JP2001289641A - リング型振動式角速度センサ - Google Patents

リング型振動式角速度センサ

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JP2001289641A
JP2001289641A JP2001023577A JP2001023577A JP2001289641A JP 2001289641 A JP2001289641 A JP 2001289641A JP 2001023577 A JP2001023577 A JP 2001023577A JP 2001023577 A JP2001023577 A JP 2001023577A JP 2001289641 A JP2001289641 A JP 2001289641A
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angular velocity
vibration
cylindrical
velocity sensor
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JP2001023577A
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Hisashi Yabe
久 矢部
Mitsuhiro Nakajima
光浩 中島
Koichiro Mazaki
浩一郎 真崎
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレクチュア部の密度を低下してフレクチュ
ア部の高さを低くすることにより小型軽量化された振動
角速度センサを提供する。 【解決手段】 振動体8の薄肉円筒或いは薄肉円環より
成る励振部80を径方向の振動モード1の定在波により
励振し、検出対象とする入力角速度が印加されることに
よるコリオリ力により生じる定在波より90°位相を異
にする出力振動成分を検出するリング型振動式角速度セ
ンサにおいて、励振部80と台座82の間に励振部80
と同一材料で励振部80より更に薄い円筒フレクチュア
部83を一体形成したリング型振動式角速度センサにお
いて、円筒フレクチュア部9にメッシュ91を規則的に
穿孔形成した振動角速度センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リング型振動式
角速度センサに関し、特に、励振部の運動エネルギの外
部への漏洩を遮断し、励振部に対して励振部外部から加
えられる振動衝撃を遮断するに支持部として薄肉のフレ
クチュア部を形成したリング型振動式角速度センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来例を図9を参照して説明する。図9
(a)は薄肉円筒型振動体を示す図であり、図9(b)
は薄肉円筒型振動体の一種である薄肉半球型振動体を示
す図である。リング型振動式角速度センサはリング型の
振動体8を有している。リング型の振動体8としては、
励振部80が薄肉円筒、薄肉半球或いは薄肉円環より成
る振動体が使用される。81は励振部80を支える支持
部であり、82は支持部81が取り付け固定される台座
である。リング型振動式角速度センサの励振部80を構
成する原材料として圧電セラミックスを採用することが
できる。
【0003】図10をも参照するに、圧電セラミックス
より成る薄肉円筒の励振部80のA点の外表面および内
表面に対向して電極を形成し、これら両電極間に交流電
圧を印加して圧電駆動することにより励振部80に振動
モード1の振動を生起することができる。即ち、励振部
80の中心軸を構成する支持部81に直交すると共に互
いに直交する2方向に薄肉円筒の励振部80を屈曲振動
させることができる。励振部80の振動モード1の振動
状態において、薄肉円筒の励振部80に支持部81を入
力軸とする円周方向の角速度が入力されると、振動モー
ド1と直交する方向にコリオリ力が作用する結果、振動
モード1の方向から45°回転したB点の位置において
振動モード2の矢印方向の振動が発生する。ここで、振
動モード2の方向の力の大きさを知ることにより、入力
角速度の値を検出することができる。以下、図11を参
照してリング型振動式角速度センサの動作を説明する。
【0004】図11において、励振部の励振器4から供
給される駆動信号Vd は薄肉円筒の励振部80の共振周
波数に等しい周波数を有する交流の電圧信号であり、薄
肉円筒の励振部80のA点に設置される駆動電極Ea に
印加される。その結果、薄肉円筒の励振部80は、先に
述べた振動モード1で振動するに到る。なお、10は励
振器4の発振周波数を規定する発振回路である。A点と
丁度180°回転したC点の位置の両面に設置される電
極Ec は静電容量式位置検出器2の一部を構成するモニ
タ電極であり、振動モード1を検出するる。このモニタ
電極Ec から得られる振動情報は直流信号Vp に変換さ
れ、差動増幅器3において基準信号源52の出力する基
準信号Vr と比較される。差動増幅器3より得られる差
信号Veは積分器により構成されたループフイルタ31
に入力される。ループフイルタ31より得られる出力V
contは励振器4に供給され、静電容量式位置検出器2か
ら出力される直流信号Vp が基準信号Vr と等しくなっ
て差動増幅器3の差信号Ve をゼロとすべく、駆動信号
Vd の振幅を制御する。即ち、薄肉円筒の励振部80の
駆動信号Vd を一定に制御することにより、励振部80
の振動振幅を常時一定に保持している。
【0005】A点から45°回転した位置であるB点に
設置される電極Eb は、入力角速度ωにより発生する振
動モード2を検出する出力信号検出用位置検出器5の一
部を構成し、この検出器5から得られる振動情報は、同
期検波回路6により振動の大きさに対応した直流信号に
変換される。同期検波回路6の出力をそのまま振動の大
きさの検出出力として使用すればオープンループ信号処
理の角速度センサが形成され、その出力はVO1になる。
一方、クローズドループ信号処理の角速度センサは、点
線で示される回路を付加することにより構成される。
