JP2001295811A - エアシリンダの緩衝停止機構 - Google Patents

エアシリンダの緩衝停止機構

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JP2001295811A
JP2001295811A JP2000108336A JP2000108336A JP2001295811A JP 2001295811 A JP2001295811 A JP 2001295811A JP 2000108336 A JP2000108336 A JP 2000108336A JP 2000108336 A JP2000108336 A JP 2000108336A JP 2001295811 A JP2001295811 A JP 2001295811A
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Takehiko Uemae
武彦 植前
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアシリンダ内部の構造を複雑にすることな
く、ピストンのストローク終端で衝撃や騒音の発生を確
実に防止できるエアシリンダの緩衝停止機構を提供す
る。 【解決手段】 エアシリンダ3のシリンダ室3Cのピス
トン2と対向する壁面3D側からシリンダ室内に出没自
在に設けられて常時突出位置にばね付勢され、前記壁面
にピストンが接近したときに前記ピストンに押されて没
入方向に変位するプランジャ7と、シリンダ室内のエア
を排気する空気通路に設けられ、前記プランジャの没入
方向への変位に伴って空気の流通断面積が減少するよう
に構成された可変絞り弁10とを備え、ピストンのスト
ローク終端付近で可変絞り弁を通過する空気の流動抵抗
が増加してシリンダ室内のピストン移動方向前方の圧力
が上昇し、ピストンは衝撃無く減速停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアシリンダ内の
ピストンがストローク終端に移動してきたときに、ピス
トンを停止直前で減速してピストン停止時の衝撃や騒音
の発生を防止するための緩衝停止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアシリンダにおいて、ピストン
がストローク終端まで移動したときに、急激なピストン
の停止によって衝撃や騒音が発生することを防止するた
めに、種々の提案がなされている。
【0003】例えば、特開平6−341411号公報に
記載されている緩衝機能を備えたエアシリンダでは、ピ
ストンに設けられたクッションピンを嵌入させるための
クッション用孔部を形成した区画用壁部と前記区画用壁
部とピストンとの両者間に位置するシリンダ室内の圧縮
空気を給排気孔が設けられたヘッドカバー室内へ流入さ
せるための連通路と、前記連通路を流通する空気量を調
整する流量調整弁が設けられているとともに、前記シリ
ンダ室内の空気圧が所定の圧力に達したときに、シリン
ダ室内の空気をシリンダ室外へ排気するリリーフ弁が設
けられている。
【0004】前記エアシリンダにおいては、ピストンが
区画用壁部側へ接近移動するときに、クッションピンが
クッション用孔部に嵌入するまでは、ピストン移動方向
前方のシリンダ室内の空気は、クッション用孔部を通過
してヘッドカバー室内に設けられた給排気口へ排気され
る。
【0005】そして、クッションピンがクッション用孔
部に嵌入してその入口が塞がれると、前記シリンダ室内
の空気は連通路の流量調整弁を通過して給排気口へ排気
されることになり、ピストン移動方向前方ではシリンダ
室内の空気圧が上昇してピストンは減速される。
【0006】また、クッションピンがクッション用孔部
に嵌入した瞬間に、シリンダ室内の圧力は急激に上昇す
るが、所定の圧力に達するとリリーフ弁が開放されるこ
とで、過大な圧力上昇による衝撃の発生を防止してい
る。
【0007】また、特開平8−93718号公報に記載
されている減速エアシリンダでは、ピストンのストロー
ク終端付近でピストンによって分けられるシリンダチュ
