JP2001286980A - 補強セラミックシェル鋳型及び関連プロセス - Google Patents
補強セラミックシェル鋳型及び関連プロセスInfo
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Abstract
じて、寸法変化が少なく、十分な強度を有するセラミッ
クシェル鋳型及びその製造方法。 【解決手段】所定の形状を有する鋳造用セラミックシェ
ル鋳型は、シェル鋳型の全厚を規定するセラミック被覆
材とセラミックスタッコとの交互反復積層、及び上記被
覆材とスタッコとの交互反復積層中の中間の厚さの位置
に配置されたセラミック系補強シートを含んでなる。セ
ラミック系補強シートは、該セラミック系補強シートと
セラミック被覆材の交互反復積層中の隣接層との接着性
を高めるパターンの穴を有する一体モノリシック体から
なる。セラミック系補強シートは、シェル鋳型の形状に
適合してシェル鋳型を構造的に補強する。
Description
8/944778号の部分継続出願であり、その開示内
容はすべて本明細書の内容の一部をなす。
る。さらに具体的には、本発明は金属部品の鋳造に用い
られるシェル鋳型の製造に関する。
ストメント鋳造で溶融状態の金属を収容して成形するの
に使用される。金属部品が正確な寸法をもつようにする
ため、シェル鋳型の強度及び完全性は極めて重要な因子
である。こうしたシェル鋳型特性は、航空機及び発電業
で使用される超合金部品のような高性能部品の製造では
特に重要である。
高い鋳造温度が用いられることもある。従来のシェル鋳
型の多くはかかる温度では十分な強度を呈さない。これ
らの鋳型は溶湯を満たしたとき膨れや割れを起こし易く
なる。膨れは、また、非常に大形の部品を鋳造する場合
には低温でも起こり得る。膨れは鋳型の寸法を変化さ
せ、鋳造品に不都合なバラツキをもたらしかねない。割
れは溶湯が流れ出して鋳型の破壊につながることがあ
る。
型及び非常に大形の部品の鋳造に使用されるシェル鋳型
には、一段と高い強度が必要とされる。かかる課題は、
J.Lane他の米国特許第4998581号で扱われ
ている。その開示によれば、シェル鋳型を製造する際に
鋳型の周囲を繊維状補強材で包むことによってシェル鋳
型が強化される。好ましい実施形態では、補強材は所定
の最低引張強さを有するアルミナ系又はムライト系セラ
ミック組成物であると記載されている。補強材を所定位
置に保つのに十分な張力を加えながら補強材をシェル鋳
型の回りにらせん状に巻付け、所望の厚さとなるまでシ
ェル鋳型にセラミック層を付着させる。
の部分的な解決手段を与えるものと思料される。しか
し、この米国特許に開示された発明の実施にはかなりの
短所が認められる。例えば、ムライト系材料は、含シリ
カ又は含アルミナ化合物を第2相混入物として用いなけ
れば製造は困難である。こうした混入物は鋳型の物理的
性質を低下させかねない。さらに、米国特許第4998
581号で用いられる補強材の多くは鋳型よりも格段に
小さい熱膨張率を有する。こうした大きな熱膨張率の差
のため、割れのない鋳型の製造は一段と困難になる。
性質をさらに改善すれば当技術分野で歓迎されるはずで
ある。シェル鋳型は高い金属鋳造温度に耐える強度を有
するとともに大形部品の鋳造に適したものであるべきで
ある。シェル鋳型は、また、高温並びに様々な加熱/冷
却サイクル全体を通して寸法安定であるべきである。さ
らに、補強材の使用でシェル鋳型を改良するときは、特
に複雑な金属部品を鋳造するときのシェル鋳型の形状条
件を満たすために、補強材は焼成前に十分な柔軟性を有
するべきである。最後に、改良シェル鋳型の製造は、追
加設備をさほど必要とせずに経済的に実施できるべきで
ある。
は、所定の形状を有する鋳造用セラミックシェル鋳型を
提供する。当該シェル鋳型は、当該シェル鋳型の全厚を
規定する、セラミック被覆材とセラミックスタッコとの
交互反復積層、及び上記被覆材とスタッコとの交互反復
積層中の中間の厚さの位置に配置されたセラミック系補
強シートを含んでなる。上記セラミック系補強シート
