JP2001293458A - 有機廃棄物発酵装置 - Google Patents

有機廃棄物発酵装置

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JP2001293458A
JP2001293458A JP2000112621A JP2000112621A JP2001293458A JP 2001293458 A JP2001293458 A JP 2001293458A JP 2000112621 A JP2000112621 A JP 2000112621A JP 2000112621 A JP2000112621 A JP 2000112621A JP 2001293458 A JP2001293458 A JP 2001293458A
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fermentation
fermenter
lining
space
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Norimitsu Sasaki
則充 佐々木
Kazuya Nakajima
和也 中島
Toshio Nonomura
俊夫 野々村
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MIZUSHOO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機廃棄物の発酵過程で生じる蒸気の結露を
防止するとともに、有機廃棄物の発酵を促進することが
でき、装置自体の稼働コストを低減することができる有
機廃棄物発酵装置を提供すること。 【解決手段】 発酵空間6内に収容された有機廃棄物S
は、発酵空間6の内側面のほぼ全域に設けられる複数枚
の内張材7により包囲されつつ、発酵空間6内で微生物
によって発酵分解される。複数枚の内張材7は、発酵空
間6内に収容される有機廃棄物Sを包囲する部材であ
り、炭化物で構成される炭化木材等の炭化材で形成され
ている。この内張材7の炭化材は、多数の微小孔を有す
る多孔質材料であり、ステンレス鋼材などの金属材料に
比べて熱伝導性が小さくされている。かかる複数枚の内
張材7を発酵空間の内側面のほぼ全域に設けることによ
って、発酵空間6には、断熱性や保温性、吸水性、通気
性、脱臭性、微生物に対する耐腐食性や、微生物が生息
可能な性質が付与されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、有機廃棄物を発
酵させて堆肥化または減量化する有機廃棄物発酵装置に
関し、特に、有機廃棄物の発酵過程で生じる蒸気の結露
を防止するとともに、有機廃棄物の発酵を促進すること
ができ、装置自体の稼働コストを低減することができる
有機廃棄物発酵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、生ゴミや家畜の糞尿、剪定屑等
の有機廃棄物を発酵により堆肥化させたり減量化させる
ための有機廃棄物発酵装置が数多く開発されている。こ
れらの有機廃棄物発酵装置には、例えば、ステンレス鋼
材などの耐腐食性金属材料で形成された板金、例えば、
多数の小孔が穿設されたパンチングプレートにより有機
廃棄物を発酵させる発酵槽を構成したものがある。
【0003】この有機廃棄物発酵装置によれば、パンチ
ングプレートの小孔によって、有機廃棄物中の余分な水
分が排出され、有機廃棄物中の微生物に酸素が供給され
るので、有機廃棄物の発酵が促進される。また、有機廃
棄物の発酵(堆肥化または減量化)の過程においては、
有機廃棄物中の温度が高温となり、発酵により生じる水
分が蒸発するが、かかる蒸気の一部はパンチングプレー
トにおける各小孔により発酵槽の外部へ排出されるので
ある。
【0004】ところで、有機廃棄物を発酵分解する微生
物は、発酵槽内の温度、即ち、有機廃棄物内の温度を所
定の範囲とすることにより、有機廃棄物の発酵分解を活
発に行うことが知られている。上記の有機廃棄物発酵装
置では、発酵槽を構成するステンレス鋼材などの金属材
料は熱伝導率(熱伝導性)が大きいため、発酵槽の保温
性や断熱性が低下してしまう。
【0005】即ち、発酵槽内に蓄熱することができない
ため、発酵分解に伴う熱が発生し発酵槽内の温度が上昇
して、微生物による発酵分解が促されたとしても、発酵
槽外の温度が低下してしまうと、その温度低下により発
酵槽内の温度も低下してしまうことがある。そこで、こ
のような発酵槽では、その内部の温度を所定範囲内に設
定するため、発酵槽内の温度がヒータなどの加熱装置に
より常に一定に調整されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
した有機廃棄物発酵装置では、発酵槽を構成するパンチ
ングプレートが耐腐食性金属材料で形成されるので、か
かる金属材料面で発酵により生じた蒸気が結露してしま
う。このような結露水が生じると、好気性の微生物の繁
殖が低下して、有機廃棄物の発酵が阻害されてしまうと
いう問題点があった。また、ヒータなどの加熱装置によ
って、発酵槽内の温度を調整する場合には、かかるヒー
タなどの加熱装置を発熱させるために化石燃料や電力が
必要となるため、その分、有機廃棄物発酵装置の稼働コ
ストが増加してしまうという問題点があった。
【0007】更に、上記のように金属材料で構成された
発酵槽から発酵済みの有機廃棄物を排出すると、その排
出される有機廃棄物と一緒に、発酵に携わった微生物の
ほとんど全てが発酵槽から排出されてしまう。即ち、発
酵槽における微生物量が減少してしまう。よって、かか
る発酵槽へ未発酵の有機廃棄物を新たに投入すると、有
機廃棄物の発酵に携わる微生物が繁殖するまでに長時間
を要するため、発酵の進行速度が低下してしまうという
問題点があった。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、有機廃棄物の発酵過程で生じる
蒸気の結露を防止するとともに、有機廃棄物の発酵を促
進することができ、装置自体の稼働コストを低減するこ
とができる有機廃棄物発酵装置を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の有機廃棄物発酵装置は、有機廃棄物
が投入される投入口と、その投入口へ投入された有機廃
棄物を発酵させて堆肥化または減量化する発酵槽とを備
え、前記発酵槽へ投入された有機廃棄物を包囲するた
め、前記発酵槽の内側面の一部を構成するとともに、金
属材料に比べて熱伝導性が小さく、かつ、多数の微小孔
を有する多孔質材料で形成される内張部材を備えてい
る。
【0010】この請求項1記載の有機廃棄物発酵装置に
よれば、投入口から投入された有機廃棄物は、内張部材
により包囲されつつ、発酵槽内で発酵されて堆肥化また
は減量化される。内張部材は金属材料に比べて熱伝導性
が小さく形成されるので、この内張部材により発酵槽に
断熱性や保温性が付与される。また、内張部材は、多数
の微小孔を有する多孔質材料で形成されるので、有機廃
棄物中の余分な水分や発酵中に生じる水分は多孔質材料
に吸水され、この吸水された水分は内張部材を介して発
酵槽の外へ排出される。このため内張部材の表面に発酵
中に生じる水蒸気が結露することが防止され、有機廃棄
物中の水分量が適正な範囲とされる。
【0011】しかも、内張部材を構成する多孔質材料の
多数の微小孔によって、有機廃棄物中の微生物に酸素が
供給されるので、発酵槽内の酸素量が低下して微生物に
よる発酵分解の進行が遅滞することがない。更に、内張
部材を構成する多孔質材料中には発酵に携わる微生物を
も生息させることができるのである。
