JP2001284134A - 屋内変電設備 - Google Patents

屋内変電設備

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JP2001284134A
JP2001284134A JP2000095957A JP2000095957A JP2001284134A JP 2001284134 A JP2001284134 A JP 2001284134A JP 2000095957 A JP2000095957 A JP 2000095957A JP 2000095957 A JP2000095957 A JP 2000095957A JP 2001284134 A JP2001284134 A JP 2001284134A
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Japan
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cooler
air
room
outlet
indoor substation
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JP2000095957A
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English (en)
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Masumi Nakatate
真澄 中楯
Hiroshi Muramatsu
浩史 村松
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内に複数台の静止誘導電器が配置された場
合、どの静止誘導電器の冷却器も優れた冷却性能を維持
でき、静止誘導電器の運転の安定化を図った信頼性の高
い屋内変電設備を提供する。 【解決手段】 流入口5及び流出口6を有する室内には
2台の静止誘導電器4A,4Bが配置されている。この
室内には流入口5から1台分の静止誘導電器4または4
Bの周囲を通って流出口6までの空間を仕切る遮蔽板7
が設けられている。遮蔽板7は室内の天井から静止誘導
電器4A,4Bの冷却器2の中央より下の位置までを仕
切るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下変電所などの
ように建物内部に設置された屋内変電設備に係り、特
に、冷却器を有する静止誘導電器が配置された屋内変電
設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、変電設備のコンパクト化が進めら
れており、建物の地階部分に設置される地下変電所など
の屋内変電設備が実用化されている。ここで、屋内変電
設備の従来例を図11の平面図及び図12の正面図を用
いて説明する。すなわち、室内には変圧器あるいはリア
クトルなどの静止誘導電器4A(図中右側),4B(図
中左側)が2台配置されている。静止誘導電器4A,4
Bはいずれも、本体タンク1と、冷却器2と、両者を接
続する配管3とから構成されている。本体タンク1には
鉄心及び巻線が収納されると共にSF6ガス、窒素ガ
ス、変圧器油などの冷媒が封入されている。冷媒は本体
タンク1から配管3を通って冷却器2に送られ、ここで
冷却されて再び本体タンク1に供給されるようになって
いる。
【0003】冷却器2が冷媒を冷やすとき、冷却器2か
らは熱が排出される。この排熱によって室内の空気は暖
められて上昇し、室内上方の温度が高くなる。そこで室
内の温度を一定に保つために、室内の下部側面に外部か
ら空気を取り入れる流入口5が設けられ、室内の上部に
室内の空気を外部に排出する流出口6が設けられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような複数台の
静止誘導電器を設置した屋内変電設備において、流入口
5から入った空気は流出口6から出るまでに静止誘導電
器4A,4Bの周囲を通過するので、空気の流れる経路
は静止誘導電器4A,4Bごとに異なる。通常、この経
路の距離が短いほど空気は流れやすいので、上記の従来
例では流出口6に近い静止誘導電器4Bを経由する経路
の方が空気はスムーズに流れる。逆に、流出口6から離
れた静止誘導電器4Aを経由する経路では空気が緩やか
に流れることになる。
【0005】このように流速の異なる空気が1つの室内
を流れていると、両者は互いに干渉して室内に空気が淀
みやすい。その結果、室内の温度が上昇し、冷却器2の
冷却性能を弱まる。特に、空気の流れが緩やかな静止誘
導電器4A周辺では空気が滞留しがちとなり、熱源であ
