JP2001295774A

JP2001295774A - 多段式波状翼形ポンプ

Info

Publication number: JP2001295774A
Application number: JP2000147063A
Authority: JP
Inventors: Masayasu Kamegawa; 正靖亀川
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2000-04-12
Filing date: 2000-04-12
Publication date: 2001-10-26

Abstract

(57)【要約】【課題】波状翼形ポンプのロータを複数化する構造を
提供する。【解決手段】１本の回転軸（１）に複数個の波状翼形
のロータ（５），（６）を設け，各ロータの間に仕切板
（７）を設けて複数個のポンプ室（８），（９）を形成
し，共通した１個のゲート（２６）によって各ポンプ室
を入口側（２７），（２８）と出口側（２９），（３
０）とに仕切り，複数個のロータが同時に同方向に同速
度で回転するように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】波状翼形ポンプのロータを複
数化することに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の波状翼形ポンプは，１つのポンプ
軸に１個の波状翼形のロータを持った単段式波状翼形ポ
ンプであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の単段式波状翼形
ポンプでは，ロータの外周面と両外側面およびポンプ室
の内周面と両内側面とで囲まれて形成されるポケットの
各摺動面の隙間からの漏れが多く，吐出量を大きくする
ことができなかった。高吐出量にするためには，ロータ
の巾を広げてポケットを大きくするか又は回転速度を上
げればよい。しかし，ロータの巾をひろげると，ロータ
の波状翼に接触するゲートの軸方向のストロークが大き
くなるために，ゲート先端部の摺動速度が増加すること
や，ゲートに掛かる曲げ力が大きくなることがあって，
回転速度を制限しなければならなくなる。すなわち，ロ
ータ巾を広げることと回転速度を上げることは相反する
要素があって同時に成立させることが困難であった。本
発明はこの吐出量増大の課題を解決するためのものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する手
段としては，従来の単段（一個〕であった波状翼形のロ
ータを多段（複数個）にすることによって複数個のポン
プ室を構成し，複数個のロータを同時に同方向に同速度
で回転させることによって，単段のときの複数倍の吐出
量を得ることができる。すなわち、その構造をつぎのよ
うに構成する。（イ）１本の回転軸（１）に対して軸方向に垂直なケー
シング側面（２）及びカバー側面（３）と半径方向に円
筒状のケーシング内周面（４）で囲まれた空間に複数の
回転する波状翼形のロータ（５），（６）を設け，各ロ
ータ（５），（６）の間に仕切板（７）を設けて複数個
のポンプ室（８），（９）を形成する。（ロ）各ロータ（５），（６）は中心部の円筒状のハブ
（１０），（１１）と，ハブ（１０），（１１）の円周
面に複数のサイクルを持つ波形を描きつつ半径方向に伸
びている波状翼（１２），（１３）とから構成され，波
状翼（１２），（１３）の半径方向の外周面（１４），
（１５）がケーシング内周面（４）に液密に接触摺動
し，各波状翼（１２），（１３）の軸方向の複数の波状
頂点（１６），（１７）が各ポンプ室（８），（９）の
２つの側面（２），（１８），（１９），（３）と液密
に接触摺動することによって，各ポンプ室（８），
（９）内にロータ（５），（６）の１回転当たりに少な
くとも１個以上の液密のポケット（２０），（２１）を
形成するように構成する。（ハ）各波状翼（１２），（１３）の軸方向の両側面
（２２），（２３），（２４），（２５）に液密に接触
摺動して軸方向往復する共通した１個のゲート（２６）
を，ケーシング内周面（４）とハブ（１０），（１１）
の間に設ける。（ニ）ゲート（２６）によって２つに仕切られた各ポン
プ室（８），（９）の入口側（２７），（２８）と出口
側（２９），（３０）がそれぞれ１つずつの入口（３
１）と出口（３２）にまとめられる。（ホ）複数個のロータ（５），（６）が同時に同方向に
同速度で回転するように構成したことを特徴とする多段
式波状翼形ポンプを提供する。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施例の一例について図
１によって説明する。図１に示す多段型波状翼形ポンプ
はロータ（５），（６）のハブ（１０），（１１）上に
波状翼（１２），（１３）が２サイクルの正弦波を構成
する場合の構造を示している。（イ）図１に示すポンプはケーシング（５１），カバー
（５２），回転軸（１），ロータ（５），（６），仕切
板（７）およびゲート（２６）により構成されている。
回転軸（１）はケーシング（５１）とカバー（５２）に
よってベアリング（５３）およびシール材（５４）を介
して支持されている。ケーシング側面（２）及びカバー
側面（３）と半径方向に円筒状のケーシング内周面
（４）で囲まれた空間に複数の回転する波状翼形のロー
タ（５），（６）を設けられている。各ロータ（５），
（６）の間に仕切板（７）を設け，仕切板（７），ケー
シング側面（２），カバー側面（３）およびケーシング
内周面（４）に囲まれた複数個のポンプ室（８），
（９）を形成する。（ロ）各ロータ（５），（６）は中心部の円筒状のハブ
（１０），（１１）と，ハブ（１０），（１１）の円周
面に複数のサイクルを持つ波形を描きつつ半径方向に伸
びている波状翼（１２），（１３）とから構成される。実施例では波状翼（１２），（１３）は２サイクルの正
弦波を構成しているので，おのおの４つの波状頂点（１
６），（１７）を有している。（ハ）図２は図１のＡ−Ａ部断面矢視で，ゲート（２
６）と波状翼（１２）の４つの波状頂点（１６）の関係
位置をカバー側面（３）から見ている図を示す。いまゲ
ート（２６）の位置を０度に置くと，カバー側面（３）
に接して０度の位置に波状頂点（１６−１），１８０度
の位置に波状頂点（１６−３）があり，ポケットＢ１，
Ｄ１を形成している。同様に仕切板側面（１８）に接し
て９０度の位置に波状頂点（１６−２），２７０度の位
置に波状頂点（１６−４）があり，図２の波状翼（１
２）の裏側に９０度位相を異にしてポケットＡ１，Ｃ１
を形成している。図２ではポケットＢ１は入口側（２
７）に開放されているが，波状頂点（１６−１）が９０
度の位置にきたときにはポケットＢ１は液密の閉鎖空間
となる。このようにして，波状翼（１２），（１３）の
半径方向の外周面（１４），（１５）がケーシング内周
面（４）に液密に接触摺動し，各波状翼（１２），（１
３）の軸方向の複数の波状頂点（１６），（１７）が各
ポンプ室（８），（９）の２つの側面（２），（１
８），（１９），（３）と液密に接触摺動することによ
って，各ポンプ室（８），（９）内にロータ（５），
（６）の１回転当たりに少なくとも１個以上の液密のポ
ケット（２０），（２１）を形成することができる。（ニ）各ロータ（５），（６）の軸方向の凹凸する波状
翼（１２），（１３）の両側面（２２），（２３），
（２４），（２５）に液密に接触摺動して軸方向に往復
するゲート（２６）を，ケーシング内周面（４）とハブ
（１０），（１１）の間に設ける。図４はゲート（２
６）の正面図（ａ），側面図（ｂ），平面図（ｃ）を示
している。円形のゲート（２６）には２つのスリット
（５５），（５６）が正弦波サイクルの振幅Ｗ＋翼板厚
Ｔの間隔で設けられており，各波状翼（１２），（１
３）が常に同期して通過するように構成されている。こ
のとき各スリットの突端部（５５−１），（５５−
２），（５６−１），（５６−２）が各波状翼（１
２），（１３）の両側面（２２），（２３），（２
４），（２５）に液密に接触摺動して，ゲート（２６）
を軸方向に往復運動させる。ゲート（２６）の下部に設
けられた欠円部（５７）はゲート（２６）を回転させず
にハブ（１０），（１１）の円周面上を滑動させる役目
をする。ゲート（２６）はケーシング（５１）及びカバ
ー（５２）に設けられた円形の中空部（５８），（５
９）に装着され，軸方向に滑動する。（ホ）図３は図１のＢ−Ｂ断面矢視図で仕切板（７）の
取付け状態を示している。仕切板（７）は中央部をスプ
ライン軸（６０）に回転自在に装着され，上部は欠円と
なってゲート（２６）に滑動自在に装着されているの
で，回転はしない。また１本の回転軸（１）に対して２
個のロータ（５），（６）はスプライン軸部（６０）を
介して装着されているので，この２個のロータ（５），
（６）は同時に同方向に同速度で回転するように構成さ
れている。ゲート（２６）によって２つに仕切られたポ
ンプ室（８），（９）にそれぞれ入口側（２７），（２
８）と出口側（２９），（３０）が設けられ，複数の入
口側（２７），（２８）は１つの入口（３１）へ，複数
の出口側（２９），（３０）は１つの出口（３２）にそ
れぞれ連通している。

