JP6035627B2 - β型リン酸三カルシウムからなる生体材料 - Google Patents

β型リン酸三カルシウムからなる生体材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6035627B2
JP6035627B2 JP2012179866A JP2012179866A JP6035627B2 JP 6035627 B2 JP6035627 B2 JP 6035627B2 JP 2012179866 A JP2012179866 A JP 2012179866A JP 2012179866 A JP2012179866 A JP 2012179866A JP 6035627 B2 JP6035627 B2 JP 6035627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
tcp
tricalcium phosphate
ions
biomaterial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012179866A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014036733A (ja
Inventor
橋本 和明
和明 橋本
裕史 柴田
裕史 柴田
賢斗 小島
賢斗 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiba Institute of Technology
Original Assignee
Chiba Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiba Institute of Technology filed Critical Chiba Institute of Technology
Priority to JP2012179866A priority Critical patent/JP6035627B2/ja
Publication of JP2014036733A publication Critical patent/JP2014036733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6035627B2 publication Critical patent/JP6035627B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明はβ型リン酸三カルシウム構造内のリン酸位置にケイ酸を置換固溶させた生体材料セラミックス、またはβ型リン酸三カルシウム構造内のリン位置にケイ素を置換固溶させた生体材料セラミックスに関する。
現代の急激な少子高齢化社会への移行にともない増加傾向にある高齢者の骨粗鬆症や骨折の治療に用いる医療材料、特に人工骨をはじめとする硬組織用代替材料として利用されているリン酸三カルシウム[TCP; Ca3(PO4)2]は、生体親和性や骨誘導能に優れるだけでなく、生体内で次第に溶解しながら患者自身の骨(自家骨)と置換し、最終的には自家骨と完全に置換する生体吸収性セラミックスとして臨床応用されている。一方、その結晶構造中のカルシウムイオン及びリン酸イオンと金属イオンが置換固溶する特徴を有し、金属イオンの置換固溶にともない材料化学的性質や生物学的性質が変化する。
このようなリン酸三カルシウムの特徴に着目して、β型リン酸三カルシウム(β-TCP)及びα型リン酸三カルシウム(α-TCP)のカルシウムイオンと陽イオンを置換固溶した人工骨材としては、亜鉛イオン(Zn2+イオン)を置換した亜鉛含有TCPが特許文献1で報告されており、Zn2+イオンの溶出(除放)にともない通常のβ-TCPよりも優れた骨形成促進作用を有することがin vitro(生体外)及びin vivo(生体内)評価により明らかにされている。
また、β-TCP結晶構造中におけるリン酸イオンと陰イオンが置換固溶することに着目し、骨形成を促進するバナジウムの一種であるバナジン酸イオン(VO4 3-イオン)がβ-TCP構造中におけるリン酸サイトに固溶したバナジン酸イオン固溶β-TCPが特許文献2及び非特許文献1で報告されている。この硬組織用代替材料は、VO4 3-イオンの固溶で細胞毒性を示さず、機械的性質についてもβ-TCP単体に比べて向上し、生体骨と同等の機械的強度を有する。
特開2004-175760 特開2010-284506
Matsumoto Naoyuki, Yokokawa Ayana, Ohashi Kenta, Yoshida Katsumi, Hashimoto Kazuaki, Toda Yoshitomo, Phosphorus Research Bulletin, Vol.24, pp. 73-78 (2010)
従来技術におけるMg2+イオン、Zn2+イオン又はSiO4 4-イオン固溶β-TCP又はα-TCPは、ともに液相法(湿式法)を用いて合成している。しかし、湿式法によるβ-TCP及びα-TCPの合成では、β-TCPがCa/Pモル比=1.50のみで生成するため、β-TCPのほかに副生成物として水酸アパタイト(HAp)やピロリン酸カルシウムが生成しやすく、実験操作が多いことに加え、β-TCP相のみを得るためには実験条件(反応温度や反応溶液のpHなど)の厳密な制御及び熟練した実験操作や特別な実験装置が必要となる、等の問題点がある。
