JP2001259016A - β−リン酸三カルシウム骨補填材 - Google Patents

β−リン酸三カルシウム骨補填材

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JP2001259016A JP2000077140A JP2000077140A JP2001259016A JP 2001259016 A JP2001259016 A JP 2001259016A JP 2000077140 A JP2000077140 A JP 2000077140A JP 2000077140 A JP2000077140 A JP 2000077140A JP 2001259016 A JP2001259016 A JP 2001259016A
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洋之 入江
Akira Inoue
晃 井上
Kazuaki Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補填部位の形態に適合するように吸収速度を
制御することの可能なβ−リン酸三カルシウムからなる
骨補填材を提供すること。 【解決手段】 β−リン酸三カルシウムからなる骨補填
材であり、β−リン酸三カルシウムのCaの一部を、L
i、Na、K、Mg、Fe、Cu、およびZnからなる
群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンMにより、
モル比が0<M(Ca+M)≦0.2、および1.45
≦(Ca+M)/P≦1.55の割合となるように置換
し、固溶させることにより、生体内への吸収速度を制御
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−リン酸三カル
シウム骨補填材に係り、特に、欠損した骨の補填部位の
形態に適合した吸収速度を有するβ−リン酸三カルシウ
ム骨補填材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、整形外科などの領域において、様
々な疾患により生じる骨欠損の修復に、人工骨(骨補填
材)を用いることが普及している。人工骨の材料として
は、リン酸カルシウム系化合物のセラミックスが多く用
いられている。
【0003】リン酸カルシウム系化合物は、優れた生体
適合性を示すので、各種生体材料として応用されてい
る。特に、骨のミネラル成分はリン酸カルシウムであ
り、これを人工骨として用いた場合に、良好な骨伝導性
を示し、この点の応用は、最も盛んに行われている。
【0004】リン酸カルシウムの中でも、β−リン酸三
カルシウム(β−TCP、Ca3 (PO4 2 )は、セ
ラミックスのプロセスに従って焼結体を作製することが
でき、かつ生体内で吸収される特性を有している。従っ
て、β−TCPは、人工骨として移植すると、経時的に
自家骨に置換されていく。特に、β−TCPを多孔体に
した骨補填材は、速やかに自家骨置換が進行するので、
優れた骨代替材料と言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】β−TCPは、人工骨
または骨補填材として応用した場合、その吸収速度が問
題になる。即ち、骨形成の速度と材料の吸収速度のバラ
ンスを保つことが重要である。例えば、骨欠損部にβ−
TCPを補填する時、この骨欠損部が骨皮質や骨膜など
の骨組織で囲まれている割合が多い場合には、良好な骨
形成が得られ、材料の吸収とともに自家骨置換が行われ
る。
【0006】しかし、補填部位が軟組織と多く接するよ
うな形態で使用する場合には、骨形成速度は低下し、材
料の吸収だけが進行してしまい、骨補填の作用を果たす
ことが出来ない。そこで、補填部位の形態に適合するよ
うに、骨補填材としてのβ−TCPの吸収速度を制御す
ることが必要となる。
【0007】本発明は、このような事情の下になされ、
補填部位の形態に適合するように吸収速度を制御するこ
との可能なβ−リン酸三カルシウムからなる骨補填材を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、β−リン酸三カルシウムからなる骨補填
材であり、β−リン酸三カルシウムのCaの一部を、L
i、Na、K、Mg、Fe、Cu、およびZnからなる
群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンMにより、