【0012】請求項2記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1記載の有機廃棄物発酵装置において、前記内張部
材を構成する多孔質材料は炭化物を含有している。
【0013】請求項3記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1または2に記載の有機廃棄物発酵装置において、
前記内張部材を構成する多孔質材料は、炭化ウッドチッ
プ固形材、炭化竹材、炭化木材或いは炭化圧縮木材等の
炭化材、セラミック材、発泡軽量コンクリート又は発泡
樹脂材料の少なくともいずれかで構成されている。
【0014】請求項4記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1から3のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置に
おいて、前記内張部材は前記発酵槽の内面から外面へ連
通する連通穴を備え、その連通穴の幅は前記内張部材を
構成する多孔質材料における複数の微小孔の孔径より大
きく形成されている。
【0015】請求項5記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1から4のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置に
おいて、前記内張部材は、前記発酵槽の内側面に複数並
置される板材または棒材によって構成されるとともに、
その複数の板材または棒材における隣接するもの同士の
間部分に隙間が設けられたものであり、その隙間の幅は
前記多孔質材料における複数の微小孔の孔径より大きく
形成されている。
【0016】この請求項4または5に記載の有機廃棄物
発酵装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の
有機廃棄物発酵装置と同様に作用する上、発酵により生
じた蒸気、その蒸気の結露水および有機廃棄物に含まれ
る余剰水は、それらの何割かが内張部材により吸水され
て発酵槽の外へ排出される一方、残りの何割かは、連通
穴、又は、発酵槽の内側面に設けられる隙間により発酵
槽の外へ排出される。
【0017】しかも、この連通穴の幅、又は、隙間の幅
は、内張部材を構成する多孔質材料の微小孔の孔径より
大きく形成されるので、多孔質材料に比べて多量の水分
が発酵槽の外へ排出される。更には、複数の連通穴、又
は、発酵槽の内側面に設けられる隙間によって、発酵槽
外の大気が発酵槽内へ流入されるので、かかる大気の流
入により有機廃棄物中の微生物に酸素が供給される。こ
のため、発酵槽内の酸素量が低下して微生物による発酵
分解の進行が遅滞することがない。
【0018】特に、請求項5記載の有機廃棄物発酵装置
によれば、請求項1から4のいずれかに記載の有機廃棄
物発酵装置と同様に作用する上、内張部材に予め連通穴
を穿設する加工を施すことなく、かかる連通穴と同様に
作用する隙間が発酵槽の内側面に設けられる。
【0019】請求項6記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1から5のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置に
おいて、前記内張部材は、前記発酵槽の内側面のほぼ全
域に設けられている。
【0020】請求項7記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項1から6のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置に
おいて、前記発酵槽を回転可能に支持する支持部材を備
えている。
【0021】請求項8記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項7記載の有機廃棄物発酵装置において、前記発酵槽
の内側面からその発酵槽の更に内側へ向けて突出される
複数の突起部を備えている。
【0022】請求項9記載の有機廃棄物発酵装置は、請
求項7記載の有機廃棄物発酵装置において、前記内張部
材は、前記発酵槽の内側面に複数並置される板材または
棒材によって構成され、その複数の板材または棒材によ
って前記発酵槽の内側面を凹凸状に形成するものであ
る。
【0023】請求項8または9に記載の有機廃棄物発酵
装置によれば、請求項7記載の有機廃棄物発酵装置と同
様に作用する上、例えば、支持部材により支持された発
酵槽が回転されて「切り返し」が行われる場合、発酵槽
内の有機廃棄物の一部は、複数の突起部、又は、凹凸状
の発酵槽の内側面に引っ掛かりつつ、発酵槽の上部へ向
けて掻き上げられる。発酵槽が更に回転されると、複数
の突起部に引っ掛かった有機廃棄物は、発酵槽の底部へ
向けて落下する。この一連の動作により、発酵槽内の有
機廃棄物がほぐされて、その有機廃棄物中に空気が充分
に混入される。
【0024】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明の有機廃棄物発酵装置の一実施例である発酵装置1の
外観斜視図である。発酵装置1は、その内部に生ゴミ、
ペットや家畜の糞尿、剪定屑、汚泥等の有機廃棄物S
(図2参照)を収容し、かかる有機廃棄物Sを微生物に
より発酵分解させて堆肥化または減量化するためのもの
である。
【0025】図1に示すように、発酵装置1は、主に、
有機廃棄物Sを収容可能な略逆かまぼこ状の中空箱状体
に形成された発酵箱2と、その発酵箱2内へ有機廃棄物
Sを投入するための投入ホッパ3とを備えている。発酵
箱2は、主に、その発酵箱2の外面を覆い塞ぐ複数枚の
外張材2aと、その複数枚の外張材2aを支持する上部
フレーム2b及び側部フレーム2c,2dとを備えてい
る。
【0026】複数枚の外張材2aは、木製材料で形成さ
れた板材であり、発酵箱2の外周面に並置されることに
より発酵箱2の外面のほぼ全域を覆い塞ぐものである。
この各外張材2aを形成する木製材料とは、例えば、間
伐材などを乾燥させた乾燥木材や、ウッドチップ固形材
やウッドプラスチックなどの木質系材料のことである。
ここで、ウッドチップ固形材やウッドプラスチックと
は、木屑を合成樹脂材料等の結合剤を用いて混合固化し
た材料である。以下、本実施例において用いる木製材料
とは、上記した乾燥木材や木質系材料と同種類の材料の
ことである。
【0027】上部フレーム2bは、発酵箱2の上面を覆
い塞ぐための複数枚の外張材2aを支持するものであ
り、木製材料の角材等で平面視略矩形状の枠状体に形成
されている。上部フレーム2bの内側部分には、複数枚
の外張材2aが上部フレーム2bの短辺方向(図1の前
後方向)に並置されており、これらの外張材2aにより
発酵箱2の上面が覆い塞がれている。また、上部フレー
ム2bの左右両側(図1の左右両側)には、側部フレー
ム2c,2dが発酵箱2の下部(図1下側)へ向けてそ
れぞれ立設されている。
【0028】側部フレーム2c,2dは、発酵箱2の左
右両側面を覆い塞ぐ複数枚の外張材2aを支持するもの
であり、木製材料の角材等で側面視略U字状の枠状体に
形成されている。側部フレーム2cの内側部分には、上
部フレーム2bと同様に複数枚の外張材2aが上下方向
(図1の上下方向)に並置されており、これらの外張材
2aにより発酵箱2の左側面が覆い塞がれている。ここ
で、図2は、図1のII−II線における側断面図であ
り、この図2に示すように、側部フレーム2d(図2右
側)の内側部分には、複数枚の外張材2aが上下方向
(図1の上下方向)に並設されており、これらの外張材
2aにより発酵箱2の右側面が覆い塞がれている。
【0029】図1に示すように、発酵箱2における左右
の側部フレーム2c,2dの対向面間には、発酵箱2の
