JP2001288697A - 抗菌加工紙 - Google Patents

抗菌加工紙

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JP2001288697A
JP2001288697A JP2000097159A JP2000097159A JP2001288697A JP 2001288697 A JP2001288697 A JP 2001288697A JP 2000097159 A JP2000097159 A JP 2000097159A JP 2000097159 A JP2000097159 A JP 2000097159A JP 2001288697 A JP2001288697 A JP 2001288697A
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Seiji Mitani
清司 三谷
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】穀物の熱水抽出エキスと、アルキルジメチ
ル−ベンザルコニウム−クロライドと、ラウリル−イミ
ノ−ジプロピオン酸と、ポリオキシ−プロピレングリコ
ールとを含有してなる抗菌剤Pの 5乃至10%水溶液を、
アクリル系バインダー樹脂と共に、紙材の表面に塗布す
る。抗菌剤Pを、段ボール紙1のライナ1A面又は、コ
ートボール紙の表面又はチップボール紙の表面に塗布す
る。 【効果】極めて高い安全性を有する。優れた抗菌効果、
防黴効果等を長期間持続させることができる。加工食品
関係、衣類関係、医療品関係など、あらゆる分野で使用
される抗菌加工紙の抗菌性能を飛躍的に高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医療、衣
料、家庭用品等の各種分野で使用される抗菌加工紙に係
り、高い安全性を有し、優れた抗菌効果、防黴効果等を
長期間持続させることができる抗菌加工紙に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】生鮮果実食品の防腐進行を遅らせる防腐
包装材が実開平1-163987号に記載されている。この防腐
包装材は、生鮮果実食品の輸送時及び販売時等における
防腐進行を遅らせようとするもので、特に輸送包装容器
に使用する段ボールや紙材に、針葉樹の抽出成分を浸
透、塗装せしめたものである。この防腐包装材による
と、輸送包装容器に使用する段ボールや紙材に塗装した
針葉樹の抽出成分が揮発することにより、この容器内に
針葉樹の抽出成分が充満して防腐効果を奏するものであ
る。
【0003】また一般家庭で使用される抗菌剤として、
アルコール系除菌剤の使用が多い。このアルコール系除
菌剤は、家庭用除菌スプレーや、除菌ウェットティッシ
ュ、病院等の手洗いなどに使用されている。
【0004】更に飲料水の消毒等に使用される殺菌消毒
剤として、次亜塩素酸ナトリウムが使用されている。こ
の次亜塩素酸ナトリウムは飲料水の他、果実や野菜の洗
浄、プール水、浴場水、下水、糞尿処理排水室内、医療
消毒等に用いられている。
【0005】一方、従来の抗菌剤として、主成分が銀、
銅、亜鉛などの重金属による銀系抗菌剤が主に使用され
ている。この銀系抗菌剤は、主に紙、砂、塗料、合繊、
ゴム合成樹脂等の加工製品作りに用いられる抗菌剤であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前者の防腐包装材は、
輸送包装容器に塗装した針葉樹の抽出成分が揮発するこ
とで防腐効果を奏するものである。したがって、この防
腐効果は、針葉樹の抽出成分が揮発するまでの間に限ら
れ、輸送時などの一時的な防腐効果が得られるとして
も、長期間の防腐効果を得ることはできない。
【0007】また、一般家庭で使用されるアルコール系
除菌剤においても、アルコールが揮発するまでの効果に
なるから、この種の除菌剤も長期の効果を期待すること
はできない。
【0008】更に、次亜塩素酸ナトリウムは、加熱や太
陽の光で分解されるために持続性に欠けるもので、使用
後に塩素の臭いが残る不都合もある。手が荒れるなどの
症状もみられ、常用すると皮膚炎をおこすおそれもあ
る。
【0009】一方、重金属による銀系抗菌剤では、安全
性に課題を有しており、銀系抗菌剤を製造する工場にお
ける人体への悪影響を懸念し、銀系抗菌剤製造廃止の動
きも出ているほどである。しかも、銀系抗菌剤の価格は
Kg当たり 5千円〜 2万円もするなど、製造コストが極め