モル比が0<M/(Ca+M)≦0.20の割合で置換
・固溶し、かつ1.45≦(Ca+M)/P≦1.55
であることを特徴とする骨補填材を提供する。
【0009】以下、本発明の骨補填材の作用について説
明する。β−リン酸三カルシウム(β−TCP)は、生
体内では化学的な溶解と細胞による貧食の2つのメカニ
ズムにより吸収されていく。このうち、化学的な溶解性
は、本発明により、以下のようにして制御が可能であ
る。
【0010】即ち、β−TCPのCaの一部を、Li、
Na、K、Mg、Fe、Cu、およびZnからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の金属イオンMにより所定量
を置換し、β−TCPに固溶させることにより、β−T
CPの生体内への吸収速度を適切に制御することが可能
である。
【0011】β−TCPの生体内への吸収速度を適切に
制御することを可能とする置換・固溶モル比は、置換・
固溶する金属イオンの種類により相違するが、0<M/
(Ca+M)≦0.20であり、好ましくは0<M/
(Ca+M)≦0.15である。
【0012】図1に、β−TCPの結晶構造を示す。図
1において、(a)はa軸およびb軸に平行な面におけ
るAカラムとBカラムの配置を示し、(b)は、Aカラ
ムおよびBカラムのそれぞれのc軸方向の結晶構造を示
す。図1(b)に示すように、 Caのサイトは、Ca
(1)〜Ca(5)の5種類ある。
【0013】β−TCPの単位格子中の全Ca2+イオン
数中の、Ca(1)〜Ca(5)の各Caサイトの割合
を計算により算出した。その結果、下記表1に示す結果
を得た。
【0014】
【表1】
【0015】後述する実施例において示すように、本発
明者らの実験によれば、Mg、Fe、Cu、およびZn
からなる二価の金属イオンをβ−TCPのCaの一部と
置換し、固溶させる場合、その固溶限界は15モル%で
あり、この量は、Ca(4)の割合(4.76%)とC
a(5)の割合(9.52%)の合計(14.28%)
にほぼ相当する。このことは、二価の金属イオンは、C
a(4)とCa(5)のサイトにおけるCaと置換した
ことを示している。
【0016】また、Li、NaおよびKからなる一価の
金属イオンをβ−TCPのCaの一部と置換し、固溶さ
せる場合、その固溶限界は10モル%であり、この量
は、Ca(5)の割合(9.52%)にほぼ相当する。
このことは、一価の金属イオンは、Ca(5)のサイト
におけるCaと置換したことを示している。
【0017】本発明者らは、このようなβ−TCPのC
aの一部の金属イオンによる置換・固溶により、β−T
CPの生体内への吸収速度を制御し得ることを見出し
た。このような現象のメカニズムは、必ずしも明確には
理解されていないが、例えば、Mgの場合、Caよりイ
オン半径が小さく、β−TCPのCaの一部の置換・固
溶により、結晶構造が安定化し、その結果、生体への吸
収速度(溶解度)が低下するものと考えられる。
【0018】即ち、β−TCPは、構造化学的に置換さ
れやすいCaのサイトがあり、所定の金属イオンをβ−
TCPのCaの一部と置換・固溶させることにより、結
晶構造の安定性を変化させることができ、置換させる金
属の種類や量により、β−TCPの生体への吸収速度
(溶解度)を制御することが出来るものと考えられる。
【0019】本発明の骨補填材を構成する、Caの一部
を所定の金属で置換し、固溶したβ−TCPは、次のよ
うにして作製することが出来る。即ち、炭酸カルシウ
ム、リン酸水素カルシウム2水和物の粉末と、Caと置
換する金属の炭酸塩や酸化物などの粉末を所定量秤量
し、乾式にて混合し、1000℃程度で焼成して、固相
反応により作製する。または、それらの原料粉末に純水
を加えて湿式磨砕し、スラリを乾燥した後、焼成するこ
とにより得る方法等がある。
【0020】以上のように構成される本発明によると、
Caの一部を所定量の所定の金属で置換し、固溶した
β−TCPを骨補填材の成分とすることにより、材料の
生体内での吸収速度を適切に制御することができ、それ
によって、骨形成と吸収速度のバランスを良好に保つこ
とが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態とし
ての実施例について説明する。 実施例1 Caの一部を二価金属で置換したβ−TCPを以下のよ
うにして作成し、その分析および溶解性の試験を行っ
た。二価金属としては、Mg、Fe、Cu、Znを用い
た。
【0022】まず、(Ca+M)/P=1.50、1.
