JP2001281611A - 光送信器 - Google Patents
光送信器Info
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- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
設置し、光源を偏波スクランブルすることで偏波依存性
を回避するシステムで、偏波スクランブルによる過剰損
失が伝送性能の劣化を引き起こす。 【解決手段】 光変調器のバイアス点SNRが改善でき
る点に下げる。
Description
光変調器を用いて光信号に変換する光送信器に関する。
イバ伝送する場合、アナログ信号の中心周波数が高い場
合など様々なケースで光源のレーザと外部光変調器を組
み合わせて光送信器として用いる場合がある。
光変調器(MZ変調器)を用いる場合、その入力電圧対
光透過率の関係は図14のように正弦波状となってい
る。このように非線形な入出力特性を有する光変調器に
アナログ信号で変調をかける場合は、通常、出力信号の
歪が極力小さくなるよう、入出力特性のうち線形性が最
も良いところを使用する。
ースバンドデジタル信号以外の信号であり、例えば、デ
ジタル信号で特定の周波数に変調をかけた無線信号のよ
うな帯域信号もアナログ信号に分類される。
器の熱雑音、(b)光信号がフォトダイオードで受信さ
れるときに発生するショット雑音、(c)光源の相対強
度雑音(RIN)、(d)光増幅器の自然放出光雑音
(ASE)、の4種類がある。(d)に関しては光増幅
器を使用しない場合には発生しない。(a)の大きさは
光受信器の性能によって決まり、通常、入力される光信
号には依存しない。しかし、(b),(c)は受信器に
入力する光信号の平均パワーが大きいほど、受信端で大
きい量が検出される。したがって、受信端での雑音量の
みを考慮する場合、光受信器へ入力する平均光パワーが
小さいほど雑音は少なくなるが、通常、平均光入力パワ
ーを小さくすると情報の乗った信号の大きさも比例して
小さくなるため、大抵の場合、信号対雑音比(SNR)
は改善しない。一般的な光通信であるベースバンドデジ
タル信号による光通信の場合は、図15(a)のように
信号"0"に対しては、光がほとんど無い状態となる。し
たがって、受信器入力光平均パワーが減少すると、光電
変換後の信号パワーは光平均パワーの2乗に比例して減
少する。一方光電変換後の雑音パワーは(a)は入力光
パワーに依存せず、(b)は入力光平均パワーに比例、
(c)は入力光平均パワーの2乗に比例する。((d)
に関しては光増幅器への入力パワーや、光増幅器後の損
失等に複雑に関連し、光増幅器が挿入されているシステ
ムでは同様の扱いでの議論が不可能であるため、(課題
を解決するための手段)以降で、異なるシステムとして
新たに検討した結果を示す。) したがって、ベースバ
ンドデジタル信号では、受信器入力平均光パワーが下が
るとSNRは劣化する。
図15(b)のように、信号の最も低いレベルでもある
程度光がある状態で使用することが多い。光パワー平均
レベルPaに対して信号の振幅Aの比であるA/Paを
光変調度(OMI)と言う。OMIが1(100%)で
あるならば、ベースバンドデジタルと同様に光平均パワ
ーを減らすとSNRは劣化する。
純には、OMIを上げることによって信号強度を増やす
ことができる。しかしながら、OMIが100%未満に
制限されているのは、OMI、すなわち、外部光変調器
に印加する信号レベルを上げると歪が増加するためであ
る。したがって、受信器入力光パワーを下げて(b),
(c)の雑音を減らし、OMIを上げて光パワー低下に
ともなう信号強度の減少を補うといったことはできなか
った。
s Technology Letters, Vo
l.5, No.7, p779−782 (199
3),M.L.Farwell他 “Increase
d Linear Dynamic Range by
Low Biasing the Mach−Zeh
nder Modulator" には、MZ変調器の
バイアス点を図14のa点(変曲点、50%)ではな
く、5%にバイアスした方が、OMIに対する3次歪量
が少ないことが記述されている。しかしこの文献では雑
音としてRINしか考慮していない。さらに実システム
では、(a)熱雑音はバイアスを下げても減少せず、
(b)ショット雑音はバイアスを下げてもRINほど減
少しないため、5%より高い点にSNRが最適となる点
がある。
する2次歪が、伝送品質に影響を与える。2次歪はバイ
アスを下げるほど大きくなるため、2次歪によって決定
されるバイアス電圧の下限が存在する。
に挿入されている場合は、雑音の扱い方が全く異なるた
め、別システムとして新たに検討する必要がある。
く、一般的には光源からの光の偏波が維持されないとこ
ろには配置しないが、富岡他「低速偏波スクランブルに
よるRadio on Fiber用光変調器のリモー
ト化」(1999年電子情報通信学会総合大会B−5−
269)のような方法で光源から離して設置することが
可能となる。このようにすると光源を安定な環境に設置
でき安定なシステム動作が得られるが、偏波スクランブ
ルすることによって約3dBの過剰損失が発生し伝送品
質が劣化する。このようなシステムでは、他の部分で伝
送品質を向上させる必要がある。
存性のある外部光変調器を光源から離して設置し、光源
出力を偏波スクランブルすることで偏光依存性の影響を
回避する方法では、過剰損失の影響を抑圧するため、伝
送品質を向上させる必要がある。
は、光受信器への入力光平均パワーを下げて受信端での
雑音を減少させ、同時にOMIを上昇させることによっ
て信号の減少を補える可能性がある。この時の問題点は
OMIを上昇させることで歪が増加することであるが、
MZ変調器ではバイアス点を下げることによってOMI
に対する歪量が減少するため、バイアス点を下げればこ
の問題は解決できる可能性がある。これまでに検討され
たことはあったが、雑音としてRINのみを考慮してい
たためバイアス5%の点が望ましいとの結果が出てお
り、実システムと異なる(実システムでは5%より高い
点がより望ましい)可能性があった。また、バイアスを
下げることによる2次歪の影響の検討はなされていなか
った。
有効なSNR改善効果が得られるバイアス点の範囲を決
定し、そのようなバイアス点で駆動される光送信器を提
