JP2001281470A - 強磁性体含有光ファイバ並びに該光ファイバを用いた電流センサ及び磁界センサ - Google Patents

強磁性体含有光ファイバ並びに該光ファイバを用いた電流センサ及び磁界センサ

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JP2001281470A
JP2001281470A JP2000094788A JP2000094788A JP2001281470A JP 2001281470 A JP2001281470 A JP 2001281470A JP 2000094788 A JP2000094788 A JP 2000094788A JP 2000094788 A JP2000094788 A JP 2000094788A JP 2001281470 A JP2001281470 A JP 2001281470A
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optical fiber
light
yig
incident
detector
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Application number
JP2000094788A
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English (en)
Inventor
Yotaro Yamazaki
陽太郎 山崎
Terumi Hirano
輝美 平野
Carlos Seiichi Kuroda
カルロス 清一 黒田
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Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、磁気光学特性に優れる光ファイバに
関する。さらに、この光ファイバを用いた高感度な電流
センサ及び磁気センサに関する。 【解決手段】本発明の光ファイバ103は、強磁性体の
粒子を含むことで構成され、電流センサ及び磁気センサ
は、光を射出する光源101と、光を直線偏光にする偏
光子102及び検光子104と、強磁性体の粒子を含む
光ファイバ103と、光を検出する検出器105とを備
えて構成され、検出器105は、光源101から射出さ
れた光を、偏光子102、光ファイバ103及び検光子
104を介して受光するように各部品が配置される。こ
のような光ファイバ103は、強磁性体の粒子を含むの
で磁気光学特性に優れ、電流センサ及び磁気センサは、
このような光ファイバ103を電流・磁気の検出部に使
用するので、高感度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学特性に優
れる光ファイバに関する。さらに、この光ファイバを用
いた高感度な電流センサ及び磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気光学効果として、一般に、電子のエ
ネルギ準位が分裂するゼーマン効果(Zeeman effect
)、直線偏光の方位が回転するファラデー効果(Farad
ay effect)、反射光の偏光の方位が変わる磁気光学的
カー効果(magnetic Kerr effect)、磁気的複屈折のフ
ォークト効果(Voigt effect)・コットンムートン効果
(Cotton-Mouton effect)などが知られている。
【0003】従来、光ファイバは、シリカガラスやプラ
スチックなどの常磁性体材料で製造されている。特に、
ファラデー回転を利用して導電体中を流れる電流を測定
する電流センサや測定対象物の磁界を測定する磁気セン
サも、これら常磁性体材料の光ファイバを用いて検出部
を製造している。例えば、特開平08−054420号
公報では、シリカ光ファイバをコイル状に巻いて検出部
を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、常磁性体材
料は、磁気光学効果が小さいという問題がある。特に、
電流センサや磁気センサでは、その検出部の光ファイバ
を長尺化する必要があるという問題があった。ファラデ
ー回転角は、磁化の光進行方向成分と、磁性体を通過す
る長さとに比例するからである。さらに、光ファイバに
捩れなどが生じると、光ファイバの3次元空間内におけ
る形状が変化して、この捩れを光路長に亘って積分した
分だけ偏波面が回転する。このため、例えば、光ファイ
バに振動が加わったために形状が変化し、被検電流の電
流値に変化がないのに出力値が変化するという問題もあ
った。
【0005】一方、強磁性体は、不透明であり堅い物質
であるため、シリカガラス中やプラスチックファイバ中
に分散させるのは困難であるという問題もあった。そこ
で、本発明は、強磁性体の微粒子を分散させることで、
磁気光学特性の優れた光ファイバを提供することを目的
とする。さらに、本発明は、この光ファイバを用いるこ
とによって、検出部の小型化及び高感度な電流センサ及
び磁気センサを提供することを目的とする。そして、検
出部を短くすることによって、3次元形状の変形による
検出値に与える影響を抑制することができる電流センサ
及び磁気センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の手段とし
て、光ファイバは、強磁性体の粒子を含むことで構成さ
れる。本発明の第2の手段として、光ファイバは、強磁
