JP2001261301A - 有機物系水素貯蔵材料および水素貯蔵方法 - Google Patents

有機物系水素貯蔵材料および水素貯蔵方法

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JP2001261301A JP2000073509A JP2000073509A JP2001261301A JP 2001261301 A JP2001261301 A JP 2001261301A JP 2000073509 A JP2000073509 A JP 2000073509A JP 2000073509 A JP2000073509 A JP 2000073509A JP 2001261301 A JP2001261301 A JP 2001261301A
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hydrogen
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hydrogen storage
metal
carbonyl group
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Shinya Morishita
真也 森下
Shinichi Towata
真一 砥綿
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温・常圧程度の条件で効率良く水素貯蔵が
可能でかつ、安全に取り扱うことが可能な有機物系水素
貯蔵材料および水素貯蔵方法を提供すること。 【解決手段】 カルボニル基を有する炭化水素系有機化
合物に水素吸蔵可能な金属微粒子に吸蔵された原子状の
水素を触媒活性のある金属微粒子の存在下で供給し、前
記化合物のカルボニル基に水素原子を導入する。前記化
合物にはメチレン基とカルボニル基とを交互に繰り返す
構造を有する化合物を好適に用いる。また、水素吸蔵可
能で水素透過性を有する金属板の一方の面に水素吸蔵可
能な金属微粒子と触媒活性のある金属微粒子とを析出さ
せ、それらの金属微粒子の析出面側に前記化合物を接触
させ、金属板の反対側から水素を透過供給する水素貯蔵
方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物系水素貯蔵
材料および水素貯蔵方法に関し、更に詳しくは、水素自
動車用燃料タンク、ケミカルヒートポンプ等のエネルギ
ーの貯蔵・輸送等に好適に用いられる有機物系水素貯蔵
材料および水素貯蔵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素は、合成化学工業や石油精製などに
多量に利用されている重要な化学原料である。一方、将
来のエネルギー問題と環境問題を解決するために、クリ
ーンなエネルギーとしての水素利用技術は重要な位置を
占めると考えられ、水素製造、貯蔵・輸送、転換技術の
各方面において活発に研究開発が進められている。
【0003】水素の貯蔵・輸送技術の利用の最も好適な
例として燃料電池自動車における水素燃料タンクへの適
用が挙げられる。燃料電池自動車のような移動媒体にお
いては、電池に安定かつ安全に水素を供給することが要
求されている。
【0004】しかしながらこのような要求に対して、既
存の技術である高圧水素ガスボンベや液化水素ボンベで
は自動車における設置スペースの問題や、安全性の問
題、燃料補給が困難であることなどから対応することが
難しい。
【0005】このように水素と酸素との反応を利用した
燃料電池において、燃料源としての水素を安定に供給す
るために、水素貯蔵システムは不可欠なものであり、各
種検討がなされてきた。
【0006】例えばそのようなものとして水素吸蔵合
金、炭素系材料、有機物系材料等を水素貯蔵媒体とした
システムが挙げられる。
【0007】水素吸蔵合金は、水素を吸蔵する能力と、
吸蔵した水素を再び放出する能力を備えた合金であり、
LaNi合金、FeTi合金、MgNi合金、Ti
1+ Cr2−yMn(x=0.1〜0.3、y=0
〜1.0)合金などが知られている。これらの水素吸蔵
合金は、一般に水素の吸蔵及び放出時に発熱及び吸熱を
伴うことから、単に水素貯蔵器としてだけではなく、水
素という化学エネルギーを、熱エネルギー、機械エネル
ギー又は電気エネルギーに変換するエネルギー変換材料
としての利用も期待されているものである。しかしなが
ら、高価であること、合金であるが故の重さ(単位重量
当たりの吸蔵量が小さい)、吸蔵−放出の繰り返しによ
る劣化(合金の微粉化や構造変化)、希少金属を含む場
合にはその資源確保など、克服すべき課題が多いといっ
たものである。
【0008】また、炭素系材料は軽量・豊富な資源量を
