JP2001258196A - モータフレーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポンプ - Google Patents
モータフレーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポンプInfo
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- JP2001258196A JP2001258196A JP2000068963A JP2000068963A JP2001258196A JP 2001258196 A JP2001258196 A JP 2001258196A JP 2000068963 A JP2000068963 A JP 2000068963A JP 2000068963 A JP2000068963 A JP 2000068963A JP 2001258196 A JP2001258196 A JP 2001258196A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産性が良好で、冷却条件に優れ、更にモー
タ特性も良好なモータフレーム及び該モータフレームを
使用したモータ並びにモータポンプを提供する。 【解決手段】 内部にモータ固定子13を収容する第1
の筒状部1と、該第1の筒状部1の外側に設けられ第1
の筒状部1との間に取扱流体が流れる空間50を形成す
る第2の筒状部2と、を備え、上記第1の筒状部1と第
2の筒状部2とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼
材を用いて一体的に成形したことを特徴とする。更に、
第2の筒状部2の外周部に周波数変換器取付用の座3を
備え、上記第1の筒状部1と第2の筒状部2と座3とを
非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用いて一体的
に成形したことを特徴とする。
タ特性も良好なモータフレーム及び該モータフレームを
使用したモータ並びにモータポンプを提供する。 【解決手段】 内部にモータ固定子13を収容する第1
の筒状部1と、該第1の筒状部1の外側に設けられ第1
の筒状部1との間に取扱流体が流れる空間50を形成す
る第2の筒状部2と、を備え、上記第1の筒状部1と第
2の筒状部2とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼
材を用いて一体的に成形したことを特徴とする。更に、
第2の筒状部2の外周部に周波数変換器取付用の座3を
備え、上記第1の筒状部1と第2の筒状部2と座3とを
非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用いて一体的
に成形したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータフレーム及
び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポン
プに係り、特にステンレス鋼材にて成形したモータフレ
ーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモー
タポンプに関するものである。
び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポン
プに係り、特にステンレス鋼材にて成形したモータフレ
ーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモー
タポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からインバータに代表される周波数
変換器を電動モータポンプに取付け、ポンプの取扱流体
にて、周波数変換器の発生熱を奪うように構成したポン
プ組立体が知られている。例えば、全周流型ポンプの円
筒状のポンプケーシングの外面にインバータを取付ける
構成がある。インバータを全周流型ポンプのポンプケー
シングの外面に取付けることにより、インバータ冷却用
のヒートシンクを不要とし、インバータの小型化を図る
と共に、インバータによりモータに供給する電力の周波
数を高めることにより、モータの小型化を図り、更にポ
ンプ回転数を増加させることによりポンプの小型化を図
っている。
変換器を電動モータポンプに取付け、ポンプの取扱流体
にて、周波数変換器の発生熱を奪うように構成したポン
プ組立体が知られている。例えば、全周流型ポンプの円
筒状のポンプケーシングの外面にインバータを取付ける
構成がある。インバータを全周流型ポンプのポンプケー
シングの外面に取付けることにより、インバータ冷却用
のヒートシンクを不要とし、インバータの小型化を図る
と共に、インバータによりモータに供給する電力の周波
数を高めることにより、モータの小型化を図り、更にポ
ンプ回転数を増加させることによりポンプの小型化を図
っている。
【0003】この種のポンプを構成する主たる材料は、
JIS規格で言えば、SUS304やSUS304L、
あるいはSUS316やSUS316Lなどのオーステ
ナイト系のステンレス鋼の板金材(シートメタル)であ
る。オーステナイト系のステンレス鋼は延性に富み、そ
の板金材はプレス成形や曲げ加工などの加工がしやす
く、また溶接性も良好なため、分割した部材を溶接で接
合して構造体を成形するのに適している。
JIS規格で言えば、SUS304やSUS304L、
あるいはSUS316やSUS316Lなどのオーステ
ナイト系のステンレス鋼の板金材(シートメタル)であ
る。オーステナイト系のステンレス鋼は延性に富み、そ
の板金材はプレス成形や曲げ加工などの加工がしやす
く、また溶接性も良好なため、分割した部材を溶接で接
合して構造体を成形するのに適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オース
テナイト系のステンレス鋼は以下に述べるような特性が
あるため、上述したような構造のポンプにこれを使用す
る場合には、設計上・製造上の制約があった。
テナイト系のステンレス鋼は以下に述べるような特性が
あるため、上述したような構造のポンプにこれを使用す
る場合には、設計上・製造上の制約があった。
【0005】熱伝導率が小さい。 オーステナイト系のステンレス鋼は、一般のスチール
(軟鋼)に比べて熱伝導率が小さい(1/5〜1/
6)。従って、上述のような構造のポンプにオーステナ
イト系のステンレス鋼を使用した場合には、モータ及び
インバータの冷却に関して不利となる。比較的小出力・
小型のポンプでは薄肉の板金材を使用できるため、オー
ステナイト系のステンレス鋼を使用しても実質的に支障
はないが、比較的大出力・大型のポンプでは構造強度面
から厚肉にせざるを得ないため、上記モータ及びインバ