また、Mg2+イオン、Zn2+イオン固溶β-TCPについては、生体材料に求められる性質の一つである機械的強度が明らかにされていない。さらにSiO4 4-イオン含有β-TCPについても、焼結体の焼結性についての記述はあるが、機械的強度の評価は明らかにされていない。
さらに、上記従来技術のSiO4 4-イオン含有TCPは、TCPの高温相であるα-TCPにSiO4 4-イオンが含有している。α-TCPは低温相である β-TCPに比べて溶解性が高く、水と水和しやすく、それに伴い硬化する特長を有するため、実際に生体材料としては主に体内で硬化するリン酸カルシウムセメントの主要成分として使用されているが、β-TCPのように顆粒もしくはバルクとしての骨補填材としての使用例がないことから、応用の範囲が限られている。
本発明では、四価陰イオン及び一価陽イオンを同時に固溶させることで、優れた材料化学的・生物学的性質を有する新規バイオセラミックス材料を開発することを目指した。
(1)本発明は、四価陰イオンとしてβ型リン酸三カルシウム構造内のリン酸位置に少なくともケイ素イオンを置換固溶し、さらに同時に結晶の電荷補償のために、構造内の空孔サイトに一価陽イオンとしてナトリウムイオンを固溶したβ型リン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックスを提供する。
(2)本発明は、さらにナトリウムイオン以外の一価陽イオンをβ型リン酸三カルシウム構造内に固溶した上記(1)に記載の生体材料セラミックスを提供する。
(3)本発明は、さらに二価陽イオンをβ型リン酸三カルシウム構造内に固溶した上記(1)から(2)のいずれか一に記載の生体材料セラミックスを提供する。
(4)本発明は、一価陽イオンは、リチウムイオン、カリウムイオン、銀イオンである上記(2)に記載の生体材料セラミックスを提供する。
(5)本発明は、二価陽イオンは、マグネシウムイオン、マンガンイオン、亜鉛イオンである上記(3)に記載の生体材料セラミックスを提供する。
(6)本発明は、上記(1)から(5)のいずれか一に記載のβ型リン酸三カルシウムの焼結体からなる生体材料セラミックスを提供する。
(7)本発明は、上記(1)から(5)のいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が粉体である生体材料セラミックスを提供する。
(8)本発明は、上記(1)から(5)のいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が顆粒体である生体材料セラミックスを提供する。
(9)本発明は、上記(1)から(5)のいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が膜状である生体材料セラミックスを提供する。
本発明によって、従来技術においてCaサイトに置換固溶させた陽イオン (Zn2+イオン、Mg2+イオン)では発現しない、Pサイトまたはリン酸サイトにケイ素またはケイ酸イオンの働きに起因するイオン独特の生体への作用、例えば骨生成促進作用などを有した新たな硬組織代替用バイオセラミックスの作製が可能となる。
本発明では、一般的なリン酸三カルシウムの製造方法である固相法を用いていることから、高温相のα-TCPではなく低温相のβ-TCPに陰イオンを固溶させたバイオセラミックスを、厳密な製造条件の制御、熟練した製造方法及び高温処理(焼成)や新たな製造装置を必要とせず、現在のリン酸三カルシウムの製造ラインをそのまま用いて製造できるため、少ない設備投資やコストで三価金属イオンに起因する骨生成促進効果などを有したβ-TCPの製造が可能となる。
β型リン酸三カルシウムの結晶構造を示す図 β型リン酸三カルシウムの結晶構造を示す図 一価金属イオンの固溶形態を示す図 二価金属イオンの固溶形態を示す図 ナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウム粉末の合成方法を示す処理フロー図 ナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウム焼結体の製造方法を示す処理フロー図 実施例1のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのX線回折図 実施例1のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのFT-IRスペクトルを示す図 実施例1のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウム子定数変化を示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのX線回折図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのX線回折図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのFT-IRスペクトルを示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムのFT-IRスペクトルを示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムの体積収縮率変化を示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムの曲げ強度変化を示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムの開気孔率変化及びかさ密度変化を示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムの微構造を示す図 実施例2のナトリウムイオン及びケイ酸イオン同時固溶β型リン酸三カルシウムの微構造を示す図