【０００６】本発明の実施例は以上のような構造である
が，その作動については図５において説明する。図５は
２つのロータ（５），（６）の展開図を示す。図５−
（ａ）は波状頂点（１６−１）および（１７−１）がゲ
ート（２６）の位置にあるときの状態で，ポケットＣ
１，Ｃ２は液密封の空間になっているが，ポケットＤ
１，Ｄ２は出口（３２）に，ポケットＢ１，Ｂ２は入口
（３１）に開放され，ポケットＡ１，Ａ２は両方に開放
されている。ポケットＢ１，Ｂ２はポケット内の液体を
ゲート（２６）によって掻き出されて出口（３２）より
液体を吐出しており，ポケットＤ１，Ｄ２は入口（３
１）より液体を吸引している。図５−（ｂ）はロータ
（５），（６）が（ａ）より４５度回転した状態を示し
ている。この状態ではポケットＢ１とＣ２が液密封空間
を形成している。図５−（ｃ）はさらに４５度回転した
場合の状態を示している。このとき液密封空間はＢ１，
Ｂ２となっている。すなわちいずれの工程にあってもい
ずれかのポケットが液密封空間となるように構成されて
いる。この液密封空間が入口（３１）側より出口（３
２）側へ移動し，ゲート（２６）によってポケット内の
液体を掻き出されることによって，定容積型のポンプ作
用を行う原理になっている。

