JP2001293008A - 注水機構と吸引機構を備えた携帯用歯科治療ユニット - Google Patents

注水機構と吸引機構を備えた携帯用歯科治療ユニット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注水機構や吸引機構を備えながらも、小型軽
量で持ち運びが容易な歯科治療ユニットを提供するこ
と。 【解決手段】 歯科用ハンドピースを駆動するハンドピ
ース駆動制御装置11と、口腔内に注水する注水ノズル
に連通すると共に水を収納する給水容器14と、唾液な
どの排出物を口腔内から吸引する吸引器具16に連通す
ると共に排出物を溜める排出物貯留容器13と、排気側
開口を給水容器に連通すると共に吸気側開口を排出物貯
留容器に連通するポンプ40と、ポンプを駆動するため
のモーター34とを、携帯可能なケース10内に収納し
て成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用歯科治療ユ
ニットに関し、さらに詳細には、注水機構と吸引機構を
備えながらも小型軽量で携帯が容易な歯科治療ユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】遠隔地や交通不便の地には歯科医師が在
住していないことがあり、かかる場合には、歯科医師が
歯科治療器具とともに遠隔地まで出張して診療を行なっ
ている。このとき、歯科用ハンドピースは小型軽量であ
り、頭部のみを替えて多用途に使用可能なものもあるた
め、歯科用ハンドピース自体の持ち運びは比較的容易で
ある。しかしながら、吸引器具や注水ノズルに圧力を供
給するためのモーターやポンプといった駆動装置は重量
も大きく嵩張るため、歯科治療器具一式を持ち運びなが
らの診療は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、口腔内に注水する注水機構と、口腔内から排出
物を吸引する吸引機構との両機構を備えながらも、小型
軽量で持ち運びが容易な歯科治療ユニットを提供するこ
とにある。
【0004】また本発明の課題は、口腔内の菌による感
染防止に優れて衛生的であり、かつ注水機構と吸引機構
との両機構を備えながらも小型軽量で持ち運びが容易な
歯科治療ユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、歯科用
ハンドピースを駆動するハンドピース駆動制御装置と、
口腔内に注水する注水ノズルに連通すると共に水を収納
する給水容器と、唾液、水及び歯牙の切削屑などの排出
物を口腔内から吸引する吸引器具に連通すると共に該排
出物を溜める排出物貯留容器と、排気側開口を前記給水
容器に連通すると共に吸気側開口を前記排出物貯留容器
に連通するポンプと、該ポンプを駆動するためのモータ
ーとを、携帯可能な函体内に収納したことを特徴とする
携帯用歯科治療ユニットが提供される。
【0006】本発明の携帯用歯科治療ユニットにおい
て、前記ポンプの排気側開口にはポンプの外部から内部
に空気が流れないように逆止弁を設け、一方、吸気側開
口にはポンプの内部から外部に空気が流れないように逆
止弁を設けてることができる。また前記排出物貯留容器
から前記ポンプの吸気側開口までを連通する管には、感
染菌などの細菌の通過を防止するフィルターを設けるこ
とが好ましく、かかるフィルターとしては、例えば、多
孔質のセラミックからなるフィルターを使用することが
できる。さらに、前記ポンプの排気側開口と前記給水部
材を連通する管には、前記モーター近傍まで延びる分岐
管を設け、この分岐管をモーター冷却用の送風管とする
ことが好ましい。また前記携帯可能な函体内には、複数
種類の歯科用ハンドピース及び吸引器具を収納可能なス
ペースを設けることが好ましい。
【0007】また本発明では、歯科用ハンドピースを駆
動するハンドピース駆動制御装置と、口腔内に注水する
注水ノズルに連通すると共に水を収納する給水容器と、
唾液、水及び歯牙の切削屑などの排出物を口腔内から吸
引する吸引器具に連通すると共に該排出物を溜める排出
物貯留容器と、排気側開口を前記給水容器に連通する第
一のポンプと、吸気側開口を前記排出物貯留容器に連通
する第二のポンプと、該第一及び第二のポンプの両方を
駆動するための単一のモーターとを、携帯可能な函体内
に収納したことを特徴とする携帯用歯科治療ユニットが
提供される。
【0008】本発明の携帯用歯科治療ユニットにおいて
は、前記第二ポンプの排気側開口から前記モーター近傍
まで管を延ばし、該管をモーター冷却用の送風管にする
ことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。図1は本発明にかかる携帯用歯科
治療ユニット1を示した斜視図である。この携帯用歯科
治療ユニット1は、歯科用ハンドピース17を駆動する
ハンドピース用コントロールユニット11と、歯牙の切
削部分などに注水する水を収納するための給水容器14
と、口腔内から吸引した唾液、水および歯牙の切削屑な
どの排出物を溜めるための排出物貯留容器13と、これ
ら給水容器14と排出物貯留容器13を支持するための