は、該セラミック系補強シートとセラミック被覆材の交
互反復積層中の隣接層との接着性を高めるパターンの穴
を有する一体モノリシック体からなる。上記セラミック
系補強シートは、シェル鋳型の形状に適合してシェル鋳
型を構造的に補強する。
シェル鋳型の製造方法が提供される。当該方法は、イン
ベストメント鋳造法による造形途中の部分シェル鋳型の
セラミック層表面に補強層を設ける段階、補強層上に追
加セラミック層を設けてシェル鋳型を完成する段階であ
って、該補強層が該補強層と隣接セラミック層表面及び
隣接追加セラミック層との接着性を高めるパターンの穴
を有する段階、及びシェル鋳型を高温下で焼成する段階
を含んでなる。
用のセラミックシェル鋳型に関する技術は当技術分野で
公知である。有益な参考書には、Kirk-Othmer Encyclop
edia of Chemical Technology, 3rd Edition, Vol.7,
p.798以下;J.R. Walker著,Modern Metalworking, The
Goodheart-Willox Co., 1965; T.C. Du Mond著,She
ll Molding and Shell Mold Castings, Reinhold Publi
shing Corp., 1954; J.S. Campbell, Jr.著,Casting
and Forming Processes in Manufacturing, McGraw-Hi
ll Book Company, Inc., 1950があり、それらの開示内
容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。シェル
鋳型は、普通、耐火性酸化物粒子をシリカ又はリン酸塩
ゲルで結合したものからなる。様々な特許文献にも、従
来のシェルモールディングプロセスの様々な態様が記載
されている。その例として、米国特許第4998581
号(Lane他)、同第4097292号(Huseby他)、同
第4086311号(Huseby他)、同第4031945
号(Gigliotti, Jr.他)、同第4026344号(Gres
kovich)、同第3972367号(Gigliotti, Jr.他)
及び同第3955616号(Gigliotti, Jr.他)があ
り、それらの開示内容は援用によって本明細書の内容の
一部をなす。
の一つは「ロストワックス法」である。この技術の一例
では、ワックス模型(すなわち、鋳造すべき部品のレプ
リカ)を、シリカ又はリン酸塩含有バインダー中の耐火
性酸化物粒子の液体スラリーに繰り返し浸漬する。普
通、スラリーは高濃度(例えば40体積%以上)のセラ
ミック固形分を含んでいて、残部は水、有機溶剤又はそ
れらの混合物である。浸漬作業と次の浸漬作業の間に
は、スラリーコートがワックス上で部分的又は完全に乾
燥するのに十分な時間が置かれる。ワックス上に十分な
厚さのセラミックが堆積したら、後で述べるような各種
技術によってワックスを除去する。次いで、完成したシ
ェル鋳型を焼成して、鋳造プロセスに耐える十分な強度
を与える。
模型をスラリーに浸漬し、過剰の材料は模型から流出さ
せる。模型を乾燥させる前に、それに追加セラミック材
料(セラミック酸化物など)を「まぶす(レイニング(r
aining)という。)」。この堆積作業は標準的な流動層
チャンバーで実施されることが多く、付着層は「セラミ
ックスタッコ」と呼ばれることもある。模型のディッピ
ングとセラミック材料のレイニングは、所望の厚さにな
るまで繰り返される。その他の段階(例えば、ワックス
除去及び焼成)は従来通りである。
ラミックシェル鋳型の構成する層の中間の厚さの位置に
配置されたセラミック系補強シートを用いる。シートは
シェル鋳型の形状に適合し、多大な構造的補強をもたら
す。補強シートの形成には、多種多様なセラミック材料
(又は材料混合物)を使用し得る。その多くが、上記で
引用した1以上の特許文献に、例えばシェル鋳型自体の
形成に用いられる材料として記載されている。非限定的