持つ炭素材料を活用するものであり、その例として活性
炭よりなる水素吸蔵材料が挙げられる。しかしながら、
活性炭よりなる水素吸蔵材料は、活性炭の嵩密度が低い
ために体積当たりの水素吸蔵量が比較的少なく、自動車
用燃料電池の燃料源として用いた時に十分な走行距離が
得られないといった問題がある。そのため体積当たりの
水素吸蔵量を大きくする研究が種々行われているといっ
た現状である。
【0009】また、有機物系材料に関しては、1)40
0℃付近でトルエン(CH )と水素とを反応
させてメチルシクロヘキサン(CH11)とす
る方法(スイスPaul Scherrer Inst
ituteによるメチルシクロヘキサン−トルエン−水
素システム)や、2)150℃付近でアセトン(CH
COCH)と水素とを反応させて2−プロパノール
(CHCHOHCH)とする方法(斉藤泰和,化学
と教育,42巻8号,p.563−568(199
4))、3)100℃以上・水素圧力が数気圧以上の条
件下で、各種触媒を用いた水素の添加方法、4)室温付
近においてPd板を透過した水素とスチレン(C
)とを反応させてエチルベンゼン(C
)とする方法(井上博史,電気化学会第66回大
会資料,p.269)等の水素貯蔵システムが知られて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素貯
蔵媒体の水素貯蔵(吸蔵)量は、金属系で2.5質量%
程度、炭素系では1質量%程度であり、より多量に水素
を貯蔵(吸蔵)できる物質が望まれているのが現状であ
るが、十分に満足できるものは開発されていない。
【0011】そこで、多様な合成方法により比較的新た
な特性を付与し易い有機物系水素貯蔵材料に着目し、そ
れらの公知技術について詳細に検討してみることとし
た。
【0012】上記1)、2)は、水素貯蔵反応の温度が
高く、有機化合物が気体状態となるため発火・爆発等に
対する対策(大気の遮断/気密性の確保などが)が必要
で、取り扱いが非常に難しく、燃料電池自動車等の輸送
媒体への適用は困難なものである。
【0013】ここで熱力学データをもとにアセトン、ベ
ンゼン、エチルベンゼンについて水素貯蔵/放出反応の
平衡条件を示したものを図1に示す。図中、縦軸は水素
分圧を、横軸は絶対温度の逆数を示しており、右下がり
の直線は、各反応が平衡となる位置を示している。この
図において、直線よりも上側では水素と反応した状態
が、下側では水素を放出した状態が熱力学的に安定とな
ることを表している。
【0014】次にこの図1を用いて上記3)、4)につ
いて検討してみる。上記3)は、温度を上げて反応速度
を高めるとともに、水素の圧力を上げることにより水素
貯蔵/放出反応を行わせる方法で、その多くは、100
気圧程度にまで水素分圧を高くすることにより、水素貯
蔵/放出反応を生じさせている。このような厳しい条件
下でなければ、反応は生じず、実用面から考えても非現
実的であることが分かる。
【0015】逆に、温度を下げた場合、水素と有機化合
物との反応速度が遅くなるため、平衡からかなりずれた
水素貯蔵反応しか起きなくなる。例えば、上記4)にお
いてスチレンは水素と反応してエチルベンゼンにはなる
が、ベンゼン環が水素と反応したエチルシクロヘキサン
にはならない。そのため、常温、常圧付近では、水素貯
蔵反応が起きたとしても、水素貯蔵量が少なく、自動車
用燃料電池として用いた場合、十分な走行距離が得られ
ないといった不具合が生じる虞があることが分かる。
【0016】本発明の解決しようとする課題は、上記既
知の問題がなく、常温、常圧程度の条件で効率良く水素
貯蔵が可能でかつ、安全に取り扱うことが可能な有機物
系水素貯蔵材料および水素貯蔵方法を提供することにあ
る。これにより電気自動車の電源である燃料電池の水素
貯蔵タンク等への適用を高めんとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の有機物系水素貯蔵材料は、請求項1に記載の
ように、カルボニル基を有する炭化水素系有機化合物の
カルボニル基に水素を導入してなることを要旨とするも
のである。
【0018】一般に、カルボニル(CO)基を有する炭
化水素系有機化合物では、水素の移動によって生じるケ
ト−エノール互変異性と呼ばれる異性化現象が生じ易く
なっている。
【0019】すなわち、カルボニル基に隣接した炭素原
子の水素(α−水素)は、カルボニル酸素へ移動して水
酸基をもつ化合物に変化する性質(エノール化するとい
う)を有し、もとのカルボニル化合物(ケト体)と生じ
たエノール化合物(エノール体)、及びその間の中間体
とは化1に示すように相互に平衡関係にある互変異性体
であり、それらが容易に変化し合う状態となっている。
【0020】
【化1】
【0021】このようなケト−エノール転移により、C
