JP2001273396A - 決済システムおよび決済方法 - Google Patents

決済システムおよび決済方法

Info

Publication number
JP2001273396A
JP2001273396A JP2000087212A JP2000087212A JP2001273396A JP 2001273396 A JP2001273396 A JP 2001273396A JP 2000087212 A JP2000087212 A JP 2000087212A JP 2000087212 A JP2000087212 A JP 2000087212A JP 2001273396 A JP2001273396 A JP 2001273396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
account
bond
customer
bank
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000087212A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Soga
一彦 曽我
Hiroshi Fukuda
浩史 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Bank Ltd
Original Assignee
Sanwa Bank Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Bank Ltd filed Critical Sanwa Bank Ltd
Priority to JP2000087212A priority Critical patent/JP2001273396A/ja
Publication of JP2001273396A publication Critical patent/JP2001273396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、日本銀行に当座預金口座を
有しない者等であっても、国債等の債券の購入に際し
て、国債DVP同時担保受払機能による日中ODを利用
することができるようにしたスキームを提供することで
ある 【解決手段】 本発明は、国債DVP同時担保受払機能
の下、顧客の取引相手が保有する所定の債券を国債DV
P同時担保受払用担保口座(同時担保口)で受け付ける
ことにより日中OD枠金額を享受し、該享受された日中
OD枠金額に基づいて取引相手に支払った後、顧客が債
券購入資金を準備した時点で、同時担保口にある所定の
債券を顧客預り口に振り替えて、享受された日中OD枠
金額分を顧客の専用口座から減額する一方、債券に対す
る金額分を債券口座に増額する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日本銀行が提供す
る日本銀行金融ネットワークシステムに参加する金融機
関の決済システムおよびその決済方法に関する。特に、
本発明は、そのような金融機関による、顧客とその取引
相手との間における債券決済代行方法に関する。
【0002】
【従来技術】中央銀行は、一般に、その国の決済システ
ムに必要なインフラストラクチャーの提供を行ってい
る。我が国の中央銀行たる日本銀行は、電子ベースの決
済システムである日本銀行金融ネットワークシステム
(以下「日銀ネット」という。)を提供している。日銀
ネットは、日本銀行とその取引先金融機関との間の資金
や国債の決済をオンライン処理することを目的として構
築されたネットワークシステムである。我が国における
金融機関相互間の資金の移転や振替は、実際には各金融
機関が日本銀行に開設している当座預金口座を通じて行
われる。つまり、日銀ネットによる当座預金取引では、
参加者は、自己の営業所等に設置した専用端末機から取
引データを入力することにより、自らの当座預金口座か
ら相手方の当座預金口座へ資金の振替を日本銀行に請求
し、日本銀行がこの当座預金口座間の振替を処理する。
【0003】ところで、日本銀行は、我が国の決済シス
テムの安定を維持すべく、日銀ネットにおける当座預金
および国債の決済の即時処理化、すなわち、「RTGS
(Real Time Gross Settlement)化」の実施を目指して
いる。このRTGS化の実施後、日本銀行は、国債資金
同時受渡関係事務(国債DVP(Delivery Versus Paym
ent)、以下「国債DVP」という。)取引の円滑な決
済を可能とするため、国債DVP同時担保受払機能を提
供することとしている。この国債DVP同時担保受払機
能は、 1)日銀ネットの国債系参加者がDVPにより国債を譲
受する場合には、譲受国債を日本銀行に担保として差入
れ、日本銀行から日中当座貸越(以下「日中OD」とい
う。)を享受し、当該資金を代金の支払いに充当するこ
とができる。 2)日銀ネットの国債系参加者がDVPにより国債を譲
渡する場合には、日本銀行に担保として差し入れている