ータの冷却に関する問題が大きくなる。
(軟鋼)に比べて熱伝導率が小さい(1/5〜1/
6)。従って、上述のような構造のポンプにオーステナ
イト系のステンレス鋼を使用した場合には、モータ及び
インバータの冷却に関して不利となる。比較的小出力・
小型のポンプでは薄肉の板金材を使用できるため、オー
ステナイト系のステンレス鋼を使用しても実質的に支障
はないが、比較的大出力・大型のポンプでは構造強度面
から厚肉にせざるを得ないため、上記モータ及びインバ
ータの冷却に関する問題が大きくなる。
【0006】熱膨張係数(線膨張率)が大きい。 オーステナイト系のステンレス鋼は、一般のスチール
(軟鋼)に比べて熱膨張係数が大きい(1.5倍程
度)。従って、上述のような構造のポンプにオーステナ
イト系のステンレス鋼を使用した場合には、モータの温
度が上昇した際のモータ固定子(モータ固定子を構成す
る珪素鋼板の熱膨張係数は軟鋼と同程度)とモータフレ
ームとの間の固着力が弱くなる。比較的小出力・小型の
ポンプでは、薄肉の板金材を使用したモータフレームを
モータ固定子の外周に取り付けた後、捨てビード溶接に
よってモータフレームを円周方向に縮める(引っ張り応
力を残留させる)ことなどでこの問題を解決している。
しかし、比較的大出力・大型のポンプでは、上述したよ
うに構造強度面から厚肉にせざるを得ないため、捨てビ
ート溶接などの手法は実質的には採用できない。即ち、
大きな入熱量を加える必要があり、手間と時間がかかり
すぎる。従って、別の方法によりこの問題を解決するこ
とが必要となる。
(軟鋼)に比べて熱膨張係数が大きい(1.5倍程
度)。従って、上述のような構造のポンプにオーステナ
イト系のステンレス鋼を使用した場合には、モータの温
度が上昇した際のモータ固定子(モータ固定子を構成す
る珪素鋼板の熱膨張係数は軟鋼と同程度)とモータフレ
ームとの間の固着力が弱くなる。比較的小出力・小型の
ポンプでは、薄肉の板金材を使用したモータフレームを
モータ固定子の外周に取り付けた後、捨てビード溶接に
よってモータフレームを円周方向に縮める(引っ張り応
力を残留させる)ことなどでこの問題を解決している。
しかし、比較的大出力・大型のポンプでは、上述したよ
うに構造強度面から厚肉にせざるを得ないため、捨てビ
ート溶接などの手法は実質的には採用できない。即ち、
大きな入熱量を加える必要があり、手間と時間がかかり
すぎる。従って、別の方法によりこの問題を解決するこ
とが必要となる。
【0007】磁性がない。 一般にオーステナイト系のステンレス鋼材は磁性がな
い。モータフレームの磁性の有無はモータの大きさや特
性に影響を与えるので、上述のような構造のポンプのモ
ータフレームにオーステナイト系のステンレス鋼材を使
用した場合には、モータフレームに磁性がない分、モー
タ固定子(珪素鋼板)を大きめに設計するなどの工夫が
必要となる。この場合において、比較的小出力・小型の
ポンプではモータが若干大きくなるだけでありそれほど
問題とならないが、比較的大出力・大型のポンプでは、
同じ比率でもモータが大きくなる絶対量が大きくなるた
め、ポンプ全体が極めて大型化してしまう。
い。モータフレームの磁性の有無はモータの大きさや特
性に影響を与えるので、上述のような構造のポンプのモ
ータフレームにオーステナイト系のステンレス鋼材を使
用した場合には、モータフレームに磁性がない分、モー
タ固定子(珪素鋼板)を大きめに設計するなどの工夫が
必要となる。この場合において、比較的小出力・小型の
ポンプではモータが若干大きくなるだけでありそれほど
問題とならないが、比較的大出力・大型のポンプでは、
同じ比率でもモータが大きくなる絶対量が大きくなるた
め、ポンプ全体が極めて大型化してしまう。
【0008】溶接部が多いと生産性が阻害される場合
がある。 オーステナイト系のステンレス鋼の板金材は、上述した
ように成形に関する生産性が比較的良好であるが、部材
の溶接箇所が多いと、溶接工程の時間が長くなり製造コ
ストが思いのほか高くなってしまう場合がある。このよ
うな場合、材料をステンレス鋳鋼とし、鋳造法などを用
いた一体成形構造体とすることで、製造コストを低減で
きる場合があるが、一般に鋳造品(鋳物製)は板金に比
べ製造上厚肉になりやすく、従って薄肉の板金材(板厚
1.5〜3mm程度)では問題にならなかった上記〜
のような問題点が大きくなる場合がある。
がある。 オーステナイト系のステンレス鋼の板金材は、上述した
ように成形に関する生産性が比較的良好であるが、部材
の溶接箇所が多いと、溶接工程の時間が長くなり製造コ
ストが思いのほか高くなってしまう場合がある。このよ
うな場合、材料をステンレス鋳鋼とし、鋳造法などを用
いた一体成形構造体とすることで、製造コストを低減で
きる場合があるが、一般に鋳造品(鋳物製)は板金に比
べ製造上厚肉になりやすく、従って薄肉の板金材(板厚
1.5〜3mm程度)では問題にならなかった上記〜
のような問題点が大きくなる場合がある。
【0009】また、例えば、モータ固定子の外周部(板
金製モータフレームの外周部)にポンプ取扱流体を導
き、モータ固定子を冷却すると共に、板金製のポンプケ
ーシングの外面に周波数変換器を取り付け、ポンプの取
扱流体によってインバータを冷却しているポンプでは、
ポンプケーシングが円筒形状であり、その外面にはアル
ミニウム合金製のブラケットが取り付けられて、このブ
ラケットに周波数変換器が固定される。このポンプで
は、ブラケットと周波数変換器との接触面が平面であ
り、この部分には隙間があきにくいが、ポンプケーシン
グとブラケットとの接触面が曲面をなしていることか
ら、周波数変換器の冷却条件が安定しにくいという問題
があった。一般にこのような問題を解決するためには、
上記接触面に液状シリコン等の充填材を塗布して上述の
隙間を埋める方法が適用されるが、これには手間がかか
り、生産性の観点からは好ましいものではなかった。
金製モータフレームの外周部)にポンプ取扱流体を導
き、モータ固定子を冷却すると共に、板金製のポンプケ
ーシングの外面に周波数変換器を取り付け、ポンプの取
扱流体によってインバータを冷却しているポンプでは、
ポンプケーシングが円筒形状であり、その外面にはアル
ミニウム合金製のブラケットが取り付けられて、このブ
ラケットに周波数変換器が固定される。このポンプで
は、ブラケットと周波数変換器との接触面が平面であ
り、この部分には隙間があきにくいが、ポンプケーシン
グとブラケットとの接触面が曲面をなしていることか
ら、周波数変換器の冷却条件が安定しにくいという問題
があった。一般にこのような問題を解決するためには、
上記接触面に液状シリコン等の充填材を塗布して上述の
隙間を埋める方法が適用されるが、これには手間がかか
り、生産性の観点からは好ましいものではなかった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、上記〜の問題点を解決する