とOとの間の二重結合が弱くなっているため(二重結合
を形成するπ電子の非局在化により、中間体は3個のπ
電子が関与した状態で安定化される)、水素が貯蔵され
やすい。
【0022】更に、前記炭化水素系有機化合物は、請求
項2に記載のように、2個のカルボニル基の間にメチレ
ン基のある構造を有することが望ましい。
【0023】この場合、すなわち、2個のカルボニル基
で挟まれたメチレン基のある構造を有する場合には、特
にこのケト−エノール転移が両カルボニル基で起こるこ
とから、CとOとの間の二重結合が2個のカルボニル基
に挟まれない状態に比べ、更に切れやすい状態になって
いる。これは化2に示すように2個のカルボニル基の間
にメチレン基のある構造の中間体は5個のπ電子が関与
した状態で安定化されるため、3個のπ電子が関与する
場合に比べ、中間体のエネルギー的安定性が増加する。
そのためケト−エノール転移が出来やすい状態になって
おり、より水素が貯蔵されやすい。
【0024】
【化2】
【0025】そして更にまた、請求項3に記載のように
メチレン基とカルボニル基とを交互に繰り返す化3の化
学構造を有する方がより望ましい。このような構造であ
れば、安定化された中間体が非常に出来やすく、更によ
り水素が貯蔵されやすくなるためである。
【0026】
【化3】
【0027】上記化3においてnの値は2〜4の範囲が
特に好ましい。n=1、すなわち、アセトンではケト−
エノール転移が生じなく、また、n=5以上では炭化水
素系有機化合物が固体状態になってくるため、電気自動
車等に設置する場合、液体状態に比べ、水素貯蔵材料の
容器の中で無駄な空隙が発生してしまうのに対し、液体
であれば密に充填することができ、容器を同じ容積とし
た場合、より有効にスペースを活用することが可能とな
るためである。更に、水素貯蔵材料の劣化等による容器
内部の水素貯蔵材料の交換や補充等のメンテナンス面を
考えてみても液体状態のほうが取り扱いが容易であり、
メリットが多い。
【0028】次に本発明に係る水素貯蔵方法は、請求項
4に記載のように、カルボニル基を有する炭化水素系有
機化合物に水素吸蔵可能な金属微粒子に吸蔵された原子
状の水素を触媒活性のある金属微粒子の存在下で供給
し、前記炭化水素系有機化合物のカルボニル基に水素を
導入するようにしたことを要旨とするものである。この
場合に用いられる炭化水素系有機化合物は上述した化1
〜3に示した化学構造のケト−エノール転移を生ずるも
のが適用されることは勿論である。
【0029】そしてまた、本発明に係る水素貯蔵方法
は、請求項5に記載のように、水素吸蔵可能で水素透過
性を有する金属板の一方の面に水素吸蔵可能な金属微粒
子と触媒活性のある金属微粒子とを析出させ、それらの
金属微粒子の析出面側にカルボニル基を有する炭化水素
系有機化合物を接触させ、金属板の反対側から水素を透
過供給するようにしたことを要旨とするものである。
【0030】このように水素吸蔵可能で水素透過性を有
する金属板の有機物系水素貯蔵材料と接する面側に水素
吸蔵可能な金属微粒子を析出させることにより、水素貯
蔵材料との反応/接触面積が増大し(反応サイトが増加
し)、反応性が増大する。更に、水素吸蔵可能な金属微
粒子に水素を一旦吸蔵させ、原子状態で反応部位に水素
を供給するため、水素の反応活性が高い。
【0031】また、触媒活性のある金属微粒子を水素吸
蔵可能な金属微粒子の上に担持してあるため、水素化反
応を促進させることが可能となる。
【0032】この場合に、請求項6に記載のように、水
素吸蔵可能で水素透過性を有する金属板としてパラジウ
ム板を、水素吸蔵可能な金属微粒子としてパラジウム微
粒子を、触媒活性のある金属微粒子として白金微粒子を
用いるのが好ましい。
【0033】パラジウム(Pd)は純度の良くない水素
ガスから高純度の水素ガスを作る水素精製装置等に使用
されているように、水素を吸収及び透過する性質に優
れ、更に、酸化を受けにくく、表面が酸化物に覆われて
しまうことが他の金属や合金に比べて少ないため、水素
の吸収及び透過性能を維持させるためにも優れているた
めである。
【0034】また、白金(Pt)は水素に対する触媒活
性が高いため、低い温度でも有機物系水素貯蔵材料との
水素化反応を促進させ、効率良くカルボニル基等の不飽
和結合と水素とを反応させることができる。そのため、
20℃以下といった他の公知技術に比較して大幅に低い
温度でも水素化反応が促進され、効率良くカルボニル基
等の不飽和結合と水素とを反応させることが可能となる
(公知技術の場合、このような低い温度では反応が生じ
ないか、仮に反応が起きても上述したように平衡からず
れているため効率が悪い)。
【0035】上述したような、水素吸蔵可能で水素透過
性を有する金属板の表面を拡大した様子を模式的に図2