る冷却器2の周囲温度が高くなって冷却性能が低下しや
すい。このような問題に対処する手段としては、最初か
ら空気の淀みを考慮して、本体タンク1内の巻線を大型
化して発熱量を小さくする、あるいは冷却器2の台数を
増やすといった冷却設計を行うことが考えられる。しか
し、これらの対策では機器の大型化を招くという欠点が
ある。
【0006】さらに、環境調和性が重視される今日で
は、冷却器2の排熱もエネルギーであるといった認識が
広がっている。そのため、屋内変電設備に関しては設備
が設置された建物全体を視野に入れた上で冷却器2の排
熱エネルギーの有効利用を図ることが望まれている。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するために提
案されたものであり、その主たる目的は、室内に複数台
の静止誘導電器が配置された場合、どの静止誘導電器の
冷却器も優れた冷却性能を維持でき、静止誘導電器の運
転の安定化を図った信頼性の高い屋内変電設備を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、設備が設置
された建物全体にわたって冷却器の排熱を利用できるエ
ネルギーの利用効率が高い屋内変電設備を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、空気の流入口と流出口を有する室内に、
鉄心及び巻線が収納されると共に冷媒が封入された本体
タンクと、前記冷媒を冷却するための冷却器と、前記本
体タンクと前記冷却器を接続して前記冷媒を循環させる
配管とを備えた静止誘導電器が配置された屋内変電設備
において、次のような技術的な特徴を有している。
【0009】請求項1の発明は、前記静止誘導電器は室
内に複数台配置され、前記流入口から1台分の前記静止
誘導電器の周囲を通って前記流出口までの空間を仕切る
遮蔽板が設けられたことを特徴とする。
【0010】このような請求項1の発明によれば、流入
口から流入した空気が静止誘導電器の冷却器の排熱によ
り暖まって上昇するとき、室内の空間は遮蔽板によって
静止誘導電器1台ごとに仕切られているため、1つの静
止誘導電器周辺を流れる空気と、他の静止誘導電器周辺
を流れる空気とが互いに干渉することがない。したがっ
て、流入口からの空気は静止誘導電器周辺を通過して流
出口に至るまで整然と流れることができる。この結果、
室内に複数の静止誘導電器が配置されていても、室内に
おける静止誘導電器の配置構成及び位置に関係なく、静
止誘導電器周辺の空気の滞留を防ぐことができ、室内温
度の上昇を抑えることができる。これにより、各静止誘
導電器の冷却器はいずれも優れた冷却性能を発揮するこ
とができ、静止誘導電器は安定して運転することが可能
となる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の屋内変
電設備において、前記遮蔽板は前記流入口から1台分の
前記冷却器の周囲を通って前記流出口までの空間を仕切
るように設けられたことを特徴とする。このような請求
項2の発明によれば、冷却器の排熱により暖められた空
気はそのほとんどが遮蔽板に沿って上昇するため、冷却
器の周囲だけを仕切っていれば、空気を遮蔽する効果は
十分であり、前記請求項1の発明と同等の作用効果を得
ることができる。しかも、遮蔽板が静止誘導電器全体で
はなく冷却器の周囲を仕切るだけなので、遮蔽板の構成
を簡略化することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の屋内変電設備において、前記遮蔽板は室内の天井から
前記冷却器の中央より下の位置までを仕切るように設け
られたことを特徴とする。このような請求項3の発明に
よれば、前記請求項2の発明の作用効果に加えて、遮蔽
板が冷却器の中央より下までなので、人間が床面を歩行
する際に支障がないという利点がある。
【0013】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の屋内変電設備において、前記流出口に換気扇が取
付けられたことを特徴とする。このような請求項4の発
明によれば、換気扇が室内の空気を均一に吸込むので、
静止誘導電器周辺の空気流量を均一化することができ、
静止誘導電器の冷却器の冷却性能のばらつきを確実に抑
えることができる。
【0014】請求項5の発明は、前記静止誘導電器は室
内に複数台配置され、各静止誘導電器の前記冷却器はそ
れぞれ、前記流出口に対してほぼ同じ距離になるように
配置され、前記流出口と複数台の前記冷却器を囲む領域
で室内の天井から前記冷却器にかかる高さまで遮蔽板が
設けられたことを特徴とする。このような請求項5の発
