JP2001253747A - 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法 - Google Patents

水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法

Info

Publication number
JP2001253747A
JP2001253747A JP2000067436A JP2000067436A JP2001253747A JP 2001253747 A JP2001253747 A JP 2001253747A JP 2000067436 A JP2000067436 A JP 2000067436A JP 2000067436 A JP2000067436 A JP 2000067436A JP 2001253747 A JP2001253747 A JP 2001253747A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mortar
concrete
polypropylene fiber
underwater
specific gravity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000067436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3295408B2 (ja
Inventor
Masanobu Sakamoto
全布 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2000067436A priority Critical patent/JP3295408B2/ja
Publication of JP2001253747A publication Critical patent/JP2001253747A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3295408B2 publication Critical patent/JP3295408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
    • C04B20/1018Coating or impregnating with organic materials
    • C04B20/1029Macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
    • C04B20/1055Coating or impregnating with inorganic materials
    • C04B20/1077Cements, e.g. waterglass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/74Underwater applications

Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄筋を使用せずに曲げ強度、引張強度、せん断
強度及び曲げじん性を向上し、品質が良好で経済的な水
中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法を提
供する。 【解決手段】ポリプロピレン繊維の表面に、エポキシ樹
脂、ポリマーセメントモルタル用の合成ゴム系のSBR
樹脂、EVA樹脂及びアクリル樹脂の何れか1つ又は複
数からなる比重1.03以上の合成樹脂を付着させ、比
重が1.01以上のポリプロピレン繊維とする。そし
て、このポリプロピレン繊維を、太さを10〜8000
デニール、繊維長さを6〜48mmに設定してモルタル又
はコンクリートに混入し、水中に打設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中モルタル又
は水中コンクリート構造物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モルタル構造物又はコンクリート構造物
は、圧縮強度が大きいが、曲げ強度、引張強度、せん断
強度及び曲げじん性(脆さ)が小さい。そのため、水中
モルタル又はコンクリート構造物を施工する場合には、
一般に、鉄筋を使用した方法が行われている。すなわ
ち、例えばケーソンの底版コンクリートを施工する際に
は、水中で鉄筋を配置した後に水中コンクリートを打設
して、曲げ強度、引張強度及び曲げじん性を得るように
している。また、水位の高い場所で場所打ち鉄筋コンク
リート杭を施工する際には、水中地盤に杭の口径を掘削
した後に鉄筋籠を挿入し、さらに水中コンクリートを打
設して曲げ強度、引張強度、せん断強度及び曲げじん性
を得ている。さらに、橋脚、橋台を施工する際にも、水
中地盤に鉄筋を配置し、水中コンクリートを打設してい
る。
【0003】しかし、上述したように鉄筋を補強部材と
して使用すると、コンクリート構造物にひび割れが発生
すると鉄筋が腐食して膨張し、構造物が剥離、剥落を起
こして強度が低下するおそれがある。また、鉄筋は比重
が7.85と重いので、運搬、配筋作業に多くの手間を
要する。また、水中での鉄筋の配置は、作業性、精度が
劣り時間も要する。さらに、鉄筋籠の組み立ては水中で
は出来ないので、陸上で組み立てた鉄筋籠を機械で吊り
上げて水中に降ろしていかなければならず、難しい作業
となっている。したがって、従来の施工方法は、極めて
不経済な施工方法となっている。
【0004】さらに、水中でのモルタル又はコンクリー
トの打設は、締め固め作業ができないので、モルタル又
はコンクリートに対する鉄筋の付着強度が低下して、所
要の強度を得ることが難しい。ここで、鉄筋を使用せず
に水中モルタル又はセメント構造物を施工する場合に
は、曲げ強度、せん断強度を得るために、コンクリート
厚さを大幅に増大しなければならず、やはり、不経済な
施工方法となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、鉄筋を使用せずに曲げ強度、
引張強度、せん断強度及び曲げじん性を向上し、品質が
良好で経済的な水中モルタル又はコンクリート構造物の
施工方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の水中モルタル又は水中コンクリート
構造物の施工方法は、ポリプロピレン繊維の表面に、エ
ポキシ樹脂、ポリマーセメントモルタル用の合成ゴム系
のSBR樹脂、EVA樹脂及びアクリル樹脂の何れか1
つ又は複数からなる比重1.03以上の合成樹脂が付着
して比重が1.01以上のポリプロピレン繊維とし、当
該ポリプロピレン繊維を、太さを10〜8000デニー
ル、繊維長さを6〜48mmに形成してモルタル又はコン
クリートに混入し、水中に打設するようにしている。
【0007】また、請求項2記載の水中モルタル又は水
中コンクリート構造物の施工方法は、ポリプロピレン繊
維の表面に親水性を付加し、さらに、前記表面に比重が
1.03以上のセメントペーストが付着して比重が1.