前面(図1手前側)、下面(図1下側)、及び、後面
(図1奥側)を覆い塞ぐため、複数枚の外張材2aが並
置されている。これらの複数枚の外張材2aによって、
発酵箱2の下面は側面視略半円状に形成されており、そ
の結果、発酵箱2は略逆かまぼこ状の中空箱状体に形成
されている。
【0030】上部フレーム2bにおける長辺方向(図1
左右方向)中央には木製材料の角材等で形成された直線
状の補強フレーム2e,2eが、又、側部フレーム2
c,2dの対向面間中央には木製材料の角材等で形成さ
れた側面視略U字状の補強フレーム2f,2fが、それ
ぞれ側部フレーム2c,2dと略平行に取着されてい
る。更に、側部フレーム2c(側部フレーム2d)の内
側部分には、木製材料の角材等で形成された側面視略十
字状の補強フレーム2gが取着されている。これらの各
補強フレーム2e〜2gは、発酵箱2の剛性強度を補強
するための部材であり、発酵箱2内に多量の有機廃棄物
Sが投入された場合に、その有機廃棄物Sの重みによる
発酵箱2の歪みや破損を防止することができる。
【0031】各側部フレーム2c,2dの下端、即ち、
発酵箱2の下端面の3つの隅部には、発酵箱2を設置場
所に支持するために、木製材料の角材等で形成された略
四角柱状の脚部2hがそれぞれ下方へ向けて突出されて
いる。また、図2に示すように、発酵箱2の下端面にお
ける右奥側(図2右下側)には、木製材料の角材等で形
成された略四角柱状の脚部2hが下方へ向けて突出され
ている。これらの4本の脚部2hによって、発酵箱2は
設置場所の表面より上方に支持されるので、例えば、発
酵装置1を屋外に設置する場合に、その設置場所の表面
に貯まる雨水等が外張材2aへ直接浸透して発酵箱2内
へ浸入することを防止できる。
【0032】また、図1に示す発酵箱2の上面左側(図
1左側)には、木製材料で形成された略逆台形錐状の投
入ホッパ3が設けられている。この投入ホッパ3は、有
機廃棄物Sを発酵箱2内へ案内するものであり、多量の
有機廃棄物Sをこぼれ落とすことなく、発酵箱2内へ円
滑に投入することができる。
【0033】投入ホッパ3の上面には平面視略矩形状に
開放された開口3aが設けられており、この開口3aは
発酵箱2内と連通されている。投入ホッパ3の開口3a
における右縁部(図1右側)には、開口3aを覆い塞ぐ
ため、木製材料で形成された矩形平板状の開閉蓋3bが
開閉可能に取着されている。この開閉蓋3bにより開口
3aを覆い塞ぐことによって、発酵箱2内への雨水等の
浸入を防ぐことができる。なお、上記した投入ホッパ3
の内側面や開閉蓋3bの内側面に後述する内張材7を取
着しても良い。
【0034】補強フレーム2gの中央部分には、複数枚
のギヤ列で構成された減速機を収容した減速ボックス4
が設けられている。この減速ボックス4の減速機は、そ
の減速ボックス4の側面に連結されたハンドル5の回転
力を増幅させるものである。ハンドル5は、発酵箱2内
の有機廃棄物Sの「切り返し」を行う場合に使用者によ
り回転される部材であり、減速ボックス4の減速機を介
して発酵箱2内に設けられる撹拌シャフト8(図2参
照)と連結されている。よって、このハンドル5を回転
させる回転力は、減速ボックス4の減速機により増幅さ
れ、この増幅された回転力により撹拌シャフト8が回転
駆動されるのである。
【0035】図2は、図1のII−II線における発酵
装置1の側断面図であり、図中では、投入ホッパ3の開
閉蓋3bが開放された状態を2点鎖線で図示している。
図2に示すように、各フレーム2b〜2dにおける複数
枚の外張材2aとの接合部分には、断面視略コ字状の凹
部である臍(ほぞ)穴2iがそれぞれ凹設されている。
この臍穴2iには各外張材2aの端部が嵌合されてお
り、この嵌合によって発酵箱2を構成する各外張材2a
及び各フレーム2b〜2dが接合されている。
【0036】なお、各臍穴2iと各外張材2aとの接合
部分を木製材料のピンでカシメたり、かかる接合部分を
接着材により接着することによって、発酵箱2の剛性強
度を更に向上させることができるのである。しかも、釘
やネジなどの金属材料製の部品が不要となるので、例え
ば、老朽化した発酵箱2を廃棄する場合にも、金属材料
製の部品と木製材料の部品とを分別する必要がなく、廃
棄処分に伴う分別作業を簡素化することができるのであ
る。
【0037】発酵箱2の内部には、有機廃棄物Sを収容
するための空間である発酵空間6が設けられている。こ
の発酵空間6の上部には、投入ホッパ3の開口3aと連
通する投入口6aが開口形成されており、投入口6aか
ら投入ホッパ3へ投入された有機廃棄物Sが発酵空間6
内へ投入されるのである。また、発酵空間6の内側面、
即ち、各外張材2aの内側面のほぼ全域には複数枚の略
平板状の内張材7が並置して設けられている。
【0038】複数枚の内張材7は、発酵空間6内に収容
される有機廃棄物Sを包囲する部材であり、炭化物で構
成される炭化木材等の炭化材で形成されている。この内
張材7の炭化材は、多数の微小孔を有する多孔質材料で
あり、ステンレス鋼材などの金属材料に比べて熱伝導性
が小さくされている。かかる炭化材で形成された複数枚
の内張材7を発酵空間6の内側面のほぼ全域に設けるこ
とによって、発酵空間6(発酵箱2)には、断熱性や保
温性、吸水性、通気性、脱臭性、微生物に対する耐腐食
性が付与されると共に、微生物が生息可能な性質が付与
されている。なお、内張材7の更なる詳細については後
述する。
【0039】また、発酵空間6の上下方向中央には、発
酵箱2の左右両側に回転可能に軸支される撹拌シャフト
8が設けられている。この撹拌シャフト8は、木製材料
の丸棒材で形成されており、その一端側(図2左側)が
減速ボックス4を介してハンドル5と連結されている。
また、側部フレーム2dに設けられる補強フレーム2g
の中央部分(図2右側)には、撹拌シャフト8の他端側
(図2右側)を回転可能に支持する軸受9が設けられて
いる。
【0040】撹拌シャフト8の両端は、この軸受9およ
び減速ボックス4により回転可能に軸支されており、撹
拌シャフト8の外周には、木製材料の板材で形成された
複数枚の略矩形板状の撹拌羽根10が発酵空間6の内側
面へ向けて延出されている。この複数枚の撹拌羽根10
は、発酵空間6内に収容された有機廃棄物Sの「切り返
し」を行うため、有機廃棄物Sを掻き上げて撹拌する部
材である。
【0041】図3は、図1のIII−III線における
側断面図である。図3に示すように、複数枚の撹拌羽根
10は、撹拌シャフト8の外周面から発酵空間6の内側
面へ向けて側面視略十字状に延出されている。また、各
撹拌羽根10の延出長さは、撹拌シャフト8の中心から
発酵空間6の底面に設けられる内張材7までの距離に比
べて若干小さく形成されている。即ち、複数枚の撹拌羽
根10は、発酵空間6の底面(図3下側)に設けられる
内張材7と若干の間隔を隔てつつ延出されており、更
に、発酵空間6の底面は複数枚の内張材7により断面視
略半円状に形成されている。よって、各撹拌羽根10に
より発酵空間6内の有機廃棄物Sの撹拌が行われる場合
には、各撹拌羽根10によって、発酵空間6の内張材7
の近傍にある有機廃棄物Sを余すことなく掻き上げて撹
拌することができる。
【0042】また、複数枚の内張材7は、その隣接する
もの同士の合わせ目7aが各外張材2aにより覆い塞が
れており、その一方、複数枚の外張材2aは、その隣接
するもの同士の合わせ目2jが各内張材7により覆い塞
がれている。よって、発酵空間6内に収容される有機廃
棄物Sが各外張材2aの合わせ目2j及び各内張材7の
合わせ目7aから洩れ落ちることを防止することができ
る。
【0043】図4は、図3における発酵箱2の底部を拡
大視した側断面図である。図4に示すように、各外張材
2aにおける合わせ目2jには所定幅の隙間W1が設け
られ、各内張材7における合わせ目7aには所定幅の隙
