JP2001288104A - 免疫賦活剤および治療剤 - Google Patents

免疫賦活剤および治療剤

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JP2001288104A
JP2001288104A JP2000099089A JP2000099089A JP2001288104A JP 2001288104 A JP2001288104 A JP 2001288104A JP 2000099089 A JP2000099089 A JP 2000099089A JP 2000099089 A JP2000099089 A JP 2000099089A JP 2001288104 A JP2001288104 A JP 2001288104A
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Kaname Ishibashi
要 石橋
Shigetoshi Okazaki
茂俊 岡崎
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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BUNSHI BIOPHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慢性の細菌感染症、例えば慢性肉芽腫症患者
における免疫能を賦活することにより、前記疾病に対す
る治療効果を発揮する免疫賦活剤を提供する。 【解決手段】 ブラジキニンを有効成分として含むこと
を特徴とする免疫賦活剤。特に、慢性肉芽腫症における
治療効果を有することを特徴とする前記の免疫賦活剤お
よびそれからなる慢性肉芽腫症の治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫賦活剤および
治療剤に関する。より詳しくは、細胞内カルシウム濃度
を上昇させることにより、好中球のスーパーオキサイド
産生能を上昇させる作用を有する免疫賦活剤に関する。
さらに、本発明は、前記の免疫賦活作用に基づく慢性肉
芽腫症の治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血球細胞の一種である好中球により産生
されるスーパーオキサイドは、人体に侵入した細菌やウ
イルスを殺傷する作用を有するため、生体防御において
重要な役割を担っている。しかし、なんらかの原因によ
ってスーパーオキサイド産生機能が欠如または低下した
場合、慢性的な細菌感染症に罹患することが知られてお
り、このような疾病の一種として慢性肉芽腫症が挙げら
れる。慢性肉芽腫症の原因は多様であるため、以下に示
すような多くの対処療法および原因療法が実施されてき
た。
【0003】すなわち、対処療法としては、主にST(sul
famethoxazole-trimethoprim)合剤を慢性肉芽腫症患者
に投与することにより、体内での細菌の繁殖を阻止する
方法が取られてきた。
【0004】また、原因療法としては下記の諸方法が取
られてきた。 (1)顆粒球輸血法:慢性肉芽腫症患者とHLA(ヒト
組織適合抗原)の遺伝子型が一致する健常な血液提供者
(ドナー)から得られた顆粒球を、前記患者に輸血によ
り投与する方法。 (2)骨髄移植法:紫外線照射により生来の骨髄細胞が
死滅している慢性肉芽腫症患者に、ドナーから採取され
た骨髄液を移植することにより、前記患者の血球細胞を
健常なものと置換する方法。 (3)遺伝子治療法:スーパーオキサイドの産生不全に
おいて、原因が特定の遺伝子の異常である場合、レトロ
ウイルスベクターに正常な遺伝子を導入し、前記ベクタ
ーを患者の骨髄幹細胞に導入することにより正常な遺伝
子と置換し、正常なスーパーオキサイドの産生を促す方
法。
【0005】しかし、上記の対処療法では合剤に対する
抵抗性を獲得する細菌が出現する可能性があり、前記合
剤が効果を示さないばかりか、合剤耐性菌を蔓延させる
ことになる可能性があった。
【0006】また、上記の原因療法において、(1)顆
粒球輸血法および(2)骨髄移植法については、患者と
ドナーのHLAの遺伝子型が一致する必要があり、全て
の患者に適用可能な方法ではなかった。また、(3)遺
伝子治療法については、レトロウイルスベクターの使用
に際して安全性が十分に確保されているとは言えないこ
と、あるいは、本来生体内に有しない遺伝子を生体内に
導入することについて倫理上の問題が解決しているとは
言えないこと等の問題があった。さらに、原因療法の場
合には、好中球などの血球細胞以外に慢性肉芽腫症の病
因が存在し、しかも前記病因が特定されていない場合に
は治療することができず、結局、上記の対処療法に頼ら
ざるを得なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、慢性の細
菌感染症、例えば慢性肉芽腫症患者における免疫能を賦
活することにより、前記疾病に対する治療効果を発揮す
る免疫賦活剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、慢性肉芽腫症にお
いて、細胞外液のカルシウムイオンを細胞内に取りこむ
ことができないため、スーパーオキサイドの産生に必要
な細胞内カルシウム濃度が確保されないことによって生
じるスーパーオキサイドの産生減少を是正し、生体の免
疫能を顕著に賦活する作用をブラジキニンが有すること
を、刺激剤としてfMLP(フォルミル−メチオニル−ロイ
シル−フェニルアラニン)を作用させることにより見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の免疫賦活剤は、ブラジ
キニンを有効成分として含むことを特徴とする免疫賦活
剤である。
【0010】また、本発明の免疫賦活剤は、慢性肉芽腫
症における免疫賦活作用を有することを特徴とする上記
に記載の免疫賦活剤である。
【0011】さらに、本発明の免疫賦活剤は、細胞内の
カルシウム濃度を上昇せしめることにより免疫賦活効果
を発揮することを特徴とする、上記に記載の免疫賦活剤
である。
【0012】特には、本発明の免疫賦活剤は、前記細胞
が好中球であることを特徴とする、上記に記載の免疫賦
活剤である。
【0013】また、本発明の治療剤は、ブラジキニンを
有効成分として含むことを特徴とする慢性肉芽腫症の治
療剤である。さらに、本発明の治療剤は、細胞内カルシ
ウム濃度を上昇せしめることにより治療効果を発揮する
ことを特徴とする、前記に記載の治療剤である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0015】本発明の免疫賦活剤は、ブラジキニンを有
効成分として含むことを特徴とする免疫賦活剤である。
【0016】本発明にかかるブラジキニン(Bradykini
n)とは、血漿中のキニノーゲンからカリクレインおよ
びトリプシンにより遊離される9アミノ酸残基から構成
される配列表の配列1に記載のペプチド(Arg-Pro-Pro-
Gly-Phe-Ser-Pro-Phe-Arg)であり、血圧降下作用なら
びに血管透過性の亢進作用を有することが知られてい