容器用スタンド12と、注水吸引駆動ユニット30と
を、携帯可能なケース10内に収納したものである。
【0010】ここで、前記排出物貯留容器13と前記給
水容器14には、それぞれ着脱可能な容器キャップ13
a,14aを設ける。そして、排出物貯留容器13の容
器キャップ13aには、吸引器具16に連通する吸引管
21と、ポンプ40の吸気側開口に連通する吸引管22
とを接続し、この吸引管22の途中に多孔質セラッミッ
ク等のフィルター15を設ける。一方、給水容器14の
容器キャップ14aには、ポンプ40の排気側開口に連
通する送風管20と、歯科用ハンドピース17の先端に
設けた注水ノズルに連通する送水管19とを接続し、こ
の送水管19の途中に手動にて開閉可能な手動弁23を
設ける。
【0011】図2は図1における注水吸引駆動ユニット
30の構成を簡略に示した図である。注水吸引駆動ユニ
ット30は、前記送風管20と前記吸引管22とが接続
されるポンプ40と、このポンプ40を駆動するモータ
34と、このモータ34の回転運動をシャフトの往復運
動に変換するカム機構33と、モータ34の回転駆動を
制御するための電気回路を設けた制御板35と、電源に
接続されたトランス36と、モータ34の駆動をON・
OFFするスイッチ37とがケース31に収納されてな
る。そして、送風管20の途中から調整弁39を介して
モータ34近傍まで分岐管を延長し、先端にフィルター
38を設けて、この分岐管をモータ34の冷却送風用の
管にする。
【0012】次に、前記注水吸引駆動ユニット30の作
用について説明する。電源からトランス36を介して制
御部35に電気が供給され、スイッチ37を操作してO
Nにすると、モータ34が回転駆動する。このモータ3
4の回転運動は、カム機構33により往復運動に変換さ
れてポンプ40に伝達されると、ポンプ40の吸気側開
口からは吸引管22を介して空気が吸引される一方で、
排気側開口からは送風管20を介して空気が排出され
る。この送風管20から排出された空気の一部は分岐管
に導かれ、調整弁39を介してフィルター38を通り、
ケース31内に排出されてモータ34を冷却する。
【0013】図3は、図2におけるポンプ40とカム機
構33を更に詳細に示した断面図である。図3におい
て、ポンプ40は、送風管20と吸気管22を配置する
ための凹部が形成されたケーシング41と、チャンバー
48のための凹部が形成されたケーシング42とを、パ
ッキング44を介してボルトで連結し、ケーシング42
の凹部を密閉するように合成ゴム等からなる膜材43を
設けてチャンバー48を形成し、この膜材43にボルト
47でシャフト33aを連結し、チャンバー48に連通
するように送風管20と吸気管22を接続してなる。一
方、カム機構33は、モータ34の回転軸34aをカム
部材33bの偏心した位置に貫通させ、ベアリング33
cを介してカム部材33bを前記シャフト33aに固定
して形成する。なお、前記モータ34の回転軸34aは
ベアリングを介して軸受け部材33dに枢支され、前記
ポンプ40も軸受け部材33dに固定されている。
【0014】次に、ポンプ40とカム機構33の作用に
ついて説明する。モータ34を稼働すると回転軸34a
が回転し、この回転運動はカム部材33bを介してシャ
フト33aの往復運動(図3の矢印M1,M2方向の運
動)に変換される。ここで、シャフト33aが矢印M2
方向に動くと、空気は逆止弁45を開いて吸引管22か
らチャンバー48内に吸引され、この吸引された空気
は、逆に、シャフト33aが矢印M1方向に動くと、逆
止弁46を押し上げてチャンバー48内から送風管20
を通って排出され、かようにして、シャフト33aの往
復運動によりポンプ40は吸引・送風を繰り返し行な
う。
【0015】次に、携帯用歯科治療ユニット1の作用に
ついて説明する。前述の如く、注水吸引駆動ユニット3
0のスイッチ37をONにして、ポンプ40を稼働さ
せ、吸引器具16により口腔内から唾液、水及び歯牙の
切削屑などの排出物を吸引する。この排出物は空気とと
もに、吸引器具16から吸引管21を通って排出物貯留
容器13に導かれ、ここで排出物は排出物貯留容器13
の底に溜まり、さらに、空気のみが吸引管22からフィ
ルター15を介してポンプ40に導かれる。この空気の
一部は、前述の如く、注水吸引駆動ユニット30の内部
で排出されてモータ34を冷却するために使用され、残
りの空気は送風管20を通して給水容器14に送られ
る。給水容器14内では、モータ34から送られた空気
により気圧が高まり、給水容器内の水は送水管19を通
って、歯科用ハンドピース17の頭部の注水ノズルから
噴出する。
【0016】以上、携帯用歯科治療ユニット1は、単一
のモータ34と単一のポンプ40により、給水容器14
内へ圧縮空気を供給することと、吸引器具16へ陰圧を
供給することが可能なように構成したので、ユニットは
小型軽量で持ち運びが容易なものになった。
【0017】次に、図2とは異なる注水吸引駆動ユニッ
トの構成を図4及び図5を参照して説明する。図4にお
いて、注水吸引駆動ユニット30は、単一のモータ34
により二つのポンプ40を駆動することに特徴があり、
一方のポンプ40の吸気側開口には吸引管22を接続す