明によれば、遮蔽板が流出口を含めて冷却器全体を囲ん
でおり、しかも、各冷却器から流出口までの距離がほぼ
同じなので、冷却器に対する流入口の位置の影響が現わ
れ難く、どの冷却器の周辺でも均一に空気が流れること
になり、冷却機は均一な冷却性能を維持して、静止誘導
電器の安定運転が可能となる。
【0015】請求項6の発明は、前記冷却器の上部半分
以上が前記流出口の内部に入り込んで配置されたことを
特徴とする。このような請求項6の発明によれば、冷却
器の上半分が流出口内部に入り込んでいるため、冷却器
の排熱によって暖められた空気はそのまま流出口を上昇
することになる。したがって、請求項5の発明と同じ
く、流出口の位置に関係なく、どの冷却器の周辺でも均
一に空気が流れることになり、冷却機は均一な冷却性能
を維持して、静止誘導電器の安定運転が可能となる。
【0016】請求項7の発明は、請求項6記載の屋内変
電設備において、前記冷却器の下部に、上方に向いて吹
く冷却用ファンが取付けられたことを特徴とする。この
ような請求項7の発明によれば、冷却用ファンが冷却器
の周辺に空気を遅れ込むので、冷却器の冷却性能が向上
する。
【0017】請求項8の発明は、請求項6または7記載
の屋内変電設備において、前記流出口の上方に換気扇が
取付けられたことを特徴とする。このような請求項8の
発明によれば、前記請求項4の発明と同じく、換気扇が
室内の空気を均一に吸込むので、静止誘導電器周辺の空
気流量を均一化することができ、静止誘導電器の冷却器
の冷却性能のばらつきを確実に抑えることができる。
【0018】請求項9の発明は、前記流入口及び前記流
出口は、屋内変電設備が設置される建物内の各階の天井
とその上階の床面との間の空間及び建物の外壁面と内壁
との間の空間の少なくとも一方に接続されたことを特徴
とする。このような請求項9の発明によれば、冷却器の
排熱により暖まった空気は流出口から建物の内部を循環
することができ、建物全体を暖める効果がある。特に、
外気温度の低い冬季の場合や寒冷地に設置された屋内変
電設備においては、建物内の暖房費の節約を図ることが
でき、従来外気に放出していた排熱を有効に利用できる
ことが可能となる。
【0019】請求項10の発明は、請求項9記載の屋内
変電設備において、屋内変電設備が設置される建物の上
部に、空気を取入れる給気口及び空気を排出する排気口
が設けられ、これら給気口及び排気口は空気の流量を調
整するように構成され、さらに前記給気口には前記流入
口が接続され、前記排気口には前記流出口が接続された
ことを特徴とする。このような請求項10の発明によれ
ば、給気口及び排気口が空気流量を調整して、屋内変電
設備が設置された室内への暖気の流入を抑えることがで
き、冷却器の冷却性能の低下を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態の
一例について図面を参照して説明する。各実施の形態
は、図11及び図12に示した従来例と同様、室内に2
台の静止誘導電器4A,4Bが配置された屋内変電設備
であり、従来例と同一または相当部分に関しては同一の
符号を付して説明は省略する。
【0021】(1)第1の実施の形態…図1、図2参照 [構成]本発明の第1の実施の形態は請求項1及び3に
対応する。図1に示すように、空気の流入口5と流出口
6を有する室内には流入口5の中央から静止誘導電器4
A,4Bの間を通って流出口6の中央までを仕切る遮蔽
板7が設けられている。また、図2に示すように遮蔽板
7は室内の天井から冷却器2の中央より下の位置までを
仕切るようになっている。
【0022】[作用効果]このように構成された第1の
実施の形態において、流入口5から流入した空気は静止
誘導電器4A,4Bの冷却器2の排熱により暖まり、密
度が小さくなって上昇する。室内上部の空間は遮蔽板7
によって静止誘導電器4ごとに2つの空間に仕切られて
いるため、静止誘導電器4A側の冷却器2周辺を流れる
空気と静止誘導電器4B側の冷却器2周辺を流れる空気
とが互いに干渉することがない。すなわち、流入口5か
ら室内に入った空気は遮蔽板7により2つに分かれたま
ま、一方は静止誘導電器4Aの周辺を通り、他方は静止
誘導電器4Bの周辺を通って流出口6で合流するまで整
然と流れる。
【0023】このとき、静止誘導電器4Aの方が静止誘
導電器4Bよりも流出口6から離れているので、周辺を
通過する空気の流れは静止誘導電器4B側を流れる空気
の流れに比べて緩やかであるが、流速の異なる空気と衝
突しないので、空気の淀みの発生を抑えることができ、
空気の流れはスムーズである。したがって、静止誘導電
器4A,4Bの配置構成及び位置に関係なく、どの場所
でも空気は室内をスムーズに流れていき、室内温度の上
昇を抑制することができる。これにより、2台の冷却器
