環境センサー
の温度/湿度データのみで周囲環境の変化に応じて画像
形成条件を制御できることを特徴とする画像形成装置で
ある。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0040】また、以下の図面において既述の図面に記
載された部材と同様の部材には同じ番号を付す。
【0041】(第1の実施形態)以下、本発明に係る画
像形成装置の第1の実施形態について図面を参照して説
明する。図1に、本発明に係る画像形成装置の第1の実
施形態の全体構成図及び雰囲気ヒーターの概略図を示
す。
【0042】図1の(a)にLED露光器を用いた本実
施形態のカラー電子写真複写機であるカラー画像形成装
置が示されている。但し、この露光器は、レーザービー
ムを利用し、単色の複写機であっても本発明の実施にあ
たっては差し支えない。
【0043】以下の説明は、便宜上図1の画像形成装置
を用いて説明する。図1の(a)に示されるカラー画像
形成装置は上部にデジタル画像リーダー部、下部にデジ
タルカラー画像プリンター部を有する。
【0044】リーダー部において、原稿9を原稿台ガラ
ス10に載せ、露光CCD読み取りセンサー11を露光
走査することにより得られる原稿9からのカラー色分解
画像信号を得る。
【0045】このカラー色分解信号は、図示しない回路
を経由して、同じく図示しないビデオ処理ユニットにて
処理を施され、プリンター部に送出される。
【0046】プリンタ部において、図示矢印方向に回転
する本発明の像担持体としての感光ドラム1Y,1M,
1C,1K(以下、省略して、感光ドラム1とする。)
が回転自在に支持されており、感光ドラム1の周りに
は、本発明の帯電部としての帯電器2Y,2M,2C,
2K(以下、省略して、帯電器2とする。)、本発明の
現像手段としての現像器4Y,4M,4C,4K(以
下、省略して、現像装置4)、転写ベルト5等の画像形
成手段が配置されている。
【0047】感光ドラム1は、帯電器2により均一に帯
電され、感光ドラム1上に、例えばLED露光器からな
る露光手段3Y,3M,3C,3K(以下、省略して、
露光手段3)により色分解された光像、またはこれに相
当する光像が照射され、その外表面に潜像形成が行われ
る。
【0048】ついで、感光ドラム1上の静電潜像は現像
装置4にて現像され、トナー像として顕像化される。
【0049】給紙カセット13B内の転写材Pは、給紙
ローラ13Aにより給紙され、レジストローラ14及び
半導体帯電ローラ15により転写ベルト5に搬送され
る。転写ベルト5上の転写材Pは、定着器7を経て搬送
トレイ8上に排出される。
【0050】また、図1の(a)において、F1,F
2,F3は装置内の空気を循環及び排気するファンであ
る。また、H1,H2は、所定の温度で発熱する本発明
の発熱体としての雰囲気ヒーターであり、それぞれサー
モスイッチSW1,SW2により所定の温度条件で動作
のON,OFFが制御される。
【0051】また、図1の(b)に示されるように、雰
囲気ヒーターH1,H2は電源G及びサーモスイッチS
W1,SW2と接続されている。
【0052】また、Gは装置本体の電源であり、この装
置本体の電源GがOFFに設定されると、上記雰囲気ヒ
ーターH1,H2へ電源が供給され、装置本体の電源G
がONに設定されると、上記雰囲気ヒーターH1,H2
への電源が停止される。
【0053】また、CS1,CS2はそれぞれ環境セン
サーであり、装置内部の温度及び湿度を検知してCPU
に送信する。ただし、本第1の実施形態では、CS1の
みが必須であるが、後述のする第2の実施形態の説明の
便宜によりCS2も図1に示している。したがって、第
1の実施形態のみを実施する場合にはCS2を削除して
も良い。
【0054】また、上記各環境センサーCS1,CS2
の位置は図1に示される位置に限定されるものではな
く、その他適宜な位置に配置しても良い。
【0055】雰囲気ヒーターH1,H2の温度制御範囲
は、環境センサー等の情報を必要とすることなく、画像
形成装置稼働保証内の温度/相対湿度範囲において、画
像形成装置の動作保証範囲以下の温度に設定される。
【0056】この温度設定値は、周囲環境に関係なく常
に一定温度であり、雰囲気ヒーターH1,H2の温度制
御は、設定値の上下限を超えるとOFF/ONされるサ
ーモスイッチを用いて行われることが複雑な制御を用い
る必要がないため好ましい。
【0057】また、この雰囲気ヒーターH1,H2は、
画像形成装置内に設置されている感光ドラム1の個数、
配列状況、本体内の機構に応じて、少なくとも1つ以上
備えられている事が好ましい。
【0058】更に、画像形成装置の構成によっては、複
数個備えた雰囲気ヒーターの温度設定値を、機内が均一
な温度になるように、構造にあわせて異なる温度設定値
にされる事が好ましい。
【0059】また、原稿9の読み込み命令(通常、コピ