るとともに排気側開口には排出管51aを接続し、この
排出管51aにはフィルタ51bを接続し、このフィル
タ51bから空気を排出する。また他方のポンプ40の
排気側開口には送風管20を接続するとともに吸気側開
口にはフィルタ52bを設けた吸引管52aを接続し、
送風管20にはフィルタ52bを介して外部から空気を
取り込む。すなわち、一方のポンプ40は吸引器具16
に陰圧を供給するために使用し、他方のポンプ40は注
水ノズルに水を送るための圧力を供給するために使用
し、注水系統と吸引系統における空気の流れを分断し
た。また上記以外に、図2とは異なる構成として、モー
タ34の回転軸34aを長めに形成し、回転軸34aの
中間にも軸受け部材33eを設け、回転軸34aの二箇
所にカム部材33bを介して各ポンプ40のシャフト3
3aを枢着した点である。なお、図2と同じ構成には同
じ符号を付けて以下説明は省略する。
【0018】
【発明の効果】本発明の携帯用歯科治療ユニットでは、
一つのポンプの排気側開口を給水容器に連通すると共に
吸気側開口を排出物貯留容器に連通し、注水機構と吸引
機構の両方を一つのポンプで駆動可能に構成し、構成部
材の全てを携帯可能な函体内に収納したので、注水機構
と吸引機構の両機構を備えながらも小型軽量で持ち運び
が容易な歯科治療ユニットを提供することが可能になっ
た。
【0019】本発明の携帯用歯科治療ユニットでは、注
水のための圧力を供給するポンプと、排出物吸引のため
の陰圧を供給するポンプとを各別に設け、両方のポンプ
を一つのモーターで駆動可能に形成し、構成部材の全て
を携帯可能な函体内に収納したので、口腔内の菌による
感染防止に優れて衛生的であり、かつ注水機構と吸引機
構との両機構を備えながらも小型軽量で持ち運びが容易
な歯科治療ユニットを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯用歯科治療ユニットを示した
斜視図である。
【図2】図1における注水吸引駆動ユニットの構成を簡
略に示した図である。
【図3】図2におけるポンプとカム機構を示した断面図
である。
【図4】図2とは異なる注水吸引駆動ユニットの構成を
簡略に示した図である
【図5】図4におけるポンプとカム機構を示した断面図
である。
【符号の説明】
1 携帯用歯科治療ユニット 10 ケース(函体) 11 ハンドピース駆動制御装置 13 排出物貯留容器 14 給水容器 16 吸引器具 19 送水管 20 送風管 21 吸引管 22 吸引管 34 モーター 40 ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科用ハンドピースを駆動制御するハン
    ドピース制御装置と、口腔内に注水する注水ノズルに連
    通すると共に水を収納する給水容器と、唾液、水及び歯
    牙の切削屑などの排出物を口腔内から吸引する吸引器具
    に連通すると共に該排出物を溜める排出物貯留容器と、
    排気側開口を前記給水容器に連通すると共に吸気側開口
    を前記排出物貯留容器に連通するポンプと、該ポンプを
    駆動するためのモーターとを、携帯可能な函体内に収納
    したことを特徴とする携帯用歯科治療ユニット。
  2. 【請求項2】 前記ポンプにおける排気側開口と吸気側
    開口にそれぞれ逆止弁を設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の携帯用歯科治療ユニット。
  3. 【請求項3】 前記排出物貯留容器から前記ポンプの吸
    気側開口までを連通する管にフィルターを設けたことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯用歯科
    治療ユニット。
  4. 【請求項4】 前記ポンプの排気側開口と前記給水部材
    を連通する管から前記モーター近傍まで分岐管を延ば
    し、該分岐管をモーター冷却用の送風管となすことを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の携帯用歯科治療
    ユニット。
  5. 【請求項5】 歯科用ハンドピースを駆動制御するハン
    ドピース制御装置と、口腔内に注水する注水ノズルに連
    通すると共に水を収納する給水容器と、唾液、水及び歯
    牙の切削屑などの排出物を口腔内から吸引する吸引器具
    に連通すると共に該排出物を溜める排出物貯留容器と、
    排気側開口を前記給水容器に連通する第一のポンプと、
    吸気側開口を前記排出物貯留容器に連通する第二のポン
    プと、該第一及び第二のポンプの両方を駆動するための
    単一のモーターとを、携帯可能な函体内に収納したこと
    を特徴とする携帯用歯科治療ユニット。
  6. 【請求項6】 前記第二ポンプの排気側開口から前記モ
    ーター近傍まで管を延ばし、該管をモーター冷却用の送
    風管となすことを特徴とする請求項5に記載の携帯用歯
    科治療ユニット。
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