て高くなっていた。
【0010】そこで本発明は、上述の課題を解消すべく
創出されたもので、極めて高い安全性を有し、しかも、
優れた抗菌効果、防黴効果等を長期間持続させることが
できる抗菌加工紙の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め本発明の第1の手段は、穀物の熱水抽出エキスと、ア
ルキルジメチル−ベンザルコニウム−クロライドと、ラ
ウリル−イミノ−ジプロピオン酸と、ポリオキシ−プロ
ピレングリコールとを含有してなる抗菌剤の 5乃至10%
水溶液を、アクリル系バインダー樹脂と共に、紙材の表
面に塗布したことにある。
【0012】第2の手段における抗菌剤は、アクリル系
バインダー樹脂と共に、段ボール紙のライナ面又は、コ
ートボール紙の表面又は、チップボール紙の表面に塗布
されたものである。
【0013】第3の手段における抗菌剤は、穀物の熱水
抽出エキス 5乃至15重量部、アルキルジメチル−ベンザ
ルコニウム−クロライド20乃至30重量部、ラウリル−イ
ミノ−ジプロピオン酸 2乃至15重量部、ポリオキシ−プ
ロピレングリコール 2乃至10重量部を含有したことを課
題解消のための手段とする。
【0014】本発明の抗菌剤は、常温で無色透明且つ無
臭の液体であり、通常pH4.5前後、ラット経口毒性LD50
は6000mg/kg 以上である。抗菌剤を使用するに際して
は、上記比率で混合した溶液を原液とし、 5乃至10%水
溶液をアクリル系バインダー樹脂と共に、紙材の表面に
塗布含浸せしめるものである。
【0015】また、本発明で使用する穀物の熱水抽出エ
キスは、穀物、例えば、大豆、小豆等の豆類や、麦、米
等を 2〜 3倍重量の水に10〜30時間浸漬した後、砕いて
泥状にし、100 ℃付近で10〜20分加熱する。ついで、80
℃付近で20〜60分加熱した後粗い目の布でろ過し白濁し
た乳液を得る。この乳液に、使用した穀物重量の4倍程
度になるように水を加える。この液に凝集剤、例えば蟹
殻抽出液等を加えて100 ℃付近で20〜60分加熱した後ろ
過して黄色透明の液体(pH4.5前後)を得る。そして、
この液を使用した穀物の半分前後の重量になるまで100
℃付近で加熱濃縮して得られる穀物の熱水抽出液を使用
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明抗菌加工紙は、抗菌剤の 5乃至10%水溶液
を用途に応じた種々の紙材表面に塗布したものである。
【0017】抗菌剤は、アクリル系バインダー樹脂と共
に塗布することで、強力に接着塗布することができる。
このアクリル系バインダー樹脂は、主に水系エマルジョ
ンとして使用するが、他の溶剤に混合して使用すること
もできる。
【0018】紙材は、用途に応じた種々の紙材を使用す
るもので、例えば、段ボール紙のライナ面又は、コート
ボール紙の表面等に塗布する。
【0019】本発明抗菌加工紙の用途例は次の通りであ
る。 −加工食品関係− ギョーザ、シューマイ、飲茶、あんまん、肉まん、中華
まん、たこ焼き、焼きそば、うどん焼き、大判焼、うど
ん、ラーメン、そうめん、フライドチキン、フライドポ
テト、ハンバーガー、フランクフルト、サンドイッチ、
ケーキ、食パン、菓子パン、饅頭、クッキー、チョコレ
ート、ドーナツ、餅、あられ、お茶、コーヒー、紅茶等
のあらゆる食品に関係する収納容器や包装用紙等。 −衣類関係− タオル、ハンカチ、スカーフ、ネクタイ、エプロン、帽
子、手袋、靴下、下着類全般、洋服(衣装)、小物類、
ベビー用品等のあらゆる衣類に関する収納容器や包装用
紙等。 −医療品関係− ガーゼ、脱脂綿、包帯、薬等のあらゆる医療品に関する
収納容器や包装用紙等。 −その他− ペット用トイレの中敷、靴の中敷等の抗菌加工紙を必要
とする紙製品。
【0020】このように、本発明抗菌加工紙は、あらゆ
る分野の紙製品に使用することが可能である。
【0021】次に、本発明の実施例について説明する。
実施例は、次の組成物を使用した。 (抗菌剤) 穀物の熱水抽出エキス10重量部 アルキルジメチル−ベンザルコニウム−クロライド25重
量部 ラウリル−イミノ−ジプロピオン酸 5重量部 ポリオキシ−プロピレングリコール 5重量部 (穀物の熱水抽出エキス)大豆600gを1500の水に20時間
浸漬した。次に、大豆を砕いて泥状にし、100 ℃で15分
加熱した後、80℃前後で30分保ち、粗い目の布でろ過し
た。白濁した乳液に水を加えて2400g とし、蟹殻抽出液