間W2が設けられている。また、各外張材2aと各内張
材7との対向面間には所定幅の隙間W3が設けられてお
り、この隙間W3を介して隙間W1及び隙間W2は連通
されている。即ち、これらの隙間W1〜W3は発酵空間
6の内側面から発酵箱2の外面へ連通されるので、有機
廃棄物Sの余剰水のうち各内張材7の各微小孔により吸
水されなかったものを、発酵空間6の外、即ち、発酵箱
2の外へ排出(排水)することができるのである。
【0044】また、隙間W1〜W3は、それぞれ発酵空
間6内に収容される有機廃棄物Sの粒径より小さく形成
されており、例えば、隙間W1〜W3の幅は略1mm以
下とされている。よって、かかる隙間W1〜W3を通じ
て、発酵空間6内の有機廃棄物Sが発酵箱2の外部へ洩
れ出ることを防止することができる。
【0045】しかも、これらの隙間W1〜W3の幅は、
内張材7が有する微小孔の孔径より大きくされており、
各内張材7の各微小孔により吸水される水分量に比べ
て、多量の水分を発酵箱2の外へ排出することができ
る。よって、発酵空間6の底面や有機廃棄物S中に多量
の水分が貯留して、発酵空間6内の有機廃棄物Sが腐敗
してしまうことを防止することができる。
【0046】更に、かかる隙間W1〜W3により発酵箱
2の外部の大気を発酵空間6内へ流入させて、発酵空間
6内の有機廃棄物S中に生息する微生物に酸素を供給す
ることができるるとともに、かかる隙間W1〜W3の内
部に有機廃棄物Sの発酵に携わる微生物を生息させるこ
ともできるのである。
【0047】次に、上記のように構成された発酵装置1
の使用方法について説明する。まず、投入ホッパ3の開
閉蓋3bが図2に示す2点鎖線の位置へ向けて開かれる
と、投入ホッパ3の開口3aが開放され、その開口3a
へ有機廃棄物Sが投入される。開口3aへ投入された有
機廃棄物Sは、投入ホッパ3の内側面を介して投入口6
aへ案内され、この投入口6aから発酵箱2の発酵空間
6内へ落下し、発酵空間6の底面に積載される。ここ
で、有機廃棄物Sの投入時には、かかる有機廃棄物Sと
共に、この有機廃棄物Sの発酵に携わる微生物が添加さ
れる。この微生物の添加は、微生物を含有する床材、例
えば、発酵済みの有機廃棄物Sなどを添加することによ
り行われる。
【0048】ところで、有機廃棄物Sを適正に発酵させ
るためには、有機廃棄物S中の水分を60〜65%にす
る必要がある。一般に、生ゴミなどの有機廃棄物Sには
80〜95%の過剰な水分が含まれているので、減量さ
れた発酵済みの有機廃棄物Sを床材として、これを有機
廃棄物Sに混合することにより、その水分の調整を行う
ことができる。また、発酵済みの有機廃棄物Sには多量
の微生物が生息しているので、発酵済みの有機廃棄物S
を未発酵の有機廃棄物Sと混合することにより、発酵装
置1による有機廃棄物Sの発酵が促進されるのである。
【0049】有機廃棄物Sの投入後、投入ホッパ3の開
閉蓋3bが図2に示す実線の位置へ向けて閉じられ、投
入ホッパ3の開口3aが閉塞される。このように、開閉
蓋3bにより開口3aが閉塞されることにより、発酵箱
2の発酵空間6内へ雨水等が浸入することが防がれるの
で、かかる雨水等により発酵空間6内の有機廃棄物Sの
水分量が変動することを防止することができる。
【0050】また、発酵空間6内の温度が上昇し、微生
物による発酵分解に適した温度範囲を超えた場合には、
この開閉蓋3bの開放することにより、発酵空間6内の
高温の気体を発酵箱2の外部へ放出して、発酵空間6内
の温度を微生物による発酵分解に適した温度範囲に低下
させることができる。即ち、かかる開閉蓋3bの開閉に
より、発酵空間6内の温度の調整が行われるのである。
【0051】発酵空間6内に収容された有機廃棄物S
は、発酵空間6の内側面のほぼ全域に設けられる複数枚
の内張材7により包囲されつつ、発酵空間6内で微生物
によって発酵分解される。ここで、発酵空間6には複数
枚の内張材7により断熱性や保温性が付与されているの
で、微生物による有機廃棄物Sの発酵分解により発熱し
た熱が発酵空間6の外部へ放熱されず、発酵空間6内の
温度が低下することが抑制される。
【0052】有機廃棄物Sの発酵の過程においては、有
機廃棄物S中の温度が高温となり、発酵により生じる水
分が蒸発する。ここで、かかる水蒸気は、複数枚の内張
材7の各微小孔や隙間W2を介して各内張材7の外側へ
排出され、外張材2aや隙間W1,W3を介して発酵箱
2の外部へ排出される。また、例え、内張材7の表面に
結露水が生じたとしても、かかる結露水は、複数枚の内
張材7の各微小孔により吸水され、外張材2aや隙間W
2を介して発酵箱2の外部へ排出される。
【0053】一方、使用者によりハンドル5が回転され
ると、減速ボックス4の減速機を介して撹拌シャフト8
が回転駆動される。この撹拌シャフト8の回転駆動に伴
って、複数枚の撹拌羽根10が発酵空間6内で旋回され
ると、この複数枚の撹拌羽根10により有機廃棄物Sが
掻き上げられて撹拌される。この有機廃棄物Sの撹拌に
より、有機廃棄物Sの「切り返し」が行われる。この
「切り返し」により、有機廃棄物S中に発酵空間6内の
大気が混入されると、有機廃棄物S中の微生物に酸素が
供給され、有機廃棄物Sの発酵分解がより一層促進され
る。この「切り返し」を定期的に行いつつ、有機廃棄物
Sを発酵空間6内で所定期間、例えば、数ヶ月の間、発
酵分解させることにより、有機廃棄物Sの発酵が完了
し、かかる有機廃棄物Sが減量化または堆肥化されるの
である。
【0054】以上説明したように、本実施例の発酵装置
1によれば、発酵空間6の内側面のほぼ全域に設けられ
る内張材7は、ステンレス鋼材などの金属材料に比べて
熱伝導性が小さな炭化材で形成されている。即ち、内張
材7は、金属材料に比べて断熱性や保温性の大きな材料
で形成されるので、発酵空間6に断熱性や保温性を付与
することができる。よって、発酵装置1が屋外に設置さ
れる場合、冬場でも、発酵空間6内で発酵する有機廃棄
物Sの温度の急激な低下が抑えられるので、発酵空間6
内を有機廃棄物Sの発酵分解に適した温度に維持するこ
とができる。このため、発酵空間6内の温度を調整する
ためのヒータ等の加熱装置が不要となるので、かかる加
熱装置の稼働に要するコストが不要となり、その分、発
酵装置1全体としての稼働コストを低減することができ
るのである。
【0055】しかも、内張材7は金属材料に比べて熱伝
導性が小さいので、発酵空間6内で発酵する有機廃棄物
Sから生じる水蒸気が内張材7の表面で結露することを
抑制することができる。また、例え、内張材7の表面に
結露水が生じたとしても、かかる内張材7は、多数の微
小孔を有する多孔質材料である炭化材で形成されるの
で、その多数の微小孔により有機廃棄物S中の余剰水や
発酵過程で生じる水分や水蒸気を吸水して、発酵空間6
の外へ排出することができる。このため、発酵空間6内
の有機廃棄物Sの水分量は微生物による発酵分解に適し
た範囲に維持されるので、有機廃棄物Sの余剰水や結露
水によって微生物の繁殖が阻害されることがないのであ
る。即ち、好気性の発酵分解を促進させることができる
のである。
【0056】内張材7は、多孔質材料である炭化材によ
り形成されるので、かかる多孔質材料の多数の微小孔に
より発酵空間6に通気性を付与することができる。よっ
て、発酵空間6内の有機廃棄物Sに生息する微生物に
は、内張材7の多数の微小孔により発酵空間6の外から
大気が供給されるので、有機廃棄物Sに生息する微生物
に酸素を充分に供給することができる。しかも、隙間W
1〜W3によっても、発酵空間6の外から大気が流入さ
れるので、有機廃棄物Sに生息する微生物に更に充分な
酸素を供給することができる。この結果、好気性の微生
物による有機廃棄物Sの発酵分解を活発化させることが
できる。
【0057】ところで、従来の発酵装置では、発酵空間