と同時に、モータ固定子及び周波数変換器の冷却条件も
好適なものにできる、換言すれば、生産性が良好で、冷
却条件に優れ、更にモータ特性も良好なモータフレーム
及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポ
ンプを提供することを目的とする。
鑑みてなされたもので、上記〜の問題点を解決する
と同時に、モータ固定子及び周波数変換器の冷却条件も
好適なものにできる、換言すれば、生産性が良好で、冷
却条件に優れ、更にモータ特性も良好なモータフレーム
及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポ
ンプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような従来技術にお
ける問題点を解決するために、本発明は、内部にモータ
固定子を収容するモータフレームにおいて、上記モータ
フレームを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材によ
り成形したことを特徴とするモータフレームを提案す
る。また同時に、このようなモータフレームを使用した
モータ及びモータポンプを提案する。具体的には、非オ
ーステナイト系のステンレス鋳鋼材として、クロム(C
r)を15〜17%、モリブデン(Mo)を0.5〜2
%、ニッケル(Ni)を4〜6%含み、炭素(C)を
0.05%以下に抑えたマルテンサイト系のステンレス
材、あるいは、クロム(Cr)を20〜30%、モリブ
デン(Mo)を0.5〜4%含んだフェライト系のステ
ンレス材を用いることを提案する。
ける問題点を解決するために、本発明は、内部にモータ
固定子を収容するモータフレームにおいて、上記モータ
フレームを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材によ
り成形したことを特徴とするモータフレームを提案す
る。また同時に、このようなモータフレームを使用した
モータ及びモータポンプを提案する。具体的には、非オ
ーステナイト系のステンレス鋳鋼材として、クロム(C
r)を15〜17%、モリブデン(Mo)を0.5〜2
%、ニッケル(Ni)を4〜6%含み、炭素(C)を
0.05%以下に抑えたマルテンサイト系のステンレス
材、あるいは、クロム(Cr)を20〜30%、モリブ
デン(Mo)を0.5〜4%含んだフェライト系のステ
ンレス材を用いることを提案する。
【0012】また、本発明は、内部にモータ固定子を収
容する第1の筒状部と、該第1の筒状部の外側に設けら
れ第1の筒状部との間に取扱流体が流れる空間を形成す
る第2の筒状部とを備え、上記第1の筒状部と第2の筒
状部とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用い
て一体的に成形したことを特徴とする。
容する第1の筒状部と、該第1の筒状部の外側に設けら
れ第1の筒状部との間に取扱流体が流れる空間を形成す
る第2の筒状部とを備え、上記第1の筒状部と第2の筒
状部とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用い
て一体的に成形したことを特徴とする。
【0013】非オーステナイト系のステンレスは、一般
的にオーステナイト系のステンレスに比べて熱伝導率が
大きく、熱膨張率が小さく、また磁性を有する。即ち、
上記モータフレームの材料としては優れた特性を持って
いる。従って、このような非オーステナイト系のステン
レスを使用し、更に薄肉成形の可能なロストワックス精
密鋳造法などを用いることで、この種のポンプをより大
出力の範囲までシリーズ拡大することができる。
的にオーステナイト系のステンレスに比べて熱伝導率が
大きく、熱膨張率が小さく、また磁性を有する。即ち、
上記モータフレームの材料としては優れた特性を持って
いる。従って、このような非オーステナイト系のステン
レスを使用し、更に薄肉成形の可能なロストワックス精
密鋳造法などを用いることで、この種のポンプをより大
出力の範囲までシリーズ拡大することができる。
【0014】また、この種のポンプは、周波数変換器に
よってモータに供給する周波数を上げることで、ポンプ
を高速・小型化しているものが多い。そして、ポンプの
高速化に伴って生じる比較的周波数の高い騒音をモータ
の周囲を囲む取扱流体によって遮音するように工夫され
ている。この点に関して、本発明によれば、モータフレ
ーム、特に第2の筒状部の肉厚が板金製に比べ増すた
め、この部分での遮音効果も期待できる。
よってモータに供給する周波数を上げることで、ポンプ
を高速・小型化しているものが多い。そして、ポンプの
高速化に伴って生じる比較的周波数の高い騒音をモータ
の周囲を囲む取扱流体によって遮音するように工夫され
ている。この点に関して、本発明によれば、モータフレ
ーム、特に第2の筒状部の肉厚が板金製に比べ増すた
め、この部分での遮音効果も期待できる。
【0015】また、上記第2の筒状部の外周部に周波数
変換器取付用の座を備え、上記第1の筒状部と第2の筒
状部と座とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を
用いて一体的に成形したことを特徴とする。これによ
り、周波数変換器とモータフレームは、例えば平面の座
で接触するため、両者の間に隙間があきにくくなり、周
波数変換器の冷却が良好になると共に冷却条件が安定す
る。また、周波数変換器とモータフレームの間には上述
したアルミ合金製ブラケット等の部品が介在しないた
め、周波数変換器を極めて有効に冷却できる。この結
果、場合によっては接触面に液状シリコン等の充填材を
塗布する必要がなくなり、生産性の改善を図ることも可
能となる。
変換器取付用の座を備え、上記第1の筒状部と第2の筒
状部と座とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を
用いて一体的に成形したことを特徴とする。これによ
り、周波数変換器とモータフレームは、例えば平面の座
で接触するため、両者の間に隙間があきにくくなり、周
波数変換器の冷却が良好になると共に冷却条件が安定す
る。また、周波数変換器とモータフレームの間には上述
したアルミ合金製ブラケット等の部品が介在しないた
め、周波数変換器を極めて有効に冷却できる。この結
果、場合によっては接触面に液状シリコン等の充填材を
塗布する必要がなくなり、生産性の改善を図ることも可
能となる。
【0016】上述したように、非オーステナイト系のス
テンレスは、オーステナイト系のステンレスに比べて、
一般的に熱伝導率が大きく、また熱膨張率が小さく、更
に磁性を有し、モータフレームの材料としては優れた特
性を持っている。しかしながら、溶接性と耐食性につい
ては、オーステナイト系のステンレスに比べて一般的に
劣っている。そこで、マルテンサイト系・フェライト系