ーキーが押された状態)、又は、プリンターとして画像
形成装置が動作する場合、例えば、PCから印刷JOB
命令が送信されると、画像形成装置内に設置された図示
しない内部CPUの命令により、環境センサーCS1の
温度/湿度情報を読み込み、この時の絶対水分量を計算
する。
【0060】この水分量の値を基に、CPUは記録装置
から、この環境における必要現像Vcont電位を算出
する。現像Vcontの値が、環境で変化するのは、現
像装置で用いるトナーの物性、例えば帯電性能が周囲の
雰囲気水分量で変化するためである。
【0061】また、この現像Vcontの算出にあたっ
ては、あらかじめ、図2に示すような水分量と必要現像
Vcont電位の関係を、テーブル化して記憶してお
き、前記水分量の結果に応じて線形補間により算出す
る。
【0062】ここで、潜像電位、現像装置の現像スリー
プ電位の算出方法について図2及び図3を用いて説明す
る。図2に、適正濃度を得るための現像コントラスト電
位の環境変動のグラフを示し、図3に、適正濃度を得る
ための現像コントラスト電位の環境変動テーブル(表
1)を示す。
【0063】例えば、図1の環境センサーCS1によ
り、23℃/5%と読み取られた場合、水分量は約1.
0[g/kg]となる。
【0064】この時、図2に示されるグラフから与えら
れる、図3に示される表1のテーブルによれば、必要現
像Vcont電位は、現像Vcont=280Vであ
る。
【0065】この必要現像Vcontに、地肌カブリ防
止電位であるVback電位を加えると、必要とする感
光ドラム1の表層に形成する潜像Vcont電位が求め
られる。式であらわすと下記の様になる。
【0066】 必要潜像Vcont =必要現像Vcont +Vback =280V+2 00V=480V……(1)
【0067】次に、感光ドラム1の帯電電位、露光部電
位を設定する手順を説明する。必要現像Vcontが、
周囲環境の状態によって変化したのと同様に、感光ドラ
ム1の露光部電位も、感光ドラム1の露光感度が周囲環
境の相対湿度や水分量によって変化するため、環境に適
した値を求める必要がある。
【0068】図4に、本実施形態の感光ドラム1におい
て、帯電電位Vdに対する、露光部電位Vlの周囲環境
の水分量による変化を実験的に求めた結果である、感光
ドラム1の帯電電位と露光部電位の環境変動の関係のグ
ラフを示す。
【0069】図4の結果を、画像形成装置は、テーブル
データとして記憶している。環境センサーの読み取り値
によると、水分量1.0[g/kg]で、算出した潜像
Vcont=480Vを得るためには、図3の結果よ
り、帯電電位:Vd=700Vと選択すると、露光部電
位Vl=220Vが得られ、必要とする潜像Vcont
=480Vを満足させることができる。
【0070】この結果、現像電位は、帯電電位Vd=7
00Vから、非画像部電位Vback=200Vを差し
引いた500Vに設定されることにより、算出された必
要現像Vcont=280Vが正確に得られる事にな
る。 現像バイアス電位V=帯電電位Vd−Vback ………(2)
【0071】ここで、感光ドラムの帯電電位、露光部電
位、現像装置の現像電位を求める手順を整理する。 STEP1:環境センサーCS1より温度/湿度情報を
読み込む。 STEP2:上記の情報から絶対水分量を算出する。 STEP3:上記水分量の値から、必要現像Vcont
電位を算出する。 STEP4:必要潜像Vcont電位を算出する。潜像
Vcont=現像Vcont+Vback STEP5:感光ドラムの帯電電位Vd,Vlを上記水
分量データと、Vd,Vlの関係テーブルより算出す
る。 STEP6:現像装置の現像バイアス電位を算出する。
現像バイアス電位V=感光ドラムの帯電電位Vd−非画
像部電位Vback
【0072】以上の、制御フローを経由することによ
り、感光ドラム1、現像装置4の設定電位が決定され、
画像形成装置内に備えられている電位設定手段によって
電位制御される。
【0073】ここで、本実施形態における帯電方式は、
着磁されたマグローラスリープに粉砕、又は、重合法に
より作成した磁性粒子(抵抗値104〜107Ωcm)
を、マグローラに担持し、感光ドラム1の表面と一定距
離、例えば、300〜600μm程度に固定された状態
で、磁性粒子で磁気ブラシを作成し感光ドラム1の表面
と接触させ、印加バイアスに、AC成分を重畳したバイ
アスを印加した注入方式を採用している。
【0074】本実施形態における注入方式を用いた場合
は、感光ドラム1の帯電電位Vdの値と、マグローラの
DC成分バイアスがほぼ等しくなるため、Vdc=Vd
として求めることが可能となる。
【0075】また、他の例として、スコロトロン放電方
式を用いる場合には、放電ワイヤーに、5kV程度印加
しておき、感光ドラムと、放電部分の中間位置に、流れ
込み電流を制御し、グリッドに所定の電位を印加する方