国債を受け戻すことで譲渡国債を手当てし、譲受人から
受領した代金を日中当座貸越の返済に充当することがで
きる。というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記国債DVP同時担
保受払機能の利用条件は、その利用可能者を、日銀ネッ
ト国債系参加者であって、日本銀行との間でオンライン
当座預金取引を行っている者に限られる。従って、生命
保険会社や損害保険会社等のように日本銀行に当座預金
口座を有しない者は、取引先から国債等の債券を購入し
ようとする場合には、この国債DVP同時担保受払機能
による日中ODを利用できず、当該国債を譲受する時点
で手元流動性資金を準備しなければならないという課題
がある。
【0005】また、日本銀行に当座預金口座を有する者
であっても、事務負担の軽減等を目的として、自社の保
有する債券残高を、日本銀行に当座預金口座および債券
口座を保有する外部金融機関に預託して当該債券にかか
る事務処理を委託することが可能である。この場合にお
いても、自社の日本銀行当座預金口座を使用しない限
り、前記国債DVP同時担保受払機能を利用することが
できないという課題がある。
【0006】そこで、本発明は、日本銀行に当座預金口
座を有しない者または当座預金口座を有する者であって
当該取引に関する事務処理を前記外部金融機関に委託す
る者等が、国債等の債券の購入に際して、国債DVP同
時担保受払機能による日中ODを利用することができる
ようにしたスキームを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、国債D
VP同時担保受払機能の下、顧客の取引相手が保有する
所定の債券を国債DVP同時担保受払用担保口座(同時
担保口)で受け付けることにより日中OD枠金額を享受
し、該享受された日中OD枠金額に基づいて取引相手に
支払った後、顧客が債券購入資金を準備した時点で、同
時担保口にある所定の債券を顧客預り口に振り替えて、
享受された日中OD枠金額分を顧客の専用口座から減額
する一方、債券に対する金額(債券残高)分を債券口座
に増額することである。
【0008】より具体的には、本発明は、日本銀行が提
供する日本銀行金融ネットワークシステムに参加する金
融機関の決済システムであって、国債DVP同時担保受
払機能の下、所定の債券を取引相手から購入するための
債券受渡指図を顧客から受け付けるとともに、前記所定
の債券が前記取引相手の債券口座から自身の同時担保口
に振り替えられる旨の受付案内を前記日本銀行から受け
付けて、前記所定の債券を前記取引相手の債券口座から
自身の同時担保口に振り替える一方、自身の当座勘定か
ら前記取引相手の当座預金口座に前記所定の債券に対す
る金額を振り替えるための第1の依頼を行い、前記第1
の依頼に基づき前記取引相手の当座預金口座に振り替え
るべき金額が、前記同時担保口に振り替えられることに
より享受される日中当座貸越枠金額を超過する場合に、
該超過する分の金額(不足金額)を前記顧客の専用口座
から減額し、前記顧客の専用口座の支払可能残高が所定
の条件を満たす場合に、前記顧客の専用口座から前記日
中当座貸越枠金額を減額し、前記日本銀行に対して、前
記同時担保口から自身の顧客預り口に前記所定の債券を
振り替える一方、自身の当座預金口座から前記当座勘定
に前記日中当座貸越枠金額を振り替えるための第2の依
頼を行い、前記所定の債券に対する金額を前記顧客の債
券口座に増額することを特徴とする決済システムおよび
決済処理方法である。前記決済システムにおいて、前記
不足金額と前記日中OD枠金額とを合算した金額を、一
度に前記顧客の専用口座から減額するようにしてもよ
い。
【0009】なお、本明細書において、機能とは、物理
的手段(ハードウェア)によって実現される場合のみな
らず、ハードウェアと相まってソフトウェアモジュール
(プログラム)によって実現される場合も含む。このよ
うなプログラムは、オペレーティングシステムなどの基
本プログラムによって実現される機能を呼び出す機能を
含んで実現しても良い。また、1つの機能が2つ以上の
ハードウェアやプログラムにより実現されても、2つ以
上の機能が1つのハードウェアやプログラムにより実現
されても良い。
【0010】従って、本発明は、コンピュータに所定の
機能を実現させるプログラム自体またはそのプログラム
を記録した記録媒体としても成立する。前記記録媒体と
は、例えば、ハードディスク(HD)、DVD−RA
M、フレキシブルディスク(FD)やCD−ROM等の
ほかに、RAMやROM等のメモリを含む。また、前記
コンピュータとは、例えば、CPUやMPUといったい
わゆる中央処理装置がプログラムを解釈することで所定
の処理を行う、いわゆるマイクロコンピュータ等をも含
む。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。
【0012】本実施形態に係る決済システムを運用する
ための前提として、取引相手から債券を購入しようとす
る顧客と金融機関との間で、国債DVP同時担保受払機
能を利用した債券決済代行業務に関する委託契約が存在