ーブの両側の室が流量調整機構を有するエア流路によっ
て連通されている。
【0008】前記減速シリンダでは、ピストンがストロ
ーク終端付近まで移動してくると、ピストンの移動方向
後方の室の高圧の空気がエア流路を通して前方の室に流
入してピストンの前後の圧力差が減少し、その結果、ピ
ストンが減速されてストローク終端で発生する衝撃が緩
和されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した、特開平6−
341411号公報に記載されているような、ピストン
のストローク終端付近で、クッションピンをクッション
ピン用孔部に嵌入させて減速させる構造においては、ク
ッションピンがクッション用孔部に嵌入した時点で急激
にピストンへ制動力が作用するため、ピストンに加わる
衝撃を完全に除去できない問題があった。
【0010】また、ストローク終端でピストンが衝撃を
受けずに停止するように流量調整弁を調整することは困
難であり、特に取り扱う負荷の大きさが変わる場合には
再調整が必要となる問題があるとともに、エアシリンダ
の内部構造が複雑になり、製造コストが高くなる問題も
あった。
【0011】また、特開平8−93718号公報に記載
されているものにおいては、ピストンがストローク終端
付近まで移動してきたときに、エア流路を通して空気が
流通することで、ピストンの前後の圧力差を減少する構
造になっている。
【0012】この構造によれば、ストローク終端付近で
ピストンを前進させる空気圧のピストン前後の圧力差が
減少するのでピストンの駆動力を弱めることはできる
が、制動力を増加することはできず、ピストンやこれに
連結されている被駆動部材の質量が大きい場合には、ピ
ストンのストローク終端で衝撃や騒音の発生が避けられ
ない問題があった。
【0013】そこで、本発明は、前述したような従来技
術における問題を解決し、エアシリンダ内部の構造を複
雑にすることなく、ピストンのストローク終端で衝撃や
騒音の発生を確実に防止できるエアシリンダの緩衝停止
機構を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のエアシリンダの緩衝停止機構は、 エアシ
リンダのシリンダ室のピストンと対向する壁面側から前
記シリンダ室内に出没自在に設けられて常時突出位置に
ばね付勢され、前記壁面にピストンが接近したときに前
記ピストンに押されて没入方向に変位するプランジャ
と、前記シリンダ室内の空気を排気する空気通路に設け
られ、前記プランジャの没入方向への変位に伴って空気
の流通断面積が減少するように構成された可変絞り弁と
を備えたものである。
【0015】前記緩衝停止機構においては、プランジャ
の一部が可変絞り弁のスプールを兼ねているとともに、
プランジャ内部にシリンダ室内へ空気を供給するための
空気通路とこの空気通路を空気が逆流することを阻止す
るためのチェック弁が設けられていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のエアシリンダの緩衝停止
機構は、質量の大きい物体をエアシリンダによって移動
させる場合や、エアシリンダのピストンを高速に運動さ
せる場合に好適に用いることができ、既存のエアシリン
ダにも僅かな改良を施すだけで組み込むことができる。
【0017】本発明の緩衝停止機構では、シリンダ室内
をピストンがストローク終端付近まで移動してくると、
ピストンの移動方向の端面がプランジャの先端に突き当
たり、プランジャはピストンとともに移動する。
【0018】プランジャの動きはシリンダ室内の空気を
排気するための空気通路に設けられている可変絞り弁を
操作し、プランジャの変位とともに可変絞り弁の絞り量
を増加させる。その結果、可変絞り弁を通過する空気の
流動抵抗が増加して、ピストンの移動方向前方のシリン
ダ室内では空気の圧力が上昇し、これがピストンに制動
力として作用する。
【0019】この際、ピストンの移動に伴って可変絞り
弁の絞り量は連続的に増加してゆくため、シリンダ室内
の圧力も連続的に上昇し、シリンダ室内に不連続な圧力