45および1.40(M:二価金属イオン)になるよう
に、所定量のリン酸水素カルシウム二水和物、炭酸カル
シウム、および二価金属の酸化物(酸化マグネシウム、
酸化鉄(II)、酸化銅(II)、酸化亜鉛)を乾式粉砕混
合した。なお、二価金属イオンの添加量は、β−TCP
中のCa量に対して0〜30mol%の範囲で変化させ
た。
【0023】この混合物を1000℃の加熱温度で5時
間加熱して粉末生成物を得た。この生成物について、以
下のように、X線回折および溶解性の試験を行った。
【0024】(1)X線回折 (Ca+Mg)/P=1.50の、Mg2+イオンを添加
して得た生成物のX線回折図を図2に示す。図2から、
β−TCPの生成が確認され、Mg2+イオン添加量の増
加に伴い、β−TCPの回折線が添加量15mol%の
試料までは高角度側にシフトしていること、およびMg
2+イオンとCa2+イオンとが置換固溶していることがわ
かる。
【0025】また、格子定数変化を調べた結果を図3に
示す。図3からわかるように、a軸長は、Mg2+イオン
添加量が15mol%までは直線的に減少し、その後一
定になっている。一方、c軸長は、添加量の増加に伴
い、10mol%まで直線的に減少し、その後15mo
l%まで逆に格子定数は増大し、その後一定となってい
る。これらのことより、β−TCPへのMg2+イオンの
固溶限界は15mol%であることがわかる。
【0026】上記表1から、5つあるCaサイトのう
ち、Ca(5)サイト9.52%、Ca(4)サイト
4.76%の和が14.28%であることがわかる。こ
のことと、図3に示す格子定数の変化により、添加量1
0mol%までの変化と10mol%から15mol%
までの変化が異なることから、Mg2+イオンはβ−TC
P中のCa(5)サイト、Ca(4)サイトの順に、C
aイオンと置換固溶していくことがわかる。
【0027】Mg2+イオンと同様に、Zn2+イオン、C
2+イオンおよびFe2+イオンについても検討したとこ
ろ、格子定数の変化については、Mg2+イオンとの相違
がみられたが、固溶限界は、どのイオンも15mol%
であり、β−TCPの構造中の各Caサイト割合と格子
定数の変化から、Mg2+イオンと同様に、Ca(5)サ
イト、Ca(4)サイトの順に置換固溶したものと考え
られる。
【0028】なお、格子定数の変化について、他のイオ
ンとMg2+イオンとで相違がみられたのは、イオン半径
や添加したイオンと周囲との関係の異なることによるも
のと考えられる。
【0029】(2)β−TCPの溶解性 生成した二価金属イオン固溶β−TCPの10gを10
00cm3 の生理食塩水(NaCl 0.9%)中に導
入し、90℃に保持し、攪拌した。この懸濁液をろ過
し、分離した固形物を乾燥して得た粉末について、X線
回折を行った。
【0030】5mol%のMgを添加したMg固溶体の
X線回折の結果を図4に、Mgを添加しないβ−TCP
のX線回折の結果を図5にそれぞれ示す。図4および図
5から、Mgを添加しないβ−TCPの場合には3日
目、5mol%のMgを添加したMg固溶体の場合には
20日目に、HAp(水酸アパタイト)の回折線が認め
られた。10mol%のMgを添加したMg固溶体につ
いては、25日以上経過してもβ−TCPのままであっ
た。
【0031】このことは、Mgを添加することにより、
生理食塩水へ浸漬による構造の変化がしにくく、吸収速
度が遅いことを意味している。即ち、β−TCPへのM
2+イオンの固溶が、生理食塩水中でのβ−TCPの溶
解性を制御していることがわかる。
【0032】(3)Mg固溶β−TCPの骨補填材とし
ての使用 5mol%のMgを置換・固溶したβ−TCP粉末を、
湿式発泡法などにより成形し、焼成して多孔体とし、骨
補填材を作製した。このようにして得た骨補填材を、補
填部位が軟組織と多く接するような形態で使用したとこ
ろ、材料の吸収だけが進行してしまうことなく、骨形成
速度と吸収速度のバランスを良好に保つことが出来た。
