JP2001281289A - 送配電線故障位置標定方法及びそのシステム - Google Patents

送配電線故障位置標定方法及びそのシステム

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JP2001281289A
JP2001281289A JP2000097962A JP2000097962A JP2001281289A JP 2001281289 A JP2001281289 A JP 2001281289A JP 2000097962 A JP2000097962 A JP 2000097962A JP 2000097962 A JP2000097962 A JP 2000097962A JP 2001281289 A JP2001281289 A JP 2001281289A
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failure
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JP2000097962A
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Seio Baba
生翁 馬場
Masahide Ogawa
雅英 小川
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
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    • Y04S10/50Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications
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  • Locating Faults (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障点を標定することで標定分解能を向上さ
せ、迅速に故障位置を探し出す。 【解決手段】 鉄塔10に繋がる架空地線1,2に電流
センサ11〜14を配設して、架空地線1,2に流れる
電流I1〜I4を検出し、管理センタ20の演算手段2
2でキルヒホッフの法則から鉄塔電位Vtを算出して、
標定手段23によって最も電位が高くなる位置を故障点
として標定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送配電系で発生し
た電気故障の故障区間、故障点及び故障様相を特定する
送配電線故障位置標定方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来、この種の故障標定では、例
えば特開平4−279870号公報に示すように、架空
地線の所定間隔に設けた電流センサからの検出データか
ら得られるパターンをニューラルネットワークを用いて
解析して電気故障の故障区間を特定するシステムがあっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなシステムを
用いた送電設備には、電力を安定供給するために高い信
頼性が要求されるので、送配電線に電気故障が発生した
時には,故障位置を迅速に探し出し対処しなければなら
なかった。ところが、上記システムでは、架空地線の電
流値は鉄塔脚接地抵抗及び図23(a)〜(c)の電流
分布に示すように故障様相により故障点近くの架空地線
電流が最も大きくなるとはいえないので、故障区間を特
定するのみで、電気故障が発生した故障点を特定するこ
とができず、迅速な対処ができないという問題点があっ
た。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、故障点を標定することで標定分解能を向上させ、か
つ迅速に故障位置を探し出す送配電線故障標定方法及び
そのシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、送配電線が橋架された複数の鉄塔を有
する送配電系における前記送配電線の電気故障位置を標
定する送配電線故障位置標定方法及びそのシステムにお