がステンレス鋼材など耐腐食性金属材料で形成されてい
た。かかる場合には、発酵済みの有機廃棄物Sが発酵空
間中から排出されると、発酵に携わった微生物のほとん
ど全てが発酵済みの有機廃棄物Sと一緒に排出されてし
まう。このため、かかる金属材料で形成された発酵空間
へ未発酵の有機廃棄物Sを投入すると、有機廃棄物Sの
発酵に携わる微生物が繁殖するまでに長時間を要するた
め、発酵分解の進行速度が低下してしまうことがあっ
た。
【0058】しかしながら、本実施例の発酵装置1によ
れば、発酵空間6の内側面に設けられる内張材7は、多
数の微小孔を有する多孔質材料である炭化材で形成され
るので、かかる炭化材の多数の微小孔内に発酵分解に携
わる微生物を生息させることができる。しかも、これら
の微生物を隙間W1〜W3の内部にも生息させることが
できる。このため、発酵済みの有機廃棄物Sを発酵空間
6の中から排出した後に未発酵の有機廃棄物Sを発酵空
間6へ投入する場合には、内張材7の各微小孔内や隙間
W1〜W3に生息する微生物によって有機廃棄物Sの発
酵分解が行われるので、微生物による発酵分解速度を低
下させることないのである。
【0059】以上のように、発酵装置1によれば、内張
材7が発酵空間6の内側面のほぼ全域に設けられること
によって、微生物による有機廃棄物Sの発酵分解に適し
た環境が維持されるので、かかる微生物の繁殖を促し
て、有機廃棄物Sの発酵分解を促進させることができる
のである。
【0060】また、内張材7は炭化物で構成される炭化
木材等の炭化材により形成されるので、有機廃棄物Sの
発酵分解の過程において発生する臭気物質、例えば、ア
ンモニアなどを炭化材の微小孔内に吸着させて、発酵空
間6の外へ臭気が放出することを抑制することができ
る。即ち、内張材7によって、発酵空間6で発酵分解さ
れる有機廃棄物Sが放出する臭気を脱臭することができ
るのである。
【0061】しかも、発酵空間6の内側面のほぼ全域に
設けられる内張材7は、微生物により分解されにくい炭
化材で構成されるので、発酵空間6の内側面が微生物の
発酵分解により腐食することを防止することができるの
である。更に、炭化材により形成された内張材7は、ス
テンレス鋼材などの耐腐食性金属に比べて安価なので、
発酵装置1全体としての製造コストを大幅に低減させる
ことができる。
【0062】また、発酵装置1は、発酵箱2が木製材料
の外張材2a、木製材料の各フレーム2b〜2g、及び
木製材料の脚部2hで構成されるので、かかる発酵装置
1を屋外等の設置場所に設置する場合に、その設置場所
の周囲の景観の美観を損ねることがない。しかも、発酵
箱2は、主に、木製材料の材料で形成されるので、かか
る発酵箱2を廃棄する場合に、かかる発酵箱2を解体し
て材質ごとに分別して廃棄する必要がない。
【0063】図5を参照して、第2実施例について説明
する。図5は、第2実施例の発酵装置11の外観斜視図
である。第2実施例の発酵装置11は、前記した第1実
施例の発酵箱2の形状を変更したものである。以下、第
1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明
は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0064】図5に示すように、発酵装置11は、主
に、有機廃棄物Sを発酵させるために略円筒状に形成さ
れた中空箱状体である発酵箱12と、その発酵箱12を
支持する支持台13と、発酵箱12内へ有機廃棄物Sを
投入するための投入口14とを備えている。
【0065】発酵箱12は、主に、その発酵箱12の外
面を覆い塞ぐ外張材2aと、その複数枚の外張材2aを
支持する側部フレーム12a,12bとを備えている。
側部フレーム12a,12bは、発酵箱12の左右両側
面を覆い塞ぐ複数枚の外張材2aを支持するものであ
り、木製材料の角材等で形成された側面視略円環状の枠
状体である。側部フレーム12a,12bの内側部分に
は、複数枚の外張材2aが上下方向(図5上下方向)に
並置されており、これらの外張材2aにより発酵箱12
の左右両側面が覆い塞がれている。なお、図5では、発
酵箱12の側部フレーム12b(図5右側)により支持
される複数枚の外張材2aの図示を省略している。
【0066】発酵箱12における左右の側部フレーム1
2a,12bの対向面間には、発酵箱12の外周面を覆
い塞ぐため、複数枚の外張材2aが並置されており、こ
れらの複数枚の外張材2a及び各フレーム12a,12
bにより、発酵箱12は略円筒状の中空箱状体、いわゆ
る樽状体に形成されている。発酵箱12の長手方向(図
5左右方向)中央には、木製材料の角材等で形成された
側面視略円環状の補強フレーム12c,12cが側部フ
レーム12a,12bと略平行に取着されている。ま
た、側部フレーム12a,12bの内側部分には、木製
材料の角材等で形成された側面視略十字状の補強フレー
ム12dが取着されている。これらの各補強フレーム1
2c,12dによって、発酵箱12の剛性強度が向上さ
れている。なお、図5では、側部フレーム12bに設け
られる補強フレーム12dの図示を省略している。
【0067】支持台13は、発酵装置11の設置場所に
設置されて、発酵箱12を回転可能に支持するものであ
り、木製材料で形成されている。この支持台13は、発
酵箱12の長手方向両側面へ向けて立設される一対の支
持板13a,13aを備えており、この一対の支持板1
3a,13aによって、発酵箱12の長手方向両側面の
ほぼ中央部分が回転可能に支持されている。
【0068】発酵箱12の外周面には、有機廃棄物Sを
発酵箱12内へ投入するための略矩形状の開口である投
入口14が設けられ、この投入口14は発酵箱12内と
連通されている。投入口14における上縁部(図5上
側)には、投入口14を覆い塞ぐとともに発酵箱12の
外周面の一部を構成する開閉蓋14aが開閉可能に取着
されている。この開閉蓋14aにより投入口14が覆い
塞がれることによって、発酵箱12内への雨水等の浸入
を防ぐことができ、発酵箱12が回転される場合に有機
廃棄物Sが発酵箱12内からこぼれ落ちることを防止す
ることができる。
【0069】また、投入口14の下縁部(図5下側)に
は、開閉蓋14aを係止する一対のロック部材14b,
14bが設けられており、この一対のロック部材14
b,14bは開閉蓋14aを投入口14の下縁部に係止
するように構成されている。このロック部材14bによ
り開閉蓋14aを投入口14の下縁部に係止することに
より、発酵箱12の回転に伴って開閉蓋14aが誤って
開放されることを防止することができる。
【0070】補強フレーム12cの中央部分には減速ボ
ックス4が設けられ、この減速ボックス4の減速機には
ハンドル5が連結されている。このハンドル5は、減速
ボックス4の減速機を介して発酵箱12の回転軸12e
(図6参照)と連結されている。よって、このハンドル
5が回転されると、その回転力が減速ボックス4の減速
機により増幅され、この増幅された回転力により発酵箱
12の全体が回転駆動されるのである。
【0071】図6は、図5のVI−VI線における側断
面図である。図6に示すように、発酵箱12の内部に
は、有機廃棄物Sを収容するための断面視略円形状の空
間である発酵空間15が設けられている。この発酵空間
15の内側面、即ち、各外張材2aの内側面の全域に
は、略平板状に形成された複数枚の内張材7が並置して
設けられている。
【0072】次に、第2実施例の発酵装置11の使用方
法について説明する。まず、開閉蓋14aが開かれ、投
入口14が開放された後、その投入口14へ有機廃棄物
Sが投入される。投入口14へ投入された有機廃棄物S
は、発酵箱12の発酵空間15内へ落下して、発酵空間
15の底面に積載される。ここで、有機廃棄物Sの投入