2は共に優れた冷却性能を維持することができ、静止誘
導電器4A,4Bはいずれも安定して運転することが可
能である。この結果、従来技術のように冷却器2におけ
る冷却性能の低下を補うべく、本体タンク1の巻線を大
きくしたり、冷却器2の台数を増やしたりする必要がな
く、静止誘導電器4A,4Bの大型化は不要である。
【0024】しかも、遮蔽板7は室内の床面にまで達し
ているわけではないので、人間が床面を歩行する際に支
障がない。なお、冷却器2の排熱により暖められた空気
はそのほとんどが遮蔽板に沿って上昇するため、冷却器
2の中央より下から天井までを仕切っていれば、遮蔽板
7を越えて隣の領域に流れる空気はほとんどない。した
がって、空気を遮蔽する効果は十分である。
【0025】(2)第2の実施の形態…図3、図4、図
5参照 [構成]次に、請求項2及び3に対応した本発明の第2
の実施の形態について、図3及び図4を用いて説明す
る。図4に示すように、第2の実施の形態では室内が上
下2つの階に分けられており、2台の静止誘導電器4
A,4Bを構成する部材のうち、本体タンク1が下の階
に、冷却器2が上の階にそれぞれ設置されている。下の
階には外部から空気を取入れる流入口5aが設けられて
おり、上の階には空気を外部に排出する流出口6が設け
られている。さらに、下の階の天井面と上の階の床面と
を貫通して流入口5bが設けられている。この流入口5
bは2つの冷却器2の間で、且つ室内の壁面近くに配置
されている。
【0026】第2の実施の形態の特徴は図3に示すよう
に、室内の上の階において1台分の冷却器2の周囲と流
出口6を結ぶ空間を仕切るようにして遮蔽板7a,7
b,7cが設けられている点にある。遮蔽板7aは室内
の横方向(図3の左右方向)全体にわたって配置され、
遮蔽板7bは2台の冷却器2の間に前記遮蔽板7aと直
交して配置され、遮蔽板7cは遮蔽板7bの端部から流
出口6までを前記遮蔽板7aと平行に配置されている。
これら遮蔽板7a,7b,7cは上の階の天井から冷却
器2の中央やや下までを区切るように設けられている。
【0027】[作用効果]以上の構成を有する第2の実
施の形態では、流入口5aから室内の下の階に流入した
空気は流入口5bを抜けて上の階に流入する。上の階に
入った空気は遮蔽板7aの下を流れ、冷却器2の排熱に
よって暖まって上昇する。上の階の上部空間は遮蔽板7
a,7b,7cにより、1台分ごとの冷却器2に区切ら
れているため、一方の冷却器2により熱せられた空気
と、もう一方の冷却器2によって熱せられた空気とが互
いに干渉することなく、冷却器2周辺から流出口6まで
整然と流れることができる。
【0028】したがって、冷却器2が流入口5bや流出
口6から離れていた場合でも、空気が淀むことはなくな
り、室内温度の上昇を抑制することができる。そのた
め、冷却器2の配置構成及び位置による冷却性能の差は
発生せず、前記第1の実施の形態と同様、2台の冷却器
2は共に均一な冷却性能を維持することができ、静止誘
導電器4A,4Bの安定運転が可能となる。しかも、遮
蔽板7a,7b,7cは静止誘導電器4A,4B全体で
はなく、冷却器2の周囲を仕切るだけなので、その構成
を簡略化することができる。なお、室内の下の階に設置
された本体タンク1は、放熱量が冷却器2に比べて十分
小さいため、特に遮蔽板などを設置しなくても、空気の
流れには影響を及ぼすことがない。
【0029】[第2の実施の形態の変形例]図5では第
2の実施の形態の変形例を示している。この例は上記第
2の実施の形態に請求項4の構成を加えたものであり、
流出口6に換気扇8が取付けられたことを特徴としてい
る。ただし、冷却器2から流出口6までの空間を仕切る
遮蔽板7b,7cは上の階の床面から天井までを仕切る
ように設けられている。これは、換気扇8が室内の空気
を均一に吸込むので、冷却器2から流出口6までをほぼ
完全に仕切る必要があるためである。なお、流入口5b
に近い遮蔽板7aは設置されていない。以上の実施の形
態では、換気扇8が室内の上の階の空気を均一に吸込む
ので、各冷却器2の回りに流れる空気流量はほぼ等しく
なる。この結果、冷却器2の冷却性能のばらつきを確実
に抑えることができる。
【0030】(3)第3の実施の形態…図6参照 [構成]続いて、請求項5に対応した本発明の第3の実
施の形態について述べる。図6に示すように、第3の実
施の形態では室内の天井の中央に流出口6aが設けられ
ている。静止誘導電器4A,4Bの冷却器2はいずれも
流出口6aの真下で、且つ流出口6aからの距離がほぼ
同じになるように配置されている。また、流出口6aと
2台の冷却器2を囲む領域で室内の天井から冷却器2に
かかる高さまで遮蔽板7dが設けられている。
