JP2001280943A - 管路検査方法 - Google Patents

管路検査方法

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JP2001280943A
JP2001280943A JP2000092115A JP2000092115A JP2001280943A JP 2001280943 A JP2001280943 A JP 2001280943A JP 2000092115 A JP2000092115 A JP 2000092115A JP 2000092115 A JP2000092115 A JP 2000092115A JP 2001280943 A JP2001280943 A JP 2001280943A
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sound pressure
sound
resonance
wave
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JP2000092115A
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Masahiko Matsumura
昌彦 松村
Keiji Kawaguchi
圭史 川口
Seiichi Ito
誠一 伊藤
Masaki Kishi
雅樹 岸
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆層により隠蔽された配管の位置探査や
開口破損等の開口位置探査を高精度に行える管路検査方
法を提供する。 【解決手段】 被覆層により隠蔽された配管1内に所定
の周波数成分の音波を入力して伝播させる第1工程と、
配管1内を伝播する音波を被覆層外の複数の位置で検出
して、その検出波の空間的な音圧分布を求める第2工程
と、第2工程で求められる音圧分布から配管1の位置ま
たは配管1に発生している開口位置Aを推定する第3工
程とを備えてなる管路検査方法であって、第1工程を行
う前に、少なくとも配管1内で管断面方向と管長手方向
の両方向に発生する共鳴の共鳴周波数を導出する導出準
備工程を行い、第1工程において、配管1内にその共鳴
周波数成分の音波を入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌、家屋の壁等の被
覆層により隠蔽された状態にある配管の位置を探査す
る、更には、こういった配管に発生する開口破損等の開
口位置を探査する管路検査技術に関し、より具体的に
は、被覆層により隠蔽された配管内に所定の周波数成分
を含む音波を入力して伝播させる第1工程と、前記配管
内を伝播する音波を前記被覆層外の複数の位置で検出し
て、その検出波の空間的な音圧分布を求める第2工程
と、前記第2工程で求められる音圧分布から前記配管の
位置または前記配管に発生している開口位置を推定する
第3工程とを備えてなる管路検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の管路検査方法として、検査
対象の配管が管長手方向に一様であるとの前提の下、配
管内で発生する共鳴が専ら管断面方向にのみ依存して発
生すると仮定して共鳴周波数を導出し、前記第1工程で
配管内に入力する音波の周波数成分として、その管断面
共鳴周波数を積極的に含ませたり、或いは、逆に積極的
に除外することや、更には、前記第2工程で音圧分布を
求める際に、検出波の周波数成分から管断面共鳴周波数
を除外すること等が提案されている(特開平11−14
2280号公報、特開平11−237234号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、上記
従来方法をベースとして鋭意研究を重ね、新たに以下の
知見を得るに至った。即ち、上記従来方法では、配管内
で発生する共鳴が専ら管断面方向にのみ依存して発生す
ると仮定して共鳴周波数を導出していたが、実際は、管
長手方向にも共鳴が発生し得る点、更に、かかる管長手
方向の共鳴に伴い、配管内の音圧分布が管長手方向に沿
って周期的に変化する点に想到し、3次元音響解析シミ
ュレーションによる検証と、実際に地中に埋設されてい
る配管を用いた実験とを行い、上記の2点が従来の検査
結果に与える影響を確認した。
【0004】かかる管長手方向の共鳴に伴い、3次元的
に発生する共鳴の共鳴周波数が、より真の共鳴周波数に
近いと判断され、従来の管断面方向にのみ依存して発生
すると仮定して簡易的に導出していた共鳴周波数との間
にズレが生じるとすれば、第1工程で配管内に入力する
音波の周波数成分として検査対象となる配管構造の共鳴
周波数を積極的に含ませたり、或いは、逆に積極的に除
外することや、更には、前記第2工程で音圧分布を求め
る際に、検出波の周波数成分から管断面共鳴周波数を除
外する場合、上記積極的に含ませたり或いは除外する周
波数が狭帯域であれば、その周波数範囲に真の共鳴周波
数が含まれなくなり、当初期待していた検査精度が得ら
れないという問題の生じる可能性がある。ここで、この
周波数が狭帯域であれば、音圧分布に含まれるノイズ成
分が相対的に減少するため、高精度の検査が可能となる
わけであるが、上記問題の生じる可能性が逆に高くな
り、検査精度が阻害される虞がある。
【0005】従って、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、被覆層により隠蔽された
配管の位置探査や開口破損等の開口位置探査を高精度に
行える管路検査方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る管路検査方法の第一の特徴構成は、特許
請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、被覆層によ