る。ブラジキニンは血管内皮細胞または血管平滑筋細胞
の細胞内カルシウム濃度を高める作用を有することは古
くから知られていたが、近年、ブラジキニンの高親和性
受容体が、ヒト好中球の細胞表面に存在することが報告
されている(Rajasekriah, et al. Biochem. Mol. Bio
l. Int. 43, 2, 279 (1997))。しかしながら、ブラジ
キニンが本明細書に記載するような免疫賦活作用を有す
ることは本発明以前には当業者に全く認識されていなか
った。
【0017】本発明の免疫賦活剤であるブラジキニンを
疾病の治療薬、例えば本発明の慢性肉芽腫症の治療剤と
して患者に投与する方法としては、直接目的とする臓
器、組織に投与する方法の他、非経口で投与する方法が
望ましい。例えば、皮下、筋肉、静脈、動脈への注射、
点滴が含まれる。
【0018】また、投与量は、患者の年齢、投与経路、
投与回数により異なるため、適宜変えることによって、
その患者に効き目がある量(有効量)を知る必要があ
る。有効量が決まれば、本発明のブラジキニン(有効
量)に、適切な希釈剤、安定化剤、緩衝剤、保存剤、等
張化剤等が添加された組成物として、通常単位投与量ア
ンプル若しくは多投与量容器またはチューブの形態で投
与される。一般に有効量の範囲は1〜100,000μ
g/Kg体重/日と広く、前記範囲内で連続的にあるい
は1日1回から数回に分けて、または数日ごとに1回投
与される。
【0019】また、ブラジキニンによって細胞内カルシ
ウム濃度が上昇したときに、刺激剤としてfMLPを添加す
ることにより、スーパーオキサイド産生量を著しく上昇
せしめることが可能である。fMLPは好中球遊走ペプチド
であって、好中球細胞表面上のfMLP受容体に特異的に結
合し、細胞内カルシウム濃度を高める作用を有する。fM
PLの投与量は、ブラジキニンによる免疫賦活作用を発揮
させるに十分な量を用いることができ、当業者が適宜決
めることができる。
【0020】さらに、fMLP以外に、細胞内カルシウム濃
度の増加に伴いスーパーオキサイドを産生せしめる因子
が知られており、fMLPと同様の作用を有する薬剤として
使用可能であると考えられる。具体的には、補体(comp
lement)の一種であり白血球の強力な走化性因子である
C5a、好中球の細胞表面Fcγ受容体に結合するIgG(免疫
グロブリンG)、およびPAF(血小板活性化因子)が挙げら
れる。
【0021】また、本発明の免疫賦活剤が治療効果を発
揮する対象疾病としては、慢性肉芽腫症が挙げられる。
慢性肉芽腫症とは、スーパーオキサイド産生機能を欠く
ために慢性的な細菌感染症に罹患する疾病である。この
慢性肉芽腫症の成因は不特定多様であるが、慢性肉芽腫
症患者には、fMLPで刺激しても細胞膜の脱分極が観察さ
れない好中球を有するケースが以前から報告されている
(Cohen, H.J. et al.Blood, vol. 58, No.5, 975-982(1
981), Lazzari, K.G. et al. J. Biol. Chem.Vol. 265,
No. 19, 10959-10967(1990), Ahlin, A. et al. J. La
b. Clin. Med. Vol. 125, No.3, 392-401(1995))。この
ような好中球では、細胞膜の膜電位の変化を感知して開
口する膜電位依存性のカルシウムイオンチャネルが機能
しないことから、細胞外液中のカルシウムイオンを細胞
内に動員できず、スーパーオキサイド産生に十分な細胞
内カルシウムイオン濃度が確保できないと考えられてい
る。この仮説は、電位依存性カルシウムイオンチャネル
阻害薬がスーパーオキサイドの産生を阻害することによ
って支持されている(J. J. Zimmerman et al., Bioche
m. Pharmacol. 38, 3601-3610(1989), R. Levy et al.,
Eur. J. Clin. Invest. 26: 376-381(1996))。以上よ
り、刺激に伴う細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が不
十分であることが慢性肉芽腫症の病因の一つであると考
えられる。これは、カルシウムイオン濃度の低下によっ
てNADPHオキシダーゼの活性が低下し、その結果、NADPH
の酸化に伴って産生されるスーパーオキサイドが欠如あ
るいは十分に産生されないため、本来であればスーパー
オキサイドによって殺傷されるべき人体に侵入した細菌
やウイルスを殺傷できなくなることが原因であると考え
られる。
【0022】すなわち、本発明の免疫賦活剤は、上記の
原因で低下したスーパーオキサイド産生能を、細胞内カ
ルシウム濃度を上昇せしめることにより正常な産生量に
まで是正することが可能である。
【0023】また、本発明の免疫賦活剤が作用する細胞
はヒトの血球細胞が好ましく、なかでも好中球がより好
ましい。血球細胞には赤血球、白血球および血小板が含
まれ、さらに白血球には顆粒球、単球、リンパ球および
ナチュラルキラー細胞が含まれる。顆粒球にはさらに好
中球、好酸球および好塩基球が含まれ、リンパ球にはB
細胞およびT細胞が含まれる。単球はさらに分化するこ
とによりマクロファージとなり、好中球とともに、生体
内に侵入した細菌等の微細な生物を捕食し殺傷する作用
を有する。従って、好中球およびマクロファージは、生
体の免疫機能の一端を担っていると言える。
【0024】なお、本発明の免疫賦活剤の薬理作用の機
序として考えられる細胞内カルシウム濃度の上昇のメカ
ニズムについては以下のとおりである。すなわち、細胞
表面の受容体を介する刺激により、細胞内にカルシウム
イオンを取り込むカルシウムイオン流入の経路は、
(1)細胞膜上のカルシウムイオンチャネルを介して細
胞外液からカルシウムイオンを取り込む経路、(2)細
胞内カルシウムストアと呼ばれる小胞体から細胞内カル
シウムチャネルを介して細胞質へカルシウムイオンを取
り込む経路、の二つに大別される。さらに、血球細胞に
は、上記経路以外に(3)SOCI(store operated c
alcium influx)と呼ばれる経路が存在し、細胞内カル
シウムストア内のカルシウムイオン濃度の低下を感知
し、細胞外液からカルシウムイオンを取り込むことが知
られている。
【0025】しかし、上記の細胞表面の受容体を介する
刺激によって生じるカルシウムイオンの取り込みが正常
に行われない場合がある。例えば、上記の細胞膜上に存
在するカルシウムチャネルの開閉機能が損なわれている
場合や、上記の細胞を取り巻く環境に異常があり、前記
カルシウムチャネルの機能が不活化されている場合が挙
げられる。その結果、好中球やマクロファージなどの血
球細胞中で産生されるスーパーオキサイドが著しく減少
すると考えられる。慢性肉芽腫症は、スーパーオキサイ
ドの産生機能が欠如しているために慢性的な細菌感染症
に罹患するするものであるが、その原因は多様であり、
上記のいずれのメカニズムもその原因として考えられ
る。
【0026】本発明によれば、細胞外液中にカルシウム
イオンが存在する場合に、好中球にブラジキニンを投与
することにより細胞外液中からカルシウムイオンを能動