600gを加えて全量を3000g とする。更に、100 ℃で30分
加熱し、ろ過して固形物を分離し、黄色透明の液体(p
H4.5前後)を得た。この液を300gまで加熱濃縮した大豆
の熱水抽出液。
【0022】
【実施例1】実施例1は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した10
%溶液を使用する。加工紙は、表面にコートボール紙2
を、裏面に片段ボール紙1を張り合わせたものを使用す
る。そして、10%溶液の抗菌剤Pを、片段ボール紙1裏
面のライナ1A部分に塗布して抗菌加工紙を形成した
(図1参照)。 (抗菌試験方法)実施例1の10%溶液を 6 L用意し、 5
60mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布し
て抗菌加工紙を形成したところ、5.66 Lの残量があった
ので、塗布された溶液は0.35 Lになる。そこで、抗菌加
工紙 1m2当たりの塗布量は15.432ccとなり、抗菌加工紙
1枚当たりの塗布量は6.99ccになる。この抗菌加工紙を
1cm 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落下菌
で35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗菌力
を判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められ、抗菌
力があることを示した。
【0023】
【実施例2】実施例2は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した10
%溶液を使用する。加工紙は、片段ボール紙1のみを使
用し、10%溶液の抗菌剤Pを、片段ボール紙1裏面のラ
イナ1A部分に塗布して抗菌加工紙を形成した(図2参
照)。 (抗菌試験方法)実施例2の10%溶液を5.75 L用意し、
560mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布
して抗菌加工紙を形成したところ、5.39 Lの残量があっ
たので、塗布された溶液は0.36 Lになる。そこで、抗菌
加工紙 1m2当たりの塗布量は15.8732cc となり、抗菌加
工紙1枚当たりの塗布量は7.19ccになる。この抗菌加工
紙を1cm 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落
下菌で35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗
菌力を判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められ、抗菌
力があることを示した。
【0024】
【実施例3】実施例3は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した 5
%溶液を使用する。加工紙は、表面にコートボール紙2
を、裏面に片段ボール紙1を張り合わせたものを使用す
る。そして、 5%溶液の抗菌剤Pを、片段ボール紙1裏
面のライナ1A部分に塗布して抗菌加工紙を形成した
(図3参照)。 (抗菌試験方法)実施例3の 5%溶液を 6 L用意し、 5
60mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布し
て抗菌加工紙を設けたところ、5.66 Lの残量があったの
で、塗布された溶液は0.35 Lになる。そこで、抗菌加工
紙 1m2当たりの塗布量は15.432ccとなり、抗菌加工紙1
枚当たりの塗布量は6.99ccになる。この抗菌加工紙を1c
m 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落下菌で
35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗菌力を
判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められ、抗菌
力があることを示した。
【0025】
【実施例4】実施例4は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した 5
%溶液を使用する。加工紙は、片段ボール紙1のみを使
用し、 5%溶液の抗菌剤Pを、片段ボール紙1裏面のラ
イナ1A部分に塗布して抗菌加工紙を形成した(図4参