り隠蔽された配管内に所定の周波数成分の音波を入力し
て伝播させる第1工程と、前記配管内を伝播する音波を
前記被覆層外の複数の位置で検出して、その検出波の空
間的な音圧分布を求める第2工程と、前記第2工程で求
められる音圧分布から前記配管の位置または前記配管に
発生している開口位置を推定する第3工程とを備えてな
る管路検査方法であって、前記第1工程を行う前に、少
なくとも前記配管内で管断面方向と管長手方向の両方向
に発生する共鳴の共鳴周波数を導出する導出準備工程を
行い、前記第1工程において、前記配管内に前記共鳴周
波数成分の音波を入力する点にある。
【0007】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載した通り、被覆層により隠蔽された配
管内に所定の周波数成分の音波を入力して伝播させる第
1工程と、前記配管内を伝播する音波を前記被覆層外の
複数の位置で検出して、その検出波の空間的な音圧分布
を求める第2工程と、前記第2工程で求められる音圧分
布から前記配管の位置または前記配管に発生している開
口位置を推定する第3工程とを備えてなる管路検査方法
であって、前記第1工程を行う前に、少なくとも前記配
管内で管断面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴
の共鳴周波数を導出する導出準備工程を行うとともに、
前記共鳴周波数に対して特定幅の周波数帯域内の、前記
共鳴周波数を含む複数の周波数の音波を各別に前記配管
内に入力し、所定の検出位置において検出される音圧が
最大となる最大検出音圧周波数を求める検出準備工程を
行い、前記第1工程において、前記配管内に前記最大検
出音圧周波数成分を含む音波を入力する点にある。
【0008】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載した通り、上記第一の特徴構成に加
え、前記導出準備工程において、前記共鳴周波数ととも
に、前記共鳴の管長手方向の音圧分布の空間的周期性を
求め、前記第2工程における前記検出位置を前記導出準
備工程で求めた前記空間的周期性に基づいて設定する
か、或いは、前記第2工程において前記検出波の空間的
な音圧分布を求めるに当たり、前記空間的周期性に基づ
く音圧補正を行う点にある。
【0009】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項4に記載した通り、上記第一、第二または第三
の特徴構成に加え、前記導出準備工程で導出される前記
共鳴周波数のうち、その周波数が最小である最小周波数
を、後続の工程で採用すべき周波数とする点にある。
【0010】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項5に記載した通り、被覆層により隠蔽された配
管内に所定の周波数成分を含む音波を入力して伝播させ
る第1工程と、前記配管内を伝播する音波を前記被覆層
外の複数の位置で検出して、その検出波の空間的な音圧
分布を求める第2工程と、前記第2工程で求められる音
圧分布から前記配管の位置または前記配管に発生してい
る開口位置を推定する第3工程とを備えてなる管路検査
方法であって、前記第1工程を行う前に、少なくとも前
記配管内で管断面方向と管長手方向の両方向に発生する
共鳴の共鳴周波数を導出する導出準備工程を行うととも
に、前記第1工程において、前記配管内に前記導出準備
工程で導出した共鳴周波数成分を除去或いは減衰させた
音波を入力する点にある。
【0011】同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項6に記載した通り、被覆層により隠蔽された配
管内に所定の周波数成分を含む音波を入力して伝播させ
る第1工程と、前記配管内を伝播する音波を前記被覆層
外の複数の位置で検出して、その検出波の空間的な音圧
分布を求める第2工程と、前記第2工程で求められる音
圧分布から前記配管の位置または前記配管に発生してい
る開口位置を推定する第3工程とを備えてなる管路検査
方法であって、遅くとも前記第2工程を行う前に、少な
くとも前記配管内で管断面方向と管長手方向の両方向に
発生する共鳴の共鳴周波数を導出する導出準備工程を行
うとともに、前記第2工程において、前記検出波の周波
数成分から前記導出準備工程で導出した共鳴周波数成分
を除去或いは減衰させて前記音圧分布を求める点にあ
る。
【0012】同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項7に記載した通り、上記第一乃至第六の特徴構
成の何れかに加え、前記導出準備工程において、3次元
音響数値解析によって前記共鳴周波数を導出する点にあ
る。
【0013】次に、上記各特徴構成の作用並びに効果に
ついて説明する。上記管路検査方法の第一の特徴構成に
よれば、以下の要領で配管の位置探査や配管内の開口位
置の探査を高精度に行うことができる。第1工程で探査
に供せられる音波が配管内(配管壁部材内ではなく、音
の伝播媒体である流体が満たされている配管内空間)に
入力され、その音波が配管内を伝播する。配管内を伝播
していく音波は、管壁を介して外部にも伝播していく。
例えば土壌等の被覆層に覆われている場合は、配管から
その被覆層に伝わり、第2工程においてこの伝播波を被
覆層の表面位置(被覆層が土壌の場合は地表面)で、振
動信号(検出波)として検出することができる。この伝
播波は被覆層中で減衰するため、配管や開口位置から遠
ざかる程その音圧レベルが低下する。従って、被覆層の
表面における空間的な音圧分布の音圧レベルの高い箇所
から垂直方向に配管があると推定できるわけである。ま
た、その配管に開口破損等があれば、当該開口から外部
に伝播していく音波は管壁を介して外部に伝播する通常