時には、かかる有機廃棄物Sと共に、この有機廃棄物S
の発酵に携わる微生物が添加される。
【0073】有機廃棄物Sの投入後、開閉蓋14aが閉
じられて投入口14が閉塞され、一対のロック部材14
bにより開閉蓋14aが投入口14の下縁部に係止され
る。その後、発酵空間15内に収容された有機廃棄物S
は、発酵空間15の内側面のほぼ全域に設けられる複数
枚の内張材7により包囲されつつ、発酵空間15内にお
いて微生物により発酵分解される。
【0074】ここで、発酵空間15には複数枚の内張材
7により断熱性や保温性が付与されているので、微生物
による有機廃棄物Sの発酵分解により発熱した熱が発酵
空間15の外部へ放熱されず、発酵空間15内の温度が
低下することが抑制される。有機廃棄物Sの発酵の過程
においては、有機廃棄物S中の温度が高温となり、発酵
により生じる水分が蒸発する。かかる水蒸気は、複数枚
の内張材7の各微小孔や隙間W2を介して各内張材7の
外側へ排出され、外張材2aや隙間W1,W3を介して
発酵箱12の外部へ排出される。また、例え、内張材7
の表面に結露水が生じたとしても、かかる結露水は、複
数枚の内張材7の各微小孔により吸水され、外張材2a
や隙間W2を介して発酵箱12の外部へ排出される。
【0075】一方、使用者によりハンドル5が回転され
ると、支持台13により支持された発酵箱12は、減速
ボックス4の減速機を介して回転駆動される。発酵空間
15内の有機廃棄物Sは、発酵箱12の回転に伴って徐
々に発酵空間15の上方へ移送され、その後、発酵空間
15の上下位置が反転されると、再び発酵空間15の底
面へ向けて落下される。即ち、かかる発酵箱12の回転
により、発酵空間15内の有機廃棄物Sが撹拌され、有
機廃棄物Sの「切り返し」が行われる。
【0076】以上説明したように、第2実施例の発酵装
置1によれば、発酵箱12は略円筒状の中空箱状体に形
成されている。よって、発酵空間12は、それと内部容
積がほぼ等しく形成される逆かまぼこ状の発酵空間に比
べて、発酵箱12の外周面の表面積が小さくされるの
で、その外周面から放出される熱量を減少させて、保温
性や断熱性を向上させることができる。
【0077】また、発酵装置11によれば、発酵箱12
全体が回転されて切り返しが行われるので、撹拌羽根を
用いて有機廃棄物Sを撹拌する場合に比べて、発酵空間
15内における有機廃棄物Sの撹拌を充分に行うことが
できる。このため、発酵空間15内へ投入された有機廃
棄物Sと床材との混合を充分に行うことができ、有機廃
棄物Sの発酵分解を促進させることができるのである。
【0078】更に、発酵装置11によれば、有機廃棄物
Sを撹拌するための複数枚の撹拌羽根を設けるスペース
を、発酵空間12内に設ける必要がないので、その分、
発酵装置11を全体として小型化することができ、複数
の撹拌羽根が不要となる分、発酵装置11全体としての
製造コストを低減することができるのである。
【0079】図7を参照して、第3実施例について説明
する。図7は、第3実施例の発酵装置21の側断面図で
ある。第3実施例の発酵装置21は、前記した第2実施
例の発酵箱12における内張材の断面形状を変更したも
のである。以下、第1及び第2実施例と同一の部分には
同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ
を説明する。
【0080】図7に示すように、発酵箱12の内部に
は、有機廃棄物Sを収容して発酵分解を行うための空間
である発酵空間22が設けられている。発酵空間22
は、断面視円形状に形成されており、発酵空間22の内
側面、即ち、各外張材2aの内側面の全域には、断面視
略五角形状に形成された複数枚の内張材23が並置して
設けられている。複数枚の内張材23は、発酵空間22
内に収容される有機廃棄物Sを包囲する部材であり、炭
化木材などの炭化物である炭化材で構成(形成)されて
いる。この内張材23を構成する炭化材は、多数の微小
孔を有する多孔質材料であり、ステンレス鋼材などの金
属材料に比べて熱伝導性が小さくされている。
【0081】各内張材23の内側端面には、発酵空間2
2の内方へ向けて突出された断面視略三角形状の突起部
23aが設けられており、発酵空間22の内側面は、こ
れらの各突起部23aにより鋸歯状の凹凸が構成されて
いる。よって、例えば、支持台13により支持された発
酵空間12が回転されて「切り返し」が行われる場合、
発酵空間22内の有機廃棄物Sの一部は、各内張材23
の各突起部23aにより発酵空間22の内側面に引っ掛
かりつつ、発酵空間22の上部へ向けて上昇される。発
酵空間22が更に回転されると、各突起部23aに引っ
掛かった有機廃棄物Sは、発酵空間22の底面へ向けて
落下する。この一連の動作により、発酵空間22内の有
機廃棄物Sがほぐされて、その有機廃棄物S中に空気が
充分に混入されるのである。
【0082】以上説明したように、第3実施例の発酵装
置21によれば、発酵空間22の内側面には、各内張材
23の各突起部23aにより凹凸が構成されるので、発
酵箱12を回転させて有機廃棄物Sの「切り返し」を行
う場合に、有機廃棄物Sを充分にほぐすことができる。
従って、この有機廃棄物Sのほぐしにより、その有機廃
棄物S中に空気を充分に混入させつつ「切り返し」が行
われるので、微生物による有機廃棄物Sの発酵をより一
層促進させることができるのである。
【0083】しかも、このように複数の内張材23によ
って、発酵空間22の内側面が凹凸状に形成されるの
で、例えば、発酵空間22の内側面、即ち、内張材23
の内側面に複数の突起部を別途取り付けて有機廃棄物S
をほぐす必要がない。このため、複数の突起部を内張材
23に取り付ける工程が不要となるため、その分、その
分、発酵装置21全体としての製造コストを低減するこ
とができるのである。
【0084】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0085】本実施例では、内張材7,23を形成する
炭化材として炭化木材を用いたが、かかる内張材の材質
は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、炭化
させた木屑(炭化ウッドチップ)を合成樹脂材料等の結
合剤を用いて混合固化させた炭化ウッドチップ固形材、
竹材を炭化させた炭化竹材、又は、炭化圧縮木材のいず
れかで内張材を形成しても良い。
【0086】ここで、炭化圧縮木材とは、炭化された木
材等の炭化材を乾燥木材等の表面に層状に圧縮して接着
したものであり、この炭化圧縮木材を用いれば、乾燥木
材で形成された外張材の内側面に炭化材の層を一体的に
形成することができる。よって、かかる炭化圧縮木材に
より発酵箱を形成すれば、外張材と内張材とを別々に設
ける必要がなくなり、その分、発酵装置の製造工程を簡
素化することができ、かかる装置1全体としての製造コ
ストを更に低減することができるのである。
【0087】また、内張材の材質は必ずしも炭化材に限
られるものではなく、例えば、多孔性を有する多孔性セ
ラミックス等のセラミックス材料や、発泡軽量コンクリ
ートや発泡樹脂材料などであっても良い。即ち、金属材
料に対して保温性や断熱性、吸水性、脱臭性および通気
性に優れた材料であれば良く、更には、微生物により分
解されにくい耐腐食性を有すると共に、その内張材内に
微生物が生息可能な材料であれば良い。なお、内張材の
形状は必ずしも板状に限られるものではなく、例えば、
棒材で内張材を形成しても良い。
【0088】発酵箱2,12では、複数枚の外張材2a
の内側面のほぼ全域に複数枚の内張材7,23を並置し
て設け、発酵槽6,15,22内の有機廃棄物Sを包囲
する壁材を2層構造としたが、かかる壁材の積層数は、
必ずしも2層に限られるものではなく、例えば、かかる
壁材の積層数を3層以上としても良い。このように、外
