JP2001256992A - 燃料電池用セル電圧検出端子装置 - Google Patents
燃料電池用セル電圧検出端子装置Info
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Abstract
る。 【解決手段】 セパレータ14の側面14Aに上面14
Bにも開口する凹部15を形成した。また、セパレータ
14から電圧を検出するためのセル電圧検出端子21の
先端に、クリップ型の挟持部22を設けた。この挟持部
22は、隣り合う一方のセルを構成するセパレータ14
の凹部15と、他方のセルを構成するセパレータ14の
凹部15に受容された状態となるように、両セパレータ
14を挟持する。
Description
る各セルの電圧を検出するために用いる端子と、それが
取り付けられるセル側の端子取付部に関するものであ
る。
ノード側電極とカソード側電極とを対設した燃料電池セ
ルを、セパレータにより挟持して複数積層することによ
り構成された燃料電池が知られている。燃料電池におい
ては、アノード側電極に供給された燃料ガスは、触媒電
極上でイオン化され、適度に加湿された電解質膜を介し
てカソード側電極へと移動する。その間に生じた電子が
外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用
される。こうした電気エネルギを取り出し続けるには、
各セルが良好に機能している必要がある。燃料電池運転
時に各セルが正常な状態にあるかどうかを知るには、セ
ル電圧の測定を行えばよく、従来より、セル電圧検出端
子装置として、図9及び図10に示すような差込式端子
を用いた装置が知られている。この電圧検出端子装置
は、燃料電池スタック1を構成するセル2の近くに設け
られたセル電圧測定用の回路基板3と、その回路基板3
に固定されたセル電圧検出端子4と、セル2に形成され
た端子取付穴5とを備えて構成されている。
れた端子取付穴5の内壁と、そこに差し込まれたセル電
圧検出端子4が接触し、セル電圧がセル電圧検出端子4
を経由して回路基板3に伝わるので、回路基板3内で隣
り合うセル2の電位差からセル電圧を測定し、燃料電池
制御装置(図示略)へと伝える。従って、セル2の異常
は、セル電圧の低下として検知されることになる。
構成では、以下に掲げる問題があった。 (1)単にセル電圧検出端子4を端子取付穴5に差し込
むだけであるため、燃料電池運転中に発生する燃料電池
スタック1の伸縮によるセル2とセル電圧検出端子4間
の摩耗や、それぞれの寸法誤差によって接触不良が発生
したり、セル電圧検出端子4が振動等で端子取付穴5か
ら抜けることがあり、燃料電池運転中にセル電圧が検出
できなくなることがある。
備スペースの小型化の観点から単セルの小型化・薄型化
が望まれており、セルの構成要素であるセパレータも例
えば2〜5mm程度と出来うる限り薄く形成されてきて
いる。こうした薄いセパレータに端子取付穴5を設ける
ためには、高い加工精度が求められる。さらに、セル2
とセル電圧検出端子4間の接触不良を防ぐには、セル電
圧検出端子4と端子取付穴5との隙間を0.2mm程度
以下にする必要があるため、一層の加工精度が要求され
る。 (3)セル電圧検出端子4を端子取付穴5に差し込む
時、各セル2の厚さは薄く隙間が少ないため、セル電圧
検出端子4の差し込みが難しくなり、その作業に手間取
る。 (4)回路基板3は、燃料電池の運転時に発生する燃料
電池スタック1の伸縮時にもセル電圧検出端子4が対応
できるように、その変化分を考慮して取り付けなければ
ならない。
び特開平11−339828号公報にも同種の技術が開
示されているが、前者の燃料電池の電圧測定用出力端子
の取付方法では、弾性力のみで穴内周にバナナクリップ
の先端を押し付けているだけなので、外力によってたや
すく離脱してしまうおそれがあり、また、後者のセル電
圧測定端子付き燃料電池スタックでは、セパレータの外
周に突起状の電圧測定端子を設けているため、ハンドリ
ング中の安易な接触等で接続不良や破損をまねくおそれ
がある。
たものであり、その目的とするところは、簡単な構造で
良好な端子接続状態を維持すること,端子の安易な抜け
を防止すること,及び端子の着脱作業性を向上させるこ
とにある。
に、本発明は以下の構成を採用した。請求項1の発明
は、燃料電池(燃料電池スタック11)のセパレータ
(14)に形成された凹部(15,52)と、前記セパ
レータから電圧を検出するために前記凹部に受容される
端子(セル電圧検出端子21)とを備えた燃料電池用セ
ル電圧検出端子装置であって、前記端子は、前記凹部に