【0006】即ち、同期検波回路6の出力は、積分器に
より構成されるループフイルタ32に供給され、第2ル
ープフイルタ32から得られる出力はフィードバック信
号発生回路61に供給される。フィードバック信号発生
回路61は、第2ループフイルタ32から得られる信号
と発信回路10から供給されるクロックCKが入力さ
れ、出力信号検出用位置検出器5から得られる振動モー
ド2の振動とは周波数が同一で極性が逆の信号を発生す
る回路である。このフィードバック信号発生回路61の
出力は、B点に対して180°回転した位置に設置され
るフイードバック電極Edに印加され、振動モード2の
動きを逆向きに抑制する。その結果、角速度センサに角
速度が入力され、振動モード2が発生しても振動モード
2は実質的にゼロに抑制されるクローズドループ信号処
理をしていることになる。このクローズドループ信号処
理における角速度センサ出力としては、電圧Vf と比例
関係にあるループフイルタ32の直流出力を角速度セン
サ出力VO2として使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のリング型振動式
角速度センサの従来例において、その薄肉円筒の励振部
80の支持構造としては種々の構成の支持構造が開発採
用されている。図9(b)を参照するに、薄肉円筒の励
振部80をこれを含むワイングラス状構造に形成し、こ
のグラスの首部にグラスと同一材料で支持部81を一体
的に形成し、この支持部81を台座82に取り付け固定
して励振部80を支えている。或いは、励振部80をワ
イングラス状構造に形成し、グラス本体とは別材料であ
る硬質ゴムの様な弾性に富む材料により形成した支持部
81をグラスの首部に固定し、これを介して励振部80
を台座82に取り付け固定して支えている。
【0008】更に、図12(a)を参照するに、これは
台座82の突出部と励振部80の間に支持部81として
ワイヤを対称的に取り付け、これにより励振部80を台
座82に取り付け固定して励振部80を支えている。図
12(b)を参照するに、励振部80を薄肉円環により
形成し、柔軟性合成樹脂を支持部81としてこれにより
薄肉円環全体を包囲し、支持している。図12(c)を
参照するに、これはシリコンゴムの様な弾性体により構
成される断面L字状部材を対称的に一体化した支持枠を
支持部81とし、これにより励振部80を支持してい
る。
【0009】図12(d)を参照するに、これは薄肉円
環に形成した励振部80の内側に十字状の支持部81を
設け、これを介して励振部80を台座82の突出部に取
り付け支持している。図12(e)を参照するに、これ
は薄肉円環に形成した励振部80をS字状ビーム状に形
成した支持部81により台座82に取り付け支持してい
る。これら支持構造は、一般に、振動式角速度センサ内
部に有する励振部80を慣性空間的には安定に保持する
必要があるので励振部80を支持する支持部81は柔軟
に構成する必要がある一方、外部から励振部80に対し
て加えられる振動、衝撃の如き環境条件に関してこの影
響を蒙らないためには、励振部80を支持する支持部8
1を機械的に破壊することのない構成とする必要があ
る。振動式角速度センサにおいては、支持部81に対す
るこの相矛盾した設計要求を満足させる必要がある。即
ち、励振部80を支持する支持部81を柔軟に構成しな
がら耐振動性、耐衝撃性を満足する対策を構ずることに
より励振部80の支持部81は必然的に高価な構造を採
用せざるを得なくなる。
【0010】以上の図9(b)、図12(a)ないし図
12(c)の従来例は部品点数が多く、これに対応して
部品費、組み立て費その他のコストが増大する上に、振
動、衝撃その他の耐環境性に乏しい。また、図12
(d)および図12(e)の従来例においては、その励
振部80は支持部81のバネ定数の影響を受けて調整が
難しく、高性能の振動式角速度センサに向いていない。
この発明は、励振部の運動エネルギの外部への漏洩を遮
断し、励振部に対して励振部外部から加えられる振動衝
撃を遮断するに支持部として薄肉のフレクチュア部を形
成することにより上述の問題を解消したリング型振動式
角速度センサを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1:振動体8の薄
肉円筒或いは薄肉円環より成る励振部80を径方向の振
動モード1の定在波により励振し、検出対象とする入力
角速度が印加されることによるコリオリ力により生じる
定在波より90°位相を異にする出力振動成分を検出す
るリング型振動式角速度センサにおいて、励振部80と
台座82の間に励振部80と同一材料で励振部80より
更に薄い円筒フレクチュア部83を一体形成したリング
型振動式角速度センサを構成した。
【0012】そして、請求項2:請求項1に記載される
リング型振動式角速度センサにおいて、円筒フレクチュ
ア部83の径を励振部80とほぼ同一に形成し、円筒フ
レクチュア部83の厚さt1 および高さL1 を選択設計
してフレクチュア部83の共振周波数f1 を励振部80
の共振周波数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定した
振動角速度センサを構成した。また、請求項3:薄肉円
筒を径方向の振動モード1の定在波により励振し、検出
対象とする入力角速度が印加されることによるコリオリ
力により生じる定在波より90°位相の異なる出力振動
成分を検出するリング型振動式角速度センサにおいて、
励振部80と台座82の間に励振部80と同一材料で励
振部80より更に薄く一体形成した円筒フレクチュア部
の一部である脚部85の複数本より成るフレクチュア部
83’を構成した振動角速度センサを構成した。
【0013】更に、請求項4:請求項3に記載されるリ
ング型振動式角速度センサにおいて複数本の薄肉の脚部
85の本数は4本である振動角速度センサを構成した。
そして、請求項5:請求項4に記載されるリング型振動
式角速度センサにおいて、薄肉の脚部85の形成される
位置は励振部80の振動モード1における振動の腹の4
個所とする振動角速度センサを構成した。また、請求項
6:請求項4に記載されるリング型振動式角速度センサ