上昇を生じてピストンに衝撃が加わることはない。
【0020】そして、ピストンがいよいよシリンダ室の
対向壁面に達する寸前には、可変絞り弁はほとんど閉じ
られた状態になるので、前記壁面とこれに対向するピス
トン端面との間に閉じこめられた空気は、最終的にその
圧縮性による空気ばねの作用をもってピストンを受け止
め、ピストンのシリンダ室対向壁面との衝突を確実に阻
止する。
【0021】プランジャと可変絞り弁は、エアシリンダ
のシリンダヘッド等の内部に組み込むことができ、それ
ぞれ独立した部品として構成してこれらを機械的に連動
させてもよいが、プランジャと可変絞り弁のスプールを
単一部品として構成することで、可動部品の部品点数を
少なくすることができる。
【0022】この場合、可変絞り弁をプランジャの一部
に形成したスプール部とシリンダ室内の空気を排気する
空気通路の途中に設けたオリフィス部によって構成し、
例えば、スプール部外周をシリンダ室側に向けて外径が
増加するテーパ面に形成し、円筒状の孔で形成されてい
るオリフィス部にスプール部の一部を同心状に侵入させ
た構造とすることができる。
【0023】また、例えば、前記スプール部外周に鍔を
形成し、一方、オリフィス部を内径がシリンダ室側に向
けて増加するテーパ状に形成して、オリフィス部内に前
記鍔を同心状に侵入させた構造としてもよい。
【0024】前記何れの構造においても、プランジャが
ピストンに押されて軸方向に変位することで、スプール
部とオリフィス部内周との間で形成される環状の隙間が
減少し、この隙間を通過する空気の流動抵抗が増加して
ピストンを円滑に制動することができる。
【0025】この場合、プランジャの内部に、シリンダ
室内へ空気を供給する空気通路を設けるとともに、前記
空気通路から空気が逆流することを阻止するためのボー
ルチェック弁等のチェック弁を組み込むことで、エアシ
リンダ全体の構造を簡略化することができる。
【0026】また、本発明の緩衝停止機構は、用途によ
り、エアシリンダのピストンの前進側ストローク終端部
か、後退側ストローク終端部のいずれか一方に設けても
よく、また、ピストンの前進側と後退側の両方のストロ
ーク終端部で緩衝停止効果が得られるようにエアシリン
ダの両側部に設けてもよい。
【0027】
【実施例】図1及び図2は、本発明の第1実施例に係る
緩衝停止機構が組み込まれたエアシリンダの部分断面図
であって、本実施例における緩衝停止機構1は、ピスト
ン2が摺動自在に内蔵されているエアシリンダ3のシリ
ンダヘッド部3Aに設けられている。
【0028】前記緩衝停止機構1は、シリンダヘッド部
3Aに貫通形成されているねじ孔3Bに螺合されるねじ
部4Aが外周面に形成された、円筒状の弁スリーブ4を
有しており、前記弁スリーブ4はロックナット5によっ
て、シリンダヘッド部3Aに対して軸方向に取付位置を
調整可能に固定されている。
【0029】また、弁スリーブ4には、偏平な鋼製リン
グにゴムが被覆されてなる、シールワッシャ6が外嵌さ
れていて、前記シールワッシャ6をロックナット5とシ
リンダヘッド部3Aの外面との間に挟み込むことによっ
て、前記ねじ孔3Bとねじ部4Aとの隙間が密封されて
いる。
【0030】前記弁スリーブ4の中心部には、軸方向に
貫通してプランジャ保持孔4Bが貫通形成されていて、
前記プランジャ保持孔4B内には、プランジャ7が軸方
向に摺動自在に組み込まれているとともに、圧縮コイル
ばね8によって、エアシリンダ3のシリンダ室3C内に
面した弁スリーブ4の端面4Cから一方の端面7Aが常
時所定量突出している状態で付勢されている。なお、プ
ランジャ7の突出量は、図示していないストッパ部材に
よって制限されている。
【0031】また、プランジャ7には、中心部に外部の
図示しない加圧空気源からエアシリンダ3のシリンダ室
3C内に加圧空気を導入するための空気通路となる通気
孔7Bが貫通形成されており、前記通気孔7Bのシリン
ダ室3C側の端部近傍には、シリンダ室3C内の空気が
通気孔7Bへ侵入することを防止するボールチェック弁
9が組み込まれている。
【0032】また、プランジャ7の外周面の一部には、
