JP2001269172A - 新規なcDNAサブトラクション法 - Google Patents
新規なcDNAサブトラクション法Info
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Abstract
(ドライバ)由来のmRNAを含むRNAにおいて、テ
スタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含む核
酸を単離及び増幅する方法であって、テスタ及びドライ
バの一方に由来するRNAに相同的な一本鎖核酸と、他
方に由来するRNAに相補的な一本鎖核酸との間でのハ
イブリダイゼーションを行うことを特徴とする前記方法
を提供する。 【効果】 本発明により、広範の機能又は形質を示す細
胞組織に特異的に発現する遺伝子や病原体のRNA由来
の部分配列を有する核酸を単離・増幅することが可能と
なり、さらに、これらをクローニングすることが可能と
なる。
Description
存在するRNAの部分配列の単離及び増幅に関する。詳
しくは、任意の生物機能・形質の異なる細胞及び組織間
において、その機能若しくは形質を示す細胞若しくは組
織に特異に存在するRNA断片の単離及び増幅に関す
る。
クローニングする方法として、cDNAサブトラクショ
ン法が知られる。多細胞生物は、同一の遺伝情報を持ち
ながら、その発現様式の違いにより、別の機能・形質を
示す細胞へと分化していると考えられている。組織特異
的に発現する遺伝子を単離することは、その機能若しく
は形質発現の機構解明のために重要な第一歩となるばか
りでなく、それらの遺伝子は、その機能・形質を司る重
要な作用を持つ有用な機能タンパク質である可能性があ
り、さまざまな産業上の利用が期待できる。
質の異なる細胞組織間で発現量の違う遺伝子の部分的な
cDNAを濃縮してクローニングする方法であり、該方
法では、まず、ある機能・形質を示す組織(以下「テス
タ(tester)」という。)と、それらを示さない若しくは
それらとは違う組織(以下「ドライバ(driver)」とい
う。)からmRNAを抽出して、2本鎖cDNAの合成
を行う。次いで、テスタ及びドライバ由来のcDNAを
それぞれ別々の(異なった切断面を生じる)制限酵素で
切断し、両cDNAを熱変性等で1本鎖に解離させた後
に、テスタ由来のcDNAに過剰量のドライバ由来のc
DNAを加えて2本鎖を再形成させる(サブトラクティ
ブハイブリダイゼーション)。このとき、テスタ由来の
cDNA群において、ドライバのそれと共通の配列を有
する、すなわち、テスタとドライバの両組織で発現して
いる遺伝子由来のcDNAは、過剰量加えたドライバ由
来のcDNAとハイブリッドを形成するが、テスタでの
み発現している遺伝子由来のcDNAは、もとの2本鎖
を形成する。その後、テスタ由来のcDNAと同じ制限
酵素で切断したプラスミドベクターにライゲーションす
ることにより、テスタ由来のcDNAにおいて、元と同
じ2本鎖を形成したcDNAだけがクローニングされ
る。
バの双方において発現する遺伝子由来のcDNAであっ
ても、その一部はもとの2本鎖を形成し、その結果、両
組織で発現している遺伝子、すなわち、その機能・形質
の発現にはあまり関わりのない遺伝子(以下、「非特異
遺伝子」という。)のcDNAもクローニングされるこ
とになる。従って、上記の方法では、テスタで特異的に
発現する遺伝子(以下「特異遺伝子」という。)のcD
NAを濃縮することはできるが、単離してクローニング
することはできない。
ーニングを回避するために、ドライバ由来のcDNAを
より過剰に加えることが考えられるが、その場合、特異
遺伝子がもとの2本鎖を形成する可能性を低くすること
となり、特に、少量しか発現していない特異遺伝子の単
離が困難となる。
に増幅する方法としてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
法がある。このPCRを工程に加えたリプレゼンテーシ
ョナル・ディフェレンス・アナリシス(RDA)法(Lisit
syn, N., Lisitsyn, N. andWigler, M., Science 259
(1993) p.946)が報告され、さらに、その改良法(Gurs
kaya, N.G., Diatchenko, L., Chenchik, A., Siebert,
P.D., Khaspekov, G.L., Lukyanov, K.A., Vagner, L.
L., Ermolaeva, O.D., Lukyanov, S.A. and Sverdlov,
E.D., Analytical Biochemistry 240 (1996) p.90)が
報告された。これは、上記のサブトラクティブハイブリ
ダイゼーションを行い、テスタ由来で元の2本鎖を形成
した分子だけがPCRにより指数関数的に増幅されるこ
とを特徴とする方法で、その利点としては、最初の過程
でcDNAの合成に用いるmRNAの量が少なくてすむ
こと、特異遺伝子を増幅して単離することから、少量し
か発現していない特異遺伝子をクローニングできる可能
性が従来法に比べて高まったことが挙げられる。
ーションを2本鎖DNAで行うために非特異遺伝子の増
幅を回避できず、従って、特異遺伝子と非特異遺伝子を
完全に分離できないという欠点は、従来法と変わらな
い。一方、特定のRNA断片を指数関数的に増幅する方
法として、Nucleic Acid Sequence-Based Amplificatio
n(NASBA)法が考案された(Davey and Malek, 1989,
欧州特許第0329822号公報)。NASBA法は、PCR
法と比較して、いくつかの点で違う特徴がある。その特
徴の1つに、PCRがDNAを鋳型にして2本鎖DNA
を増幅するのに対し、NASBAは、基本的に1本鎖R
NAを鋳型にそれに相補的な1本鎖RNAを増幅できる
という点がある。
形質を示す細胞組織に特異的に発現する遺伝子が低発現
量のものであってもよく、かつ、非特異的なものと完全
に分離することのできる、前記特異的遺伝子の塩基配列
を含む核酸の効果的な単離及び増幅方法を提供すること
を目的とする。
を解決するために鋭意研究を行った結果、テスタ及びド
ライバ組織から抽出した少量のRNAから、部分的な一
本鎖の相補RNA(テスタ由来)と相同RNA(ドライ
バ由来)をNASBA法により増幅し、テスタの相補R
NAと過剰量のドライバの相同RNA間でハイブリダイ
ゼーションを行うことにより、ドライバの相同RNAに
相補性をもつテスタの相補RNAを全て2本鎖のハイブ
リッドとし、その後にドライバの相同RNAを取り除く
ことにより、テスタに特異的に存在するRNAの相補R
NAを単離できることを見出し、本発明に至った。
タ)と別の生物組織(ドライバ)由来のmRNAを含む
RNAにおいて、テスタに特異的に存在する遺伝子の部
分塩基配列を含む核酸を単離及び増幅する方法であっ
て、テスタ及びドライバの一方に由来するRNAに相同
的な一本鎖核酸と、他方に由来するRNAに相補的な一
本鎖核酸との間でのハイブリダイゼーションを行うこと
を特徴とする前記方法を提供する。
して、テスタの抽出RNAに相補若しくは相同な任意の
部分塩基配列を含む1本鎖核酸、及びドライバの抽出R
NAに相同若しくは相補な任意の部分塩基配列を含む1
本鎖核酸を増幅する工程;
ドライバ由来の1本鎖核酸との間でハイブリダイゼーシ
ョンを行って、2本鎖を形成した核酸を除去する工程;
及び(C)前記(B)の工程においてハイブリダイゼー
ションされなかった1本鎖核酸に相同又は相補な1本鎖
核酸を増幅する工程;を含む。ここで、前記1本鎖核酸
は、好ましくは1本鎖RNAである。
は、任意の複数の塩基配列からなる混合プライマーのペ
アを用いるNASBAによって1本鎖RNAを増幅する
ことを含む。前記(A)の工程は、好ましくは、以下の
工程: (a)テスタ由来の抽出RNA及びドライバ由来の抽出
RNAをそれぞれ鋳型として、(i)任意の複数の塩基
配列からなる第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー、
並びに(ii)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合
オリゴヌクレオチドからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、それぞれの抽出RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;
来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第1
の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加された
T7プロモータからなるプライマー、並びに(ii)前記
第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れた任意の1種の塩基配列からなる第3のオリゴヌクレ
オチドからなるプライマーを用いてNASBAを行うこ
とにより、前記相補的1本鎖RNAに相同的な1本鎖R
NAを増幅する工程;
由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第
1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たオリゴdTからなるプライマー、並びに(ii)前記第
2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たT7プロモータからなるプライマーを用いてNASB
Aを行うことにより、前記相補的1本鎖RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;を含む。
好ましくは、前記(B)の工程においてハイブリダイゼ