な例には、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化イット
リウム、酸化マグネシウム、酸化ランタン、ムライトや
カイヤナイトやシリマナイトのようなケイ酸アルミニウ
ム、並びにアルミン酸イットリウムやアルミン酸マグネ
シウムのような各種アルミン酸塩がある。(上記の文脈
で用いた「酸化物」という用語は概してこれらの材料の
あらゆる可能な酸化物を包含する。)。各種のセラミッ
ク材料の混合物又は組合せも補強シートに使用でき、例
えば、希土類酸化物(酸化ランタンなど)、酸化イット
リウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムの任意
の組合せをベースとした二相混合物がある。補強層材料
はアルミナ、アルミン酸イットリウム又はそれらの混合
物の1以上を含む。
である。こうした柔軟性によって補強シートをシェル鋳
型の形状にぴったりと適合した形状に容易に曲げること
ができるようになる。可撓性セラミックシートの具体的
な製造方法は、本発明には重要でない。ある実施形態で
は、「テープキャスティング」技術とも呼ばれる「ドク
ターブレード」技術が有用である。このタイプの方法で
は、適当なセラミック粉末又は粉末混合物をまずバイン
ダー及び水性又は有機溶媒と混合してスラリー状のプー
ルを得る。好適なバインダーは当技術分野で公知であ
り、例としてアクリル樹脂及びポリビニルブチラールの
ようなビニル系材料などがある。ビニル系材料及びアク
リル樹脂には、適度の柔軟性を与えるため可塑剤を配合
してもよい。ブレードをプールの表面に沿って移動させ
て、厚さの制御されたスラリーからなる薄膜を生じさせ
る。揮発分を加熱などによって蒸発させれば、薄くて柔
軟な未硬化つまり未焼成のセラミックシートが残るが、
このシートは例えばドクターブレード技術やテープキャ
スティング技術で作られるような一体モノリシック体か
らなる。テープキャスティング技術は様々な参考文献に
記載されている。その非限定的な例として、米国特許第
4898631号、同第4839121号及び同第54
05571号がある。当業者に公知の代替法で補強シー
トを製造してもよい。例えば、ロール圧縮成形技術を使
用し得る。
する所定のパターンの穴が設けられる。穴はシートの押
抜きで作ることができる。穴が存在すると、補強シート
と隣接シェル鋳型層との接着性を高める。穴の寸法は種
々変更し得る。穴は、シート全体の強度を損なうほど大
きくすべきではないし、シェル層の付着時にセラミック
スラリーが穴に流入するのを妨げるほど小さくすべきで
もない。通常、穴の直径は約5〜約25mmの範囲内に
ある。適当であればどんな技術を用いて穴を形成しても
よく、例として手動パンチ、ドリル、レーザ穿孔などが
ある。穴はシート焼成後に形成することもできるが、好
ましくは焼成前のシートに形成する。
状と実質的に同じ形状に曲げることができる。上述した
セラミック材料でできたグリーン(未焼成)シートを曲
げるのは、特に限定されないがマンドレル及び(曲率や
様々な曲げ角を測定するための)付属工具などを用いれ
ば、極めて容易である。
が炉などの使用を始めとする慣用法で焼成する。焼成時
には、所望形状が確実に得られるように、所望の形状の
焼成用支持体を用いる。焼成は普通約1500℃以上の
温度で約5分間以上、大抵は約30〜約60分間行われ
る。焼成後の補強シートはその理論密度の約90%以上
(例えば、その理論密度の約99%以上)の密度を有す
る。
の約80%以上の密度に予備焼成するのが望ましいこと
もある。次いで、シェル鋳型全体を焼成する際に、補強
シートを上記に規定した密度にまで最終焼成する。この
ような代替焼成法を用いれば、シェル鋳型製造業者はシ
ートとシェル鋳型自体との収縮率の差を埋め合わせるこ
とができる。
補強の程度(それ自体、鋳型を用いる鋳造の種類に応じ
て異なる)など、数多くの因子に依存する。肉厚約0.
50〜約2.50cmの典型的なシェル鋳型について
は、補強シートは約0.1〜約1.5mm(例えば約
0.5〜約1mm)の厚さ(焼成後)を有する。約1.