シリンダ室3C内から空気を排気するための空気通路と
なる、軸方向に延びる細長い通気溝7Cが形成されてお
り、前記通気溝7Cの一方の端は圧縮コイルばね8が当
接するプランジャ7の一方の端面7Dに達し、また、他
方の端は後述する可変絞り弁10に連通している。
【0033】図3に示すように、可変絞り弁10は、プ
ランジャ保持孔4Bのシリンダ室側近傍において円筒状
内周面を有するオリフィス部4Dと、前記オリフィス部
4D内に同心状に挿入されて、シリンダ室3C側に向か
って外径がテーパ角αで漸増するテーパ面を有する、プ
ランジャ7に形成されたスプール部7Eとによって構成
されている。
【0034】前記可変絞り弁10は、弁スリーブ4に対
してプランジャ7が同図左方に変位すると、オリフィス
部4Dの内周面とスプール部7E外周面との間の環状の
隙間Sが減少し、ここを通過する空気の流通断面積が連
続的に減少するようになっている。
【0035】弁スリーブ4のシリンダ室3C内へ露出し
ている端面4Cには、図4に示すように、放射状に4箇
所の通気溝4Eが形成されている。また、プランジャ7
のシリンダ室3C側の端面7Aには、これらの通気溝4
Eと連通する通気溝7Fが放射状に4箇所形成され、図
2に示すように、前記4C及び端面7Aにピストン2の
端面2Aが密着した位置においても、前記通気溝7Fに
よりシリンダ室3C内への空気の給排気が妨げられない
ようになっている。
【0036】一方、通気孔7Bに設けられているボール
チェック弁9は、図3に示すように、通気孔7Bに連続
する弁室9B内に組み込まれたボール9Aを有してい
て、前記ボール9Aが弁室9Bの座面9Cに当接するこ
とで、通気孔7Bが閉じられるようになっている。
【0037】また、弁室9Bに隣接した端面7A寄りの
部分には、前記弁室9Bと端面7Aとを連通するねじ孔
が形成されていて、この部分に弁室9B内からボール9
Aが抜け出ることを阻止するためのプラグねじ9Dが螺
合固定されている。
【0038】前記プラグねじ9Dの中心部には、空気通
路となる孔9Eが貫通して形成されており、前記孔9E
の端面7A寄りの部分は、六角レンチで回転させるため
に、横断面が6角形に加工されている。
【0039】次に、図5は、前述したように構成されて
いる緩衝停止機構1の動作を説明する空気回路図であっ
て、エアシリンダ3のシリンダ室3Cは、電磁切換弁1
1を介して加圧空気源12と接続されている。
【0040】図5(a)に示すように、電磁切換弁11
のPポートがAポートに接続された切換位置にあるとき
は、加圧空気源12から供給される高圧の空気は電磁切
換弁11を通過し、その大部分は図1に示す通気孔7B
からボールチェック弁9を経由してエアシリンダ3のシ
リンダ室3C内へ流入するとともに、一部の空気は可変
絞り弁10を通過してシリンダ室3C内に流入し、ピス
トン2は同図右方に前進駆動される。
【0041】実際には、図1に示す弁スリーブ4のプラ
ンジャ保持孔4Bと前記加圧空気源12の間が電磁切換
弁11を途中に介して空気管路で連結されていて、弁ス
リーブ4内に導入された加圧空気は、大部分が流動抵抗
の少ないプランジャ7の中心部に形成されている通気孔
7Bからボールチェック弁9を通過してシリンダ室3C
内に流入し、残りの部分がプランジャ7の外周面に軸方
向に沿って形成された通気溝7Cを通過し、さらに、可
変絞り弁10を構成している、プランジャ7のスプール
部7E外周のテーパ面と、弁スリーブ4のオリフィス部
4D内周面との間の環状の隙間S(図3参照)を通って
シリンダ室3C内に流入する。
【0042】次に、ピストン2に左方向(後退方向)へ
負荷が加えられている状態で、電磁切換弁11が図5
(b)に示す位置に切り換えられると、加圧空気源12
に連通するPポートが遮断され、AポートがRポートに
連通して大気中に開放される。
【0043】Aポートが大気中に開放されることによ
り、ボールチェック弁9はシリンダ室3C側から作用す
る空気の圧力によって閉じられるので、ピストン2の左
側のシリンダ室3C内にある空気は、可変絞り弁10を
通過して電磁切換弁11のRポートから大気中に排気さ