ーションされなかった1本鎖RNAを鋳型として、
(i)前記第3のオリゴヌクレオチド及びその5'末端に
付加されたT7プロモータからなるプライマー、並びに
(ii)前記第1の混合オリゴヌクレオチドからなるプラ
イマーを用いてNASBAを行うことにより、前記1本
鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する工程を含
む。あるいは、前記(C)の工程は、好ましくは、前記
(B)の工程においてハイブリダイゼーションされなか
った1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第3のオリ
ゴヌクレオチドからなるプライマー、並びに(ii)前記
第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れたT7プロモータからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、前記1本鎖RNAに相同的な1
本鎖RNAを増幅する工程を含む。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第3のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドで
ある。
は、以下の工程: (a)テスタ由来の抽出RNA及びドライバ由来の抽出
RNAをそれぞれ鋳型として、(i)任意の複数の塩基
配列からなる第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー、
並びに(ii)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合
オリゴヌクレオチドからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、それぞれの抽出RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;
来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第1
の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加された
任意の1種の塩基配列からなる第4のオリゴヌクレオチ
ドからなるプライマー、並びに(ii)前記第2の混合オ
リゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プロ
モータからなるプライマーを用いてNASBAを行うこ
とにより、前記相補的1本鎖RNAに相補的な1本鎖R
NAを増幅する工程;
由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第
1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たT7プロモータからなるプライマー、並びに(ii)前
記第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加
されたオリゴdTからなるプライマーを用いてNASB
Aを行うことにより、前記相補的1本鎖RNAに相同的
な1本鎖RNAを増幅する工程;を含む。
好ましくは、前記(B)の工程においてハイブリダイゼ
ーションされなかった1本鎖RNAを鋳型として、
(i)前記第4のオリゴヌクレオチド及びその5'末端に
付加されたT7プロモータからなるプライマー、並びに
(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチドからなるプラ
イマーを用いてNASBAを行うことにより、前記1本
鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する工程を含
む。あるいは、前記(C)の工程は、好ましくは、前記
(B)の工程においてハイブリダイゼーションされなか
った1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第4のオリ
ゴヌクレオチドからなるプライマー、並びに(ii)前記
第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れたT7プロモータからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、前記1本鎖RNAに相同的な1
本鎖RNAを増幅する工程を含む。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第4のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列に相補的な塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドである。
工程: (D)前記(C)の工程で増幅される1本鎖核酸を鋳型
として、2本鎖DNAを増幅する工程;をさらに含む。
さらに、本発明は、ある生物組織(テスタ)と別の生物
組織(ドライバ)由来のmRNAを含むRNAにおい
て、テスタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を
含むDNAをクローニングする方法であって、テスタ及
びドライバの一方に由来するRNAに相同的な一本鎖核
酸と、他方に由来するRNAに相補的な一本鎖核酸との
間でのハイブリダイゼーションを行うことを特徴とする
前記方法を提供する。
して、テスタの抽出RNAに相補若しくは相同な任意の
部分塩基配列を含む1本鎖核酸、及びドライバの抽出R
NAに相同若しくは相補な任意の部分塩基配列を含む1
本鎖核酸を増幅する工程; (B)テスタ由来の1本鎖核酸と過剰量のドライバ由来
の1本鎖核酸との間でハイブリダイゼーションを行っ
て、2本鎖を形成した核酸を除去する工程; (C)前記(B)の工程においてハイブリダイゼーショ
ンされなかった1本鎖核酸に相同又は相補な1本鎖核酸
を増幅する工程;
鎖核酸を鋳型として、2本鎖DNAを増幅する工程;及
び (E)前記(D)の工程で増幅される2本鎖DNAをベ
クター中に組み込み、得られる組換えベクターを用いて
宿主を形質転換する工程; を含む。ここで、前記1本鎖核酸は、好ましくは、1本
鎖RNAである。前記(A)及び(C)の工程は、好ま
しくは、任意の複数の塩基配列からなる混合プライマー
のペアを用いるNASBAによって1本鎖RNAを増幅
することを含む。
工程: (a)テスタ由来の抽出RNA及びドライバ由来の抽出
RNAをそれぞれ鋳型として、(i)任意の複数の塩基
配列からなる第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー、
並びに(ii)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合
オリゴヌクレオチドからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、それぞれの抽出RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;
来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第1
の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加された
T7プロモータからなるプライマー、並びに(ii)前記
第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れた任意の1種の塩基配列からなる第3のオリゴヌクレ
オチドからなるプライマーを用いてNASBAを行うこ
とにより、前記相補的1本鎖RNAに相同的な1本鎖R
NAを増幅する工程;
由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第
1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たオリゴdTからなるプライマー、並びに(ii)前記第
2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たT7プロモータからなるプライマーを用いてNASB
Aを行うことにより、前記相補的1本鎖RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;を含む。
好ましくは、前記(B)の工程においてハイブリダイゼ
ーションされなかった1本鎖RNAを鋳型として、
(i)前記第3のオリゴヌクレオチド及びその5'末端に
付加されたT7プロモータからなるプライマー、並びに
(ii)前記第1の混合オリゴヌクレオチドからなるプラ
イマーを用いてNASBAを行うことにより、前記1本
鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する工程を含
む。あるいは、前記(C)の工程は、好ましくは、前記
(B)の工程においてハイブリダイゼーションされなか
った1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第3のオリ
ゴヌクレオチドからなるプライマー、並びに(ii)前記
第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れたT7プロモータからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、前記1本鎖RNAに相同的な1
本鎖RNAを増幅する工程を含む。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第3のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドで
ある。
は、以下の工程: (a)テスタ由来の抽出RNA及びドライバ由来の抽出
RNAをそれぞれ鋳型として、(i)任意の複数の塩基
配列からなる第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー、
並びに(ii)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合
オリゴヌクレオチドからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、それぞれの抽出RNAに相補的
な1本鎖RNAを増幅する工程;
来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第1
の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加された
任意の1種の塩基配列からなる第4のオリゴヌクレオチ
ドからなるプライマー、並びに(ii)前記第2の混合オ
リゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プロ
モータからなるプライマーを用いてNASBAを行うこ
とにより、前記相補的1本鎖RNAに相補的な1本鎖R
NAを増幅する工程;
由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第
1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加され
たT7プロモータからなるプライマー、並びに(ii)前
記第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加
されたオリゴdTからなるプライマーを用いてNASB
Aを行うことにより、前記相補的1本鎖RNAに相同的
な1本鎖RNAを増幅する工程;を含む。
好ましくは、前記(B)の工程においてハイブリダイゼ
ーションされなかった1本鎖RNAを鋳型として、
(i)前記第4のオリゴヌクレオチド及びその5'末端に
付加されたT7プロモータからなるプライマー、並びに
(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチドからなるプラ
イマーを用いてNASBAを行うことにより、前記1本
鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する工程を含
む。あるいは、前記(C)の工程は、好ましくは、前記
(B)の工程においてハイブリダイゼーションされなか
った1本鎖RNAを鋳型として、(i)前記第4のオリ
ゴヌクレオチドからなるプライマー、並びに(ii)前記
第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加さ
れたT7プロモータからなるプライマーを用いてNAS
BAを行うことにより、前記1本鎖RNAに相同的な1
本鎖RNAを増幅する工程を含む。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第4のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列に相補的な塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドである。
ア: (A)(i)任意の複数の塩基配列からなる第1の混合
オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プ
ロモータからなるプライマー:並びに(ii)任意の複数
の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌクレオチドから
なるプライマー:からなる、テスタ及びドライバから抽
出したRNAを鋳型としてそれぞれの任意の部分に相補
な1本鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマ
ーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌ
クレオチド及びその5'末端に付加された任意の1種の塩
基配列からなる第3のオリゴヌクレオチドからなるプラ
イマー:からなる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを
鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅する
ためのNASBA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたオリゴdTからなる
プライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレ
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:からなる、ドライバ由来の相補的1本
鎖RNAを鋳型として該RNAに相補的な1本鎖RNA
を増幅するためのNASBA用プライマーペア;
ド及びその5'末端に付加されたT7プロモータからなる
プライマー:及び(ii)前記第1の混合オリゴヌクレオ
チドからなるプライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア、又は(i)前記第3
のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:及び(ii)
前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付
加されたT7プロモータからなるプライマー:からな
る、1本鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本
鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマーペ
ア;を含む、テスタとドライバ由来のmRNAを含むR
NAにおいて、テスタに特異的に存在する遺伝子の部分
塩基配列を含む核酸を単離及び増幅するためのプライマ
ーセットを提供する。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第3のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドで
ある。
ア: (A)(i)任意の複数の塩基配列からなる第1の混合
オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プ
ロモータからなるプライマー:並びに(ii)任意の複数
の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌクレオチドから
なるプライマー:からなる、テスタ及びドライバから抽
出したRNAを鋳型としてそれぞれの任意の部分に相補
な1本鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマ
ーペア;
オチド及びその5'末端に付加された任意の1種の塩基配
列からなる第4のオリゴヌクレオチドからなるプライマ
ー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及
びその5'末端に付加されたT7プロモータからなるプラ
イマー:からなる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを
鋳型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する
ためのNASBA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌ
クレオチド及びその5'末端に付加されたオリゴdTから
なるプライマー:からなる、ドライバ由来の相補的1本
鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNA
を増幅するためのNASBA用プライマーペア;
ド及びその5'末端に付加されたT7プロモータからなる
プライマー:及び(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオ
チドからなるプライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア、又は(i)前記第4
のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:及び(ii)
前記第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付
加されたT7プロモータからなるプライマー:からな
る、1本鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本
鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマーペ
ア;を含む、テスタとドライバ由来のmRNAを含むR
NAにおいて、テスタに特異的に存在する遺伝子の部分
塩基配列を含む核酸を単離及び増幅するためのプライマ
ーセットを提供する。
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第4のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列に相補的な塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドである。
ライバ)由来のmRNAを含むRNAにおいて、テスタ