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要>
Caサイトにマグネシウム(Mg2+)イオン、空孔にナトリウム(Na+)イオン、Pサイトまたはリン酸サイトにケイ素(Si)またはケイ酸(SiO4 4-)イオンを固溶したβ-TCPからなる生体材料セラミックス、及びその焼結体について説明する。
<実施形態1:構成>
本発明の生体材料セラミックスとは、事故や病気などにより欠損、喪失した歯や骨などの生体硬組織の置換材料として用いられるものであって、β型リン酸三カルシウム構造内のリン酸位置に少なくともケイ素イオンまたはP位置にSiを置換固溶し、さらに同時に結晶の電荷補償のために陽イオンの空孔に一価金属イオンとしてナトリウムイオンを固溶したβ-TCPからなる生体材料セラミックスであればその形状は特に限定しない。粉体、顆粒体、膜状のものや、多孔体、緻密体などの焼結体が該当する。また、固溶とは、2種類以上の元素が互いに溶け合い、全体が均一の固相になることをいい、焼結体とは、融点より低い温度で加熱して固化したものをいう。
(1)固溶形態
本発明に係るβ-TCPは、結晶中のリン位置(P(1)位置)をケイ素で置換固溶したものである。ケイ素の固溶によってβ-TCP結晶性(粒子サイズなど)に影響し、結晶中の所定量のリンをケイ素で置換固溶することにより、当該β-TCPからなる生体材料セラミックスの焼結性や機械的強度を制御する。さらには熱安定性の向上から溶解性も制御できる。
(リン酸三カルシウムの性質)
リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2:TCP]には、低温からβ、α、α'の三つの相が存在する。α'-TCPは1450℃付近から高温で安定であり常温では得られない。α-TCPは1120〜1180℃以下でβ-TCPに相転移するが、転移の速度が遅いため常温で準安定相として存在する。天然にはWhitlockite[(Ca18(Mg、Fe)2H2(PO4)14、β相と類似]として存在する。α-TCP及びβ-TCPはともに生体活性材料であり、バイオセラミックスとして利用されている。これらの生体内における挙動はHApと似ているが、溶解度はHApより大きく、β-TCPの溶解度はHApの約2倍、α-TCPはHApの約10倍である。
β-TCPは HApよりCa/Pモル比が低い(Ca/Pモル比=1.50)ため、他のリン酸カルシウム系セラミックスと比較して生体中での溶解及び吸収速度が大きく、新生骨の生成とともに自家骨と置換するため人工歯根や骨充填材として臨床応用されている。また、β-TCPはα-TCPへの転移温度である1150℃以下の温度で焼結体が作製でき、このような焼成プロセスにより分解などを起こさず、吸水性もある。材料の吸収速度が周囲に形成する骨生成速度と適合し、新たに形成した骨が十分な強度をもつことが理想的なバイオセラミックスと考えられるため、β-TCPはこの条件を満たす可能性を有する数少ない材料である。
一方、α-TCPは水和してHApとなり、その時に硬化する性質があるため生体用セメントとして応用されている。水のみによる硬化では硬化時間が生体用セメントの使用条件にくらべて長すぎるため、硬化促進のためクエン酸、ポリアクリル酸などの酸を硬化剤として添加する方法も用いられている。しかし、生体用セメントとして酸を用いた場合、充填部位周辺に炎症性の反応が生じるため、酸を用いないかまたは酸を積極的に中和させるタイプのセメントが開発されている。
(β-TCPの結晶構造)
β-TCPの空間群はR3cで菱面体晶系に属する。格子定数は六方格子設定でa=1.04391nm、c=3.73756nmである。図1及び図2にβ-TCPの結晶構造を示す。β-TCPは結晶構造(単位格子)中にCa多面体とPO4四面体からなる結晶学的に独立なAとBの2本のカラムが、c軸に平行に存在している。
Aカラムはc軸(3回軸)上に存在し、P(1)-Ca(4)-Ca(5)-P(1)-空孔-Ca(5)-P(1)の繰り返しである。天然鉱物であるWhitlockiteではCa(4)及びCa(5)サイトにはMgやFeなどの他金属イオンが置換する。また、Ca(4)サイトは席占有率が約0.5であるため、カラムAには空孔が存在する特異な結晶構造である。
BカラムはP(2)-P(3)-Ca(1)-Ca(3)-Ca(2)-P(2)-P(3)の繰り返しであるが、3つのCaは、一直線上にのらずに折れ線を形成する。下記の表1と表2には空孔を考慮したβ-TCP単位格子中の各CaサイトとPO4サイトの割合をそれぞれ示す。