5mmを超える厚さのシートは製造が困難又は不可能と
なりかねず、0.1mm未満の厚さのシートは鋳型の適
度な補強に必要とされる強度をもたないことがある。
さをはシェル鋳型自体(つまり、補強材の存在しないシ
ェル鋳型)の引張強さよりも大きい。さらに、補強シー
トの組成は、それを挿入するシェル鋳型の熱膨張率より
も熱膨張率の小さい材料だけに限定されない。例えば、
アルミナそのものから製造したシートの熱膨張率は一般
にシェル鋳型の熱膨張率と等しいかそれを上回る。
ント鋳造技術の使用に限定されない。ある実施形態で
は、「ロストワックス」プロセスを行う。シェル鋳型の
製造に用いられるセラミック材料は、補強シートの製造
に関して述べたものと同種又は同一である。アルミナ系
材料、アルミン酸塩系材料(アルミン酸イットリウムな
ど)又はこれらの任意の混合物が好ましいことが多い。
セラミック材料とシリカやコロイダルシリカのような適
当なバインダーからスラリーを調製する。スラリーは、
湿潤剤、消泡剤その他適当な添加剤を含んでいてもよ
く、その幾つかは上記で引用したGreskovichの米国特許
第4026344号に記載されている。当業者であれ
ば、この種のスラリーを調製する際に注意を要する通常
のパラメータに精通しているはずである。かかるパラメ
ータの例には、混合速度と粘度、さらには混合物及び周
囲環境の温度と湿度がある。
にスラリーの層を付着させてから、市販の溶融アルミナ
などからできたスタッコ凝集物の層をスラリー層に付着
させ、次いで以上のプロセスを数回繰り返すことによっ
て行われる。適当なスラリーコートについて乾燥後の
(かつスタッコの組成を無視した)典型的な化学組成に
は、約80〜約100重量%のアルミナ系材料と約10
〜約0重量%のバインダーが含まれる。ジルコニウムの
ような他の成分が存在することもある。
厚さに依存することはいうまでもない。シェル鋳型に
は、普通、セラミックスラリー層/スタッコ凝集物層の
対が合計4〜約20対用いられる。大抵は、約4〜約1
0対の層を付着させる。スラリー層とスタッコ凝集物層
とを逐次付着させるある時点で、層の付着をいったん止
めて、後で述べるように部分シェル鋳型に補強材シート
を組み込む。
026344号に教示されているように、タービンブレ
ードのような金属部品のワックス模型をスラリーに浸漬
し、取出して余分な液を切る。次いで、スラリーコート
したワックス模型の湿表面に流動層中のスタッコ凝集物
をまぶして風乾する。このプロセスを、交互に連続して
並んだセラミックスラリー層とスタッコ凝集物層とが所
望の厚さになるまで必要な回数繰り返す。
集物層の最初の対(及び場合によっては第2の対)の中
のセラミック粒子は、後続の層の中の粒子よりも粒度が
小さい。例えば、最初の対の層におけるセラミック粒子
の平均粒度は好ましくは約100ミクロン未満である
が、後続の層における平均粒度は約100〜約800ミ
クロンとし得る。後続の層の粒度を大きくすると、シェ
ル鋳型の厚さを速やかに増すことができる。大きな粒度
は、シェル鋳型の収縮率の制御にも用いられる。
な慣用技術で除去する。例えば、約950〜約1150
℃の温度で運転されるガス燃焼炉にシェル鋳型を入れて
約1〜2時間加熱することによってフラッシュ脱ロウを
行うことができる。かかる鋳型は焼成できる状態にあ
る。
されたシェル鋳型にセラミック系補強シートを組み込
む。鋳型中でのシートの正確な「深さ」は、シート厚、
鋳型層の組成及び鋳型の形状など、様々な因子に依存す
る。シートの位置を種々変更して鋳型の関連物性を評価
することで、シートの適切な位置を求めることができ
る。シートは、シェル鋳型の比較的中心近く(例えば、
シェル鋳型の肉厚の中心から25%以内の距離)に配置
できる。ただし、その距離は大幅に変化し得る。大半の
実施形態では、補強シートは、セラミックスラリー層/
スタッコ凝集物層の組を約2〜約6回(例えば、約3〜