供するものである。
るために、本願第1の発明では、偏波保持しない光ファ
イバを介して光源と接続されているマッハ・ツェンダー
型光変調器を用いてアナログ信号を送信する光送信器に
おいて、前記光源の直後に偏波スクランブラを挿入し、
時間平均がほぼ無偏光となるように偏波スクランブルさ
れた光を前記マッハ・ツェンダー型光変調器に入力し、
前記マッハ・ツェンダー型光変調器に印加するバイアス
電圧Vb1を、Pを前記マッハ・ツェンダー型光変調器
に入力する前記アナログ信号のパワー、Rを前記マッハ
・ツェンダー型光変調器の入力インピーダンス、Vπを
前記マッハ・ツェンダー型光変調器の半波長電圧、V0
を前記マッハ・ツェンダー型光変調器の極小透過率を与
える電圧、eを電気素量、ηを光受信器のフォトダイオ
ードの光電変換効率、RINを前記光送信器の光源の相
対強度雑音(dB)、P 0を前記光源の光出力パワー、
LLNを前記偏波スクランブラの損失と前記偏波保持し
ない光ファイバの損失と前記マッハ・ツェンダー型光変
調器の過剰光損失と前記偏波スクランブルされた光が前
記マッハ・ツェンダー型光変調器を通過することで発生
する損失の合計とし、Lを前記光送信器と前記光受信器
間のリンク損失、ithを前記光受信器の入力換算雑音
電流とし、
特徴とする光送信器を提供する。
イアス点を変曲点より下げることによって、偏波スクラ
ンブルによる過剰損失の影響を改善する。
を不変とし、バイアス電圧を変化させると光受信後のS
NRは一例として図2のように変化する。ピークが変曲
点より低いバイアス側に存在する。これは、変曲点から
バイアスを下げていくと、ある点までは、バイアス点を
下げることによる雑音の減少分の方が、信号の減少分よ
り大きいためである。
の式を導出し、これをバイアス電圧で微分して、微分値
が0になる点より求めた。
ードの光電変換効率、RINは光送信器光源の相対強度
雑音(dB)、P0は光源の光出力パワー、LLNはM
Z変調器の過剰光損失と偏波スクランブラの損失と偏波
保持しない光ファイバの損失と偏波スクランブルされた
光がMZ変調器を通過することで発生する損失の合計と
し、Lは光送信器と光受信器間のリンク損失、ithは
光受信器の入力換算雑音電流とする。光受信後の雑音
は、主に受信器の熱雑音、ショット雑音、光源のRIN
の3つからなり、そのパワーは
の正弦波状の入出力特性の極小値によって与えられるオ
フセット電圧(V0)を加えると、請求項1の(A)式
の右辺が得られる。
ス点に設定することよってよりよい条件で使用すること
が可能となる。
型光変調器を用いてアナログ信号を送信する光送信器に
おいて、前記マッハ・ツェンダー型光変調器に印加する
バイアス電圧Vb1を、Pを前記マッハ・ツェンダー型
光変調器に入力される前記アナログ信号のパワー、fb
を前記アナログ信号の帯域幅、Δfを前記マッハ・ツェ
ンダー型光変調器のバイアス制御ループのループ帯域、
Mrを前記アナログ信号の生成に用いる発振器のΔfc
離調(ただしΔfc<<fb)における帯域Δfでの位
相雑音の要求仕様、Rを前記マッハ・ツェンダー型光変
調器の入力インピーダンス、Vπを前記マッハ・ツェン
ダー型光変調器の半波長電圧、V0を前記マッハ・ツェ
ンダー型光変調器の極小透過率を与える電圧とし、
信器のフォトダイオードの光電変換効率、RINを前記
光送信器の光源の相対強度雑音(dB)、P0を前記光
源の光出力パワー、L LNを前記マッハ・ツェンダー型
光変調器の過剰光損失、Lを前記光送信器と前記光受信
器間のリンク損失、ithを前記光受信器の入力換算雑
音電流とし、L=0.01(20dB)の場合に
値として制御することを特徴とする光送信器を提供す
る。
イアス点を変曲点より下げるときのSNRの有効な改善
範囲を規定する。
ーブよりも小さいものに関しては、基本的には奇数次の
歪、特に次数の最も小さい3次歪のみ考慮すればよい。
MZ変調器は入力アナログ信号のパワーが不変であれ
ば、3次歪に関してはバイアス点に全く依存しない。ま
た、バイアス電圧を下げていくとある程度の点までは光
変調度が大きくなるという特性を持っている。したがっ
て、バイアス電圧を下げても3次歪を気にせず伝送特性
を改善できる可能性がある。本願第1の発明は、雑音等
の特性まで考慮して、伝送特性改善効果のあるバイアス
点の有効な範囲を規定するものである。
定される。MZ変調器で現在実用性が最も高いものはニ
オブ酸リチウム(LN)基板上に製作されたものであ
る。LN−MZ変調器は、制御を加えないと図15で示
した入出力特性が横軸方向に時々刻々とドリフトする特
徴がある。特定の透過率を与える点にバイアスを固定し
たい場合には、その透過率を保つようにバイアス電圧を
フィードバック制御する。アナログ信号伝送の場合で
は、LN−MZ変調器の平均出力光パワーを検出し、そ
れが一定となるように制御する方法が一般的である。
次歪は全く生じないが、バイアス点が変曲点よりも下が
ると、下がった量に対応して2次歪が大きくなる。2次
歪の中には直流近辺に発生する成分があり、平均出力パ
ワーを検出し、それを一定にするタイプのフィードバッ
ク制御法をとると、直流近辺の2次歪成分が制御ループ
に検出され、制御ループがこれをバイアス点が揺らいだ
ものと誤認する。その結果、目標値を中心に2次歪によ
る揺らぎを補正するようにバイアス点を変動させる。こ
のように変動しているバイアス電圧とアナログ信号が同
時にMZ変調器に入力されると、(バイアス点の中心が
変曲点以外であるため)2次歪によってバイアス電圧の
変動分とアナログ信号の混変調が発生する。その結果、
アナログ信号に雑音が重畳されたと同等の状態となる。
ドリフト(DCドリフト)は秒〜分、遅いものでは時間
単位で生じるものであり、フィードバックループの時定
数は十分遅くてよい。アナログ信号が、移動無線の信号
やテレビ信号である場合、フィードバックループのルー
プ帯域はアナログ信号の帯域より十分小さくできる。2
次歪が発生しても、フィードバックループはループ帯域
内に発生した成分しか検出しない。
されるという状態は、アナログ信号を生成する際に特定
周波数のキャリアにデータで変調をかけるが、そのキャ
リアに雑音が乗っていることと同等である。したがっ
て、キャリア用の発振器に要求される仕様が満足される
程度であればアナログ信号に雑音が重畳しても問題な
い。
ど大きくなる。システムのパラメータを決定すれば、キ
