JP2001277261A - 平板型マイクロレンズ - Google Patents

平板型マイクロレンズ

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JP2001277261A
JP2001277261A JP2001032808A JP2001032808A JP2001277261A JP 2001277261 A JP2001277261 A JP 2001277261A JP 2001032808 A JP2001032808 A JP 2001032808A JP 2001032808 A JP2001032808 A JP 2001032808A JP 2001277261 A JP2001277261 A JP 2001277261A
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resin material
refractive index
index resin
glass substrate
mold
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JP2001032808A
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English (en)
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Kenjiro Hamanaka
賢二郎 浜中
Atsunori Matsuda
厚範 松田
Satoshi Taniguchi
敏 谷口
Daisuke Arai
大介 新井
Takashi Kishimoto
隆 岸本
Naoto Hirayama
直人 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2枚のガラス基板にて挟まれる領域に、高屈
折率樹脂材料からなるレンズ部と低屈折率樹脂材料とが
積層された平板型マイクロレンズを効率よく製造する。 【解決手段】 成形型となるガラス基板の表面に湿式エ
ッチングにて多数の微小凹部を1次元または2次元的に
形成し、マスクを介さずに再度湿式エッチングを行うこ
とで、多数の微小凹部を稠密状とし、この稠密状に配列
された多数の微小凹部を有する表面形状をニッケル等か
らなる反転型に転写し、この表面に離型剤を塗布し、そ
の上に光硬化性或いは熱硬化性の高屈折率樹脂材料を塗
布し、この高屈折率樹脂材料の上に第1のガラス基板を
重ね、高屈折率樹脂材料を展開せしめた後、高屈折率樹
脂材料を硬化せしめ、硬化せしめた高屈折率樹脂材料と
第1のガラス基板とを成形型となるガラス基板から剥離
し、第1のガラス基板上の硬化した高屈折率樹脂材料層
の上に低屈折率樹脂材料を塗布し、この低屈折率樹脂材
料の上に第2のガラス基板を重ね、低屈折率樹脂材料を
展開せしめた後、低屈折率樹脂材料を硬化せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子等に利
用する平板型マイクロレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタテレビジョン(PTV)に
液晶表示素子が用いられている。この液晶表示素子は2
枚のガラス板間に形成した隙間に液晶を注入し、また各
ガラス板の液晶と接する面には各画素に対応して、アモ
ルファスシリコンやポリシリコンからなるTFT(薄膜
トランジスタ)を形成している。そして、透過型の液晶
表示素子を用いたPTVでは、液晶表示素子にキセノン
ランプやメタルハライドランプ等から照射光を当て、液
晶表示素子の画素開口部を介して出射側に透過させ、液
晶表示素子に形成された画像を投影レンズを介してスク
リーンに投影するようにしている。
【0003】上記の照射光を画素開口部に集光して液晶
表示素子を透過する照射光の割合を高め上記の投影画像
を明るくするために、液晶表示素子を構成する2枚のガ
ラス基板のうちの照射光が入射する側のガラス基板に平
板型マイクロレンズを接合し、照射光を画素開口部に集
光せしめるようにしており、斯かる平板型マイクロレン