の場合に比べ音圧レベルが高くなるため、前記空間的な
音圧分布において、開口位置近傍では、音圧レベルが特
に高くなり、開口位置を探査できる。ところで、かかる
状況において、高精度の探査を行うためには、検出波の
高S/N化を図るべく検出波の音圧レベルが最大となる
周波数の音波を配管内に入力することが好ましいが、こ
の最大音圧レベルを与える周波数としては、配管内にお
いても音圧レベルが高いことが要件となる。従って、配
管内で発生する共鳴現象の共鳴周波数の音、或いは、か
かる周波数を含む狭周波数帯域の音を配管内に入力する
ことにより、検出波の音圧レベルとして最大或いは最大
に近いレベルのものが得られる。この場合、配管内での
共鳴は管断面方向のみならず管長手方向も含む両方向に
3次元的に発生することから、本特徴構成のように導出
準備工程においてかかる3次元的に発生する共鳴の共鳴
周波数を導出して、第1工程において、配管内にその導
出された共鳴周波数成分の音波を入力することで、検出
波として高い音圧レベルが得られるため、高S/N化が
図られて高精度の配管位置或いは開口位置の探査を行う
ことができる。
【0014】さて、実際の検査対象となる配管は、配管
内の現状が配管敷設時から変化していたり、また、導出
準備工程において細かく考慮しきれない種々の複雑な構
造を有している等の理由から、配管内での共鳴周波数を
管長手方向の共鳴も考慮して導出したとしても真の共鳴
周波数から外れている可能性があり、検出波の音圧レベ
ルが必ずしも最大レベルのものが得られるとは限らな
い。ところで、同第二の特徴構成によれば、配管内の音
圧ベルが最大となる周波数の音を配管内に確実入力する
ことができ、上記第一の特徴構成の作用効果を奏するこ
とができるとともに、検査対象となる配管の現状等を考
慮したより高精度な管路検査が可能となる。また、検出
準備工程において基準となる共鳴周波数が、管長手方向
の共鳴も考慮して導出されているので、従来の管断面方
向のみに基づいて導出されたものに比べより正確である
ため、最大検出音圧周波数の導出もより高精度に行われ
ることになる。
【0015】配管内で管長手方向にも発生する共鳴現象
によって配管内での音圧が管長手方向に沿って周期的に
変化することに起因して、被覆層の表面における空間的
な音圧分布にも配管内の管長手方向に沿った周期的な音
圧変化に応じた音圧レベルの変化が現れることになる。
つまり、配管内の管長手方向に沿って音圧レベルの高い
点(音圧振幅の腹部分)と低い点(音圧振幅の節部分)
が交互に現れ、検出位置がたまたま節部分であれば、検
出音圧レベルが低下することになり、十分な探査ができ
ない。同第三の特徴構成によれば、配管内の管長手方向
に沿った音圧レベルの変化の周期性が把握されているた
め、節部分に設置された音波検出用のマイクロフォンを
腹部分に移動して高検出音圧レベルを得たり、予め、複
数のマイクロフォンを腹部分と節部分の間隔、或いは、
その半分の間隔で配置することができ、実際の配管内で
の腹部分と節部分の位置が特定できなくても、一定レベ
ル以上の検出音圧レベルを確保でき、高精度の探査が可
能となる。また、第2工程において求めた検出波の空間
的な音圧分布に空間的な周期性がある場合に、その周期
性が導出準備工程において求めた配管内の管長手方向に
沿った音圧レベルの変化の周期性と一致すれば、その配
管内での音圧レベルの変化で音圧補正を施すことで、検
出波の音圧分布から管長手方向の共鳴の影響を排除し
て、管長手方向に一様な音圧分布が得られ配管位置の探
査が容易に行える。更に、補正後の音圧分布は管長手方
向の共鳴の影響が既に排除されているので、その音圧分
布に音圧レベルの高い地点があれば、開口位置であると
特定できる。
【0016】同第四の特徴構成によれば、管外の被覆層
が土壌の場合にその被覆層が配管から外部に放出される
音波に対して低域通過フィルタとして機能することか
ら、導出準備工程で導出される共鳴周波数の内の最小周
波数を使用することで、被覆層での減衰を高次の共鳴周
波数に比べ最小限に止めることができるので、高精度の
探査が可能となる。
【0017】ところで、開口位置探査においては、上記
したように導出準備工程で導出された共鳴周波数の音波
を配管内に入力して使用する場合、当然のことながら配
管内で共鳴現象が起こり、被覆層表面での空間的な音圧
分布に管長手方向に沿った周期的な音圧変化が現れ、そ
の高音圧レベル点と、開口位置から放出される音波によ
る高音圧レベル点が必ずしも明確に区別できない場合が
生じる。そこで、同第五の特徴構成によれば、配管内で
管断面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の共鳴
周波数成分を除去或いは減衰させた音波を配管内に入力
しているので、かかる共鳴が配管内で発生しないか、発
生しても共鳴による音圧レベルが低いため、開口位置か
ら配管外部に放出した音波の検出音圧レベルが相対的に
高くなり、より高精度に開口位置の探査ができる。
【0018】同第六の特徴構成によれば、被覆層表面で
の空間的な音圧分布に管長手方向に沿った周期的な音圧
変化が現れ、その音圧変化で高音圧レベルとなる周波数
成分は導出準備工程で導出した共鳴周波数成分が主とし
て含まれるのに対して、開口位置から放出される音波を
検出して得られる高音圧レベル点の周波数成分は前記共
鳴周波数以外の周波数成分も含むことから、第2工程に
おいて、検出波の周波数成分から導出準備工程で導出し
た共鳴周波数成分を除去或いは減衰させることで、開口
位置から配管外部に放出した音波の検出音圧レベルが相
対的に高くなり、より高精度に開口位置の探査ができ
る。
【0019】同第七の特徴構成によれば、配管内で管断
面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の共鳴周波
数を予め高精度に導出できるため、高精度の管路検査が