【０００７】

【発明の効果】以上のように波状翼形ポンプに多段ロー
タ方式を採用することにより，従来型では実現すること
ができなかった次のような技術的な効果を得ることがで
きる。（ａ）従来型ではロータ巾を大きくすれば低回転にせざ
るを得なかったが，本発明によってロータの巾を従来と
同じにしてロータの段数を増やせば，回転を下げる必要
がないので，十分な高吐出量を得ることができる。（ｂ）またロータ巾を狭くすれば波状曲線が緩やかにな
る分だけ回転数を増やすことができ，漏れを少なくする
ことができるので，同時に高い圧力を得ることもでき
る。波状翼形ポンプの特徴は，ポケットに納まる果物や
食品などの固体物や形状物に剪断を与えずに形を壊さな
いで移送することができることであるが，上記に述べた
技術的な効果によって，この特徴をさらに効果的にする
ことができる。すなわち，従来よりも一度に大量の非剪
断移送が可能になり，食品などのサニタリー産業界に与
える経済的な効果は抜群のものが期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の縦断面図を示す。

【図２】図１のＡ−Ａ断面矢視図を示す。

【図３】本発明の実施例のゲート（２６）の３面図を示
す。

【図４】図１のＢ−Ｂ断面矢視図を示す。

【図５】本発明の実施例の作動図を示す。

【符号の説明】

１回転軸５，６ロータ７仕切板８，９ポンプ室１０，１１ハブ１２，１３波状翼２６ゲート

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【手続補正書】

【提出日】平成１２年７月４日（２０００．７．４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の縦断面図を示す。

【図２】図１のＡ−Ａ断面矢視図を示す。

【図４】図１のＢ−Ｂ断面矢視図を示す。

【図５−（ａ）】本発明の実施例の作動図で，ロータ
（５），（６）の波状頂点（１６−１），（１７−１）
がゲート（２６）の位置にあるときの状態を示す。

【図５−（ｂ）】本発明の実施例の作動図で，ロータ
（５），（６）が図５−（ａ）より４５度回転した状態
を示す。

【図５−（ｃ）】本発明の実施例の作動図で，ロータ
（５），（６）が図５−（ｂ）よりさらに４５度回転し
た状態を示す。

【符号の説明】１回転軸５，６ロータ７仕切板８，９ポンプ室１０，１１ハブ１２，１３波状翼２６ゲート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】１本の回転軸（１）に対して軸方向に垂直
なケーシング側面（２）及びカバー側面（３）と半径方
向に円筒状のケーシング内周面（４）で囲まれた空間に
複数の回転する波状翼形のロータ（５），（６）を設
け，各ロータ（５），（６）の間に仕切板（７）を設け
て複数個のポンプ室（８），（９）を形成し，各ロータ
（５），（６）は中心部の円筒状のハブ（１０），（１
１），およびハブ（１０），（１１）の円周面に複数の
サイクルをもつ波形を描きつつ半径方向に伸びている波
状翼（１２），（１３）とから構成され，波状翼（１
２），（１３）の半径方向の外周面（１４），（１５）
がケーシング内周面（４）に液密に接触摺動し，各波状
翼（１２），（１３）の軸方向の複数の波状頂点（１
６），（１７）が各ポンプ室（８），（９）の２つの側
面（２），（１８），（１９），（３）と液密に接触摺
動することによって，各ポンプ室（８），（９）内にロ
ータ（５），（６）の１回転当たりに少なくとも１個以
上の液密のポケット（２０），（２１）を形成するよう
に構成し，各波状翼（１２），（１３）の軸方向の両側
面（２２），（２３），（２４），（２５）に液密に接
触摺動して軸方向往復する共通した１個のゲート（２
６）を，ケーシング内周面（４）とハブ（１０），（１
１）の間に設け，このゲート（２６）によって２つに仕
切られた各ポンプ室（８），（９）の入口側（２７），
（２８）と出口側（２９），（３０）がそれぞれ１つず
つの入口（３１）と出口（３２）にまとめられ，複数個
のロータ（５），（６）が同時に同方向に同速度で回転
するように構成したことを特徴とする多段式波状翼形ポ
ンプ。