【0031】[作用効果]以上の第3の実施の形態にお
いて、流入口(図示していない)から室内に流入した空
気は冷却器2により暖められて上昇し、流出口6aに導
かれていく。この場合、流入口6aに近い冷却器2の周
辺ほど空気が流れやすくなるが、第3の実施の形態では
遮蔽板7dが流出口6aを含めて2台の冷却器2を囲ん
でおり、しかも、2台の冷却器2は流出口6aまでの距
離がほぼ同じである。そのため、冷却器2に対する流出
口6aの位置の影響が現われ難く、各冷却器2の周辺で
均一に空気が流れることになる。したがって、各冷却器
2は共に均一な冷却性能を維持することができ、静止誘
導電器4A,4Bの安定運転が可能となる。
【0032】(4)第4の実施の形態…図7、図8参照 [構成]図7は本発明の第4の実施の形態を示すもので
あり、第4の実施の形態は請求項6及び7を包含してい
る。第4の実施の形態では、室内の天井の中央に天井か
ら数メートル以上、建物内を垂直に貫通して流出口6b
が設けられている。この流出口6bの内部に、2台の静
止誘導電器4A,4Bの冷却器2が両方とも、上部半分
以上入り込んで設置されている。さらに、冷却器2下部
には上向きに吹き出す冷却用ファン9が取付けられてい
る。
【0033】[作用効果]このように構成された第4の
実施の形態において、流入口(図示していない)から室
内に流入した空気は冷却用ファン9によって強制的に冷
却器2の周辺を通って上方に流れる。このとき、冷却器
2の上半分が流出口6b内に入り込んでいるため、その
まま流出口6bを上昇することになる。したがって、第
4の実施の形態では流出口6bの位置に関係なく、各冷
却器2の周辺で均一に空気が流れることになる。この結
果、どの冷却器2も均一な冷却性能を維持して、静止誘
導電器4A,4Bはいずれも安定運転が可能である。し
かも、冷却用ファン9が強制的に冷却器2の周辺に空気
を送り込むので、冷却器2は優れた冷却性能を発揮する
ことができる。
【0034】[第4の実施の形態の変形例]図8に示す
実施の形態は、上記第4の実施の形態に請求項8の構成
を加えたもので、前記流出口6bに換気扇8が取付けら
れたことを特徴としている。この形態では、換気扇8が
室内の空気を均一に吸い込むため、冷却器2の回りでは
均一な空気の流量が得られることになり、冷却器2にお
ける冷却性能の均一化を確実に保つことができる。な
お、換気扇の取付位置は流出口6bの上部から建物の外
部までの間であれば、どこに取付けても効果は同じであ
る。
【0035】(5)第5の実施の形態…図9、図10参
照 [構成]本発明の第5の実施の形態は請求項9及び10
に対応している。図9に示すように、第5の実施の形態
では、4階建ての建物10の1階部分に、2台の静止誘
導電器が配置された屋内変電設備が設置されている。1
階の1つの壁面下部には流入口5bが設けられ、これと
向い合う壁面の上部には流出口6cが設けられている。
流入口5b及び流出口6cは、建物10内の各階の天井
とその上階の床面(4階部分では屋上の床面)との間の
空間及び建物10の外壁面と内壁との間の空間に接続さ
れている。
【0036】また、建物10の上部の一方には空気を取
入れる給気口11が設けられ、建物の上部の他方には空
気を排出する排気口12が設けられている。これら給気
口11及び排気口12はその開口部の断面積を調整して
空気の流量を調整するように構成されている。さらに、
給気口11及び排気口12にはそれぞれ、建物10の外
壁面と内壁との間の空間を介して、流入口5b及び流出
口6cが接続されている。
【0037】[作用効果]このように構成された第5の
実施の形態では、給気口11と排気口12を全閉あるい
は開口部の断面積を絞った場合、冷却器2により暖めら
れた空気は流出口6cから建物10の外壁面と内壁との
間の空間を通って上昇し、全部あるいは一部が建物10
内の各階の天井とその上階の床面との間の空間を通過す
る。この空間を抜けた空気は建物10の外壁面と内壁と
の間の空間に入って流入口5bに流れ、再度室内に流れ
込むことになる。このように冷却器2の排熱により暖ま
った空気は建物10内を循環することができ、建物10
全体を暖める効果がある。特に、外気温度の低い冬季の
場合や寒冷地に設置された屋内変電設備においては、建
物10内の暖房費の節約を図ることができ、従来外気に
放出していた排熱を有効に利用できることが可能とな
る。
【0038】ただし、温度の上昇した空気が屋内変電設
備が設置された室内に流入する場合、冷却器2の冷却性
能が低下するおそれがある。第5の実施の形態では、こ
のような不具合が生じないように空気温度をモニター
し、その温度により給気口11と排気口12の開口部の
断面積を調整して空気の流量を調整するようになってい
る。この空気流量の調整により屋内変電設備が設置され