担保される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る管路検査方法
(以下、適宜「本発明方法」という)の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0021】〈第一実施形態〉図1には、管路検査装置
10を使用して、本発明方法によって地中に埋設された
ガス配管1の開口破損位置Aを探索している状態が示さ
れている。図1に示すものは、作業者40が地中から漏
れてくる音を、一般的なヘッドフォン11で聞きながら
作業を進めている状態を示している。そして、予め設定
されて検査区域内を走査して、この域内における音圧レ
ベル(受信音量)の分布を求めるとともに、この結果に
基づいて、開口破損位置Aを求める作業を行っている。
【0022】先ず、図1に基づいて、本発明方法の基本
原理を説明する。図1には、各家庭8に対して都市ガス
を供給する都市ガス配管系Bが示されている。即ち、各
家庭8に対して、例えば、その前面道路9に埋設される
低圧ガス配管2が設けられており、この低圧ガス配管2
から、引き込み管3を介して、各家庭8の敷地内に引き
込まれた配管は、一旦、地上部に立て管4として出され
た後、各家庭内のガス供給位置(図示せず)まで配管さ
れる。この立て管4の所定位置には、一般に、ガスメー
タ(図示せず)が配設される。
【0023】図1は、本発明方法を使用して、作業者4
0が低圧ガス配管2の継手5に発生した、開口破損部6
を推定している状態が示されている。ここで、ガス配管
内には、ガスの供給は行われず、ガス漏れの危険が無い
状態を示している。作業にあたっては、前述の立て管4
を利用するため、立て管4からガスメータ(図示せず)
を外して、この立て管4の開口端部7に、発音手段とし
てのスピーカ13が取り付けられる。このスピーカ13
から発生される音は、後に述べる導出準備工程で求まる
低圧ガス配管2内で発生する共鳴の共鳴周波数の音で、
繰り返し周波数2Hzで音波の発生と発生停止を繰り返
す断続音である。
【0024】そして、予め用意されたガス配管の埋設マ
ップ(図示せず)に基づいて、作業者40は、ヘッドフ
ォン11を耳に当てて、作業を進める。図1に示すよう
に、このヘッドフォン11は、集音用の集音コーン14
を備え、この集音コーン14により集音された音を電気
信号に換えて、前述のヘッドフォン11に伝える受信手
段としての受信装置12と、この集音コーン支持用の支
持棒15が備えられている。この受信装置12に対し
て、記憶手段としての記憶装置16が備えられており、
使用にあたっては、スピーカ13による音発生の前の段
階で、作業場所に於ける周囲環境音(雑音)を取り込ん
で記憶しておく。そして、この受信装置12により集音
された音から、記憶装置16に記憶されている雑音成分
が、変換装置17によって除去され、除去後の音のみ
が、電気信号として前述のヘッドフォン11に伝えら
れ、作業者40の耳に聞こえる。
【0025】以下、作業手順について説明する。 1) 作業者40は、図1に示すような作業現場に到着
する。この時点で、工事現場近くのガス配管1の埋設位
置を示す埋設マップを用意している。 2) 特定の家庭8のガスメータ(図示せず)を立て管
4より取り外し、この開口端部7にスピーカ13を取り
付ける。この作業と相前後して、スピーカ13から音を
発生しない状態において、記憶装置16に、環境音であ
る雑音を記憶させておく。 3) 次に、スピーカ13より所定の音(後述する導出
準備工程において予め導出された前記共鳴周波数、2H
zの断続音)を発生させて、ガス配管1内に伝播させる
(第1工程)。 4) そして、予め用意された埋設マップに従って、配
管の推定埋設方向に沿って、ガス配管1から漏れてくる
音を受信する。結果、この推定埋設方向に沿った、受信
音圧分布を得ることができる(第2工程)。 5) 次に、求められた受信音圧分布から、受信音圧が
最大となる位置を、開口破損位置Aと推定する(第3工
程)。 以上、1)〜5)の工程によって開口破損位置Aの探査
が終了する。
【0026】次に、上記現場での作業手順の前に、検査
対象の低圧ガス配管2内で発生する共鳴の共鳴周波数を
導出する導出準備工程について説明する。先ず比較のた
め、上記従来技術で使用していた管断面方向のみを考慮
した共鳴の共鳴周波数について説明する。この共鳴周波
数ftは長手方向に一様な配管構造であれば、その横断
面形状で一義的に決まる共鳴モードに基づいて、数1で
与えられる。
【0027】
【数1】 f=C×Umn/(2πa)
【0028】ここで、Cは管内音速(m/s)であり、
管内容ガス種及び管内温度・圧力により公知の式に従っ
て決定される。またaは、管半径(m)である。そし
て、Umnは表1に示す共鳴モードに依存する値であり離
散的に存在する。ガス種、ガス圧と温度の情報は、管内
音速Cの導出時における参考情報となる。尚、Umn
m,nは夫々径方向の振動パターンと周方向の振動パタ
ーンを表す共鳴モードの次数である。
【0029】
【表1】
【0030】ところで、検査対象となる実際の配管(低
圧ガス配管2)においては、管断面方向のみならず管長
手方向に対しても共鳴が発生し得るため、両方向におけ
る共鳴を考慮した共鳴周波数を導出することでより高精
度の管路検査が行える。本実施形態では、汎用コンピュ
ータ上に汎用の3次元音響解析ソフトウェアをインスト
ールして共鳴周波数導出手段18を構成し、この共鳴周
波数導出手段18を用いて検査対象の配管内における共
鳴周波数を導出する。具体的には、所定の入力条件及び
境界条件において有限要素法によりヘルムホルツ方程式
を解き、所定の入力周波数に対する周波数応答を求める
ことにより共鳴周波数を導出する。導出された共鳴周波
数は、図1に示すように、スピーカ13に同周波数の断
続音を発生させるための信号を発信する音波信号発信手