受容されつつ前記セパレータの一部を挟持する挟持部
(22)を有することを特徴としている。
して、簡単な構造で良好な接続状態を維持することがで
きる。また、挟持部が凹部に受容されるため、挟持部が
セパレータ表面から突出せず、ハンドリング中等の安易
な接触等による接続不良や破損を起こし難くなる。
池用セル電圧検出端子装置において、前記凹部は、その
内壁(15A,52A)に前記セパレータの厚さ方向に
窪む凹溝(16)または突出する凸条(52a)を備
え、前記挟持部は、その内面側に前記凹溝または前記凸
条と係合する凸条部(22b)または凹面部(51a)
を備えることを特徴としている。
条と、挟持部に備えた凸条部または凹面部との係合によ
って、より一層確実に良好な接続状態を維持することが
できる。また、端子の安易な抜けもより起こり難くな
る。
2記載の燃料電池用セル電圧検出端子装置において、前
記端子は、前記セパレータからの検出電圧を測定する回
路基板(23)に接続されると共に、これらセパレータ
と回路基板との間に両者の相対変位を許容する可撓部
(屈曲部26,屈曲部55,コイル状可撓部56)を備
えることを特徴としている。
って、セル積層時等に生じる位置ズレを吸収し得るか
ら、回路基板の燃料電池スタックへの組み付けが容易に
なる。また、このような相対変位吸収作用を奏する場合
には、燃料電池運転時に生じるセルの位置変化を考慮す
る必要がなくなるから、良好な接続状態を維持すること
ができる。
いずれかに記載の燃料電池用セル電圧検出端子装置にお
いて、前記凹部は、これと隣り合う他の凹部に対して、
前記セパレータの厚み方向と直交する方向に位置をずら
して配置されていることを特徴としている。
交する方向に、より広い空間を確保することができるの
で、端子の着脱作業が容易になる。また、端子同士が隣
接することがないので、水分リーク等による端子間の短
絡を有効に回避することが可能になる。
実施の形態について説明する。図1は本実施の形態によ
る燃料電池用セル電圧検出端子装置の要部を示す斜視
図、図2は同装置の断面図である。
燃料電池スタックを示しており、この燃料電池スタック
11は多数のセル12を積層させて構成される。各セル
12は、固体高分子膜の両面に燃料極及び空気極をそれ
ぞれ接合してなる膜・電極接合体(以下、「MEA」と
略記する。)13と、このMEA13を両側から挟持す
るセパレータ14とを備えて構成される。
密質のカーボン板や金属板からなり、その一側面、すな
わち、単セル構成時にMEA13に面することとなる側
面14Aには、凹溝状のガス流路(図示略)が形成され
ている。そして、燃料極に接するセパレータ14のガス
流路に水素が供給されると共に、空気極に接するセパレ
ータ14のガス流路に空気が供給されることによって、
これら電極間で電気化学反応に基づく発電が行われる。
は、上面14Bに開口する凹部15が形成され、この凹
部15と、セル構成時にMEA13を間に挟んで相対す
ることとなる他のセパレータ14に形成された凹部15
とによって、端子挿入部17が構成される。また、凹部
15の内壁のうち、前記側面14Aと平行な内壁15A
には、横断面半円状の凹溝16が前記上面14Bと平行
に形成されている。
ス等の線材からなるセル電圧検出端子(端子)を示して
いる。このセル電圧検出端子21は、その先端側に断面
略「コ」の字状をなすクリップ型の挟持部22を備える
と共に、根元側はセル電圧測定用の回路基板23に固定
され、中間にはセル12と回路基板23間の相対変位を
吸収するための屈曲部(可撓部)26が設けられてい
る。
なると共に、対向離間配置された一対の挟持片22aの
相互間隔が先端で狭められてなる先細り形状に構成さ
れ、前記相互間隔よりも厚肉の物体をくわえると、その
相互間隔を狭める方向に弾発力が作用し、物体を挟持す
る。また、各挟持片22aの先端部内面側には、前記凹
溝16と係合する断面半円状の凸条部22bが突出形成
されている。
応力緩和特性が良好,導電性が良好,耐食性が良好,加
工性が良好等の理由から、バネ用ベリリウム銅(JIS
C1720),バネ用りん青銅(JIS C521
0),バネ用洋白等を採用することが好ましい。
ータ14)に接続するときは、隣り合うセル12の各一
方のセパレータ14の上面14Bに挟持部22を位置決
めし、該挟持部22を上から押す。すると、挟持片22
aがセパレータ14に押し広げられるようにして、端子
挿入部17(凹部15)に挟持部22が差し込まれてい
く。
と、挟持片22bの先端部内周側に形成された凸条部2
2bが、凹部15の内壁15Aに形成された凹溝16と