性体の粒子を含む磁性体膜で一端面を覆ったことで構成
される。
【0007】本発明の第3の手段として、光ファイバ
は、第の2手段において、強磁性体膜における光ファイ
バと接していない表面を鏡面としたことで構成される。
本発明の第4の手段として、光ファイバは、第1の手段
乃至第3の手段のいずれか1つの手段において、強磁性
体が、一般式Bix3-xFe512(0<x≦2.0)
であるビスマス置換鉄ガーネットであることで構成され
る。
【0008】本発明の第5の手段として、光ファイバ
は、第1の手段乃至第3の手段のいずれか1つの手段に
おいて、強磁性体が、一般式R3-xBixFe5-yy12
(但し、Rは元素記号Y,La,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb及びLuからなる群より選ばれる一種類以上の
希土類元素を示し、BiはRと置換する元素、FeはM
と置換する元素、Mは元素記号Al,Ga,Cr,M
n,Sc,In,Ru,Rh,Co,Fc(II),C
u,Ni,Zn,Li,Si,Ge,Zr,Ti,H
f,Sn,Pb,Mo,V及びNbからなる群より選ば
れる一種類以上の元素を示し、R及びBiはガーネット
結晶構造においてcサイトを占め、Fe及びMはガーネ
ット結晶構造においてa及び/又はdサイトを占め、
0.5≦x≦2、y=0,0.5,1,1.5)である
アルミニウム置換ビスマス置換鉄ガーネットであること
で構成される。
【0009】本発明の第6の手段として、電流センサ
は、光を射出する光源と、光を直線偏光にする偏光子及
び検光子と、第1の手段の光ファイバと、光を検出する
検出器とを備え、検出器は、光源から射出された光を、
偏光子、光ファイバ及び検光子を介して受光することで
構成される。本発明の第7の手段として、電流センサ
は、光を射出する光源と、入射する光を2方向に分岐す
るビームスプリッタと、光を直線偏光にする偏光板と、
第1の手段乃至第5の手段のいずれか1つの手段の光フ
ァイバと、光を検出する検出器とを備え、光源から射出
された光は、ビームスプリッタ及び偏光板を介して光フ
ァイバに入射され、入射された光は、光ファイバの入射
端とは逆の端で反射されて入射端から射出され、射出さ
れた光は、偏光板及びビームスプリッタを介して検出器
に入射されるようにして構成される。
【0010】本発明の第8の手段として、磁気センサ
は、光を射出する光源と、光を直線偏光にする偏光子及
び検光子と、第1の手段の光ファイバと、光を検出する
検出器とを備え、検出器は、光源から射出された光を、
偏光子、光ファイバ及び検光子を介して受光することで
構成される。本発明の第9の手段として、磁気センサ
は、光を射出する光源と、入射する光を2方向に分岐す
るビームスプリッタと、光を直線偏光にする偏光板と、
第1の手段乃至第5の手段のいずれか1つの手段の光フ
ァイバと、光を検出する検出器とを備え、光源から射出
された光は、ビームスプリッタ及び偏光板を介して光フ
ァイバに入射され、入射された光は、光ファイバの入射
端とは逆の端で反射されて入射端から射出され、射出さ
れた光は、偏光板及びビームスプリッタを介して検出器
に入射されるようにして構成される。
【0011】このような光ファイバでは、強磁性体であ
るビスマス置換鉄ガーネットY3-xBixFe512(以
下、「Bi−YIG」と略記する。)やアルミニウム置
換ビスマス鉄ガーネットR3-xBixFe5-yy12
(以下、「Al・Bi−YIG」と略記する。)の粒子
を含むため、磁気光学特性の優れた光ファイバとなる。
ここで、Bi−YIGやAl・Bi−YIGは、微粒子
とすることで光ファイバ中に分散可能となる。
【0012】そして、このような磁気光学特性の優れ
た、即ち、単位長さ当たりのファラデー回転角の大きい
光ファイバを検出部に使用するため、電流センサ及び磁
気センサは、検出部を小型化することができ、高感度と
なる。さらに、単位長さ当たりのファラデー回転角が大
きいので、検出部の光ファイバ長を短くすることができ
るから、3次元形状の変形による検出値に与える影響を
抑制することができる。
【0013】なお、電流及び磁気は、検出部の出力値に
応じて求められるが、この際に、偏光方向において検光
子と偏光子とがなす角度を考慮する必要がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の
構成については、同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0015】(第1の実施形態)第1の実施形態は、一
般式Bix3-xFe512(0<x≦2.0)微粒子分
散光ファイバを用いた電流センサ(磁気センサ)の実施
形態である。 (微粒子の製造)まず始めに、Bi−YIG微粒子の製
造について説明する。
【0016】微粒子は、様々な方法により製造すること
ができるが、本実施形態では、Bi−YIG微粒子を共
沈・焼成法により製造した。この製造方法では、様々な
組成に調整した、硝酸鉄、硝酸イットリウム、硝酸ビス
マスの混合水溶液から、アンモニア水又は水酸化ナトリ
ウム水溶液を使用して、これらの金属イオンを含む水酸
化物を沈殿させる。そして、これを加熱することによっ
て熱分解を行い酸化物とし、さらに、結晶化を行うこと
でBi−YIG微粒子を製造する。この共沈・焼成法で
は、Bi−YIG微粒子の特性は、沈殿の生成過程及び
熱分解の過程に依存する。
【0017】より具体的な製造工程は、本実施形態で
は、硝酸鉄(III)9水和物、硝酸イットリウム6水和
物及び硝酸ビスマス5水和物を用い、目的とするBi−