段19に入力される。尚、この入力は、オンライン、オ
フラインの何れであるかは不問で、人手でマニュアル入
力するものであってもよい。
【0031】図2に示す基本解析モデル50に対して、
共鳴周波数導出手段18により共鳴周波数を導出した結
果について説明する。尚、図2に示すように、基本解析
モデル50は、長さ2m、管直径0.2mの鋼管(本
管)51と、その一方端から0.4mの場所に音波入力
用の長さ0.5m、管直径0.025mの供給管52を
設けた構成である。入力条件として、音圧1Paの純音
を単一周波数200〜2000Hz(5HZ刻み)で供
給管52の端部から入力し、境界条件としては、本管両
端での貫通状態を表現するために空気の特性インピーダ
ンス416.5Ns/m3 を定義した。また、図2中に
示されるマイクロフォン53は、共鳴周波数導出手段1
8による導出結果を実験により検証するためのもので、
当該実験において本管51内の他方端から0.5mの地
点に設置され同地点での音圧を測定する。
【0032】上記基本解析モデル50に対する前記入力
及び境界条件での室温(20℃)における共鳴周波数の
導出結果を表2に示す。ここで、管長手方向の共鳴モー
ド次数は、1次が該共鳴モードの音圧振動パターンの節
が本管51の両端にあって、腹がその中間にある場合
で、2次が音圧振動パターンの節が本管51の両端とそ
の中間にあって、腹がそれらの中間にある場合である。
また、管断面方向の共鳴モード次数は、1次が(m,
n)=(1,1)の場合で、2次が(m,n)=(1,
2)の場合である。
【0033】
【表2】
【0034】同じ基本解析モデル50に対して、管断面
方向のみを考慮して同じ温度条件で数1に基づいて導出
した場合の共鳴周波数は、夫々1007Hz(1次)、
1671Hz(2次)と、管長手方向を考慮した場合の
管長手方向の共鳴モードが1次の場合の各共鳴周波数よ
り数Hz低くなっている。
【0035】検証実験では、基本解析モデル50と同じ
構成の配管を用いて、入力音波の周波数を200〜20
00Hzの範囲で5Hz刻みにスイープして周波数応答
を求め、表2に示す各共鳴周波数での音圧ピークを確認
できた。マイクロフォン53は、上述したように本管5
1内の他方端から0.5mの地点即ち長手方向の1次及
び2次の共鳴モードにおいて音圧の節に当らない位置に
設置され、更に、管断面内では、管中心と下から管直径
の4分の1(5cm)の2点を測定点とした。
【0036】表2では、低次側から4つの共鳴周波数を
示したが、実際の共鳴周波数は、管断面方向と管長手方
向の両方向に存在する無限個の共鳴モードに対応して、
無限個、離散的に存在する。更に、このように 離散的
に複数存在する共鳴周波数に対して使用に適する周波数
は次のように、共鳴周波数導出装置18により、特定の
周波数が選定されて導出される。埋設管等では有用に使
用できる周波数として、地表面における検出で、その信
号が比較的強い状態で検出できることを前提としてい
る。このため地中の減衰特性を利用して、これに適した
周波数を確定することができる。即ち、地中の減衰特性
として、α=3.1×10-5×f2 (dB/m)という
数値が奥島ら(「インパルス音波による砂中の音波減衰
特性の測定」、日本音響学会誌30巻6号325−32
8)により示されているように、地中に於ける減衰特性
は、基本的にはローパスフィルターの働きである。従っ
て、周波数としては、離散的に複数個求まる共鳴周波数
において、それらの最小値を、後の工程において使用す
るように構成されている。この場合、使用の候補とでき
る周波数に関しては、これを一つと限定する必要はな
く、二つ以上の共鳴周波数を採用することも可能であ
る。
【0037】〈第二実施形態〉図3に示すように、第二
実施形態では、上記第一実施形態とは別形態の管路検査
装置20が使用される。先ず、この管路検査装置20の
概要に関して説明する。管路検査装置20は、装置本体
21と、スピーカ13と振動ピックアップ22とを主な
構成機器として備えている。尚、説明の便宜上、第一実
施形態の管路検査装置10と共通に使用されるものに
は、共通の符号を付している。スピーカ13は地上に露
出している配管1の配管部材である立て管4の開口端部
7に取り付け可能に構成されている。このスピーカ13
は、装置本体21側から発音指令を受けて、駆動されて
所定の音波を発生できる構成となっており、このスピー
カ13から発生される音は、第一実施形態と同じ導出準
備工程で前もって求まる配管1を構成する低圧ガス配管
2内で発生する共鳴の共鳴周波数の音である。
【0038】振動ピックアップ22は地中に埋設された
配管1からの伝播波を検出する検出手段であり、本第二
実施形態では、地表側に配設されて前記伝播波を検出す
る地表振動ピックアップを用いる。図3に示す例にあっ
ては、低圧ガス配管(配管部材の一つ)2を継手5によ
り継ぎ足して延設した配管1の上側の地表面に振動ピッ
クアップ22が前記埋設マップ(第一実施形態で使用し
たもの)に従って複数配設されており、これらの振動ピ
ックアップ22で検出された検出波は、装置本体21側
に送られて、後の用に供される。
【0039】次に、装置本体21の構成に関して説明す
る。装置本体21は、スピーカ13から青島パルス音を
発生させるべくスピーカ13に対して青島パルス信号を
出力する音波信号発生手段23、前記導出準備工程にお
いて共鳴周波数導出手段18によって導出された検査対
象の配管1に固有の共鳴周波数を記憶した記憶装置2
4、各振動ピックアップ22により検出された検出波の
音圧レベルを測定して空間的な音圧分布を生成する音圧
分布生成手段25を備えている。記憶装置24に記憶さ
れた共鳴周波数は共鳴周波数導出手段18が読み出して
同周波数の青島パルス信号を生成する。また、装置本体
21には、音圧分布生成手段25が生成した音圧分布を
表示して、作業者40が前記音圧分布より配管1に生じ