張材および内張材の積層数を増加させることにより発酵
槽内の保温性や断熱性を向上させることができるのであ
る。
【0089】本実施例では、内張材7,23の材質とし
て炭化材を使用して、内張材7,23に微生物に対する
耐腐食性を付与した。しかしながら、かかる内張材の材
質は、必ずしも耐腐食性を有する材料である必要はな
く、例えば、外張材2aと同様な木製材料であっても良
い。木製材料で形成される内張材によれば、微生物の分
解により腐食してしまうが、かかる場合には腐食した内
張材を、別の新しい内張材と交換すれば良い。
【0090】本実施例では、複数枚の外張材2a、各フ
レーム2b〜2g,12a〜12d、各脚部2h、投入
ホッパ3、開閉蓋3b及び支持台13等を木製材料で形
成したが、これらの各部材2a〜2e,12a〜12
d,3,3b,13の材質は、必ずしもこれに限られる
ものではなく、例えば、合成樹脂材料や金属材料などで
形成しても良い。かかる場合において、合成樹脂材料や
金属材料で形成される外張材に多数の小孔を穿設すれ
ば、かかる外張材の多数の小孔によって発酵空間6,1
5,22から排出される余剰水等を、発酵箱2,12の
外部へ排出させることができるのである。
【0091】また、第1実施例では、撹拌シャフト8の
回転力は、使用者により回転されるハンドル5によって
供給されたが、かかる撹拌シャフト8への回転力の供給
手段は、必ずしもこれに限られるものではなく、例え
ば、減速ボックス4の減速機に電動モータなどの駆動装
置を連結して、かかる電動モータの回転力により撹拌シ
ャフトを回転駆動させても良い。同様にして、第2及び
第3実施例における発酵箱12の回転力を電動モータな
どの駆動装置により供給しても良い。更に、電動モータ
に代替して、エンジン等の内燃機関、水車などの水力を
用いても良い。
【0092】第1実施例では、複数枚の撹拌羽根10を
木製材料の板材で形成したが、かかる撹拌羽根の材料は
必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、かかる
撹拌羽根を内張材7と同種類の材料で形成しても良い。
例えば、撹拌羽根を炭化木材などの炭化材で形成すれ
ば、かかる撹拌羽根が微生物により分解されて腐植する
ことを防止することができるとともに、撹拌羽根に吸水
性や微生物が生息可能な性質を付与することができる。
【0093】また、第2及び第3実施例では、略円筒状
に形成された発酵箱12の軸方向を横(左右)方向へ向
けて支持し、かかる軸方向回りに発酵箱12を回転可能
に構成した。しかしながら、このような円筒状の発酵箱
の支持姿勢は、必ずしもこれに限られるものではなく、
例えば、かかる円筒状の発酵箱の軸方向を垂直方向へ向
けつつ発酵箱を支持して、この発酵箱の軸方向回りに回
転させても良い。
【0094】本実施例では、本発明における連通穴とし
て、発酵箱2,12に設けられる隙間W1〜W3を用い
て説明したが、例えば、外張材および内張材に多数の小
孔を穿設し、かかる多数の小孔により発酵箱の通気性や
排水性を向上させても良い。
【0095】また、第3実施例では、本発明における複
数の突起部として、各内張材23の各突起部23aを用
いて説明した。しかしながら、複数の突起部は必ずしも
これに限られるものではなく、例えば、内張材の内面に
複数の突起状の棒材や角材を取着して、これらの棒材や
角材により有機廃棄物Sを撹拌するように構成しても良
い。
【0096】
【発明の効果】 請求項1記載の有機廃棄物発酵装置に
よれば、有機廃棄物を包囲する内張部材は、金属材料等
に比べて熱伝導性が小さく形成されるので、この内張部
材により発酵槽に断熱性や保温性を付与することができ
る。よって、発酵槽が屋外に設置される場合、冬場で
も、発酵槽内の有機廃棄物の温度の急激な低下が抑えら
れ有機廃棄物の発酵条件が良好に保持されるので、有機
廃棄物の発酵に携わる微生物の繁殖を促し、有機廃棄物
の発酵を促進することができるという効果がある。しか
も、発酵槽内の温度を調整するためのヒータ等の加熱装
置が不要となるので、かかる加熱装置の稼働に要するコ
ストが不要となり、その分、装置全体としての稼働コス
トを低減することができるという効果がある。
【0097】また、この内張部材は多数の微小孔を有す
る多孔質材料で形成されるので、有機廃棄物中の余分な
水分や発酵中に生じる水分を多孔質材料により吸水し
て、この吸水された水分を内張部材を介して発酵槽の外
へ排出することができる。このため内張部材の表面に発
酵中に生じる水蒸気が結露することが防止されるので、
有機廃棄物中の水分量が適正な範囲とされ、その結果、
発酵条件を良好に保つことができるという効果がある。
即ち、有機廃棄物中の余分な水分や結露水によって、微
生物の繁殖が阻害されることがなく、有機廃棄物の発酵
分解を促進させることができるという効果がある。
【0098】しかも、内張部材を構成する多孔質材料の
多数の微小孔によって、発酵槽の外部から内部へ大気が
供給されるので、有機廃棄物中の微生物に酸素を充分に
供給することができ、その結果、発酵槽内の酸素量が低
下して微生物による発酵分解の進行が遅滞することがな
く、かかる微生物による発酵分解を活発化させることが
できるという効果がある。
【0099】更に、有機廃棄物を包囲する内張部材は、
その多孔質材料の微小孔に微生物を生息させることがで
きる。このため、有機廃棄物の発酵が完了して発酵済み
の有機廃棄物が発酵槽の中から排出されたとしても、内
張部材には、有機廃棄物の発酵に携わった微生物が生息
し続けることができる。よって、発酵槽から発酵済みの
有機廃棄物を排出した後、未発酵の有機廃棄物を発酵槽
へ投入したとしても、内張部材の微小孔に生息する微生
物によって、有機廃棄物の発酵を促進させることができ
るという効果がある。
【0100】請求項2記載の有機廃棄物発酵装置によれ
ば、請求項1記載の有機廃棄物発酵装置の奏する効果に
加え、内張部材を構成する多孔質材料は炭化物を含有し
ているので、かかる炭化物により有機廃棄物の発酵分解
の過程で発生する臭気物質、例えば、アンモニアなどを
多孔質材料の微小孔内に吸着して、発酵槽の外へ臭気が
流出することを抑制することができる。即ち、内張部材
によって、有機廃棄物が発する臭気を脱臭することがで
きるという効果がある。しかも、内張部材を構成する多
孔質材料は、微生物により分解されにくい炭化物を含有
しているので、有機廃棄物を発酵分解する微生物によっ
て内張部材が分解されて腐食することを防止することが
できるという効果がある。
【0101】請求項3記載の有機廃棄物発酵装置によれ
ば、請求項1または2に記載の有機廃棄物発酵装置の奏
する効果に加え、更に、内張部材を構成する多孔質材料
は、例えば、炭化ウッドチップ固形材、炭化竹材、炭化
木材或いは炭化圧縮木材等の炭化材、セラミック材、発
泡軽量コンクリート又は発泡樹脂材料の少なくともいず
れかで構成されている。これらの材料はステンレス鋼材
などの耐腐食性金属に比べて安価なので、装置全体とし
ての製造コストを低減することができるという効果があ
る。
【0102】請求項4または5に記載の有機廃棄物発酵
装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の有機
廃棄物発酵装置の奏する効果に加え、発酵槽内の余剰水
を発酵槽の外へ排出する連通穴の幅または発酵槽の内側
面に設けられる隙間は、内張部材を構成する多孔質材料
の微小孔の孔径より大きく形成されるので、多孔質材料
により吸水しきれない多量の余剰水が長期に渡って発酵
槽内に貯留して、発酵分解される有機廃棄物が腐敗して
しまうことを抑制することができるという効果がある。
【0103】しかも、複数の連通穴または発酵槽の内側
面に設けられる隙間によって、発酵槽の外部から内部へ