式や、ツェナーダイオードや、可変抵抗を設置して、抵
抗値制御でグリッド電位制御を行い所定の電位にするこ
とで、グリッドと感光ドラム表面の帯電電位を所定の電
位に設定する方式が取ることができる。
【0076】本発明の実施においては、いずれの方式で
Vdの設定の制御手段を用いても実施が可能である。
【0077】一方、図1の(a)において、現像装置4
は、イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、シアン現像剤、
ブラック現像剤の4色現像剤を各別に収納する4個の現
像器4Y〜4Kを感光ドラム1の外周面に対向する位置
にある一定距離、例えば300〜600μm固定された
2成分現像剤を用いて潜像現像の現像を行う。
【0078】本発明の実施にあたっては、前述した2成
分現像剤を用いる必要はなく、その他の現像方式を用い
ても差し支えない。
【0079】一方、給紙カセット13B内に収容された
転写材Pがレジストローラ14により適当なタイミング
で給紙されて転写ベルト5に担持され、図示矢印方向に
搬送される転写材P上に転写ベルト5の下方に配置され
ている転写印加部材6Y〜6Kによって転写電圧が印加
され、感光ドラム1上の上記トナー像が転写される。
【0080】転写ベルト5は、誘電体シート等を張設し
て構成されており、この転写ベルト5には、吸着用の半
導体帯電ローラ15と導体ローラによって転写材Pが吸
着される。感光ドラム1Yのイエローから、1Kのブラ
ックまで順次転写される。
【0081】転写材P上に転写されたトナー像は、転写
ベルト5に担持されて、定着器7に搬送され、所定の熱
量、圧力を加えられ定着された後、搬送トレイ8へ搬送
される。
【0082】次に、本発明の特徴的な部分である、雰囲
気ヒーターの配置、温度制御値、温度制御のタイミング
等について説明する。
【0083】本実施形態の雰囲気ヒーターH1,H2
は、図1の(a)に示される構造である。図1に示され
るように雰囲気ヒーターH1,H2は、画像形成装置の
感光ドラム1の配列下方で、転写装置の下側と、定着器
に近い位置に配置されている。
【0084】雰囲気ヒーターH1,H2は、電源Gによ
って発熱させられるが、この電源Gの回路は、画像形成
装置本体と、雰囲気ヒーターH1,H2の2つに分離さ
れた状態になっており、画像形成装置のメインスイッチ
がONされると雰囲気ヒーターH1,H2への電源供給
が停止される背反制御構成になっている。
【0085】また、この雰囲気ヒーターH1,H2には
それぞれ、バイメタル構造のサーモースイッチが取り付
けられており、雰囲気ヒーター近傍の温度が、設定温度
上限を超えると回路が遮断されるしくみになっており、
また、その設定温度以下になると回路が接続されること
で温度制御を行っている。
【0086】本実施形態では、雰囲気ヒーターH1,H
2の温度は、H1が40±2℃、H2が50±2℃の範
囲で制御されており、その発熱量は、雰囲気ヒーターH
1,H2とも40Wである。
【0087】この雰囲気ヒーターH1,H2の温度設定
値は、雰囲気ヒーターH1,H2の本実施形態の設置位
置に対して、図1に示される様に配列された4つの感光
ドラムの周囲温度が、画像形成装置の動作保証温度であ
る約40℃で均一になるように決められた値である。も
ちろん、雰囲気ヒーターH1,H2において温度設定値
はこのように40℃に限定されるものではなく、その他
の適宜な温度であってよい。
【0088】従って、画像形成装置の構成、感光ドラム
の数、種類が異なれば、雰囲気ヒーターの個数、設置位
置、発熱量等は適時変更される。
【0089】以上のような構成をとる事により、例え
ば、画像形成装置の画像保証温度範囲が、低湿環境側の
23℃/5%(水分量=1.0g/kg)から、高湿環
境である30℃/80%(水分量=21.6g/kg)
の範囲に設定された場合を想定すると画像形成装置のメ
イン電源OFFの期間中、画像形成装置内を40℃に維
持することで、周囲環境の相対湿度よりも機内の相対湿
度を図5の表2に示すように小さくしておく事が可能と
なる。ここで、図5に、高温/高湿、低温/低湿条件下
で、発熱体稼動時の画像形成装置内の相対湿度のテーブ
ル(表2)を示す。
【0090】上記の例に示した雰囲気ヒーターH1,H
2の温度に維持された状態で、画像形成装置のメイン電
源がONされると、雰囲気ヒーターH1,H2への電源
供給が停止される。
【0091】次に、画像形成装置の定着器7のヒーター
が所定の温度まで昇温されると同時に、画像形成装置内
に取り付けられている機内温度調節用の冷却FANであ
るファンF1〜F3が稼働し、画像形成装置周囲の空気
が引き込まれた機内温度が周囲の雰囲気温度/湿度に近
い状態まで機内環境が撹拌される。
【0092】この動作は、初期の画像形成装置の準備待
機時間として、数分行われる。この一連の動作により、