ている開口破損位置Aの探査するのを支援する探査支援
手段26が備えられている。ところで、記憶装置24へ
の前記共鳴周波数の入力は、オンライン、オフラインの
何れであるかは不問で、作業者40がマニュアル入力す
るものであってもよい。更に、記憶装置24は、前記共
鳴周波数を一時的に記憶するものであっても、或いは、
固定的に記憶するものであってもよい。
【0040】また、音波信号発生手段23とスピーカ1
3とが発生する青島パルス音とは、一般的には、複数の
周波数成分を含むパルス音であり、音響系に伝播させる
ことにより、この音響系のインパルス応答を得ることが
できる音である。詳細は、計測技術vol.12−4
pp.35−43(1984)に説明されている。ま
た、同説明からも判明するように、この青島パルスは、
最適化青島パルスあるいはTSP(Time−Stre
ched Pulse)とも呼ばれ、所定の周波数範囲
で平坦なパワースペクトルを持つ時間信号を、時間軸上
で引き延ばした信号である。形態的には、インパルス音
に近いものであり、その周波数範囲は、一般に0〜10
kHzまでに亙る。本第二実施形態では、この周波数範
囲を前記共鳴周波数を含む狭帯域に設定している。
【0041】次に、本第二実施形態に係る管路検査方法
の実施について、この探査装置20を用いて、各ガス需
要者の建物8の前面道路8に埋設されているガス配管1
の配管構造を探査する実施例を説明する。図3には、各
建物8に対して都市ガスを供給する都市ガス配管系が示
されている。即ち、各建物8に対して、その前面道路9
には低圧ガス配管2が埋設されており、この低圧ガス配
管2から、引き込み管3を介して、各建物8の敷地内に
引き込まれた配管は、一旦、地上部に立て管4として引
き出された後、各建物8のガス供給位置(図示せず)ま
で配管される。この立て管4の所定位置には、所謂、ガ
スメータ(図示せず)が配設される。
【0042】探査作業にあたっては、先ず、配管1の埋
設位置探査や埋設時の位置情報に基づいて、配管1の概
略の埋設位置に沿って、複数の振動ピックアップ22
を、埋設位置上側の地表面に予め配設する。前記導出準
備工程において共鳴周波数導出手段18によって低圧ガ
ス配管2の共鳴周波数と同時に管長手方向共鳴モードの
音圧振動パターンの節−節間距離が予め導出されてお
り、振動ピックアップ22は、前記節−節間距離の2分
の1または4分の1の間隔で配管1に沿って配置されて
いる。従って、これらの振動ピックアップ22により、
それぞれの検出位置に対応する配管部材から地中に放出
され伝播する伝播波を確実に検出することができる。つ
まり、隣接する2つの振動ピックアップ22が両方とも
低圧ガス配管2の長手方向に沿って発生する共鳴の音圧
振動パターンの節に当って検出波の音圧レベルが得られ
ないという状況が回避できる。
【0043】スピーカ13から配管1への前記青島パル
ス音の入力には、上述の立て管4を利用するため、立て
管4からガスメータを取り外して、立て管4の開口端部
7に、スピーカ13を取り付ける。このスピーカ13
は、音波信号発生手段23から前述の青島パルス信号を
受けるとともに制御指令を受けて、配管1内に前記共鳴
周波数成分のパルス音である青島パルス音を入力する。
この結果、低圧ガス配管2の共鳴周波数成分の青島パル
ス音が配管1内を発音側であるスピーカ13から離間す
る方向へ順次伝播していくともに低圧ガス配管2の管断
面方向と管長手方向の両方向に共鳴が発生する(第1工
程)。
【0044】その共鳴音が低圧ガス配管2の外部の被覆
層へと伝播し、地上側にあっては、配管1の配設方向に
沿って配置された各振動ピックアップ22により、夫々
の検出位置における検出波が収集される。各振動ピック
アップ22が検出した検出波は、装置本体21に集めら
れ、音圧分布生成手段25により、各検出位置に対応し
た検出波の音圧分布が生成される(第2工程)。
【0045】そして、探査支援手段26に表示された前
記音圧分布より作業者40は配管1の埋設位置や開口位
置の探査を容易に行うことができる(第3工程)。
【0046】更に、埋設位置や開口位置の探査の高精度
化を図るために、装置本体21に、音圧分布生成手段2
5が生成した音圧分布を補正して探査支援手段26に表
示させる補正手段27(図3中の破線部)を音圧分布生
成手段25と探査支援手段26の間に設けてもよい。こ
の場合、前記導出準備工程において共鳴周波数導出手段
18が低圧ガス配管2の共鳴周波数及び管長手方向共鳴
モードの音圧振動パターンの節−節間距離とともに低圧
ガス配管2内の音圧分布或いは当該音圧振動パターンの
振幅が予め導出されており、補正手段27は、音圧分布
生成手段25が生成した音圧分布に重畳されている管長
手方向共鳴モードによる音圧変動分を、共鳴周波数導出
手段18が導出した音圧分布に基づいて相殺すること
で、当該管長手方向共鳴モードの影響を減少させて、低
圧ガス配管2に開口破損が存在する場合の音圧レベルの
上昇をより的確に検出することができる。
【0047】〈第三実施形態〉次に、配管1の開口位置
を高精度に探査できる別の実施形態について,図4に基
づいて説明する。これは、配管1内に入力され伝播する
音波が或る周波数範囲を有しているか、若しくは、複数
の周波数成分を有している場合において、配管1内で発
生する共鳴の共鳴周波数がその中に含まれる場合、その
共鳴周波数での共鳴音が強大で、配管1の開口破損位置
Aから放出され被覆層を通して検出される検出波の音圧
レベルが共鳴音より低い場合、その開口位置の探査精度
が低下する虞があることに対処するものである。
【0048】図4に示すように、第三実施形態で使用す
る管路検査装置30は、第二実施形態の管路検査装置2
0と同様に、装置本体31と、スピーカ13と振動ピッ
クアップ22とを主な構成機器として備えて構成されて
いる。以下、管路検査装置30について説明する。尚、
説明の便宜上、第一または第二実施形態の管路検査装置
