JP2001285071A - Ad変換装置 - Google Patents

Ad変換装置

Info

Publication number
JP2001285071A
JP2001285071A JP2000095824A JP2000095824A JP2001285071A JP 2001285071 A JP2001285071 A JP 2001285071A JP 2000095824 A JP2000095824 A JP 2000095824A JP 2000095824 A JP2000095824 A JP 2000095824A JP 2001285071 A JP2001285071 A JP 2001285071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
integrator
signal
circuit
sfq
feedback
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000095824A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3837274B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Shimaoka
一博 島岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
International Superconductivity Technology Center
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
International Superconductivity Technology Center
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by International Superconductivity Technology Center, Sanyo Electric Co Ltd filed Critical International Superconductivity Technology Center
Priority to JP2000095824A priority Critical patent/JP3837274B2/ja
Publication of JP2001285071A publication Critical patent/JP2001285071A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3837274B2 publication Critical patent/JP3837274B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁束積分器を持つ単一磁束量子Σ‐Δ型AD
変換回路の高性能化には、多数の(>10)単一磁束量
子を積分回路に短時間の内に帰還する必要がある。また
帰還用ジョセフソン接合の臨界電流を加工寸法上許容で
きる範囲まで小さくする必要がある。 【解決手段】 第1積分器と、第1積分器と並列に配置
された第2積分器と、第1及び第2積分器の後に配置さ
れた最終積分器と、最終積分器の後に配置された信号標
本化用比較器と、第1積分器への信号帰還回路と、第2
積分器への信号帰還回路と、最終積分器への信号帰還回
路とからなり、前記積分器で積分された入力信号を、前
記信号標本化用比較器によって標本化し、その標本化さ
れた信号を前記信号帰還回路で帰還させることで、2次
のΣ−Δ型AD変調を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速アナログ信号
をデジタル符号に変換する超電導AD(アナログ・デジ
タル)変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超広帯域AD変換回路を実現する
回路技術の一つとして、超電導回路技術を用いた単一磁
束量子(SFQ)Σ‐Δ型回路構成方式が考案されてい
る(以下単に「Σ‐Δ型AD変換回路」という。)。こ
のΣ‐Δ型AD変換回路では、抵抗素子とインダクタン
ス素子を用いて構成した積分器に蓄積された磁束を、ジ
ョセフソン素子で構成された比較器により減少させるこ
とにより、Σ‐Δ型のAD変換を実現している。
【0003】より具体的には前記積分器に入力される電
流の一部が前記比較器に入力され、同時に所望のサンプ
リング間隔で単一磁束量子信号(以下「SFQ」とい
う。)が別の信号線を介して比較回路に重畳される。こ
の時2つの信号の和の電流が比較器のジョセフソン接合
の臨界電流Icを超えると、比較器の出力にSFQが一つ
出力され、積分器中を流れる電流により誘起された磁束
からΦ0なる磁束が減算される。ただし、Φ0は単一磁
束量子(2.07 × 10-15 Wb)である。このように積分さ
れた信号を減算(差分)することでΣ‐Δ変調が実現さ
れる。出力信号はΣ‐Δ変調されたSFQパルス列とな
る。
【0004】前述のΣ‐Δ型AD変換回路は1次型と言
われるもので被測定信号がサンプリングされる際に混入
する量子化ノイズの周波数分布が正弦三角関数になって
いる。ところで、この量子化ノイズの周波数分布を1次