するものとする。また、顧客が取引相手から購入しよう
とする債券は、国債であるものとする。
【0013】図1は、本実施形態に係る決済システムの
機能構成を示すブロックダイアグラムである。同図に示
すように、中央銀行である日本銀行1は、各種金融機関
等が参加する日銀ネットを運営する。日銀ネットは、こ
れら各種金融機関間における資金や国債のオンライン決
済等を実現するためのネットワークシステムである。日
銀ネットには、国債決済用参加者口座を司るネットワー
クシステムと、資金決済用参加者口座を司るネットワー
クシステムとが存在する。なお、日銀ネットというとき
は、単に通信回線のみを意味するのではなく、それに接
続されたコンピュータシステムおよびこのコンピュータ
システムにより上記オンライン決済等を実現するための
機能を含む広い意味で用いるものとする。金融機関(X
銀行)2は、この日銀ネットの参加者であり、本実施形
態に係る決済システムによる決済方法を顧客3に提供す
る。顧客(A社)3の端末装置31は、一般ネットワー
クを介してX銀行2と通信可能なように接続されてい
る。ここで、一般ネットワークとは、上記日銀ネットN
以外の汎用ネットワークを意味するものであり、例え
ば、NTT(日本電信電話株式会社)が運営するISD
N回線などを用いることができる。
【0014】日本銀行1は、日銀ネット上のコンピュー
タシステムとして実現される国債系システム11、当座
預金口座システム12を有する。国債系システム11
は、日銀ネットの参加者それぞれの国債系口座を管理す
るためのものである。同図では、X銀行2の国債系口座
111およびA社3が国債を購入しようとする取引相手
の国債系口座112が図示されている。X銀行の国債系
口座111は、国債DVP同時担保受払用担保口座(以
下「同時担保口」という。)1111、自己口1112
および預り口1113を有している。同時担保口111
1は、RTGS化の実施に伴って日本銀行1により新た
に提供される国債DVP同時担保受払機能を利用するた
めの受払口である。自己口1112は、X銀行2自身が
保有している債券を指定した相手(例えば、A社3)と
の間で受渡するための口座である。預り口1113は、
X銀行が顧客から債券を預かり、管理するための口座で
ある。なお、国債系システム11は、同時担保口111
1で受け取った所定の債券を、自己口を介さずに、直接
的に預り口1113に振り替えることができるように構
成されている。
【0015】一方、当座預金口座システム12は、各金
融機関等の当座預金口座を管理するためのものである。
同図では、X銀行2の当座預金口座121およびA社3
が国債を購入しようとする取引相手の当座預金口座12
2が図示されている。X銀行2の当座預金口座121
は、当座預金口座1211および同時担保受払時決済口
(以下「当座勘定」という。)1212という2種類の
当座預金口座から構成される。当座預金口座1211
は、従来通りの資金決済を行うための口座であり、当座
勘定1212は、新たに提供される国債DVP同時担保
受払機能を利用するための口座である。この当座勘定1
212は、国債DVP同時担保受払機能の下、同時担保
口1111と連動している。つまり、国債DVP同時担
保受払機能では、同時担保口1111に債券が振り替え
られた時点で、その債券が担保として差し入れられたも
のとして、それに対応する当座勘定1212にその債券
に対する日中当座貸越枠(日中OD枠)が設定される。
この日中OD枠金額は、債券に対して日本銀行1によっ
て設定された掛け目を乗じた分だけ設定される。
【0016】X銀行2は、当座預金国債決済システム2
1、勘定系システム22および証券系システム23を有
する。当座預金国債決済システム21は、日銀ミラー口
座211およびP/O(Payment Order)管理システム
212を備える。日銀ミラー口座211は、日本銀行1
内に開設している自身の各種口座(すなわち、国債系口
座および当座預金口座)の内容と同一の内容を再現する
ための口座である。これにより、X銀行2は、リアルタ
イムで日本銀行1内に開設した口座の内容(残高)を把
握することができる。P/O管理システム212は、一
般ネットワークを介してA社3の端末装置31から各種
指図を受け付けるとともに、日本銀行1に対してP/O
を送信する。P/O管理システム212は、また、P/
Oに対して日本銀行1から送られる処理結果に従い、ミ
ラー口座211、勘定系システム22および/または証
券系システム23に指示を与える。勘定系システム22
は、専用口座システム221を有する。専用口座システ
ム221は、見かけ上、顧客のために設定した日中OD
枠を管理するためのものである。この専用口座システム
221は、P/O管理システム212から与えられる指
示に従って口座残高を増額または減額し、その記録を保
持する。なお、典型的には、勘定系システム22は、顧
客の一般的な当座預金口座を管理する当座預金システム
を有するが、本明細書では説明を省略する。証券系シス
テム23は、顧客ごとの顧客債券口座をそれぞれ管理す
る。顧客債券口座は、日本銀行1内の預り口1113に