YIG微粒子の組成となるように硝酸塩水溶液を作製す
る。完全に溶解させるため、硝酸を加え、pHを例え
ば、3にする。そして、この水溶液を室温、例えば、2
5℃で、ミキサーで激しく攪拌しながら、アンモニア水
を加えてアルカリ性とし、水酸化物の共沈殿物を得る。
ここで、沈殿反応は、中和による溶解度積の変化を利用
しているため、沈殿物の組成は、pHにより影響を受け
る。よって、完全に溶解させた原料水溶液と沈殿物の組
成を一致させるため、pHを8.7よりも大きくして沈
殿させる必要がある。
【0018】さらに、この沈殿物のサスペンションを濾
過し、褐色スラリ状の沈殿物と濾液に分離し、褐色スラ
リ状の沈殿物を水洗する。例えば、この水洗行程は、褐
色スラリ状の沈殿物に水300mlを加え混合し、濾過
することにより行い、この水洗行程を5回程度繰り返
す。そして、乾燥後、各種温度により脱水及び結晶化を
行い結晶性微粒子を得た。沈殿反応により得られた水酸
化物は、アモルファス状態であるため、Bi−YIG微
粒子を得るためには、熱処理により脱水反応及び結晶化
反応を行う必要があるからである。この微粒子化は、処
理温度と処理時間に依存するが、処理時間が1時間の場
合では、処理温度600℃乃至700℃において、磁性
を持つ微粒子が得られる。より確実に磁性を持つ微粒子
を得るためには、処理温度を650℃乃至700℃とす
ることが好ましい。
【0019】また、結晶化の終了を確かめる実験を行っ
たところ、処理温度650℃で結晶化が終了することが
分かった。結晶化終了後も熱処理を続けると微粒子は、
焼結し粒成長する。微粒子は、粉砕・分散させるために
は小さい方が好ましいため、650℃以下のできるだけ
低い温度で熱処理することが好ましい。Bi1.61.4
512付近の組成では、簡易に粉砕・分散させる観点
からより最適化を行うと、処理温度略650℃で処理時
間略4時間が好ましい。
【0020】ここで、上記各種試薬は、すべて関東化学
株式会社・特級により入手したものである。なお、Bi
1.61.4Fe512微粒子を得るためには、硝酸鉄(II
I)9水和物17.3g、硝酸イットリウム6水和物
4.61g及び硝酸ビスマス5水和物6.67gとすれ
ばよい。
【0021】そして、この粒径のままでプラスティック
光ファイバに分散させてもよいが、Bi−YIG微粒子
による光散乱を抑制するため、より粒径を小さくするた
めには、遊星型ボールミルを使用すればよい。例えば、
前述のBi−YIG微粒子の粉末10重量部及び水90
重量部を混合し、遊星型ボールミル(Frich社製P-5型、
P-7型など)で粉砕処理(ミリング)する。数時間静置
した後に、濾過し、自然乾燥する。
【0022】磁性微粒子は、粒径の減少に伴い表面の占
める割合が大きくなり、粒径の減少に従って飽和磁化も
減少するが、粒径が略50nm以下では、ほぼ安定する
ことが分かった。さらに、粒径を小さくすると、粒径が
5nm未満では、強磁性体から常磁性体になることも分
かった。本実施形態では、粒径が50nmになるよう
に、略30時間粉砕処理を行った。
【0023】(Bi−YIG微粒子分散光ファイバの製
造)プラスチック光ファイバの製造方法は、一般によく
知られているように、モノマーの精製、重合、紡糸、延
伸、そして、ケーブル加工の各工程から製造される。
【0024】本実施形態のBi−YIG微粒子分散光フ
ァイバは、重合反応として懸濁重合の前に、製造したB
i−YIG微粒子を分散させて製造される。Bi−YI
G微粒子は、化学的に不活性であり、重合反応等の処理
においても安定に存在することができる。プラスチック
材としては、ポリメチレンメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレートなど各種透光性プラス
チックを使用することができ、所望の屈折率に併せて選
択される。
【0025】また、Bi−YIG微粒子は、プラスチッ
ク光ファイバ全体に亘って分散させる場合に限らず、プ
ラスチック光ファイバの或る一定範囲に分散させるよう
にしてもよい。 (Bi−YIG微粒子濃度及び粒径濃度とファラデー回
転角との関係)Bi−YIG微粒子含有プラスティック
光ファイバの設計を行うための基礎実験結果について説
明する。
【0026】基礎実験は、Bi−YIG微粒子を含むシ
ート及びロッドを製作し行った。種々のBi濃度のBi
−YIG微粒子を含むシートは、粉砕行程において、種
々の組成のBi−YIG微粒子1g、エポキシバインダ
ー(epo-tek 396,EpoxyTechnology Co.)0.33g、
シクロヘキサノン、20g、分散剤にハイパーマMT-1
(ICIジャパン)0.05gを使用し、ステージ回転
数360rpm、30時間粉砕処理した。そして、粉砕
処理した溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上
にバーコーターにて塗り広げ、70℃で4時間乾燥させ
て作製した。
【0027】図1は、Bi−YIG粒子薄膜におけるフ
ァラデー回転角及び光吸収係数とBi濃度との関係を示
す図である。図2は、Bi−YIG粒子薄膜における性
能指数とBi濃度との関係を示す図である。
【0028】図1において、横軸は、Bix3-xFee
5O12のxを単位とするBi濃度を示し、左縦軸は、d
eg/cmを単位とするファラデー回転角θF 、右縦軸
は、/cmを単位とする光吸収係数αである。また、図
2において、横軸は、同様にBi濃度を示し、縦軸は、
degを単位とする性能指数Fである。ここで、測定
は、それぞれの組成の微粒子について、X線回折でガー