た室内への暖気の流入を抑えることができ、冷却器2の
冷却性能と建物10の暖房効果の両方を効率良く得るこ
とができる。また、夏季のように建物10を暖房する必
要がない場合は、前記給気口11と排気口12を全開に
すれば、冷却器2の排熱により暖められた空気は流出口
6cから上昇して大部分が排気口12から建物の外部に
排出されるため、建物10内を循環する空気は少なくな
り、暖房効果はなくなる。
【0039】[第5の実施の形態の変形例]図10は第
5の実施の形態の変形例であり、建物10上部の一方に
設けられた給気口11の下部に排出口12aが設けられ
ている。また、建物10内の各階の天井とその上階の床
面(4階部分では屋上の床面)との間の空間及び建物1
0の外壁面と内壁との間の空間に流出口6c、排出口1
2、12aが接続されている。
【0040】このように構成した実施の形態では、給気
口11から常に外部の空気が建物10内に入り、流入口
5bを抜けて静止誘導電器の設置された室内に流入する
ことになり、冷却器2の冷却性能が低下することはな
い。また、温度の上昇した空気は流出口6cから建物内
を上昇し、全部あるいは一部が建物10内の各階の天井
とその上階の床面との間の空間を流れ、排出口12aか
ら建物10の外部に排出されることになる。すなわち、
冷却器2により暖められた空気を建物10内に流動させ
てから外部に放出するため、建物10全体を暖める効果
があり、かつ冷却器2の冷却性能を確保することができ
る。この場合も、建物10内を流れる空気温度に応じて
排気口12aと12bの開口部の断面積を調整すること
により、建物10の暖房効果を調整することが可能とな
る。例えば、暖房の必要のない場合は排気口12aを全
閉、排気口12bを全開にすればよい。
【0041】なお、以上の説明では、建物10への給気
口11及び11aは建物10の上部に設置した実施の形
態を述べたが、建物10の上部にある必要はなく、下部
に設置されていても効果は同様である。また、給気口、
流出口、排出口などに換気扇8を取付け、強制的に空気
を建物10内に循環させることも可能である。この場
合、換気扇8の回転数を調整することにより、冷却器2
の冷却能力の調整及び建物10内の循環流量の調整が可
能となる。
【0042】
【発明の効果】上述したように、本発明の屋内変電設備
によれば、複数台の静止誘導電器が配置された室内にお
いて静止誘導電器を1台ごとに流入口から流出口まで仕
切る遮蔽板を設けたので、静止誘導電器の冷却器の排熱
により熱せられた空気が互いに干渉することなく整然と
流れ、どの静止誘導電器の冷却器も優れた冷却性能を維
持でき、静止誘導電器の運転の安定化を図って信頼性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の平面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の平面図。
【図4】図3の正面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の変形例を示す正面
図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の正面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態の正面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の変形例を示す正面
図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の正面図。
【図10】本発明の第5の実施の形態の変形例を示す正
面図。
【図11】従来の屋内変電設備の平面図。
【図12】図11の正面図。
【符号の説明】
1…本体タンク 2…冷却器 3…配管 4A,4B…静止誘導電器 5,5a,5b…流入口 6,6a,6b,6c…流出口 7,7a,7b,7c,7d…遮蔽板 8…換気扇 9…冷却用ファン 10…建物 11…給気口 12,12a…排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 豊 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 5E050 BA02 BA06 BA10 CA03 HA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の流入口と流出口を有する室内に、
    鉄心及び巻線が収納されると共に冷媒が封入された本体
    タンクと、前記冷媒を冷却するための冷却器と、前記本
    体タンクと前記冷却器を接続して前記冷媒を循環させる