ャリアの雑音要求を満足できる最小のバイアス点を決定
することができる。それより大きいバイアス点であれ
ば、2次歪によって信号に重畳される雑音量はキャリア
の雑音要求をほぼ満たしており、使用可能である。
は以下のように求めた。
時のパワー、Mrを前記アナログ信号の生成に用いる発
振器のΔfc離調(ただしΔfc<<fb)における帯
域Δfでの位相雑音の要求仕様、RはMZ変調器の入力
インピーダンス、VπはMZ変調器の半波長電圧、fb
はアナログ信号の帯域幅、ΔfはMZ変調器のバイアス
制御ループのループ帯域、V0はMZ変調器のの極小透
過率を与える電圧とする。
る。この大きさを正規化してその出力特性をcos(c
+x)とする。cはバイアスによって与えられる固定分
であり、xはアナログ信号によって与えられる成分であ
る。等振幅
器の正弦波状の入出力特性の極小値の電圧によって生じ
るオフセット分(V0)を加えると、請求項2の(1)
式が得られる。
る。従来が変曲点をバイアスとして使用していたため、
変曲点を上限としても従来より悪くなることはないが、
より有効な範囲を定めることは可能である。
を不変とし、バイアス電圧を変化させると光受信後のS
NRは一例として図2のように変化する。ピークが変曲
点より低いバイアス側に存在する。これは、変曲点から
バイアスを下げていくと、ある点までは、バイアス点を
下げることによる雑音の減少分の方が、信号の減少分よ
り大きいためである。この時、ピークの位置やピークの
値は、雑音、リンク損失等種々のパラメータによって変
化するが、リンク損失のみを劣化させ、他のパラメータ
は変化させない場合、(光増幅器を用いない時には)ピ
ークの位置は大きい電圧側に移動する。
の式を導出し、これをバイアス電圧で微分して、微分値
が0になる点より求めた。
ードの光電変換効率、RINは光送信器光源の相対強度
雑音(dB)、P0は光源の光出力パワー、LLNはM
Z変調器の過剰光損失、Lは光送信器と光受信器間のリ
ンク損失、ithは光受信器の入力換算雑音電流とす
る。光受信後の雑音は、主に受信器の熱雑音、ショット
雑音、光源のRINの3つからなり、そのパワーは
状の入出力特性の極小値によって与えられるオフセット
電圧(V0)を加えると、請求項2の(2)式の右辺が
得られる。
述のように、リンク損失の劣化によって大きくなってい
く。アナログ光伝送システムでは光分配することが多い
ため、リンク損失の最大値(Lの最小値)は比較的大き
い。一般的な例で、16分岐のスターカップラを使用
し、伝送距離が最大10km程度の系で約20dBであ
る。
最大値20dB(L=0.01)の場合に請求項2の
(2)式右辺から得られる値を、バイアス電圧の最大値
とする。リンク損失が劣化していくと、SNRのピーク
が大きい側に移動していくのみでなく、SNRの値が小
さくなっていく。したがってリンク損失の大きい(SN
Rの悪い)状態でのピークを与えるバイアス電圧が設定
値の範囲に入っていることよって、最も状態が悪い場合
でもよりよい条件で使用することが可能となる。
しくは(発明の実施の形態)で述べるが5%よりは大き
いバイアスとなっている。
ダー型光変調器を用いてアナログ信号を送信する光送信
器において、前記マッハ・ツェンダー型光変調器に印加
するバイアス電圧Vb1を、Pを前記マッハ・ツェンダ
ー型光変調器に入力する前記アナログ信号のパワー、R
を前記マッハ・ツェンダー型光変調器の入力インピーダ
ンス、Vπを前記マッハ・ツェンダー型光変調器の半波
長電圧、V0を前記マッハ・ツェンダー型光変調器の極
小透過率を与える電圧、eを電気素量、ηを光受信器の
フォトダイオードの光電変換効率、RINを前記光送信
器の光源の相対強度雑音(dB)、P 0を前記光源の光
出力パワー、LLNを前記マッハ・ツェンダー型光変調
器の過剰光損失、Lを前記光送信器と前記光受信器間の
リンク損失、ithを前記光受信器の入力換算雑音電流
とし、
特徴とする光送信器を提供する。
るバイアス電圧でピークを持つことを述べた。本願第3
の発明では、ピークを与える点をバイアス電圧の制御目
標値とすることを特徴とする。請求項3の(3)式の導
出は請求項2の(2)式の導出と同じであるため省略す
る。目標値をピークに設定することによって、最もSN
Rが良いバイアス条件で使用することが可能となる。こ
のようにして決定されたバイアス点も本願第2の発明と
同様に5%より大きい点となっている。
において、前記光送信器の送信光を受信する光受信器が
複数存在し、各々の光受信器に対するリンク損失のうち
最大のリンク損失(最小のL)で与えられる(3)式に
対応するバイアス点を目標値として制御することを特徴
とする光送信器を提供する。
ナログ光伝送システムでは光リンクの途中で光分配が入
ることが多い。このような場合、1つの光送信器に対し
て複数の光受信器が存在し、各々の光受信器に対応する
リンク損失が等しいとは限らない。前述のように、リン
ク損失の値によってSNRのピークを与える点が変化す
る。また、リンク損失が大きい方がSNRが小さく伝送
性能が悪い。
が異なる複数の光受信器を有するシステムにおいて、最
も大きいリンク損失でSNRのピークを与えるバイアス
電圧を目標値として制御する。このようにすると、リン
ク損失の異なる光受信器ではそれぞれのリンク損失で決
定されるピークにバイアスした場合よりSNRは悪くな
る。しかし、リンク損失が小さい程SNRの絶対値が大
きく、また、リンク損失が劣化するほどそのリンク損失
によるSNRのピークと最大リンク損失によるSNRの
ピークの点のずれは小さくなる。結果として複数の光受
信器のSNR差が小さくなり、リンク損失の大小による
伝送品質のばらつきを小さくすることが可能となる。
第4の発明において、前記マッハ・ツェンダー型光変調
器のバイアス電圧制御ループの制御目標値Vb1に対し
て、制御ループのループ帯域Δflが、fbを前記アナ
ログ信号の帯域幅、Mrを前記アナログ信号の生成に用
いる発振器のΔfc離調(ただしΔfc<<fb)にお
ける帯域Δfでの位相雑音の要求仕様として、
する光送信器を提供する。
グ信号に重畳される雑音によってバイアス電圧の下限を
決定した。本願第2と第3の発明では、SNRのピーク
にバイアス点の目標値を設定したため、ピークのバイア
ス点では2次歪の要求を満たせない可能性がある。そこ
で、本願第5の発明では、バイアス電圧フィードバック
制御ループのループ帯域を絞ることによって、2次歪に