において薄肉の脚部85の形成される位置は励振部80
の振動モード1における振動の節の4個所とする振動角
速度センサを構成した。
【0014】更に、請求項7:請求項3に記載されるリ
ング型振動式角速度センサにおいて複数本の薄肉の脚部
85の本数は3本である振動角速度センサを構成した。
そして、請求項8:請求項7に記載されるリング型振動
式角速度センサにおいて、薄肉の脚部85の形成される
位置は励振部80の励振の腹の2個所と節の1個所と
し、或いは節の2個所と腹の1個所とする振動角速度セ
ンサを構成した。また、請求項9:請求項3ないし請求
項8の内の何れかに記載されるリング型振動式角速度セ
ンサにおいて、フレクチュア部83’の径を励振部80
とほぼ同一に形成し、フレクチュア部83’の厚さt1
および高さL1 を選択設計してフレクチュア部83’の
共振周波数f1 を励振部80の共振周波数f2 の1/4
倍或いは3/4倍に設定した振動角速度センサを構成し
た。
【0015】更に、請求項10:振動体8の薄肉円筒或
いは薄肉円環より成る励振部80を径方向の振動モード
1の定在波により励振し、検出対象とする入力角速度が
印加されることによるコリオリ力により生じる定在波よ
り90°位相を異にする出力振動成分を検出するリング
型振動式角速度センサにおいて、励振部80と台座82
の間に励振部80と同一材料のダイヤフラム部84を一
体形成したリング型振動式角速度センサを構成した。ま
た、請求項11:請求項10に記載されるリング型振動
式角速度センサにおいて、ダイヤフラム部84の厚さt
1 および半径aを選択設計してダイヤフラム部84の共
振周波数f1 を励振部80の共振周波数f2 の1/4倍
或いは3/4倍に設定した振動角速度センサを構成し
た。
【0016】そして、請求項12:請求項1ないし請求
項11の内の何れかに記載されるリング型振動式角速度
センサにおいて、励振部、フレクチュア部、ダイヤフラ
ム部は恒弾性金属材料或いは溶融水晶により構成した振
動角速度センサを構成した。更に、請求項13:請求項
1に記載されるリング型振動式角速度センサにおいて、
円筒フレクチュア部9にメッシュ91を規則的に穿孔形
成した振動角速度センサを構成した。また、請求項1
4:請求項13に記載されるリング型振動式角速度セン
サにおいて、メッシュ形成した円筒フレクチュア部9の
径を励振部80の径とほぼ等しく形成し、円筒フレクチ
ュア部9の厚さ、高さおよびメッシュを選択設計して円
筒フレクチュア部の共振周波数f1 を励振部の共振周波
数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定した振動角速度
センサを構成した。
【0017】ここで、 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
部の1/4の質量 そして、請求項15:請求項3ないし請求項8の内の何
れかに記載されるリング型振動式角速度センサにおい
て、脚部85の複数本より成るフレクチュア部83’に
メッシュ92を規則的に穿孔形成した振動角速度センサ
を構成した。
【0018】また、請求項16:請求項15に記載され
るリング型振動式角速度センサにおいて、フレクチュア
部83’の径を励振部80の径とほぼ等しく形成し、こ
のフレクチュア部の厚さ、高さおよびメッシュを選択設
計してフレクチュア部の共振周波数f1 を励振部の共振
周波数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定した振動角
速度センサを構成した。ここで、 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
部の1/4の質量
【0019】
【発明の実施の形態】振動式角速度センサの動作性能精
度を向上させるには、薄肉円筒、薄肉半球或いは薄肉円
環より成る振動体の励振部の振動周波数を安定化させる
ことが重要な技術的課題とされている。この発明は、振
動体を直接に台座に固定した場合に生起する励振エネル
ギの振動体外部への漏洩、振動体に対する外部から進入
する振動衝撃の影響の遮断、減少を、単純な構造で実施
するに、薄肉円筒のフレクチュア型支持部を振動体の励
振部に隣接して形成している。この振動体を具備する実
施例を図を参照して具体的に説明する。実施例におい
て、従来例の部材と共通する部材には共通する参照符号
を付与している。
【0020】図1を参照して第1の実施例を説明する。
図1(a)はリング型の振動体の斜視図であり、図1
(b)は振動式角速度センサを概念的に示す図である。
リング型の振動体8の励振部80は薄肉円筒、薄肉半球
或いは薄肉円環より成る。83は励振部80を支える支
持部を形成する薄肉の円筒フレクチュア部を示す。この
円筒フレクチュア部83は台座82に取り付け固定さ
れ、励振部80を支持している。この実施例において励
振部80と、円筒フレクチュア部83と、台座82の3
者は一体的に形成されており、そして、円筒フレクチュ
ア部83および台座82を構成する材料は励振部80を
構成する材料と同一の材料である。励振部80自体薄肉
に形成されているが、円筒フレクチュア部83は励振部
80より更に薄く形成されている。
【0021】ここで、励振部80を支える支持部を薄肉
の円筒フレクチュア部83により形成し、フレクチュア
部を柔軟で弾性定数の小さいものとすることにより励振
部80の運動エネルギの外部への漏洩を遮断し、励振部
80に対する励振部外部から進入する振動衝撃の影響を
遮断減少する効果を増大することができる。そして、フ
レクチュア部83自体が励振部80外部から進入する振
動衝撃により損傷することもない。また、薄肉円筒の励
振部80の励振或いは共振周波数をf2 とすると共に、
円筒フレクチュア部83の厚さと長さを適宜に選択して
フレクチュア部83自体の共振周波数をf1 に設計し、
フレクチュア部83の共振周波数をf1 を励振部80の
励振周波数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定するこ
とにより、励振部80内部の運動エネルギーをより多く
内部に閉じ込めることができる。
【0022】更に、励振部およびフレクチュア部を含む