10、20と共通に使用されるものには、共通の符号を
付し、重複した説明は省略する。装置本体31は、スピ
ーカ13から青島パルス音を発生させるべくスピーカ1
3に対して青島パルス信号を出力する音波信号発生手段
32、前記導出準備工程において共鳴周波数導出手段1
8によって導出された検査対象の配管1に固有の共鳴周
波数を記憶した記憶装置24、各振動ピックアップ22
により検出された検出波の音圧レベルを測定して空間的
な音圧分布を生成する音圧分布生成手段25、音圧分布
生成手段25が生成した音圧分布を表示する探査支援手
段26を備えている。音波信号発生手段32は、第二実
施形態の音波信号発生手段23と同様に青島パルス信号
を発生可能であるが、記憶装置24から前記共鳴周波数
を読み出して音波信号発生手段32が発生する青島パル
ス信号から当該共鳴周波数を除去または減衰させる共鳴
周波数除去手段33を内蔵している。
【0049】本発明方法の実施において、作業者40が
現場で行う作業並びに前記導出準備工程で共鳴周波数を
導出する作業、及び、第2及び第3工程は第2実施形態
と同じであるが、第1工程における管路検査装置30の
処理が第2実施形態と異なり、スピーカ13から配管1
内に入力される音波の周波数成分から、上記したように
共鳴周波数除去手段33が前記導出準備工程で導出した
低圧ガス配管2の管断面方向と管長手方向の両方向に発
生する共鳴の共鳴周波数が除去または減衰される。
【0050】次に、第三実施形態の変形実施形態とし
て、第1工程において音波信号発生手段32が共鳴周波
数除去手段33を内蔵して前記共鳴周波数を除去または
減衰させた青島パルス信号を発生する代わりに、第2工
程において音圧分布生成手段25が音圧分布を生成する
前における検出波の音圧レベルを測定する際に、検出波
の周波数成分から前記導出準備工程で導出した前記共鳴
周波数を除去または減衰させるようにしても構わない。
具体的には、音圧分布生成手段25が共鳴周波数除去手
段34(図4中の破線部)を内蔵し、その共鳴周波数除
去手段34が記憶装置24から前記共鳴周波数を読み出
して検出波から当該共鳴周波数を除去または減衰させ
る。これにより、先の実施形態と同様に、共鳴音の影響
を除去或いは軽減されるという効果が期待される。
【0051】以下に他の実施形態を説明する。 〈1〉上記第一または第二実施形態では、ガス配管1内
を伝播する音波を土、壁といった被覆層の外で受信する
ことにより、その分布状態を利用して、例えば、ガス配
管1の開口破損位置Aを良好に推定することができる。
ここで、上記実施の形態では、ガス配管1に開口破損が
発生していて、この開口部より外部に放出される音を検
出することにより、その位置を推定するが、音波にあっ
ては、単に開口部から放出されるのみならず、ガス配管
が開口の無い正常な状態にある場合にあっても、その管
壁を伝わって被覆層に伝播され地上で検出することがで
きる。例えば、第2工程に於ける音圧分布の検出に当た
って、一旦、ガス配管1の埋設推定方向とはほぼ直交す
る方向での探査を行うと、埋設直上位置が最も強い音圧
レベルとなって、この方向におけるガス配管1の埋設位
置が判明する。そして、ガス配管1の埋設推定方向に移
動しながら、順次この操作を繰り返して、音圧レベルの
高い位置を繋ぐことにより、ガス配管1の埋設位置を良
好に探索することができる。
【0052】〈2〉上記第一または第二実施形態におい
て、前記第1工程を実施する前に、前記導出準備工程で
導出された共鳴周波数に対して特定幅の周波数帯域内
の、前記共鳴周波数を含む複数の周波数の音波を各別に
配管1内に入力し、所定の検出位置において検出される
音圧が最大となる最大検出音圧周波数を求める検出準備
工程を行い、前記第1工程において、配管1内に前記最
大検出音圧周波数成分を含む音波を入力するようにする
のも好ましい。具体的に上記第一実施形態の場合につい
て説明すると、埋設管上と考えられる受信位置に集音コ
ーン14、その他の付属機器を位置させて、スピーカ1
3より周波数をスイープさせながら一定音量の音を発生
させて、ガス配管1内に入力し伝播させる。この音を、
周波数毎に検出して、その検出波の音圧レベル(音量)
が最大となる周波数を最大検出音量周波数として特定す
る。この場合、周波数のスイープは前記導出準備工程で
導出された共鳴周波数を中心として周波数範囲内におい
て一定刻みで行う。
【0053】〈3〉上記実施形態における前記導出準備
工程における共鳴周波数の導出において、上記した汎用
コンピュータ上に汎用の3次元音響解析ソフトウェアを
インストールして構成された共鳴周波数導出手段18を
必ずしも使用しなくてもよい。管長手方向の共鳴現象を
考慮して共鳴周波数が導出できれば、他の導出手段を使
用しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管路検査方法の第一実施形態によ
りガス配管に生じた開口破損位置を探査している状態を
示す説明図
【図2】導出準備工程における共鳴周波数導出を説明す
るための基本解析モデルを示す模式図
【図3】本発明に係る管路検査方法の第二実施形態によ
りガス配管に生じた開口破損位置を探査している状態を
示す説明図
【図4】本発明に係る管路検査方法の第三実施形態によ
りガス配管に生じた開口破損位置を探査している状態を
示す説明図
【符号の説明】