に特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含む核酸を
単離及び増幅する方法に関し、該方法は、テスタ及びド
ライバの一方に由来するRNAに相同的な一本鎖核酸
と、他方に由来するRNAに相補的な一本鎖核酸との間
でのハイブリダイゼーションを行うことを特徴とする。
さらに、該方法により単離及び増幅された核酸を用い
て、テスタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を
含む2本鎖DNAをクローニングすることができる。
からのRNAの抽出、各抽出RNAに対する部分的な1
本鎖核酸の増幅、サブトラクティブ・ハイブリダイゼー
ションによるテスタに特異的な1本鎖核酸の単離、単離
された1本鎖核酸に相同又は相補な1本鎖核酸の増幅の
各工程により行うことが好ましい。以下、これらの工程
を分説する。
Aの抽出 テスタとドライバの両細胞組織からRNA、好ましくは
全RNAを抽出する。生物組織からのRNAの抽出は、
当業者に公知の方法を用いて行うことができ、また、市
販のキットを用いて行うこともできる。例えば、生物組
織からの全RNAの抽出は、液体窒素で凍結後、細胞組
織を磨砕し、グアニジウムチオシアネートやフェノール
・クロロホルム溶液等で全RNAを抽出してエタノール
沈殿等によりこれを回収することにより行うことができ
る。その具体的な操作方法は、Molecular Cloning(Man
iatisら、A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour
Laboratory Press, 1982)等に記載されている。
鎖核酸の増幅 テスタ及びドライバから抽出したRNAを鋳型として、
テスタの抽出RNAに相補若しくは相同な任意の部分塩
基配列を含む1本鎖核酸、及びドライバの抽出RNAに
相同若しくは相補な任意の部分塩基配列を含む1本鎖核
酸を増幅する。ここで、前記1本鎖核酸は、DNAまた
はRNAのどちらであってもよいが、好ましくはRNA
である。前記1本鎖核酸がRNAである場合には、上記
増幅は、例えば、NASBA(Nucleic Acid Sequence
Based Amplification)によって行うことができる。
増幅を目的に行われる。その場合、目的とする塩基配列
の両端の配列に相当する2つのオリゴヌクレオチドプラ
イマーの中で、その5'末端側にRNAポリメラーゼのプ
ロモーター配列が付加された相補プライマーと標的RN
Aとのアニーリング、逆転写酵素によるcDNAの合
成、前記反応で生じたRNA-DNAのハイブリッドに
おけるRNAのRNA分解酵素による分解、前記反応で
合成されたcDNAへの相同プライマーのアニーリング
と逆転写酵素によるDNA合成、前記反応で生じたRN
Aポリメラーゼのプロモーター配列の下流に標的配列が
続く2本鎖DNAを鋳型にしたRNAポリメラーゼによ
る相補RNAの大量合成、合成された相補RNAを鋳型
として上記一連の反応が繰り返されることにより前記の
相補RNAが指数関数的に増幅される。ここで、RNA
ポリメラーゼとしては、当業者に公知のものを用いるこ
とができるが、好ましくはT7RNAポリメラーゼを用
いる。逆転写酵素としては、当業者に公知のものを用い
ることができるが、好ましくはAMV−RTを用いる。
また、RNA分解酵素としては、当業者に公知のものを
用いることができるが、好ましくはRNaseHを用いる。そ
の他、各種ヌクレオチド、DTT、MgCl2、DMSO、K
Cl溶液、水等、必要となる試薬は、当業者であれば容易
に選択することができる。また、反応温度、反応時間等
の反応条件も、当業者であれば容易に設定することがで
きる。あるいは、NASBAは、NASBA Amplification
Kit(ORGANON TEKNIKA)等の市販のキットを用い、添付
の説明書に従って行ってもよい。なお、NASBAの詳
しい原理、具体的な操作方法は、例えばMolecular Meth
ods for Virus Detection(Sooknananら、pp. 261-28
5、Academic Press)に掲載されている。本発明の好ま
しい実施形態では、本工程において、上記(1)で得ら
れる各抽出RNAから任意の同等の部分的相補RNAを
増幅するための第1のNASBA、及び該部分的相補R
NAから相補又は相同RNAを増幅するための第2のN
ASBAを行う。
る各抽出RNAから同等の部分的相補RNAを増幅する
ために、各NASBAを同一のプライマーペアを用いて
行う。また、各抽出RNA、すなわち、鋳型にする抽出
RNA集団の多様性をできるだけ保存した相補RNAが
増幅されるように、プライマーとしては、好ましくは12
8〜256種類の複数の塩基配列からなる混合オリゴヌクレ
オチドを用いる。但し、該混合ヌクレオチドは、若干の
特異性を確保するために3'末端の3塩基は共通の塩基と
することが好ましい。第1のNASBAでは、テスタ由
来の抽出RNA及びドライバ由来の抽出RNAから同等
な部分的相補RNAが得られればよく、特定の領域を標
的とするものではないため、プライマーの塩基配列はい
かなるものであってもよい。また、プライマーの塩基数
は特に制限されないが、好ましくは16塩基以上、より
好ましくは23塩基以上とする。ここで、第1のNAS
BAにおいて用いられる、抽出RNAに相補的なプライ
マーとして用いることが意図されるオリゴヌクレオチド
を「第1の混合オリゴヌクレオチド」、相同的なプライ
マーとして用いることが意図されるオリゴヌクレオチド
を「第2の混合オリゴヌクレオチド」という。第1の混
合オリゴヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1で
表わされる塩基配列を有するものが挙げられ、第2の混
合オリゴヌクレオチドとしては、例えば、配列番号4で
表わされる塩基配列を有するものが挙げられる。
プライマーは、その5'末端にRNAポリメラーゼのプロ
モーターを付加させておく必要がある。このようなプロ
モーターはいずれのRNAポリメラーゼに対するもので
あってもよいが、好ましくはT7RNAポリメラーゼの
プロモーター、すなわちT7プロモータである。従っ
て、第1のNASBAで用いる相補プライマーとして
は、例えば、配列番号1で表わされる塩基配列の5'末端
にT7プロモータ配列を付加した塩基配列、すなわち、
配列番号2で表わされる塩基配列を有するオリゴヌクレ
オチドが挙げられ、相同プライマーとしては、例えば、
配列番号4で表わされる塩基配列を有するオリゴヌクレ
オチドが挙げられる(図1中の(1)を参照された
い)。
反応液中には、指数関数的に増幅した相補RNAの他
に、その転写の鋳型となった2本鎖DNAと2種類のプ
ライマーが含まれている。これらが次に行う第2のNA
SBAの反応液に混入すると、再度第1のNASBA産
物と同一の相補RNAが増幅する可能性があるので、こ
れらを取り除く必要がある。その方法としては、大腸菌
由来のDNA分解酵素(例えば、DNase I)で処理し
て、ゲル濾過マイクロスピンカラム等(例えば、MicroS
pin S-400 HR Columns、アマシャムファルマシア社)
で、増幅した相補RNAと分離して低分子化したDNA
を取り除くことができる。
イバの両組織から増幅した相補RNAを鋳型として、さ
らに、それぞれ別々のプライマーを用いた第2のNAS
BAを行う。第2のNASBAでは、テスタからの相補
RNAに相同的な1本鎖RNA及びドライバからの相補
RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するか(本発明の
第1の実施形態)、あるいは、テスタからの相補RNA
に相補的な1本鎖RNA及びドライバからの相補RNA
に相同的な1本鎖RNAを増幅する(本発明の第2の実
施形態)。いずれの場合においても、プライマーとして
は、第1の混合オリゴヌクレオチドを有するプライマー
及び第2の混合オリゴヌクレオチドを有するプライマー
を用いる。
の相補RNAに相同的な1本鎖RNA及びドライバから
の相補RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する。この
場合において、前者の増幅のためのNASBAでは、前
記第1の混合オリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポリ
メラーゼのプロモーターを付加させ、後者の増幅のため
のNASBAでは、前記第2の混合オリゴヌクレオチド
の5'末端にRNAポリメラーゼのプロモーターを付加さ
せる。また、前者の増幅のためのNASBAでは、後で
行うサブトラクティブ・ハイブリダイゼーション後にテ
スタ由来のRNAだけが増幅可能となるように、前記第
2の混合オリゴヌクレオチドの5'末端に任意の1種の
(共通の)オリゴヌクレオチドを付加させる。該オリゴ
ヌクレオチドはいかなる配列を含んでいてもよいが、そ
の塩基数はそれ自体が単独でプライマーとして機能し得
る程度とし、好ましくは16塩基〜25塩基、より好ま
しくは約20塩基とする。ここで用いる該オリゴヌクレ
オチドを「第3のオリゴヌクレオチド」という。第3の
オリゴヌクレオチドとしては、例えば、配列番号7で表
わされる塩基配列を有するものが挙げられる。一方、後
者の増幅のためのNASBAでは、後で行うサブトラク
ティブ・ハイブリダイゼーション後に、ドライバ由来の
RNAを取り除くために、前記第1の混合オリゴヌクレ
オチドの5'末端にオリゴdTを付加させる。該オリゴd
Tの塩基数は、特に制限されないが、好ましくは20塩
基〜50塩基、より好ましくは25塩基〜30塩基とす
る。
補RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅するための第2
のNASBAでは、例えば、配列番号2で表わされる塩