に示す。すなわち、水素吸蔵可能で水素透過性を有する
金属板10の表面には、水素吸蔵可能な金属微粒子12
を析出させ、更にその上に触媒活性のある金属微粒子1
4が析出させてあり、その水素吸蔵可能で水素透過性を
有する金属板10を透過する際に原子状となった水素
は、水素吸蔵可能な金属微粒子12(表面積大)を介し
て触媒活性のある金属微粒子14へと供給される。そし
て供給された原子状水素が触媒活性のある金属微粒子1
4によって前記した有機物系水素貯蔵材料に供給される
ことにより、より効率良くカルボニル基等の不飽和結合
と水素とを反応させることができるようになるのであ
る。
【0036】以上のような有機物系水素貯蔵材料および
水素貯蔵方法を用いれば、水素貯蔵が生じる反応温度を
低くすることができるため、前記有機物系水素貯蔵材料
は液体状態で使用でき、従来技術のように気体状態で
は、発火等に対する対策が必要となるのに対し、そのよ
うな対策を施す必要が無く、安全に取り扱うことが可能
となり、また、効率良く水素を貯蔵可能となることから
そのメリットは非常に大きなものとなる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施例を詳
細に説明する。
【0038】初めに以下の実施例は水素吸蔵可能でかつ
水素透過可能な金属板としてPd板を用い、その一方の
面に析出させる水素吸蔵可能な金属微粒子にPd微粒子
を、また、その上に析出させる触媒活性のある金属微粒
子にPt微粒子を用いている。また、炭化水素系有機化
合物として、化3においてn=2の場合のアセチルアセ
トン、比較としてアセトニルアセトン、トルエンを用い
て水素供給セルを試作し、水素貯蔵の様子を詳細に調べ
たものである。以下これらについて具体的に説明する。
【0039】(1.水素貯蔵方法) (1−1.各種Pd板の作製)先ず、初めに以下の手順
に従い、各種Pd板を作製した。ここで、使用するPd
板については水素を吸蔵することによる膨張(変形)に
よってPd板に割れが入らないのであれば、水素を透過
させる点から厚みは出来る限り薄い方が良いため、本実
施例では厚さ0.1mmのPd板を用いることとした。
【0040】先ず、厚さ0.1mm、大きさ30mmx
30mmのPd板を12枚用意し、その片面中央部に面
積2cmで円形状にPd微粒子を析出させた。すなわ
ち、1M(M=mol/l)のHCl(塩酸)に0.0
3MとなるようにPdClを溶解後、その溶液中に各
Pd板及びPt線を浸漬し、Pt線がプラス、Pd板が
マイナスの電位となるように通電してPd板上にPd微
粒子を析出させた。この際、Pd微粒子の析出量の最適
範囲を求めるため、通電する電流密度を2〜50mA/
cmの範囲で変化させることにより、1〜20mg/
cmの範囲でPd微粒子を析出量させた。
【0041】次に得られた一部Pd板については、Pd
微粒子上に更にPt微粒子を析出させた。すなわち、H
PtCl・4HO(塩化白金酸)をイオン交換水
に溶解し、濃度0.02Mとした後、その溶液中にPd
微粒子を析出させた各種Pd板及びPt線を浸漬し、P
t線がプラス、Pd板がマイナスの電位となるように通
電してPd板上のPd微粒子上にPt微粒子を析出させ
た。この際、Pt微粒子の析出量の最適範囲を求めるた
め、通電する電流密度を1〜25mA/cmの範囲で
変化させることにより、0.05〜5mg/cmの範
囲でPt微粒子を析出させた。
【0042】(1−2.水素供給セルの作製)次にこの
ようにして得られた各種Pd板を用いて、水素供給セル
を作製した。図3に水素供給セルの模式図を示す。すな
わち、図3において水素供給セル16のほぼ中央付近で
上記にて作製した各種Pd板18を挟んだ構造となって
おり、Pd板18の左室20は6ml、1MのNa
水溶液で満たされ、一方、Pd板18の右室22は
3mlの水素貯蔵材料としての炭化水素系有機化合物2
4が、各種Pd板18のPd/Pt微粒子が析出してい
る部位でのみPd板18と接するように配置されてい
る。また、Pd板18に対するNaSO水溶液の接
触部はPd/Pt微粒子の析出部のちょうど裏面で、面
積もPd/Pt微粒子析出部と同じ2cmとした。そ
してまた、左室20にPt線26を浸漬し、Pt線26
がプラス、Pd板18がマイナスの電位となるように
し、電源28により電圧を印加して水の電気分解を行
い、Pd板18を介して水素貯蔵材料としての炭化水素
系有機化合物24のカルボニル基等の不飽和結合に水素
を供給できるような構成となっている。
【0043】この際、水素供給セル16に通電する電流
密度が0.05mA/cm以下では、Pd板18を介
して供給される水素の量が0.1ml/hと少なく、効
率的な水素貯蔵ができず、また、20mA/cm以上
では、Pd板18のNaSO水溶液と接する側から