噛み合うようにして係合するため、セル電圧検出端子2
1は振動等ではセル12から抜けないように接続され
る。
元の形に戻ろうとして生じる弾発力によって、セル電圧
検出端子21は常に、しかも、広範囲にわたってセル1
2と接触するため、抜け止めはもとより、良好な接触状
態が確保される。また、挟持部22は、凹部15に受容
された状態でセパレータ14の一部を挟持するので、セ
パレータ表面から突出しない。これにより、ハンドリン
グ中等の安易な接触等による接続不良や破損が起き難く
なる。さらに、燃料電池運転時は、セル電圧検出端子2
1の中間に設けた屈曲部26が延びることでセル電圧検
出端子21の利用される長さが変わり得る構成になって
いるため、回路基板23とセル12との相対変位を吸収
することもできる。
のセル電圧検出端子21が接近する場合には、挟持部2
2にてセパレータ14を挟さみ込む位置を、セル12の
積層方向、すなわち、セパレータ14の厚み方向に沿っ
て1直線に並ぶように配置せずに、図5に示すように、
平面視にて千鳥状となるように、すなわち、セパレータ
14の厚み方向と直交する方向に位置をずらした配置と
してもよい。
15の形成位置をセル12毎に変えておけばよい。かか
る構成によれば、前記直交方向に空間が得られることに
なり、セル電圧検出端子21の着脱作業が容易になる。
また、隣り合う挟持部22が隣接することがないので、
水分リーク等によるセル電圧検出端子21間の短絡を効
果的に回避することができる。
12に同時接続するときは、予め複数のセル電圧検出端
子21を固定しておいた回路基板23を用意する。この
とき、各セル電圧検出端子21間の間隔は、燃料電池ス
タック11が加圧等されていないときのセル12間の間
隔が設計値等から予めわかっているため、その間隔に合
わせておく。
タック11に対して水平方向は所定の位置に、また、垂
直方向はセル電圧検出端子21の挟持部22がセパレー
タ14の上面14Bであって、隣り合う凹部15の間に
軽く乗った状態となるように仮位置決めする。その後、
接続ジグ31を挟持部22の上に押し当て、挟持片22
aが端子挿入部17(凹部15)に、深く差し込まれる
ようにする。
電圧検出端子21がセル12に接続されたものと判断し
て接続ジグ31を挟持部22から離間させる。これで、
接続作業は完了する。接続ジグ31には、回路基板23
に固定されたセル電圧検出端子21間の間隔と等間隔に
端子ガイド用の溝を設けておいてもよく、かかる場合に
は、各セル電圧検出端子21を一定間隔に保持したまま
セル12に接続することができるので、作業性の向上を
図ることができる。
る方法としては、挟持部22の位置を確認する方法もあ
る。すなわち、挟持部22の差し込みが不完全である場
合は、差し込みが完全である場合よりも回路基板23側
に挟持部22が位置することになるから、この位置の違
いによって、セル電圧検出端子21の接続状態を判断す
ることができる。
取り付けに合わせて、セル電圧検出端子21と同方向に
移動させ、燃料電池スタック11に固定する。セル電圧
検出端子21をセル12から取り外す時は、取り外しジ
グ32を挟持部22とセル12の間に差し込みながら挟
持部22をすくい上げることによって、セル電圧検出端
子21をセル12から切り離す。
出端子21を同時かつ簡単に脱着させることができ、ま
た、自動化も容易になる。また、本実施の形態による燃
料電池用セル電圧検出端子装置によれば、セル電圧検出
端子21に設けた挟持部22の開閉バネ作用を利用して
セル電圧検出端子21を簡単かつ確実にセルに接続し得
ると共に、その挟持力によって接触不良を効果的に防止
することができる。
けた屈曲部26によって、回路基板23とセル12との
間に生じる相対変位を吸収し得るようにしたので、燃料
電池運転時のセル12の位置変化を考慮する必要がなく
なり、回路基板23の燃料電池スタック11への組み付
けが容易になる。さらに、挟持片22aの凸条部22b
と、凹部15内の凹溝16とを噛み合わせているため、
一度接続したセル電圧検出端子21は容易に外れること
がない。
出端子21の着脱自動化システムの一構成例及びその一
動作例について概説する。本システムは、燃料電池スタ
ック11及び回路基板23の位置決め工程と、セル電圧
検出端子21の着脱工程を自動化するものであり、前記
接続ジグ31及び取り外しジグ32の他に、制御部4
1,接続ジグ31等を駆動する駆動部42,例えば光セ
ンサを有する位置検出部43,及び燃料電池スタック1
1が載置される台座44を備えて構成される。
る。セル電圧検出端子21をセル12に接続するには、