おいて顧客から預っている債券の残高を管理するための
ものである。
【0017】次に、X銀行2による債券の受渡決済代行
の下、A社3がその取引相手から国債Fを購入する場合
の全体処理の流れについて説明する。図2および図3
は、かかる場合の処理の流れを説明するためのフローチ
ャートである。同図では、日本銀行1(日銀ネット)に
よって行われる処理を、点線枠で示している。
【0018】A社3は、取引相手との間で国債Fの売買
を約定したとする。X銀行2は、典型的には、債券受渡
日の前日までに債券受渡指図をA社3から受け付ける
(S1)。債券受渡日において、取引相手は日銀ネット
に国債受渡を入力する(S2)。日銀ネットは、この国
債受渡を受けて、その処理予告連絡としてX銀行2に対
して「国債受渡受付案内」を通知し、X銀行2はこれを
受け付ける(S3)。図4は、国債受渡受付案内の一例
を示す図である。この国債受渡受付案内は、X銀行2の
コンピュータシステムの画面に表示され、または帳票と
して出力される。次に、X銀行2は、A社3から受け付
けた債券受渡指図と、日本銀行1から受け付けた国債受
渡受付案内とを比較・照合し、その内容が妥当であるか
否かをチェックする(S4)。X銀行2は、照合結果が
妥当であると判断する場合には、国債DVP同時担保受
払機能により享受される、購入債券に対する日中OD枠
金額が購入金額を上回っているか否かをチェックする
(S5)。ここで、購入金額に対して日中OD枠金額で
充当できない分を不足金額と呼ぶことにする。X銀行2
は、A社の専用口座221の支払可能残高がこの不足金
額を上回っているか否かをチェックする(S6)。X銀
行2は、A社の専用口座221の支払可能残高がこの不
足金額を上回っていると判断する場合には、S3の国債
受渡受付案内に対する「資金受渡依頼」を日銀ネットに
入力する(S7)。また、X銀行2は、A社の専用口座
221から不足金額を減額する(S8)。図5は、資金
受渡依頼の一例を示す図である。図中、受付番号には国
債受渡受付案内に示された受付番号が記述されることに
なる。日本銀行1は、これを受けて、取引相手の債券口
座112から同時担保口1111に顧客購入債券残高を
振り替えると同時に、当座勘定1212から取引相手の
当座預金口座122に購入金額を振り替える(S9,S
10)。
【0019】次に、X銀行2は、A社の専用口座221
の支払可能残高が購入債券に対する日中OD枠金額を上
回っているか否かをチェックする(S11)。この専用
口座221の支払可能残高は、A社3が購入債券に対す
る資金を準備することにより変動する。X銀行2は、専
用口座221の支払可能残高が購入債券に対する日中O
D枠金額を上回っていると判断する場合には、「DVP
決済用国債受渡」を日銀ネットに入力する(S12)。
図6は、DVP決済用国債受渡の一例を示す図である。
日本銀行1は、このDVP決済用国債受渡に対して、そ
の処理予告連絡として図4に示したような「国債受渡受
付案内」をX銀行2に通知し、X銀行2はこれを受け付
ける(S13)。X銀行2は、この国債受渡受付案内を
受け付けると、A社の専用口座221から日中OD枠金
額を減額するとともに(S14)、S13の国債受渡受
付案内に対する「資金受渡依頼」を日銀ネットに入力す
る(S15)。図7は、資金受渡依頼の一例を示す図で
ある。日本銀行1は、この資金受渡依頼を受け付ける
と、同時担保口1111にあるA社分の債券残高を預り
口1113に振り替えると同時に(S16)、当座預金
口座1211から当座勘定1212に日中OD枠金額を
振り替える(S17)。なお、S14〜S17の処理
は、並列的に行われてもよい。日本銀行1は、S16お
よびS17に対する処理済み通知として「国債資金同時
受渡・担保返戻済通知」をX銀行2に通知し、X銀行2
はこれを受け付ける(S18)。図8は、国債資金同時
受渡・担保返戻済通知の一例を示す図である。そして、
X銀行2は、A社の債券口座231の債券残高を増額す
る(S19)。
【0020】次に、本実施形態に係る決済システムの動
作例について、図1を用いて説明する。なお、本決済シ
ステムは、日本銀行1内の口座内容をリアルタイムで把
握するため、実際上は日銀ミラー口座211を利用する
が、以下では、日銀ミラー口座211に対する処理を省
略して説明するものとする。また、A社がその取引相手
から購入しようとする国債Fの額面金額は100億円で
あるとする。また、日中OD枠に対する掛け目は95%
であるとする。
【0021】取引相手との間で国債Fの売買を約定した
A社は、債券売買に関する決済明細として債券受渡指図
をX銀行2に対して送信する(図中(1))。この約定に
伴う債券受渡日において、取引相手は、自身の債券口座
に保有されている国債FをA社3の債券決済代行者であ
るX銀行2の同時担保口1111に振り替えるため、日
本銀行1に対して振替依頼(国債受渡)を送信する。日
本銀行1は、この振替依頼に基づく処理予告連絡として
国債受渡受付案内をX銀行2に送信する(図中(2))。
X銀行2は、この国債受渡受付案内を受け付けて、その