水素発生が起き、効率的な水素量を見積もることができ
ないと考えられるため、電流密度を0.05〜20mA
/cmの範囲内で変化させた。
【0044】また、試験温度については20℃〜80℃
の範囲で変化させることにより行った。というのも、8
0℃よりも温度が高いと炭化水素系有機化合物の蒸発量
が多くなり、気密性の確保が問題となり、20℃よりも
低いと水素貯蔵反応の速度が大きく低下してしまうため
である。
【0045】(2.有機物系水素貯蔵材料)次に上述し
た水素供給セルの右室側に配置する水素貯蔵材料として
の炭化水素系有機化合物としてはアセチルアセトン(C
COCHCOCH)、アセトニルアセトン(C
COCHCHCOCH)、トルエン(CH
)を用いた。アセチルアセトン(CHCOC
COCH)は前記化3においてn=2の場合に相
当し、比較としてカルボニル基の間に2個のメチレン基
を持つアセトニルアセトン(CHCOCHCH
OCH)と、カルボニル基を化学構造中に有せず、ベ
ンゼン環を有するトルエン(CH)を使用し
た。
【0046】このようにして作製したPd/Pt微粒子
を担持した各種Pd板とこれらPd板から作製した各種
水素供給セルの試験条件とをまとめた一覧を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】(3.生成物の同定)次に上記表1におけ
る実施例5の条件において、水素供給セルに電流を通電
したときに新たに発生する有機化合物を同定する目的で
定性・定量分析を行った。すなわち、所定時間毎に右室
側から試料をサンプリングし、エタノールで100倍に
希釈してからガスクロマトグラフ(島津製作所、GC−
14B)に0.6μl注入してアセチルアセトンならび
に新たに生成した有機化合物の定性、定量分析を行っ
た。
【0049】その結果を図4に示す。図4は実施例5す
なわち、水素供給セルの右室側にアセチルアセトンを用
いた場合における試験温度80℃、水電解電流値5mA
/cm、157.8時間後の分析結果で、縦軸に保持
時間(分)を、横軸に各生成物等のピーク強度を示して
いる。
【0050】この場合には、図4に示すように、アセチ
ルアセトンから副反応生成物としてカルボニル基の酸素
が脱離した2−ペンタノン、中間体として2−ヒドロキ
シ−4−ペンタノン、水素を貯蔵した目的とする物質で
ある2、4−ペンタンジオールが生成していることが明
らかとなった。これらの化学式を化4に示す。
【0051】
【化4】
【0052】次に同じく実施例5の水素供給セルを用い
て試験温度80℃、水電解電流値5mA/cmの条件
で水素供給セルに電流を通電したときの水の電解時間と
新たに生成する生成物の量との関係を図5に示す。図5
は横軸に水の電解時間(h)、縦軸に生成した生成物の
右室における含有量(%)を示している。
【0053】図5より、水の電解時間が増加するにつれ
(実施例5のPd板より水素を供給するにつれ)、右室
の初期有機化合物であるアセチルアセトンが減少し、水
素を貯蔵した目的とする物質である2、4−ペンタンジ
オールと中間体である2−ヒドロキシ−4−ペンタノン
が増加している様子が明らかに分かる。すなわち、アセ
チルアセトンの一方のカルボニル(CO)基においてC
とOとの間の二重結合が切れ、水素が貯蔵され始めるこ
とにより、中間体として2−ヒドロキシ−4−ペンタノ
ンが生成し、更に反応が進み、2−ヒドロキシ−4−ペ
ンタノンの残りのカルボニル(CO)基においても同様
の反応が生じ、結果として2、4−ペンタンジオールが
生成するといった反応が生じていることが明らかとなっ
た。
【0054】更にまた、可逆的に水素を取り出すことが
可能である水素貯蔵目的物質である2、4−ペンタンジ
オール、中間体である2−ヒドロキシ−4−ペンタノン
以外に、一方で副反応生成物として中間体の2−ヒドロ
キシ−4−ペンタノンから可逆的に水素を取り出すこと
ができない2−ペンタノンもわずかながら発生している
ことも同時に明らかとされた。つまり、水素貯蔵目的物
質である2、4−ペンタンジオールを多く生成させ、不
要物質である2−ペンタノンの生成を極力抑えるように
条件を最適化すれば、効率良く水素貯蔵量を増加させる
ことが可能であることを期待させるものである。
【0055】(4.Pd微粒子電析量の最適化)次にP
d微粒子の最適析出量を調べる目的で実施例1〜3の水
素供給セルを用いて表1の条件にて中間体である2−ヒ
ドロキシ−4−ペンタノンの生成速度及び水素貯蔵目的
物質である2、4−ペンタンジオールの生成速度の測定
を行った。
【0056】その結果について説明する。すなわち、図
6は横軸にPd微粒子の析出量(mg/cm)を、縦
軸に中間体2−ヒドロキシ−4−ペンタノンの生成速度
(mol/h)を示したものである。図6からPd微粒
子の析出量が7mg/cm前後で中間体の生成速度が