ではなく、2次以上の正弦三角関数とすることで更に信
号対雑音比を改善するΣ‐Δ型AD変換方式がこの他に
考案されている(高次Σ‐Δ型AD変換方式)。
【0005】この方式においては前述の積分器が2つ
(2次型の場合)継続接続されており、被測定信号源側
から見て後段の積分器とそれに続くジョセフソン接合は
前述の1次のΣ‐Δ型AD変換器を構成している。
【0006】更に2次のΣ‐Δ型AD変換器では、2つ
の積分器の間に前段の積分器へSFQを帰還させるため
の帰還用ジョセフソン接合が設けられており、比較器の
出力に対応して1つまたは複数個のSFQを帰還させる
構造を有している。この方式の2次Σ‐Δ型AD変換器
では、1次型において行われる積分・差分操作が2回に
わたって行われるため量子化ノイズの周波数分布が正弦
三角関数の2乗に従うようになり、更に信号対雑音比が
改善することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来技術に
よれば、例えば2次Σ‐Δ型AD変換回路では、前述の
1SFQの帰還に加えて、前段積分器と後段積分器の間
に両積分器に流れる電流量の比に応じた個数のSFQを
帰還する必要があり、実用的な多くの回路の場合、この
値は10〜100SFQ程度である。
【0008】しかし、この方式を採用すると、その処理
が終了するまで次のサンプリングを待機させる必要があ
る為、AD変換時のサンプリング間隔を増大させ、測定
帯域の狭帯域化を招いてしまう(一般的に、ADのサン
プリング周期をfsとすると、測定帯域は1/2fsとな
る。)。
【0009】加えて、前段積分器には後段積分器に比べ
て10倍以上の電流が印加される場合があり、前述の帰
還用ジョセフソン接合の臨界電流はこの値以上に設定す
ることが必要になる。この場合、帰還回路へSFQを伝
達するジョセフソン伝送線路中のインダクタンスの設計
値が、微細加工上許容される限度を超えて小さくなって
しまうという問題点があった。
【0010】従って、本発明は、超電導Σ‐Δ型AD変
換装置において、多数のSFQが帰還される間の待ち時
間を短縮したうえで、大きなフィードバック利得を発生
させ、しかも帰還用ジョセフソン接合の臨界電流の問題
を解決する、新規の回路構成を提供せんとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のAD変換装置
に係る発明は、第1積分器と、第1積分器と並列に配置
された第2積分器と、第1積分器、及び第2積分器の後
に配置された最終積分器と、該最終積分器の後に配置さ
れた信号標本化用比較器と、前記第1積分器への信号帰
還回路と、前記第2積分器への信号帰還回路と、前記最
終積分器への信号帰還回路と、からなり、前記積分器で
積分された入力信号を、前記信号標本化用比較器によっ
て標本化し、その標本化された信号を前記信号帰還回路
で帰還させることで、2次のΣ−Δ型AD変調を行うこ
とを特徴とする。
【0012】請求項2のAD変換装置に係る発明は、請
求項1に記載されたAD変換装置において、前記最終積
分器の前段に配置される並列に分割された第1積分器、
及び第2積分器以外に、更に1つ以上の並列に配置され
た積分器を備え、その各々に信号帰還回路を備えること
を特徴とする。
【0013】請求項3の3次以上のAD変換装置に係る
発明は、請求項1に記載されたAD変換装置を帰還ルー
プ内に少なくとも1つ含むことを特徴とする。
【0014】請求項4のAD変換装置に係る発明は、請
求項1に記載されたAD変換装置が単一磁束量子回路で
構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態を図1
乃至図5に従って説明する。
【0016】図1は、本発明におけるAD変換装置の回
路構成図である。
【0017】図1において、信号源(1)から第1積分
器(2)及び第2積分器(3)に信号が入力される。こ
の各々の積分器中で入力信号の積分が行われる。積分さ
れた信号は最終積分器(4)に入力され2回目の積分操
作が行われる。
【0018】この二重積分された信号は続いて信号標本
化用比較器(以下単に「比較器」という。)(5)に入
力される。標本化された信号は出力信号(9)として出
力されると同時に、最終積分器への信号帰還回路
(6)、第1積分器への信号帰還回路(7)及び第2積
分器への信号帰還回路(8)に伝達され、各々の帰還回
路は対応する積分器への信号帰還を行う。
【0019】次に図2は、図1に示した回路構成の具体
的な回路図である。
【0020】以下に典型的な動作条件と回路パラメータ
を示す。図2中では直流バイアス電源は矢印で示されて
いる。また、ジョセフソン接合は「×」で示されてい
る。図2中でジョセフソン接合JCe及びJex(xは
数)と記載されたすべての接合の臨界電流の典型的な値
は100 μAにセットされている。この値には±30%のマー
ジンが存在する。
【0021】また、ジョセフソン接合JG1及びJG2などの
接地されていないジョセフソン接合の臨界電流の典型的
な値は500 μAにセットされている。その他のジョセフ
ソン接合の臨界電流の典型的な値は200 μAにセットさ
れている。この値には±30%のマージンが存在する。L1
及びL2と記載されたインダクタンスの値は50 pHであ
る。L3と記載されたインダクタンスの値は10 pHであ
る。
【0022】L4及びL8と記載されたインダクタンスは15