基配列を有する混合オリゴヌクレオチド及び配列番号6
で表わされる塩基配列を有する混合オリゴヌクレオチド
をプライマーとして用いる。また、ドライバからの相補
RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するための第2の
NASBAでは、例えば、配列番号3で表わされる塩基
配列を有する混合オリゴヌクレオチド及び配列番号5で
表わされる塩基配列を有する混合オリゴヌクレオチドを
プライマーとして用いる(図1中の(2)を参照された
い)。
の相補RNAに相補的な1本鎖RNA及びドライバから
の相補RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅する。この
場合において、前者の増幅のためのNASBAでは、前
記第2の混合オリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポリ
メラーゼのプロモーターを付加させ、後者の増幅のため
のNASBAでは、前記第1の混合オリゴヌクレオチド
の5'末端にRNAポリメラーゼのプロモーターを付加さ
せる。また、前者の増幅のためのNASBAでは、後で
行うサブトラクティブ・ハイブリダイゼーション後にテ
スタ由来のRNAだけが増幅可能となるように、前記第
1の混合オリゴヌクレオチドの5'末端に任意の1種の
(共通の)オリゴヌクレオチドを付加させる。該オリゴ
ヌクレオチドはいかなる配列を含んでいてもよいが、そ
の塩基数はそれ自体が単独でプライマーとして機能し得
る程度とし、好ましくは16塩基〜25塩基、より好ま
しくは約20塩基とする。ここで用いる該オリゴヌクレ
オチドを「第4のオリゴヌクレオチド」という。第4の
オリゴヌクレオチドとしては、例えば、配列番号7で表
わされる塩基配列に相補的な塩基配列を有するものが挙
げられる。一方、後者の増幅のためのNASBAでは、
後で行うサブトラクティブ・ハイブリダイゼーション後
に、ドライバ由来のRNAを取り除くために、前記第2
の混合オリゴヌクレオチドの5'末端に上記オリゴdTを
付加させる。
反応液中には、指数関数的に増幅した1本鎖RNAの他
に、その転写の鋳型となった2本鎖DNAと2種類のプ
ライマーが含まれている。これらが後に行うNASBA
の反応液に混入すると、再度上記第2のNASBA産物
と同一の1本鎖RNAが増幅する可能性があるので、こ
れらを取り除く必要がある。その方法としては、大腸菌
由来のDNA分解酵素(例えば、DNase I)で処理し
て、ゲル濾過マイクロスピンカラム等(例えば、MicroS
pin S-400 HR Columns、アマシャムファルマシア社)
で、増幅した相補RNAと分離して低分子化したDNA
を取り除くことができる。
ーションによるテスタに特異的な1本鎖核酸の単離 上記(2)で増幅したテスタ由来の1本鎖核酸とドライ
バ由来の1本鎖核酸との間で、サブトラクティブハイブ
リダイゼーションを行う。ここで、前記1本鎖核酸は、
DNAまたはRNAのどちらであってもよいが、好まし
くはRNAである。
造を解いて解離した1本鎖核酸の状態にする。0.5M程度
のナトリウム塩を含む適当な緩衝液、例えば、HEPES緩
衝液中で、テスタ由来の1本鎖核酸とその10倍量のドラ
イバ由来の1本鎖核酸を加えて、一晩ハイブリダイゼー
ションを行う。ここで、ハイブリダイゼーション後の溶
液に、さらに、10倍量のドライバ由来の相同RNAを加
えてもう一晩ハイブリダイゼーションしてもよく、これ
により、より強いストリンジェンシーで特異遺伝子の単
離ができる。
において、ドライバ由来の1本鎖核酸を取り除く。これ
により、ハイブリッドを形成したテスタ由来の1本鎖核
酸をも取り除くことができる。ドライバ由来の1本鎖核
酸は、上記(2)で述べたようにアデニンの連続配列
(ポリA鎖)が付加されている場合には、オリゴdTカラ
ムやオリゴdTビーズ、オリゴdTラテックス等で簡便に取
り除くことができる。このような操作は、当業者であれ
ば容易に行うことができる(図2中の(3)を参照され
たい)。
補な1本鎖核酸の増幅 上記(3)で得られるテスタ由来の一本鎖核酸だけを増
幅する。ここで、前記1本鎖核酸は、DNAまたはRN
Aのどちらであってもよいが、好ましくはRNAであ
る。前記1本鎖核酸がRNAである場合には、該増幅
は、NASBA法により行うことができる。
態に従った場合には、上記(3)で得られる1本鎖核酸
は、3'末端に第3のオリゴヌクレオチドの相補鎖が付加
した1本鎖RNAである。従って、この場合には、第1
の混合オリゴヌクレオチド及び第3のオリゴヌクレオチ
ドをプライマーを用いるNASBAを行う。ここで、該
1本鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する場合に
は、前記第3のオリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポ
リメラーゼのプロモーターを付加させる。また、該1本
鎖RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅する場合には、
前記第1の混合オリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポ
リメラーゼのプロモーターを付加させる(図2中の
(4)を参照されたい)。
態に従った場合には、上記(3)で得られる1本鎖核酸
は、3'末端に第4のオリゴヌクレオチドの相補鎖が付加
した1本鎖RNAである。従って、この場合には、第2
の混合オリゴヌクレオチド及び第4のオリゴヌクレオチ
ドをプライマーを用いるNASBAを行う。ここで、該
1本鎖RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する場合に
は、前記第4のオリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポ
リメラーゼのプロモーターを付加させる。また、該1本
鎖RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅する場合には、
前記第2の混合オリゴヌクレオチドの5'末端にRNAポ
リメラーゼのプロモーターを付加させる。
も、最初の熱変性過程を除いて行うことが好ましい。こ
れにより、たとえ前記溶液中にドライバ由来の1本鎖R
NAやそれとハイブリッドを形成しているテスタ由来の
1本鎖RNAが残っていても、これらは増幅されない。
なぜなら、ドライバ由来の1本鎖RNAに上記第3又は
第4のオリゴヌクレオチドがアニーリングしないこと
と、2本鎖RNAはNASBA反応の鋳型にならないか
らである。
は、そのまま標識することにより、cDNAライブラリ
ーやESTライブラリーから特異遺伝子を選抜するための
プローブとして用いることができる。例えば、テスタの
mRNAから作製したcDNAライブラリーをDNAチ
ップ上に並べ、前記の増幅RNAを標識してプローブと
してハイブリダイゼーションを行うことにより、その機
能又は形質発現に関与する遺伝子を選抜することができ
る。また、このような選抜をゲノミックライブラリーに
ついて行うことにより、特異遺伝子のプロモーターを選
抜することができる。
増幅したRNAの転写の鋳型となる2本鎖DNAも含ま
れていることから、そのまま15サイクル程度のPCRに
より単離した特異配列のcDNAを合成し、適当なベク
ター、例えばプラスミドベクターにつなぎ、該ベクター
を用いて大腸菌を形質転換することにより、テスタに特
異的な遺伝子をクローニングすることができる。このよ
うなクローニングを簡便に行うために、本発明の方法に
おいて使用するプライマーに制限酵素認識部位を含ませ
てもよい。さらに、クローニングしたDNAの塩基配列
を調べて特異的プライマーを設計し、3'及び5'RACE法に
より特異的遺伝子の全長cDNAを得ることができ、ま
た、TAIL-PCRによりそのプロモーター配列を得ることが
できる。
オチドのセットと同様の効果が期待できる別の塩基配列
のオリゴヌクレオチドセット数種を用いて、上記の工程
を行うことにより、プライマーの配列による選択性を排
除して、特異遺伝子を完全にプロファイルできるであろ
う。本発明の方法の利用方法についてより詳細に説明す
ると、以下のとおりである。
異的なcDNAの塩基配列からプライマーを設計し、テ
スタ由来のmRNAを鋳型にした3'及び5'RACE法により
組織特異的な遺伝子の全長cDNAが得られる。 (ロ)組織特異的な増幅RNA又はcDNAをプローブ
として、テスタ由来のmRNAを鋳型にしたcDNA若
しくはESTライブラリーとハイブリダイゼーションを行
い遺伝子を選抜する。例えば、DNAチップ(アレイ)
において、抽出したmRNAに代わって、上記の増幅R
NA又はcDNAをプローブとすると、mRNAのポピ
ュレーションに比べてハウスキーピング遺伝子の部分配
列は除かれていることと、組織特異的に発現はしていて
も微量しか発現していない遺伝子のそれは、逆にNAS
BAにより指数関数的に増幅していることから、組織特
異的な発現遺伝子を強調して選抜できると思われる。
特異的に働くプロモーターを組織特異的な増幅cDNA
の塩基配列からプライマーを設計し、TAIL-PCRを行う
か、それらをプローブとしてゲノミックライブラリーと
のハイブリダイゼーションから選抜できる。 (ニ)未知病原体を検出できる可能性がある。詳しく
は、組織特異的な増幅cDNAをクローニングし、サブ
トラクティブcDNAライブラリーとする。健全組織か
ら抽出したゲノムDNAと罹病組織から抽出したmRN
A群をプローブとしてハイブリダイゼーションを行い、
罹病組織のmRNA群にのみに反応したcDNAが未知
病原体由来である可能性がある。
とにより有用な生物機能・形質に関わるタンパク質の生
産により医薬や農薬等の物質生産への利用、また、最近
の遺伝子導入技術を用いてそれらの遺伝子を導入した形