妥当性をチェックした後、資金受渡依頼を日本銀行1に
送信する(図中(3))。日本銀行1は、この資金受渡依
頼を受け付けて、取引相手の債券口座の国債FをX銀行
2の同時担保口1111に振り替えるとともに、当該依
頼により指定された金額をX銀行2の当座勘定1212
から取引相手の当座預金口座112に振り替える(図中
(4),(4)')。つまり、国債DVP同時担保受払機能の
下、X銀行2の当座勘定1212には、国債Fに掛け目
を乗じた金額(日中OD枠金額)が設定されることにな
る。本例では、日中OD枠金額は95億円となる。これ
により、X銀行2は、国債DVP同時担保受払機能によ
り享受される日中OD枠金額を利用して国債Fの購入金
額を支払うことになる。X銀行2は、この段階で、当座
勘定から振り替えようとする金額が国債Fによる日中O
D枠金額を超過すると判断する場合、その超過する分の
金額をA社の専用口座から減額する(図中(5))。
【0022】次に、X銀行2は、A社が国債Fに対する
資金を準備した段階で、国債受渡・担保返戻依頼(DV
P決済用国債受渡)を日本銀行1に対して送信する(図
中(6))。日本銀行1は、この国債受渡・担保返戻依頼
に基づく処理予告連絡として図2に示したような「国債
受渡受付案内」をX銀行2に返信する(図中(7))。X
銀行2は、この国債受渡受付案内を受け付けた後、日中
OD枠金額分を自身の専用口座システム221内の専用
口座から減額し(図中(8))、国債Fを同時担保口11
11から顧客預り口1113に振り替えるとともに自身
の当座預金口座1211から当座勘定1212に日中O
D枠金額分を振り替えるための「資金受渡依頼」を日本
銀行1に対して送信する(図中(9))。日本銀行1は、
この資金受渡依頼を受け付けると、国債Fを同時担保口
1111から顧客預り口1113に振り替えると同時
に、X銀行2の当座預金口座1211から当座勘定12
12に日中OD枠金額分を振り替えて(図中(10),(1
0)')、国債資金同時受渡・担保返戻済通知をX銀行2
に送信する。そして、X銀行2はこれを受け付けて、国
債Fに対する金額を顧客債券口座システム231内のA
社の債券口座に増額する(図中(11))。これにより、A
社3は、X銀行2の債券決済代行の下、取引相手が保有
する国債Fを購入することができたことになる。
【0023】図9は、債券残高および資金残高の推移を
説明するための図である。同図は、国債Fの売買取引に
関して、債券残高および資金残高の推移を示している。
すなわち、取引相手の債券口座112からX銀行2の同
時担保口1111に国債Fが振り替えられ、当座勘定1
212から取引相手の当座預金口座112に国債Fの購
入金額が振り替えられた時点で、同時担保口1111の
債券残高は100億円、当座勘定1212の資金残高は
−95億円、当座預金口座1211は−5億円、A社3
の専用口座221は−5億円となる。国債Fの購入に際
し、国債Fに対する日中OD枠金額95億円では充当で
きない5億円は、日銀ネット上ではX銀行2の資金負担
となる。このため、X銀行2は、この資金負担分をA社
3の専用口座221から減額する。次に、A社3が国債
Fの購入資金100億円を準備した時点で、当座預金口
座1211は95億円、専用口座221は95億円とな
る。そして、同時担保口1111の国債Fを顧客預り口
1113に振り替えられるとともに、当座預金口座12
11から当座勘定1212に振り替えられた時点で、同
時担保口1111の債券残高は0、顧客預り口1113
の債券残高は100億円となり、当座勘定1212、当
座預金口座12110および専用口座221の資金残高
は0になる。
【0024】以上のように本実施形態によれば、A社3
は、見かけ上、国債DVP同時担保受払機能による日中
OD枠を利用して、国債を購入することができるように
なる。従って、A社3は、取引相手から国債を受け渡さ
れる時点で、その購入資金を準備しておく必要がない。
また、X銀行2も、日中OD枠金額を国債の購入資金に
充当するので、準備資金を少なくすることができる。
【0025】なお、A社3が国債等の債券を売却する場
合には、X銀行2は債券受渡指図に従い、顧客預り口1
113にある債券を直接対外的に取引相手の債券口座に
振り替えるように、日本銀行1に対して依頼し、取引相
手から支払われる売却代金をA社3の専用口座に振り替
えるものとすることが好ましい。
【0026】[その他の実施形態]上記実施形態では、
顧客の専用口座から購入債券に対する金額を減額するに
際し、まず、取引相手の当座預金口座に振り替えるべき
金額が、国債DVP同時担保受払機能の下で享受される
日中OD枠金額を超過する場合に該超過する金額(不足
金額)を減額しておき、次に、顧客が購入債券に対する
資金を準備した段階で顧客の専用口座から前記日中当座
貸越枠金額を減額するように構成したが、不足金額と日
中OD枠金額とを合算した金額を一度に減額するように
構成してもよい。この場合には、金融機関が不足金額を
立て替えておき、顧客が購入債券に対する資金を準備し
た段階で合算金額を減額することが好ましい。また、金
融機関は、立て替えた不足金額分について金利を上乗せ