[表1]

[表2]

(金属イオン固溶β-TCP)
一価金属イオンはCa(4)サイト及び空孔に2MI=Ca2+イオン+□(□:空孔)の形態で固溶し、その固溶限界は9.09mol%である。二価金属イオンはまずCa(5)サイトに9.09mol%まで固溶した後、Ca(4)サイトに13.64mol%まで固溶する(3MII+□=3Ca2++□)。固溶しなかったサイトは空孔になる。図3a及び図3bに一価及び二価の固溶形態を示す。
(ケイ酸イオンの生体反応)
ケイ素はR1-O-Si-O-R2のような結合によって多糖類との間で、またはヒルロン酸硫酸塩やコイドロイチン硫酸などの酸性ムコ多菌類との間で橋かけ構造を形成し、結合組織に強度や弾性を付与している。このようなケイ素の橋かけ構造によって、皮膚は化学的、機械的に安定化され、また血管壁の透過性や弾性も保たれ、正常な機能を発現している。
ケイ素は結合組織を構成する主要なタンパク質であるコラーゲン分子中のα-プロテイン鎖あたり3〜6個存在しているといわれている。したがって、ケイ素が欠乏すると、骨組織や結合組織に障害があらわれる。また、ヒトは加齢とともに大動脈、胸腺、皮膚などのケイ素含有量が低下し、それにともなって動脈硬化が増加することから、ケイ素は脂質の沈着を阻止し、動脈硬化を予防する作用があるといわれている。また、ケイ酸を含む無機材料では、表面電荷が負電荷を示し、この負電荷になる効果によって、細胞外マトリックスの吸着等を促進する。さらにケイ酸が材料表面にあることで骨類似アパタイトの形成を促進し、材料と生体骨との接着性および新生骨形成を増大させることができる。
(マグネシウムイオンの生体反応)
マグネシウムは、細胞内でエネルギー源となる最も重要な酵素ATPアーゼを活性化する。マグネシウムが基質であるATPと結合し、この複合体にATPアーゼが作用してエネルギーを産生する。細胞膜に存在するナトリウム―カリウムポンプ、カルシウムポンプなどのイオン輸送機構には、前述したATPアーゼが作用する。したがって、マグネシウムは、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのイオン濃度の勾配を保つ働きをしている。
(ナトリウムイオンの生体反応)
ナトリウムイオンは、一価の陽イオンとして、水素イオンと並んで生体内で重要な機能と密接に関連している。具体的には、生体内のアパタイトとの細胞接着や骨代謝、吸収の過程で必要となる。
(本発明の目的)
既存の研究によって、Na+イオン及びMg2+イオンを同時固溶させると高い機械的強度が得られることが明らかとなっている。また、微量必須元素で骨形成を促進する作用をもつSiO4 4-イオンを固溶させたβ-TCPの研究が報告されている。
そこで、本発明では、Ca(4)サイト及びCa(5)サイトにマグネシウム(Mg2+イオン)、Ca(4)サイトの空孔にナトリウム(Na+イオン)、P(1)サイトにSiを(言い換えればP(1)を含むリン酸サイトにケイ酸(SiO4 4-)イオンを置換させる)固溶したβ-TCPを作製することを目的とする。
(2)ナトリウム及びケイ素(またはナトリウムイオン及びケイ酸イオン)同時固溶β-TCP(NaMg-β-TCPSi)粉末の合成
本発明に係るβ-TCP粉末の合成は既存の方法に従い、固相反応による乾式法と、水溶液反応による湿式法のどちらでもよいが、実用性及び汎用性が高く、高温相のα-TCPではなく低温相のβ-TCPに陰イオンを固溶させたバイオセラミックスを、厳密な製造条件の制御、熟練した製造方法及び高温処理(焼成)や新たな製造装置を必要とせず、現在のリン酸三カルシウムの製造ラインをそのまま用いて製造できる点で、乾式法が好ましい。
例えば、既存の方法に従い、(NH4)2HPO4とCaCO3をそれぞれリン源及びカルシウム源として、マグネシウム源としてMgO、ナトリウム源としてNaNO3を、ケイ酸源にはSiO2を使用することが考えられる。具体的には、Mg2+イオンを13.63mol%一定とし、SiO4-イオンとNa+イオンを(Ca+Na+Mg+□)/(P+Si)=1.571になるように添加する。NaMg-β-TCPSi粉末作製時の原料配合比(mol%配合)を表3に、配合の一例とした湿式混合によるNaMg-β-TCPSi作製時の原料配合量(重量配合)を表4に、それぞれ示す。

[表3]