リング型の振動体8は、恒弾性特性の金属材料或いは溶
融水晶により形成することにより、振動角速度センサの
感度特性および経年特性を良好にすることができる。恒
弾性金属材料とは、材料の弾性、具体的にはヤング率が
温度変化に対して実質的に恒常な値を保持する金属材料
をいう。恒弾性金属材料としてエリンバーを例示するこ
とができる。この発明は、振動角速度センサに対する温
度変化の影響を低減することを目的として振動体8を恒
弾性金属材料により構成する。溶融水晶は線膨張係数が
小さいのでこれにより振動体8を形成して振動体8の寸
法の温度変化を小さくし、振動角速度センサに対する温
度変化の影響を低減する。
【0023】フレクチュア部の共振周波数f1 は下記の
通りである。但し、片端固定の梁に円筒の励振部の集中
荷重が存在するものとする。 f1=(1/2π)√(k1/m1) ここで、k1=(E・w・t1 3)/(12・β1・L1 3) E:ヤング率 L1:円筒フレクチュア部の高さ w:励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即ち円
筒励振部の円周長の1/4 t1:フレクチュア部の厚さ β1:たわみ係数(=1/3) m1:高さL1 、距離wのフレクチュア片、即ち、円筒フ
レクチュア部の1/4を構成する梁状部分に荷重すると
みなされる等価質量 以上において、フレクチュア部自体の質量は無視し、等
価質量m1 は当該フレクチュア部の梁状部分が支承する
質量、即ち、励振部の質量の1/4にほぼ等しい。
【0024】励振部の励振周波数f2 は下記の通りであ
る。但し、振動モード1の節で両端支持状態にあるもの
とする。 f2=(1/2π)√(k2/m2) ここで、k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:円筒励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
部の1/4の質量 図2を参照して第2の実施例を説明するに、リング型の
振動体8の励振部80は薄肉円筒、薄肉半球或は薄肉円
環より成る。84は励振部80を支える支持部を形成す
る薄肉のダイヤフラム部を示す。励振部80はこの薄肉
ダイヤフラム部84を介して台座82の上端部周縁に結
合して支持される。励振部80と、ダイヤフラム部84
と、台座82の3者は一体的に形成され、そして、これ
ら3者は互いに同一の材料により構成されている。励振
部80を支える支持部を、薄肉の円筒フレクチュア部に
形成する代わりにダイヤフラム部84に形成することに
よっても、同様に、励振部80の運動エネルギの外部へ
の漏洩を遮断し、励振部80に対する励振部外部から進
入する振動衝撃の影響を遮断、減少することができる。
【0025】そして、薄肉円筒の励振部80の励振或い
は共振周波数をf2 とすると共に、ダイヤフラム部84
の厚さと半径を適宜に選択してダイヤフラム部84自体
の共振周波数をf1 に設計し、ダイヤフラム部84の共
振周波数をf1 を励振部80の励振周波数f2 の1/4
倍或いは3/4倍に設定することにより、励振部80内
部の運動エネルギーをより多く内部に閉じ込めることが
できる。また、励振部およびダイヤフラム部を含むリン
グ型の振動体8は、恒弾性特性の金属材料或いは溶融水
晶により形成することにより、振動角速度センサの感度
特性および経年特性を良好にすることができる。
【0026】ダイヤフラム部の共振周波数f1 は下記の
通りである。但し、リング状の励振部がダイヤフラム部
の周縁に片端固定されてリング状の励振部の集中荷重が
当該周縁に存在するものとする。 f1=(λ2・t1/4πa2)√(E・g/3(1−σ2
γ) ここで、λ:境界条件および振動モードにより決まる無
次元の係数 E:ヤング率 γ:ダイヤフラム部の素材の比重 a:ダイヤフラム部の半径 t1 :ダイヤフラム部の厚さ σ:ポアソン比 g:重力加速度 半径aのダイヤフラム部の外周縁が自由で、半径bの内
周縁即ち台座の首の太さで固定される円板の共振周波数
としてaとbの比率に対するλは、機械工学便覧による
と、b/a=0. 276、σ=0. 3の時、λ=2. 5
0としている。
【0027】励振部の励振周波数f2 は下記の通りであ
る。但し、振動モード1の節で両端支持状態にあるもの
とする。 f2=(1/2π)√(k2/m2) ここで、k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
部の1/4の質量 図3を参照して第3の実施例を説明するに、リング型の
振動体8の励振部80は薄肉円筒、薄肉半球或は薄肉円
環より成る。85は励振部80を支える支持部を形成す
る直立した複数本の薄肉の脚部を示し、フレクチュア部
83’を複数本の薄肉の脚部85より成るものとしてい
る。この複数本の薄肉の脚部85はリング型の振動体8
の励振部80の下面周縁部に形成され、下端部は台座8
2に結合して支持されて励振部80を支持している。励
振部80と、脚部85と、台座82の3者は一体的に形
成され、そして、これら3者は互いに同一の材料により
形成されている。
【0028】リング型の振動体8の励振部80の下面周
縁部における複数本の薄肉の脚部85の形成される位置
については、これを励振部80の振動モード1における
振動の腹の4個所とするか、或いはこの振動モード1に
おける振動の節の4個所とすると好適である。ここで、
特に、リング型の振動体8の励振部80と励振部外部と
の間の振動衝撃の影響の遮断、減少を重視する場合は、
振動モード1において振動の小さい節の4個所に脚部8
5を形成する。そして、角速度センサとして回転角速度
によるコリオリ力誘起の振動に対する感度を重視する場
合は、振動モード1において振動の小さい節の4個所は
避けて、逆に振動モード1において振動の大きい腹の4
個所に脚部85を形成する。
【0029】更に、励振部80の「首振り」の防止効果
を重視し、励振部80全体の支承の安定性を確保したい
場合は、3点が1平面を決定する原理に基づいて脚部8
5を3本とする。脚部85を3本形成する場合、周方向
に120°の等角度間隔に離隔して脚部85を形成して