するようにしてもよい。
【0027】また、上記実施形態では、金融機関が、顧
客の購入債券を同時担保口から預り口に振り替えるよう
に、日本銀行に対して依頼を行うように構成したが、同
時担保口から自己口を介して預り口に振り替えるように
構成してもよい。
【0028】上記実施形態は、本発明を説明するための
例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する
趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、
さまざまな形態で実施することができる。例えば、上記
実施形態では、決済システムの動作をシーケンシャルに
説明したが、特にこれにこだわるものではない。動作に
矛盾が生じない限り、処理の順序を入れ替えまたは並行
動作するように構成しても良い。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、日本銀行に当座預金口
座を有しない者または当座預金口座を有する者であって
当該取引に関する事務処理を前記外部金融機関に委託す
る者等が、見かけ上、国債DVP同時担保受払機能によ
る日中ODを利用して、国債等の債券の購入することが
できるようになる。
【0030】特に、本発明によれば、各債券口座間の債
券移動と、資金口座間の資金移動とを適時なタイミング
でおこなっているので、決済代行業務を行う金融機関お
よび顧客のそれぞれの取引リスクを最小限にすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る決済システムの全体スキームを説
明するためのブロックダイアグラムである。
【図2】債券購入時の全体処理の流れを説明するための
フローチャートである。
【図3】債券購入時の全体処理の流れを説明するための
フローチャートである。
【図4】国債受渡受付案内の一例を示す図である。
【図5】資金受渡依頼の一例を示す図である。
【図6】国債受渡・担保返戻依頼の一例を示す図であ
る。
【図7】資金受渡依頼の一例を示す図である。
【図8】国債資金同時受渡・担保返戻済通知の一例を示
す図である。
【図9】債券残高および資金残高の推移を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1…日本銀行 2…金融機関 3…顧客 11…債券口座システム 12…当座預金口座システム 21…当座預金国債決済システム 22…勘定系システム 23…証券系システム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】日本銀行が提供する日本銀行金融ネットワ
    ークシステムに参加する金融機関の決済システムであっ
    て、国債DVP同時担保受払機能の下、 所定の債券を取引相手から購入するための債券受渡指図
    を顧客から受け付けるとともに、前記所定の債券が前記
    取引相手の債券口座から自身の同時担保口に振り替えら
    れる旨の受付案内を前記日本銀行から受け付けて、 前記所定の債券を前記取引相手の債券口座から自身の同
    時担保口に振り替える一方、自身の当座勘定から前記取
    引相手の当座預金口座に前記所定の債券に対する金額を
    振り替えるための第1の依頼を行い、 前記顧客の専用口座の支払可能残高が所定の条件を満た
    す場合に、前記顧客の専用口座から前記日中当座貸越枠
    金額を減額し、 前記日本銀行に対して、前記同時担保口から自身の顧客
    預り口に前記所定の債券を振り替える一方、自身の当座
    預金口座から前記当座勘定に前記日中当座貸越枠金額を
    振り替えるための第2の依頼を行い、 前記所定の債券に対する金額を前記顧客の債券口座に増
    額することを特徴とする決済システム。
  2. 【請求項2】前記決済システムは、 前記第1の依頼に基づき前記取引相手の当座預金口座に
    振り替えるべき金額が、前記同時担保口に振り替えられ
    ることにより享受される日中当座貸越枠金額を超過する
    場合に、該超過する分の金額を前記顧客の専用口座から
    減額することを特徴とする請求項1記載の決済システ
    ム。
  3. 【請求項3】前記決済システムは、 前記顧客によって前記所定の債券に対する金額が前記顧
    客の専用口座に振り替えられることにより、前記顧客の
    専用口座の支払可能残高から前記日中当座貸越枠金額を
    減額可能になった場合に、前記顧客の専用口座から前記
    日中当座貸越枠金額を減額することを特徴とする請求項
    1記載の決済システム。
  4. 【請求項4】日本銀行が提供する日本銀行金融ネットワ
    ークシステムに参加する金融機関が顧客とその取引相手
    との間における債券の受渡決済を代行するための決済シ
    ステムであって、 前記決済システムは、 顧客から所定の指図を受け付ける顧客窓口機能と、 前記日本銀行から所定の案内を受け付ける一方、前記日
    本銀行に対し所定の依頼を発する日本銀行窓口機能と、 前記顧客の専用口座の資金残高を管理する専用口座管理