よって発生する雑音の雑音帯域を減らし、トータルの雑
音を減少させる。具体的に、どの程度ループを絞れば有
効であるかは以下のように決定した。
イアス値を求める式であった。このとき、SNRのピー
クを与えるバイアス値に固定すると、この不等式を満た
さないことがある。nを増加させて不等式を満足させる
ことは可能であるが、式の上で単にnを増加させること
は、Mrを規定する帯域と、歪による雑音量を決定する
帯域が異なることとなり、意味をなさない。しかしなが
ら、フィードバックループのループ帯域を小さくするこ
とによって、アナログ信号に重畳される雑音のトータル
の帯域を減らし、トータルの雑音量を減少させることは
可能である。
調周波数における特定の帯域幅内の雑音パワーのキャリ
アパワーに対する比で規定される。しかしシステム設計
上重要なパラメータは特定帯域内の位相雑雑音パワーで
はなく、位相雑音をデータ変調帯域に渡って積分したト
ータルの雑音パワーである。したがって、フィードバッ
クループのループ帯域を絞ることにより、2次歪で重畳
されるトータルの雑音量を十分減少させれば、特定帯域
内の雑音量が大きくても問題ない。すなわち、ループ帯
域によって決定する雑音帯域内の雑音パワーが、Mrで
決定される雑音パワーより小さければ良い。
減少分を示す量)を乗じたものが不等式を満たせば良
い。新たに導出された不等式をΔflについて解くと、
請求項5の(6)式が得られる。
をSNRのピークに設定しても、2次歪による信号への
雑音の重畳を抑圧することができ、より高品質な伝送が
可能となる。
第5の発明において、前記光送信器後に出力パワー安定
化機能を有する光増幅器が挿入され、Paoを光増幅器
出力パワー、Fedfaを光増幅器の雑音係数として、
前記(3)式のFおよびIを、
に(3)式から得られるバイアス電圧を目標として制御
することを特徴とする光送信器を提供する。
幅器を挿入する場合がある。(従来の技術)でも述べた
ように、このような場合雑音の扱いが全く異なるため請
求項2で規定された点はSNRのピークとはならない。
バイアス点を下げたことによって増加する光変調器の損
失やリンク損失が光増幅器によって補償される点と、光
増幅器の雑音を考慮してピークを求める必要がある。
C)がついている場合のSNRのピークを与えるバイア
ス電圧は以下のように決定できる。
器にAPCが付いているためバイアス点によらず一定で
ある。バイアス点を下げるとある点まではOMIが増加
するため、受信アナログ信号パワーは増加する。具体的
には次のようである。Paoを光増幅器出力パワーとす
ると、光増幅器の利得は
れるため、考慮すべき雑音は、光源のRIN、光受信器
の熱雑音、光増幅器雑音の3つの合計となる。光増幅器
にAPCが付いているため、受信端でのRINは(バイ
アス点が透過率0の点に極端に近づかない限り)バイア
ス点に依存しない。熱雑音はもともとバイアス点には依
存しない。光増幅器の雑音は、光増幅器への入力信号が
減少するとその量が増加する。光増幅器の雑音は、信号
−自然放出光ビート雑音と、自然放出光間のビート雑音
に大別されるが、光増幅器への入力がある程度大きけれ
ば、自然放出光間のビート雑音は無視できる。ここで
は、そのような仮定が可能な範囲で使用するものとす
る。
と、光受信後のトータルの雑音は、
出するため微分式を求めると、請求項3の(3)式を求
める式と同じ形になる。ただし、若干係数が異なり、F
とIが請求項6の(4)及び(5)式で示したFとIと
なる。
ク中に光増幅器を挿入したシステムにおいてバイアス電
圧変化させた場合のSNRのピーク点を与えるものであ
り、このようなバイアス電圧を目標に制御を行うことに
よって、より品質の良い伝送が可能となる。
発明において、前記光増幅器の出力パワー安定化機能が
フィードバックループで構成させており、そのループ帯
域Δfaが、前記マッハツェンダー型光変調器のバイア
ス制御ループ帯域Δfl以下に設定されていることを特
徴とする光送信器を提供する。
パワーを検出してフィードバックをかけるタイプの場
合、MZ変調器のバイアス制御フィードバックループの
場合と同様の問題が起こる可能性がある。すなわち、バ
イアスを変曲点より下げることによって発生する直流近
辺の2次歪を出力パワー安定化ループが検出して、ルー
プ帯域内の2次歪成分も含めて一定の値になるようフィ
ードバックをかける可能性がある。光増幅器の場合利得
を制御するため、ループに検出された直流近辺の2次歪
成分が信号に乗算される。結果として、信号に2次歪に
よる雑音が重畳され、伝送品質が劣化する。
安定化機能のループ帯域ΔfaをMZ変調器バイアス制
御ループのループ帯域Δfl以下にする。光増幅器に入
力される光は、すでにバイアス制御ループによって、Δ
fl以下の帯域に発生した2次歪は除去されて(一定の
直流値に均されて)いる。したがって光増幅器のループ
帯域をΔfl以下にすれば、光増幅器出力安定化ループ
のループ帯域内には2次歪による光パワー変動が無いた
め、2次歪成分を検出してフィードバックする問題が発
生しない。
出力パワー制御による伝送品質の劣化を防止することが
可能となる。
説明する。
図である。光源2からの光は偏波スクランブラ38によ
って時間平均が無偏光になるように偏波スクランブルさ
れ、偏波保持しない光ファイバ40に入力される。偏波
保持しない光ファイバ40の出力はMZ変調器1に入力
され信号によって変調され、出力光ファイバ3を介して
光受信器14で受信される。MZ変調器への電気信号入
力は、主信号であるアナログ信号がアナログ信号入力1
0から入力され、バイアス制御回路39から供給される
バイアス電圧と加算されたものである。この時、バイア
ス制御回路はバイアス点を請求項1で規定した点に設定
している。以下に例を上げて説明する。
する時のパワー(P)が1mW、MZ変調器の入力イン
ピーダンス(R)は50Ω、MZ変調器の半波長電圧
(Vπ)が3.8V、MZ変調器の光透過率の極小値を
与える電圧(V0)は2V、光源の光出力パワー
(P0)が10mW、偏波スクランブラの損失が5d
B、偏波保持しない光ファイバの損失が5dB、MZ変
調器の過剰損失が5dB、偏波スクランブルされた光が
MZ変調器を透過することによって生じる過剰損失が3
dB、したがってLLNは18dB、フォトダイオード
の光電変換効率(η)が0.7A/W、光源の相対強度