pHである。この値は両インダクタンス前後のジョセフ
ソン接合の臨界電流Icとの積L・IcがΦ0<L・Ic〜1.5
Φ0の関係を保持する範囲で変動しても良い。その他の
接地されたジョセフソン接合を連結するインダクタンス
の典型的な値は5 pHである。この値は記載されたインダ
クタンス前後のジョセフソン接合の臨界電流Icとの積L
・Icが〜0.5Φ0<Φ0の関係を保持する範囲で変動し
ても良い。
【0023】また、帰還回路(15)及び(16)中の
接地されていないジョセフソン接合を連結するインダク
タンスの典型的な値は1pHである。この値は前述の接地
されていないジョセフソン接合を連結する2つのインダ
クタンスの和をL'とした時、臨界電流Icとの積L'・Icが
L'・Ic 〜0.5Φ0<Φ0の関係を保持する範囲で変動し
ても良い。
【0024】インダクタンスL4及びL5とL6及びL
7はそれぞれ相互的に結合されている。また、R1及びR2
と記載された抵抗の値は5 mΩであり、R3と記載された
抵抗の値は1 mΩである。バイアス電流の典型的な値は1
60μA である。この値は回路作製時の素子特性のばらつ
きにより、±50%の範囲で調整される。図2のクロック
信号発生源CLK1はオン時には300μA、オフ時には0
Aの信号を交互に発生する。 典型的なクロック周波数は
10 GHz〜20 GHzである。より具体的には、例えばクロッ
ク周波数10 GHzの場合、時刻0から25 psまでの時間を
オン、時刻25psから100 psまでの時間をオフといった動
作を100 ps時間毎に繰り返す。
【0025】同様にCLK2は電流源はオン時には300
μA、オフ時には0 Aの信号を交互に発生するが、CLK
1とは信号オン時の位相が異なる。より具体的には、例
えばクロック周波数10GHzの場合、時刻0 psから5
0 psまでの時間をオフ、時刻50psから75psまでの時間を
オン、時刻75 psから100 psまでの時間をオフといった
動作を100 ps時間毎に繰り返す。
【0026】一方、CLK3はCLK1及び2の5倍の
クロック周波数を持つ信号を供給する。より具体的に
は、例えばクロック周波数50GHzの場合(CLK
1,CLK2の5倍)、時刻0から10 psまでの時間を
オン、時刻10 psから20 psまでの時間をオフという動作
を20 ps時間毎に繰り返す。
【0027】次にこの回路の動作を説明する。
【0028】まず、最初ににクロック用磁束量子パルス
発生回路(17)の説明を行う。外部クロック信号源C
LK1がオンになり、J1のへの印加電流がJ1の臨界
電流を超えるとJ1が連続的にSFQパルスを発生す
る。SFQパルスの最大発生周期はJ1の臨界電流Icと
常伝導抵抗Rnの積を、磁束量子Φ0で割った値となる。
典型的にはこの値は100 GHzから200 GHz程度の値とな
り、以下の回路動作に対して十分な速度を有する。発生
した一連のSFQのうち先頭のSFQはJS1をスイッ
チし、JS1−L8−JS2のループに1SFQが捕獲
される。
【0029】2番目以降のSFQパルスはエスケープ用
ジョセフソン接合Je1を通って回路外に排出される。
CLK1がオフし、続いてCLK2がオンすると、J1
の場合と同様にJ2からSFQパルス列が発生する。こ
の一連のSFQのうち先頭のSFQはJS2をスイッチ
し、1SFQをJ3方向に放出する。2番目以降のSF
Qパルスはエスケープ用ジョセフソン接合Je2を通っ
て回路外に排出される。この一連の動作により1クロッ
クサイクルあたり1SFQパルスが回路中に入力され
る。入力されたSFQパルスはJ3をスイッチし、続い
てJ4及びJ5をスイッチして2つのSFQに分割され
た後、ジョセフソン伝送線路(JTL)を介して、信号
標本化用比較器(14)、第1積分器への信号帰還回路
(15)及び第2積分器への(16)にそれぞれ入力さ
れる。
【0030】次に入力信号の積分回路(11)、(1
2)及び(13)の説明を行う。
【0031】最初に図2中の信号源(10)から第一積
分器(11)及び第二積分器(12)に被測定信号が入
力される。被測定信号の周波数は100 MHzを想定してい
る。この入力信号は第1積分器(11)、及び第2積分
器(12)のインダクタンスL1及びL2を流れる電流
量として積分される。電流Iと磁束Φの間にはΦ=LI
なる関係が存在するので、これは磁束量が積分される事
に等しい。この積分された電流は帰還回路(15)及び
(16)中のゲートジョセフソン接合JG1及びJG2
を通過し、最終積分器(13)に入力される。
【0032】この時、JG1及びJG2を流れる電流は
JG1,JG2の臨界電流を超えることが無いように、
入力信号は制限されている。最終積分器(13)に入力
された信号はインダクタンスL3を流れる電流(磁束)
として積分される。このニ重積分された信号は信号標本
化用比較器(14)に入力される。
【0033】次に信号標本化用比較器兼最終積分器への
信号帰還回路(14)の動作について説明する。前述の
積分器(11)、(12)及び(13)によりニ重積分
された信号は信号標本化用比較器(14)中の比較用ジ
ョセフソン接合JCに入力される。この比較用ジョセフ
ソン接合JCにはこの他に、前述のクロック用磁束量子
パルス発生回路(17)で生成されたSFQパルス(サ
ンプリングパルス)がエスケープ用ジョセフソン接合J
Ceを介して入力される。前述の入力信号とサンプリン