約5回)繰り返した後に組み込まれる。
層の実質的に平行な面に付着させる。普通、後続のセラ
ミックスラリー層/スタッコ凝集物層を付着させる際に
シートを所定位置に保つような若干の接着力が自然と存
在する。ただし、シートを所定位置に保つため、接着剤
その他の付着手段を用いてもよい。鋳型材料に悪影響を
与えない成分又はシェル鋳型焼成時に完全に揮発する成
分を含むものであれば、どんな種類の接着剤を使用して
もよい。補強シートの挿入後、適当な鋳型厚が得られる
まで、後続のセラミックスラリー層/スタッコ凝集物層
の堆積を上記と同様に続ける。通常、焼成後の鋳型は約
0.50〜約2.50cm(例えば、約0.50〜約
1.25cm)の肉厚を有する。
組み込むこともできる。コアは、鋳型内で穴又はキャビ
ティを生み出すために多用され、石英ガラス、アルミ
ナ、アルミン酸塩、ジルコン又はそれらの任意の組合せ
からなるインサートの使用によって形成し得る。コア材
料は最終鋳造品から慣用技術で除去される。コアの使用
については、上掲のModern Metalworking、Casting and
Forming Processes inManufacturing、並びに米国特許
第4097292及び4086311号など、多数の参
考文献に記載されている。本発明の補強シートは、特に
鋳型が高温でクリープや変形を起こしやすいときに、鋳
型内部のコア付近の適正な金属厚さを保つのに役立つ。
複雑な形状の及び/又は寸法条件が非常に厳しい金属部
品を製造する際には、鋳型内部のキャビティの寸法を正
確に制御することが極めて重要であることが多い。
したら、鋳型を慣用技術で焼成する。焼成段階に必要と
される温度及び時間条件は、いうまでもなく、肉厚、シ
ェル鋳型の組成などの因子に応じて異なる。典型的に
は、焼成は約1350〜約1750℃の温度で約5〜約
60分間行われる。鋳型を室温まで放冷する。鋳型の補
修及び表面平滑化など、鋳型の製造で慣用される後段階
を行ってもよい。
造に使用することは、当業者が精通している事項であ
る。チタン及びニッケル基超合金のような多種多様な金
属及び合金を鋳造し得る。そこで、かかる材料から補強
シェル鋳型で製造された部品も本発明の範囲に属する。
を限定するものではない。特に示さない限り、「部」は
すべて重量部であり、値はすべて近似値である。
た。その段階は以下の通りであった(鋳型の補強は、後
述の通り、これら一連の段階の途中で行った)。 (1)ワックス模型を−325メッシュの平板状アルミ
ナとシリカバインダーの懸濁液に浸漬し、(2)被覆ワ
ックス模型から余分の液を切り、(3)被覆ワックス模
型を80グリットの溶融アルミナの流動層に浸漬し、
(4)ワックス模型を風乾し、(5)段階1〜4を繰り
返し、(6)ワックス模型を−240メッシュ及び−3
25メッシュのアルミナとシリカバインダーの懸濁液に
浸漬し、(7)ワックス模型を−54メッシュのアルミ
ナの流動層に浸漬し、(8)ワックス模型を風乾し、
(9)段階6〜8を6回繰り返す。
初の2つの層を「一次コート」と定義し、段階6〜9で
付着させる層を「二次コート」と定義する。直方体ワッ
クス模型を用いて鋳型を製造した。製造後、鋳型の両壁
を削り取って2つの平らな試験片を得た。この試験片
(長さ20cmで幅2.5cm)を空気中1000℃で
焼成し、取扱強さを高めた。鋳型を次いで1500〜1
550℃の温度で焼成してから、評価した。試験片は焼
成後も割れを生じなかった。
系シートを鋳型に組み込むことによってなされた。未焼
成シートに0.48cmの穴を0.89cmの中心間隔
で押抜いて穴あきシートを製造した。このアルミナシー
トを1600℃で1時間焼成して、約99%を上回る密
度とした。このシートを第2の二次コートと第3の二次
コートの間に鋳型表面に、−240メッシュのアルミナ
とケイ酸カリウムペーストの混合物を用いて付着させ