のステンレスにおいて、炭素(C)の含有率を極小にす
ることで溶接性の改善を図り、またクロム(Cr)、ニ
ッケル(Ni)の含有率を増加することで耐食性をSU
S304と同等程度にまで引き上げることができる。更
に、鋳造によって一体成形することで、余計な溶接部を
減らし、残った溶接部には研磨処理や不動態化処理を施
すことで、溶接部の耐食性も向上させることができる。
なお、製造方法としては、モータ冷却及び省資源(材料
資源)の観点から、薄肉成形の可能なロストワックス精
密鋳造法などを用いるのが好ましい。
テンレスは、オーステナイト系のステンレスに比べて、
一般的に熱伝導率が大きく、また熱膨張率が小さく、更
に磁性を有し、モータフレームの材料としては優れた特
性を持っている。しかしながら、溶接性と耐食性につい
ては、オーステナイト系のステンレスに比べて一般的に
劣っている。そこで、マルテンサイト系・フェライト系
のステンレスにおいて、炭素(C)の含有率を極小にす
ることで溶接性の改善を図り、またクロム(Cr)、ニ
ッケル(Ni)の含有率を増加することで耐食性をSU
S304と同等程度にまで引き上げることができる。更
に、鋳造によって一体成形することで、余計な溶接部を
減らし、残った溶接部には研磨処理や不動態化処理を施
すことで、溶接部の耐食性も向上させることができる。
なお、製造方法としては、モータ冷却及び省資源(材料
資源)の観点から、薄肉成形の可能なロストワックス精
密鋳造法などを用いるのが好ましい。
【0017】また、本発明は、効果的な用途としてキャ
ンドモータや水中モータのモータフレームに適用するこ
とを提案する。この種のモータは、一般の陸上モータと
異なり、強制空冷用のファンを持たず、また密閉構造と
なっている。即ち、モータの冷却は主としてモータ固定
子の外周部、即ち、モータフレームからの自然対流空冷
又は水冷によって行われる。従って、モータフレームを
非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材にて一体的に成
形することが、特に熱伝導率、熱膨張係数の観点から有
効に作用する。
ンドモータや水中モータのモータフレームに適用するこ
とを提案する。この種のモータは、一般の陸上モータと
異なり、強制空冷用のファンを持たず、また密閉構造と
なっている。即ち、モータの冷却は主としてモータ固定
子の外周部、即ち、モータフレームからの自然対流空冷
又は水冷によって行われる。従って、モータフレームを
非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材にて一体的に成
形することが、特に熱伝導率、熱膨張係数の観点から有
効に作用する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る
モータポンプの一例である全周流型インラインポンプを
示す縦断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図
1のIII矢視図である。
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る
モータポンプの一例である全周流型インラインポンプを
示す縦断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図
1のIII矢視図である。
【0019】本実施形態に係る全周流型モータポンプ
は、内部にモータ固定子を収容する第1の筒状部1と、
第1の筒状部1の外側に設けられ第1の筒状部1との間
に取扱流体が流れる空間50を形成する第2の筒状部2
と、第2の筒状部2の外周部に設けられた周波数変換器
取付用の平面座3とを、非オーステナイト系のステンレ
ス鋳鋼材にて一体に成形したモータフレーム4を備えて
いる。このモータフレーム4は、例えば、ロストワック
ス鋳造法により成形されている。
は、内部にモータ固定子を収容する第1の筒状部1と、
第1の筒状部1の外側に設けられ第1の筒状部1との間
に取扱流体が流れる空間50を形成する第2の筒状部2
と、第2の筒状部2の外周部に設けられた周波数変換器
取付用の平面座3とを、非オーステナイト系のステンレ
ス鋳鋼材にて一体に成形したモータフレーム4を備えて
いる。このモータフレーム4は、例えば、ロストワック
ス鋳造法により成形されている。
【0020】第1の筒状部1の内部にはモータ固定子7
が焼き嵌めされ、第1の筒状部1の軸方向開放端には、
同じく非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材から形成
されるモータフレーム側板5が密封溶接されている。モ
ータ固定子7の内周部には、オーステナイト系のステン
レス薄板(SUS316)製の固定子キャン6が嵌着さ
れ、固定子キャン6はモータフレーム4及びモータフレ
ーム側板5と密封溶接されている。ここで、固定子キャ
ン6にオーステナイト系のステンレスを使用する理由
は、極薄肉成形が容易である点、及び、固定子キャン6
が非磁性材である方がモータ特性に有利である点に配慮
したためである。
が焼き嵌めされ、第1の筒状部1の軸方向開放端には、
同じく非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材から形成
されるモータフレーム側板5が密封溶接されている。モ
ータ固定子7の内周部には、オーステナイト系のステン
レス薄板(SUS316)製の固定子キャン6が嵌着さ
れ、固定子キャン6はモータフレーム4及びモータフレ
ーム側板5と密封溶接されている。ここで、固定子キャ
ン6にオーステナイト系のステンレスを使用する理由
は、極薄肉成形が容易である点、及び、固定子キャン6
が非磁性材である方がモータ特性に有利である点に配慮
したためである。
【0021】図2に示すように、モータフレーム4の第
2の筒状部2の外周部には、平坦な上面を有する平面座
3が設けられ、この平面座3に周波数変換器8を収容し
た下ケース9及び上ケース10が取付けられている。周
波数変換器8の出力は、図1に示すように、平面座3に
設けたリード線穴3aからリード線11を介してモータ
固定子7に供給される。なお、リード線穴3aの周囲に
はOリング12を設け、上下ケース9,10からなるケ
ースの内部及びモータフレーム4の内部と、外部との気
密を確保している。
2の筒状部2の外周部には、平坦な上面を有する平面座
3が設けられ、この平面座3に周波数変換器8を収容し
た下ケース9及び上ケース10が取付けられている。周
波数変換器8の出力は、図1に示すように、平面座3に
設けたリード線穴3aからリード線11を介してモータ
固定子7に供給される。なお、リード線穴3aの周囲に
はOリング12を設け、上下ケース9,10からなるケ
ースの内部及びモータフレーム4の内部と、外部との気
密を確保している。
【0022】モータ固定子7の内側には、モータ回転子