れ、ピストン2は図中左方へ後退移動を開始する。この
際、ピストン2の後退移動速度は、可変絞り弁10を空
気が通過するときの流動抵抗によって一定に保たれる。
【0044】そして、ピストン2がさらに左方のストロ
ーク終端付近まで移動して、その移動方向の端面2Aが
図5(c)に示すようにプランジャ7に当接すると、プ
ランジャ7はピストン2に押されてピストン2とともに
左方へ圧縮コイルばね8の付勢力に抗して後退移動し、
プランジャ7の左方への移動に伴って可変絞り弁10が
次第に絞られていく。
【0045】この時、図3に示すプランジャ7のスプー
ル部7Eが、弁スリーブ4内に次第に没入していくこと
で、可変絞り弁10を構成しているオリフィス部4D内
周面とスプール部7E外周のテーパ面との間の環状の隙
間Sが狭まって、ここを通過する空気の流通断面積が徐
々に減少していく。
【0046】こうして、可変絞り弁10を通過する際の
空気の流動抵抗が増加すると、ピストン2の端面2Aに
作用するシリンダ室3C内の空気の圧力は上昇して、こ
れがピストン2の制動力となる。この制動力はピストン
2がストローク終端に近づくにつれて増大する。
【0047】そして、図2に示す、ピストン2の端面2
Aが弁スリーブ4の端面4Cに当接する位置に至る直前
では、プランジャ7の端面7Aが前記端面4Cと略同一
面になるまで弁スリーブ4内に没入し、前記環状の隙間
Sはほぼ閉じられた状態になる。
【0048】その結果、シリンダ室3C内の空気は逃げ
場が無くなり、最終的にはこの閉じこめられたシリンダ
室3C内の空気が空気ばねの作用をしてピストン2を緩
衝停止させるので、ピストン2の端面2Aは弁スリーブ
4の端面4Cに静かに当接する。
【0049】なお、図2に示す、ピストン2の端面2A
が弁スリーブ4の端面4Cに当接した状態においても、
前記端面2Aとこれに対向するシリンダヘッド部3A側
の壁面3Dとの間には、若干の隙間が生じるように、シ
リンダヘッド部3Aに対する弁スリーブ4の螺合位置が
調整されている。
【0050】ストローク終端位置に達したピストン2の
端面2Aと、シリンダ室3Cの壁面3Dとの間に前記隙
間を設けることによって、再びピストン2を前進させる
ときに、端面2Aと壁面3Dが密着してシリンダ室3C
内に加圧空気の供給が妨げられることを防止している。
【0051】また、プランジャ7のスプール部7Eは、
前記端面4C内に端面7Aが完全に没入した状態におい
ても、外周に形成されているテーパ面がオリフィス部4
Dの内周面に噛み込まないように、最大外径がオリフィ
ス部4Dの内径未満に設定されている。
【0052】次に、図6乃至図8は、本発明の第2実施
例に係る緩衝停止機構が組み込まれたエアシリンダの部
分断面図であって、緩衝停止機構21は、前述した第1
実施例のものと同様に、ピストン22を摺動自在に内蔵
したエアシリンダ23のシリンダヘッド部23A内に組
み込まれている。
【0053】この実施例では、シリンダヘッド部23A
の中心部に、シリンダ室23Bのピストン22と対向す
る壁面23Cに開口してプランジャ24を摺動自在に嵌
挿保持しているプランジャ保持孔23Dと、前記プラン
ジャ24を常時シリンダ室23B側へ付勢する圧縮コイ
ルばね25が嵌挿されているばね収容孔23Eと、弁ス
リーブ26が螺合されているねじ孔23Fとが、同軸に
連続して形成されている。
【0054】また、前記ねじ孔23Fに螺合する弁スリ
ーブ26の外周面に形成されているねじ部26Aには、
前述した第1実施例の弁スリーブ4に用いられているも
のと同様に、シールワッシャ27とともにロックナット
28が装着され、前記ロックナット28によって弁スリ
ーブ26がシリンダヘッド部23Aに対する位置を軸方
向調整自在に固定されている。
【0055】弁スリーブ26は中空に形成されており、
内部が空気通路となっていて、その一部は、ばね収容孔
23Eに適合する外径に仕上げられており、この部分
が、ばね収容孔23E内に嵌入している。なお、ばね収
容孔23Eの内周面と弁スリーブ26の外周面との間
は、0リング29によって気密性が保たれている。
【0056】本実施例では、シールワッシャ27によっ