【0033】実施例2 Caの一部を一価金属で置換したβ−TCPを以下のよ
うにして作成し、その分析および溶解性の試験を行っ
た。一価金属としては、Li、Na、Caを用いた。
【0034】まず、所定量のリン酸水素カルシウム二水
和物、炭酸カルシウム、および一価金属の炭酸塩(炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を乾式粉砕
混合した。なお、一価金属イオンの添加量は、β−TC
P中のCa量に対して0〜20mol%の範囲で変化さ
せた。
【0035】この混合物を1000℃の加熱温度で5時
間加熱して粉末生成物を得た。この生成物について、以
下のように、X線回折および溶解性の試験を行った。
【0036】(1)X線回折 Na+ イオンを0〜20mol%添加し、固相反応で生
成したβ−TCPのX線回折図を図6に示す。図6か
ら、Na+ イオン添加量の増加に伴って、10mol%
の添加まで、それらの回折線は高角度側に順次シフトし
ていることがわかる。また、添加量が10mol%以上
になると、Ca5 Na2 (PO4 4に帰属する回折線
が新たに認められるようになり、Na+ イオン添加量を
多くするに従って、それらの回折強度は高くなってい
る。
【0037】図7に、一価イオンを添加し、固相反応で
生成したβ−TCPの格子定数を示す。Na+ イオンの
場合、添加量が変化しても、a軸長に大きな変化は見ら
れなかったが、c軸長は、Na+ イオンの添加量の増加
に従って、約10molの%添加まで直線的に短くな
り、その後は一定な値を示している。
【0038】上記表1から、5つあるCaサイトのう
ち、Ca(5)サイトの割合が9.52%であり、この
ことと、図7に示す格子定数の変化により、Na+イオ
ンは、β−TCP中のCa(5)サイトに優先的に置換
し、固溶限界は約10mol%程度であることがわか
る。
【0039】次に、Na+ イオン以外の一価金属を置換
固溶させた時の固溶状態を検討したところ、Li+ イオ
ン、K+ イオンともに固溶限界は約10mol%であ
り、β−TCP中のCa(5)サイトに優先的に置換し
ているものと考えられる。
【0040】しかし、β−TCPの格子の動きはそれぞ
れ異なっていた。図7からわかるように、a軸長は、L
+ イオンは減少、Na+ イオンは一定、K+ イオンは
増加となり、イオン半径の増大とともに長くなった。一
方、c軸長は、逆にイオン半径の増大とともに軸長は短
くなった。
【0041】(2)β−TCPの溶解性 生成した一価金属イオン固溶β−TCP試料10gを、
37℃及び90℃の生理食塩水1000cm3に浸漬さ
せ、1週間から4週間撹拌し、数日ごとに溶液を回収
し、ろ過して乾燥して得た粉末はX線回折し、ろ液はN
+ イオンの定量をおこなった。
【0042】X線回折の結果を図8及び図9に示す。図
8から、37℃生理食塩水で浸漬して得た試料では、β
−TCP以外の回折線は見ることはできなかった。この
ことからはβ−TCPの溶解性を明らかにすることは出
来なかった。そのため、溶液の温度を90℃にし、反応
速度を加速させて、同様の実験を行って得たX線回折図
が図9〜図12である。
【0043】図9から、90℃生理食塩水中に浸漬して
得た試料では、浸漬させて3日目より水酸アパタイトの
回折線が見られることがわかる。このように、90℃生
理食塩水中では、β−TCPは約2日間その構造を保つ
ことができることがわかった。
【0044】次に、Na+ イオンを6mol%,10m
ol%,16mol%添加した試料のX線回折図(図1
0〜図12)より、6mol%添加した試料では、約1
3日間、10mol%においては、21日間その結果構
造を保つことができた。しかし、固溶限界以上の16m
ol%添加した試料の場合では4日目からすでにアパタ
イトの回折線がみられた。
【0045】図13に各試料のNa+ イオン溶出量の経
時変化をまとめた。Na+ イオンの溶出量が少なければ
溶解性が下がったことをしめす。図13から、Na+