質転換動植物の育成による分子育種や遺伝子治療への利
用、生物機能・形質発現機構の解明、未知病原体の同定
により医療、農業や環境保全に貢献できる。
プライマーセットに関する。上記第1節(2)における
本発明の第1の実施形態に用いる場合には、本発明のプ
ライマーセットは、以下のプライマーペア:
る第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加
されたT7プロモータからなるプライマー:並びに(i
i)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌ
クレオチドからなるプライマー:からなる、テスタ及び
ドライバから抽出したRNAを鋳型としてそれぞれの任
意の部分に相補な1本鎖RNAを増幅するためのNAS
BA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌ
クレオチド及びその5'末端に付加された任意の1種の塩
基配列からなる第3のオリゴヌクレオチドからなるプラ
イマー:からなる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを
鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅する
ためのNASBA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたオリゴdTからなる
プライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレ
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:からなる、ドライバ由来の相補的1本
鎖RNAを鋳型として該RNAに相補的な1本鎖RNA
を増幅するためのNASBA用プライマーペア;
ド及びその5'末端に付加されたT7プロモータからなる
プライマー:及び(ii)前記第1の混合オリゴヌクレオ
チドからなるプライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア、又は(i)前記第3
のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:及び(ii)
前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付
加されたT7プロモータからなるプライマー:からな
る、1本鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本
鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマーペ
ア;を含む。この場合において、前記第1の混合オリゴ
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第3のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドで
ある。上記第1節(2)における本発明の第2の実施形
態に用いる場合には、本発明のプライマーセットは、以
下のプライマーペア:
る第1の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加
されたT7プロモータからなるプライマー:並びに(i
i)任意の複数の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌ
クレオチドからなるプライマー:からなる、テスタ及び
ドライバから抽出したRNAを鋳型としてそれぞれの任
意の部分に相補な1本鎖RNAを増幅するためのNAS
BA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加された任意の1種の塩基配
列からなる第4のオリゴヌクレオチドからなるプライマ
ー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及
びその5'末端に付加されたT7プロモータからなるプラ
イマー:からなる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを
鋳型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅する
ためのNASBA用プライマーペア;
オチド及びその5'末端に付加されたT7プロモータから
なるプライマー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌ
クレオチド及びその5'末端に付加されたオリゴdTから
なるプライマー:からなる、ドライバ由来の相補的1本
鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNA
を増幅するためのNASBA用プライマーペア;
ド及びその5'末端に付加されたT7プロモータからなる
プライマー:及び(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオ
チドからなるプライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア、又は(i)前記第4
のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:及び(ii)
前記第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付
加されたT7プロモータからなるプライマー:からな
る、1本鎖RNAを鋳型として該RNAに相同的な1本
鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマーペ
ア;を含む。この場合において、前記第1の混合オリゴ
ヌクレオチドは、好ましくは、配列番号1で表わされる
塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の
混合オリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号4で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、
前記第4のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番
号7で表わされる塩基配列に相補的な塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドである。
本発明のプライマーセットに加えて、本発明の方法を実
施するためのキットとすることもできる。このような試
薬類としては、RNA抽出用試薬、NASBA用試薬、電気
泳動用試薬などが挙げられるが、これらに限定されな
い。前記RNA抽出用試薬としては、例えば、粉砕用緩
衝液、グアニジウムチオシアン酸塩、フェノール、クロ
ロホルム、SDS、β−メルカプトエタノール等が挙げ
られる。前記NASBA用試薬としては、例えば、AMV-RT、R
NaseH、T7RNAポリメラーゼ、BSA(ウシ血清アルブ
ミン)、ヌクレオチド混合物、DTT、MgCl2、72%DMSO、
2M KCl、水等が挙げられる。前記電気泳動用試薬として
は、例えば、アガロース又はポリアクリルアミドゲル、
ローディング緩衝液、臭化エチジウム染色用試薬等が挙
げられる。
に説明する。ただし、これらの実施例は説明のためのも
のであり、本発明の技術的範囲を制限するものではな
い。 〔実施例1〕キュウリモザイクウイルスY株(CMV-Y)
に感染したトマト葉と、CMV-Yに感染していない健全ト
マト葉に対して、本発明のcDNAサブトラクション法
を行った。なお、以下の実験において、NASBAはN
ASBA増幅キット(オルガノテクニカ)を用い、添付
の説明書に従って行った。
染トマトと、同様に育てた健全トマトの葉をそれぞれ10
0mgずつ採取し、これを液体窒素で凍結し、RNA抽出
キットであるRNeasy Plant Mini Kit(キアゲン社)に
より全RNAを抽出した。
増幅 上記(1)で得られた各抽出RNA約300ngを鋳型と
し、以下の配列を有するT7DP1及びDP2Ecoをプライマー
として用いるNASBAを行った。NASBAの温度条
件は、65℃で5分間、酵素溶液を加えて30℃で2分間、
さらに41℃で90分間とした。 T7DP1:AATTCTAATACGACTCACTATAGGGGAGTCGACAGCRTKTGHA
WCDKCCA(配列番号2) DP2Eco:AGGCGTGAGWGHCTTVMGKRTGA(配列番号4)
を加え、37℃で1時間保温してフェノール・クロロホル
ム抽出後、エタノール沈殿により核酸を回収した。滅菌
蒸留水100μlに溶解させ、ゲル濾過マイクロスピンカラ
ム(MicroSpin Columns S-400、アマシャムファルマシ
ア)により、添付の説明書に従って、低分子化したDN
Aを取り除き、増幅した相補RNAを分画した。
の相補RNA(1μl/100μl)を鋳型とし、上記T7DP1
と以下の配列を有するDP32をプライマーとして用いるN
ASBAにより、3'末端にDP3の配列を付加した相補R
NAを41℃で増幅した。 DP32:AGAAGGCTGCAGCTGATCTGTAAGGCGTGAGWGHCTTVMGKRTGA
(配列番号6) DP3: AGAAGGCTGCAGCTGATCTGTA(配列番号7)
マト由来の相補RNA(1μl/100μl)を鋳型とし、以
下の配列を有するTTTDP1とT7DP2Ecoをプライマーとして
用いるNASBAにより、抽出RNAに対する相同RN
Aを増幅した。 TTTDP1: TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGTCGACAGCRTKTGH
AWCDKCCA(配列番号3) T7DP2Eco: GGAATTATAATACGACTCACTATAGGGAGAAGGCGTGAGW
GHCTTVMGKRTGA(配列番号5)
を加え、37℃で1時間保温してフェノール・クロロホル
ム抽出後、エタノール沈殿により核酸を回収した。滅菌
蒸留水100μlに溶解させ、ゲル濾過マイクロスピンカラ
ム(MicroSpin Columns S-400、アマシャムファルマシ
ア)により、添付の説明書に従って、低分子化したDN
Aを取り除き、増幅したRNAを分画した。
ーション HEPES緩衝液(100mM HEPES、1M NaCl、0.04mM EDTA)10
μlと1μl(/100μl)のCMV感染トマト由来の相補RN
A、9μl(/100μl)の健全トマト由来の相同RNAを
混合し、98℃で1.5分間変性後、68℃で一晩ハイブリダ
イゼーションを行った。98℃で1.5分間変性した健全ト
マト由来の相同RNA10μlとHEPES緩衝液10μlを前記
のハイブリダイゼーション溶液に加え、さらに一晩ハイ
ブリダイゼーションを行った。
とHEPES緩衝液8μl、オリゴdTラテックス懸濁溶液(ol
igotex-dT30、TaKaRa)10μlを混合し、65℃で5分間、
37℃で10分間保温した。15,000 rpmで3分間遠心分離し
て上清を採取した。こうして、健全トマト由来のアデニ
ン基の連続配列が付加された相同RNAと、これとハイ
ブリッドを形成したCMV感染トマト由来の相補RNAを
取り除き、CMV感染トマトにおける特異RNA由来のR
NA断片を単離した。
PCRによる増幅 上記(3)で得られた遠心分離後の上清1μlを鋳型と
し、オリゴヌクレオチドT7DP3及びDP1Salをプライマー
として用いるNASBAにより、単離した相補RNAか
ら相同RNAを増幅した。温度条件は、65°Cで5分
間、酵素混合液を加えて41°Cで30分間とし、その
後、この反応液を氷上に置いて反応を停止した。特異遺
伝子から増幅した部分的相同RNAを5%未変性アクリ
ルアミドゲルで電気泳動して銀染色した結果を図3に示
す。
ティブハイブリダイゼーションとその後の操作により単
離したRNA断片からの増幅産物を示し、レーンCは、C
MV感染トマト由来の相補RNAからサブトラクションを
経ずに増幅した産物を示す。レーンHとH/Hhは、陰性の
対照として健全トマトからの抽出RNAから同様に単離
した増幅産物を示す。すなわち、レーンH/Hhは、健全ト
マトからの抽出RNAから相補RNAを増幅し、同じ健
全トマトからの抽出RNAから増幅した相同RNAとの
間でサブトラクティブハイブリダイゼーションを行って
単離した増幅産物を示し、レーンHは、健全トマト由来
の相補RNAからサブトラクションを経ずに増幅した産
物を示す。レーンMは、1本鎖RNAのサイズマーカーを
示す。
くつかのバンドが選択的に増幅されている。同じ抽出R
NA由来の相補RNAと相同RNAの間でサブトラクテ
ィブハイブリダイゼーションしたレーンH/Hhは、予測さ
れたとおり全てのバンドが取り除かれ、ほとんど増幅断
片が見られなかった。また、レーンCとレーンHの間で同
じ位置に検出されたバンドの中には、共通に発現してい
る遺伝子由来のRNA断片が含まれていると考えられ、
もし、そのバンド中の全ての断片が共通に発現している
遺伝子由来であれば、サブトラクションにより取り除か
れるはずである。実際に、それらのバンドのいくつか
は、サブトラクションを経たレーンC/Hhにおいて消失
し、感染と健全の両トマトで発現している遺伝子由来の
RNAは取り除かれていると考えられた。
NAからの増幅産物(1μl/20μl)を鋳型としてPC
Rを行った。該PCRは、増幅集団の各分子種の比率を
保つために定量的PCR(18サイクル)とし、DP3(T7D
P3においてプロモーター配列を除いたもの)とDP1Salを
プライマーとして用いた。 DP3: AGAAGGCTGCAGCTGATCTGTA(配列番号7) DP1Sal: GAGTCGACAGCRTKTGHAWCDKCCA(配列番号1) なお、上記PCRは、PCR用DNAポリメラーゼ:E
x−Taq(TaKaRa社製)を用い、添付の説明書に従っ
て行った。温度条件は、94℃で2分間に続いて、94
℃で1分間−60℃で1分間−72℃で2分間を18サ
イクル、その後に、72℃で8分間とした。増幅産物を
アガロースゲルで電気泳動した結果を図4に示す。
ぞれ、図3における同じ名称のレーンの増幅産物から増
幅したDNA断片を示す。レーンC/2Hhは、一晩サブト
ラクティブハイブリダイゼーションをした後、さらに健
全トマト由来の相同RNAを加えてもう一晩ハイブリダ
イゼーションした結果で、レーンC//Hhは、オリゴdTラ
テックス粒子による非特異断片の除去を2回行ったもの
である。レーンC及びC/Hhは、それぞれ、図3の結果を
反映した結果となった。また、レーンC/2Hhにおいて、
増幅バンドの選択の強度が増していること思われた。
クターpGEM-T(プロメガ)に組み込んでクローニングし
た。40のクローンについて塩基配列を調べた結果、5ク
ローンはCMVの分節ゲノム3における一部分の配列であ
ることがわかった。CMVゲノムは、当然のことながら、
感染トマトにのみ存在するのであるから、上記のサブト
ラクティブハイブリダイゼーション法により感染トマト
に特異的なRNAを選択できることがわかった。他のク
ローンについては、約10種類ほどに分けられ、DDBJ
(DNA Data Bank of Japan、http://www.ddbj.nig.ac.j
p/)により相同性探索を行った結果、両組織に存在する
リボゾームRNAやトランスファーRNA由来と思われ
るcDNA断片はなく、またORFと思われるフレームが
存在することから何らかの遺伝子をコードするmRNA
の一部配列であることが考えられた。その中の1クロー
ンはムギの機能不明のタンパク質をコードする遺伝子と
約80%の相同性があった。
す細胞組織に特異的に発現する遺伝子や病原体のRNA
由来の部分配列を有する核酸を単離・増幅することが可
能となり、さらに、これらをクローニングすることが可
能となる。
ヌクレオチド
V感染トマト及び健全トマトから増幅されたRNA断片
の電気泳動写真である。
V感染トマト及び健全トマトから増幅されたRNA断片
のcDNAの電気泳動写真である。
Claims (13)
- 【請求項1】 ある生物組織(テスタ)と別の生物組織
(ドライバ)由来のmRNAを含むRNAにおいて、テ
スタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含む核
酸を単離及び増幅する方法であって、テスタ及びドライ
バの一方に由来するRNAに相同的な一本鎖核酸と、他
方に由来するRNAに相補的な一本鎖核酸との間でのハ
イブリダイゼーションを行うことを特徴とする前記方
法。 - 【請求項2】 以下の工程: (A)テスタ及びドライバから抽出したRNAを鋳型と
して、テスタの抽出RNAに相補若しくは相同な任意の
部分塩基配列を含む1本鎖核酸、及びドライバの抽出R
NAに相同若しくは相補な任意の部分塩基配列を含む1
本鎖核酸を増幅する工程; (B)テスタ由来の1本鎖核酸と過剰量のドライバ由来
の1本鎖核酸との間でハイブリダイゼーションを行っ
て、2本鎖を形成した核酸を除去する工程;及び (C)前記(B)の工程においてハイブリダイゼーショ
ンされなかった1本鎖核酸に相同又は相補な1本鎖核酸
を増幅する工程;を含む請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記1本鎖核酸が1本鎖RNAである請
求項1又は2記載の方法。 - 【請求項4】 前記(A)及び(C)の工程が、任意の
複数の塩基配列からなる混合プライマーのペアを用いる
NASBAによって1本鎖RNAを増幅することを含む
請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 以下の工程: (D)前記(C)の工程で増幅される1本鎖核酸を鋳型
として、2本鎖DNAを増幅する工程; をさらに含む請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 ある生物組織(テスタ)と別の生物組織
(ドライバ)由来のmRNAを含むRNAにおいて、テ
スタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含むD
NAをクローニングする方法であって、テスタ及びドラ
イバの一方に由来するRNAに相同的な一本鎖核酸と、
他方に由来するRNAに相補的な一本鎖核酸との間での
ハイブリダイゼーションを行うことを特徴とする前記方
法。 - 【請求項7】 以下の工程: (A)テスタ及びドライバから抽出したRNAを鋳型と
して、テスタの抽出RNAに相補若しくは相同な任意の
部分塩基配列を含む1本鎖核酸、及びドライバの抽出R
NAに相同若しくは相補な任意の部分塩基配列を含む1
本鎖核酸を増幅する工程; (B)テスタ由来の1本鎖核酸と過剰量のドライバ由来
の1本鎖核酸との間でハイブリダイゼーションを行っ
て、2本鎖を形成した核酸を除去する工程; (C)前記(B)の工程においてハイブリダイゼーショ
ンされなかった1本鎖核酸に相同又は相補な1本鎖核酸
を増幅する工程; (D)前記(C)の工程で増幅される1本鎖核酸を鋳型
として、2本鎖DNAを増幅する工程;及び (E)前記(D)の工程で増幅される2本鎖DNAをベ
クター中に組み込み、得られる組換えベクターを用いて
宿主を形質転換する工程; を含む請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 前記1本鎖核酸が1本鎖RNAである請
求項6又は7記載の方法。 - 【請求項9】 前記(A)及び(C)の工程が、任意の
複数の塩基配列からなる混合プライマーのペアを用いる