大気が供給されるので、有機廃棄物中の微生物に酸素を
充分に供給することができ、その結果、発酵槽内の酸素
量が低下して微生物による発酵分解の進行が遅滞するこ
とがなく、かかる微生物による発酵分解を活発化させる
ことができるという効果がある。
【0104】特に、請求項5記載の有機廃棄物発酵装置
によれば、請求項1から4のいずれかに記載の有機廃棄
物発酵装置の奏する効果に加え、内張部材に予め連通穴
を穿設する加工を施すことなく、かかる連通穴と同様に
作用する隙間を発酵槽の内側面に設けることができる。
よって、例えば、連通穴を設ける工程が不要となるの
で、その分、装置全体としての製造コストを低減するこ
とができるという効果がある。
【0105】請求項6記載の有機廃棄物発酵装置によれ
ば、請求項1から5のいずれかに記載の有機廃棄物発酵
装置の奏する効果に加え、内張部材は発酵槽の内側面の
ほぼ全域に設けられるので、発酵槽の内側面におけるほ
ぼ全域に亘って結露を防止することができるという効果
がある。
【0106】請求項7記載の有機廃棄物発酵装置によれ
ば、請求項1から6のいずれかに記載の有機廃棄物発酵
装置の奏する効果に加え、発酵槽を支持する支持部材
は、その発酵槽を回転可能に支持するので、例えば、発
酵槽を回転させて上下を反転させることにより、発酵槽
内で有機廃棄物を撹拌することができる。この撹拌によ
り「切り返し」作業を容易に行うことができ、かつ、か
かる「切り返し」により有機廃棄物の発酵を更に促進す
ることができるという効果がある。
【0107】請求項8または9に記載の有機廃棄物発酵
装置によれば、請求項7記載の有機廃棄物発酵装置の奏
する効果に加え、例えば、発酵槽の回転させることによ
り有機廃棄物の「切り返し」を行う場合、発酵槽内の有
機廃棄物は、発酵槽の回転に伴って複数の突起部または
凹凸状に形成された発酵槽の内側面によりほぐされる。
この有機廃棄物のほぐしにより、その有機廃棄物中に空
気を充分に混入させつつ「切り返し」が行われるので、
微生物による有機廃棄物の発酵をより一層促進させるこ
とができるという効果がある。
【0108】特に、請求項9記載の有機廃棄物発酵装置
によれば、有機廃棄物をほぐすための複数の突起部を内
張部材に別途取り付けるような工程が不要となるため、
その分、その分、装置全体としての製造コストを低減す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である発酵装置の外観斜視
図である。
【図2】 図1のII−II線における発酵装置の側断
面図である。
【図3】 図1のIII−III線における側断面図で
ある。
【図4】 図3における発酵箱の底部を拡大視した側断
面図である。
【図5】 第2実施例の発酵装置の外観斜視図である。
【図6】 図5のVI−VI線における側断面図であ
る。
【図7】 第3実施例の発酵装置の側断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 発酵装置(有機廃棄物発酵装置) 2,12 発酵箱(発酵槽の一部) 6,15,22 発酵空間(発酵槽の一部) 7,23 内張材(板材または棒材、内張部
材) 13 支持台(支持部材) 23a 突起部 W1〜W3 隙間(連通穴)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々村 俊夫 名古屋市昭和区白金1丁目4番20号 ミズ ショー株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA03 BA04 CA19 CB03 CB06 CB28 CC08 4G037 DA13 EA03 4G078 AA13 AB20 BA01 CA01 DA01 4H061 AA03 CC36 CC47 CC55 EE66 FF06 GG16 GG48 GG69 GG70

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機廃棄物が投入される投入口と、その
    投入口へ投入された有機廃棄物を発酵させて堆肥化また
    は減量化する発酵槽とを備えた有機廃棄物発酵装置にお
    いて、 前記発酵槽へ投入された有機廃棄物を包囲するため、前
    記発酵槽の内側面の一部を構成するとともに、金属材料
    に比べて熱伝導性が小さく、かつ、多数の微小孔を有す
    る多孔質材料で形成される内張部材を備えていることを
    特徴とする有機廃棄物発酵装置。
  2. 【請求項2】 前記内張部材を構成する多孔質材料は炭
    化物を含有していることを特徴とする請求項1記載の有
    機廃棄物発酵装置。
  3. 【請求項3】 前記内張部材を構成する多孔質材料は、
    炭化ウッドチップ固形材、炭化竹材、炭化木材或いは炭
    化圧縮木材等の炭化材、セラミック材、発泡軽量コンク
    リート又は発泡樹脂材料の少なくともいずれかで構成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の有
    機廃棄物発酵装置。
  4. 【請求項4】 前記内張部材は前記発酵槽の内面から外
    面へ連通する連通穴を備え、その連通穴の幅は前記内張
    部材を構成する多孔質材料における複数の微小孔の内径
    より大きく形成されていることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置。
  5. 【請求項5】 前記内張部材は、前記発酵槽の内側面に
    複数並置される板材または棒材によって構成されるとと
    もに、その複数の板材または棒材における隣接するもの
    同士の間部分に隙間が設けられたものであり、その隙間
    の幅は前記多孔質材料における複数の微小孔の内径より
    大きく形成されていることを特徴とする請求項1から4
    のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置。
  6. 【請求項6】 前記内張部材は、前記発酵槽内面のほぼ
    全域に設けられていることを特徴とする請求項1から5
    のいずれかに記載の有機廃棄物発酵装置。
  7. 【請求項7】 前記発酵槽を回転可能に支持する支持部
    材を備えていることを特徴とする請求項1から6のいず
    れかに記載の有機廃棄物発酵装置。
  8. 【請求項8】 前記発酵槽の内側面からその発酵槽の更
    に内側へ向けて突出される複数の突起部を備えているこ
    とを特徴とする請求項7記載の有機廃棄物発酵装置。
  9. 【請求項9】 前記内張部材は、前記発酵槽の内側面に
    複数並置される板材または棒材によって構成され、その
    複数の板材または棒材によって前記発酵槽の内側面を凹
    凸状に形成するものであることを特徴とする請求項7記
    載の有機廃棄物発酵装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007152232A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Recycle Koshiyama Kk 生ゴミ処理容器
JP2008055267A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Panefuri Kogyo Kk 生ゴミ分解容器および分解方法
JP2018193267A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 有限会社川▲崎▼エンジ 木製堆肥化容器

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