ネット構造であることを確認した上で、ファラデー回転
角θF は、磁気旋光分散計(日本分光製、MOE-07)で、
光吸収係数αは、紫外可視分光光度計(日立製作所製、
U3210 )でそれぞれ波長520nmの光を使用して計測
した。波長520nmは、鉄ガーネットにおいて、最大
のファラデー回転を示す波長である。なお、磁界の強さ
は、3kOe(エルステッド)である。この磁界の強さ
3kOeは、SI単位系では、240kA/mに相当す
る。
【0029】また、性能指数Fは、ファラデー回転角θ
F を光吸収係数αで割った値である。従って、図2は、
図1に基づいて作製された図である。図1に示すよう
に、ファラデー回転角θF は、Bi濃度xの増加と伴に
増大し、x=1.8で最大値約3.5×103 deg/
cmを示した。X線回折の結果を参照するとx=1.8
より大きいBi濃度では、ガーネット構造の乱れが見
え、これがファラデー回転角θF の減少になったものと
考えられる。Bi濃度x=2.0においてもファラデー
回転角θF は、約1.3×103 であり、常磁性体に較
べ2桁程度大きな値を示し、なお有効である。
【0030】また、光吸収係数αは、Bi濃度xの増加
と伴に緩やかに増加し、x>1.8では、急激に増加す
る。このため、性能指数Fは、図2に示すように、x=
1.8で最大値約1.5となる。以上より、Biを置換
(0<x≦2.0)することにより、磁気光学特性の優
れた微粒子が得られ、微粒子は、x=1.8のBi濃度
において、最も優れた磁気光学特性を示す。
【0031】一方、種々の粒子濃度のBi−YIG微粒
子を含むシートは、粉砕行程において、Bi1.81.2
512微粒子1g、エポキシバインダー(epo-tek 39
6,Epoxy Technology Co.)10g〜0.1g、シクロヘ
キサノン10〜25g、分散剤にハイパーマMT-1(I
CIジャパン)0.05gを使用した。これにより、エ
ポキシバインダと微粒子の割合を変え、微粒子の体積濃
度を0.05≦z≦0.70とした。そして、ステージ
回転数360rpm、30時間粉砕処理し、粉砕処理し
た溶液をガラス基板上にスピンコート法により塗り広
げ、さらに、70℃で4時間乾燥させてて作製した。
【0032】図3は、Bi−YIG粒子薄膜におけるフ
ァラデー回転角及び光吸収係数と粒子濃度との関係を示
す図である。図4は、Bi−YIG粒子薄膜における性
能指数と粒子濃度との関係を示す図である。図3におい
て、横軸は、粒子濃度を示し、左縦軸は、deg/cm
を単位とするファラデー回転角2θF 、右縦軸は、/c
mを単位とする光吸収係数αである。また、図4におい
て、横軸は、同様に粒子濃度を示し、縦軸は、degを
単位とする性能指数Fである。
【0033】ファラデー効果は、Bi−YIG微粒子に
より発現する特性であるから、図3に示すように粒子濃
度zの増加とともに増大する。また、光吸収係数αは、
微粒濃度xの増加とともに緩やかに増加する。これは、
Bi−YIG微粒子による散乱のためであると思われ
る。このため、性能指数Fは、図4に示すように、粒子
濃度zの増加と伴に増大し、0.40≦z≦0.53で
最大値2.2を示した。
【0034】以上より、特に、粒子/バインダ比が0.
40≦z≦0.53の領域において、光学的に均一で光
散乱を少なくすることができ、かつ、ファラデー回転角
θFを大きくすることができる。
【0035】次に、ロッドの実験結果について説明す
る。ロッドは、平均粒径46nmのBi1.51.5Fe5
121.1mg、エポキシ系樹脂材(Epok812 、応研
商事株式会社)15.034g、分散剤にハイパーマM
T-1(ICIジャパン)0.0155を混合し、遊星型
ボールミルにより粉砕・攪拌した。その後、エポキシ樹
脂硬化剤MNA(応研商事株式会社)13.429g,
DMP-30 (応研商事株式会社)0.64gを加えて、
さらに5分間攪拌した。これを真空中に60度で24時
間硬化させ、直径10mm、長さ10mmのロッドに成
形した。また、参照用試料としてBi−YIG微粒子を
含まない同様のエポキシ系樹脂ロッドを作製した。エポ
キシ樹脂は、原料である熱可塑性のエポキシ化合物に架
橋剤を加えて重合反応を起こさる熱硬化性樹脂である。
【0036】ここで、ロッドは、測定の都合上、熱硬化
性樹脂を使用したが、一般に知られていることであるが
セラミックス(Bi−YIG粒子やAl・Bi−YIG
粒子などの強磁性体材料)と多くの熱可塑性樹脂との濡
れは良好であるので、強磁性体粒子を熱硬化性樹脂にも
分散させることができる。図5は、Bi−YIG粒子分
散ロッドにおけるファラデー回転角θF と波長との関係
である。
【0037】図6は、Bi−YIG粒子分散ロッドにお
けるファラデー回転角θF と磁界との関係である。図5
において、横軸は、nm単位で示す光の波長であり、縦
軸は、deg/cm単位で示すファラデー回転角θF で
ある。また、図6において、横軸は、Oe単位で示す磁
場であり、縦軸は、ファラデー回転角θF である。ま
た、▲は、Bi−YIG微粒子分散ロッドの測定結果で
あり、□は、参照用試料の測定結果であり、○は、▲と
□との差分である。
【0038】図5に示すように、Bi−YIG微粒子分
散ロッドの波長依存性は、Bi−YIGのものと一致
し、Bi−YIG微粒子を分散することによって、プラ
スチックのファラデー回転能が増加することが分かる。
【0039】そして、図6に示すように、Bi−YIG
微粒子分散ロッドのファラデー回転角θF は、参照用試
料のそれよりも、低磁場において大きく、強磁性体微粒