13が回転可能に収容されている。モータ回転子13は
主軸14に焼き嵌め固定され、回転子キャン15と回転
子側板16,16及び主軸14を密封溶接することによ
り、モータ回転子13を取扱流体による腐食から保護し
ている。なお、回転子キャン15と回転子側板16,1
6の材料として、オーステナイト系のステンレスを使用
する。これは、固定子キャン6と同様、極薄肉成形が容
易である点、及び非磁性材の方がモータ特性に有利であ
る点に配慮しているからである。
13が回転可能に収容されている。モータ回転子13は
主軸14に焼き嵌め固定され、回転子キャン15と回転
子側板16,16及び主軸14を密封溶接することによ
り、モータ回転子13を取扱流体による腐食から保護し
ている。なお、回転子キャン15と回転子側板16,1
6の材料として、オーステナイト系のステンレスを使用
する。これは、固定子キャン6と同様、極薄肉成形が容
易である点、及び非磁性材の方がモータ特性に有利であ
る点に配慮しているからである。
【0023】一方、主軸14の材料は非オーステナイト
系のステンレスであり、好ましくは、クロム(Cr)を
15〜17%、モリブデン(Mo)を0.5〜2%、ニ
ッケル(Ni)を4〜6%含み、炭素(C)を0.05
%以下に抑えたマルテンサイト系のステンレス材料を用
いる。マルテンサイト系のステンレス材料は、オーステ
ナイト系のステンレス鋼に比べ強度的に優れ、耐食性は
同等である。また、炭素(C)を極少量としているた
め、キャンなどとの溶接性も良好である。また、クロム
(Cr)を20〜30%、モリブデン(Mo)を0.5
〜4%含んだフェライト系のステンレス材料を用いても
よい。更に、主軸14だけでなく、モータフレーム4等
に上記マルテンサイト系のステンレス材料あるいはフェ
ライト系のステンレス材料を用いることもできる。
系のステンレスであり、好ましくは、クロム(Cr)を
15〜17%、モリブデン(Mo)を0.5〜2%、ニ
ッケル(Ni)を4〜6%含み、炭素(C)を0.05
%以下に抑えたマルテンサイト系のステンレス材料を用
いる。マルテンサイト系のステンレス材料は、オーステ
ナイト系のステンレス鋼に比べ強度的に優れ、耐食性は
同等である。また、炭素(C)を極少量としているた
め、キャンなどとの溶接性も良好である。また、クロム
(Cr)を20〜30%、モリブデン(Mo)を0.5
〜4%含んだフェライト系のステンレス材料を用いても
よい。更に、主軸14だけでなく、モータフレーム4等
に上記マルテンサイト系のステンレス材料あるいはフェ
ライト系のステンレス材料を用いることもできる。
【0024】主軸14は両端部においてモータフレーム
4に設置された軸受(後述する)によって支承され、主
軸14の一端には羽根車18が固定されている。羽根車
18は非オーステナイト系のステンレス鋳鋼による鋳造
成形品又は薄肉オーステナイト系のステンレス鋼による
プレス成形・溶接品などが適宜選択されるが、図1では
両者を上下半分ずつ記載した。
4に設置された軸受(後述する)によって支承され、主
軸14の一端には羽根車18が固定されている。羽根車
18は非オーステナイト系のステンレス鋳鋼による鋳造
成形品又は薄肉オーステナイト系のステンレス鋼による
プレス成形・溶接品などが適宜選択されるが、図1では
両者を上下半分ずつ記載した。
【0025】次に、羽根車18と反対側に設けられた反
スラスト荷重側の軸受周辺部について説明する。軸受ブ
ラケット20には、ラジアル軸受21と固定側スラスト
軸受22が設けられている。ラジアル軸受21の端面
は、まれに発生する逆方向スラスト荷重を支える固定側
スラスト軸受としての機能も付与されている。ラジアル
軸受21と固定側スラスト軸受22を挟んで両側には、
正方向のスラスト荷重を支える回転側正方向スラスト軸
受23と、逆方向のスラスト荷重を支える回転側逆方向
スラスト軸受24が設けられている。二つのスラスト軸
受23,24は各々スラストディスク25,26に焼き
嵌め固定されており、二つのスラストディスク25,2
6は、ラジアル軸受と摺動部を構成するスリーブ27を
間に挟んで、主軸14の端部に設けられたダブルナット
28によって固定されている。
スラスト荷重側の軸受周辺部について説明する。軸受ブ
ラケット20には、ラジアル軸受21と固定側スラスト
軸受22が設けられている。ラジアル軸受21の端面
は、まれに発生する逆方向スラスト荷重を支える固定側
スラスト軸受としての機能も付与されている。ラジアル
軸受21と固定側スラスト軸受22を挟んで両側には、
正方向のスラスト荷重を支える回転側正方向スラスト軸
受23と、逆方向のスラスト荷重を支える回転側逆方向
スラスト軸受24が設けられている。二つのスラスト軸
受23,24は各々スラストディスク25,26に焼き
嵌め固定されており、二つのスラストディスク25,2
6は、ラジアル軸受と摺動部を構成するスリーブ27を
間に挟んで、主軸14の端部に設けられたダブルナット
28によって固定されている。
【0026】上記軸受ブラケット20はモータフレーム
側板5に設けられたいんろう5aに弾性材からなるOリ
ング29を介して挿入されている。また、軸受ブラケッ
ト20は弾性材からなるガスケット30を介してモータ
フレーム側板5に当接している。なお、スラスト軸受2
2,23,24、ラジアル軸受21及びスリーブ27の
材料は、セラミック材料の一種であるシリコンカーバイ
ド(SiC)であり、軸受ブラケット20及びスラスト
ディスク25,26の材料はステンレス鋼(オーステナ
イト系のステンレス又は非オーステナイト系のステンレ
スを適宜選択する)である。
側板5に設けられたいんろう5aに弾性材からなるOリ
ング29を介して挿入されている。また、軸受ブラケッ
ト20は弾性材からなるガスケット30を介してモータ
フレーム側板5に当接している。なお、スラスト軸受2
2,23,24、ラジアル軸受21及びスリーブ27の
材料は、セラミック材料の一種であるシリコンカーバイ
ド(SiC)であり、軸受ブラケット20及びスラスト
ディスク25,26の材料はステンレス鋼(オーステナ
イト系のステンレス又は非オーステナイト系のステンレ
スを適宜選択する)である。
【0027】次に羽根車側に設けられたスラスト荷重側
の軸受周辺部について説明する。軸受ブラケット31に
はラジアル軸受32が設けられており、モータフレーム
4のいんろう4aに弾性材からなるOリング33を介し
て挿入されている。ラジアル軸受32と摺動部を構成す
るスリーブ34は座金35及び羽根車18を介して主軸
14の端部に設けられたナット36によって固定されて
いる。
の軸受周辺部について説明する。軸受ブラケット31に
はラジアル軸受32が設けられており、モータフレーム
4のいんろう4aに弾性材からなるOリング33を介し
て挿入されている。ラジアル軸受32と摺動部を構成す
るスリーブ34は座金35及び羽根車18を介して主軸
14の端部に設けられたナット36によって固定されて
