JP2001258208A - 電気機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却剤ポンプと機械部分とが別々に配置され
ているにもかかわらず、電気機械自体がコンパクトに形
成されているようにする。 【解決手段】 冷却剤ポンプ４９が、駆動モーメントを
軸２２から冷却剤ポンプ４９に伝達する磁気クラッチ５
５によって駆動可能であり、該磁気クラッチ５５が、入
力部分５８と出力部分６１とを有しており、両部分５
８，６１が、磁気的に有効でない劣導電性の壁によって
互いに分離されているようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械、特に三
相交流発電機またはスタータ・ジェネレータであって、
ステータケーシングと、該ステータケーシング内で支承
された、ロータを支持する軸と、ロータを取り囲むよう
にステータケーシングに固定された、ステータ巻線を備
えたステータ積層鉄芯と、軸によって駆動される、冷却
剤を圧送するための冷却剤ポンプとが設けられており、
該冷却剤ポンプが、ステータ・ロータ室から冷却剤密に
分離された室内に配置されている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許出願公開第３４１
７３０７号明細書に基づき、三相交流発電機と冷却剤ポ
ンプとを１つの共通な軸を介して駆動することが公知で
ある。この場合、駆動モーメントは、発電機によって一
般的に知られているようなベルトプーリを介して駆動さ
れる。この場合、冷却剤ポンプは、発電機部分のロータ
に並んで配置されている。軸回転によって、冷却剤が冷
却剤ポンプにおいて圧送される。同時に、冷却剤移動に
よって、発電機で発生した廃熱の少なくとも一部が搬出
される。

【０００３】前記ドイツ連邦共和国特許出願公開第３４
１７３０７号明細書に基づき公知の配置形式は、発電機
のケーシング内に組み込まれたポンプが大きな容積で形
成されていて、たとえばこのポンプの故障時に発電機と
一緒に交換されなければならず、さらに、比較的手間を
かけて修理されなければならないという欠点を有してい
る。

【０００４】ここでは特に、ロータと冷却剤ポンプとの
間の剛性的な結合によって、圧送の間のキャビテーショ
ンの危険ひいては冷却剤ポンプの破損の危険もはらんで
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、冒頭で述べた形式の電気機械を改良して、冷却
剤ポンプと機械部分とが別々に配置されているにもかか
わらず、電気機械自体がコンパクトに形成されているよ
うにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、冷却剤ポンプが、駆動モーメント
を軸から冷却剤ポンプに伝達する磁気クラッチによって
駆動可能であり、該磁気クラッチが、入力部分と出力部
分とを有しており、両部分が、磁気的に有効でない劣導
電性の壁によって互いに分離されているようにした。

【０００７】

【発明の効果】請求項１の特徴部に記載の特徴を備えた
電気機械、特に三相交流発電機またはスタータ・ジェネ
レータは、冷却剤ポンプもしくは冷却水ポンプが機械に
別個に取り付けられているという利点を有している。さ
らに、冷却剤ポンプは比較的コンパクトに形成されてい
るので軽量である。冷却剤ポンプは良好に接近可能であ
り、これによって、容易に交換可能である。このこと
は、特に修理の際に有利である。

【０００８】従属請求項に記載の特徴によって、独立請
求項に記載の装置の別の有利な構成が可能となる。

【０００９】磁気クラッチの出力部分が励磁機として形
成されていると、磁気クラッチのアクティブ（ａｋｔｉ
ｖ）なエレメントがより容易に接近可能であるという利
点が得られる。このことは、アクティブでない部分より
も手間および費用をかけて形成されているアクティブな
部分の保守に関して特に有利である。出力部分の特に簡
単な構成は、この出力部分が永久磁石を備えた磁気ディ
スクとして形成されていることによって得られる。磁気
クラッチが一種の非同期駆動装置として形成されている
場合に磁気クラッチの別の有利な構成が得られる。これ
によって、磁気クラッチにおける回転モーメント作用は
急激に変化しなくなっており、磁気クラッチにおける力
はより容易に支配可能となる。これによって、冷却剤ポ
ンプにおけるキャビテーションの危険は著しく減少され
ている。