01以上のポリプロピレン繊維とし、当該ポリプロピレ
ン繊維を、太さを10〜8000デニール、繊維長さを
6〜48mmに形成してモルタル又はコンクリートに混入
し、水中に打設するようにしている。
【0008】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載の水中モルタル又は水中コンクリート構造物
の施工方法において、前記ポリプロピレン繊維を混入し
た前記モルタル又は前記コンクリートの曲げ強度を、
「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネ
ス試験方法」(JSCE−G552−1983:土木学
会規準コンクリート標準示方書〔規準編〕)に基づき、
JIS−B−7733に規定した試験機を使用して3等
分点荷重による曲げ試験を行い、縦軸の荷重と横軸の中
央点の変位を測定してその曲線がスパンの1/150変
位までの値から求めた曲げじん性係数が、0.1N/mm
2 以上の値とすることである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水中モルタル又は
水中コンクリート構造物の施工方法に係る実施形態を説
明する。本実施形態では、補強部材としてポリプロピレ
ン繊維を使用している。ポリプロピレンは、耐酸性、耐
アルカリ性などの耐薬品性に優れ、錆びることが無く、
比重が0.91と極めて小さく、引張強度が4500〜
5500kgf/cm2 程度の素材である。 (1)ポリプロピレン繊維の比重を1.01以上とする
方法 本実施形態では、このポリプロピレン繊維の特徴を活か
して水中モルタル又はコンクリート構造物に混入してい
る。しかし、比重が1.00より小さいポリプロピレン
繊維を例えばコンクリートにそのまま混入すると、水中
打設時にコンクリート表面近くのポリプロピレン繊維に
付着しているセメントペーストが落ちると、ポリプロピ
レン繊維が浮き上がり、コンクリートから分離して補強
部材としての機能が失われるおそれがある。そのため、
ポリプロピレン繊維の比重を1.00より大きな値にし
なければならない。
【0010】そこで、本実施形態では、2つの方法によ
りポリプロピレン繊維の比重を1.01以上としてい
る。 合成樹脂を使用してポリプロピレン繊維の比重を増
大させる第1の方法第1の方法は、所定の比重に設定し
た合成樹脂の溶液中にポリプロピレン繊維を通すこと
で、ポリプロピレン繊維の表面に合成樹脂を付着させて
比重を1.01以上としている。
【0011】すなわち、表1は、複数種類の合成樹脂の
比重を替えてポリプロピレン繊維に付着させることで、
ポリプロピレン繊維の比重の変化を調べた結果である。
【0012】
【表1】
【0013】この表1から明らかなように、ポリマー合
成ゴムSBR系の合成樹脂は、比重を1.03及び1.