的に取りこみ、その結果、スーパーオキサイドの産生が
上昇することにより免疫能を賦活化せしめることが可能
である。
【0027】特に、本発明の免疫賦活剤は、現在に至る
まで効果的な治療法が見出されていない慢性肉芽腫症に
治療薬として適用されると非常に画期的な治療効果をあ
げる可能性がある。
【0028】なお、細胞内カルシウム濃度を測定する方
法については、特願平10−308688公報に記載の
方法を用いることができる。すなわち、被測定試料であ
る細胞に励起光をパルス的に照射して、励起光が被測定
試料に照射されていないときに被測定試料においてスー
パーオキサイド産生に伴い発生した化学発光を検出し、
励起光が被測定試料に照射されているときに被測定試料
において細胞内カルシウム濃度変化に伴い発生した蛍光
を検出することにより、同一試料で発生した化学発光お
よび蛍光をそれぞれ同時に検出するものである。従っ
て、前記方法は、本発明の慢性肉芽腫症の治療剤を患者
に投与し、治療処置を行うとき、その治療効果をモニタ
ーするために使用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。(実施例1)慢性肉芽腫症患者(好中球内カルシウムイ
オン濃度の低下を伴う場合)の好中球内カルシウム濃度
およびスーパーオキサイド産生速度の測定 (好中球の分離)健常者から14.0 ml、慢性肉芽腫症患
者Aから13.5 mlの血液を採取した後、それぞれに最終
濃度が10 U/mlになるようにヘパリンを加えた。前記血
液溶液を2倍容の3%デキストランを含むPBS(phosphate
buffered saline)溶液と混和し、室温で15分間静置す
ることにより赤血球を沈降させた後、上清21.5 mlを得
た。前記上清をフィコールパック(ファルマシア社製)
15 mlに静かに重層し、490×g(1,600 rpm)で30分間遠心
した。得られた沈殿を冷H2O 10 mlに10秒間浸し、浸透
圧ショックにより赤血球を破壊後、0.5 mM EGTAを含む2
×PBS(-)10 mlを加え、さらにHBSS(Hanks' Balanced S
alt Solution, GIBCO BRL社製)10 mlを加えた後、490
×gで10分間遠心した。得られた沈殿を0.5 mM EGTAを含
むKRH緩衝液(139 mM NaCl, 4.75 mM KCl, 1.2 mM KH2P
O4, 1.2 mM MgSO4・7H2O, 3.6 mM NaHCO3, 10 mM Hepes
(2-[4(2-Hydroxyethyl)-1-poperazinyl]ethanesulfonic
acid)(pH 7.4))15 mlで1回洗い10% RPMI(Roswell P
ark Memorial Institute)細胞培養液で懸濁した。
【0030】(カルシウム蛍光指示薬fluo3-AMおよび化
学発光試薬CLA処理)上記で得られた好中球懸濁液に最
終濃度が3 μMになるようにfluo3-AM(1−[2−アミ
ノ−5−(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−3−オ
キシ−9−ザンテニル)フェノキシ]−2−(2−アミ
ノ−5−メチルフェノキシ)エタン−N,N,N',N'
−四酢酸(1-[2-Amino-5-(2,7-dichloro-6-hydroxy-3-o
xy-9-xanthenyl)phenoxy]-2-(2-amino-5-methylphenox
y)ethane-N,N,N',N'-tetraacetic acid)を添加し、37
℃、5% CO2存在下で1時間静置することにより細胞内にf
luo3-AMを取り込ませた。前記の細胞をRH緩衝液(154 m
M NaCl, 5.6 mM KCl, 10 mM Hepes(2-[4(2-Hydroxyethy
l)-1-poperazinyl]ethanesulfonic acid)(pH 7.4))20
mlで2回洗い、前記緩衝液3 mlに懸濁した。得られた
細胞懸濁液(細胞数は2.04〜3.92×105個)を石英セル
に入れ、1 mM CaCl2および5 mM EGTAを添加した(対象
群として1 mM CaCl2および5 mM EGTAを無添加のものも
準備した)。得られた細胞懸濁液に最終濃度4 μM CLA
(2−メチル−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダ
ゾ[1,2−a]ピラジン−3−オン(2-methyl-6-phe
nyl-3,7-dihydroimidazo[1,2-a]pyrazin-3-one))を加
えた後、化学発光および蛍光の同時測定装置の測定試料
用セルホルダーに入れ、37℃に保ちながら攪拌した。セ
ルホルダー内の細胞懸濁液に、500 msec間隔でチョッパ
ーを作動させながらfluo3の励起光であるアルゴンレー
ザー光(波長488 nm)を照射した。前記アルゴンレーザ
ー光を照射後100秒後に1 μM fMLPで、500秒後に最終濃
度0.1 μM PMA(phorbol myristate acetate)を添加し
たときのfluo3蛍光強度とCLA化学発光の変化をモニター
した。また、前記細胞懸濁液にさまざまな濃度(最終濃
度 1 - 1,000nM)の fMLPを添加した際の細胞内カルシ
ウム濃度とスーパーオキサイド産生速度の変化を測定す
るため、前記石英セル中の細胞懸濁液に1 mM CaCl2を4
μM CLAとともに添加した後、前記細胞懸濁液を化学発
光および蛍光の同時測定装置の測定試料用セルホルダー
に入れ、37℃で攪拌した。上記と同様の励起光照射条件
下で細胞のインキュベーションを開始し、50、200、35
0、750秒後にそれぞれ1 nM、10 nM、100 nM、1 μM のf
MLPを添加したときのfluo-3蛍光強度とCLA化学発光の変
化をモニターした。
【0031】(細胞内カルシウム濃度の算出)次に、fl
uo3の蛍光強度から細胞内カルシウム濃度(nM)を算出
するために、石英セルに上記細胞懸濁液を入れ、さらに
1 mM CaCl2を加え、上記と同様の励起光照射条件下で細
胞のインキュベーションを開始した。インキュベーショ
ン開始100秒後、前記細胞懸濁液に最終濃度が0.1%にな
るようにTriton X-100を添加し、細胞の溶解に伴って増
加するfluo-3の蛍光強度を検出した。さらに200秒後
に、最終濃度が10 mMになるようにEGTAを加え、カルシ
ウムイオンをキレートさせた場合に前記蛍光強度が減少
する様子を検出した。fluo-3のような1波長励起・1波
長蛍光型Ca指示薬に関する次式、 Ca2+[nM] = (F-Fmin) / (Fmax-F) × Kd (Grynkicwicz, G., Poenie, M., Tsien, R.Y., J. Bio
l. Chem. 260, 3440-3450, 1985)に、上記Triton X-10
0を添加したときに得られた最大蛍光強度値(Fmax)お
よびEGTAを添加したときに得られた最小蛍光強度値(Fm
in)を代入し、各蛍光強度値(F)に相当する細胞内カ
ルシウム濃度(nM)を算出した。(ただし、Kdはfluo3