いる。
【0028】モータフレーム4の第2の筒状部2の軸方
向両端部には、取付部品との同軸度を確保するためのい
んろう2a,2a及びボルト締結用のボルト座2b,2
bが設けてあり、Oリング38を介してステンレス鋳鋼
製のノズルケーシング40,41が固定されている。こ
のノズルケーシング40,41の材料であるステンレス
鋳鋼としては、オーステナイト系のステンレス又は非オ
ーステナイト系のステンレスを適宜選択する。但し、非
オーステナイト系のステンレス鋳鋼の方が応力腐食割れ
が発生しにくいので、ポンプ一般用途には好適である。
吸込側ノズルケーシング40及び吐出側ノズルケーシン
グ41は、同一部品とし、部品共用化によって生産性向
上を図っている。吸込側ノズルケーシング40には羽根
車18と摺動部を構成するライナリング42が固定され
ている。
向両端部には、取付部品との同軸度を確保するためのい
んろう2a,2a及びボルト締結用のボルト座2b,2
bが設けてあり、Oリング38を介してステンレス鋳鋼
製のノズルケーシング40,41が固定されている。こ
のノズルケーシング40,41の材料であるステンレス
鋳鋼としては、オーステナイト系のステンレス又は非オ
ーステナイト系のステンレスを適宜選択する。但し、非
オーステナイト系のステンレス鋳鋼の方が応力腐食割れ
が発生しにくいので、ポンプ一般用途には好適である。
吸込側ノズルケーシング40及び吐出側ノズルケーシン
グ41は、同一部品とし、部品共用化によって生産性向
上を図っている。吸込側ノズルケーシング40には羽根
車18と摺動部を構成するライナリング42が固定され
ている。
【0029】また吸込側ノズルケーシング40は羽根車
18から吐出された流体を案内する樹脂製の案内装置4
3をモータフレーム4との間で挟持している。案内装置
43と吸込側ノズルケーシング40との間にはゴムのよ
うな弾性材からなるガスケット44が設けられ、寸法精
度のばらつきによって案内装置43に無用の応力が加わ
ることを防止すると共に、案内装置43によって圧力回
復・昇圧された取扱流体が羽根車側に逆流することも防
いでいる。またノズルケーシング40には、図3に示す
ように、円周方向の旋回流を効果的に防止し、吸込性能
等を向上させるためのリブ45が設けられている。そし
て、ノズルケーシング40,41の外周部には空気抜き
弁46が取付けられると共に、圧力測定用ネジ穴47や
水抜き用ネジ穴48が設けられ、これらネジ穴はプラグ
49,49にて閉止されている。
18から吐出された流体を案内する樹脂製の案内装置4
3をモータフレーム4との間で挟持している。案内装置
43と吸込側ノズルケーシング40との間にはゴムのよ
うな弾性材からなるガスケット44が設けられ、寸法精
度のばらつきによって案内装置43に無用の応力が加わ
ることを防止すると共に、案内装置43によって圧力回
復・昇圧された取扱流体が羽根車側に逆流することも防
いでいる。またノズルケーシング40には、図3に示す
ように、円周方向の旋回流を効果的に防止し、吸込性能
等を向上させるためのリブ45が設けられている。そし
て、ノズルケーシング40,41の外周部には空気抜き
弁46が取付けられると共に、圧力測定用ネジ穴47や
水抜き用ネジ穴48が設けられ、これらネジ穴はプラグ
49,49にて閉止されている。
【0030】上記周波数変換器取付用の平面座3は、図
2に示すように、モータフレーム4を軸方向端部から見
て、ノズルケーシング取付用のボルト座2bとボルト座
2bの間の位置に配置している。これは周波数変換器8
とノズルケーシング取付用のボルト54及びナット55
が干渉しないようにするためであり、周波数変換器取付
用の平面座3の面積を相対的に大きくできることから、
周波数変換器8の冷却に寄与するものである。なお、モ
ータフレーム4とノズルケーシング40,41とは前述
のボルト54及びナット55によって締結されている。
2に示すように、モータフレーム4を軸方向端部から見
て、ノズルケーシング取付用のボルト座2bとボルト座
2bの間の位置に配置している。これは周波数変換器8
とノズルケーシング取付用のボルト54及びナット55
が干渉しないようにするためであり、周波数変換器取付
用の平面座3の面積を相対的に大きくできることから、
周波数変換器8の冷却に寄与するものである。なお、モ
ータフレーム4とノズルケーシング40,41とは前述
のボルト54及びナット55によって締結されている。
【0031】第1の筒状部1と第2の筒状部2をつなぐ
軸方向のリブ17の長さは、少なくともモータフレーム
4の全長の半分以上の長さを確保している。この結果、
周波数変換器8の発生熱はモータフレーム4の第2の筒
状部2の内面からだけでなく、リブ表面からも効果的に
放熱される。また、吸込側ノズルケーシング40から吸
込まれた取扱流体は、羽根車18と案内装置43を通過
しモータフレーム4の流路50に導かれるが、案内装置
43から出た取扱流体にはわずかに円周方向の流れ成分
が含まれており、ポンプの効率低下や騒音発生につなが
る可能性がある。ここではモータフレーム4の第1の筒
状部1と第2の筒状部2をつなぐリブ17の全長を延ば
すことで、この問題を同時に解決している。モータフレ
ーム4の流路50に導かれた取扱流体は、モータ固定子
7の外周部と周波数変換器8を効果的に冷却する。また
一部の取扱流体は軸受21,22,23,24,32及
びスリーブ27,34の潤滑及び冷却を行い、同時にモ
ータ固定子7の内周部とモータ回転子13を冷却する。
軸方向のリブ17の長さは、少なくともモータフレーム
4の全長の半分以上の長さを確保している。この結果、
周波数変換器8の発生熱はモータフレーム4の第2の筒
状部2の内面からだけでなく、リブ表面からも効果的に
放熱される。また、吸込側ノズルケーシング40から吸
込まれた取扱流体は、羽根車18と案内装置43を通過
しモータフレーム4の流路50に導かれるが、案内装置
43から出た取扱流体にはわずかに円周方向の流れ成分
が含まれており、ポンプの効率低下や騒音発生につなが
る可能性がある。ここではモータフレーム4の第1の筒
状部1と第2の筒状部2をつなぐリブ17の全長を延ば
すことで、この問題を同時に解決している。モータフレ
ーム4の流路50に導かれた取扱流体は、モータ固定子
7の外周部と周波数変換器8を効果的に冷却する。また
一部の取扱流体は軸受21,22,23,24,32及
びスリーブ27,34の潤滑及び冷却を行い、同時にモ
ータ固定子7の内周部とモータ回転子13を冷却する。
【0032】モータフレーム4の軸方向端部とノズルケ
ーシング40,41は直接接触するように構成されてい
る。この結果、周波数変換器8の発生熱はモータフレー
ム4の第2の筒状部2の内面から放熱されるだけでな
く、前述の接触面からノズルケーシング40,41に伝
わり、その内面からも取扱流体によって効果的に放熱さ
れる。
ーシング40,41は直接接触するように構成されてい