た。続いて二次コートを付着させて、鋳型の壁体内部に
シートを埋め込んだ。
鋳型から機械加工して試験片を作った。鋳型の外面だけ
を機械加工して厚さを0.79cmとした。機械加工後
の試験片の幅は1.59cmであった。一次コートは機
械加工時に無傷のまま残った。
での三点たるみ試験を1550℃で実施した。この試験
では、各スパンの中心に約50psi(0.34MP
a)の荷重を加えた。試験後の各試験片の撓みを表1に
示す。
的に向上することをはっきりと実証している。
ぜて(ワックスを融解して)セラミックスラリーを調製
した。タービンブレードの典型的な表面湾曲をもつ模型
に上記スラリーを注いで凝固させた。キャストブロック
を模型から取り外した。ブロックを1500℃で焼成し
て、ワックスを除去するとともに取扱強さを高めた。キ
ャストブロックを次に柔軟なアルミナシートの焼成用支
持体として使用した。焼成用支持体の湾曲に適合するよ
うにシートを手で変形させた。次いで、焼成用支持体を
アルミナシートと共に空気中1600℃で1時間焼成し
た。焼成後に得られた製品は、タービンブレードの輪郭
を有する緻密な湾曲アルミナシートであった。かかるシ
ートは、例1に記載のシェル鋳型の補強材として使用で
きる。さらに、シートの製造に用いた技術は、繊維巻付
装置のような精巧な装置を何らを必要としない。
てきたが、以上の説明は本発明の範囲を限定するもので
はない。従って、本発明の技術的思想及び範囲から逸脱
することなく様々な修正、改変、変更は当業者には自明
であろう。
Claims (29)
- 【請求項1】 所定の形状を有する鋳造用セラミックシ
ェル鋳型であって、(a)当該シェル鋳型の全厚を規定
する、セラミック被覆材とセラミックスタッコとの交互
反復積層、及び(b)上記被覆材とスタッコとの交互反
復積層中の中間の厚さの位置に配置されたセラミック系
補強シートであって、該セラミック系補強シートとセラ
ミック被覆材の交互反復積層中の隣接層との接着性を高
めるパターンの穴を有する一体モノリシック体からな
り、シェル鋳型の形状に適合してシェル鋳型を構造的に
補強するセラミック系補強シートを含んでなる、シェル
鋳型。 - 【請求項2】 前記セラミック系補強シートがアルミナ
系化合物、アルミン酸塩系化合物及びそれらの混合物の
1以上からなる、請求項1記載のシェル鋳型。 - 【請求項3】 前記セラミック系補強シートが、セラミ
ック系補強シートの存在しないシェル鋳型自体の引張強
さを上回る引張強さを有する、請求項1記載のシェル鋳
型。 - 【請求項4】 前記セラミック系補強シートが交互反復
積層の約2〜約6層に相当する中間の厚さの位置に配置
されている、請求項1記載のシェル鋳型。 - 【請求項5】 前記セラミック系補強シートが交互反復
積層の約3〜約5層に相当する中間の厚さの位置に配置
されている、請求項1記載のシェル鋳型。 - 【請求項6】 前記セラミック系補強シートが約0.1
〜約1.5mmの厚さを有する、請求項1記載のシェル
鋳型。 - 【請求項7】 前記セラミック系補強シートがその理論
密度の約90%以上の密度を有する、請求項1記載のシ
ェル鋳型。 - 【請求項8】 前記セラミック系補強シートがその理論
密度の約99%以上の密度を有する、請求項7記載のシ
ェル鋳型。 - 【請求項9】 前記セラミック系補強シートの表面に穴
が設けられる、請求項7記載のシェル鋳型。 - 【請求項10】 前記セラミック系補強シートがドクタ
ーブレード技術又はロール圧密成形技術とその後の焼成
処理で製造される、請求項7記載のシェル鋳型。 - 【請求項11】 前記セラミック系補強シートが約0.
5〜約1.0mmの厚さを有する、請求項7記載のシェ
ル鋳型。 - 【請求項12】 前記セラミック系補強シートがアルミ
ナ、アルミン酸イットリウム及びそれらの混合物の1以
上からなる、請求項7記載のシェル鋳型。 - 【請求項13】 前記シェル鋳型が約0.50〜約2.