いて、前記鉄塔又は該鉄塔に繋がる架空地線に電流セン
サを配設して電流情報を検出し、電気故障発生時に検出
した前記電流情報によって前記鉄塔の電位を求め、前記
求めた電位情報に基づいて電気故障位置を標定する送配
電線故障位置標定方法及びそのシステムが提供される。
【0006】すなわち、鉄塔又は架空地線に流れる電流
を検出し、キルヒホッフの法則から鉄塔電位を算出する
ことにより、最も電位が高くなる位置を故障点として標
定する。請求項2に係る発明では、電流センサを配置し
た鉄塔の隣の電位を算出し、鉄塔電位の大小関係から電
位がもっとも大きくなる故障点の方向を定めて故障区間
を標定する。
【0007】請求項3に係る発明では、電気故障が発生
した故障区間を標定するためのニューラルネットワーク
を作成し、電流センサを配設した鉄塔とその隣の鉄塔の
電位情報をニューラルネットワークに入力させて、故障
区間を標定する。請求項4に係る発明では、請求項2又
は3で標定された区間の中で、故障センサを配設した鉄
塔から順に隣の鉄塔の電位を求め、最も電位が大きくな
る鉄塔を探し出して故障点を標定する。
【0008】請求項5に係る発明では、請求項2又は3
で標定された故障区間の中で、シミュレーションデータ
から実測値に最も近い故障点を標定する。請求項6に係
る発明では、各故障様相毎の鉄塔の電位と故障点の関係
を示すシミュレーションデータを作成し、このシミュレ
ーションデータから実測値に最も近い故障様相を判定す
る。
【0009】請求項7に係る発明では、各故障様相を判
定するためのニューラルネットワークを作成し、鉄塔電
位情報をニューラルネットワークに入力させて、故障様
相を判定する。請求項8に係る発明では、各故障様相毎
の故障点を標定するためのニューラルネットワークを作
成し、請求項6又は7で判定された故障様相毎に、請求
項2又は3で標定された故障区間情報と鉄塔電位情報を
ニューラルネットワークに入力させて、故障様相とその
故障点を標定する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る送配電線故障標定方
法及びそのシステムを図1乃至図22の図面に基づいて
説明する。図1は、本発明に係る送配電線故障標定シス
テムの構成の第1実施形態を示す構成図である。本実施
形態の送配電線故障標定システムでは、送配電線が橋架
された複数の鉄塔を有する送配電系において、数基毎の
鉄塔に対して、鉄塔に繋がる2本の架空地線に2個ずつ
の故障検出用電流センサをそれぞれ配設して、故障時に
上記電流センサを配設した鉄塔に流れる電流を検出す
る。
【0011】すなわち、図1に示すように、鉄塔10に
繋がる架空地線1,2に配設した電流センサ11,1
2,13,14からの電流(以下、「地線電流」とい
う)I1,I2,I3,I4の情報を入力部15に取り
込み、上記各地線電流の情報を通信手段16を介して管
理センタ20に送信している。管理センタ20は、上記
各地線電流の情報を受信する通信手段21と、各地線電
流の情報から鉄塔に流れる電流を求め、さらに鉄塔電位
を求める演算手段22と、求めた上記鉄塔電位に基づい
て故障点を標定する標定手段23とを有して構成されて
いる。なお、通信手段16,21は有線又は無線での一
般的に用いられている通信方式で情報の通信を行ってい
る。
【0012】図2は、地線電流I1,I2,I3,I4
及び鉄塔電流Itの波形図であり、各演算手段22は、
キルヒホッフの第一法則により図2(a)〜(d)に示
した地線電流I1,I2,I3,I4の波形を足し合わ
せて、図2(e)に示した鉄塔電流Itを求める。そし
て、求めた鉄塔電流Itに予め求めてある鉄塔塔脚接地
抵抗Rtを掛け、以下の式のように鉄塔電位Vtを算出
する。 Vt=It×Rt …(1)
【0013】次に、架空地線1,2に流れる地線電流I
1,I2,I3,I4と鉄塔電位Vtの故障時の振幅と
位相をフーリェ変換で求め、以下の式に基づき、ある時
刻における地線電流と鉄塔電位の実数部及び虚数部を求
める。 I1c=(I1r,I1i) I2c=(I2r,I2i) I3c=(I3r,I3i) I4c=(I4r,I4i) Vtc=(Vtr,Vti) ここで、I1c:電流センサ11の複素数電流値 I2c:電流センサ12の複素数電流値 I3c:電流センサ13の複素数電流値 I4c:電流センサ14の複素数電流値 Vtc:複素数鉄塔電位 I1r〜I4r:各地線電流の実数部 I1i〜I4i:各地線電流の虚数部 Vtr:鉄塔電位の実数部 Vti:鉄塔電位の虚数部