る。この結果、周波数変換器8の発生熱はモータフレー
ム4の第2の筒状部2の内面から放熱されるだけでな
く、前述の接触面からノズルケーシング40,41に伝
わり、その内面からも取扱流体によって効果的に放熱さ
れる。
【0033】周波数変換器8は下ケース9内に密着して
固定され、発生熱を効果的に取扱流体へ放熱する。下ケ
ース9と上ケース10は合わせ面にゴム製のガスケット
56を介してボルト等の締結手段によって固定されてい
る。また、下ケース9には電源からの電力を入力する手
段として動力ケーブル57が取付けられている。このケ
ーブル57は各芯線からの空気の流通を防止した気密処
理ケーブルである。従って、上下ケース9,10からな
るケース内は外気と完全に遮断されているため、例えば
ポンプを高温多湿の環境条件において冷水循環用に使用
した場合であっても、ケース内に結露を生じることがな
く絶縁劣化の心配がない。
固定され、発生熱を効果的に取扱流体へ放熱する。下ケ
ース9と上ケース10は合わせ面にゴム製のガスケット
56を介してボルト等の締結手段によって固定されてい
る。また、下ケース9には電源からの電力を入力する手
段として動力ケーブル57が取付けられている。このケ
ーブル57は各芯線からの空気の流通を防止した気密処
理ケーブルである。従って、上下ケース9,10からな
るケース内は外気と完全に遮断されているため、例えば
ポンプを高温多湿の環境条件において冷水循環用に使用
した場合であっても、ケース内に結露を生じることがな
く絶縁劣化の心配がない。
【0034】モータは2極の三相誘導電動機であり、周
波数変換器から供給される例えば160Hz・200Vの
電力によって毎分約9600回転の高速回転で運転され
る。この結果、羽根車を始めとするポンプ部の小型化と
トルク低減によるモータの小型化が達成されている。こ
のとき、小型化され表面積も小さくなったポンプ組立体
に周波数変換器を取付けるためには、冷却条件の改善に
よる周波数変換器自体の小型化が必須であり、本発明は
これを可能にしている。
波数変換器から供給される例えば160Hz・200Vの
電力によって毎分約9600回転の高速回転で運転され
る。この結果、羽根車を始めとするポンプ部の小型化と
トルク低減によるモータの小型化が達成されている。こ
のとき、小型化され表面積も小さくなったポンプ組立体
に周波数変換器を取付けるためには、冷却条件の改善に
よる周波数変換器自体の小型化が必須であり、本発明は
これを可能にしている。
【0035】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、生産性
が良好で、冷却条件に優れ、モータ特性も良好なモータ
フレーム及び該モータフレームを用いたモータ並びにモ
ータポンプを提供することが可能となる。また、実装イ
ンバータを効果的かつ安定的に水冷するためのモータフ
レームを供給することが可能である、更に、該モータフ
レームを用いた小型のモータ及びモータポンプを提供す
ることができる。また、総じて冷却条件が良好となるた
め、高速化によるポンプ及びモータの小型化とインバー
タの小型化を両立した極めてコンパクトなポンプ組立体
の提供が可能となる。
が良好で、冷却条件に優れ、モータ特性も良好なモータ
フレーム及び該モータフレームを用いたモータ並びにモ
ータポンプを提供することが可能となる。また、実装イ
ンバータを効果的かつ安定的に水冷するためのモータフ
レームを供給することが可能である、更に、該モータフ
レームを用いた小型のモータ及びモータポンプを提供す
ることができる。また、総じて冷却条件が良好となるた
め、高速化によるポンプ及びモータの小型化とインバー
タの小型化を両立した極めてコンパクトなポンプ組立体
の提供が可能となる。
【0036】本発明のモータフレームの態様では、内部
にモータ固定子を収容する第1の筒状部と、該第1の筒
状部の外側に設けられ第1の筒状部との間に取扱流体が
流れる空間を形成する第2の筒状部とを備え、これら第
1の筒状部と第2の筒状部とをオーステナイト系のステ
ンレスに比べて熱伝導率が大きく、熱膨張率が小さく、
また磁性を有する非オーステナイト系のステンレス鋳鋼
材を用いて成形したため、生産性及びモータ特性を良好
なものとすることができる。
にモータ固定子を収容する第1の筒状部と、該第1の筒
状部の外側に設けられ第1の筒状部との間に取扱流体が
流れる空間を形成する第2の筒状部とを備え、これら第
1の筒状部と第2の筒状部とをオーステナイト系のステ
ンレスに比べて熱伝導率が大きく、熱膨張率が小さく、
また磁性を有する非オーステナイト系のステンレス鋳鋼
材を用いて成形したため、生産性及びモータ特性を良好
なものとすることができる。
【0037】また、第2の筒状部の外周部に周波数変換
器取付用の座を備え、上記第1の筒状部と第2の筒状部
と座とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用い
て一体的に成形したため、周波数変換器を効果的に、か
つ、安定的に水冷することができる。
器取付用の座を備え、上記第1の筒状部と第2の筒状部
と座とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材を用い
て一体的に成形したため、周波数変換器を効果的に、か
つ、安定的に水冷することができる。
【図1】本発明に係るモータポンプの一例である全周流
型インラインポンプを示す縦断面図である。
型インラインポンプを示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII矢視図である。
1 第1の筒状部 2 第2の筒状部 2a,4a,5a いんろう 2b ボルト座 3 平面座 3a リード線穴 4 モータフレーム 5 モータフレーム側板 6 固定子キャン 7 モータ固定子 8 周波数変換器 9 下ケース 10 上ケース 11 リード線 12,29,33,38 Oリング 13 モータ回転子 14 主軸 15 回転子キャン 16 回転子側板 17,45 リブ 18 羽根車 20,31 軸受ブラケット 21,32 ラジアル軸受 22 固定側スラスト軸受 23 回転側正方向スラスト軸受 24 回転側逆方向スラスト軸受 25,26 スラストディスク 27,34 スリーブ 28 ダブルナット 30,44,56 ガスケット 35 座金 36,55 ナット 40 吸込側ノズルケーシング 41 吐出側ノズルケーシング 42 ライナリング 43 案内装置 46 空気抜き弁 47 圧力測定用ネジ穴 48 水抜き用ネジ穴 49 プラグ 50 流路 54 ボルト 57 動力ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 良男 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 飯島 克自 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 5H605 AA01 AA07 BB06 CC01 CC02 CC04 DD05 DD13 DD37 EA15 EB02 EB10 EB16 EB34 EC01 FF03 GG04 GG06