[表4]
合成方法の一例を図4に示す。各出発原料を、エタノール溶媒としたアルミナボールミルで48時間湿式混合(S0401)する。混合試料のエタノールをロータリーエバポレーターで除去(S0402)し、焼成温度900℃、大気雰囲気下の条件で12時間焼成(S0403)する。そして得られた焼成体が本発明に係るβ-TCP粉末となる。
(3)ナトリウム及びケイ素同時固溶β-TCP(NaMg-β-TCPSi)焼結体の作製
本発明に係るナトリウム及びケイ素同時固溶β-TCPの焼結は既存の方法に従い行えばよい。一例を図5に示す。表3及び表4に示した各出発原料を表3及び表4と同様の配合比で配合し、アルミナボールミルで湿式混合(S0501)する。混合試料を大気雰囲気下で900℃、12時間仮焼(S0502)し、得られた試料を75μm以下に分級する。仮焼粉末を金型に流し込み、一軸加圧成形器を使用し、ゲージ圧力10MPaで1分間圧力を保持して加圧成形(S0503)し、成形体を作製する。成形時の条件は、金型:20mm×45mm、シリンダー内径:Φ60.5mm、圧力:31.9MPaである。一軸加圧成形した成形体を真空包装した後、CIP成形器を使用し、水を溶媒として200MPaで1分間CIP成形(S0504)する。この成形体を、大気雰囲気下で、それぞれ1150℃、1250℃で24時間焼成(S0505)する。そして得られた焼結体が本発明に係るβ-TCP焼結体となる。
<実施形態1:置換効果>
β-TCPやα-TCP結晶構造中のリン位置またはリン酸サイトにリンとは異なる元素またはその酸素酸塩の陰イオンを固溶したTCPバイオセラミックスに関する本発明によれば、固溶させたケイ素またはケイ酸イオンの働きに起因する、これまで報告されているCaサイトに置換固溶させた金属イオン(Zn2+イオン、Mg2+イオン)の固溶(働き)では発現しないリンサイトおよび陰イオンサイト独特の生体への作用、例えば骨生成促進作用などを有した、新たな硬組織代替用バイオセラミックスの作製が可能となる。
本発明によれば、これまでの陽イオン固溶TCPでは実現できなかった焼結性や溶解性などを有する硬組織代替材料が作製可能となり、理想的な生体硬組織代替材料とされる埋入する患者の年齢や性別、及び患部に合わせた骨補填剤や生体骨セメントなどの作製を促進することが可能となる。
本発明は、一般的なβ-TCPの製造方法である固相法を用いていることから、実用性及び汎用性が高く、高温相のα-TCPではなく低温相のβ-TCPに陰イオンを固溶させたバイオセラミックスを、厳密な製造条件の制御、熟練した製造方法及び高温処理(焼成)や新たな製造装置を必要とせず、現在のβ-TCPの製造ラインをそのまま用いて製造できるため、少ない設備投資やコストで骨生成促進効果などを有したβ-TCPの製造が可能となる。
ナトリウム及びケイ素(ナトリウムイオン及びケイ酸イオン)同時固溶β-TCPの評価
図4に示す方法により作製した粉末試料の評価方法は、以下に述べるとおりである。
(1)X線回折
RAD-2C型X線回折装置を用いて、試料の結晶相の同定を行った。測定条件は、ターゲット:CuKαモノクロメーター、管球電流:30mA、管球電圧:40kV、スキャンスピード:8°/min-1、回折角度:10〜60°、スキャンステップ:0.020°である。
図6に、ケイ素又はケイ酸(SiO4 4-)イオン添加量を変化させた混合粉末を焼成して得た粉末試料のX線回折図を示す。焼成して得た粉末の回折線はすべてβ-TCPの回折線と一致したことから、β-TCP構造であることを確認できた。また、β-TCP作製時に副生成物として生成するピロリン酸カルシウム(Ca2P2O7)や水酸アパタイト(HAp)の回折線は確認されなかった。なお、Ca(5)サイトがCaの場合にはβ-TCPの回折線が得られなかった。Ca(5)サイトにCaイオンのイオン半径より小さなイオン半径の二価金属イオンを置換させないとβ-TCPの回折線が得られなかった。このCa(5)サイトに置換させる二価金属イオンには、Mg、Mn、Znなどが適切であった。一方、ナトリウムの一価金属イオンの場合にも、Na、K、Agなどが適切であった。
(2)FT-IR
フーリエ変換型赤外分光光度計を用いて、試料の定性分析を行った。FT-IR測定はKBrを用いた拡散反射法で行った。試料とKBrの混合重量比は、試料1に対してKBrを約20とした。測定範囲は400〜4000cm-1、積算回数は68回である。
図7に、ケイ酸イオン添加量を変化させて作製した粉末のFT-IRスペクトルを示す。β-TCP のFT-IRスペクトルには945cm-11)、432cm-12)、1010cm-13)、550cm-14)付近にPO4 -の四つの基準振動が認められ、ν1とν3は伸縮振動、ν2とν4は変角振動である。図7から、すべての試料についてPO4基に帰属する四つの基準振動を認めた。
また、副生成物であるCa2P2O7のFT-IRスペクトルには、その分子中のP2O7基に帰属する吸収が710cm-1付近に、HApについては、3570cm-1にO-H伸縮振動と633 cm-1にO-H面外変角振動に帰属する吸収が現れる。しかし、図7では、上記のOH 基及びP2O7基に帰属する吸収を認めなかったことから、FT-IRスペクトルからもCa2P2O7やHApが生成していないことを確認した。さらに、ケイ素又はケイ酸イオン添加量の増加にともない1100〜900cm-1に起因する振動を認めた。以上のことから、作製した粉末は全てβ-TCP構造であることが明らかになった。
(3)格子定数の精密化
格子定数の精密化は、回転対陰極型X線回折装置を使用し、内部標準法及び最小二乗法で行った。測定条件は、ターゲット:CuKαモノクロメーター、管球電流:200mA、管球電圧:40kV、スキャンスピード:10°/min-1、回折角度:25〜70°、スキャンステップ:0.020°である。
β-TCPと内部標準試料であるSi素粉末(純度99.99%)を重量比4:1で混合し、これを測定試料とした。測定試料について上記の測定条件で標準測定を行い、得られたβ-TCPの回折線(2 0 10)、(2 1 8)、(2 2 0)、(3 2 8)、(2 0 20)及びSiの回折線(1 1 1)、(2 2 0)、(3 1 1)、(4 0 0)について最適な条件下で予備測定した。そして、ピークトップ法を用いた内部標準法で角度補正を行った後、次式を用いた最小二乗法で格子定数を精密化した。