もよいし、または、励振部80の励振の腹の2個所と節
の1個所に脚部85を形成し、或いは節の2個所と腹の
1個所に脚部85を形成し、2等辺3角形の3点におい
て支持する構成としてもよい。第3の実施例においてフ
レクチュア部83’を複数本の薄肉の脚部85より成る
ものとすることにより、第1の実施例における単純な薄
肉の円筒フレクチュア部83と比較して、フレクチュア
部を更に柔軟で弾性定数の小さいものとすることができ
る。これにより、リング型の振動体8の励振部80に対
する励振部外部から進入する振動衝撃の影響の遮断、減
少効果を増大し、コリオリ力感度を増大することができ
る。そして、フレクチュア部83’自体が励振部80外
部から進入する振動衝撃により損傷することもない。ま
た、第3の実施例のフレクチュア部83’は、第1の実
施例の円筒フレクチュア部83と比較してより柔軟で弾
性定数の小さいものであるところから、同程度の柔軟性
をフレクチュア部に付与するに際してフレクチュア部の
高さをより低くすることができるので、励振部80の首
振り防止効果を一層改善することができる。更に、フレ
クチュア部83’は、その共振周波数を励振部80の共
振周波数の3/4倍にすると、1/4倍にする場合と比
較して更にフレクチュア部83’の高さを小さくするこ
とができる。
【0030】また、励振部およびフレクチュア部を含む
リング型の振動体8は、恒弾性特性の金属材料或いは溶
融水晶により形成することにより、振動角速度センサの
感度特性および経年特性を良好にすることができる。フ
レクチュア部の共振周波数f1 は下記の通りである。但
し、片端固定の梁にフレクチュア部の集中荷重が存在す
るものとする。 f1=(1/2π)√(k1/m1) ここで、k1=(E・w ・t1 3)/(12・β1・L1 3) E:ヤング率 L1:フレクチュア部の高さ w :フレクチュア部を構成する脚部の幅 t1:フレクチュア部の厚さ β1:たわみ係数(=1/3) m1:高さL1 、幅w の脚部に荷重するとみなされる等
価質量 以上において、フレクチュア部自体の質量は無視し、等
価質量m1 は当該フレクチュア部の梁状部分が支承する
質量、即ち、励振部の質量の1/4にほぼ等しい。
【0031】励振部の励振周波数f2 は下記の通りであ
る。但し、振動モード1の節で両端支持状態にあるもの
とする。 f2=(1/2π)√(k2/m2) ここで、k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:円筒励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
ち円筒励 振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
部の1/4の質量 上述した振動体を具備するリング型振動式角速度センサ
の動作を、特に、図1(b)を参照して概念的に説明す
る。振動体8の薄肉円筒或いは薄肉円環より成る励振部
80は、励振器4により圧電的、磁気的に駆動力を与え
られて、交流加振される。その結果、励振部80はそれ
自体の共振周波数で共振する。2は励振部80の共振状
態における振動振幅を検出する静電容量式位置検出器で
ある。静電容量式位置検出器2から出力される電気信号
は位置検出用信号増幅器3で増幅され、この増幅された
電気信号により先の励振器4を駆動する。この一連のフ
ィードバック構成により、薄肉円筒或は薄肉円環より成
る励振部80の振動振幅を振動モード1において一定に
保持している。
【0032】励振部80の振動モード1の振動状態にお
いて、支持部81の中心軸を入力軸とする薄肉円筒の励
振部80に円周方向の角速度が入力されると、励振部8
0には振動モード1と直交する方向にコリオリ力が作用
する結果、振動モード1の方向から45°回転した位置
において互いに90°位相を異にする振動モード2の振
動が発生する。即ち、励振軸から45゜回転した点であ
る振動モード1の節の位置に互に90゜位相を異にする
振動モード2の振動が入力角速度に比例した振幅で発生
する。これを出力信号検出用静電容量式位置検出器5に
より検出し、同期検波回路6において励振器4の励振周
波数を基準として同期検波処理を行い、入力角速度に比
例した出力信号を得る。この実施例においては、出力信
号検出用位置検出器5として静電容量式位置検出器5が
使用されているが、これを静電容量式に代えて圧電素子
式位置検出器或いは光検出素子式位置検出器を使用する
ことができる。
【0033】ここで、図4および図5を参照して第4の
実施例を説明する。図5は第4の実施例に使用されるメ
ッシュ穿孔薄肉部材を説明する図である。図4に示され
る第4の実施例は、図1に示される第1の実施例におい
て励振部80を支える薄肉の円筒フレクチュア部83を
図4に示されるメッシュ穿孔薄肉部材90により構成し
たものに相当する。メッシュ円筒フレクチュア部9には
方形メッシュ91が穿孔形成されている。未加工の円筒
フレクチュア部に穿孔加工を施してメッシュ91を形成
した結果、多数本のビーム92が格子状に残存形成され
る。メッシュの穿孔形成は、メッシュ91が形成される
べきところを除いて、ビーム92が形成されるところを
含む振動体8の全表面をマスキングを施し、フッ化水素
水溶液の如き酸性水溶液によりエッチング加工すること
により容易に実施することができる。振動体8を構成す
る原材料が恒弾性金属の場合も、溶融水晶の場合も同様
に以上のエッチング加工を施してメッシュ91およびビ
ーム92を形成することができる。
【0034】図6を参照するに、これはメッシュ穿孔薄
肉部材より成るモデルの体積比率と共振周波数変動率の
関係、および共振周波数変動率と体積比率1の共振周波
数にするモデル高さ変化率の関係を有限要素解析により
シミュレートした結果を示す図である。モデルの場合、
形成されたメッシュが存在することにより先の実施例の
如きフレクチュア部の共振周波数f1 の解析式を求める
ことができないので、これを有限要素解析して設計す
る。即ち、メッシュ円筒フレクチュア部9のモデル90
として、寸法2w ×2L ×0.2tmmの恒弾性金属材料
であるエリンバーを使用し、寸法0.1w×0.1L×0.