    機能と、 前記顧客の債券口座の債券残高を管理する債券口座管理
    機能と、を備え、 前記顧客窓口機能が、所定の債券を取引相手から購入す
    るための債券受渡指図を受け付けるとともに、前記日本
    銀行窓口機能が、前記取引相手の債券口座から自身の同
    時担保口に前記所定の債券が振り替えられる旨の受付案
    内を受け付けた場合に、 前記日本銀行窓口機能は、前記所定の債券を前記取引相
    手の債券口座から自身の同時担保口に振り替える一方、
    自身の当座勘定から前記取引相手の当座預金口座に前記
    所定の債券に対する金額を振り替えるため依頼を行い、 前記専用口座管理機能は、前記顧客の専用口座の支払可
    能残高が所定の条件を満たす場合に、前記顧客の専用口
    座から前記日中当座貸越枠金額を減額し、 前記日本銀行窓口機能は、前記同時担保口から前記預り
    口に前記所定の債券を振り替える一方、自身の当座預金
    口座から前記当座勘定に前記日中当座貸越枠金額を振り
    替えるための依頼を行い、 前記債券口座管理機能は、前記所定の債券に対する金額
    に基づいて前記顧客の債券口座を増額することを特徴と
    する決済システム。
  5. 【請求項5】前記決済システムは、 前記専用口座管理機能は、前記依頼に基づき前記取引相
    手の当座預金口座に振り替えるべき金額のうち、国債D
    VP同時担保受払機能の下で前記同時担保口に振り替え
    られることにより享受される日中当座貸越枠金額を超過
    する分の金額を前記顧客の専用口座から減額することを
    特徴とする請求項4記載の決済システム。
  6. 【請求項6】日本銀行が提供する日本銀行金融ネットワ
    ークシステムに参加する金融機関の決済方法であって、
    国債DVP同時担保受払機能の下、 所定の債券を取引相手から購入するための債券受渡指図
    を顧客から受け付けるとともに、前記所定の債券が前記
    取引相手の債券口座から自身の同時担保口に振り替えら
    れる旨の受付案内を前記日本銀行から受け付けて、 前記所定の債券を前記取引相手の債券口座から自身の同
    時担保口に振り替える一方、自身の当座勘定から前記取
    引相手の当座預金口座に前記所定の債券に対する金額を
    振り替えるための第1の依頼を行い、 前記顧客の専用口座の支払可能残高が所定の条件を満た
    す場合に、前記顧客の専用口座から前記日中当座貸越枠
    金額を減額し、 前記日本銀行に対して、前記同時担保口から自身の顧客
    預り口に前記所定の債券を振り替える一方、自身の当座
    預金口座から前記当座勘定に前記日中当座貸越枠金額を
    振り替えるための第2の依頼を行い、 前記所定の債券に対する金額を前記顧客の債券口座に増
    額することを特徴とする決済方法。
  7. 【請求項7】前記決済方法は、 前記第1の依頼に基づき前記取引相手の当座預金口座に
    振り替えるべき金額が、前記同時担保口に振り替えられ
    ることにより享受される日中当座貸越枠金額を超過する
    場合に、該超過する分の金額を前記顧客の専用口座から
    減額することを特徴とする請求項5記載の決済方法。
JP2000087212A 2000-03-27 2000-03-27 決済システムおよび決済方法 Pending JP2001273396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087212A JP2001273396A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 決済システムおよび決済方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087212A JP2001273396A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 決済システムおよび決済方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001273396A true JP2001273396A (ja) 2001-10-05

Family

ID=18603255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000087212A Pending JP2001273396A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 決済システムおよび決済方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001273396A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083743A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Fujitsu Limited Programme de remise de fonds projetee