てもねじ孔23Fとねじ部26Aとの間の気密性が保持
されているが、Oリング29によってばね収容孔23E
と弁スリーブ26との間がシールされているため、シー
ルワッシャ27の代わりに通常の金属ワッシャを使用し
てもよい。
【0057】圧縮コイルばね25は、その一方の端部が
弁スリーブ26のばね収容孔23E内に嵌入している部
分の端面に当接し、他方の端部がプランジャ24の外周
に形成されている鍔部24Aに当接してやや圧縮された
状態で、ばね収容孔23E内に組み込まれていて、常時
鍔部24Aがプランジャ保持孔23Dとばね収容孔23
Eの両者の段差部に当接した状態になっているように、
プランジャ24をシリンダ室23B側に付勢している。
【0058】この状態では、プランジャ24のシリンダ
室23B側の端面24Bは、シリンダ室23Bの壁面2
3Cから所定量突出している。また、プランジャ24の
シリンダ室23B側と反対側にはスプール部24Cが一
体に設けられており、このスプール部24Cの外周面は
シリンダ室23B側へ向けて外径が増加するテーパ面に
形成されている。
【0059】前記テーパ面の一部は、弁スリーブ26の
中心を軸方向に貫通する空気通路の一部となっているオ
リフィス部26Bに中に侵入しており、前記テーパ面と
オリフィス部26Bの内周面との間に環状の隙間が形成
されるようになっている。
【0060】本実施例においては、プランジャ24のス
プール部24Cとオリフィス部26Bとによって可変絞
り弁30が構成されていて、オリフィス部26B内に差
し込まれるスプール部24Cの長さに応じて、可変絞り
弁30を通過する空気の流通断面積が変化するようにな
っている。
【0061】また、プランジャ24の内部には、空気通
路の一部となっている通気孔24D、24Eが形成され
ているとともに、前記通気孔24Dと通気孔24Eの間
には、通気孔24Eから通気孔24D側へシリンダ室2
3B内の空気が流出することを阻止するボール31Aを
内蔵したボールチェック弁31が形成されている。
【0062】前記ボールチェック弁31の、ボール31
Aを内蔵している弁室31B内部とプランジャ24の外
周との間は、周方向の複数箇所に設けられた連通孔24
Fによって連通しており、ボール31Aによって通気孔
24Dが塞がれた場合にも、シリンダ室23B側から通
気孔24Eを通って弁室31B内に流入した空気は、前
記連通孔24Fを通過して、プランジャ24の外側のば
ね収容孔23E内に流入できるようになっている。
【0063】次に、前述したように構成されている緩衝
停止機構21の動作を説明する。図6は、弁スリーブ2
6を通じて図示しない加圧空気源から、加圧空気がシリ
ンダ室23Bに導入され、ピストン22が矢印方向に前
進移動途中の状態を示しており、弁スリーブ26内に供
給された加圧空気の大半は、オリフィス部26Bから、
通気孔24Dを通ってボールチェック弁31の弁室32
B内のボール31Aを開放し、さらに、通気孔24Eか
らシリンダ室23B内に流入する。
【0064】一方、弁スリーブ内に供給された加圧空気
の一部は、オリフィス部26Bの内周面とプランジャ2
4との環状の隙間を通過し、さらに連通孔24Fから通
気孔24Eへ入ってシリンダ室23B内に流入する。
【0065】次に、図7は、ピストン22が同図に示す
矢印方向に後退移動している途中の状態を示しており、
シリンダ室23B内の空気は、ピストン22に押されて
プランジャ24の通気孔24Dに流入する。
【0066】この時、ボールチェック弁31のボール3
1Aは、通気孔24D側に移動してその開口部を閉じる
ため、弁室31B内に流入した空気は、連通孔24Fか
らプランジャ24外側のばね収容孔23E内に入り、さ
らに、前記プランジャ24のスプール部24C外周に形
成されたテーパ面と、弁スリーブ26のオリフィス部2
6B内周面との間の環状隙間を通過して大気中に排気さ
れる。この際、前記環状隙間を空気が通過する際の流動
抵抗によって、ピストン22の移動速度は一定の速度に
制限される。
【0067】なお、この実施例では、シリンダヘッド部
23Aのねじ孔23Fに対する弁スリーブ26のねじ部