画像形成装置内の相対湿度は、周囲環境よりも低い状態
から相対湿度から周囲環境の相対湿度を上限値とする位
置まで増加することになる。
【0093】特に、感光ドラム1の抵抗値が低下する高
温/高湿側での効果に有効である。周囲環境の絶対水分
量の小さい領域では、周囲環境との湿度に大差ないレベ
ルで保たれる。
【0094】よって、感光ドラム周囲の環境状態は、画
像形成装置の周囲環境同等となるため、環境センサーC
S1が検知した温度、湿度の値で決定される、感光ドラ
ム1の帯電電位Vd,Vl、現像スリープの電位を精度
よく決定することが可能となる。
【0095】従来であれば、電源をONにした状態で
は、環境変動履歴が不明のままであるため画像形成装置
内と立ち上げ後の周囲環境とのミスマッチが発生し、現
像、潜像条件の選択ミスや高湿/高温下では画像流れ
や、濃度不良や、画像流れが初期状態で発生していた。
【0096】また、従来の技術では、画像流れが発生し
たのを確認した後、発熱体の加熱ボタンを押していた作
業を省くことができ、画像形成装置の立ち上げと同時に
適正な像を得ることが可能となった。
【0097】また、画像形成装置のメイン電源ON後
は、適時図1の定着器の温度調整と、冷却ファンF1〜
F3の動作により、周囲環境の空気との撹拌が行われる
ため、常時、環境センサーCS1が検知する周囲環境に
近い状態の温度/湿度に感光ドラム1付近の状態が保た
れる。
【0098】このように、本発明に係る画像形成装置の
第1の実施形態によれば、雰囲気ヒーターH1,H2を
画像形成装置本体の駆動OFF時において発熱させ、装
置内部の温度及び湿度を所定の温度及び湿度に維持して
おくことにより電源ON時の周囲の環境と画像読取装置
内部の環境とのずれを小さくしているため、現像、潜像
条件の選択ミスや高湿/高温下では画像流れや、濃度不
良や、画像流れの発生を防止することができる。
【0099】(第2の実施形態)次に、本発明に係る画
像形成装置の第2の実施形態について説明する。前述の
第1の実施形態では、雰囲気ヒーターH1,2への電力
供給が、電源画像形成装置のメイン電源ONと同時に遮
断されていた。
【0100】本第2の実施形態の構成は、画像形成内部
に、もう一つの温度/湿度センサーである環境センサー
CS2(図1)を備えた以外は前述の第1の実施形態の
構成と略同様であるが、電源ON時に、第1の実施形態
で用いたサーモスイッチから、画像形成装置内部回路に
備えられている温度制御手段回路へ切り替える手段を備
え、雰囲気ヒーターH1,H2への温度制御が、画像形
成装置内の温度/湿度センサーである環境センサーCS
2の検知データを基に段階的に下げる事を特徴としてい
る。
【0101】画像形成装置のメイン電源ONと同時に、
雰囲気ヒーターH1,H2の電源供給を停止し、定着温
度が所定になるまでの間に冷却ファンによって、外気が
画像形成装置内に進入させる際、周囲と、画像形成装置
内の温度/湿度の差が大きい場合と小さい場合が想定さ
れる。
【0102】特に、環境差が大きな場合、雰囲気ヒータ
ーH1,H2の温度設定を段階的に低下させていくこと
で、温度オーバーシュート等の発生を低減させた状態
で、第1の実施形態よりもなだらかに画像形成装置内の
雰囲気を外気になじませる効果がある。
【0103】本実施形態では、OFF時の雰囲気センサ
ーH1,H2の温度である40℃に対して、電源ONの
周囲環境が環境センサーCS1の検知により、例えば2
5℃と検知された場合、温度差15℃を5℃ずつ、1分
毎に3段階で落ちるような制御を行っている。
【0104】その後、環境センサーCS1,CS2の検
知データから計算した水分量が(0.5g/kg)以内
になったところで、雰囲気ヒーターH1,H2の電源供
給が停止される。
【0105】ここで、温度差に対する雰囲気ヒーター温
度低下速度、及び、雰囲気ヒーターへの電源供給を停止
する環境差(水分量差)は、使用するセンサーCS1,
CS2の精度によるため固定された条件ではなく、環境
センサーの検知精度によって好適に決定される値であ
る。
【0106】また、雰囲気ヒーターH1,H2への温度
制御回路への切り替えは、雰囲気温度設定値と、環境セ
ンサーCS1の温度差が大きい場合、ある一定以上の温
度差、例えば5℃以上の場合にのみ切り替えられる事が
好ましい。
【0107】ここで、上記各実施形態の説明では、感光
ドラム1、帯電器2及び現像装置4をそれぞれ別々の部
材としたが、本発明はこのような場合に限定するもので
はなく、これらを一体型のカートリッジとし、例えばプ
ロセスカートリッジのようにしても良い。
【0108】そして、感光ドラム1、帯電器2及び現像
装置4の寿命及び劣化が、上記カートリッジの寿命及び
劣化と略同じとする。
【0109】このようにすることにより、カートリッジ
の寿命までにおける、経由環境による画像出力の劣化等
を各構成部材で揃えることができ、ユーザーにとって装