グパルスによりJCに誘起される電流の和がJCの臨界
電流を超える場合JCがスイッチし、1つのSFQパル
スをJ6方向に放出する。
【0034】同時に最終積分器(13)に積分された磁
束から1SFQが減算される。このSFQはJ6をスイ
ッチし、続いてJ8をスイッチして2つのSFQに分割
される。このうち一つ目のSFQはJ7をスイッチした
後、JTLを介してOUT端子に1SFQを出力信号と
して出力する。もう一方のSFQはJ9をスイッチした
後JS3をスイッチし、JS3−L4−JS4で構成さ
れるループに保持される。
【0035】一方、このループの反対側の端子には前述
のクロック用磁束量子パルス発生回路(17)で生成さ
れたSFQパルスが入射され、あるクロック時にSFQ
がセットされた場合、その次のクロックでJS4がスイ
ッチされ、保持していたSFQが消去されるようになっ
ている。もしあるクロック時にSFQがセットされなっ
かた場合、その次のクロックによるSFQはエスケープ
用ジョセフソン接合Je4をスイッチし、回路外に排出さ
れる。
【0036】次に第1積分器への信号帰還回路(15)
と、第2積分器への信号帰還回路(16)の動作につい
て説明する。この二つの信号帰還回路は、その一部分を
共有している。
【0037】外部信号源CLK3は結合インダクタンス
L6及びL7を介して、J10−L5−J11−L6か
らなる超電導ループ中に巡回電流を発生する。しかし、
この巡回電流のみではジョセフソン接合J10、J11
の臨界電流を超えることはないようにL6、L7の結合
度が設定されている。またCLK3によるクロック信号
電流は、前述のループに時計方向のみの電流を発生する
ように設定されている。
【0038】ところで前述の信号標本化用比較器からO
UT出力と同時に出力されるSFQはJS3−L4−J
S4に保持される。この時インダクタンスL4はL5と
結合している為、ループJ10−L5−J11−L6に
時計周りの電流を誘起する。この電流に前述のCLK3
による誘起電流が重畳された場合にJ10、続いてJ1
1がスイッチしてSFQがJG1及びJG2方向へ入射
される。この入射はCLK3電流がオンであり、かつル
ープJS3−L4−JS4にSFQが保持されている時
間にわたって継続される。
【0039】CLK3がループJ10−L5−J11−
L6に誘起する電流は、ループJS3−L4−JS4に
よる誘起電流との和がこのSFQが1つだけ入射される
時間だけJ10の臨界電流を超えるように、ピークを持
った波形を有している。SFQがループJS3−L4−
JS4に保持される時間は近似的にサンプリング間隔に
等しいので、CLK3の周波数が、CLK1及びCLK
2の周波数の5倍に設定されている場合、1SFQ出力
に対応して5SFQが発生することになる。これらのS
FQは分岐J12でそれぞれ2SFQに増幅されて帰還
用ゲートジョセフソン接合JG1及びJG2から第1積
分器(11)及び第2積分器(12)に帰還される。こ
れらのSFQは積分器からそれぞれ5SFQの磁束を減
算する。
【0040】以上の動作のタイムチャートを図3に示
す。また、図4に、本発明における実施例に使用される
積分ループ中のSFQパルス信号の周期変化の積分量の
グラフを示す。
【0041】図5(a)に、100 MHzアナログ正弦波信号を
入力した場合に出力端子OUTから出力される、デジタル
SFQパルス列、 図5(b)にその周波数スペクトラムを
示す。
【0042】以上の動作説明から、Σ‐Δ変調の帰還量
は第1積分器、第2積分器の合計として10SFQであ
り、最終積分器に対しては1SFQである。本構成で使
用されたLR受動積分器で、積分される入力信号のうち
9割以上が抵抗部に分流されることを考えると、第1積
分器、第2積分器の合計帰還量として10SFQ、電流
量に換算して(5Φ0/L1)+(5Φ0/L2)が必要
である。この帰還量を1つのゲートジョセフソン接合で
実現した場合、その臨界電流は倍の1mAに設定する必要
がある。そうすると、帰還用回路の接地されていないイ
ンダクタンスの設定値が0.5 pHとなり、製造上のばらつ
き等を考慮すれば現実的な設計値を逸脱してしまう。
【0043】更に1つのゲートジョセフソン接合で10
SFQを帰還させる場合には、帰還の最中は次のサンプ
リング操作を行うことができず、サンプリング時間の低
下を招いてしまう。本発明においては明らかにこれらの
問題点が解決されており、多数の(>10)単一磁束量
子を積分回路に短時間の内に帰還させ、更に帰還用ジョ
セフソン接合の臨界電流を小さく押さえて回路のインダ
クタンス設計を容易にする新規の回路構成を提供するこ
とが可能である。
【0044】尚、本実施の形態に開示した手法以外に、
前記記述の第1、第2積分器に加え、更に第3積分器等
を追加して並列化を高め、帰還量の増加あるいは帰還用
ジョセフソン接合の臨界電流の減少を図ることができ
る。
【0045】また前述の回路構成を少なくとも1つ含む
ような、更に高次のΣ−ΔAD変換器を構成することも
可能である。
【0046】また、回路を構成する素子は半導体でも良
く、情報担体はSFQに限らず超短パルス電気信号の適
用が可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、2次Σ−Δ型AD変換器の初段の積分器を2
並列に分割することにより、初段への信号帰還用素子の
臨界電流を減少させ、かつ信号帰還量を減少させること