子であるBi−YIG微粒子を分散させたために、低磁
場におけるファラデー回転の感度が増加したことが分か
る。 (電流センサの構成)図7は、第1の実施形態の電流セ
ンサ(磁気センサ)の構成と光ファイバの例を示す図で
ある。
【0040】なお、図7(a)に示す電流センサは、磁
気センサの構成でもある。電流センサは、導電帯に流れ
る電流によって発生する「磁界」によるファラデー回転
を計測するため、電流センサは、そのまま磁気センサと
なるからである。図7(a)において、電流センサ(磁
気センサ)は、レーザ(以下、「LD」と略記する。)
101、偏光子102、Bi−YIG微粒子分散光ファ
イバ103、検光子104及び検出器(以下、「De
t」と略記する。)105とを備えて構成される。
【0041】LD101は、例えば、波長520nmの
レーザ光を射出する。射出したレーザ光は、偏光子10
2に入射され、直線偏光となって、Bi−YIG微粒子
分散光ファイバ103に入射される。このBi−YIG
微粒子分散光ファイバ103は、被検電流が流れる導伝
帯121と交叉するように置かれる。そして、Bi−Y
IG微粒子分散光ファイバ103中を伝播する直線偏光
のレーザ光は、この被検電流によって発生する磁界によ
るファラデー効果により、その偏光面が磁界の強さに応
じた角度だけ回転させられる。偏光面が回転したレーザ
光は、Bi−YIG微粒子分散光ファイバ103から射
出され、検光子104を介してDet105に入射され
る。
【0042】検光子104の偏光方向は、偏光子102
と一致するように置かれる。従って、検光子104で角
度θF だけ偏波面を回転されたレーザ光のうち検光子1
04の偏光方向の成分のみ射出されるので、検光子10
4を透過したレーザ光の強度は、ファラデー回転角θF
に応じて強度変調される。Det105は、例えば、ホ
トダイオードなどの受光素子を備えて構成され、受光し
たレーザ光の強度に応じた信号を出力する。
【0043】一方、Bi−YIG微粒子分散光ファイバ
103は、図7(b)に示すように光ファイバ全体に亘
ってBi−YIG微粒子を分散させた光ファイバでも良
いし、図7(c)及び(d)に示すように光ファイバ中
の所定の箇所にBi−YIG微粒子を分散させた光ファ
イバでもよい。図3から分かるようにBi−YIG微粒
子濃度にもよるが、ファラデー回転角は、3kOeの磁
場の強さにおいて1cm当たり数万度回転するので、B
i−YIG微粒子分散部111は、数μm〜数十μmで
も充分なファラデー回転を得ることができる。
【0044】(本発明と第1の実施形態との対応関係)
請求項1乃至請求項4に記載の発明と第1の実施形態と
の対応関係は、光ファイバはBi−YIG微粒子分散光
ファイバ103に対応する。請求項6に記載の発明と第
1の実施形態との対応関係は、光源はLD101に対応
し、偏光子は偏光子102に対応し、検光子は検光子1
04に対応し、光ファイバはBi−YIG微粒子分散光
ファイバ103に対応し、検出器はDet105に対応
する。
【0045】請求項8に記載の発明と第1の実施形態と
の対応関係は、光源はLD101に対応し、偏光子は偏
光子102に対応し、検光子は検光子104に対応し、
光ファイバはBi−YIG微粒子分散光ファイバ103
に対応し、検出器はDet105に対応する。 (第1の実施形態の作用効果)一般に、ファラデー回転
角θF は、磁界中に配置されたファラデー素子の長さ
(本実施形態では、Bi−YIG微粒子分散光ファイバ
103の導伝帯121との交叉長)及び磁界の強さに比
例する。この比例定数は、ベルデ定数と呼ばれる。そし
て、発生する磁界の強さは、被検電流の強さに比例する
ため、Bi−YIG微粒子光ファイバから射出されるレ
ーザ光の偏波面は、被検電流の大きさに応じてファラデ
ー回転することになる。
【0046】このため、検光子104を介したBi−Y
IG微粒子光ファイバ103から射出されるレーザ光の
強さをDet105で測定することにより、被検電流
(被検磁界)を測定することができる。そして、強磁性
体のベルデ定数は、常磁性体のベルデ定数に較べ数桁大
きいことが知られている。このため、強磁性体であるB
i−YIG微粒子を分散させたBi−YIG微粒子光フ
ァイバ103を使用することにより、電流センサ(磁界
センサ)を高感度にすることができる。また、同一の感
度とする場合では、常磁性体を用いた電流センサに較
べ、格段に検出部である光ファイバの長さを数千分の一
に短くすることができる。
【0047】従って、従来の常磁性体の光ファイバ電流
センサのように導伝体121に光ファイバを多数回巻き
付ける必要がなく、その設置場所をとらない。次に、別
の実施形態について説明する。 (第2の実施形態)第2の実施形態は、一般式R3-x
xFe5-yy12微粒子分散光ファイバを用いた電流
センサ(磁気センサ)の実施形態である。
【0048】ここで、Rは元素記号Y,La,Ce,P
r,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb及びLuからなる群より選ばれる
一種類以上の希土類元素を示し、BiはRと置換する元
素、FeはMと置換する元素、Mは元素記号Al,G
a,Cr,Mn,Sc,In,Ru,Rh,Co,Fc
(II),Cu,Ni,Zn,Li,Si,Ge,Zr,
Ti,Hf,Sn,Pb,Mo,V及びNbからなる群
より選ばれる一種類以上の元素を示し、R及びBiはガ
ーネット結晶構造においてcサイトを占め、Fe及びM
はガーネット結晶構造においてa及び/又はdサイトを
占め、0.5≦x≦2.0、y=0,0.5,1,1.