雑音(RIN)が−150dB、光受信器の入力換算雑
音電流(熱雑音ith)が10pA/√Hzであると
き、SNRがピークとなるバイアス電圧はおよそ3.8
7Vである。すなわち、このような系ではバイアス電圧
を3.87Vに設定することが望ましい。
す図である。例えば、アナログ信号がMZ変調器に入力
する時のパワー(P)が1mW、アナログ信号の生成に
用いる発振器の位相雑音の仕様(Mr)は、60kHz
離調、帯域幅30kHzで−72dBc(Mrはバイア
ス制御ループの帯域幅に対応する値に換算したものを使
用する)、MZ変調器の入力インピーダンス(R)は5
0Ω、MZ変調器の半波長電圧(Vπ)が3.8V、ア
ナログ信号の帯域幅(fb)が10MHz、MZ変調器
のバイアス制御ループのループ帯域(Δf)は30kH
z、MZ変調器の光透過率の極小値を与える電圧
(V0)は2Vとした場合、請求項2記載の(1)式で
定まる下限は、およそ3.35Vである。アナログ信号
のスペクトルは矩形を仮定しているが、ガウス型やルー
トロールオフ型でもほぼ同様の結果が得られる。信号の
帯域幅は3dB帯域で決定する。周波数多重信号の場合
は、パワーは全ての信号のトータルパワー、信号帯域は
それぞれの信号の3dB帯域の合計を用いて、やはりほ
ぼ同様の結果となる。
mW、MZ変調器の過剰損失(LL N)が5dB、フォ
トダイオードの光電変換効率(η)が0.7 A/W、
光源の相対強度雑音(RIN)が−150dB、光受信
器の入力換算雑音電流(熱雑音ith)が10pA/√
Hzであるとき、光送信器と光受信器間の最大リンク損
失(L)20dBで決定される上限のバイアス電圧はお
よそ3.88Vである。すなわち、このような系ではバ
イアス電圧を3.35Vから3.88Vの間に設定する
ことが望ましい。例えば、リンク損失が仮に7dBのシ
ステムでバイアス電圧を3.5Vに設定した場合(他の
条件は上記の条件と同様とする)、バイアス電圧を変曲
点に設定した場合より1.1dBのSNR改善がある。
また、2次歪によって信号に重畳される雑音をキャリア
の位相雑音に換算すると−79dBcとなり、仕様の−
72dBcを満足している。
トするため、V0が2Vの時に決定したバイアス点に対
応する透過率に常に等しくなるように、バイアス電圧に
フィードバック制御をかける。また、バイアス電圧を変
曲点より下げると、アナログ信号の2次歪によって光変
調器出力パワーがアナログ信号を入力しない場合より増
加する。したがって、バイアス電圧を制御するための目
標透過率は、アナログ信号を入力した状態で測定するこ
とが望ましい。
のバイアス制御ループは、ごく一般的なフィードバック
ループで良く、例えば図3のようである。図3では光源
2から出力された光がマッハ・ツェンダー型光変調器
(MZ変調器)1に入力される。MZ変調器1から出力
した光は光分岐器4で分岐され、一方は出力光ファイバ
3へ、他方はフィードバック制御回路を形成するフォト
ダイオード5へ入力される。フォトダイオード5の出力
は比較器6に入力され、目標値と比較される。光源1の
出力パワーに関する情報は目標値設定回路7に入力さ
れ、比較器6の入力に対応したレベルに変換され、さら
に、目標透過率に対応したレベルに設定される。目標値
設定回路の出力は光源出力の変化に対応して変化し、M
Z変調器の出力パワーではなく、透過率を制御できる回
路となっている。比較器出力はループフィルタ8に入力
され、ループフィルタ出力はオフセット回路12で適宜
オフセットされた後、MZ変調器の電気入力に接続され
たバイアスT 9のバイアス端子に入力される。バイア
スTの信号端子にはアナログ信号が入力される。このよ
うな形態で特定の目標透過率を保持するようにバイアス
電圧を制御することが可能である。
する。例えば、アナログ信号がMZ変調器に入力する時
のパワー(P)が1mW、MZ変調器の入力インピーダ
ンス(R)が50Ω、MZ変調器の半波長電圧(Vπ)
が3.8V、MZ変調器の光透過率の極小値を与える電
圧(V0)は2V、光源の光出力パワー(P0)が10
mW、MZ変調器の過剰損失(LLN)が5dB、光受
信器フォトダイオードの光電変換効率(η)が0.7、
光送信器光源の相対強度雑音(RIN)が−150d
B、光受信器の入力換算雑音電流(熱雑音ith)が1
0pA/√Hz、光送信器と光受信器間のリンク損失
(L)が7dBであるとする。図4(a)はバイアス電
圧の変化に対する光受信後SNRのグラフである。図か
ら判るように、SNRのピークは変曲点(Vπ/2=
3.9V)よりも低いバイアス電圧にある。このピーク
は、請求項3記載の(3)式で求められ、上記の条件で
は約3.47Vである。このバイアス点を用いると、変
曲点にバイアスした場合よりSNRは約1.2dB改善
する。
の対応する点を示す。このようなバイアス点に制御する
ループは本願第1の発明で示した図3と構成・動作とも
に同様であり、2次歪による直流の増分も考慮して透過
率を設定する必要があることも同様である。
ることによって、より良い品質で伝送することが可能と
なる。
図5は一つの光送信器に対して複数の光受信器が存在す
るシステムの構成例を示している。図5(a)はスター
型ネットワークの例である。光送信器11から出力され
た光はスターカップラ13で分岐され光受信器14−1
〜14−4に分配される。図5(b)はバス型ネットワ
ークの例である。光送信器11から出力された光はカッ
プラ15−1で少量分岐され光受信器14−1に入力さ
れる。残りはカップラ15−2に向けて伝送され、カッ
プラ15−2で同様に少量分岐され、光受信器14−2
に入力される。カップラ15−2の残りの出力はカップ
ラ15−3に伝送され2分配されて、光受信器14−
3、14−4に入力される。
れぞれの光受信器に対するリンク損失は等しくない。リ
ンク損失の値をパラメータとしたときの、バイアス電圧
に対するSNRの曲線を図6に示す。計算に用いたパラ
メータは、アナログ信号がMZ変調器に入力する時のパ
ワー(P)が1mW、MZ変調器の入力インピーダンス
(R)が50Ω、MZ変調器の半波長電圧(Vπ)が
3.8V、MZ変調器の光透過率の極小値を与える電圧
(V0)が2V、光源の光出力パワー(P0)が10m
W、MZ変調器の過剰損失(LLN)が5dB、光受信
器フォトダイオードの光電変換効率(η)が0.7A/
W、光送信器光源の相対強度雑音(RIN)が−150