tmmの4角形のメッシュ91を穿設した場合のメッ
シュ91を穿設しない場合の体積に対する体積比を左側
の縦軸に示している。そして、メッシュ91を穿設しな
い場合の共振周波数に対するメッシュ91を穿設した場
合の共振周波数の変動率を横軸に示している。また、共
振周波数の変動分をメッシュ91を穿設しない場合の体
積比1の共振周波数に戻すのに必要なモデル高さ変化率
を右側の縦軸に示している。解析条件としてはモデル9
0’の下面を拘束した片持ち梁とし、材料特性値として
エリンバーの密度:8150kg/m2 、ヤング率:
1.77E11N/m2 を使用した。
【0035】図6において、メッシュ91を穿設しない
場合のモデル90’の共振周波数はa点において39k
Hzとし、このモデル寸法で励振部の振動の漏れを阻止
するには、励振部の励振周波数はモデル共振周波数39
kHzの4倍である156kHzとし、或いはモデル共
振周波数39kHzの4/3倍である52kHzとす
る。メッシュ91を穿設した場合の体積比をb点の0.
6とした場合に、モデル90’の共振周波数は共振周波
数変動率−18%で31. 8kHzとなる。メッシュ9
1を穿設しない場合のモデル90’の共振周波数が励振
部の振動漏れを阻止するに設計された適正値であるもの
とすると変動した共振周波数を元に戻すにはモデル9
0’の寸法である幅w、高さL、厚さtを変更すること
が必要となる。この場合、モデル90’の幅wを大と
し、高さLを低とし、厚さtを大とすると共振周波数を
高くすることができるが、モデル90’の高さLを低く
することが角速度センサを小型化する上において最も有
効である。高さLの変化率に換算すると13%の低減と
なる。
【0036】上述した通り、円筒フレクチュア部をメッ
シュ状に穿孔してメッシュ円筒フレクチュア部9を構成
すると、構成されたメッシュ円筒フレクチュア部9の全
体の密度は平均的に低下するが、これによりフレクチュ
ア部9の共振周波数は低下する。ところで、メッシュ円
筒フレクチュア部9の密度を低下して共振周波数を低下
し、メッシュ円筒フレクチュア部9の共振周波数を元通
りのf1 と等しくしたい場合、メッシュ円筒フレクチュ
ア部9の高さを低く設計することにより共振周波数を増
大することにより、先の共振周波数の低下を補償して元
のf1 のままとすることができる。換言すれば、メッシ
ュ円筒フレクチュア部9の密度を低下してメッシュ円筒
フレクチュア部9の高さを低くすることにより、振動体
8を軽量小型化し、角速度センサ全体を小型軽量化する
ことができる。そして、メッシュ円筒フレクチュア部9
の高さを低くすることができたことにより、外部から励
振部80に加えられる振動および衝撃により励振部80
が受けるモーメントは低減し、耐環境性は向上する。メ
ッシュ91を穿孔して縦横或は傾斜方向に形成されるビ
ーム92とすることにより、メッシュ円筒フレクチュア
部9自体の破壊強度は低下するが、メッシュ円筒フレク
チュア部9の長さ方向成分は残るので引っ張り強度は保
持され、フレクチュア部9の耐振動性および耐衝撃性は
向上する。
【0037】次いで、図7を参照して第5の実施例を説
明する。図7に示される第5の実施例は、図3に示され
る第3の実施例において励振部80を支えるフレクチュ
ア部83’を構成する脚部85を、第4の実施例と同様
に、図5に示されるメッシュ穿孔薄肉部材90により構
成したものに相当する。脚部85は振動モード1におい
て振動の小さい節の4個所に形成されている。この第5
の実施例の場合も、フレクチュア部83’を構成する脚
部85をメッシュ穿孔薄肉部材90に置換することによ
り、メッシュ穿孔薄肉部材90は、リング型振動式角速
度センサを構成する振動体8全体に対して、第5の実施
例の場合と同様な作用効果を奏し、フレクチュア部8
3’を構成する脚部85の密度を低下して脚部85の高
さを低くすることにより、振動体8を軽量小型化し、角
速度センサ全体を小型軽量化することができる。そし
て、フレクチュア部83’の脚部85の高さを低くする
ことができたことにより、外部から励振部80に加えら
れる振動および衝撃により励振部80が受けるモーメン
トは低減し、耐環境性は向上する。
【0038】図5において、穿孔形成されるメッシュ9
1の形状は4角形であったが、これは図8に示される如
き円形、3角形、菱形、に形成することができ、或いは
ビーム92を傾斜して形成する構成とすることができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明によれ
ば、振動体8の薄肉円筒或は薄肉円環より成る励振部8
0を径方向の振動モード1の定在波により励振し、検出
対象とする入力角速度が印加されることによるコリオリ
力により生じる定在波より90°位相を異にする出力振
動成分を検出するリング型振動式角速度センサにおい
て、励振部80と台座82の間に励振部80と同一材料
で励振部80より更に薄い円筒フレクチュア部83を一
体形成することにより、そして、励振部80と台座82
の間に励振部80と同一材料で励振部80より更に薄く
一体形成した円筒フレクチュア部の一部である脚部85
の複数本より成るフレクチュア部83’を構成すること
により、また、励振部80と台座82の間に励振部80
と同一材料のダイヤフラム部84を一体形成することに
より、薄肉円筒状或いは薄肉円環状の励振部80を雰囲
気温度変化或いは経年変化に対して安定して駆動するこ
とができる。
【0040】そして、励振部80の運動エネルギの外部
への漏洩を遮断し、励振部80に対する励振部外部から
進入する振動衝撃の影響を遮断、減少する効果を奏する
に到る。また、フレクチュア部83を適宜に設計してフ
レクチュア部83の共振周波数f1 を励振部80の共振
周波数f2 の1/4或いは3/4倍に設定することによ
り、励振部80の運動エネルギの外部への漏洩を遮断
し、励振部80に対する励振部外部から進入する振動衝
撃の影響を遮断、減少する効果を更に増大することがで
きる。
【0041】更に、これら励振部80を含む振動体8は
構造が単純化されており、構成部品数も少ないので、振
動式角速度センサの組み立て作業も単純化する結果、廉
価な振動式角速度センサを供給することができる。そし
て、この発明によれば、支持部81を薄肉円筒83或は
薄肉円環84より成るものとすることにより、この支持
部81を1本の棒状体により構成した従来例と比較し