オンが最も溶出していたのは16mol%添加した試料
であり、溶出量が最も少なかったのは10mol%添加
した試料であることがわかる。
【0046】これらのことから、Na+ イオンを置換固
溶させることにより液相中でのβ−TCPの結晶構造を
安定化させる働きがあることがわかり、更に、固溶限界
まではNa+ イオンの添加量の増加に伴って、β−TC
Pの溶解性を下げられることがわかる。
【0047】(3)Na固溶β−TCPの骨補填材とし
ての使用 5mol%のNaを置換・固溶したβ−TCP粉末を、
湿式発泡法などにより成形し、焼成して多孔体とし、骨
補填材を作製した。このようにして得た骨補填材を、補
填部位が軟組織と多く接するような形態で使用したとこ
ろ、材料の吸収だけが進行してしまうことなく、骨形成
速度と吸収速度のバランスを良好に保つことが出来た。
【0048】以上説明した本発明の骨補填材の具体的な
態様として、以下のものが挙げられる。
【0049】(1)Caの一部をMにより、モル比0<
M/(Ca+M)≦0.20の割合で置換・固溶した骨
補填材。
【0050】(2)Mのモル比を変化させることによ
り、生体内への吸収速度を制御した骨補填材。
【0051】(3)多孔体である骨補填材。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よると、Caの一部を所定量の所定の金属で置換し、固
溶したβ−TCPを骨補填材の成分とすることにより、
材料の生体内での吸収速度を適切に制御することがで
き、それによって、骨形成と吸収速度のバランスを良好
に保つことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】β−TCPの結晶構造を示す図。
【図2】実施例1に係る生成物のX線回折図。
【図3】実施例1に係る生成物の格子定数変化を示す特
性図。
【図4】5mol%のMgを添加したβ−TCPのX線
回折図。
【図5】Mgを添加しないβ−TCPのX線回折図。
【図6】実施例2に係る生成物のX線回折図。
【図7】実施例2に係る生成物の格子定数変化を示す特
性図。
【図8】一価金属イオン固溶β−TCP試料を37℃の
生理食塩水に浸漬した試料のX線回折図。
【図9】一価金属イオン固溶β−TCP試料を90℃の
生理食塩水に浸漬した試料のX線回折図。
【図10】Na+ イオンを6mol%添加した試料のX
線回折図。
【図11】Na+ イオンを10mol%添加した試料の
X線回折図。
【図12】Na+ イオンを16mol%添加した試料の
X線回折図。
【図13】Na+ イオン溶出量の経時変化を示す特性
図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月11日(2000.5.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例2 Caの一部を一価金属で置換したβ−TCPを以下のよ
うにして作成し、その分析および溶解性の試験を行っ
た。一価金属としては、Li、Na、を用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB03 BA12 BA16 CF021 CF23 CF24

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−リン酸三カルシウムからなる骨補填材
    であり、β−リン酸三カルシウムのCaの一部を、L
    i、Na、K、Mg、Fe、Cu、およびZnからなる
    群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンMにより、
    モル比が0<M/(Ca+M)≦0.20の割合で置換
    ・固溶し、かつ1.45≦(Ca+M)/P≦1.55
    であることを特徴とする骨補填材。
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