1 ガス配管 2 低圧ガス配管 3 引き込み管 4 立て管 5 継手 6 開口破損部 7 開口端部 8 家庭 9 前面道路 10、20、30 管路検査装置 11 ヘッドフォン 12 受信装置 13 スピーカ 14 集音コーン 15 支持棒 16 記憶装置 17 変換装置 18 共鳴周波数導出手段 19、23、32 音波信号発信手段 21、31 装置本体 22 振動ピックアップ 24 記憶装置 25 音圧分布生成手段 26 探査支援手段 27 補正手段 33、34 共鳴周波数除去手段 40 作業者 50 基本解析モデル 51 鋼管(本管) 52 供給管 53 マイクロフォン A 開口破損位置 B 都市ガス配管系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 誠一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 岸 雅樹 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 2F068 AA02 AA49 BB09 CC00 FF04 FF23 GG01 KK14 PP04 QQ22 2G047 AA05 AB01 BC03 BC04 BC18 GA13 GF11 GG12 2G067 AA14 BB40 DD13 EE08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆層により隠蔽された配管内に所定の
    周波数成分の音波を入力して伝播させる第1工程と、 前記配管内を伝播する音波を前記被覆層外の複数の位置
    で検出して、その検出波の空間的な音圧分布を求める第
    2工程と、 前記第2工程で求められる音圧分布から前記配管の位置
    または前記配管に発生している開口位置を推定する第3
    工程とを備えてなる管路検査方法であって、 前記第1工程を行う前に、少なくとも前記配管内で管断
    面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の共鳴周波
    数を導出する導出準備工程を行い、 前記第1工程において、前記配管内に前記共鳴周波数成
    分の音波を入力することを特徴とする管路検査方法。
  2. 【請求項2】 被覆層により隠蔽された配管内に所定の
    周波数成分の音波を入力して伝播させる第1工程と、 前記配管内を伝播する音波を前記被覆層外の複数の位置
    で検出して、その検出波の空間的な音圧分布を求める第
    2工程と、 前記第2工程で求められる音圧分布から前記配管の位置
    または前記配管に発生している開口位置を推定する第3
    工程とを備えてなる管路検査方法であって、 前記第1工程を行う前に、少なくとも前記配管内で管断
    面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の共鳴周波
    数を導出する導出準備工程を行うとともに、 前記共鳴周波数に対して特定幅の周波数帯域内の、前記
    共鳴周波数を含む複数の周波数の音波を各別に前記配管
    内に入力し、所定の検出位置において検出される音圧が
    最大となる最大検出音圧周波数を求める検出準備工程を
    行い、 前記第1工程において、前記配管内に前記最大検出音圧
    周波数成分を含む音波を入力することを特徴とする管路
    検査方法。
  3. 【請求項3】 前記導出準備工程において、前記共鳴周
    波数とともに、前記共鳴の管長手方向の音圧分布の空間
    的周期性を求め、前記第2工程における前記検出位置を
    前記導出準備工程で求めた前記空間的周期性に基づいて
    設定するか、或いは、前記第2工程において前記検出波
    の空間的な音圧分布を求めるに当たり、前記空間的周期
    性に基づく音圧補正を行うことを特徴とする請求項1記
    載の管路検査方法。
  4. 【請求項4】 前記導出準備工程で導出される前記共鳴
    周波数のうち、その周波数が最小である最小周波数を、
    後続の工程で採用すべき周波数とする請求項1、2また
    は3記載の管路検査方法。
  5. 【請求項5】 被覆層により隠蔽された配管内に所定の
    周波数成分を含む音波を入力して伝播させる第1工程
    と、 前記配管内を伝播する音波を前記被覆層外の複数の位置
    で検出して、その検出波の空間的な音圧分布を求める第
    2工程と、 前記第2工程で求められる音圧分布から前記配管の位置
    または前記配管に発生している開口位置を推定する第3
    工程とを備えてなる管路検査方法であって、 前記第1工程を行う前に、少なくとも前記配管内で管断
    面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の共鳴周波
    数を導出する導出準備工程を行うとともに、 前記第1工程において、前記配管内に前記導出準備工程
    で導出した共鳴周波数成分を除去或いは減衰させた音波
    を入力することを特徴とする管路検査方法。
  6. 【請求項6】 被覆層により隠蔽された配管内に所定の
    周波数成分を含む音波を入力して伝播させる第1工程
    と、 前記配管内を伝播する音波を前記被覆層外の複数の位置
    で検出して、その検出波の空間的な音圧分布を求める第
    2工程と、 前記第2工程で求められる音圧分布から前記配管の位置
    または前記配管に発生している開口位置を推定する第3
    工程とを備えてなる管路検査方法であって、 遅くとも前記第2工程を行う前に、少なくとも前記配管
    内で管断面方向と管長手方向の両方向に発生する共鳴の
    共鳴周波数を導出する導出準備工程を行うとともに、 前記第2工程において、前記検出波の周波数成分から前
    記導出準備工程で導出した共鳴周波数成分を除去或いは
    減衰させて前記音圧分布を求めることを特徴とする管路
    検査方法。
  7. 【請求項7】 前記導出準備工程において、3次元音響
    数値解析によって前記共鳴周波数を導出することを特徴
    とする請求項1〜6の何れか1項に記載の管路検査方
    法。
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