照)。 (抗菌試験方法)実施例2の 5%溶液を5.75 L用意し、
560mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布
して抗菌加工紙を設けたところ、5.39 Lの残量があった
ので、塗布された溶液は0.36 Lになる。そこで、抗菌加
工紙 1m2当たりの塗布量は15.8732cc となり、抗菌加工
紙1枚当たりの塗布量は7.19ccになる。この抗菌加工紙
を1cm 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落下
菌で35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗菌
力を判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められ、抗菌
力があることを示した。
【0026】
【実施例5】実施例5は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した10
%溶液を使用する。加工紙は、表面に耐水コート層2A
を設けたコートボール紙2を使用する。そして、10%溶
液の抗菌剤Pを、コートボール紙2の耐水コート層2A
部分に塗布して抗菌加工紙を形成した(図5参照)。 (抗菌試験方法)実施例1の10%溶液を 6 L用意し、 5
60mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布し
て抗菌加工紙を形成したところ、5.66 Lの残量があった
ので、塗布された溶液は0.35 Lになる。そこで、抗菌加
工紙 1m2当たりの塗布量は15.432ccとなり、抗菌加工紙
1枚当たりの塗布量は6.99ccになる。この抗菌加工紙を
1cm 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落下菌
で35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗菌力
を判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められた。こ
の阻止円は、非常に強い抗菌力があることを示してい
る。
【0027】
【実施例6】実施例6は、水道水 5 Lに対して、抗菌剤
500ml 、アクリル系バインダー樹脂500ml を添加した10
%溶液を使用する。加工紙は、表面に耐油コート層2B
を設けたコートボール紙2を使用する。そして、10%溶
液の抗菌剤Pを、コートボール紙2の耐油コート層2B
部分に塗布して抗菌加工紙を形成した(図6参照)。 (抗菌試験方法)実施例1の10%溶液を 6 L用意し、 5
60mm× 810mmサイズの加工紙50枚( 22.68m2)に塗布し
て抗菌加工紙を形成したところ、5.66 Lの残量があった
ので、塗布された溶液は0.35 Lになる。そこで、抗菌加
工紙 1m2当たりの塗布量は15.432ccとなり、抗菌加工紙
1枚当たりの塗布量は6.99ccになる。この抗菌加工紙を
1cm 角にサンプルカットし、DHL倍地を用いて落下菌
で35℃48時間培養した後の阻止円を観察し、その抗菌力
を判定した。 (試験結果)サンプルの裏面に阻止円が認められた。こ
の阻止円は、非常に強い抗菌力があることを示してい
る。
【0028】尚、本発明抗菌加工紙は、図示例の他、コ
ートボール紙2の裏面に抗菌剤Pを塗布したり、コート
ボール紙2の裏面にチップボール紙を接着し、このチッ
プボール紙の表面に抗菌剤Pを塗布したものを使用して
もよい。本発明において、用紙の変更は使用分野におけ
る抗菌加工紙の目的・用途によって、自由に変更できる
ものである。
【0029】表1は、本発明で使用する抗菌剤の抗菌力
における試験データを示している。
【0030】
【表1】 この結果、本発明で使用する抗菌剤は、O-157 、MRSA
(黄色ブドウ球菌)、大腸菌、緑膿菌、白癬菌、レジオ
ネラ菌、サルモネラ菌、カビに対して、極めて高い抗菌
力を発揮することが認められている。
【0031】また、抗菌効果の持続性は、抗菌砂におけ
る試験によって確認されている。この試験は、特殊工法
で抗菌した砂を、対候試験として屋外に 2年半の期間放
置しその後の抗菌効果を測定したもので、この結果、9
8.7%もの抗菌効果が認められた。このように、本発明
で使用する抗菌剤は、強力な抗菌力と持続性が極めて長
い抗菌効果が確認されている。
【0032】表2は、本発明で使用する抗菌剤の安全性
を示すデータである。