5である。
【0049】上記R3-xBixFe5-yy12微粒子の代
表としてAl・Bi−YIG微粒子について説明する
が、La,Ce,Pr,Nd,PmなどはYと同様な性
質であり、Ga,Cr,Mn,Sc,InなどはAlと
同様な性質であることから、他の元素についても同様で
ある。鉄ガーネットは、フェリ磁性体であり、a(16
a)とd(24d)サイトを占める鉄イオンの磁気モー
メントの差分が、外部から観察可能な磁化に相当する。
鉄ガーネットの光吸収は、この鉄イオンによるから、こ
の鉄イオンを所定の波長領域で光吸収を持たない元素で
置換すれば、Bi−YIGの光吸収係数を低減すること
ができる。例えば、可視領域に光吸収を持たない元素で
あるAlを置換する。
【0050】(Al・Bi−YIG微粒子の製造)Al
・Bi−YIG微粒子は、第1の実施形態と同様に、共
沈・焼成法により製造することができる。即ち、様々な
組成に調整した、硝酸鉄、硝酸イットリウム、硝酸ビス
マス、硝酸アルミニウムの混合水溶液から、アンモニア
水又は水酸化ナトリウム水溶液を使用して、これらの金
属イオンを含む水酸化物を沈殿させる。そして、これを
加熱することによって熱分解を行い酸化物とし、さら
に、結晶化を行い、Bi−YIG微粒子を製造する。こ
の脱水及び結晶化は、700℃、1時間の熱処理を行っ
た。
【0051】なお、Bi12AlyFe5-y12(y=
0.5)微粒子を得るためには、硝酸鉄(III)9水和
物17.24g、硝酸イットリウム6水和物7.26
g、硝酸ビスマス5水和物4.60g及び硝酸アルミニ
ウム9水和物1.78gとすればよい。さらに、このA
l・Bi−YIG微粒子を、第1の実施形態における基
礎実験と同様に、エポキシバインダと混合し、遊星型ボ
ールミルで30時間粉砕・分散し、Al・Bi−YIG
微粒子を分散させた溶液を作製した。
【0052】(Al・Bi−YIG微粒子薄膜光ファイ
バの製造)図8は、第2の実施形態の光ファイバの例を
示す図である。図8(a)において、Al・Bi−YI
G微粒子薄膜光ファイバ109は、一般のプラスティッ
ク光ファイバ、例えば、ポリメチルメタクリレート製の
光ファイバの一端面に、上記Al・Bi−YIG微粒子
を分散させた溶液を塗布する。そして、室温などで自然
乾燥させて、Al・Bi−YIG微粒子を分散させた薄
膜部109-bを形成する。
【0053】さらに、図8(b)に示すように、Al・
Bi−YIG微粒子薄膜部109-bにおける光ファイバ
と接していない面、即ち、外界と接している面に鏡面部
109-cを形成する。この鏡面部109-cは、例えば、
Alを真空蒸着法によって形成する。 (Bi−YIG微粒子濃度及び粒径濃度とファラデー回
転角との関係)次に、Al・Bi−YIG微粒子薄膜塗
布プラスティック光ファイバの設計を行うための基礎実
験結果について説明する。
【0054】基礎実験は、Al・Bi−YIG微粒子を
含むシートを製作して行った。このシートは、上記Al
・Bi−YIG微粒子を分散させた溶液をガラス基板上
にスピンコート法によって塗布した。この塗布膜は、膜
厚が約2.0μm、微粒子の体積濃度が約40%であ
る。図9は、Al・Bi−YIG粒子薄膜におけるファ
ラデー回転角及び光吸収係数とAl置換量との関係を示
す図である。
【0055】図10は、Al・Bi−YIG粒子薄膜に
おける性能指数とAl置換量との関係を示す図である。
図9において、横軸は、Bi12AlyFe5-y12のy
を単位とするAl置換量を示し、左縦軸は、/cmを単
位とする光吸収係数αであり、右縦軸は、deg/cm
を単位とするファラデー回転角2θFである。また、図
10において、横軸は、同様にAl置換量yを示し、縦
軸は、degを単位とする性能指数Fである。
【0056】ここで、測定は、それぞれの組成の微粒子
について、X線回折でガーネット構造であることを確認
した上で、第1の実施形態と同様の条件・機器で計測し
た。図9に示すように、ファラデー回転角2θF 及び光
吸収係数αは、Al置換量yの増加と伴に双方とも減少
する。これは、鉄イオン数がAlイオンに順次置換され
たものであると考えられる。
【0057】ここで、ファラデー回転角θF と光吸収係
数αの減少割合が異なるため、性能指数Fは、図10に
示すように、y=0.5で最大値約3.2となる。以上
より、FeをAlで置換することにより(0<y≦1.
5)することにより、可視領域において透過特性の優れ
た、かつ、ファラデー回転角がなお常磁性体よりも大き
い微粒子が得られ、y=0.5のAl置換量において、
最も優れた磁気光学特性を示す。
【0058】(電流センサの構成)図11は、第2の実
施形態の電流センサの構成を示す図である。なお、図1
1に示す電流センサは、磁気センサの構成でもある。図
11において、電流センサ(磁気センサ)は、LD10
1、ビームスプリッタ107、偏光子102、Al・B
i−YIG微粒子薄膜光ファイバ109及びDet10
5とを備えて構成される。
【0059】LD101から射出されたレーザ光は、ビ
ームスプリッタ107を介して偏光子102に入射さ
れ、直線偏光となって、Al・Bi−YIG微粒子薄膜
光ファイバ109に入射される。このAl・Bi−YI
G微粒子薄膜光ファイバ109のAl・Bi−YIG微
粒子薄膜部109-bは、被検電流が流れる導伝帯121
と交叉するように置かれる。
【0060】そして、Al・Bi−YIG微粒子薄膜光
ファイバ109中の光ファイバ部109-a中を伝播した
直線偏光のレーザ光は、Al・Bi−YIG微粒子薄膜
部塗布部109-bで、この被検電流によって発生する磁
界によるファラデー効果により、その偏光面が磁界の強
さに応じた角度βだけ回転させられる。偏光面が回転し
たレーザ光は、鏡面部109-cで反射され、そのレーザ
光は、再びAl・Bi−YIG微粒子薄膜部109-b
で、その偏光面が磁界の強さに応じた角度βだけさらに
回転させられる。
【0061】ファラデー効果は、非相反的な効果である
ため、Al・Bi−YIG微粒子薄膜部109-bを往復
することで、偏波面の回転角は、積算されて2βとな
る。2β回転したレーザ光は、光ファイバ部109-aを
再び伝播し、偏光子102に入射される。2β回転した