【0014】次に、例えば図3に示すように、鉄塔iの
鉄塔電位Vtc(i)、鉄塔iと鉄塔i+1の間の架空
地線電流Ic(i)と架空地線の線路インピーダンスZ
(i)が既知である場合、演算手段22は、以下の式に
より鉄塔i+1の複素数鉄塔電位Vtc(i+1)を算
出できる。 Vtc(i+1)=Vtc(i)+Ic(i)×Z(i) ここで、Vtc(i),Ic(i)及びZ(i)は複素
数であり、Z(i)=r(i)+jωL(i)である。
また、鉄塔i+1での鉄塔電流It(i+1)は、 It(i+1)=Vtc(i+1)/R(i+1) となり、鉄塔i+1と鉄塔i+2の間の架空地線電流I
c(i+1)は、 Ic(i+1)=Ic(i)−It(i+1) となる。従って、鉄塔i+2の複素数鉄塔電位Vtc
(i+2) Vtc(i+2)=Vtc(i+1)+Ic(i+1)×Z(i+1) …(2) となる。また、同様の要領で鉄塔i−1の複素数鉄塔電
位Vtc(i−1)も算出できる。
【0015】図4は、例えば架空送電線の鉄塔iと鉄塔
jにそれぞれ4個の電流センサを配設した送配電系の一
例である。図では、前記要領で鉄塔i−1、鉄塔i、鉄
塔i+1、鉄塔j−1、鉄塔j、鉄塔j+1の鉄塔電位
を算出でき、上記算出された鉄塔電位は、図5のような
電位分布を示す。図5において、鉄塔iよりも鉄塔i+
1の方が電位が大きくなっていることから、鉄塔iに対
して鉄塔i+1側に故障点が存在することがわかる。ま
た、鉄塔jよりもj−1の方が電位が大きくなっている
ことから、鉄塔jに対して鉄塔j−1側に故障点が存在
することがわかる。
【0016】従って、本実施形態では、電流センサを配
設した鉄塔の電位と上記鉄塔に隣り合う鉄塔の電位を算
出し、これら鉄塔電位の大小関係から電位がもっとも大
きくなる故障点の方向を鉄塔iと鉄塔jの間と定めて、
図5のように故障区間を標定することができる。また、
本実施形態では、求めた鉄塔電位の大小関係から故障区
間の標定を行うので、シミュレーションデータを必要と
しない故障区間標定が可能となる。
【0017】更に、第2実施形態としては、図4に示し
た鉄塔iから鉄塔jまでの鉄塔塔脚接地抵抗と各鉄塔間
の架空地線の線路インピーダンスが既知である場合に
は、複素数鉄塔電位Vtc(i+1)が既知になり、鉄
塔i+1から鉄塔i+2に、鉄塔i+2から鉄塔i+3
に、それに続く鉄塔に流れる地線電流Ic(i+2)、
Ic(i+3)、…、Ic(i+n)がキルヒホップの
第一法則により求まる。ここで、nはi番目からj番目
までの鉄塔の数である。
【0018】そして、複素数鉄塔電位Vtc(i+1)
と地線電流Ic(i+2)を(2)式に代入することに
より、鉄塔i+2の複素数鉄塔電位Vtc(i+2)が
求まり、この方法を繰り返し鉄塔iから鉄塔jまでの鉄
塔電位を図6のように求める。また、逆に、上記要領で
鉄塔jから鉄塔iの電位を図7のように求める。そし
て、これら図6、図7のように鉄塔電位のパタ−ンを図
8に示すように重ね合わせ、これらパターンの上記鉄塔
電位が交差する点を求めることにより、その交点の位置
が故障点となる。
【0019】従って、本実施形態では、電流センサを配
設した鉄塔から次に電流センサを配設した鉄塔までの各
鉄塔における鉄塔電位を順次算出し、その鉄塔電位のパ
ターンの交点から故障点を標定するので、シミュレーシ
ョンデータを必要としない故障点標定が可能となる。次
に、図9は、故障検出用電流センサを配設した鉄塔毎に
区切られた区間を示す図であり、図では5つの区間を示
している。
【0020】第3実施形態では、標定手段23を図10
に示す故障区間の標定に用いるニューラルネットワーク
で構成する。そして、例えば図4に示すような場合、電
流センサを配設した鉄塔iとその隣の鉄塔i−1、鉄塔
i+1の中で鉄塔電位の最大値Vt(max)及び最小
値Vt(min)を求め、最小値Vt(min)が0、
最大値Vt(max)が1となるように、鉄塔電位Vt
を式(3)に代入して0〜1の範囲の値Vnに正規化す
る。 Vn=Vt/(Vt(max)−Vt(min)) …(3)