【0033】
【表2】 この結果、皮膚一次刺激性試験は陰性を示している。こ
の試験は、抗菌剤を添加した紙タオルを、ラットの皮膚
に24時間貼付した結果、ラットの皮膚に対する刺激性が
認められなかったことを示している。また、急性経口毒
性試験(LD50値)は、6000mg/kg 以上であることが確
認されている。このLD50値は、数値が高いほど安全性
が高いもので、2000mg/kg 以上が安全基準に合格とされ
ている。また、コーヒーのカフェインが示すLD50値は
1950mg/kg 以上で、塩が示すLD50値は4500mg/kg 以上
であることと比較すると本発明で使用する抗菌剤がいか
に安全性に優れているかが実証できる。しかも、本発明
で使用する抗菌剤は、食品添加物等の規格基準第5洗浄
剤試験にも合格している。この結果、この抗菌剤を稀釈
して野菜、果実、食器等の洗浄に使用することが認めら
れている。
【0034】表3乃至表5は、本発明で使用する抗菌剤
の消臭力を示すデータである。
【0035】
【表3】 表3はアンモニアに対するディッピング法による消臭デ
ータを示している。このデータによると、120ppmのアン
モニア臭が僅か30分で 0ppm になったことを示してい
る。
【0036】
【表4】 表4はアンモニアニ対する吸着法による消臭データを示
している。このデータによると400ppmのアンモニア臭が
僅か30分で 0ppm になったことを示している。
【0037】
【表5】 表5によると、酸性ガス(メチルカプタン) 2 Lに対す
る吸着法による消臭データを示している。このデータに
よると、25ppm の酸性ガスが60分で 7ppm まで吸着され
ていることを示している。
【0038】これらのデータからも明らかなように、本
発明で使用する抗菌剤は、優れた抗菌効果の他に、優れ
た脱臭効果を奏することも証明されている。この結果、
例えば、医療分野における排泄物処理等に使用する場合
にも好適であり、本発明抗菌加工紙の利用分野を、更に
拡大せしめる事が可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成したことによ
り、極めて高い安全性を有し、しかも優れた抗菌効果、
防黴効果等を長期間持続させることができる抗菌加工紙
の提供が可能になった。
【0040】この結果、加工食品関係、衣類関係、医療
品関係など、あらゆる分野で使用される抗菌加工紙の抗
菌性能を飛躍的に高めることができるなどといった産業
上有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の第3実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図4】本発明の第4実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図5】本発明の第5実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図6】本発明の第6実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
P 抗菌剤 1 片段ボール紙 1A ライナ 2 コートボール紙 2A 耐水コート層 2B 耐油コート層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀物の熱水抽出エキスと、アルキルジメ
    チル−ベンザルコニウム−クロライドと、ラウリル−イ
    ミノ−ジプロピオン酸と、ポリオキシ−プロピレングリ
    コールとを含有してなる抗菌剤の 5乃至10%水溶液を、
    アクリル系バインダー樹脂と共に、紙材の表面に塗布し
    たことを特徴とする抗菌加工紙。
  2. 【請求項2】 前記抗菌剤は、アクリル系バインダー樹
    脂と共に、段ボール紙のライナ面又は、コートボール紙
    の表面又は、チップボール紙の表面に塗布された請求項
    1記載の抗菌加工紙。
  3. 【請求項3】 前記抗菌剤は、穀物の熱水抽出エキス 5
    乃至15重量部、アルキルジメチル−ベンザルコニウム−
    クロライド20乃至30重量部、ラウリル−イミノ−ジプロ
    ピオン酸 2乃至15重量部、ポリオキシ−プロピレングリ
    コール 2乃至10重量部を含有した請求項1又は請求項2
    記載の抗菌加工紙。
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