【００１０】磁気クラッチの特に有利な構成は、入力部
分が良導電性のディスクであり、出力部分が励磁機であ
ることによって得られる。この組み合わせでは、手間の
かかる、場合によっては敏感な構成部分を容易に代える
ことができる。磁気クラッチの励磁機が電磁石として形
成されている場合には、この電磁石のコイルの電流を制
御またはコントロールすることによって、作用形式と、
伝達可能なモーメントと、ポンプ出力とを要求に即応し
て制御またはコントロールすることが可能となる。冷却
剤循環路の一部が、ステータの周面に沿ってもしくはス
テータのステータケーシングと外側ケーシングとの間に
沿って案内されていると、ステータにおける有利な冷却
効果を得ることができる。ポンプ支承部の特に有利な構
成では、ポンプ軸のための第１の支承箇所が、軸に対し
て同軸的な中心の冷却剤流入部内に位置している。ポン
プ車のために第２の支承箇所を設ける場合には、この第
２の支承箇所が、ロータの軸の支承部とは無関係な、自
己支持性を有しない部分に位置していると有利である。
他方では、有利には、第２の支承箇所を電気機械のケー
シング底部に設けることができ、これによって、構成部
分を節約することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面につき詳しく説明する。

【００１２】図１には、電気機械９の第１実施例が示し
てある。ステータケーシング１０内には、ステータ巻線
１６を備えたステータ積層鉄芯１３が嵌め込まれてい
る。ステータ積層鉄芯１３の内側には、回転可能なロー
タ１９が配置されており、このロータ１９は軸２２によ
って駆動可能である。軸２２自体はベルトプーリ（図示
せず）によって駆動可能である。軸２２は、軸受け２５
を介して軸受け挿入体２８に回転可能に支承されてい
る。軸受け挿入体２８はケーシング底部３１に不動に装
着されている。このケーシング底部３１はステータケー
シング１０を閉鎖していて、ステータ・ロータ室３４を
冷却剤室３７から分離している。ケーシング底部３１と
ステータケーシング１０とは、ポット状の外側ケーシン
グ４０によって取り囲まれている。外側ケーシング４０
は、連続的に漏斗状に拡張された底部４１に冷却剤流入
部４３を有している。外側ケーシング４０の、冷却剤流
入部４３とは反対の側の領域には、冷却剤のための出口
４６が配置されている。

【００１３】外側ケーシング４０の、漏斗状に拡張され
た底部４１内には冷却剤ポンプ４９が配置されている。
この冷却剤ポンプ４９は、内燃機関の冷却システムから
の冷却剤（通常は水または水混合物である）を、冷却剤
流入部４３を介して外側ケーシング４０の漏斗状の領域
ひいてはケーシング底部３１と外側ケーシング４０との
間の室内に圧送する。冷却剤がステータケーシング１０
の外側領域に到達した後、冷却剤は、ステータケーシン
グ１０を、たとえば蛇行状に取り囲む冷却通路５２内で
案内される。冷却剤は出口４６を通って電気機械９から
流出し、チューブを介して内燃機関の冷却システムに戻
し案内される。

【００１４】冷却剤ポンプ４９は、軸２２と磁気クラッ
チ５５とによって駆動可能である。磁気クラッチ５５
は、軸側の入力部分５８と、ポンプ側の出力部分６１と
から形成される。冷却剤ポンプ４９は、流入側ではブレ
ースによって保持された第１の支承箇所６４で支承され
ており、クラッチ側では第２の支承箇所６７で支承され
ている。運転中に軸２２は磁気クラッチ５５を介して、
ポンプ軸７０に配置されたポンプ車７３を駆動する。

【００１５】図２には、磁気クラッチ５５の第１実施例
が示してある。より見やすくするために、両クラッチ半
部は互いに離れる方向に開かれて図示されている。入力
部分５８だけでなく出力部分６１も磁気ディスクとして
形成されていて、同一の直径を有している。両磁気ディ
スクは永久磁石として、セグメント状に交互に配置され
たＮ極とＳ極とを備えている。したがって、ポンプ車７
３を駆動するためには、入力部分５８のＳ極と出力部分
６１のＮ極とが、かつ入力部分５８のＮ極と出力部分６
１のＳ極とが互いに向かい合って位置している。ケーシ
ング底部３１は、壁領域７６で両クラッチ半部を互いに
分離している。この場合、壁領域７６は、磁気的に中性
な劣導電性の材料から製造されていなければならない。
このためには、特に繊維補強されたプラスチック、ポリ
フェニレンスルフィド（ＰＰＳ）および、非磁気的であ
ると共に高い電気抵抗を有している特殊鋼（Ｘ５ＣｒＮ
ｉ１８ ９）が適している。