【0021】次に、このとき上記最大値と最小値の差が
ある一定値Vcntより小さいときは、ニューラルネッ
トワークの入力層に入力される入力値(正規化された値
Vn)を0に置き換える。すなわち、(3)式から鉄塔
iの鉄塔電位は、Vn(i)=Vt(i)/(Vt(m
ax)−Vt(min))、鉄塔i−1の鉄塔電位は、
Vn(i−1)=Vt(i−1)/(Vt(max)−
Vt(min))、鉄塔i+1の鉄塔電位は、Vn(i
+1)=Vt(i+1)/(Vt(max)−Vt(m
in))に正規化され、このように正規化されたニュー
ラルネットワークの入力値は、例えば[0.0],
[0.5],[1.0]というような値になり、最大値
と最小値の差が一定値Vcntより小さい場合は、
[0.0],[0.0],[0.0]という値になる。
【0022】なお、本実施形態のニューラルネットワー
クでは、予め発生する可能性がある故障ケースをEMT
P(Electro Magnetic Transi
ents Program)によって故障を模擬し、電
流センサを配設する鉄塔とその隣の鉄塔の正規化された
電位情報を入力情報とし、また出力層には図4に示した
区間を出力層のノードに対応させ、故障点が該当する区
間に対応する出力層ノードの値を1に、故障点が該当し
ない他の出力層ノードの値を0にして、ニューラルネッ
トワークを学習させる。
【0023】従って、本実施形態では、ニューラルネッ
トワークを用いることにより、一定の正規化方法でニュ
ーラルネットワークの入力データを作成し、また標定区
間を出力層に設定して、一定の処理を行うことで、複雑
な線路形態での故障区間の標定を容易に行うことができ
る。図11は、鉄塔が1番目から80番目まである線路
において、10番目、30番目、40番目及び70番目
の鉄塔に電流センサをそれぞれ配設した送配電系の一例
を示す図であり、図12〜図17は、上記送配電系にお
いて、全鉄塔で発生した各故障様相の場合のシミュレー
ションによって得られた鉄塔40の電位を示す図であ
る。なお、図12〜図17中の電位は、故障点に対する
複素数鉄塔電位の絶対値であり、様相1〜6は、順に一
相鉄塔地絡、二相鉄塔地絡、三相鉄塔地絡、二相径間短
絡、三相径間短絡、一線径間地絡を示す。
【0024】第4実施形態では、シミュレーションによ
って得られた上記各様相毎のパターンを用いて図1に示
した管理センタ20で故障様相と故障点を標定する。す
なわち、故障発生時、管理センタ20は鉄塔10、鉄塔
30、鉄塔40及び鉄塔70の通信手段16から各電流
値の情報を受信し、演算手段22によって式(1)から
これらの鉄塔電位Vt(10)、Vt(30)、Vt
(40)、Vt(70)を求め、振幅と位相を算出し、
前記要領で複素数電位Vtc(10)、Vtc(3
0)、Vtc(40)、Vtc(70)を求める。
【0025】そして、各故障様相における図12〜図1
7のシミュレーションデータを用意しておき、各故障様
相について鉄塔j(j=1〜80)の故障確率値P
(j)を以下の式によって算出する。なお、ここでは、
代表して一相鉄塔地絡の場合を説明する。まず、複素数
電位の総和Vsを求める。 Vs=|Vtc(10)|+|Vtc(30)|+|V
tc(40)|+|Vtc(70)| そして、各鉄塔の重みW10、W30、W40、W70
を以下のように算出する。 W10=|Vtc(10)|/Vs W30=|Vtc(30)|/Vs W50=|Vtc(40)|/Vs W70=|Vtc(70)|/Vs 次に、故障確率値P(j)は、以下のように算出され
る。 P(j)=1−(W10×||Vtc(10)|−|D
10(j)||+W30×||Vtc(30)|−|D
30(j)||+W40×||Vtc(40)|−|D
40(j)||+W70×||Vtc(70)|−|D
70(j)||)/Vs
【0026】ここで、|D10(j)|、|D30
(j)|、|D40(j)|、|D70(j)|は、シ
ミュレーションデータにより得られた図11の線路にお
ける一相鉄塔地絡時の10番目、30番目、40番目及
び70番目の鉄塔の各故障点jに対する複素数鉄塔電位
の絶対値である。故障確率値Pは、実測により得られた
値が全て一致する場合には、1となり、実測値から遠ざ
かるほど1より小さくなる。
【0027】従って、予め用意しておいた故障様相にお