て、支持部81の台座82固定部を支点とする励振部8
0の首振り運動を大きく減少することができる。また、
これら薄肉円筒83或は薄肉円環84より成る支持部8
1とすることにより、励振部80はその底が抜けた構成
とされて、その結果、励振部80においてコリオリ力に
感応する振幅の大きな振動領域を拡大してセンサの感度
を向上することができると共に、更に、位置検出器とし
て静電容量式位置検出器を採用する場合に有効な検出に
寄与する電極の面積を拡大することができ、検出器の感
度を向上することができる。
【0042】また、フレクチュア部を構成するメッシュ
穿孔薄肉部材90に置換してその密度を低下することに
よりフレクチュア部の高さを低くすることができ、これ
により振動体8を軽量小型化し、角速度センサ全体を小
型軽量化することができる。そして、フレクチュア部の
高さを低くすることができたことにより、外部から励振
部80に加えられる振動および衝撃により励振部80が
受けるモーメントは低減し、耐環境性は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する図。
【図2】第2の実施例を説明する図。
【図3】第3の実施例を説明する図。
【図4】第4の実施例を説明する図。
【図5】メッシュ穿孔薄肉部材を説明する図。
【図6】モデルの体積比率と共振周波数変動率の関係、
および共振周波数変動率と体積比率1の共振周波数にす
るモデル高さ変化率の関係を図。
【図7】第5の実施例を説明する。
【図8】メッシュ穿孔薄肉部材の変形例を示す図。
【図9】振動体の従来例を説明する図。
【図10】振動モードを説明する図。
【図11】リング型振動式角速度センサの動作を説明す
る図。
【図12】他の従来例を説明する図。
【符号の説明】
10 発振回路 2 静電容量式位置検出器 3 差動増幅器 31 ループフイルタ 32 第2ループフイルタ 4 励振器 5 出力信号検出用位置検出器 52 基準信号源 6 同期検波回路 61 フィードバック信号発生回路 8 振動体 80 励振部 81 支持部 82 台座 83 円筒フレクチュア部 83’フレクチュア部 84 ダイヤフラム部 85 脚部 Ed フイードバック電極 9 メッシュ形成円筒フレクチュア部 90 メッシュ穿孔薄肉部材 90’モデル 91 方形メッシュ 92 ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真崎 浩一郎 東京都渋谷区道玄坂1丁目21番2号 日本 航空電子工業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 BB03 BB04 BB13 CC04 CD02 CD06 CD13

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体の薄肉円筒或いは薄肉円環より
    成る励振部を径方向の振動モード1の定在波により励振
    し、検出対象とする入力角速度が印加されることによる
    コリオリ力により生じる定在波より90°位相を異にす
    る出力振動成分を検出するリング型振動式角速度センサ
    において、 励振部と台座の間に励振部と同一材料で励振部より更に
    薄い円筒フレクチュア部を一体形成したことを特徴とす
    るリング型振動式角速度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 円筒フレクチュア部の径を励振部の径とほぼ同一に形成
    し、円筒フレクチュア部の厚さおよび高さを選択設計し
    てフレクチュア部の共振周波数f1 を励振部の共振周波
    数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定したことを特徴
    とする振動角速度センサ。 ここで、f1=(1/2π)√(k1/m1) k1=(E・w・t1 3)/(12・β1・L1 3) E:ヤング率 L1:円筒フレクチュア部の高さ w:励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即ち円
    筒励振部の円周長の1/4 t1:フレクチュア部の厚さ β1:たわみ係数(=1/3) m1:高さL1 、距離wのフレクチュア片、即ち、円筒フ
    レクチュア部の1/4を構成する梁状部分に荷重すると
    みなされる等価質量 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) L2:円筒励振部の高さ t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
    部の1/4の質量
  3. 【請求項3】 薄肉円筒を径方向の振動モード1の定
    在波により励振し、検出対象とする入力角速度が印加さ
    れることによるコリオリ力により生じる定在波より90
    °位相の異なる出力振動成分を検出するリング型振動式
    角速度センサにおいて、 励振部と台座の間に励振部と同一材料で励振部より更に
    薄く一体形成した円筒フレクチュア部の一部である脚部
    の複数本より成るフレクチュア部を構成したことを特徴
    とする振動角速度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 複数本の薄肉の脚部の本数は4本であることを特徴とす
    る振動角速度センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 薄肉の脚部の形成される位置は励振部の振動モード1に
    おける振動の腹の4個所とすることを特徴とする振動角
    速度センサ。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 薄肉の脚部の形成される位置は励振部の振動モード1に
    おける振動の節の4個所とすることを特徴とする振動角
    速度センサ。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 複数本の薄肉の脚部の本数は3本であることを特徴とす
    る振動角速度センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 薄肉の脚部の形成される位置は励振部の励振の腹の2個