[数1]
ケイ素又はケイ酸イオン添加量を変化させて作製した粉末の格子定数変化を図8に示す。図7のFT-IRスペクトルの結果から、SiO4 4-の吸収が確認できた。また、格子定数は、ケイ酸イオン添加量の増加にともないa軸は増加し、c軸は減少した。これは、SiO4 4-イオン及びMg2+イオン同時固溶β-TCPの格子定数変化と同様の変化を示しているため、測定結果から、添加したケイ酸イオンはP(1)サイトに固溶していることが明らかになった。このとき、その固溶量はケイ素又はケイ酸イオン添加量7.1 mol%であり、Ca(4)の空孔に置換させるナトリウムまたはナトリウムイオンが4.1molであった。ケイ素又はケイ酸イオンの固溶限界量は7.1 mol%であり、その値はP全体のP(1)サイトの割合の1/2に相当したことから、置換させたケイ素はP(1)サイトに位置することが示唆される。
これらのことから、すでにCa(4)にはMgが置換していてCa(4)サイトの空孔の席占有率0.5があるが、構造中の電荷補償量はCa(4)サイトの空孔の席占有率0.5の量である4.1molになり、Ca(4)はマグネシウムとナトリウムが席占有率0.5ずつ置換することになる。したがって、Ca(4)サイトの電荷はナトリウムの空孔置換により、過剰の正電荷が生じることになる。一方で、最隣接のリン位置(P(1)サイト)にはP(V)にSi(IV)を(PO4 3-イオンにSiO4 4-イオンを)置換させると負電荷が生じ、この負電荷の総電荷量と空孔に置換したナトリウム置換による正電荷の総電荷量が一致する。
この固溶体の置換メカニズムは、Ca(5)サイトにCa以外のCaイオン半径よりも小さな元素又は二価陽イオンで、Ca(5)の酸素配位構造を安定化させ、さらにCa(4)に存在する空孔に過剰な一価陽イオンを置換させて電荷補償し、最隣接のリン位置にケイ素(リン酸イオンにケイ酸イオン)を置換させることができることを明らかにした。

(4)まとめ
Si(SiO4 4-イオン)を添加したβ-TCP粉末のX線回折図より、その結晶相はSi(SiO4 4-イオン)添加量にかかわらずβ-TCP構造であり、β-TCPの回折ピークと一致することが明らかとなった。また、FT-IRスペクトルからは、Si(SiO4 4-イオン)添加量の増加にともないSiO4基に帰属する吸収強度が増加し、一方のPO4基に帰属する吸収が低下したことから、Si(SiO4 4-イオン)がβ-TCP中のP(1)サイトに固溶したことを明らかにした。また、作製したNaMg-TCPSiの格子定数は、SiO4 4-イオン添加量の増加にともない、a軸は増加し、c軸は減少した。したがって、添加したSi(SiO4 4-イオン)はP(1)サイト(P(1)を含むリン酸イオン)に固溶すると考えられる。従来技術においては、β-TCP構造に、その構成成分であるCa、Pの他に、マグネシウム、ナトリウム及びケイ素を含んだβ-TCP置換固溶体は存在しない。
ナトリウム及びケイ素(ナトリウムイオン及びケイ酸イオン)同時固溶β-TCP(NaMg-β-TCPSi)の焼結体の評価
図5に示す方法により作製した焼結体の評価方法は、以下に述べるとおりである。
(1)結晶相の同定
実施例1と同様に、X線回折及びFT-IRによる試料の結晶相の同定を行った。1150℃で焼成した焼結体のX線回折図を図9aに、1250℃で焼成した焼結体のX線回折図を図9bにそれぞれ示す。また、1150℃で焼成した焼結体のFT-IRスペクトルを図10aに、1250℃で焼成した焼結体のFT-IRスペクトルを図10bにそれぞれ示す。
(2)焼成体積収縮率
図11に、焼結体の焼成前後の試料サイズから算出した体積収縮率変化を示す。
(3)焼結体の曲げ強度測定
曲げ強度測定には、オートグラフを使用し、支点間距離:30mm、クロスヘッド速度:0.5mm/min-1、試料片本数3〜5本、試料片サイズ3.0×4.0×36mm、試験温度:室温、試験雰囲気:大気中の条件で三点曲げ試験を行った。なお、焼結体の切断には低速切断機を、表面研磨には研磨機をそれぞれ使用して、耐水研磨紙#200及び#400で研磨と面取りを行った。曲げ強度はJIS R 1601に基づき、次式から求めた。