【００１６】図３には、磁気クラッチ５５の第２実施例
と、一種の非同期駆動装置としての第１の構成とが示し
てある。ここでは、入力部分５８は、図２に説明したよ
うに形成されている。これに対して、出力部分６１は、
図２に示した実施例とは異なり単に円筒状のディスクで
しかない。磁気クラッチ５５のこの第２実施例では、入
力部分５８が出力部分６１に対して相対的に回転させら
れる。これによって、出力部分６１に電流が誘導され
る。この電流は、出力部分６１が電磁的な相互作用によ
って連行され、これによって、ポンプ車７３が駆動され
るように方向付けられている。

【００１７】図４に示した磁気クラッチ５５の第３実施
例では、配置形式が、図３に示した配置形式に対して正
確に逆転している。この第３実施例では、図３に示した
出力部分６１のように形成された入力部分５８が、図３
に示した入力部分５８のように形成された出力部分６１
に対して相対的に回転させられ、これによって、入力部
分５８に電流が誘導される。この電流は、やはり出力デ
ィスク６１の永久磁界に対して相互作用し、これによっ
て、出力ディスク６１を連行するようになっている。

【００１８】図５には、磁気クラッチ５５のための第４
実施例が示してある。この場合、磁気クラッチ５５は入
力部分５８を有している。この入力部分５８は、コイル
７７によって電磁的に励磁可能であり、電磁石を形成す
る。入力部分５８はＵ字形に形成されている。この入力
部分５８は、軸線方向に方向付けられた２つの脚部７９
を有しており、両脚部７９は脚部結合体８２によって結
合されている。この脚部結合体８２はコイル７７によっ
て電磁的に励磁可能である。出力部分６１は、図３に示
した第２実施例と同様に単に円筒状のディスクでしかな
い。この場合、このディスクは一種の非同期モータとし
て駆動可能である。

【００１９】電磁石のコイル７７の電流は、たとえば爪
状磁極発電機、つまりクローポールジェネレータの励磁
機コイルのための励磁機電流と同様に、スリップリング
と、このスリップリングに接触する滑り接触部とを介し
て供給することができる。

【００２０】コントロール可能または制御可能なポンプ
出力による要望がある場合には、コイル７７の電流はレ
ギュレータまたは制御装置によって変えることができ
る。

【００２１】図６に示した実施例には、冷却剤ポンプ４
９の支承部の変化形が示してある。図１に示した実施例
では、ポンプ軸７０が、一方では、冷却剤流入部４３に
設けられた第１の支承箇所６４で支承されていて、他方
では、ケーシング底部３１もしくはこのケーシング底部
３１の壁領域７６に設けられた第２の支承箇所６７で支
承されているのに対して、ここでは、ポンプ軸７０を支
承するための、冷却剤ポンプ４９の第２の支承箇所が別
個の壁部分８５に設けられている。本実施例では、この
壁部分８５は冷却剤ポンプ４９の力を吸収しさえすれば
よく、ケーシング底部３１に固定されている。さらに、
ここでは、軸２２は軸受け挿入体２８を介して間接的に
ケーシング底部３１に結合されているのではなく、ケー
シング底部３１に直接的に支承されている。ここでも、
壁領域７６は磁気クラッチ５５の両部分５８，６１の間
に位置していて、磁気的に有効でない劣導電性の材料か
ら製造されていなければならない。したがって、壁部分
８５が軸２２の支承部とは無関係に解離可能であること
によって、故障の場合に冷却剤ポンプ４９を電気機械９
から別個に交換することができかつ修理することができ
る。

【００２２】さらに、磁気クラッチ５５における付加的
な損失を回避するために、軸受け挿入体２８だけでなく
ケーシング底部３１も、非磁気的なかつできるだけ劣導
電性の材料から製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電気機械もしくはスタータ・ジェ
ネレータの概略的な部分断面図である。