いて、故障確率値P(j)が最も大きくなるような鉄塔
番号jが故障点である可能性が最も高い。図18は、4
5番目の鉄塔で一相鉄塔地絡した場合のシミュレーショ
ンデータについて故障確率値Pを求めた図であり、図1
9は、45番目の鉄塔で一相鉄塔地絡した場合の1番目
から80番目の鉄塔の電位分布を示す電位分布図であ
る。
【0028】図18における故障確率値Pは、40番目
の鉄塔の前後に大きな山が2つできる。標定手段23で
は、前記要領により故障区間が40番目の鉄塔から70
番目の鉄塔の区間として標定でき、さらにその故障区間
にある故障点として45番目の鉄塔を故障点として標定
することができる。また、標定手段23は、各故障様相
において、前記要領から故障点が求まり、その中で最も
故障確率値Pが大きくなる故障様相を実測値の故障様相
と判定する。
【0029】前記標定手段23における故障様相の判定
にニューラルネットワークを用いると、ニューラルネッ
トワークは図20のように構成される。また、図21
は、各故障点における一相鉄塔地絡時の30番目の鉄塔
の複素数鉄塔電位の絶対値を示す図である。図21にお
いて、鉄塔電位の最大値Vtc(max)と最小値Vt
c(min)は故障様相によって異なり、シミュレーシ
ョンから得られる各鉄塔電位を、一相鉄塔地絡、二相鉄
塔地絡、三相鉄塔地絡、二相径間短絡、三相径間短絡、
一線径間地絡の6様相について、最小値Vtc(mi
n)が0、最大値Vtc(max)が1となるように、
鉄塔電位Vtcを式(4)に代入して0〜1の範囲の値
Vnに正規化する。また、式(4)の正規化処理でVn
が0〜1の範囲にならない場合で、Vnの値が1より大
きい場合は値を1に、0より小さい場合は値を0に置き
換える。 Vn=Vtc/(Vtc(max)−Vtc(min)) …(4)
【0030】次に、各鉄塔のVnをそれぞれの様相につ
いて求め、図20に示したニューラルネットワークの入
力情報として与える。また、ニューラルネットワークの
出力層ノードには、前記6様相を対応させ、シミュレー
ションデータが該当する故障様相の出力層ノードの値を
1に、該当しない故障様相の他の出力層ノードの値を0
にして、ニューラルネットワークを学習させる。
【0031】従って、本実施形態では、前記要領で構築
された故障様相判定用のニューラルネットワークを用い
て、実測により得られた鉄塔電位情報を、上記学習方法
における正規化によって入力データとして求め、故障様
相判定用ニューラルネットワークの入力情報として与え
ることで、故障様相が判定できる送配電線故障位置標定
システムが提供できる。
【0032】第5実施形態では、標定手段23を図10
と図20に示した故障区間標定用及び故障様相判定用の
ニューラルネットワークと、6つの様相毎の図22に示
す故障点標定用のニューラルネットワークによって構築
することで各様相における故障点を標定する。すなわ
ち、本実施形態では、シミュレーションデータの故障様
相を図20に示した故障様相判定用のニューラルネット
ワークを用いて求め、故障区間を図10に示した故障区
間標定用のニューラルネットワークを用いて求める。次
に、既知となる故障様相について、各鉄塔の最大値Vt
c(max)と最小値Vtc(min)を用いて式
(4)により各鉄塔の正規化された値Vnを求める。そ
して、判定様相により正規化された値(鉄塔電位情報)
Vnと標定区間を故障点標定用のニューラルネットワー
クの入力層のノードに対応させ、故障区間に対応する入
力層のノードには1を、他の標定区間に対応する入力層
のノードには0を与える。対象とする線路の全鉄塔を出
力層のノードに対応させ、シミュレーションデータが該
当する故障点である鉄塔の出力層のノードには1を、他
の鉄塔に対応する出力層のノードには0を与えて、ニュ
ーラルネットワークを学習させる。
【0033】従って、本実施形態では、実測により得ら
れた鉄塔電位情報を、上記学習方法における正規化によ
って入力データとして求め、故障様相用のニューラルネ
ットワークの入力情報として与えて故障様相を判定する
とともに、故障区間標定用のニューラルネットワークの
入力情報として与えて故障区間を標定する。そして、実
測により得られた鉄塔電位情報と故障区間標定用のニュ
ーラルネットワークで得られた故障区間情報を、上記学