無く信号帰還時間を短縮し、結果として高分解能の超電
導Σ−ΔAD変換回路を実現する事が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる回路構成図である。
【図2】本発明に用いられる回路構成方法のうち超電導
単一磁束量子回路を採用した場合の回路図である。
【図3】クロック信号、出力信号、第1積分器への信号
帰還信号、及び第2積分器への信号帰還信号のタイムチ
ャートである。
【図4】本発明における実施例に使用される積分ループ
中のSFQパルス信号の周期変化の積分量を示すグラフ
である。
【図5】本発明における実施例の回路出力とその周波数
スペクトラムである。
【符号の説明】
1…信号源 2…第1積分器 3…第2積分器 4…最終積分器 5…信号標本化用比較器 6…最終積分器への信号帰還回路 7…第1積分器への信号帰還回路 8…第2積分器への信号帰還回路 9…出力信号 10…信号源 11…第1積分器 12…第2積分器 13…最終積分器 14…信号標本化用比較器 15…第1積分器への信号帰還回路 16…第2積分器への信号帰還回路 17…磁束量子パルス発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AA00 BA02 CB04 CB06 CF01 CF03 CF07 CG02 5J064 AA03 AA04 BA03 BB02 BC06 BC08 BC10 BC14 BC16 BD01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1積分器と、 第1積分器と並列に配置された第2積分器と、 第1積分器、及び第2積分器の後に配置された最終積分
    器と、 該最終積分器の後に配置された信号標本化用比較器と、 前記第1積分器への信号帰還回路と、 前記第2積分器への信号帰還回路と、 前記最終積分器への信号帰還回路と、からなり、 前記積分器で積分された入力信号を、前記信号標本化用
    比較器によって標本化し、その標本化された信号を前記
    信号帰還回路で帰還させることで、2次のΣ−Δ型AD
    変調を行うことを特徴とするAD変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたAD変換装置にお
    いて、 前記最終積分器の前段に配置される並列に分割された第
    1積分器、及び第2積分器以外に、更に1つ以上の並列
    に配置された積分器を備え、その各々に信号帰還回路を
    備えることを特徴とするAD変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたAD変換装置を帰
    還ループ内に少なくとも1つ含むことを特徴とする3次
    以上のAD変換装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたAD変換装置が単
    一磁束量子回路で構成されていることを特徴とするAD
    変換装置。
JP2000095824A 2000-03-30 2000-03-30 Ad変換装置 Expired - Fee Related JP3837274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000095824A JP3837274B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Ad変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000095824A JP3837274B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Ad変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001285071A true JP2001285071A (ja) 2001-10-12
JP3837274B2 JP3837274B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=18610673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000095824A Expired - Fee Related JP3837274B2 (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Ad変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3837274B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106797210A (zh) * 2014-08-11 2017-05-31 西恩特罗皮系统有限公司 分布式噪声整形装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106797210A (zh) * 2014-08-11 2017-05-31 西恩特罗皮系统有限公司 分布式噪声整形装置
EP3180856A4 (en) * 2014-08-11 2018-04-18 Syntropy Systems, LLC Distributed noise shaping apparatus