    所と節の1個所とし、或いは節の2個所と腹の1個所と
    することを特徴とする振動角速度センサ。
  9. 【請求項9】 請求項3ないし請求項8の内の何れか
    に記載されるリング型振動式角速度センサにおいて、 フレクチュア部の径を励振部の径とほぼ同一に形成し、
    フレクチュア部の厚さおよび高さを選択設計してフレク
    チュア部の共振周波数f1 を励振部の共振周波数f2
    1/4倍或は3/4倍に設定したことを特徴とする振動
    角速度センサ。 ここで、f1=(1/2π)√(k1/m1) k1=(E・w ・t1 3)/(12・β1・L1 3) E:ヤング率 L1:フレクチュア部の高さ w :フレクチュア部を構成する脚部の幅 t1:フレクチュア部の厚さ β1:たわみ係数(=1/3) m1:高さL1 、幅w の脚部に荷重するとみなされる等
    価質量 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) L2:円筒励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
    ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
    部の1/4の質量
  10. 【請求項10】 振動体の薄肉円筒或いは薄肉円環よ
    り成る励振部を径方向の振動モード1の定在波により励
    振し、検出対象とする入力角速度が印加されることによ
    るコリオリ力により生じる定在波より90°位相を異に
    する出力振動成分を検出するリング型振動式角速度セン
    サにおいて、 励振部と台座の間に励振部と同一材料のダイヤフラム部
    を一体形成したことを特徴とするリング型振動式角速度
    センサ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載されるリング型振
    動式角速度センサにおいて、 ダイヤフラム部の厚さおよび半径を選択設計してダイヤ
    フラム部の共振周波数f1 を励振部の共振周波数f2
    1/4倍或いは3/4倍に設定したことを特徴とする振
    動角速度センサ。 ここで、f1=(λ2・t1/4πa2)√(E・g/3(1
    −σ2)γ) λ:境界条件および振動モードにより決まる無次元の係
    数 E:ヤング率 γ:ダイヤフラム部の素材の比重 a:ダイヤフラム部の半径 t1 :ダイヤフラム部の厚さ σ:ポアソン比 g:重力加速度 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
    ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
    部の1/4の質量
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11の内の何
    れかに記載されるリング型振動式角速度センサにおい
    て、 励振部、フレクチュア部、ダイヤフラム部は恒弾性金属
    材料或いは溶融水晶により構成したことを特徴とする振
    動角速度センサ。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載されるリング型振動式
    角速度センサにおいて、 円筒フレクチュア部にメッシュを規則的に穿孔形成した
    ことを特徴とする振動角速度センサ。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載されるリング型振動
    式角速度センサにおいて、 メッシュ形成した円筒フレクチュア部の径を励振部の径
    とほぼ等しく形成し、円筒フレクチュア部の厚さ、高さ
    およびメッシュを選択設計して円筒フレクチュア部の共
    振周波数f1 を励振部の共振周波数f2 の1/4倍或い
    は3/4倍に設定したことを特徴とする振動角速度セン
    サ。ここで、 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
    ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
    部の1/4の質量
  15. 【請求項15】 請求項3ないし請求項8の内の何れか
    に記載されるリング型振動式角速度センサにおいて、 脚部の複数本より成るフレクチュア部にメッシュを規則
    的に穿孔形成したことを特徴とする振動角速度センサ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載されるリング型振動
    式角速度センサにおいて、 フレクチュア部の径を励振部の径とほぼ等しく形成し、
    このフレクチュア部の厚さ、高さおよびメッシュを選択
    設計してフレクチュア部の共振周波数f1 を励振部の共
    振周波数f2 の1/4倍或いは3/4倍に設定したこと
    を特徴とする振動角速度センサ。ここで、 f2=(1/2π)√(k2/m2) k2=(E・L2・t2 3)/(12・β2・w3) E:ヤング率 L2:励振部の高さ w:円筒励振部の振動モード1の節と節の間の距離、即
    ち円筒励振部の円周長の1/4 t2:円筒励振部の厚さ β2:たわみ係数(=1/48) m2:高さL2 、距離wの励振部の部分、即ち、円筒励振
    部の1/4の質量
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007052013A (ja) * 2005-08-08 2007-03-01 Litton Syst Inc 円筒状リングサスペンションを有するリング共振器ジャイロスコープ
JP2007514947A (ja) * 2003-12-19 2007-06-07 コミサリア、ア、レネルジ、アトミク 微細加工振動構造及び関連するマイクロ・ジャイロスコープ
CN113030275A (zh) * 2021-04-23 2021-06-25 同济大学 一种基于波速法的木结构含水率测量装置及方法

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