におけるカルシウムイオンとの解離定数であり、文献値
390 nM(Handbook of Fluorescent Probes and Researc
h Chemicals, Sixth Edition, 1996)を代入した)。
【0032】(スーパーオキサイド産生速度の算出)次
に、得られた化学発光強度の値の変化から、スーパーオ
キサイドの産生速度(pmol/sec/ml)を算出するため
に、キサンチンオキシダーゼ(XOD)によって生成され
るスーパーオキサイドを化学発光で検出し、同条件下で
産生される細胞懸濁液のスーパーオキサイドを定量する
方法を確立した。
【0033】ここで、XODとは、ヒポキサンチンを基質
としてスーパーオキサイドを発生させる酵素である。XO
Dを用いた酵素反応は試験管内で簡便に行うことがで
き、スーパーオキサイドの産生量は複数の実験間で非常
に再現性が高い。一方、生体内で産生されるスーパーオ
キサイドは、細胞の状態により産生量に差異が生じ易
く、再現性が高いとは言えない。従って、XODによって
産生されたスーパーオキサイドが化学発光試薬CLAを酸
化する際に示す化学発光強度を基準としてその産生速度
を算出することとした(中野 稔、吉川敏一編集、スー
パーオキサイドと発光、107-112)。一方、スーパーオ
キサイドによって還元されるチトクロームcは、微生物
等に存在するヘム蛋白質であり、その中のヘムがFe3+
e-→Fe2+ の反応を受けることにより、同蛋白質の還元
型は550 nmに吸収極大を示す。1分子のチトクロームc
は1分子のスーパーオキサイドによって還元されること
から、還元型チトクロームcを定量すれば、還元反応に
費されたスーパーオキサイドを定量することが可能であ
ると考えられる。このようなチトクロームcの性質を利
用して、酵素活性が既知であるXODによって生成される
スーパーオキサイドについて、この産生にともなうCLA
化学発光の強度変化と還元型チトクロームcの産生量を
測定し、両者の対応関係に基づいてスーパーオキサイド
の化学発光強度からモル濃度に換算するための式を導い
た。以下にその方法および結果を示した。すなわち、 (1)XOD酵素反応により生成されたスーパーオキサイ
ドによるCLA化学発光強度の測定 1.5 mMヒポキサンチンおよび4 μM CLAを含むRH buffer
(154 mM NaCl, 5.63mM, 10 mM Hepes (pH 7.4))を測
定試料用セルホルダーに入れ、37℃で5分間撹拌した。
前記溶液に、最終濃度が0、2.0、5.0、10.0、25.0、50.
0、75.0、100 mU/mlになるようにXODを添加し、CLAの化
学発光強度(counts / 0.2 sec)の変化を経時的に測定
した。前記の測定は、測定条件を統一するために(化学
発光および蛍光の同時測定と同様に)、500msec間隔で
チョッパーを作動させながら、アルゴンレーザー光(波
長488 nm)を励起光として行った。その結果、XODの添
加濃度にかかわらず、添加後10秒以内で最大発光強度
が得られた。前記の最大発光強度は、0.5 mlの試料溶液
について得られた値であるため、単位体積あたりの発光
強度/時間 I(kcps (kcounts per second)/ml)に換算
した。なお、データは3回測定した平均値±標準誤差で
ある。 次に、I(kcps/ml)を縦軸にXOD(mU/ml)を横軸にプロ
ットし、以下の式を得た。 I(kcps/ml)= 19.92 × XOD(mU/ml)+ 5.03 …(A) (2)チトクロームc還元法によるスーパーオキサイド
の定量 各濃度のXODを1.5 mMヒポキサンチン、80 μM チトクロ
ームcを含むRH buffer(154 mM NaCl, 5.63 mM KCl, 1
0 mM Hepes (pH 7.4))に添加し、経時的に反応溶液の
吸光度(測定波長:550 nmならびに540 nm)を測定し
た。各XOD濃度における550 nmと540 nmの吸光度値の差
(OD:550-540)を以下のように求めた。
【0034】
【表1】
【0035】次に、スーパーオキサイドのモル濃度を求
めた。なお、セル光路幅が1cmであれば、還元型チトク
ロームcのモル吸光係数=21.0/mMであるため、以下のよ
うにスーパーオキサイドのモル濃度が得られる。
【0036】 スーパーオキサイド(mM)= OD 550-540/21.0 スーパーオキサイド(mM)の値より、スーパーオキサイ
ド(nmol/ml)および反応時間(min)あたりのスーパー
オキサイド(nmol/min/ml)を求めた。結果を以下に示
す。XOD スーパーオキサイド産生速度(nmol/min/ml) 2 mU/ml 1.01±0.02 5 mU/ml 2.36±0.41 10 mU/ml 3.85±0.13 25 mU/ml 7.42±0.45 50 mU/ml 18.30±0.96 75 mU/ml 27.09±5.18100 mU/ml 40.35±0.58 これらの値より、XOD(mU/ml)を横軸に、スーパーオキ
サイド生成反応速度(nmol/min/ml)を縦軸にプロット
し、以下の式を得た。 スーパーオキサイド(nmol/min/ml)= 0.3666 × XOD(mU/ml)+ 0.1896 または スーパーオキサイド(pmol/sec/ml)= 6.11 × XOD(mU/ml)+ 3.16 …(B) (3)細胞外液中のスーパーオキサイドのモル濃度換算 (A)、(B)より以下の式を得た。 スーパーオキサイド(pmol/sec/ml)= 3.1 × I(kcps/ml) + 1.62 …(C) 上記の(C)の式より、化学発光強度の実測値(kcounts
/0.2 sec)から得たCLA化学発光強度値I(kcps/ml)を
式(C)に代入し、得られたスーパーオキサイド(pmol/
sec/ml)のモル濃度と細胞数から、単位細胞数あたりの
スーパーオキサイド産生速度(pmol/sec/ml/106 cell
s)を算出した。
【0037】上記の算出方法によって得られた患者Aお
よび健常者の好中球をfMLPおよびPMAで刺激したときの
測定結果を、時間を横軸に取り、細胞内カルシウム濃度
(nM)およびスーパーオキサイド産生速度(pmol/sec/m
l/106 cells)を両縦軸に取ったグラフで示した(図1
〜5)。さらに細胞内カルシウム濃度(nM)についてfM
LPの添加を開始した時点を基準に応答のピークまでの時
間(秒)および濃度の変化値(nM)を求めた。また、ス
ーパーオキサイドの産生についても同様にfMLPまたはPM
Aによる刺激開始から応答のピークまでの時間(秒)お
よび産生速度の変化値(pmol/sec/ml/106 cells)の最
大値を求めた。これらの数値について、患者Aおよび健
常者での比較を行った。
【0038】
【表2】
【0039】その結果、前記患者の好中球において、fM
LP刺激に対する応答による細胞内カルシウム濃度変化お
よびスーパーオキサイド産生速度には、以下の特徴があ
ることが観察された。 (1)fMLP添加による細胞内カルシウム濃度変化について 1. 細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患者Aは健