習方法における正規化によって入力データとして求め、
故障点標定用のニューラルネットワークの入力情報とし
て与えて故障点を標定する。
【0034】このように、本実施形態では、ニューラル
ネットワークを用いることにより、一定の正規化方法で
ニューラルネットワークの入力データを作成し、また判
定様相、標定区間及び標定故障点を出力層に設定して、
一定の処理を行うことで、複雑な線路形態での送配電線
故障点標定を容易に行うことができる。本発明は、これ
ら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、鉄塔
又は鉄塔に繋がる架空地線に電流センサを配設して電流
情報を検出し、電気故障発生時に検出した前記電流情報
によって前記鉄塔の電位を求め、前記求めた電位情報に
基づいて電気故障点を標定するので、電気故障が発生し
た故障点を正確に標定することで標定分解能を向上さ
せ、かつ迅速に故障点を探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送配電線故障位置標定システムの
構成の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示した地線電流I1,I2,I3,I4
及び鉄塔電流Itの波形図である。
【図3】鉄塔電位の算出方法を説明するための図であ
る。
【図4】架空送電線の鉄塔iと鉄塔jにそれぞれ4個の
電流センサを配設した送電系の一例を示す図である。
【図5】図4における鉄塔電位の分布を示す鉄塔電位分
布図である。
【図6】図4における鉄塔iから鉄塔jへの鉄塔電位の
パターンを示す図である。
【図7】同じく、鉄塔jから鉄塔iへの鉄塔電位のパタ
ーンを示す図である。
【図8】図6と図7のパターンを重ね合わせたパターン
を示す図である。
【図9】故障検出用電流センサを配設した鉄塔毎に区間
が区切られた送配電系の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る故障区間標定用のニューラルネ
ットワークの構成を示す構成図である。
【図11】10番目、30番目、50番目及び70番目
の鉄塔に電流センサをそれぞれ配設した送配電系の一例
を示す図である。
【図12】図11に示した送配電系において、全鉄塔で
発生した故障様相1の場合のシミュレーションによって
得られた鉄塔40の電位を示す図である。
【図13】同じく、全鉄塔で発生した故障様相2の場合
のシミュレーションによって得られた鉄塔40の電位を
示す図である。
【図14】同じく、全鉄塔で発生した故障様相3の場合
のシミュレーションによって得られた鉄塔40の電位を
示す図である。
【図15】同じく、全鉄塔で発生した故障様相4の場合
のシミュレーションによって得られた鉄塔40の電位を
示す図である。
【図16】同じく、全鉄塔で発生した故障様相5の場合
のシミュレーションによって得られた鉄塔40の電位を
示す図である。
【図17】同じく、全鉄塔で発生した故障様相6の場合
のシミュレーションによって得られた鉄塔40の電位を
示す図である。
【図18】45番目の鉄塔で一相鉄塔地絡した場合のシ
ミュレーションデータについて故障確率値Pを求めた図
である。
【図19】45番目の鉄塔で一相鉄塔地絡した場合の1
番目から80番目の鉄塔の電位分布を示す電位分布図で
ある。
【図20】本発明に係る故障様相判定用のニューラルネ
ットワークの構成を示す構成図である。
【図21】各故障点における一相鉄塔地絡時の30番目
の鉄塔の複素数鉄塔電位の絶対値を示す図である。
【図22】本発明に係る故障点標定用のニューラルネッ
トワークの構成を示す構成図である。
【図23】各故障様相による架空地線電流分布を示す図
である。
【符号の説明】
1,2 架空地線 10 鉄塔 11〜14 電流センサ 15 入力部 16,21 通信手段 20 管理センタ 22 演算手段 23 標定手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送配電線が橋架された複数の鉄塔を有す
    る送配電系における前記送配電線の電気故障位置を標定
    する送配電線故障位置標定方法において、 前記鉄塔又は該鉄塔に繋がる架空地線に電流センサを配