26Aの螺合固定位置を変えることによって、前記環状
隙間を調整してピストン22の移動速度を加減調整する
ことが可能である。
【0068】ピストン22がさらに後退してその移動方
向の端面中央部22Aがプランジャ24の端面24Bに
当接すると、プランジャ24はピストン22に押され、
圧縮コイルばね25の付勢力に抗してピストン22と一
体に後退移動する。
【0069】そうすると、プランジャ24のスプール部
24C外周のテーパ面は、オリフィス部26B内に侵入
している部分が増加するため、これらの間の環状隙間は
減少し、その結果、ここを通過する空気の流動抵抗はピ
ストン22の後退量に伴って増加するのでピストン22
は制動され、その制動力はピストン22の後退移動量に
伴って増大する。
【0070】そして、図8に示すように、ピストン22
の端面周辺部22Bがシリンダ室23の壁面23Cに当
接したときには、オリフィス部26Bの内周面とスプー
ル部24Cのテーパ面との間の環状隙間はほとんど閉じ
られ、シリンダ室23内に閉じこめられた空気が最終的
に空気ばねとして作用してピストン22が壁面23Cに
当たるときの衝撃を緩衝する。
【0071】なお、スプール部24C外周のテーパ面の
最大径は、オリフィス部26Bの内径未満に形成されて
おり、スプール部24Cがオリフィス部26Bに噛み込
んで抜けなくなることはない。
【0072】また、この実施例においては、ピストン2
2の端面中央部22Aは端面周辺部22Bより凹んで形
成されており、プランジャ24の端面24Bには、前述
した第1実施例におけるプランジャ7(図3参照)と同
様に、通気孔24Eに連通する通気孔が放射状に4箇所
形成されているため、ピストン22を図8に示す位置か
ら前進移動させる際に、シリンダ室23B内への加圧空
気の供給が妨げられることはない。
【0073】なお、前述した各実施例においては、プラ
ンジャ7、24をシリンダ室3C、23Bの壁面3D、
23Cの中心部に突出するように設けているが、プラン
ジャはシリンダ室の中心軸線から偏った位置に配置して
もよい。
【0074】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
された発明によれば、エアシリンダのシリンダ室内のピ
ストンがそのストローク終端近傍まで移動してくると、
ピストンがプランジャに当接して可変絞り弁が絞られて
いき、ここを通過する空気の流動抵抗が次第に増加する
ので、ストローク終端に近づくにつれてピストンの移動
方向のシリンダ室内から排気される空気の量が連続的に
減少してピストンに衝撃を与えることなく円滑に減速す
ることができる。
【0075】そして、ピストンがシリンダ室の対向壁面
寸前まで接近し、可変絞り弁がほとんど閉じられた状態
になると、前記壁面とこれに対向するピストン端面との
間に閉じこめられた空気は、最終的にその圧縮性による
空気ばねの作用をもってピストンを受け止めるので、ピ
ストンをシリンダ室の対向壁面に衝突させることなく確
実且つ静粛に緩衝停止させることができる。
【0076】また、請求項2に記載に記載された発明に
よれば、プランジャに可変絞り弁のスプールの役割を兼
用させているため、緩衝停止機構として必要な可動部品
の部品点数が少なくて済み、加えて、プランジャ内部に
シリンダ室内へ空気を供給するための空気通路と、この
空気通路を空気が逆流することを阻止するチェック弁を
設けているため、エアシリンダの構造を簡略化すること
ができる。その結果、組立や調整が容易となり、緩衝停
止機構を含むエアシリンダ全体の信頼性を高めることが
できるとともに、製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る緩衝停止機構が組
み込まれたエアシリンダの部分断面図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る緩衝停止機構が組
み込まれたエアシリンダにおける緩衝停止機構動作時の
状態を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係る緩衝停止機構の要