dB、光受信器の入力換算雑音電流(熱雑音ith)が
10pA/√Hzであった。図6(a)はリンク損失5
dB、図6(b)は7dB、図6(c)は9dB、図6
(c)は11dBの場合である。リンク損失に伴ってS
NRのピークの位置が変化していることが判る。また、
リンク損失が劣化すると、SNRの値全体が小さくなっ
ている。本発明では複数の光受信器中でリンク損失が最
も大きい光受信器のSNRのピークを与える点にバイア
スを設定する。例えば、図6の4つのグラフに対応する
光受信器が混在する場合、(d)11dBのSNRのピ
ークを与えるバイアス点にバイアスする。図6(d)で
はSNRのピークは3.71Vにある。このバイアスで
光送信器を駆動した場合、他のリンク損失の光受信器に
対しては、それぞれのピークにバイアスした場合より若
干SNRが悪くなっている。(a)5dBでは1.3d
B、(b)7dBでは0.4dB、(c)9dBでは
0.07dB劣化している。しかしながら、3.71V
にバイアスした場合のSNRの絶対値(雑音帯域1Hz
あたり)は(a)1.42×1013、(b)0.82
×1013、(c)0.42×1013、(d)0.2
0×1013であり、(a)、(b)、(c)に関して
はピークからずれていても(d)より大きい。
の悪い(リンク損失の大きい)光受信器で可能な限り良
い条件で動作させることが可能となり、系全体のパフォ
ーマンスを上げることが可能となる。
説明する。
した場合でも、2次歪によってアナログ信号に重畳され
る雑音が十分小さくなるよう、バイアス制御ループのル
ープ帯域を絞る。
する時のパワー(P)が1mW、MZ変調器の入力イン
ピーダンス(R)が50Ω、MZ変調器の半波長電圧
(Vπ)が3.8V、アナログ信号の帯域幅(fb)が
10MHz、MZ変調器のバイアス制御ループのループ
帯域(Δf)が30kHz、MZ変調器の光透過率の極
小値を与える電圧(V0)が2Vとした場合、アナログ
信号の生成に用いる発振器の位相雑音仕様(Mr)が、
60kHz離調、帯域幅30kHzで−82dBcであ
れば、これを満たすことのできるバイアス電圧の下限は
3.56Vである。このようなシステムでバイアス電圧
を例えば3.5Vまで下げたい場合、請求項5記載の
(6)式により、ループ帯域を13.9kHz以下にす
ればよい。フィードバックループのループ帯域はループ
の動作帯域の3dB幅によって定義される。
るアナログ信号への雑音の重畳を制限することができ、
伝送品質の劣化を抑圧することが可能となる。
の重畳を全く許容することができない場合には、上述の
ように透過率制御系を使用してループ帯域を絞るのでは
なく、別のフィードバック方法を取っても良い。例え
ば、透過率制御とパイロットキャリアの2次歪量(差周
波、和周波)を検出する方法を併用するなどである。図
を用いて簡単に説明する。バイアス電圧は2次歪の量を
元に制御し、透過率制御はバイアス電圧が変曲点より下
に設定されていることを確認するためだけに用いる。図
11がそのような制御をするためのフィードバックルー
プの構成例である。光源2から出た光はMZ変調器1に
入力され変調を受ける、MZ変調器の出力は分岐器4で
分岐され、フォトダイオード5に入力する。残りは出力
光ファイバ3に出力される。フォトダイオード5の出力
は割り算器32に入力される。割り算器32には、光源
2から光源が出力する光の光パワーを示す信号が入力さ
れ、フォトダイオード5の出力が透過率になるように正
規化する。割り算器の出力は2分岐され、一方は比較器
33に入力される。比較器33では、割り算器の出力と
変曲点にバイアスされているときの透過率を比較し、割
り算器出力、すなわち透過率が変曲点より大きいか小さ
いかをバイアス制御装置35に出力する。分岐された割
り算器出力の他方は、2次歪検出回路に入力される。
ログ信号入力10から入力されるが、同時に発振器37
−1および発振器37−2からの出力が加算器36によ
ってアナログ信号に加算され、バイアスT 9を介して
MZ変調器の電気信号入力に印加される。2つの発振器
はパイロットキャリアを出力し、その周波数は図12の
ように、一方は伝送するアナログ信号より低い周波数
(f1)、他方は高い周波数(f2)となっている。こ
のようにするとMZ変調器のバイアス点が変曲点でない
場合、2次歪によって差周波(f2−f1)が発生す
る。2次歪検出器34では、この差周波(f2−f1)
の大きさを検出する。2次歪の大きさはバイアス点の変
曲点からのずれ量で変化し、ずれる程大きくなるため、
変曲点から透過率が極小になるバイアス点(V0)の間
であれば、特定の透過率に対応して差周波(f2−
f1)の大きさが一意に決定できる。そこで、差周波の
大きさを検出してバイアス点を割り出しフィードバック
をかけることが可能となる。2つのパイロットキャリア
の周波数を図12のようにするのは、アナログ信号から
発生する2次歪と、パイロットキャリアから発生する2
次歪を明確に区別したいためである。図12のような周
波数配置にすれば、パイロットキャリアの差周波(f 2
−f1)はアナログ信号の2次歪より必ず大きい周波数
に発生する。
置35に入力される。バイアス制御装置35では、比較
器33の出力から判断してバイアス点が変曲点より上に
ある場合には、変曲点より下に来るようにバイアス電圧
を変化させる。次に、2次歪検出回路の出力が目標の2
次歪量となるように、変曲点の下の範囲でバイアス点を
制御する。一旦、所望のバイアス点に到達したら、それ
を保持するよう制御を続ける。
はあるが、単純に透過率のみでバイアスを制御する方法
と比較して、2次歪によるアナログ信号への雑音重畳が
発生しないという利点がある。
る。
入したシステムの例である。光送信器11から出力され
た光は光増幅器16で増幅されて伝送される。リンク中
には例えばスターカップラ13が挿入されるなど損失が
大きくなっている。損失を受けた光は光受信器14−i
(i=1,..,n)で受信される。図7の例では複数
の光受信器があるが、単に光ファイバが非常に長いた
め、損失が大きくなっている場合もある。
いている。(ただし、光増幅器が光ファイバ増幅器であ
る場合、これを利得飽和領域で用いると、特別にパワー
安定化用の回路を用意しなくともほぼパワー安定化機能
が付いていると同様の動作が得られる。この場合、ルー
プ帯域に等価な動作帯域は5kHz程度である。)この