ズの製造方法として、特開平7−225303号公報に
開示されるものが知られている。また、この他にも特開
平2−42401号公報、特開平2−116809号公
報、米国特許第5513289号公報に開示される方法
がある。
【0004】特開平7−225303号公報に開示され
る平板型マイクロレンズの製造方法を図14に基づいて
説明すると以下の通りである。先ず、図14(a)に示
すように基板表面に感光性膜を形成し、次いで同図
(b)に示すように感光性膜に電子ビームを照射してレ
ンズ部を形成してマイクロレンズアレイ原盤を作製す
る。次いで同図(c)に示すように、マイクロレンズア
レイ原盤の表面に電鋳法によってニッケル等を積層し、
更に同図(d)に示すように積層体をマイクロレンズア
レイ原盤から剥離してスタンパ(反転型)を作製する。
そして同図(e)に示すように、スタンパの凹部に紫外
線硬化型樹脂を流し込み、同図(f)に示すように、透
明基板で押し付けて紫外線硬化型樹脂を展開し、更に同
図(g)に示すように、紫外線硬化型樹脂を硬化せし
め、この後同図(h)に示すように、スタンパから硬化
した紫外線硬化型樹脂を透明基板とともに剥離する。そ
して、剥離した透明基板の紫外線硬化型樹脂にてレンズ
部を形成した面に、カバーガラスを合せ、これらの間に
低屈折率の接着剤樹脂を流し込んで接着し、平板型マイ
クロレンズとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来方法にあ
っては、レジストに電子ビームを照射してレンズ部を形
成するようにしているが、この方法では微小なレンズ形
状を高精度に作ることが困難である。また、液晶表示装
置に組み込む平板型マイクロレンズとしては、平面視で
多数のレンズ部が隙間なく詰った稠密状のものが好まし
いが、上記した従来の製造方法で稠密状のマイクロレン
ズアレイを製造するのは難しい。
【0006】また、液晶表示素子を製造するには蒸着等
により電極を形成する工程が必要になるが、この工程で
は少なくとも180℃の雰囲気温度になる。したがっ
て、平板型マイクロレンズに用いる高屈折樹脂としても
少なくとも180℃の耐熱性が要求されるが、従来の樹
脂にあっては耐熱性が充分でなく、変色(黄変)、剥
離、クラック、曇り等が生じやすい。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願に係る平板型マイクロレンズの製造方法は、第1及
び第2のガラス基板にて挟まれる領域に、高屈折率樹脂
材料と低屈折率樹脂材料とが積層され、これら2種類の
樹脂材料の境界面は微小球面または微小円筒面が1次元
または2次元的に配列された平板型マイクロレンズの製
造方法であって、この製造方法は以下の第1工程〜第7
工程からなることを特徴とする。 (第1工程)成形型となるガラス基板の表面にマスクを
介して湿式エッチングを行うことで、球面状または円筒
面状をなす多数の微小凹部を1次元または2次元的にガ
ラス基板の表面に形成する工程。 (第2工程)第1工程で微小凹部が形成された成形型と
なるガラス基板の表面にマスクを介さずに再度湿式エッ
チングを行うことで、多数の微小凹部を稠密状に配列せ
しめる工程。 (第3工程)第2工程で形成された成形型となるガラス
基板の稠密状に配列された多数の微小凹部を有する表面
形状をニッケル等からなる反転型に転写する工程。 (第4工程)第3工程で作製した反転型の表面にサブミ
クロンオーダーの厚さで離型剤を塗布し、その上に光硬
化性或いは熱硬化性の低屈折率樹脂材料を塗布する工
程。 (第5工程)第4工程で塗布した低屈折率樹脂材料の上
に第2のガラス基板を重ね、低屈折率樹脂材料を展開せ
しめた後、低屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。 (第6工程)第5工程で硬化せしめた低屈折率樹脂材料
と第2のガラス基板とを反転型から剥離し、第2のガラ
ス基板上の硬化した低屈折率樹脂材料層の上に高屈折率
樹脂材料を塗布する工程。 (第7工程)第6工程で塗布した高屈折率樹脂材料の上
に第1のガラス基板を重ね、高屈折率樹脂材料を展開せ
しめた後、高屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。
【0008】また、第2発明にかかる平板型マイクロレ
ンズの製造方法は、以下の第1工程〜第8工程からなる
ことを特徴とする。 (第1工程)成形型となるガラス基板の表面にマスクを
介して湿式エッチングを行うことで、球面状または円筒
面状をなす多数の微小凹部を1次元または2次元的にガ
ラス基板の表面に形成する工程。 (第2工程)第1工程で多数の微小凹部が形成された成
形型となるガラス基板の表面にマスクを介さずに再度湿
式エッチングを行うことで、微小凹部を稠密状に配列せ
しめる工程。 (第3工程)第2工程で形成された成形型となるガラス
基板の稠密状に配列された多数の微小凹部を有する表面
形状をニッケル等からなる第1の反転型に転写する工
程。 (第4工程)第3工程で作製した第1の反転型の表面形
状をニッケル等からなる第2の反転型に転写する工程。 (第5工程)第4工程で作製した第2の反転型の表面に
サブミクロンオーダーの厚さで離型剤を塗布し、その上
に光硬化性或いは熱硬化性の高屈折率樹脂材料を塗布す
る工程。 (第6工程)第5工程で塗布した高屈折率樹脂材料の上
に第1のガラス基板を重ね、高屈折率樹脂材料を展開せ
しめた後、高屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。 (第7工程)第6工程で硬化せしめた高屈折率樹脂材料
と第1のガラス基板とを第2の反転型から剥離し、第1
のガラス基板上の硬化した高屈折率樹脂材料層の上に低
屈折率樹脂材料を塗布する工程。 (第8工程)第7工程で塗布した低屈折率樹脂材料の上
に第2のガラス基板を重ね、低屈折率樹脂材料を展開せ
しめた後、低屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程
【0009】成形型となるガラス基板の表面に塗布する
離型剤としては、フッ素系化合物やシリコン系化合物が
適当であり、有機シリコン化合物としては、ポリシロキ
サン、クロルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、
及びジシラザン化合物などを主成分とし、且つ水、アル
コールなどの水溶性有機溶剤、炭化水素系有機溶剤、あ
るいはフッ素系有機溶剤に溶解可能なものが望ましい。
また、上記有機シリコン化合物にフッ素を含有したもの
は、離型層の表面張力が著しく低く、良好な離型性を示
す。また、これらは混合して用いてもよい。
【0010】ポリシロキサンとしては、直鎖状、分岐
状、あるいは環状のポリジメチルシロキサンあるいはフ
ッ素含有のポリジメチルシロキサンを主体としたものが
好ましい。また、ポリジメチルシロキサン以外にも、そ
の分子構造中に以下の基を有するものが挙げられる。末
端シラノールポリジメチルシロキサン、末端シラノール
ポリジフェニルシロキサン、末端ジフェニルシラノール
ポリジメチルフェニルシロキサン、末端カルビノールポ
リジメチルシロキサン、末端ヒドロキシプロピルポリジ
メチルシロキサン、ポリジメチル−ヒドロキシアルキレ
ノキシドメチルシロキサンなど、水酸基を有するポリシ
ロキサン;ビス(アミノプロピルジメチル)シロキサ
ン、末端アミノプロピルポリジメチルシロキサン、アミ
ノアルキル基含有T構造ポリジメチルシロキサン、末端
ジメチルアミノポリジメチルシロキサン、などアミノ基
を有するポリシロキサン;末端グリシドキシプロピルポ
リジメチルシロキサン、グリシドキシプロピル含有T構
造ポリジメチルシロキサン、ポリグリシドキシプロピル
メチルシロキサン、ポリグリシドキシプロピルメチル−
ジメチルシロキサンコポリマーなど、グリシドキシアル
キル基を有するポリシロキサン;末端メルカプトプロピ
ルポリジメチルシロキサン、ポリメルカプトプロピルメ
チルシロキサン、メルカプトプロピル含有T構造ポリジ
メチルシロキサンなど、メルカプトアルキル基を有する
ポリシロキサン;末端エトキシポリジメチルシロキサ
ン、片末端トリメトキシシリルポリジメチルシロキサ
ン、ポリジメチル−オクチロキシメチルシロキサンコポ
リマーなど、アルコキシ基を有するポリシロキサン;末
端カルボキシプロピルポリジメチルシロキサン、カルボ
キシプロピル含有T構造ポリジメチルシロキサン、末端
カルボキシプロピルT構造ポリジメチルシロキサンな
ど、カルボキシアルキル基を有するポリシロキサン;ポ
リビス(シアノプロピル)シロキサン、ポリシアノプロ
ピルメチルシロキサン、ポリシアノプロピル−ジメチル
シロキサンコポリマー、ポリシアノプロピルメチル−メ
チルフェニルシロキサンコポリマーなど、シアノアルキ
ル基を有するポリシロキサン;その他、ヘキサメチルジ
シロキサン、ポリジメチルシロキサン−アルキレオキシ
ドコポリマーなど、水あるいはエタノール、イソプロピ
ルアルコール、エチレングリコールなどの水溶性有機溶
剤に溶解可能なものも用いられる。これらは混合系で用
いてもよい。
【0011】クロルシラン化合物およびアルコキシシラ
ン化合物としては下記の一般式で表わされるものが適当
である。 R1m−Si−R2n 但し、R1は炭素数1〜20のアルキル基、フルオロア
ルキル基、または鎖中に−O−、CO2−、SO2N(C
3H7)−、または−CONH−などの構造を有するアル
キル基またはフルオロアルキル基、R2は塩素または炭
素数1〜6のアルコキシ基、m=1,2または3、n=
1,2または3、m+n=4である。代表的な例として
は、C18H37SiCl3、C18H37Si(OCH3)3、C12
H25SiCl3、C12H25Si(OCH3)3、CF3(CF
2)7CH2CH2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7CH
2CH2SiCl3、CF3(CF2)7CH2CH2Si(CH
3)(OCH3)3、CF3(CF2)7CH2CH2Si(C
H3)Cl2、CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3、CF3
(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3、CF3CH2C
H2SiCl3、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、C8F1
7SO2N(C3H7)CH2CH2CH2Si(OCH3)3、
C7F15CONHCH2CH2CH2Si(OCH3)3、C8
F17CO2CH2CH2CH2Si(OCH3)3、C8F17−
O−CF(CF2)CONH−(CH2)3Si(OCH
3)3、CF3(CF2CF2O)n−(CF2O)m−Si
(OCH3)3、CF3(C3F6O)n−Si(OCH3)
3、CF3(C3F6O)n−Si(OC2H5)3、CF3
(C2F4(CF3)O)n−Si(OCH3)3、CF3
(C2F4(CF3)O)n−Si(OC2H5)3などが挙
げられ、これらは混合して用いてもよく、また、予め
酸、アルカリ等で部分的に加水分解縮合物を作製してか
ら使用してもよい。
【0012】また、ジシラザン化合物としては代表的な
例として、ヘキサメチルジシラザン、CF3(CF2)7
CH2CH2Si(NH)3/2などが挙げられ、これらは混
合して用いてもよく、また、予め酸、アルカリ等で部分
的に加水分解縮合物を作製してから使用してもよい。
【0013】また、離型剤として用いる有機フッ素化合
物としては、市販のフッ素系界面活性剤、例えばパーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、ナ
ドノアニオン系、パーフルオロアルキルトリメチルアン
モニウム塩、などのカチオン系、パーフルオロアルキル
エチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基−親
水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基−親水
性基−親油基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルベ
タインなどのノニオン系、界面活性性能を示す含フッ素
高分子化合物などが挙げられる。市販の撥水剤、例えば
住友3M製フローラードFC722、大日本インキ工業
(株)製ディックガードシリーズ等がを用いることも可
能である。市販のフッ素系潤滑剤、例えばモンテカチー
ニ(株)Fomblin、デュポン社製Crytox、
およびダイキン製デムナム等を混合して使用してもよ
い。基本構造としては、CF3(CF2CF2O)n−
(CF2O)m−CF3、CF3(C3F6O)nCF3、C
F3(C2F4(CF3)O)nCF3、などが挙げられ、
これらの末端にカルボキシル、ヒドロキシアルキル、メ
チルエステル、あるいはイソシアネート基などの官能基
を有するものなどが市販されている。
【0014】離型剤として使用できる他の商品名を挙げ
れば、ダイキン社製フッ素系離型剤、ダイフリー型番G
F3130、GF3030、GF3030、GF633
0、GU2070、ME810、GF6030等があ
る。
【0015】前記高屈折率樹脂材料の好適例としては、
チオール結合(R−S−H)を有する樹脂、スルフィド
結合(R−S−R’)を有する樹脂または一般式(R’
−S−R−S−R−S−R’)で表わされる樹脂を主剤
が挙げられる。ただし、Sはイオウ、Hは水素、Rは環
状不飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、直鎖状不飽和炭
化水素、直鎖状飽和炭化水素のいずれか、R’はアクリ
ロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、イソシアネ
ート基、アミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコ
キシリル基、ビニル基を有する有機化合物のいずれかで
ある。
【0016】高屈折率樹脂材料の具体例としては、以下
の(化1)〜(化9)で示す構造式のモノマーを出発原
料とする重合体が挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】前記低屈折率樹脂材料の好適例としては、
フッ素系樹脂、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂が
挙げられる。
【0027】また、前記ガラス基板と高屈折率樹脂材
料、ガラス基板と低屈折率樹脂材料、高屈折率樹脂材料
と低屈折率樹脂材料のいづれかの境界面にカップリング
剤を塗布した後に成形することが好ましい。カップリン
グ剤としては、γ−グリシドプロピルトリメトキシシラ
ンまたはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが
挙げられる。
【0028】また、高屈折率樹脂材料にはチオール系硬
化剤を含有せしめることが可能である。チオール系硬化
剤としては、以下の(化10)で示されるペンタエリス
リトールテトラキスチオプロピオネート、または以下の
(化11)で示されるトリヒドロキシエチルイソシアナ
ートβメルカプトプロピオン酸が挙げられる。
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】更に、チオール系硬化剤の他に硬化促進剤
を含有せしめることも可能である。硬化促進剤として
は、以下の(化12)で示されるジブチルチンジラウレ
ートが挙げられる。
【0032】
【化12】
【0033】また、成形型となるガラス基板或いは平板
型マイクロレンズを構成するガラス基板としては、特に
限定されるものではないが、石英ガラス、低膨張結晶化
ガラス或いは硼珪酸ガラスが挙げられる。
【0034】低膨張結晶化ガラス基板としては、日本電
気ガラス(株)社製のネオセラム(登録商標)(66Si
O2・22Al2O3・4LiO2・2ZrO2・2TiO2他)、コーニ
ング社製のバイコール(96SiO2・3B2O3・1Al2O3)
を用いることができる。
【0035】また、硼珪酸ガラスとしては組成例として
は、以下に挙げるものが好ましい。 (組成1) SiO2:45重量%以上75重量%以下 B2O3:8.0重量%以上19.0重量%以下 BaO :4.2重量%以上14重量%以下 MO(MはBa以外の2価金属) :10重量%以上30
重量%以下 R2O(Rは1価金属):10重量%以下 (組成2) SiO2:45重量%以上75重量%以下 B2O3:9.5重量%以上12.5重量%以下 BaO :4.2重量%以上14重量%以下 MO(MはBa以外の2価金属) :10重量%以上30
重量%以下 R2O(Rは1価金属):10重量%以下 (組成3) SiO2:45重量%以上75重量%以下 B2O3:8.0重量%以上19.0重量%以下 BaO :4.2重量%以上14重量%以下 MO(MはBa以外の2価金属) :10重量%以上30
重量%以下 R2O(Rは1価金属):1重量%以下 (組成4) SiO2:45重量%以上75重量%以下 B2O3:8.0重量%以上19.0重量%以下 BaO :4.2重量%以上10重量%以下 MO(MはBa以外の2価金属) :10重量%以上30
重量%以下 R2O(Rは1価金属):10重量%以下
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1乃至図8は第1
発明に係る平板型マイクロレンズの製造工程を示す図で
あり、本発明にあっては、先ず図1に示すように、成形
型となるガラス基板1の表面に多数の小孔2aを形成し
たマスク2を重ね、次いでマスク2で被覆した面をHF
(フッ化水素)系のエッチャントに浸漬し、湿式エッチ
ングを行う。
【0037】湿式エッチングは等方性のエッチングとな
るので、図2に示すように、小孔2aに対応した部分
に、略半球状の凹部3が1次元または2次元的に形成さ
れる。尚、凹部3としては断面半円形の溝であってもよ
い。この場合にはレンチキュラーレンズが形成される。
【0038】次いで、マスク2を除去し、凹部3が形成
された面を再度湿式エッチングする。このエッチングに
より図3(a)に示すように、成形型となるガラス基板
1の厚みが薄くなるとともに、凹部3を含めて表面が満
遍なくエッチングされ、半球状の凹部は偏平で、且つ図
3(b)に示すように、平面視で凹部が隙間なく詰った
稠密状となる。尚、図3(b)にあってはハニカム状
(6角形)に稠密になった状態を示しているが、凹部3
の配列により4角形状に稠密にすることもできる。
【0039】次いで図4に示すように、稠密状に凹部が
配列されたガラス基板1の表面形状を、ニッケル等から
なる反転型11に電鋳等によって転写し、離型剤コーテ
ィングを施す。次いで図5に示すように、反転型11の
上に光硬化性或いは熱硬化性の低屈折率樹脂材料7を塗
布し、更に図6に示すように、低屈折率樹脂材料7の上
に第2のガラス基板8を重ね、低屈折率樹脂材料7を展
開せしめた後、低屈折率樹脂材料7を硬化せしめ、次い
で、硬化した低屈折率樹脂材料7と第2のガラス基板8
とを反転型11から剥離し、図7に示すように、硬化し
た低屈折率樹脂材料7の上に高屈折率樹脂材料5を塗布
し、更に図8に示すように高屈折率樹脂材料5の上に第
1のガラス基板6を重ね、高屈折率樹脂材料を5展開せ
しめた後、高屈折率樹脂材料5を硬化せしめるようにし
てもよい。
【0040】図9乃至図13は第2発明に係る平板型マ
イクロレンズの製造工程を示す図であり、第2発明にお
いてもガラス基板1の表面に稠密状凹部を形成するまで
の工程は第1発明と同一であるので省略する。
【0041】第2発明にあっては、ニッケル等からなる
第1の反転型11の表面形状を、図9に示すように、ニ
ッケル等からなる第2の反転型12に転写し、第1発明
と同様の離型剤コーティングを施す。次いで、この第2
の反転型12の上に光硬化性或いは熱硬化性の高屈折率
樹脂材料5を塗布し、次いで図10に示すように高屈折
率樹脂材料5の上に第1のガラス基板6を重ね、高屈折
率樹脂材料6を展開せしめた後、高屈折率樹脂材料6を
硬化せしめ、第1のガラス基板6と凸レンズ状に硬化し
た高屈折率樹脂材料5を図11に示すように第2の反転
型12から剥離し、次いで、図12に示すように、凸レ
ンズ状に硬化した高屈折率樹脂材料5の上に光硬化性或
いは熱硬化性の低屈折率樹脂材料7を塗布し、更に、図
13に示すように第2のガラス基板8を低屈折率樹脂材
料7の上から押し付け、低屈折率樹脂材料7を展開せし
めた後に硬化させる。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
湿式エッチングにてガラス基板の表面に微小な凹部を形
成したので、レンズ部を高精度に作ることができる。ま
た、マスクを外して再度湿式エッチングを行うようにし
たので、平面視で多数のレンズ部が隙間なく詰った稠密
状のマイクロレンズアレイを製造することができる。更
に、液晶表示装置を製造する工程を考慮すると、約18
0℃の高温処理に耐える特殊な高屈折率樹脂、低屈折率
樹脂を使用する必要があるが、これら樹脂は一般的に型
との離型性が低い。そのため剥離ができなかったり剥離
時に型にダメージを与えることになり、良好な成形がで
きないが本発明によれば、型に離型剤を塗布しているの
で、簡単に剥離でき、型にもダメージを与えない。ま
た、このようなマイクロレンズは凹凸が10μm〜数1
0μm程度と極めて微細な凹凸形状になっているが、離
型剤を適当な濃度で塗布すれば、サブミクロンオーダー
の均一厚みの離型剤膜が可能であり、ガラスエッチング
によって、作製される原版の微細凹凸形状を正確に転写
できる。特に、フッ素系の離型剤はイソクタン等の有機
溶媒に可溶であり、繰り返し型を使用した後、離型剤膜
が部分的に剥離して離型性が低下するような場合には、
必要に応じて型表面の離型剤を洗浄除去して、離型剤を
再塗布することができ、好都合である。
【0043】また、第1発明固有の効果としては、本願
で示した高屈折樹脂材料の多くは、光硬化性にするのが
困難で、熱硬化性の場合が多い。このような場合、第1
発明のようにNi等からなる反転型を用いることが有効
である。
【0044】更に、第2発明固有の効果としては、樹脂
によっては離型剤を用いても剥離時の抵抗が大きいもの
があるので、ガラスを型として用いると、離型時に微細
凹凸のガラスがわずかに欠けてしまうことがあるが、ガ
ラス原版と雄雌同一のスタンパを用いることによって、
スタンパの欠けを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平板型マイクロレンズの製造工程
を示す図
【図2】同平板型マイクロレンズの製造工程を示す図
【図3】(a)は同平板型マイクロレンズの製造工程を
示す図、(b)は(a)の平面図
【図4】同平板型マイクロレンズの製造工程を示す図
【図5】同平板型マイクロレンズの製造工程を示す図
【図6】同平板型マイクロレンズの製造工程を示す図
【図7】同平板型マイクロレンズの製造工程を示す図
【図8】本発明に係る平板型マイクロレンズの断面図
【図9】同平板型マイクロレンズの製造工程の別実施例
を示す図
【図10】同平板型マイクロレンズの製造工程の別実施
例を示す図
【図11】同平板型マイクロレンズの製造工程の別実施
例を示す図
【図12】同平板型マイクロレンズの製造工程の別実施
例を示す図
【図13】同平板型マイクロレンズの製造工程の別実施
例を示す図
【図14】従来の平板型マイクロレンズの製造工程を示
す図
【符号の説明】
1…成形型となるガラス基板、2…マスク、3…凹部、
4…離型剤層、5…高屈折率樹脂材料、6…第1のガラ
ス基板、7…低屈折率樹脂材料、8…第2のガラス基
板、11…反転型(第1の反転型)、12…第2の反転
型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 G02F 1/1335 G03B 21/10 G03B 21/10 Z // B29L 9:00 B29L 9:00 11:00 11:00 (72)発明者 谷口 敏 大阪府大阪市中央区北浜 日本板硝子株式 会社内 (72)発明者 新井 大介 大阪府大阪市中央区北浜 日本板硝子株式 会社内 (72)発明者 岸本 隆 大阪府大阪市中央区北浜 日本板硝子株式 会社内 (72)発明者 平山 直人 大阪府大阪市中央区北浜 日本板硝子株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2のガラス基板にて挟まれる
    領域に、高屈折率樹脂材料と低屈折率樹脂材料とが積層
    され、これら2種類の樹脂材料の境界面は多数の微小球
    面または微小円筒面が1次元または2次元的に配列され
    た平板型マイクロレンズの製造方法であって、この製造
    方法は以下の第1工程〜第7工程からなることを特徴と
    する平板型マイクロレンズの製造方法。 (第1工程)成形型となるガラス基板の表面にマスクを
    介して湿式エッチングを行うことで、球面状または円筒
    面状をなす多数の微小凹部を1次元または2次元的にガ
    ラス基板の表面に形成する工程。 (第2工程)第1工程で微小凹部が形成された成形型と
    なるガラス基板の表面にマスクを介さずに再度湿式エッ
    チングを行うことで、多数の微小凹部を稠密状に配列せ
    しめる工程。 (第3工程)第2工程で形成された成形型となるガラス
    基板の稠密状に配列された多数の微小凹部を有する表面
    形状をニッケル等からなる反転型に転写する工程。 (第4工程)第3工程で作製した反転型の表面にサブミ
    クロンオーダーの厚さで離型剤を塗布し、その上に光硬
    化性或いは熱硬化性の低屈折率樹脂材料を塗布する工
    程。 (第5工程)第4工程で塗布した低屈折率樹脂材料の上
    に第2のガラス基板を重ね、低屈折率樹脂材料を展開せ
    しめた後、低屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。 (第6工程)第5工程で硬化せしめた低屈折率樹脂材料
    と第2のガラス基板とを反転型から剥離し、第2のガラ
    ス基板上の硬化した低屈折率樹脂材料層の上に高屈折率
    樹脂材料を塗布する工程。 (第7工程)第6工程で塗布した高屈折率樹脂材料の上
    に第1のガラス基板を重ね、高屈折率樹脂材料を展開せ
    しめた後、高屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。
  2. 【請求項2】 第1及び第2のガラス基板にて挟まれる
    領域に、高屈折率樹脂材料と低屈折率樹脂材料とが積層
    され、これら2種類の樹脂材料の境界面は多数の微小球
    面または微小円筒面が1次元または2次元的に配列され
    た平板型マイクロレンズの製造方法であって、この製造
    方法は以下の第1工程〜第8工程からなることを特徴と
    する平板型マイクロレンズの製造方法。 (第1工程)成形型となるガラス基板の表面にマスクを
    介して湿式エッチングを行うことで、球面状または円筒
    面状をなす多数の微小凹部を1次元または2次元的にガ
    ラス基板の表面に形成する工程。 (第2工程)第1工程で多数の微小凹部が形成された成
    形型となるガラス基板の表面にマスクを介さずに再度湿
    式エッチングを行うことで、微小凹部を稠密状に配列せ
    しめる工程。 (第3工程)第2工程で形成された成形型となるガラス
    基板の稠密状に配列された多数の微小凹部を有する表面
    形状をニッケル等からなる第1の反転型に転写する工
    程。 (第4工程)第3工程で作製した第1の反転型の表面形
    状をニッケル等からなる第2の反転型に転写する工程。 (第5工程)第4工程で作製した第2の反転型の表面に
    サブミクロンオーダーの厚さで離型剤を塗布し、その上
    に光硬化性或いは熱硬化性の高屈折率樹脂材料を塗布す
    る工程。 (第6工程)第5工程で塗布した高屈折率樹脂材料の上
    に第1のガラス基板を重ね、高屈折率樹脂材料を展開せ
    しめた後、高屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程。 (第7工程)第6工程で硬化せしめた高屈折率樹脂材料
    と第1のガラス基板とを第2の反転型から剥離し、第1
    のガラス基板上の硬化した高屈折率樹脂材料層の上に低
    屈折率樹脂材料を塗布する工程。 (第8工程)第7工程で塗布した低屈折率樹脂材料の上
    に第2のガラス基板を重ね、低屈折率樹脂材料を展開せ
    しめた後、低屈折率樹脂材料を硬化せしめる工程
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003078171A1 (fr) * 2002-03-19 2003-09-25 Nippon Sheet Glass Co.,Ltd. Tete d'ecriture optique

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