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083743A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Fujitsu Limited Programme de remise de fonds projetee

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8015085B2 (en) System for distributing funds
US8025217B2 (en) Method and system to create and distribute excess funds from consumer spending transactions
US6598028B1 (en) Computer-implemented universal financial management/translation system and method
US6112191A (en) Method and system to create and distribute excess funds from consumer spending transactions
US7206763B2 (en) Method and system for commodity-based currency for payment of accounts
US20030225619A1 (en) System and method for dealing with loyalty program points
US20010044756A1 (en) Payroll deduction system and method including provision for financing and dispute resolution
US20140289106A1 (en) System and method for intraday netting payment finality with supplemental funding
US20120317032A1 (en) Linking a financial card with a merchant account
US20080208736A1 (en) System and method for settling trades in a digital merchant exchange
US20110231307A1 (en) System facilitating tri-party repurchase agreement transactions
WO2002025537A9 (en) Clearing system for an electronic-based market
JP2002041783A (ja) 電子マネー発行方法、電子マネー、電子マネー発行サーバ、利用者端末及び電子マネー発行システム
Arjani et al. A Primer on Canada's Large Value Transfer System
RU2639950C2 (ru) Способ и система для обеспечения кредитных сделок, а также связанная с ними компьютерная программа
US20090192946A1 (en) Electronic financing and collateralization method for securities
JP2001243400A (ja) 関連口座を用いた口座管理システム
Herbst-Murphy Clearing and settlement of interbank card transactions: A mastercard tutorial for federal reserve payments analysts
KR101699536B1 (ko) 하이브리드 계좌를 이용한 자동투자 관리 방법 및 이를 수행하기 위한 시스템
WO2008027901A2 (en) Method, system, and apparatus for remittance processing over a network
TWM631250U (zh) 換匯交易管理系統
US20070162382A1 (en) System and method for transferring funds from the united states to nationals in ofac-regulated countries
GB2363646A (en) Banking operation system
JP2001273396A (ja) 決済システムおよび決済方法
JP2001195528A (ja) 決済システムおよび決済処理方法