レーザ光は、偏光子102の偏光方向成分だけが偏光子
102を透過し、ビームスプリッタ107で進行方向を
変更され、Det105に入射される。Det105
は、受光したレーザ光の強度に応じた信号を出力する。
【0062】なお、上述では、レーザ光を鏡面部109
-cで反射されるようにしたが、図8(a)に示す鏡面部
109-cを備えない光ファイバでもよい。レーザ光の反
射強度は鏡面で反射させる場合に較べて低下するが、A
l・Bi−YIG微粒子薄膜部109-bと例えば、空気
との屈折率の相違により、Al・Bi−YIG微粒子薄
膜部109-bの端面でレーザ光を反射させることが可能
だからである。
【0063】(本発明と第2の実施形態との対応関係)
請求項2乃至請求項5に記載の発明と第2の実施形態と
の対応関係は、光ファイバはAl・Bi−YIG微粒子
薄膜光ファイバ109に対応する。請求項7に記載の発
明と第2の実施形態との対応関係は、光源はLD101
に対応し、ビームスプリッタはビームスプリッタ107
に対応し、偏光板は偏光子102に対応し、光ファイバ
はAl・Bi−YIG微粒子薄膜光ファイバ109に対
応し、検出器はDet105に対応する。
【0064】請求項9に記載の発明と第2の実施形態と
の対応関係は、光源はLD101に対応し、ビームスプ
リッタはビームスプリッタ107に対応し、偏光板は偏
光子102に対応し、光ファイバはAl・Bi−YIG
微粒子薄膜光ファイバ109に対応し、検出器はDet
105に対応する。 (第2の実施形態の作用効果)偏光子102から射出さ
れた直線偏光されたレーザ光は、Al・Bi−YIG微
粒子薄膜部109-bを往復することにより偏波面が2β
回転して、再び偏光子102に入射される。このため、
2β回転したレーザ光のうち偏光子102の偏光方向成
分だけが透過することになるから、ファラデー回転角2
βに対応して強度変調されたレーザ光が偏光子102か
ら射出されることになる。
【0065】従って、この強度変調をDet105で検
出することによって、被検電流の大きさを検出すること
ができる。そして、このAl・Bi−YIG微粒子薄膜
光ファイバ109は、強磁性体であるAl・Bi−YI
G微粒子を含むため、電流センサ(磁界センサ)を高感
度にすることができる。
【0066】また、Al・Bi−YIG微粒子を含む部
分を光ファイバの一端に偏在させているので、検出部の
みをプローブとして形成することもできる。なお、第1
及び第2の実施形態では、プラスチック光ファイバを用
いたが、ガラス光ファイバについても適用可能である。
また、第1の実施形態では、LD101と偏光子102
との間に、第2の実施形態では、LD101とビームス
プリッタ107との間に、光アイソレータを挿入するよ
うにしてもよい。このような光アイソレータは、反射光
がLD101に戻ることを防止してLD101の動作を
安定にすることができる。
【0067】そして、光の結合率を高める観点から、各
光部品間にレンズを挿入してもよい。次に、別の実施形
態について説明する。 (第3の実施形態)第3の実施形態は、一般式Bix
3-xFe512(0<x≦2.0)微粒子分散光ファイバ
の実施形態である。
【0068】図12は、第3の実施形態の光ファイバと
その製造法を示す図である。図12において、まず、プ
ラスティック円筒152(図12(b))を用意し、こ
の円筒内に第1の実施形態の基礎実験において製造した
Bi−YIG微粒子を分散させた溶液をシリンジなどを
用いて、所定の箇所に注入する(図12(c))。
【0069】そして、プラスチック光ファイバ151-a
及びプラスチック光ファイバ151-bをプラスチック円
筒152の双方から差し込み、Bi−YIG微粒子分散
溶液相を挟み込む(図12(d))。ここで、プラスチ
ック光ファイバ151の外径は、プラスチック円筒15
2に挿入することができる程度の径にする。その後、プ
ラスチック円筒152を加熱する。この加熱により、B
i−YIG微粒子分散溶液を固化させると伴にプラスチ
ック光ファイバ151-a及びプラスチック光ファイバ1
51-bと融着させ、かつ、プラスチック円筒152とプ
ラスチック光ファイバ151-a及びプラスチック光ファ
イバ151-bとも融着させる(図12(e))。
【0070】このようにして、図12(a)に示すBi
−YIG微粒子分散光ファイバ150が製造される。 (本発明と第3の実施形態との対応関係)請求項1及び
請求項3に記載の発明と第3の実施形態との対応関係
は、光ファイバはBi−YIG微粒子分散光ファイバ1
50に対応する。
【0071】(第3の実施形態の作用効果)第3の実施
形態のBi−YIG微粒子分散光ファイバ150は、第
1の実施形態において各実験結果に基づいて説明したよ
うに、強磁性体であるBi−YIG微粒子を分散させて
あるので、磁気光学特性に優れる。なお、このBi−Y
IG微粒子分散光ファイバ150を図7(a)に示す電
流センサ(磁気センサ)におけるBi−YIG微粒子分
散光ファイバ103の代わりに使用することができる。
【0072】なお、第1及び第3の実施形態では、一般
式Bix3-xFe512(0<x≦2.0)微粒子を分
散させた光ファイバについて説明したが、一般式R3-x
BixFe5-yy12微粒子を分散させることも可能で
ある。そして、第2の実施形態では、一般式R3-xBix
Fe5-yy12微粒子を分散させた光ファイバについて
説明したが、一般式Bix3-xFe512(0<x≦
2.0)微粒子を分散させることも可能である。
【0073】
【発明の効果】本発明の光ファイバは、強磁性体の微粒
子を分散させるので磁気光学特性に優れる。また、この
ような光ファイバを用いるのでファラデー効果が大きい
ため、本発明の電流センサ及び磁気センサは、検出部を
小型化することができ、かつ、高感度である。さらに本
発明の電流センサ及び磁気センサは、、検出部を短くす
ることができるので、3次元形状の変形による検出値に
与える影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi−YIG粒子薄膜におけるファラデー回転
角及び光吸収係数とBi濃度との関係を示す図である。
【図2】Bi−YIG粒子薄膜における性能指数とBi