常者より明らかに変化が少なかった。 2. 1.と同様の条件下で、刺激開始から濃度変化のピー
クまでの時間(刺激応答時間)については、両者の好中
球間で全く差は認められなかった。 3. 細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、もしくは
添加しなかった場合、あるいは5 mM EGTAのみを添加し
た場合において、患者Aの好中球のカルシウム濃度変化
はほぼ一定であったが、健常者の好中球に5 mM EGTAの
みを添加した場合、1 mM CaCl2を添加した場合と比較し
てカルシウム濃度上昇が著しく低下した。 (2)スーパーオキサイドの産生速度について 1. 細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患者Aの
好中球にfMLPを添加すると、スーパーオキサイドの産生
(速度)は添加を開始した時点から応答のピークに達す
るまでに健常者の2倍以上の時間を必要とし、最大応答
(最大産生速度)は健常者の30%程度であった。 2. 細胞外液にCaCl2を添加しなかった場合、もしくは5
mM EGTAのみを添加した場合においても、患者Aのスー
パーオキサイド産生(速度)は1.の場合と同様であっ
た。 3. 細胞内カルシウム濃度変化を生じせしめないことが
分かっている刺激薬であるPMAを添加したときのスーパ
ーオキサイドの産生(速度)は健常者と同等であった。
【0040】(1)3.から、患者Aの好中球をfMLPで刺激
した場合、細胞内カルシウム濃度変化は細胞外液中のカ
ルシウムイオン濃度に関わらずほぼ一定であり、細胞外
液中のカルシウムイオンを細胞質内に取り込むことがで
きないことが示唆された。従って、(1)1.に記載のよう
に健常者の水準に到達しないことが考えられた。また、
(2)1.および2.に示されたように患者Aの好中球を刺激
したときのスーパーオキサイド産生(速度)は健常者と
比べて著しく低く、かつ、細胞外液中のカルシウム濃度
に非依存的であることが示された。以上より、前記カル
シウム代謝機能上の欠陥が明らかに患者Aのスーパーオ
キサイド産生機能の低下に関わっていることが示唆され
た。また、(2)3.に記載のように、PMAで刺激したときの
患者Aのスーパーオキサイド産生(速度)は正常である
ことから、PMAが細胞内カルシウムイオン濃度とは無関
係にCキナーゼ蛋白質および、NADPHオキシダーゼ活性
化することによりスーパーオキサイドの産生が起きてい
るものと考えられた。上記の結果より、スーパーオキサ
イド産生と細胞内カルシウム濃度変化との間に因果関係
が存在すると考えられた。
【0041】スーパーオキサイド産生と細胞内カルシウ
ム濃度変化の関係についてさらに解析するため、さまざ
まな濃度(最終濃度 1 - 1,000 nM)の fMLPで刺激した
場合の細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド産生
速度の同時測定による計測値を得、細胞内カルシウム濃
度(nM)とスーパーオキサイド産生速度(pmol/sec/ml/
106 cells)を算出した。この結果を図6、7に示し
た。さらに、細胞内カルシウム濃度(nM)について、fM
LPによる刺激開始時点から応答のピークまでの時間
(秒)および濃度の変化値(nM)を求めた。また、スー
パーオキサイドの産生についても同様にfMLP刺激開始時
点から応答のピークまでの時間(秒)および産生速度の
変化値(pmol/sec/ml/106 cells)の最大値を求めた。
この結果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】その結果、前記患者の好中球の細胞内カル
シウム濃度変化とスーパーオキサイド産生速度には、以
下の特徴があることが見出された。 (1)細胞内カルシウム濃度変化について 1. 患者A、健常者両者の好中球に、1 nMのfMLPから細
胞内カルシウム濃度変化が検出され、10 nM、100 nMと
増加するに伴い前記濃度の値は増加したが、1 μMでは
逆に減少した。 2. 患者Aの好中球に、10 nM以上のfMLPを添加したとき
の細胞内カルシウム濃度は健常者と比較すると全体的に
低い値であった。 3. 刺激開始から濃度変化のピークまでの時間(刺激応
答時間)については、両者の好中球間で差は認められな
かった。 (2)スーパーオキサイドの産生速度について 1. 患者A、健常者両者の好中球を10 nM以下のfMLPで刺
激してもスーパーオキサイドの産生が全く検出されなか
った。100 nMではスーパーオキサイドの産生が認められ
たが、1 μMでは逆に減少した。 2. 100 nM、1 μMのfMLP刺激の場合では、患者Aの好中
球のスーパーオキサイドの産生(速度)は刺激開始時点
から応答のピークに達するまでに健常者の2倍以上の時
間を必要とし、最大応答(最大産生速度)は健常者の3
0%程度であった。
【0044】(1)1.および(2)1.において、1-10 nMのfML
P刺激では、細胞内カルシウム濃度の変化は観察されて
も、スーパーオキサイドの産生が全く検出されない濃度
範囲であることが判明した。このことから、スーパーオ
キサイドの産生には、一定以上の濃度の細胞内カルシウ
ムイオンが必要とされる可能性、あるいは、細胞質内カ
ルシウムイオン濃度を上昇せしめる経路には刺激薬の濃
度、換言すれば刺激の強さに依存し、スーパーオキサイ
ドの産生に有効なカルシウムイオンを動員する経路を機
能させるには100 nM以上のfMLPが必要であることが示唆
された。また、1 μMのfMLPで刺激した場合に観察され
た刺激応答の減少の原因は、同一の細胞集団を繰り返し
刺激したことによる受容体の脱感作であると考えられ
た。
【0045】(1)2.および(2)2.に記載のように、患者A
の好中球をfMLPで刺激した場合のスーパーオキサイド産
生(速度)は健常者と比べて著しく低く、かつ、刺激に
ともなう細胞内カルシウム濃度の値が明らかに健常者の
値を下回ることが改めて確認された。このことから、患
者Aの好中球におけるカルシウム代謝機能上の欠陥がス
ーパーオキサイド産生機能の低下に関わっていることが
強く示唆された。(比較例1)慢性肉芽腫症患者(好中球内カルシウムイ
オン濃度の低下を伴わない場合)の好中球内カルシウム
濃度およびスーパーオキサイド産生速度の測定 (好中球の分離)健常者から10.0 ml、慢性肉芽腫症患
者Bから14.0 mlの血液を採取した後、それぞれに最終濃
度が10 U/mlになるようにヘパリンを加えた。前記血液
溶液を2倍容の3%デキストランを含むPBS(phosphate b
uffered saline)溶液と混和し、室温で15分間静置する
ことにより赤血球を沈降させた後、上清22.0 mlを得
た。前記上清をフィコールパック(ファルマシア社製)
15 mlに静かに重層し、490×g(1,600 rpm)で30分間遠心
した。得られた沈殿を冷H2O 10 mlに10秒間浸し、浸透
圧ショックにより赤血球を破壊後、0.5 mM EGTAを含む2
×PBS(-) 10 mlを加え、さらにHBSS(Hanks' Balanced