[数2]
ここで、σは三点曲げ強さ(MPa)、Pは試験片が破壊したときの最大荷重(N)、Lは支点間距離(mm)、wは試験片の幅(mm)、tは試験片の厚さ(mm)である。曲げ強度試験は一試料につき3〜5本行い、曲げ強度はその平均値とした。図12に、焼成温度及びケイ酸イオン添加量を変化させて作製した焼結体の曲げ強度変化を示す。
(4)アルキメデス法による開気孔率及びかさ密度の測定
開気孔率及びかさ密度はJIS R 1634に基づいて、水を溶媒に用いたアルキメデス法で測定した。開気孔率及びかさ密度は下記の式より算出した。

[数3]
ここで、W1は試料の乾燥重量(g)、W2は飽水試料の水中重量(g)、W3は飽水試料の空中質量(g)、Sは純水の密度(1.0g/cm-3)である。
図13に、焼成温度及びバナジン酸イオン添加量を変化させて作製した焼結体の開気孔率変化及びかさ密度変化を示す。
(5)微構造観察
三点曲げ試験後の焼結体の破断面を、走査型電子顕微鏡を使用し、フィラメント:W(タングステン)、加速電圧:2〜3kVの条件で微構造観察した。イオンスパッタ装置を使用して、あらかじめ金蒸着した試料を検鏡試料とし、必要な場合にはドータイトで前処理を行った。試料の加工には研磨機を使用し、耐水研磨紙#200、#400、#800、#1500、ラッピングダイヤ液、ポリシングダイヤ液を用いて鏡面研磨を行った試料を、大気雰囲気下で3時間、焼結温度100℃でサーマルエッチングを行った。
図14a及び図14bに、ケイ酸イオン添加量を変化させて作製した焼結体の微構造を示す。
(6)まとめ
焼結して得た試料はβ-TCP構造であり、原料と同じようにβ-TCP構造にマグネシウム、ナトリウム、ケイ素が置換した固溶体であることが明らかとなった。ケイ素(ケイ酸イオン)の固溶限界(Si:7.1 mol%)の試料には、不純物や混合物の生成はなかった。ケイ素(ケイ酸イオン)添加β-TCP 焼結体の体積収縮率は、ケイ素(ケイ酸イオン)添加量2.0mol%まで増加、3.0 mol%で減少し、また増加した。1150℃ではケイ素(ケイ酸イオン)添加量の増加にともない開気孔率は増加、かさ密度は減少した。しかし、曲げ強度は向上した。これは高温による焼成により、非晶質のガラス相が形成され、そのガラス相が溶けて気孔を埋めてしまったためと示唆された。したがって、ナトリウム及びケイ素(ナトリウムイオン及びケイ酸イオン)の同時固溶によって、気孔が少なく緻密な焼結体を得られることを明らかにした。また、ケイ素(ケイ酸イオン)添加量の増大によってガラス相の生成量は減少した。このことはケイ素(ケイ酸イオン)添加によって熱安定性を増大させることを証明している。さらに、この熱安定性の増大は溶解性の減少を示唆する。

Claims (8)