ようなシステムで、例えば、アナログ信号がMZ変調器
に入力する時のパワー(P)が1mW、MZ変調器の入
力インピーダンス(R)が50Ω、MZ変調器の半波長
電圧(Vπ)が3.8V、MZ変調器の光透過率の極小
値を与える電圧(V0)が2V、光源の光出力パワー
(P0)が10mW、MZ変調器の過剰損失(LLN)
が5dB、光受信器フォトダイオードの光電変換効率
(η)が0.7、光送信器光源の相対強度雑音(RI
N)が−150dB、光受信器の入力換算雑音電流(熱
雑音ith)が10pA/√Hz、リンク損失が15d
B、光増幅器の雑音係数が4、光増幅器出力パワーが2
0mWである場合、バイアス電圧に対するSNRの変化
は図8のようになる。光増幅器のパワー安定化機能によ
って低バイアスでの受信信号パワーが増加したため、図
6と比較してSNRのピークが低バイアスに寄ってお
り、曲線の形が明らかに異なることが判る。ピークの電
圧は請求項6記載の係数を用いて、上記のパラメータで
は、2.49Vとなっている。
御ループは図3と同様である。また、2次歪による直流
の増分を考慮して透過率を設定する必要があることも同
様である。
いたシステムにおいても、より良いSNRでアナログ信
号を伝送することが可能となる。
信器11の直後に挿入されている。光増幅器がリンクの
途中や光受信器の直前に挿入される場合であっても、S
NRのピークは、請求項6記載の式から求めることが可
能である。このような場合、リンク損失Lには光増幅器
から光受信器間の損失を代入し、光送信器から光増幅器
の間の損失は、MZ変調器の損失とともにLLNにまと
めて代入すればよい。
説明する。
定化フィードバックループの構成例である。入力ファイ
バ22から光信号が入力され、合波器17を介してポン
プ光源25から出力されたポンプ光と合波され、エルビ
ウム添加ファイバ24に入力される。エルビウム添加フ
ァイバ内で信号光は増幅される。エルビウム添加ファイ
バから出力された信号光は分岐器18で一部分岐され
る。分岐された光はフィードバックループを構成するフ
ォトダイオード19に入力され、残りは出力ファイバ2
3に出力される。フォトダイオードの出力は比較器20
に入力されて、目標値と比較され、その出力はループフ
ィルタ21で帯域制限された後、ポンプ光源の出力パワ
ー調整端子に入力される。この時、ループ全体のループ
帯域が光送信器のバイアス安定化ループのループ帯域よ
り小さくなるように設定する。バイアス安定化回路のル
ープ帯域が例えば10kHzであれば、光増幅器のルー
プ帯域は10kHz以下とする。
出力パワー安定化ループによって2次歪で発生した雑音
がアナログ信号に重畳されることを防止することが可能
となる。
和領域で用いると、バイアス制御ループのループ帯域が
光ファイバ増幅器が本来持つ出力安定化機能の帯域より
も小さいことがある。このような場合、光ファイバ増幅
器に外付けした出力パワー安定化ループの帯域を絞って
も、本来持つ安定化機能の帯域までループの帯域がある
ことと大差がない結果となる。このような場合は、図9
のような構成を用いると良い。
を基本として、光ファイバ増幅器が本来もつ安定化機能
で平均化される2次歪をフィードフォワードで補償する
システムである。構成は以下のようである。
分岐器29で少量分岐され、分岐された方はフォトダイ
オード26に入力される。残りの大部分は遅延調整部3
0に入力され、適宜遅延を受けた後、合波器17でポン
プ光と合波される。ポンプ光はポンプ光源25から出力
されている。合波器の出力はエルビウム添加ファイバ2
4に入力され、信号光が増幅される。増幅された信号光
は分岐器18で一部分岐され、フォトダイオード14で
受信される。残りは出力ファイバ23へ出力される。フ
ォトダイオード14で光電変換された信号は比較器20
に入力され、目標値と比較される。比較器出力はループ
フィルタ21で帯域制限され、増幅器31で適切なルー
プ利得を与えられた後、掛け算器28に入力する。一方
フォトダイオード26の出力はフィルタ27を介して掛
け算器28に入力され、ループ内の制御信号に掛け合わ
される。掛け算器の出力はポンプ光源25の出力パワー
調整端子に入力される。
4、比較器20等からなるフィードバックループのルー
プ帯域は、MZ変調器バイアス安定化ループのループ帯
域以下となっている。したがって、ループフィルタ21
の帯域は非常に小さい。一方、フィルタ27は低域通過
フィルタであるが、その帯域は光ファイバ増幅器が元来
もつ出力安定化機能の帯域より十分大きい。フィルタ2
7の出力信号が十分処理可能なように、掛け算器28の
帯域は十分広いものとなっている。入力ファイバ22か
ら入力された信号は、MZ変調器のバイアス安定化ルー
プの作用によって、直流近辺に発生した2次歪のうちバ
イアス安定化ループ帯域内の成分は抑圧されている(図
10)。光増幅器の出力安定化ループの帯域はバイアス
安定化ループの帯域以下である。したがって、出力安定
化ループは、フィルタ27から出力された信号をフィー
ドバックして抑圧することはない。また、フィルタ27
から出力された信号から影響を受けることもない。その
結果、掛け算器28で制御信号に重畳されたフィルタ2
7の出力はそのままポンプ光源に印加される。ポンプ光
源の出力光パワーはループの制御信号と入力光ファイバ
22から入力された光の直流近辺の2次歪成分(フィル
タ27の出力)で変調される。
能で、入力光ファイバから入力された直流近辺の2次歪
成分は抑圧され、それにともなって信号光のレベルが変
動するが、抑圧される2次歪の成分でポンプ光源を改め
て変調することによって、抑圧された2次歪成分をもと
に戻し、変動していた信号レベルを元に戻すことが可能
となる。光ファイバ増幅器が元来持つ出力安定化機能の
周波数特性と、ポンプ光の変動に対する周波数特性はほ
ぼ等しい。そのため、ポンプ光と信号光を合波する合波
器17に等しい位相で入力されれば、ほぼ完全に光ファ
イバ増幅器本来の出力安定化機能により抑圧された2次
歪成分をもとに戻すことが可能となる。遅延調整部30
は合波器に等しい位相で入力されるように調整するため
の部分である。遅延量は可変である必要はなく、フィー
ドフォワードの経路で被る遅延量と同等の遅延量を与え
る遅延線で良い。
タ27を介して光源25に至るフィードフォワードの経
路は途中で直流を切ることなく構成されている。その結
果、全体の光パワーに対する2次歪成分の振幅の比を保