Salt Solution, GIBCO BRL社製)10 mlを加えた後、490
×gで10分間遠心した。得られた沈殿を0.5 mM EGTAを含
むKRH緩衝液(139 mM NaCl, 4.75 mM KCl, 1.2 mM KH2P
O4, 1.2 mM MgSO4・7H2O, 3.6 mM NaHCO3, 10 mM Hepes
(2-[4(2-Hydroxyethyl)-1-poperazinyl]ethanesulfonic
acid)(pH 7.4))15 mlで1回洗い10% RPMIで懸濁し
た。
【0046】(カルシウム蛍光指示薬fluo3-AMおよび化
学発光試薬CLA処理)上記で得られた好中球懸濁液に終
濃度3 μMになるようにfluo3-AM(1−[2−アミノ−
5−(2,7−ジクロロ−6−ヒドロキシ−3−オキシ
−9−ザンテニル)フェノキシ]−2−(2−アミノ−
5−メチルフェノキシ)エタン−N,N,N',N'−四
酢酸(1-[2-Amino-5-(2,7-dichloro-6-hydroxy-3-oxy-9
-xanthenyl)phenoxy]-2-(2-amino-5-methylphenoxy)eth
ane-N,N,N',N'-tetraacetic acid)を添加し、37℃、5%
CO2存在下で1時間静置することにより細胞内にfluo3-A
Mを取り込ませた。前記の細胞をRH緩衝液(154 mM NaC
l, 5.6 mM KCl, 10 mM Hepes(2-[4(2-Hydroxyethyl)-1-
poperazinyl]ethanesulfonic acid)(pH 7.4))20mlで
2回洗い、前記緩衝液3 mlに懸濁した。得られた細胞懸
濁液(細胞数は3.90〜7.80×105個)を石英セルに入
れ、1 mM CaCl2および5 mM EGTAを添加した(対象群と
して1 mM CaCl2および5 mM EGTAを無添加のものも準備
した)。得られた細胞懸濁液に4 μM CLA(2−メチル
−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−
a]ピラジン−3−オン(2-methyl-6-phenyl-3,7-dihy
droimidazo[1,2-a]pyrazin-3-one))を加えた後、化学
発光および蛍光の同時測定装置の測定試料用セルホルダ
ーに入れ、37℃に保ちながら攪拌した。セルホルダー内
の細胞懸濁液に、500 msec間隔でチョッパーを作動させ
ながらfluo3の励起光であるアルゴンレーザー光(波長4
88 nm)を照射した。照射後150秒後に1 μM fMLPで、60
0秒後に0.1 μM PMA(phorbol myristate acetate)を
添加したときのfluo3蛍光強度とCLA化学発光の変化を検
出し、同時にモニターした。また、さまざまな濃度(最
終濃度 1 - 1,000 nM)の fMLPを添加した際の細胞内カ
ルシウム濃度とスーパーオキサイド産生速度の変化を測
定するため、前記石英セル中の細胞懸濁液に1 mM CaCl2
を4 μM CLAとともに添加した後、前記細胞懸濁液を化
学発光および蛍光の同時測定装置の測定試料用セルホル
ダーに入れ、37℃で攪拌した。上記と同様の励起光照射
条件下で細胞のインキュベーションを開始し、100、25
0、450、700秒後にそれぞれ1 nM、10 nM、100 nM、1 μ
MのfMLPを添加したときのfluo-3蛍光強度とCLA化学発光
の変化をモニターした。
【0047】(細胞内カルシウム濃度およびスーパーオ
キサイド産生速度の算出)fluo3の蛍光強度からの細胞
内カルシウム濃度(nM)の算出は実施例1と同様の方法
で行った。
【0048】患者Bおよび健常者の好中球をfMLPおよび
PMAで刺激したときの結果を図8、9に示す。さらに、
細胞内カルシウム濃度(nM)についてfMLPによる刺激開
始時点から応答のピークまでの時間(秒)および濃度の
変化値(nM)を測定し、患者Bと健常者の好中球を比較
した。
【0049】
【表4】
【0050】その結果、刺激にともなう細胞内カルシウ
ム濃度の変化値、および刺激開始から濃度変化のピーク
までの時間(刺激応答時間)は患者B、健常者両者の好
中球の間で差は認められなかった。しかし、患者Bの好
中球は刺激にともなうスーパーオキサイドの産生がまっ
たく検出されなかった。
【0051】この結果についてさらに検討するため、さ
まざまな濃度(最終濃度 1 - 1,000nM)の fMLPで刺激
したときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド
産生速度の値を算出した。この結果を図10、11に示
す。さらに、細胞内カルシウム濃度(nM)について各濃
度のfMLPによる刺激開始時点から応答のピークまでの時
間(秒)および濃度の変化値(nM)を求め、患者Bと健
常者の好中球を比較した(表5)。
【0052】
【表5】
【0053】その結果、患者Bと健常者両者間の測定結
果に差はほとんど認められなかった。しかし、患者Bの
好中球はfMLPの全濃度範囲でスーパーオキサイドの産生
がまったく検出されなかった。細胞診断の結果、患者B
はスーパーオキサイド産生酵素であるNADPHオキシダー
ゼを構成するチトクロームb558欠損型の慢性肉芽腫症患
者であることが既に判明している。これに加え、患者B
の好中球細胞内カルシウム濃度の変化は正常であるにも
かかわらずスーパーオキサイドの産生機能が完全に失墜
していることから、前記患者Bの好中球のスーパーオキ
サイド産生と細胞内カルシウム濃度変化との間には因果
関係は存在しないことが明らかとなった。(実施例2)ブラジキニンによる好中球内カルシウム濃
度およびスーパーオキサイド産生速度の変化 実施例1および比較例1の結果より、患者Aの好中球に
はfMLPの刺激にともなうカルシウム代謝機能に問題があ
り、細胞外液中のカルシウムイオンをスーパーオキサイ
ドの産生に利用できないことが示唆された。従って、ス
ーパーオキサイドの産生にはfMLP以外の薬物で人為的に
細胞内カルシウム濃度を高めることが有効であると考え
られた。これに対して、患者Bの好中球にはカルシウム
代謝機能に特段の欠陥は無いことが示唆された。従っ
て、本実施例では、患者Aのみを対象に、人為的に細胞
内カルシウム濃度を高める手段がスーパーオキサイドの
産生機能を回復させるのに有効であるかどうかについて
検討した。薬剤としてはタプシガルギンとブラジキニン
を使用した。
【0054】ここで、タプシガルギン(thapsigargin)
とは、Thapsia garganica L.由来のテルペン様化合物で
あり、細胞内カルシウムポンプ(小胞体表面に存在)の
機能を阻害する作用を有する。タプシガルギンで処理さ
れた細胞は、細胞質から小胞体へのカルシウムイオンの
送り込みが阻害される。また、小胞体表面には細胞内カ
ルシウムチャネルが存在し、小胞体から細胞質へのカル
シウムイオンの放出に働いている。従って、タプシガル
ギンで処理された細胞においては、小胞体中のカルシウ
ムイオンが枯渇し、細胞質の前記イオンは増加すること
になる。