置の運用コストを削減することができる。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置によれば、画像形成装置のメイン電源がOFF時に
稼働する画像形成装置内に設置された発熱体を備えるこ
とにより、画像形成装置内の主要構成部分である「帯電
部、現像手段、像担持体」をまとめて同じ環境になじま
せて、高温/高湿条件にさらされても画像形成装置内の
相対湿度を下げておくことで、感光ドラムの電位センサ
ーや、画像濃度検出センサーを用いることなく、温度/
湿度のみの情報で、感光ドラムの電位設定、現像装置の
バイアス電位設定を精度よく行うことが可能となり、濃
度不良や画像流れ等の画像不具合が発生しにくい画像形
成装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態の
全体構成図及び雰囲気ヒーターの概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態に
おいて用いられる、適正濃度を得るための現像コントラ
スト電位の環境変動のグラフである。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態に
おいて用いられる、適正濃度を得るための現像コントラ
スト電位の環境変動テーブル(表1)である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態に
おいて用いられる、感光ドラムドラムの帯電電位と露光
部電位の環境変動の関係のグラフである。
【図5】本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態に
おいて用いられる、高温/高湿、低温/低湿条件下で、
発熱体稼動時の画像形成装置内の相対湿度のテーブル
(表2)である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光ドラム 2Y,2M,2C,2K 帯電器 3Y,3M,3C,3K 露光手段 4Y,4M,4C,4K 現像器 5 転写ベルト 7 定着器 8 搬送トレイ 9 原稿 10 原稿台ガラス 11 露光CCD読み取りセンサー 13A 給紙ローラ 13B 給紙カセット 14 レジストローラ 15 半導体帯電ローラ CS1,CS2 環境センサー F1,F2,F3 ファン G 電源 H1,H2 雰囲気ヒーター P 転写材 SW1,SW2 サーモスイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体内の温度及び湿度から算出した
    水分量に基づいて像担持体への印加電位及び現像手段へ
    の印加電位を制御する画像形成装置において、 前記装置本体のメイン電源がOFFされても該装置本体
    とは独立に動作して、該装置本体内の温度及び湿度を所
    定の温度及び湿度に維持するために発熱する少なくとも
    1以上の発熱体を備えることを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記装置本体の電源をONした後に、 前記発熱体の温度を段階的に変化させることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記発熱体が維持する所定の温度が、 前記装置本体の動作保証温度の上限温度以下であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の温度及び湿度に維持される前
    記装置本体内に、 前記像担持体を帯電させる帯電部を備え、 前記帯電部、現像手段及び像担持体が一体型のカートリ
    ッジになっていることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記装置本体内の温度及び湿度を検知す
    る環境センサーを備え、 該環境センサーの検知結果から前記水分量を算出し、該
    算出された水分量に基づいて前記像担持体への印加電位
    及び現像手段への印加電位が制御されることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005345796A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2011154228A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Kyocera Mita Corp 給紙制御装置および画像形成装置
JP2016206332A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

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