CN106797210B (zh) * 2014-08-11 2020-08-18 西恩特罗皮系统有限公司 分布式噪声整形装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3837274B2 (ja) 2006-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7598897B2 (en) Superconductor analog-to-digital converter
US7378865B2 (en) Superconducting circuit for generating pulse signal
US6608581B1 (en) Superconductor modulator with very high sampling rate for analog to digital converters
US7982646B2 (en) Method and apparatus for matched quantum accurate feedback DACs
JP2700649B2 (ja) 超伝導アナログ・デジタル変換器
US7038604B2 (en) Superconducting multi-stage sigma-delta modulator
JP5414031B2 (ja) ジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路及び交流電圧標準回路
Filippov et al. Encoders and decimation filters for superconductor oversampling ADCs
Sasaki et al. RSFQ-based D/A converter for AC voltage standard
US7728748B1 (en) Superconducting analog-to-digital converter
JP3837274B2 (ja) Ad変換装置
Miller et al. Flux quantum sigma-delta analog-to-digital converters for rf signals
Yuh et al. An experimental digital SQUID with large dynamic range and low noise
Hashimoto et al. Superconducting second-order sigma-delta modulators utilizing multi-flux-quantum generators
JP3325545B2 (ja) 超電導シグマデルタ変調器
Koch et al. A NRZ-output amplifier for RSFQ circuits
Maezawa et al. Analog-to-digital converter based on RSFQ technology for radio astronomy applications
Brock et al. Design and testing of QOS comparators for an RSFQ based analog to digital converter
US11668769B2 (en) Superconducting output amplifier having return to zero to non-return to zero converters
Yoshida et al. Characteristics of superconducting first-order sigma-delta modulator with clock-doubler circuit
US11552610B2 (en) Superconducting output amplifier including compound DC-SQUIDs having both inputs driven by an input signal having the same phase
Miller et al. Superconducting sigma-delta analog-to-digital converters
JPH05267730A (ja) 超電導アナログ.デジタル変換器
Hasegawa et al. Single flux quantum counting sinc filter with multistage decimation structure
Yoshida et al. Frequency multiply circuit for superconducting A/D converter

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050117

RD01 Notification of change of attorney

Effective date: 20051227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060731

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees