JP2001276224A - 医療用酸素濃縮気体供給装置 - Google Patents
医療用酸素濃縮気体供給装置Info
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Abstract
置(PSA装置)において、発生する騒音を非常に低レ
ベルに抑え、患者に違和感を与えない静粛な装置を提供
する。 【解決手段】 PSA装置11において、騒音源となるコ
ンプレッサやファンを防音ボックス内に収納し、かつ、
排気通路から発生する耳障りに感じる騒音の周波数帯域
を狙って減衰させる消音ダクトを具備したボックス1を
付設し、このダクト内部に孔6を有する部屋5を付設し
てこの部屋5で共鳴を起こして空気と孔壁面との摩擦に
より音エネルギーを光エネルギーに変換して騒音を吸収
させて患者が耳障りと感じる周波数の騒音を低減し、静
かに作動するPSA装置とした。
Description
呼吸不全患者の在宅療養に使用するPSA(圧力変動吸
着)方式の医療用酸素濃縮気体供給装置(以下、単にP
SA装置という)の動作時における騒音低減に関する。
者の枕元近くで昼夜を問わず使用されるものであるた
め、患者本人や家族の人にとって低騒音のものであるこ
とが強く求められている。特にPSA装置は、圧縮空気
供給手段及びPSA装置内部に冷却風を送り込むための
ファン手段及び流体ガスを制御するための電磁弁等の発
音源となる機器で構成されており、一般的に騒音が大き
い。
て、特に音の大きい発音源を内側の防音筐体内に収納
し、そして騒音と振動の源である電動機や圧縮空気供給
手段の振動を防振ゴムやスプリングを用いて防止し、ま
た発音源からの音波は二重の遮音壁を用いて遮音し、そ
の遮音壁の遮音性を高めるため質量を増加させ、そして
内壁面に吸音材を貼付して、騒音の低減を図る方法が知
られている。
透過音を下げる方法であるが、しかし、これ等の発音源
は電力を消費し、発熱するものを含んでいるため、冷却
用の冷却風が必要で完全に密閉することは困難である。
このため、防音筺体には空気の取入口と暖められた排気
風の排気口が不可欠であるが、この取入口及び排気口か
ら騒音が外部に出るので、これを防止することも大変重
要である。
音が、遮音壁面から透過する音よりも大きくなれば、P
SA装置全体の騒音レベルを下げる方法がより重要とな
ってくる。この防音筐体の取入口及び排気口から出る騒
音の低減については、例えば、特公平2-29601号公報の
図5の(b),(c)に示す方法、また、特公平3-324
号公報の図5の(a)に示す方法、更に、特公平4-400
7号公報にも同様の方法、即ち大気流入通路、大気流出
通路に多くの屈曲回数を与え、その通路を長くして、か
つ、その屈曲部内面に吸音材を設けることによって、騒
音を低減させる方法が開示されている。
据付けを行なう人々にとっては、PSA装置は小さく軽
い方が持ち運びが楽でよいことは言うまでもない。しか
し、大気通路の屈曲回数を多くし、通路長を長くする前
記のような方法では、特公平2-29601号公報にも記載さ
れているように、大気流入通路の長さ、大気流出通路の
長さの各々を装置の外殻を構成する面における相対する
両端間の長さの最小値以上の距離をとるなどの必要があ
り、その結果、PSA装置の構成機器の収容部に対する
通路容積が大きくなり、装置寸法を大きくし、その装置
の重量も大きくなり、前記の小型軽量の要望とはほど遠
いものになる恐れがある。
に、通気抵抗も増大する傾向にもなる。更に、通気抵抗
が増えると冷却風の風量が減少し冷却効率が悪くなり、
主な発熱源である圧縮空気供給手段の温度が上昇し早期
故障の原因になり得る。従って、必然的にファン手段の
能力を高める必要があり、ファン手段を大きくすれば更
に騒音を増大させる悪循環を招く恐れがある。
のような問題点を是正し、大気流入/排気通路の長さを
前記の従来技術の構造ほど長く取らなくても、そしてP
SA装置の機能を減じることなく、従来の騒音レベルと
同等以下のPSA装置を提供することを目的とするもの
である。
めに鋭意研究を行った結果、個々の発音体はその騒音の
主体となる周波数帯域の騒音特性を有していることが判
明し、このいくつかの主要な周波数帯域の騒音を低減で
きれば、大きな騒音低減効果が得られることが分かっ
た。
筐体の内部に、更に二重に防音を行うため、発音源とな
る圧縮空気供給手段、ファン手段を収納した防音ボック
スを設け、該防音ボックスには該ファン手段により冷却
風を取り入れるための取入口又は暖められた排気風を排
出する排気口からの通風路を消音ボックス内に設けた。
そして、消音ボックスには該取入口より以前又は該防音
ボックスの排気口より以降の一方もしくは両方に、騒音
の主体となる周波数帯域の騒音レベルを減衰するための
部屋を冷却風及び排気風の通風路に面して1個又は複数
個配し、該部屋を形成する面のうち通風路に接する面に
1個以上の孔を設けた穴あき構造の部屋にすることによ
り、特定の周波数帯域に共鳴を起こさせ、空気とこの孔
壁面との摩擦により音エネルギーを熱エネルギーに変換
して吸収させることで、消音効果を高めるようにした。
装置外へ放出する開口部に360度自由に回転することが
可能な排気フードを設けることにより、熱風の吹出す方
向を変えて患者あるいは家族に与える不快感を軽減する
ことも可能になった。
音特性を分析して騒音の主体となる周波数帯域を見出
し、その周波数が共鳴し減衰するために必要な空気層の
容積、孔の直径及び数、孔があけられた板の厚みにより
共鳴振動数を算出した部屋を通風路に面して1個又は複
数配置することにより、騒音を減衰させるものであり、
通風路に多数の屈曲回数を与えるという従来技術のよう
な通風路の長さをとる必要がなくなるため軽量でコンパ
クトなPSA装置を提供することが可能となる。
る吸着剤を1本又は2本以上に充填した吸着床、該吸着
床に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給手段により
基本的に構成された装置において、内部に該圧縮空気供
給手段及び冷却風を送り込むファン手段を収納した防音
ボックスを設け、該防音ボックスには該ファン手段によ
り冷却風を取り入れるための取入口及び暖められた排気
風を排出する防音ボックスの排気口を設け、該取入口よ
り以前又は該防音ボックスの排気口より以降の一方もし
くは両方に、該取入口及び該防音ボックスの排気口から
出てくる該PSA装置の騒音の主体となる周波数帯域の
騒音レベルを減衰するために冷却風及び排気風の通風路
に面して1個又は複数の部屋を配した消音ボックスを設
け、該部屋を形成する面のうち通風路に接する面に1個
以上の孔を設けた孔あき構造の部屋であって、該部屋に
おいて特定の周波数帯域に共鳴を起こさせ、空気と孔壁
面との摩擦により音エネルギーを熱エネルギーに変換し
て吸収させ、該部屋の内壁に吸音材を貼ることにより消
音効果を高めた構造を備えたことを特徴とするPSA装
置を構成する。
路において、部屋を備えた排気通風路を消音ボックスと
し、これが該防音ボックスの下部に配置した前記のその
1に記載のPSA装置を構成する。
路において、大気中に排気風を吹き出す開口部に360度
回転すること排気フードを設け、該排気フードから吹出
す排気風の方向を変更可能にした前記のその1又はその
2のいずれかに記載のPSA装置を構成する。
て詳細に説明する。図1は、本発明のPSA装置11の外
殻を形成する筐体の内部の好ましい実施態様例を示す斜
視図である。空気取入口3から入った冷却空気はファン
手段12により圧縮空気供給手段13を収納した防音ボック
ス2に送り込まれる。冷却空気は圧縮空気供給手段13で
発生した熱を奪い、排気風として防音ボックスの排気口
4から孔6があいた構造の部屋5が1個もしくは複数個
有する消音ボックス1に送り込まれる。
個有する消音ボックス1の内部を示す斜視図であり、図
3は、孔6があいた構造の部屋5を複数個有する消音ボ
ックス1の内部を上から見た断面の説明用の模式図であ
る。
排気風は防音ボックスの排気口4から通風路7を通り、
消音ボックス1の排気口8から大気中に放出される。該
通風路に接する面に孔6があいた構造の部屋5を配置
し、該通風路へ騒音が伝搬する時に孔6に音が入射し、
部屋5の空気がバネの役割をして固有振動数と一致する
と共鳴を起こす。共鳴する時、孔6の部分の空気は激し
く振動し、孔6の壁面との摩擦によって音のエネルギー
が熱のエネルギーに変化することによって消滅する。部
屋5の容積、孔6の直径及び数、孔6があけられた板の
厚みにより共鳴振動数を下記の式により算出し、各々共
鳴振動数の違う部屋5を設けることにより広い周波数範
囲の騒音低減ができる。以下に共鳴振動周波数を求める
式を示す。なお、この式は一般の専門文献等でも散見す
ることができる。
より、共鳴周波数を中心とした周波数帯域よりも更に高
い周波数を含む範囲にわたり良好な吸音効果が得られ
る。更に孔6があいた構造の部屋5は、上記計算式の条
件及び材質が満足しておればいかなる形状でも同様な効
果が得られる。1つの例として図4のように円筒形状の
部屋の内部に孔6があいている板をリング状に配置し、
更に内部に排気風を通過させる方法も挙げられる。
分析した結果、ファン手段12及び圧縮空気供給手段13か
ら発する騒音が支配的であり、250Hz、500〜1000Hz
の騒音レベルが目立って大きいことが分かっており、前
記計算式を基に、共鳴周波数を525Hz、923Hz、1020
Hzの3個の孔あき構造の部屋で、図2及び図3と同じ
構造のものを試作し実験を行った。ただし250Hzの共
鳴を起こす部屋は、PSA装置の外形寸法に制約がある
ことと、人間の聴覚では500〜1000Hzの騒音の方が耳
障りであることから、本実施例では盛込まなかった。
の比較として図5の大気中へPSA装置の排気を吹出す
消音ボックス1の排気口8のまわりを折れ曲がる構造の
ものも試作し測定した。この表1からも分かるように図
5の折れ曲がる構造よりも図2及び図3の孔あき構造の
方が2.5dB騒音が低くなっている。そして穴あき構造
の部屋内壁に厚さ10mmの吸音材を貼ることで更に1d
B騒音が下がり、優れた消音効果が得られることを確認
した。
ボックスと、比較評価するために図5の消音ボックスの
騒音を測定したデータである。
音ボックスと、比較評価するために図5の消音ボックス
を使用した動作中のPSA装置11における外気温度と、
消音ボックス1の排気口との温度差を比較したデータで
ある。
減も重要な課題であるが、これ以外にもファン手段12の
冷却効率の向上も重要な課題の一つである。前記の表2
に外気温度とPSA装置11の消音ボックス1の排気口と
の温度差を測定した結果を示す。図2と図5の消音ボッ
クスでの比較を見ても分かるように図2の方が通路の長
さは短く、折れ曲がりも少ないので、通路抵抗が少なく
流れる空気量が増え、冷却効率も良くなっている。従っ
て、PSA装置内部の温度は低く抑えられ、圧縮空気供
給手段を含むPSA装置を構成する部品の長寿命化及
び、故障率も低減化することができ、PSA装置にとっ
て好ましい傾向と言える。
本的要素について記載したが、この例に限らず、他の附
帯的要素、例えば流体ガスの流量設定手段やその流量表
示手段、あるいは酸素濃度計測手段やその濃度表示手段
又は/及び警報手段、更には、流体ガス制御用の電磁弁
等のPSA装置に必要な構成要素を加えてもよい。本実
施例では、従来から周知であるPSA装置の基本的構成
及びその構造の図示は省略した。
生する圧縮空気供給手段やファン手段を防音ボックス内
に収納し、かつ特定の周波数帯域の騒音レベルを低減す
る共鳴形の消音構造を備えたPSA装置としたことによ
り、小型軽量で低騒音、更には温度上昇による部品故障
が少ない装置として使用者へ快適で安心して使用できる
装置を提供することが可能となった。
示を概略した斜視図である。
ボックス内部を示した斜視図である。
の模式図である。
構造の部屋を有する消音ボックス内部を示した斜視図で
ある。
数回折れ曲がった構造の消音ボックス内部を示した斜視
図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 大気中の水分及び窒素ガスを選択的に吸
着する吸着剤を1本又は2本以上に充填した吸着床、該
吸着床に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給手段に
より基本的に構成された医療用酸素濃縮気体供給装置に
おいて、圧縮空気供給手段及び冷却風を送り込むファン
手段を防音ボックスに収納し、前記圧縮空気供給手段の
空気取入口の通風路又は前記ファン手段の排気口からの
通風路を消音ボックス内に設けたことを特徴とする医療
用酸素濃縮気体供給装置。 - 【請求項2】 防音ボックスには該ファン手段により冷
却風を取り入れるための取入口及び暖められた排気風を
排出する排気口を設け、消音ボックスには該取入口より
以前又は該防音ボックスの排気口より以降の一方もしく
は両方に、該取入口及び該排気口から出てくる該医療用
酸素濃縮気体供給装置の騒音の主体となる周波数帯域の
騒音レベルを減衰するために冷却風及び排気風の通風路
に面して1個又は複数の部屋を配し、該部屋を形成する
面のうち通風路に接する面に1個以上の孔を設けた孔あ
き構造の部屋であって、該部屋において特定の周波数帯
域に共鳴を起こさせ、空気と孔壁面との摩擦により音エ
ネルギーを熱エネルギーに変換して吸収させ、該部屋の
内壁に吸音材を貼ることにより消音効果を高めた構造と
してなる請求項1記載の医療用酸素濃縮気体供給装置。 - 【請求項3】 防音ボックスの排気口側の通風通路にお
いて、部屋を備えた排気通風路の消音ボックスを防音ボ
ックスの下部に配置してなる請求項1又は2に記載の医
療用酸素濃縮気体供給装置。 - 【請求項4】 防音ボックスの排気口側の通風路におい
て、大気中に排気風を吹き出す開口部に360度回転する
排気フードを設け、該排気フードから吹出す排気風の方
向を変更可能にしてなる請求項1,2又は3のいずれか
に記載の医療用酸素濃縮気体供給装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000095333A JP3550338B2 (ja) | 2000-03-30 | 2000-03-30 | 医療用酸素濃縮気体供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001276224A true JP2001276224A (ja) | 2001-10-09 |
JP3550338B2 JP3550338B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040009148A (ko) * | 2002-07-22 | 2004-01-31 | 박승환 | 산소발생기의 소음기 |
JP2008212206A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Terumo Corp | 酸素濃縮装置 |
JP2010120829A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Fukuda Denshi Co Ltd | 空気供給装置および酸素濃縮器 |
JPWO2013147283A1 (ja) * | 2012-03-27 | 2015-12-14 | 帝人ファーマ株式会社 | 消音器およびそれを備えた酸素濃縮装置 |
CN112245739A (zh) * | 2019-12-30 | 2021-01-22 | 北京怡和嘉业医疗科技股份有限公司 | 通气治疗设备及其进气结构 |
-
2000
- 2000-03-30 JP JP2000095333A patent/JP3550338B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021135615A1 (zh) * | 2019-12-30 | 2021-07-08 | 北京怡和嘉业医疗科技股份有限公司 | 用于通气治疗设备的减噪结构以及通气治疗设备 |
CN112245739B (zh) * | 2019-12-30 | 2023-08-15 | 北京怡和嘉业医疗科技股份有限公司 | 通气治疗设备及其进气结构 |
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---|---|
JP3550338B2 (ja) | 2004-08-04 |
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