【0055】1 μM fMLPに代えて10 μMのタプシガル
ギンまたは1および10 nMのブラジキニンを使用し、タプ
シガルギンまたはブラジキニン添加後500〜600秒後に1
μMfMLPを添加する以外は実施例1と同様にして細胞内
カルシウム濃度(nM)およびスーパーオキサイド産生速
度(pmol/sec/ml/106 cells)を算出した。結果を図1
2〜21)に示す。さらに、スーパーオキサイド産生速
度(pmol/sec/ml/10 6 cells)についてfMLPによる刺激
開始時点から応答のピークまでの時間(秒)および速度
の変化値(pmol/sec/ml/106 cells)を求めた。対象群
として、タプシガルギンおよびブラジキニンを添加して
いない場合(実施例1)の結果も同時に示した。
【0056】
【表6】
【0057】その結果、タプシガルギンおよびブラジキ
ニンを添加することにより細胞内カルシウム濃度を高め
た患者A好中球の細胞内カルシウム濃度変化とスーパー
オキサイド産生速度には、以下の特徴があることが観察
された。 (1)細胞内カルシウム濃度変化について 1. 細胞外液中に1 mM CaCl2が添加された場合、患者A
および健常者の好中球をタプシガルギンまたはブラジキ
ニンで処理した際の細胞内カルシウム濃度は、2段階に
渡る上昇を示し、その後はほぼ一定の値を示した。 2. 前記外液中のCaCl2が添加されず、EGTAのみが添加さ
れた場合、タプシガルギンまたはブラジキニンで処理さ
れた好中球の細胞内カルシウム濃度は、一過的なピーク
を示した。 3. 前記1.および2.において、タプシガルギンまたはブ
ラジキニンで処理された好中球をfMLPで刺激した場合の
細胞内カルシウム濃度には特に変化は見られなかった。 (2)スーパーオキサイドの産生速度について 1. 細胞外液中のカルシウムイオンの有無にかかわら
ず、患者Aおよび健常者の好中球をタプシガルギンまた
はブラジキニンで処理した場合、スーパーオキサイドの
産生は一切観察されなかった。 2. 細胞外液中に1 mM CaCl2が添加された場合、患者A
および健常者の好中球をタプシガルギンまたはブラジキ
ニンで処理した時にも同等にスーパーオキサイドを産生
した。また、無処理区においても同様の結果が得られた
(表6参照)。 3. 前記外液中のCaCl2が添加されず、EGTAのみが添加さ
れた場合、タプシガルギンまたはブラジキニンで処理さ
れた好中球は、スーパーオキサイドをほとんど産生しな
かった。
【0058】(1)2.、3.および(2)2.を総合すると、タプ
シガルギンまたはブラジキニンによって細胞内カルシウ
ム濃度が高められた患者Aの好中球をfMLPで刺激する
と、細胞内カルシウム濃度上昇を伴わないにもかかわら
ず、スーパーオキサイドを産生が顕著に上昇することが
結論された。さらに、スーパーオキサイドの産生速度を
患者Aおよび健常者の好中球をタプシガルギンまたはブ
ラジキニンで処理した時にも同等にスーパーオキサイド
が産生され、患者Aにおける好中球のスーパーオキサイ
ドの産生レベルは健常者と同等まで回復することが明ら
かとなった(表5参照)。また、上記のタプシガルギン
またはブラジキニンによるスーパーオキサイド産生機能
の回復効果には、細胞外液中にカルシウムイオンが存在
することが必要であることが明らかとなった。これに対
して、細胞外液中のカルシウムイオンがキレートされた
状態では、タプシガルギンまたはブラジキニンにより小
胞体から細胞質へのカルシウムイオンの放出が生じ、一
過性の濃度変化を経てベーサルレベル(基礎的水準)に
戻った。これは、前記に示す過程で細胞質内にカルシウ
ムイオンを放出する経路が使用されるため、その後fMLP
で刺激しても細胞内カルシウム濃度の上昇はほとんど見
られず、その結果、スーパーオキサイドも産生されない
と考えられた。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のブラジキ
ニンを有効成分として含む免疫賦活剤によれば、細胞外
液中のカルシウムイオンを細胞内に取り込むことができ
ず、その結果、スーパーオキサイドの産生に必要十分な
細胞内カルシウム濃度が確保されないような疾病におい
て、ブラジキニンの投与によってカルシウムイオンの細
胞内への取り込みを促進し、免疫力を賦活化せしめるこ
とが可能である。従って、従来、効果的な治療法がなか
った慢性肉芽腫症における治療剤として有効である。
【0060】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Laboratory of Molecular Biophotonics <120> immunostimulator and therapeutic agent <130> MBP-176 <140> <141> <160> 1 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 9 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Arg Pro Pro Gly Phe Ser Pro Phe Arg 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健常
者から分離した好中球をで1 μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図2】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、健
常者から分離した好中球をで1μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図3】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患者
Aから分離した好中球をで1 μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図4】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、患
者Aから分離した好中球をで1μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図5】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5 m
M EGTAを添加した条件下で、患者Aから分離した好中球
をで1 μM fMLP、で0.1 μM PMAで刺激したときの
細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド産生速度の
経時変化を示す図である。
【図6】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健常
者から分離した好中球をで1 nM、で10 nM、で100
nM、で1 μMのfMLP刺激したときの細胞内カルシウム
濃度とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図
である。
【図7】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患者