まず、制御部41からの制御信号によって駆動部42を
介して台座44を駆動し、燃料電池スタック11を位置
決めする。この位置決めは、位置検出部43から制御部
41への出力信号に基づき行われる。
ック11に対して位置決めする。これら回路基板23と
燃料電池スタック11との位置関係は、上述した通りで
ある。次いで、制御部41からの制御信号によって駆動
部42を介して接続ジグ31を下方駆動し、セル電圧検
出端子21の挟持部22をセル12の端子挿入部17に
完全に差し込む。
ら取り外すには、まず、制御部41からの制御信号によ
って駆動部42を介して取り外しジグ32を駆動する。
この場合は、まず、挟持部22とセル12の間に先端部
が差し込まれるように取り外しジグ32を水平駆動し、
次いで、取り外しジグ32を上方駆動することによっ
て、セル電圧検出端子21をセル12から離脱させる。
るものではなく、以下の形態をも含むものである。 (1)セル電圧検出端子21の挟持部22及びセパレー
タ14の凹部15を図2に示す形態に代えて、図3に示
す形態の挟持部51及び凹部52にすること。すなわ
ち、凹部52の内壁52Aに断面半円状の凸条52aを
突出形成すると共に、この凸条52aと係合する半円筒
状の凹面部51aを挟持部51の先端部内周側に形成し
ても、図2に示す形態と同様の効果を得ることができ
る。
る可撓部を図4に示す屈曲部26に代えて、図7に示す
屈曲部55又は図8に示すコイル状可撓部56にするこ
と。なお、屈曲部26、55は、セル積層方向のスペー
スが極めて少ないという事情を考慮して、セル12と回
路基板23との離間方向(図4の紙面上下方向)に屈曲
させておくのが好ましい。
によれば、以下の効果を得ることができる。 (1)請求項1の発明によれば、挟持部による挟持力を
利用することによって、簡単な構造で良好な接続状態を
維持することができる。また、挟持部が凹部に受容され
るため、挟持部がセパレータ表面から突出せず、ハンド
リング中等の安易な接触等による接続不良や破損を起こ
し難くすることができる。
えた凹溝または凸条と、挟持部に備えた凸条部または凹
面部との係合によって、より一層確実に良好な接続状態
を維持することができる。また、端子の安易な抜けもよ
り起こり難くすることができる。
適宜撓むことによって、セル積層時等に生じる位置ズレ
を吸収し得るから、良好な接続状態を維持することがで
きる。また、このような相対変位吸収作用を奏する場合
には、燃料電池運転時に生じるセルの位置変化を考慮す
る必要がなくなるから、回路基板の燃料電池スタックへ
の組み付けが容易になり、作業性の向上を図ることがで
きる。
タの厚み方向と直交する方向に、より広い空間を確保す
ることができるので、端子の着脱作業が容易となり、作
業性の向上を図ることができる。また、端子同士が隣接
することがないので、水分リーク等による端子間の短絡
を有効に回避し得て、測定結果の信頼性の向上を図るこ
とができる。
電圧検出端子装置の斜視図である。
る。
態を示す横断面図である。
の縦断面図である。
構成例を示すシステム構成図である。
要部拡大図である。
を示す要部拡大図である。
を示す斜視図である。
断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 燃料電池のセパレータに形成された凹部
と、前記セパレータから電圧を検出するために前記凹部
に受容される端子とを備えた燃料電池用セル電圧検出端
子装置であって、 前記端子は、前記凹部に受容されつつ前記セパレータの
一部を挟持する挟持部を有することを特徴とする燃料電
池用セル電圧検出端子装置。 - 【請求項2】 前記凹部は、その内壁に前記セパレータ
の厚さ方向に窪む凹溝または突出する凸条を備え、 前記挟持部は、その内面側に前記凹溝または前記凸条と
係合する凸条部または凹面部を備えることを特徴とする
請求項1記載の燃料電池用セル電圧検出端子装置。 - 【請求項3】 前記端子は、前記セパレータからの検出
電圧を測定する回路基板に接続されると共に、これらセ
パレータと回路基板との間に両者の相対変位を許容する
可撓部を備えることを特徴とする請求項1または請求項
2記載の燃料電池用セル電圧検出端子装置。 - 【請求項4】 前記凹部は、これと隣り合う他の凹部に
対して、前記セパレータの厚み方向と直交する方向に位
置をずらして配置されていることを特徴とする請求項1
〜請求項3のいずれかに記載の燃料電池用セル電圧検出
端子装置。
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