    配管とを備えた静止誘導電器が配置された屋内変電設備
    において、 前記静止誘導電器は室内に複数台配置され、 前記流入口から1台分の前記静止誘導電器の周囲を通っ
    て前記流出口までの空間を仕切る遮蔽板が設けられたこ
    とを特徴とする屋内変電設備。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽板は前記流入口から1台分の前
    記冷却器の周囲を通って前記流出口までの空間を仕切る
    ように設けられたことを特徴とする請求項1記載の屋内
    変電設備。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽板は室内の天井から前記冷却器
    の中央より下の位置までを仕切るように設けられたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の屋内変電設備。
  4. 【請求項4】 前記流出口に換気扇が取付けられたこと
    を特徴とする請求項1、2または3記載の屋内変電設
    備。
  5. 【請求項5】 空気の流入口と流出口を有する室内に、
    鉄心及び巻線が収納されると共に冷媒が封入された本体
    タンクと、前記冷媒を冷却するための冷却器と、前記本
    体タンクと前記冷却器を接続して前記冷媒を循環させる
    配管とを備えた静止誘導電器が配置された屋内変電設備
    において、 前記静止誘導電器は室内に複数台配置され、 各静止誘導電器の前記冷却器はそれぞれ、前記流出口に
    対してほぼ同じ距離になるように配置され、 前記流出口と複数台の前記冷却器を囲む領域で室内の天
    井から前記冷却器にかかる高さまで遮蔽板が設けられた
    ことを特徴とする屋内変電設備。
  6. 【請求項6】 空気の流入口と流出口を有する室内に、
    鉄心及び巻線が収納されると共に冷媒が封入された本体
    タンクと、前記冷媒を冷却するための冷却器と、前記本
    体タンクと前記冷却器を接続して前記冷媒を循環させる
    配管とを備えた静止誘導電器が配置された屋内変電設備
    において、 前記冷却器の上部半分以上が前記流出口の内部に入り込
    んで配置されたことを特徴とする屋内変電設備。
  7. 【請求項7】 前記冷却器の下部に、上方に向いて吹く
    冷却用ファンが取付けられたことを特徴とする請求項6
    記載の屋内変電設備。
  8. 【請求項8】 前記流出口の上方に換気扇が取付けられ
    たことを特徴とする請求項6または7記載の屋内変電設
    備。
  9. 【請求項9】 空気の流入口と流出口を有する室内に、
    鉄心及び巻線が収納されると共に冷媒が封入された本体
    タンクと、前記冷媒を冷却するための冷却器と、前記本
    体タンクと前記冷却器を接続して前記冷媒を循環させる
    配管とを備えた静止誘導電器が配置された屋内変電設備
    において、 前記流入口及び前記流出口は、屋内変電設備が設置され
    た建物内の各階の天井とその上階の床面との間の空間及
    び建物の外壁面と内壁との間の空間の少なくとも一方に
    接続されたことを特徴とする屋内変電設備。
  10. 【請求項10】 屋内変電設備が設置された建物の上部
    に、空気を取入れる給気口及び空気を排出する排気口が
    設けられ、 これら給気口及び排気口は空気の流量を調整するように
    構成されており、 さらに前記給気口には前記流入口が接続され、前記排気
    口には前記流出口が接続されたことを特徴とする請求項
    9記載の屋内変電設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066489A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Toshiba Corp 静止誘導電器
JP2010286132A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Nishimatsu Constr Co Ltd 蓄熱システム
JP2013004598A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Fuji Electric Co Ltd 変圧器の冷却装置
JP2016219688A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 富士電機株式会社 変圧器の冷却装置

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