最大となることが分かる。この結果からPd微粒子の析
出量が1mg/cmよりも少ない場合には、表面積増
大の効果は認められず、また、10mg/cmよりも
多い場合にはPd微粒子を通しての水素の移動が効率的
に起きていないことも同時に明らかとされた。また、表
2に実施例1〜3の条件において生成した水素貯蔵目的
物質である2、4−ペンタンジオールの生成速度を示し
た。この表2から中間体2−ヒドロキシ−4−ペンタノ
ンの生成速度と同じく7mg前後で2、4−ペンタンジ
オールの生成速度が一番大きくなっており、反応面積を
増大させるためにPd板上に析出させるPd微粒子は7
mg/cm前後が望ましいことが分かる。
【0057】
【表2】
【0058】(5.Pt微粒子電析量の最適化)次にP
t微粒子の最適析出量を調べる目的で実施例4〜6の水
素供給セルを用いて表1の条件にて中間体である2−ヒ
ドロキシ−4−ペンタノンの生成速度及び水素貯蔵目的
物質である2、4−ペンタンジオールの生成速度の測定
を行った。
【0059】図7は横軸にPt微粒子の析出量(mg/
cm)を、縦軸に中間体2−ヒドロキシ−4−ペンタ
ノンの生成速度(mol/h)を示したものである。図
7からPt微粒子の析出量が0.8mg/cm前後で
中間体の生成速度が最大となることが分かる。また、図
8は横軸にPt微粒子の析出量(mg/cm)を、縦
軸に水素貯蔵目的物質である2、4−ペンタンジオール
の生成速度(mol/h)を示したものである。図8か
ら分かるようにPt微粒子の析出量と中間体2−ヒドロ
キシ−4−ペンタノンの生成速度の関係と同じく、Pt
微粒子の析出量が0.8mg/cm前後で水素貯蔵目
的物質の生成速度が最大となることが分かる。
【0060】この図7及び図8の両図からPt微粒子の
析出量が0.1mg/cmよりも少ない場合には、P
tの触媒作用が十分に発揮されず、また、2mg/cm
よりも多い場合にはPt微粒子がPd微粒子を覆って
しまい、原子状の水素、Ptならびに水素貯蔵材料の3
者が接触する部位が少なくなることにより、水素貯蔵材
料への水素の反応が効率よく生じないものと考えられ
る。したがって、水素解離触媒として作用するPt微粒
子の析出量としては、Pd微粒子の1/10程度が特に
好ましい。
【0061】(6.温度条件の最適化)次に温度による
反応性を調べる目的で実施例5、実施例7及び8の水素
供給セルを用いて表1の条件にて中間体である2−ヒド
ロキシ−4−ペンタノンの生成速度及び水素貯蔵目的物
質である2、4−ペンタンジオールの生成速度の測定を
行った。
【0062】図9は横軸に試験温度(℃)を、縦軸に中
間体2−ヒドロキシ−4−ペンタノンの生成速度(mo
l/h)を示したものである。図9から温度が高くなる
につれて中間体の生成速度は増加する傾向を示すことが
分かる。また、表3に水素貯蔵目的物質である2、4−
ペンタンジオールの生成速度を示す。やはり中間体の生
成速度と同様に温度が高いほど、生成速度は増加する。
これは、温度が高くなるにつれ、Pt微粒子の触媒活性
が高まるためである。しかしながら、温度が高くなると
水素貯蔵材料が気体状態となってくるため、80℃程度
までが限界である。一方、常温近傍においても中間体及
び水素貯蔵目的物質は生成しており、本発明である水素
貯蔵方法を用いれば、常温・常圧においても不飽和結合
と水素を反応させることが可能であることが裏付けられ
た。
【0063】
【表3】
【0064】(7.電解電流密度の最適化)次に水電解
による電流値の差による反応性を調べる目的で実施例
5、実施例9及び10の水素供給セルを用いて表1の条
件にて中間体である2−ヒドロキシ−4−ペンタノンの
生成割合の測定を行った。
【0065】図10は横軸に電解電流密度(mA/cm
)を、縦軸に中間体2−ヒドロキシ−4−ペンタノン
の生成割合(%)を示したものである。図10から通電
した電気量より計算される水素量に対する中間体の生成
割合は5mA/cmよりも電解電流が高くなると著し
く低下することが明らかとなった。これは、電解電流が
高くなるにつれ、水素供給セルにおけるPd板のNa
SO水溶液と接する側から水素発生が起き、Pd板へ
の水素の供給が妨げられてしまうためと考えられる。
【0066】(8.有機物系水素貯蔵材料の構造につい
て)次に使用するカルボニル基を有する炭化水素系有機
化合物からなる有機物系水素貯蔵材料の構造の差によ
り、発生する生成物である、副反応生成物、中間体、水
素貯蔵目的物質の量にどのような差違が認められるかを
検証する目的で2個のカルボニル基の間にメチレン基が
2個存在するアセトニルアセトンを用いて表1における
実施例11の条件にて同様の試験を行い、すなわち右室
有機化合物としてアセチルアセトンを用いた実施例5の
場合との比較において同じ生成速度における各生成物の