50cmの肉厚を有する、請求項1記載のシェル鋳型。 - 【請求項14】 少なくともセラミック被覆材の第1層
とセラミックスタッコの第1層が平均粒度約100ミク
ロン未満のセラミック粒子からなる、請求項1記載のシ
ェル鋳型。 - 【請求項15】 所定の形状を有する鋳造用セラミック
シェル鋳型であって、当該シェル鋳型が、 当該シェル鋳型の厚さ及び形状を規定するセラミック材
料の反復積層、及び上記セラミック材料の積層中に配置
されたセラミック系補強シートであって、該セラミック
系補強シートとセラミック材料の反復積層中の隣接層と
の接着性を高めるパターンの穴を有する一体モノリシッ
ク体からなり、シェル鋳型の形状に適合してシェル鋳型
を構造的に補強するセラミック系補強シートを含んでな
る、シェル鋳型。 - 【請求項16】 鋳造用セラミックシェル鋳型の製造方
法であって、当該方法が、 (I)インベストメント鋳造法による造形途中の部分シ
ェル鋳型のセラミック層表面に補強層を設ける段階、 (II)補強層上に追加セラミック層を設けてシェル鋳型
を完成する段階であって、該補強層が該補強層と隣接セ
ラミック層表面及び隣接追加セラミック層との接着性を
高めるパターンの穴を有する段階、及び (III)シェル鋳型を高温下で焼成する段階を含んでな
る方法。 - 【請求項17】 インベストメント鋳造セラミックシェ
ル鋳型の製造方法であって、当該方法が、 (i)セラミック材料のスラリーを調製する段階、 (ii)当該シェル鋳型で鋳造すべき金属の所定形状を有
するワックス模型にセラミックスラリーの層を付着させ
る段階、 (iii)セラミックスラリー層の上にセラミック系スタ
ッコ凝集物の層を付着させる段階、 (iv)所定の中間の厚さを有する部分シェル鋳型を得る
のに必要な回数だけ段階(ii)及び(iii)を繰り返す
段階、 (v)部分シェル鋳型の外面に実質的に適合する一体モ
ノリシック体からなる補強シートを付着させる段階、 (vi)補強シート上で段階(ii)及び(iii)を繰り返
して、完全なシェル鋳型の所望の厚さとなるまで部分シ
ェル鋳型に堆積させる段階であって、該補強層が該補強
層とセラミックスラリー層及びスタッコ凝集物層のうち
の隣接層との接着性を高めるパターンの穴を有する段
階、 (vii)ワックスを除去し、シェル鋳型を焼成して所望
のレベルの引張強さを与える段階を含んでなる法。 - 【請求項18】 前記補強シートがアルミナ系化合物、
アルミン酸塩系化合物及びそれらの混合物の1以上から
なる、請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 前記補強シートがアルミナ、アルミン
酸イットリウム及びそれらの混合物の1以上からなる、
請求項18記載の方法。 - 【請求項20】 前記補強シートが焼成前は柔軟であっ
て、部分シェル鋳型に付着させる、請求項17記載の方
法。 - 【請求項21】 前記補強シートを、焼成前に、部分シ
ェル鋳型の表面形状と実質的に同じ形状に成形する、請
求項20記載の方法。 - 【請求項22】 前記補強シートが焼成前に穴を有す
る、請求項20記載の方法。 - 【請求項23】 段階(ii)及び(iii)を約2〜約6
回繰り返した後の段階(v)で補強シートを付着させ
る、請求項17記載の方法。 - 【請求項24】 前記補強シートがその理論密度の約9
0%以上の密度を有する、請求項17記載の方法。 - 【請求項25】 前記シートを部分シェル鋳型の表面に
付着させる前に、所望のシート密度を得るための時間及
び温度スケジュールに従って該シートを焼成する、請求
項24記載の方法。 - 【請求項26】 請求項17記載の方法で製造されたシ
ェル鋳型。 - 【請求項27】 請求項26記載のシェル鋳型で鋳造さ
れた金属又は合金部品。 - 【請求項28】 請求項27記載の金属又は合金部品か
ら製造されたタービンエンジン部品。 - 【請求項29】 前記セラミック系補強シートがシェル
鋳型の厚さを維持する、請求項1記載のシェル鋳型。
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