    設して電流情報を検出し、電気故障発生時に検出した前
    記電流情報によって前記鉄塔の電位を求め、前記求めた
    電位情報に基づいて電気故障位置を標定することを特徴
    とする送配電線故障位置標定方法。
  2. 【請求項2】 前記求めた電位情報から電位の大小関係
    を求め、前記求めた大小関係に基づいて電気故障が発生
    した故障区間を標定することを特徴とする請求項1に記
    載の送配電線故障位置標定方法。
  3. 【請求項3】 電気故障が発生した故障区間を標定する
    ためのニューラルネットワークを作成し、前記電流情報
    から求めた電位情報を前記ニューラルネットワークに入
    力させて、前記故障区間を標定することを特徴とする請
    求項1に記載の送配電線故障位置標定方法。
  4. 【請求項4】 前記標定された故障区間の中で、電位が
    検出された所定の鉄塔から順に隣の鉄塔の電位情報を算
    出し、前記算出した電位パターンから電位が最も大きく
    なる箇所を求め、前記箇所から故障点を標定することを
    特徴とする請求項2又は3に記載の送配電線故障位置標
    定方法。
  5. 【請求項5】 前記送配電系における前記鉄塔の電位と
    故障点の関係を示すシミュレーションデータを作成し、
    該シミュレーションデータから前記求めた電位情報に最
    も近い故障点を、前記標定された故障区間の中から標定
    することを特徴とする請求項2又は3に記載の送配電線
    故障位置標定方法。
  6. 【請求項6】 前記送配電系における各故障様相毎の前
    記鉄塔の電位と故障点の関係を示すシミュレーションデ
    ータを作成し、該シミュレーションデータから前記求め
    た電位情報に最も近い故障様相を判定することを特徴と
    する請求項1に記載の送配電線故障位置標定方法。
  7. 【請求項7】 前記送配電系における各故障様相を判定
    するためのニューラルネットワークを作成し、前記電流
    情報から求めた電位情報を前記ニューラルネットワーク
    に入力させて、前記故障様相を判定することを特徴とす
    る請求項1に記載の送配電線故障位置標定方法。
  8. 【請求項8】 前記送配電系における各故障様相毎の故
    障点を標定するためのニューラルネットワークを作成
    し、請求項6又は7により判定された故障様相毎に、請
    求項2又は3により標定された故障区間情報と鉄塔電位
    情報を前記故障点標定用のニューラルネットワークに入
    力させて、故障様相における故障点を標定することを特
    徴とする請求項1に記載の送配電線故障位置標定方法。
  9. 【請求項9】 送配電線が橋架された複数の鉄塔を有す
    る送配電系における前記送配電線の電気故障位置を標定
    する送配電線故障位置標定システムにおいて、 前記鉄塔又は該鉄塔に繋がる架空地線に配設され、前記
    鉄塔又は前記架空地線に流れる電流情報を検出する電流
    センサと、 故障発生時に検出された前記電流情報によって前記鉄塔
    の電位を求める電位算出手段と、 前記求めた電位情報に基づいて電気故障位置を標定する
    標定手段とを備えたことを特徴とする送配電線故障位置
    標定システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014220981A (ja) * 2013-04-30 2014-11-20 ケーエイチバテック カンパニー リミテッド 光電力伝送装置を用いた送電鉄塔電力供給システム及び方法、光電力伝送装置を用いたデータ送受信方法
JP2020153823A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 中国電力株式会社 シミュレーションプログラム、及びシミュレーション方法
JP2021148778A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 三菱電機株式会社 非接地配電システムのための過渡状態に基づいた故障位置特定方法

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