生成速度の比較を行ったのでその結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】実施例11のように右室有機化合物として
アセトニルアセトンを用いた場合は、副反応生成物であ
る2−ヘキサノン、中間体である5−ヒドロキシ−2−
ヘキサノン、水素貯蔵目的物質である2、5−ヘキサン
ジオールが生成していたが、その生成量は実施例5のア
セチルアセトンの場合に比べて非常に少なかった。この
結果から2個のカルボニル基の間にメチレン基が1個あ
る構造が水素貯蔵し易いことが明らかとされた。すなわ
ち、化3の化学式で表される本発明のカルボニル基を有
する炭化水素系有機化合物では、4質量%以上の水素が
貯蔵可能(n=2、すなわちアセチルアセトンの場合、
4質量%、n=∞では、4.8質量%の水素が貯蔵可
能)であり、従来から使用されている水素吸蔵合金、炭
素系材料に比べ、極めて多くの水素を貯蔵することが可
能なものとなった。
【0069】(9.常温・常圧近傍における水素反応
性)次に実施例12のように右室有機化合物としてベン
ゼン環を有するトルエン(CH)を用いた場
合にて同様の試験を行った。すなわち、本発明の水素貯
蔵方法の一実施形態であるPd板+Pd微粒子+Pt微
粒子系にて常温・常圧近傍におけるトルエンと水素の反
応性の検討を行った。その結果、20℃と温度が低いに
も拘わらず、トルエンのベンゼン環と水素が反応したメ
チルシクロヘキサンの生成(12.4mol/l)が認
められた。
【0070】従来技術4)において、Pd微粒子を担持
したPd板を使用することによりPd板を透過した水素
とスチレンが効率よく反応して、エチルベンゼンが生成
すると報告しているが、この系においてはエチルベンゼ
ンのベンゼン環が水素と反応することはないとされてい
る。これはすでに述べたように常温・常圧まで温度を下
げた場合には、水素と有機化合物との反応速度が遅くな
るため、平衡からかなりずれた水素貯蔵反応しか起きな
いことによる。
【0071】しかしながら、本発明の一実施例であるで
あるPd/Pt微粒子を担持したPd板を介して水素を
供給する水素貯蔵方法によれば、常温・常圧においても
非常に効率よく有機化合物の不飽和結合(二重結合)と
水素を反応させることが可能となった。
【0072】本発明は、上記した実施例に何ら限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の改変が可能である。例えば、上記実施例では有機物系
水素貯蔵材料の好適な一実施例として化3に示した化学
式のn=2の場合であるアセチルアセトンの例を示した
が、n=3の2、4、6−ヘプタントリオン、n=4の
2、4、6、7−ノナンテトラオンであっても良い。こ
こでn=1、すなわち、アセトンではケト−エノール転
移が生じなく、また、n=5以上では炭化水素系有機化
合物が固体状態になってくるため、液体状態に比べ、取
り扱いしにくくなるため、n=2〜4の範囲で表される
化合物を用いることが特に好ましい。
【0073】また、本実施例では水素吸蔵可能で水素透
過性を有する金属板にPd板を用いたが、それ以外の例
えば、Pd−Ag等の合金やその他水素吸蔵可能な合金
からなる金属板を用いても良い。その際、耐酸化性に優
れた金属、合金であることが好ましい。
【0074】更にまた、本実施例では水素貯蔵方法の水
素供給セルの左室側にNaSO水溶液を用い、水を
電気分解することによりPd板のPd/Pt微粒子の析
出部の裏面から水素を供給する方法を採ったが、それ以
外の例えば、左室側に約1.5気圧の水素ガスを供給し
てPd板に水素を吸蔵させる方法等を適用できるもので
ある。
【0075】
【発明の効果】本発明の有機物系水素貯蔵材料によれ
ば、カルボニル基を有する炭化水素系有機化合物のカル
ボニル基に水素を導入したものであることから、水素の
貯蔵反応が生じやすく、また、本発明である水素吸蔵可
能な金属微粒子/触媒活性のある金属微粒子を担持した
水素吸蔵可能で水素透過性を有する金属板を介して、前
記炭化水素系有機化合物へ水素を供給する水素貯蔵方法
を併せて用いれば、常温、常圧程度の条件でも効率良く
水素貯蔵が可能となり、かつ、液体状態で有機物系水素
貯蔵材料を使用することができることから、安全に取り
扱うことが出来るようになる。そのため、電気自動車の
電源である燃料電池の水素燃料タンク等への適用が高め
られることとなり、その有益性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱力学データをもとにアセトン、ベンゼン、エ
チルベンゼンについて水素貯蔵/放出反応の平衡条件を
示した図である。
【図2】本発明に係る水素貯蔵方法における水素吸蔵可
能で水素透過性を有する金属板の表面を拡大して模式的