持したままフィードフォワードすることが可能となり、
光ファイバ増幅器が本来持つ出力安定化機能によってう
ち消された2次歪成分をほぼ完全に元に戻すことが可能
となる。
下げることによって直流近辺に発生した2次歪がフィー
ドバックループ等でアナログ信号に雑音として重畳する
ことを防止することが可能となる。
のあるMZ変調器を光源と離して設置するシステムで
は、MZ変調器で過剰損失が発生する。伝送品質を向上
するために、MZ変調器のバイアス点を変曲点より低く
設定しする。本発明では、雑音等実システムに必要なパ
ラメータを検討して有効なバイアス点の範囲を規定し
た。このようになバイアス点でMZ変調器を使用するこ
とによって、より良い伝送品質で伝送することが可能と
なった。
す図である。
である。
ス点を示す図である。
システムの構成例である。
きさが変化する様子を示した図である。
に対するSNRの変化を示した図である。
畳を抑圧するための光増幅器の構成例である。
ィードバックループの構成例である。
の構成例である。
ための図である。
示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 偏波保持しない光ファイバを介して光源
と接続されているマッハ・ツェンダー型光変調器を用い
てアナログ信号を送信する光送信器において、前記光源
の直後に偏波スクランブラを挿入し、時間平均がほぼ無
偏光となるように偏波スクランブルされた光を前記マッ
ハ・ツェンダー型光変調器に入力し、前記マッハ・ツェ
ンダー型光変調器に印加するバイアス電圧Vb1を、 Pを前記マッハ・ツェンダー型光変調器に入力する前記
アナログ信号のパワー、Rを前記マッハ・ツェンダー型
光変調器の入力インピーダンス、Vπを前記マッハ・ツ
ェンダー型光変調器の半波長電圧、V0を前記マッハ・
ツェンダー型光変調器の極小透過率を与える電圧、eを
電気素量、ηを光受信器のフォトダイオードの光電変換
効率、RINを前記光送信器の光源の相対強度雑音(d
B)、P 0を前記光源の光出力パワー、LLNを前記偏
波スクランブラの損失と前記偏波保持しない光ファイバ
の損失と前記マッハ・ツェンダー型光変調器の過剰光損
失と前記偏波スクランブルされた光が前記マッハ・ツェ
ンダー型光変調器を通過することで発生する損失の合計
とし、Lを前記光送信器と前記光受信器間のリンク損
失、ithを前記光受信器の入力換算雑音電流とし、 【数1】 上記(A)式で定まる値を目標値として制御することを
特徴とする光送信器。 - 【請求項2】 マッハ・ツェンダー型光変調器を用いて
アナログ信号を送信する光送信器において、前記マッハ
・ツェンダー型光変調器に印加するバイアス電圧Vb1
を、 Pを前記マッハ・ツェンダー型光変調器に入力される前
記アナログ信号のパワー、fbを前記アナログ信号の帯
域幅、Δfを前記マッハ・ツェンダー型光変調器のバイ
アス制御ループのループ帯域、Mrを前記アナログ信号
の生成に用いる発振器のΔfc離調(ただしΔfc<<
fb)における帯域Δfでの位相雑音の要求仕様、Rを
前記マッハ・ツェンダー型光変調器の入力インピーダン
ス、Vπを前記マッハ・ツェンダー型光変調器の半波長
電圧、V0を前記マッハ・ツェンダー型光変調器の極小
透過率を与える電圧とし、 【数2】 上記(1)式で定まる下限と、 eを電気素量、ηを光受信器のフォトダイオードの光電
変換効率、RINを前記光送信器の光源の相対強度雑音
(dB)、P0を前記光源の光出力パワー、L LNを前
記マッハ・ツェンダー型光変調器の過剰光損失、Lを前
記光送信器と前記光受信器間のリンク損失、ithを前
記光受信器の入力換算雑音電流とし、L=0.01(2
0dB)の場合に 【数3】 上記(2)式で定まる上限との間のいずれかの値を目標
値として制御することを特徴とする光送信器。 - 【請求項3】 マッハ・ツェンダー型光変調器を用いて
アナログ信号を送信する光送信器において、前記マッハ
・ツェンダー型光変調器に印加するバイアス電圧Vb1
を、 Pを前記マッハ・ツェンダー型光変調器に入力する前記
アナログ信号のパワー、Rを前記マッハ・ツェンダー型
光変調器の入力インピーダンス、Vπを前記マッハ・ツ
ェンダー型光変調器の半波長電圧、V0を前記マッハ・
ツェンダー型光変調器の極小透過率を与える電圧、eを
電気素量、ηを光受信器のフォトダイオードの光電変換
効率、RINを前記光送信器の光源の相対強度雑音(d
B)、P 0を前記光源の光出力パワー、LLNを前記マ
ッハ・ツェンダー型光変調器の過剰光損失、Lを前記光
送信器と前記光受信器間のリンク損失、ithを前記光
受信器の入力換算雑音電流とし、 【数4】 上記(3)式で定まる値を目標値として制御することを
特徴とする光送信器。 - 【請求項4】 請求項3において、前記光送信器の送信
光を受信する光受信器が複数存在し、各々の光受信器に
対するリンク損失のうち最大のリンク損失(最小のL)
で与えられる(3)式に対応するバイアス点を目標値と
して制御することを特徴とする光送信器。 - 【請求項5】 請求項3または請求項4において、前記
マッハ・ツェンダー型光変調器のバイアス電圧制御ルー
プの制御目標値Vb1に対して、制御ループのループ帯
域Δflが、 fbを前記アナログ信号の帯域幅、Mrを前記アナログ
信号の生成に用いる発振器のΔfc離調(ただしΔfc
<<fb)における帯域Δfでの位相雑音の要求仕様と
して、 【数5】 上式(6)を満たすように設定させていることを特徴と
する光送信器。 - 【請求項6】 請求項3乃至請求項5において、前記光
送信器後に出力パワー安定化機能を有する光増幅器が挿
入され、Paoを光増幅器出力パワー、Fedf aを光
増幅器の雑音係数として、前記(3)式のFおよびI
を、 【数6】 上式(4)および(5)のFおよびIで置き換えた場合
に(3)式から得られるバイアス電圧を目標として制御
することを特徴とする光送信器。 - 【請求項7】 請求項6において、前記光増幅器の出力
パワー安定化機能がフィードバックループで構成させて
おり、そのループ帯域Δfaが、前記マッハツェンダー
型光変調器のバイアス制御ループ帯域Δfl以下に設定
されていることを特徴とする光送信器。
Priority Applications (1)
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