NASBAによって1本鎖RNAを増幅することを含む
請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 以下のプライマーペア: (A)(i)任意の複数の塩基配列からなる第1の混合
オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プ
ロモータからなるプライマー:並びに(ii)任意の複数
の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌクレオチドから
なるプライマー:からなる、テスタ及びドライバから抽
出したRNAを鋳型としてそれぞれの任意の部分に相補
な1本鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマ
ーペア; (B)(i)前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びそ
の5'末端に付加されたT7プロモータからなるプライマ
ー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及
びその5'末端に付加された任意の1種の塩基配列からな
る第3のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:から
なる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として該
RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅するためのNAS
BA用プライマーペア; (C)(i)前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びそ
の5'末端に付加されたオリゴdTからなるプライマー:
並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及びそ
の5'末端に付加されたT7プロモータからなるプライマ
ー:からなる、ドライバ由来の相補的1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア; (D)(i)前記第3のオリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー:
及び(ii)前記第1の混合オリゴヌクレオチドからなる
プライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳型として該R
NAに相補的な1本鎖RNAを増幅するためのNASB
A用プライマーペア、又は(i)前記第3のオリゴヌク
レオチドからなるプライマー:及び(ii)前記第1の混
合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7
プロモータからなるプライマー:からなる、1本鎖RN
Aを鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅
するためのNASBA用プライマーペア;を含む、テス
タとドライバ由来のmRNAを含むRNAにおいて、テ
スタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含む核
酸を単離及び増幅するためのプライマーセット。 - 【請求項11】 前記第1の混合オリゴヌクレオチドが
配列番号1で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオ
チドであり、前記第2の混合オリゴヌクレオチドが配列
番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド
であり、前記第3のオリゴヌクレオチドが配列番号7で
表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである請
求項10記載のプライマーセット。 - 【請求項12】 以下のプライマーペア: (A)(i)任意の複数の塩基配列からなる第1の混合
オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7プ
ロモータからなるプライマー:並びに(ii)任意の複数
の塩基配列からなる第2の混合オリゴヌクレオチドから
なるプライマー:からなる、テスタ及びドライバから抽
出したRNAを鋳型としてそれぞれの任意の部分に相補
な1本鎖RNAを増幅するためのNASBA用プライマ
ーペア; (B)(i)前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びそ
の5'末端に付加された任意の1種の塩基配列からなる第
4のオリゴヌクレオチドからなるプライマー:並びに
(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及びその5'末
端に付加されたT7プロモータからなるプライマー:か
らなる、テスタ由来の相補的1本鎖RNAを鋳型として
該RNAに相補的な1本鎖RNAを増幅するためのNA
SBA用プライマーペア; (C)(i)前記第1の混合オリゴヌクレオチド及びそ
の5'末端に付加されたT7プロモータからなるプライマ
ー:並びに(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチド及
びその5'末端に付加されたオリゴdTからなるプライマ
ー:からなる、ドライバ由来の相補的1本鎖RNAを鋳
型として該RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅するた
めのNASBA用プライマーペア; (D)(i)前記第4のオリゴヌクレオチド及びその5'
末端に付加されたT7プロモータからなるプライマー:
及び(ii)前記第2の混合オリゴヌクレオチドからなる
プライマー:からなる、1本鎖RNAを鋳型として該R
NAに相補的な1本鎖RNAを増幅するためのNASB
A用プライマーペア、又は(i)前記第4のオリゴヌク
レオチドからなるプライマー:及び(ii)前記第2の混
合オリゴヌクレオチド及びその5'末端に付加されたT7
プロモータからなるプライマー:からなる、1本鎖RN
Aを鋳型として該RNAに相同的な1本鎖RNAを増幅
するためのNASBA用プライマーペア;を含む、テス
タとドライバ由来のmRNAを含むRNAにおいて、テ
スタに特異的に存在する遺伝子の部分塩基配列を含む核
酸を単離及び増幅するためのプライマーセット。 - 【請求項13】 前記第1の混合オリゴヌクレオチドが
配列番号1で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオ
チドであり、前記第2の混合オリゴヌクレオチドが配列
番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド
であり、前記第4のオリゴヌクレオチドが配列番号7で
表わされる塩基配列に相補的な塩基配列を含むオリゴヌ
クレオチドである請求項12記載のプライマーセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000084213A JP3459977B2 (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 新規なcDNAサブトラクション法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000084213A JP3459977B2 (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 新規なcDNAサブトラクション法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001269172A true JP2001269172A (ja) | 2001-10-02 |
JP3459977B2 JP3459977B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
ID=18600721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000084213A Expired - Lifetime JP3459977B2 (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 新規なcDNAサブトラクション法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3459977B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7749707B2 (en) | 2005-03-01 | 2010-07-06 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Method for obtaining subtraction polynucleotide |
-
2000
- 2000-03-24 JP JP2000084213A patent/JP3459977B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7749707B2 (en) | 2005-03-01 | 2010-07-06 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Method for obtaining subtraction polynucleotide |
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