  1. 四価陰イオンとしてβ型リン酸三カルシウム構造内のリン酸(PO4 3-)位置に少なくともケイ酸(SiO4 4-)イオンを置換固溶し、さらに同時に結晶の電荷補償のためにβ型リン酸三カルシウム構造内の陽イオン位置の空孔に一価陽イオンとしてナトリウムイオンを固溶し、さらに同時にβ型リン酸三カルシウム構造内のCa(5)サイトにカルシウムイオンよりイオン半径の小さい二価陽イオンを固溶したβ型リン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックス。
  2. 前記二価陽イオンは、マグネシウムイオン、マンガンイオン、亜鉛イオンである請求項に記載の生体材料セラミックス。
  3. さらにナトリウムイオン以外の一価陽イオンをβ型リン酸三カルシウム構造内に固溶した請求項1又は2に記載の生体材料セラミックス。
  4. 前記一価陽イオンは、リチウムイオン、カリウムイオン、銀イオンである請求項に記載の生体材料セラミックス。
  5. 請求項1からのいずれか一に記載のβ型リン酸三カルシウムの焼結体からなる生体材料セラミックス。
  6. 請求項1からのいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が粉体である生体材料セラミックス。
  7. 請求項1からのいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が顆粒体である生体材料セラミックス。
  8. 請求項1からのいずれか一に記載の生体材料セラミックスであって、その性状が膜状である生体材料セラミックス。
JP2012179866A 2012-08-14 2012-08-14 β型リン酸三カルシウムからなる生体材料 Active JP6035627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012179866A JP6035627B2 (ja) 2012-08-14 2012-08-14 β型リン酸三カルシウムからなる生体材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012179866A JP6035627B2 (ja) 2012-08-14 2012-08-14 β型リン酸三カルシウムからなる生体材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014036733A JP2014036733A (ja) 2014-02-27
JP6035627B2 true JP6035627B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=50285327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012179866A Active JP6035627B2 (ja) 2012-08-14 2012-08-14 β型リン酸三カルシウムからなる生体材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6035627B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6109773B2 (ja) * 2014-03-14 2017-04-05 学校法人千葉工業大学 生体材料セラミックス焼結体及びその製造方法
JP2018171080A (ja) * 2015-08-28 2018-11-08 株式会社福山医科 代用骨ブロック、代用骨ブロックの製造方法
WO2018181245A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 学校法人千葉工業大学 硬組織接合用接着剤、硬組織接合用接着剤キット、及び骨セメント
JP7097544B2 (ja) 2017-03-30 2022-07-08 学校法人千葉工業大学 硬組織接合用接着剤、硬組織接合用接着剤キット、及び骨セメント

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6061415B2 (ja) * 2010-04-30 2017-01-18 学校法人千葉工業大学 β型リン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックス及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014036733A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kalita et al. Nanocrystalline calcium phosphate ceramics in biomedical engineering
Hidouri et al. Thermal behavior, sintering and mechanical characterization of multiple ion-substituted hydroxyapatite bioceramics
TWI543770B (zh) 礦化膠原蛋白與生物陶瓷之複合物及其製造方法
JP6663608B2 (ja) 骨欠損再建治療用キット、医療用硬組織再建材、製品無機化合物の製造方法及び製品無機化合物
Cicek et al. Alpha-tricalcium phosphate (α-TCP): solid state synthesis from different calcium precursors and the hydraulic reactivity
US20210100930A1 (en) Whitlockite coating constructed on surface of calcium phosphate-based bioceramic substrate and preparation method therefor
KR20110139246A (ko) 갈륨화된 칼슘 포스페이트 생체적합 물질
Shirazi et al. Ion size, loading, and charge determine the mechanical properties, surface apatite, and cell growth of silver and tantalum doped calcium silicate
JP6035627B2 (ja) β型リン酸三カルシウムからなる生体材料
Sanyal et al. Synthesis, characterization and in-vitro studies of strontium-zinc co-substituted fluorohydroxyapatite for biomedical applications
Singh et al. Synthesis and characterization of bioactive zirconia toughened alumina doped with HAp and fluoride compounds
Nandha Kumar et al. Formation mechanisms in β-Ca3 (PO4) 2–ZnO composites: structural repercussions of composition and heat treatments
Lin et al. Novel highly bioactive and biodegradable gypsum/calcium silicate composite bone cements: from physicochemical characteristics to in vivo aspects
JP6109773B2 (ja) 生体材料セラミックス焼結体及びその製造方法
JP6061415B2 (ja) β型リン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックス及びその製造方法
TWI573776B (zh) 磷酸二鈣陶瓷、磷酸二鈣與氫氧基磷灰石之雙相陶瓷及其製造方法
Zhang et al. Synthesis and structural characteristics of magnesium and zinc doped hydroxyapatite whiskers
JP5898877B2 (ja) β型リン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックス及びその製造方法
JP6035623B2 (ja) 三価金属イオンの固溶量によるリン酸三カルシウムからなる生体材料セラミックスの溶解性及び焼結性の制御方法
RU2546539C1 (ru) Способ получения порошкового материала на основе карбонатгидроксиапатита и брушита
WO2013029185A1 (en) Magnesium phosphate biomaterials
Pijocha et al. Physicochemical properties of the novel biphasic hydroxyapatite–magnesium phosphate biomaterial
Yang et al. Regulating the multifactor during wet chemical synthesis to obtain calcium phosphate powders with controllable phase purity for bone repair
Abbasi-Shahni et al. Mechanical properties and in vitro bioactivity of β-tri calcium phosphate, merwinite nanocomposites
RU2395303C1 (ru) Способ получения керамического композиционного биодеградируемого материала на основе двойного фосфата калия кальция

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160812

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6035627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350