に示した図である。
【図3】本発明の一実施形態としての水素供給セルを模
式的に示した図である。
【図4】本発明の一実施形態としての水素供給セルの右
室側にアセチルアセトンを用いた場合に新たに発生する
有機化合物のガスクロマトグラフ分析結果を示した図で
ある。
【図5】本発明の一実施形態としての水素供給セルに電
流を通電したときの水の電解時間と生成物の含有量との
関係を示した図ある。
【図6】本発明の一実施形態としてのPd板上に析出さ
せたPd微粒子の析出量と中間体2−ヒドロキシ−4−
ペンタノンの生成速度との関係を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態としてのPd板上に析出さ
せたPd微粒子上のPt微粒子の析出量と中間体2−ヒ
ドロキシ−4−ペンタノンの生成速度との関係を示した
図である。
【図8】本発明の一実施形態としてのPd板上に析出さ
せたPd微粒子上のPt微粒子の析出量と水素貯蔵目的
物質2、4−ペンタンジオールの生成速度との関係を示
した図である。
【図9】本発明の一実施形態としての水素供給セルの温
度と中間体2−ヒドロキシ−4−ペンタノンの生成速度
との関係を示した図である。
【図10】本発明の一実施形態としての水素供給セルに
通電する電解電流密度と中間体2−ヒドロキシ−4−ペ
ンタノンの生成割合との関係を示した図である。
【符号の説明】
10 水素吸蔵可能で水素透過性を有する金属板 12 水素吸蔵可能な金属微粒子 14 触媒活性のある金属微粒子 16 水素供給セル 18 Pd板 24 炭化水素系有機化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 31/24 C07C 31/24 Fターム(参考) 4G040 AA31 AA42 4H006 AA02 AA05 AC41 BA25 BA26 BA61 BC10 BC40 BD80 BE20 FE11 FG22 FG30 FG40 4H039 CA60 CB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル基を有する炭化水素系有機化
    合物のカルボニル基に水素を導入してなることを特徴と
    する有機物系水素貯蔵材料。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素系有機化合物のうち、2個
    のカルボニル基の間にメチレン基のある構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の有機物系水素貯蔵材
    料。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素系有機化合物が、メチレン
    基とカルボニル基とを交互に繰り返す構造を有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の有機物系水素貯蔵
    材料。
  4. 【請求項4】 カルボニル基を有する炭化水素系有機化
    合物に水素吸蔵可能な金属微粒子に吸蔵された原子状の
    水素を触媒活性のある金属微粒子の存在下で供給し、前
    記炭化水素系有機化合物のカルボニル基に水素を導入す
    るようにしたことを特徴とする水素貯蔵方法。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵可能で水素透過性を有する金属
    板の一方の面に水素吸蔵可能な金属微粒子と触媒活性の
    ある金属微粒子とを析出させ、それらの金属微粒子の析
    出面側にカルボニル基を有する炭化水素系有機化合物を
    接触させ、金属板の反対側から水素を透過供給するよう
    にしたことを特徴とする請求項4に記載の水素貯蔵方
    法。
  6. 【請求項6】 前記金属板がパラジウム板であり、前記
    水素吸蔵可能な金属微粒子がパラジウム微粒子であり、
    前記触媒活性のある金属微粒子が白金微粒子であること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の水素貯蔵方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7220294B2 (en) 2002-06-19 2007-05-22 Kurita Water Industries Ltd. Method for storing hydrogen, hydrogen clathrate compound and production method thereof
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