Aから分離した好中球をで1 nM、で10 nM、で100
nM、で1 μMのfMLP刺激したときの細胞内カルシウム
濃度とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図
である。
【図8】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健常
者から分離した好中球をで1 μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図9】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患者
Bから分離した好中球をで1 μM fMLP、で0.1 μM
PMAで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパー
オキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図10】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健
常者から分離した好中球をで1 nM、で10 nM、で1
00 nM、で1 μMのfMLP刺激したときの細胞内カルシウ
ム濃度とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す
図である。
【図11】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患
者Bから分離した好中球をで1 nM、で10 nM、で1
00 nM、で1 μMのfMLP刺激したときの細胞内カルシウ
ム濃度とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す
図である。
【図12】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健
常者から分離した好中球をで1 0μM タプシガルギ
ン、で1 μM fMLPで刺激したときの細胞内カルシウム
濃度とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図
である。
【図13】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5
mM EGTAを添加した条件下で、健常者から分離した好中
球をで10 μM タプシガルギン、で1 μM fMLPで刺
激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイ
ド産生速度の経時変化を示す図である。
【図14】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健
常者から分離した好中球をで1 nMブラジキニン、で
1 μM fMLPで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とス
ーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図15】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5
mM EGTAを添加した条件下で、健常者から分離した好中
球をで1 nM ブラジキニン、で1 μM fMLPで刺激し
たときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド産
生速度の経時変化を示す図である。
【図16】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、健
常者から分離した好中球をで10 nM ブラジキニン、
で1 μM fMLPで刺激したときの細胞内カルシウム濃度と
スーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図であ
る。
【図17】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5
mM EGTAを添加した条件下で、健常者から分離した好中
球をで10 nM ブラジキニン、で1 μM fMLPで刺激し
たときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド産
生速度の経時変化を示す図である。
【図18】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患
者Aから分離した好中球をで10μM タプシガルギン、
で1 μM fMLPで刺激したときの細胞内カルシウム濃度
とスーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図であ
る。
【図19】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5
mM EGTAを添加した条件下で、患者Aから分離した好中
球をで10 μM タプシガルギン、で1 μM fMLPで刺
激したときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイ
ド産生速度の経時変化を示す図である。
【図20】細胞外液中に1 mM CaCl2を添加した場合、患
者Aから分離した好中球をで1 nMブラジキニン、で
1 μM fMLPで刺激したときの細胞内カルシウム濃度とス
ーパーオキサイド産生速度の経時変化を示す図である。
【図21】細胞外液中にCaCl2を添加しなかった場合、5
mM EGTAを添加した条件下で、患者Aから分離した好中
球をで1 nM ブラジキニン、で1 μM fMLPで刺激し
たときの細胞内カルシウム濃度とスーパーオキサイド産
生速度の経時変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 43/00 105 43/00 105 A61K 37/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラジキニンを有効成分として含むこと
    を特徴とする免疫賦活剤。
  2. 【請求項2】 慢性肉芽腫症における免疫賦活作用を有
    することを特徴とする、請求項1に記載の免疫賦活剤。
  3. 【請求項3】 細胞内のカルシウム濃度を上昇せしめる
    ことにより免疫賦活効果を発揮することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の免疫賦活剤。
  4. 【請求項4】 前記細胞が好中球であることを特徴とす
    る、請求項3に記載の免疫賦活剤。
  5. 【請求項5】 ブラジキニンを有効成分として含むこと
    を特徴とする慢性肉芽腫症の治療剤。
  6. 【請求項6】 細胞内カルシウム濃度を上昇せしめるこ
    とにより治療効果を発揮することを特徴とする請求項5
    に記載の治療剤。
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