Claims (11)
- 【請求項1】 内部にモータ固定子を収容するモータフ
レームにおいて、 上記モータフレームを非オーステナイト系のステンレス
鋳鋼材により成形したことを特徴とするモータフレー
ム。 - 【請求項2】 内部にモータ固定子を収容する第1の筒
状部と、該第1の筒状部の外側に設けられ第1の筒状部
との間に取扱流体が流れる空間を形成する第2の筒状部
とを備え、 上記第1の筒状部と第2の筒状部とを非オーステナイト
系のステンレス鋳鋼材により成形したことを特徴とする
モータフレーム。 - 【請求項3】 上記第1の筒状部と第2の筒状部とを一
体的に成形したことを特徴とする請求項2に記載のモー
タフレーム。 - 【請求項4】 上記第2の筒状部の外周部に周波数変換
器取付用の座を備え、上記第1の筒状部と第2の筒状部
と座とを非オーステナイト系のステンレス鋳鋼材により
成形したことを特徴とする請求項2に記載のモータフレ
ーム。 - 【請求項5】 上記第1の筒状部と第2の筒状部と座と
を一体的に成形したことを特徴とする請求項4に記載の
モータフレーム。 - 【請求項6】 上記非オーステナイト系のステンレス鋳
鋼材は、クロムを15〜17%、モリブデンを0.5〜
2%、ニッケルを4〜6%含み、かつ、炭素を0.05
%以下に抑えたマルテンサイト系のステンレス材である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載
のモータフレーム。 - 【請求項7】 上記非オーステナイト系のステンレス鋳
鋼材は、クロムを20〜30%、モリブデンを0.5〜
4%含んだフェライト系のステンレス材であることを特
徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ
フレーム。 - 【請求項8】 上記請求項1から7のいずれか一項に記
載のモータフレームと、上記モータフレームの第1の筒
状部に収容されたモータ固定子と、モータ固定子の内側
に収容されると共に上記モータフレームに設置された軸
受によって回転自在に支持されたモータ回転子とを備え
たことを特徴とするモータ。 - 【請求項9】 上記モータは上記モータ回転子をキャン
封止する回転子キャンを備えたキャンドモータであるこ
とを特徴とする請求項8に記載のモータ。 - 【請求項10】 上記モータは上記モータフレームの内
部を密閉構造とした水中モータであることを特徴とする
請求項8又は9に記載のモータ。 - 【請求項11】 上記請求項8から10のいずれか一項
に記載のモータと、上記モータ回転子の主軸に固定され
た羽根車と、上記モータ及び羽根車を収容するポンプケ
ーシングとを備えたことを特徴とするモータポンプ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000068963A JP2001258196A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | モータフレーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポンプ |
AU68671/00A AU6867100A (en) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | Motor frame and motor using the motor frame and motor pump |
CNB008122229A CN1227799C (zh) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | 电动机架以及使用该电动机架的电动机及电动泵 |
KR1020027001918A KR20020033762A (ko) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | 모터프레임과 그 모터프레임을 사용한 모터 및 모터펌프 |
PCT/JP2000/005927 WO2001017095A1 (fr) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | Bati de moteur, moteur utilisant ledit bati et motopompe |
EP00956850A EP1211784A4 (en) | 1999-08-31 | 2000-08-31 | MOTOR FRAME, MOTOR USING THE SAME AND MOTOR PUMP |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000068963A JP2001258196A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | モータフレーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001258196A true JP2001258196A (ja) | 2001-09-21 |
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ID=18587934
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000068963A Pending JP2001258196A (ja) | 1999-08-31 | 2000-03-13 | モータフレーム及び該モータフレームを使用したモータ並びにモータポンプ |
Country Status (1)
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022024823A (ja) * | 2020-07-28 | 2022-02-09 | 株式会社荏原製作所 | 水封式モータ |
-
2000
- 2000-03-13 JP JP2000068963A patent/JP2001258196A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022024823A (ja) * | 2020-07-28 | 2022-02-09 | 株式会社荏原製作所 | 水封式モータ |
JP7450487B2 (ja) | 2020-07-28 | 2024-03-15 | 株式会社荏原製作所 | 水封式モータ |
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