濃度との関係を示す図である。
【図3】Bi−YIG粒子薄膜におけるファラデー回転
角及び光吸収係数と粒子濃度との関係を示す図である。
【図4】Bi−YIG粒子薄膜における性能指数と粒子
濃度との関係を示す図である。
【図5】Bi−YIG粒子分散ロッドにおけるファラデ
ー回転角θF と波長との関係である。
【図6】Bi−YIG粒子分散ロッドにおけるファラデ
ー回転角θF と磁界との関係である。
【図7】第1の実施形態の電流センサ(磁気センサ)の
構成と光ファイバの例を示す図である。
【図8】第2の実施形態の光ファイバの例を示す図であ
る。
【図9】Al・Bi−YIG粒子薄膜におけるファラデ
ー回転角及び光吸収係数とAl置換量との関係を示す図
である。
【図10】Al・Bi−YIG粒子薄膜における性能指
数とAl置換量との関係を示す図である。
【図11】第2の実施形態の電流センサ(磁気センサ)
の構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態の光ファイバとその製造法
【符号の説明】
101 レーザ 102 偏光子 103 Bi−YIG微粒子分散光ファイバ 104 検光子 105 検出器 107 ビームスプリッタ 109 Al・Bi−YIG微粒子薄膜光ファイバ 150 プラスティック光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 カルロス 清一 東京都世田谷区奥沢7丁目5−10サン・エ ウラマンション203号 Fターム(参考) 2G017 AA02 AD12 AD20 BA14 CB04 CB24 CC01 2G025 AA00 AB10 AB13 AC06 2H050 AB43X AC86 AD06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体の粒子を含むことを特徴とする
    光ファイバ。
  2. 【請求項2】 強磁性体の粒子を含む磁性体膜で一端面
    を覆ったことを特徴とする光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記強磁性体膜における前記光ファイバ
    と接していない表面を鏡面としたことを特徴とする請求
    項2に記載の光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記強磁性体は、一般式Bix3-xFe
    512(0<x≦2.0)であるビスマス置換鉄ガーネ
    ットであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載の光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記強磁性体は、一般式R3-xBixFe
    5-yy12(但し、Rは元素記号Y,La,Ce,P
    r,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
    o,Er,Tm,Yb及びLuからなる群より選ばれる
    一種類以上の希土類元素を示し、BiはRと置換する元
    素、FeはMと置換する元素、Mは元素記号Al,G
    a,Cr,Mn,Sc,In,Ru,Rh,Co,Fc
    (II),Cu,Ni,Zn,Li,Si,Ge,Zr,
    Ti,Hf,Sn,Pb,Mo,V及びNbからなる群
    より選ばれる一種類以上の元素を示し、R及びBiはガ
    ーネット結晶構造においてcサイトを占め、Fe及びM
    はガーネット結晶構造においてa及び/又はdサイトを
    占め、0.5≦x≦2.0、y=0,0.5,1,1.
    5)であるアルミニウム置換ビスマス置換鉄ガーネット
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の光ファイバ。
  6. 【請求項6】 光を射出する光源と、 光を直線偏光にする偏光子及び検光子と、 前記請求項1に記載の光ファイバと、 光を検出する検出器とを備え、 前記検出器は、前記光源から射出された光を、前記偏光
    子、前記光ファイバ及び前記検光子を介して受光するこ
    とを特徴とする電流センサ。
  7. 【請求項7】 光を射出する光源と、 入射する光を2方向に分岐するビームスプリッタと、 光を直線偏光にする偏光板と、 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光フ
    ァイバと、 光を検出する検出器とを備え、 前記光源から射出された光は、前記ビームスプリッタ及
    び前記偏光板を介して前記光ファイバに入射され、該入
    射された光は、前記光ファイバの入射端とは逆の端で反
    射されて前記入射端から射出され、該射出された光は、
    前記偏光板及びビームスプリッタを介して前記検出器に
    入射されるようにしたことを特徴とする電流センサ。
  8. 【請求項8】 光を射出する光源と、 光を直線偏光にする偏光子及び検光子と、 前記請求項1に記載の光ファイバと、 光を検出する検出器とを備え、 前記検出器は、前記光源から射出された光を、前記偏光
    子、前記光ファイバ及び前記検光子を介して受光するこ
    とを特徴とする磁気センサ。
  9. 【請求項9】 光を射出する光源と、 入射する光を2方向に分岐するビームスプリッタと、 光を直線偏光にする偏光板と、 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光フ
    ァイバと、 光を検出する検出器とを備え、 前記光源から射出された光は、前記ビームスプリッタ及
    び前記偏光板を介して前記光ファイバに入射され、該入
    射された光は、前記光ファイバの入射端とは逆の端で反
    射されて前記入射端から射出され、該射出された光は、
    前記偏光板及びビームスプリッタを介して前記検出器に
    入射されるようにしたことを特徴とする磁気センサ。
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