部を示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の第1実施例に係る緩衝停止機構のシ
リンダ室側から見た端面図である。
【図5】 本発明の緩衝停止機構の動作を説明する空気
回路図であり、(a)は、シリンダ室内に空気を供給
し、ピストンを右方へ移動させている途中の状態、
(b)は、シリンダ室内から空気を排気し、ピストンを
左方へ移動させている途中の状態、(c)は、ピストン
がストローク終端付近まで接近して減速されている状態
をそれぞれ示す。
【図6】 本発明の第2実施例に係る緩衝停止機構が組
み込まれたエアシリンダにおける、ピストンの前進移動
途中の状態を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の第2実施例に係る緩衝停止機構が組
み込まれたエアシリンダにおける、ピストン後退移動途
中の状態を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の第2実施例に係る緩衝停止機構が組
み込まれたエアシリンダにおける、緩衝停止機構動作時
の状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 緩衝停止機構、 2 ピストン、 2A 端
面、3 エアシリンダ、 3A シリンダヘッド
部、 3B ねじ孔、3C シリンダ室、 3D
壁面、 4 弁スリーブ、 4A ねじ部、4B
プランジャ保持孔、 4C 端面、 4D オ
リフィス部、4E 通気溝、 5 ロックナット、
6 シールワッシャ、7 プランジャ、 7A
端面、 7B 通気孔、 7C 通気溝、7D
端面、 7E スプール部、 7F 通気溝、8
圧縮コイルばね、 9 ボールチェック弁、 9
A ボール、9B 弁室、 9C 座面、 9D
プラグねじ、 9E 孔、10 可変絞り弁、
11 電磁切換弁、 12 加圧空気源、21
緩衝停止機構、 22 ピストン、 22A 端
面中央部、22B 端面周縁部、 23 エアシリ
ンダ、23A シリンダヘッド部、 23B シリ
ンダ室、 23C 壁面、23D プランジャ保持
孔、 23E ばね収容孔、 23F ねじ孔、2
4 プランジャ、 24A 鍔部、 24B 端
面、24C スプール部、 24D 通気孔、 2
4E 通気孔、24F 連通孔、 25 圧縮コ
イルばね、 26 弁スリーブ、26A ねじ部、
26B オリフィス部、 27 シールワッシ
ャ、28 ロックナット、 29 Oリング、 3
0 可変絞り弁、31 ボールチェック弁、 31
A ボール、 31B 弁室。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアシリンダのシリンダ室のピストンと
    対向する壁面側から前記シリンダ室内に出没自在に設け
    られて常時突出位置にばね付勢され、前記壁面にピスト
    ンが接近したときに前記ピストンに押されて没入方向に
    変位するプランジャと、 前記シリンダ室内の空気を排気する空気通路に設けら
    れ、前記プランジャの没入方向への変位に伴って空気の
    流通断面積が減少するように構成された可変絞り弁とを
    備えたことを特徴とするエアシリンダの緩衝停止機構。
  2. 【請求項2】 プランジャの一部が可変絞り弁のスプー
    ルを兼ねているとともに、プランジャ内部にシリンダ室
    内へ空気を供給するための空気通路とこの空気通路を空
    気が逆流することを阻止するためのチェック弁が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載のエアシリンダ
    の緩衝停止機構。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100868371B1 (ko) 2007-02-07 2008-11-12 코막중공업 주식회사 미니 로더용 완충장치가 내장된 실린더
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