【図２】磁気クラッチの第１実施例を示す図である。

【図３】磁気クラッチの第２実施例を示す図である。

【図４】磁気クラッチの第３実施例を示す図である。

【図５】磁気クラッチの第４実施例を示す図である。

【図６】後方の支承領域に冷却剤ポンプを備えた、本発
明による電気機械の別の実施例の部分的な断面図であ
る。

【符号の説明】

９ 電気機械、 １０ ステータケーシング、 １３
ステータ積層鉄芯、１６ ステータ巻線、 １９ ロー
タ、 ２２ 軸、 ２５ 軸受け、 ２８軸受け挿入
体、 ３１ ケーシング底部、 ３４ ステータ・ロー
タ室、 ３７冷却剤室、 ４０ 外側ケーシング、 ４
１ 底部、 ４３ 冷却剤流入部、４６ 出口、 ４９
冷却剤ポンプ、 ５２ 冷却通路、 ５５ 磁気クラ
ッチ、 ５８ 入力部分、 ６１ 出力部分、 ６４
第１の支承箇所、 ６７第２の支承箇所、 ７０ ポン
プ車、 ７３ ポンプ車、 ７６ 壁領域、 ７７ コ
イル、 ７９ 脚部、 ８２ 脚部結合体、 ８５ 壁
部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０２Ｋ 5/20 Ｈ０２Ｋ 7/11 7/11 9/19 Ａ 9/19 21/14 Ｇ 21/14 Ｆ０４Ｂ 21/00 Ｐ Ｖ (72)発明者 ローベルト シェンク ドイツ連邦共和国 ヴァイヒンゲン／エン ツ ヌスバウムヴェーク 24／１ (72)発明者 ウルリヒ カッペンシュタイン ドイツ連邦共和国 クニットリンゲン リ ヒャルト ヴァーグナー シュトラーセ ５

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気機械であって、ステータケーシング
   （１０）と、該ステータケーシング（１０）内で支承さ
   れた、ロータ（１９）を支持する軸（２２）と、ロータ
   （１９）を取り囲むようにステータケーシング（１０）
   に固定された、ステータ巻線（１６）を備えたステータ
   積層鉄芯（１３）と、軸（２２）によって駆動される、
   冷却剤を圧送するための冷却剤ポンプ（４９）とが設け
   られており、該冷却剤ポンプ（４９）が、ステータ・ロ
   ータ室（３４）から冷却剤密に分離された室内に配置さ
   れている形式のものにおいて、冷却剤ポンプ（４９）
   が、駆動モーメントを軸（２２）から冷却剤ポンプ（４
   ９）に伝達する磁気クラッチ（５５）によって駆動可能
   であり、該磁気クラッチ（５５）が、入力部分（５８）
   と出力部分（６１）とを有しており、両部分（５８，６
   １）が、磁気的に有効でない劣導電性の壁によって互い
   に分離されていることを特徴とする、電気機械。
2. 【請求項２】 出力部分（６１）が、永久磁石を備えた
   磁気ディスクとして形成されている、請求項１記載の電
   気機械。
3. 【請求項３】 磁気クラッチ（５５）が、一種の非同期
   駆動装置として形成されており、入力部分（５８）が励
   磁機であり、かつ出力部分（６１）が良導電性のディス
   クであるか、または入力部分（５８）が良導電性のディ
   スクであり、かつ出力部分（６１）が励磁機である、請
   求項１記載の電気機械。
4. 【請求項４】 励磁機が、電磁石であるかまたは永久磁
   性を有している、請求項２または３記載の電気機械。
5. 【請求項５】 電磁石のコイル（７７）の電流が制御可
   能またはコントロール可能である、請求項４記載の電気
   機械。
6. 【請求項６】 ステータケーシング（１０）が、外側ケ
   ーシング（４０）によって取り囲まれており、両ケーシ
   ング（１０，４０）の間に冷却剤循環路の一部が配置さ
   れている、請求項１から５までのいずれか１項記載の電
   気機械。
7. 【請求項７】 外側ケーシング（４０）が、軸（２２）
   に対して同軸的な中心の冷却剤流入部（４３）を有して
   おり、該冷却剤流入部（４３）内に、ポンプ軸（７０）
   のための第１の支承箇所（６４）が位置している、請求
   項１から６までのいずれか１項記載の電気機械。
8. 【請求項８】 入力部分（５８）を分離する、ステータ
   ・ロータ室側の壁領域（７６）に、ポンプ軸（７０）の
   ための第２の支承箇所（６７）が位置している、請求項
   ７記載の電気機械。
9. 【請求項９】 壁領域（７６）が、ステータ・ロータ室
   （３４）を閉鎖する、軸受け（２５）を収容するケーシ
   ング底部（３１）の一部である、請求項８記載の電気機
   械。
10. 【請求項１０】 壁領域（７６）が壁部分（８５）の一
    部であり、該壁部分（８５）が、軸（２２）の支承部と
    は無関係に解離可能である、請求項８記載の電気機械。