05としたときに、それが付着してポリプロピレン繊維
の比重が1.01及び1.03となる。また、ポリマー
合成ゴムEVA系の合成樹脂は、比重を1.03及び
1.05としたときに、それが付着してポリプロピレン
繊維の比重が1.01及び1.04となる。また、アク
リル系樹脂は、比重を1.03及び1.05としたとき
に、それが付着してポリプロピレン繊維の比重が1.0
2及び1.05となる。さらに、エポキシ樹脂は、比重
を1.15及び1.70としたときに、それが付着して
ポリプロピレン繊維の比重が1.07及び1.11とな
る。
【0014】したがって、合成樹脂を使用する方法で
は、比重を1.03以上とした合成樹脂の溶液中にポリ
プロピレン繊維を通すことで、合成樹脂が表面に付着し
て比重が1.01以上のポリプロピレン繊維となる。こ
れにより、ポリプロピレン繊維の比重が1.01以上と
したことからセメントとの付着強度が増大し、コンクリ
ートから容易に分離しないとともに、長期にわたって耐
久性が向上したポリプロピレン繊維を得ることができ
る。
【0015】 親水性を付加した後にセメントペース
トを使用してポリプロピレン繊維の比重を増大する第2
の方法第2の方法は、ポリプロピレン繊維に親水性を付
加した後、所定の比重に設定したセメントペーストの溶
液中にポリプロピレン繊維を通すことで、ポリプロピレ
ン繊維の表面にセメントペーストを付着させて比重を
1.01以上としている。
【0016】ポリプロピレン繊維は、水を弾くはっ水作
用を有しているので、セメントマテリアルとして適用す
る時には、予め親水性を付加しなければならない。ここ
で、ポリプロピレン繊維に親水性を付加する具体的方法
としては、例えば、アルカリ系の親水を溜めた槽にポリ
プロピレン繊維を浸漬している。表2は、比重を替えた
セメントペーストと、それが付着した親水性を付加した
ポリプロピレン繊維の比重の変化を調べた結果である。
【0017】なお、セメントペーストのセメント材料
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、超早強ポルトランドセメント等いずれでもよく、
且つ、これらにシリカフュームや超微粉末スラグ等も併
用できることは言うまでもない。
【0018】
【表2】
【0019】この表2から明らかなように、セメントペ
ーストは、比重を1.30及び1.70としたときに、
それが付着してポリプロピレン繊維の比重が1.07及
び1.13となる。したがって、セメントペーストを使
用する方法では、比重を1.03以上としたセメントペ
ーストの溶液中にポリプロピレン繊維を通すことで、セ
メントペーストが表面に付着して比重が1.01以上の
ポリプロピレン繊維となる。これにより、比重が1.0
1以上としたことからセメントとの付着強度が増大す
る。 (2)ポリプロピレン繊維の形状 比重を1.01以上としたポリプロピレン繊維は、セメ
ント中の分散性、均一性を確保するために、太さを10
〜8000デニール(デニール:900m当たりの質量
をグラム数をもって表したもの)、繊維長さを6〜48
mmに形成している。
【0020】ポリプロピレン繊維の太さが10デニール
を下回ると、ファイバーボール(塊)が発生してポリプ
ロピレン繊維の分散性が低下する。この傾向は、太さが
8000デニールを上回ると、再度現れる。また、太さ
が8000デニールを上回ると、ベースコンクリートに
対してスランプ低下が大きくなり、この対策として水を
増加し、水セメント比一定からセメントも増大しなけれ
ばならない。このため、極めてセメント量の多いモルタ
ル又はコンクリートとなり不経済となるばかりでなく、
水とセメントの水和反応による温度ひび割れが発生しや
すくなる。
【0021】また、繊維長さは、デニールとの関係が大
きいが、繊維長さが48mmを越えるとファイバーボール
が発生し、スランプ低下が大きくなる。また、長さが6
mmを下回る場合にも同様の結果となった。したがって、
太さが10〜8000デニール、繊維長さを6〜48mm
に設定したポリプロピレン繊維が最適である。なお、ポ
リプロピレン繊維の表面を平滑でない形状にすると、セ
メントに対するポリプロピレン繊維の付着強度が増大し
て、モルタル又はコンクリートに応力が作用したときの
曲げ強度、引張強度、せん断強度及び曲げじん性をさら
に増大することができる。 (3)水中で作成したコンクリートの曲げ強度 1)使用材料及び配合 図1は、「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲
げタフネス試験方法」(JSCE−G552−198
3:土木学会規準コンクリート標準示方書〔規準編〕)
に準じた曲げ試験結果であり、JIS−B−7733に
規定した試験機を使用して3等分点荷重により曲げ試験
を行った。
【0022】そして、供試体は、表3に示す材料を有す
る本発明のコンクリート(以下、実施例1と称する)、
従来のコンクリート(以下、比較例1と称する)と、異
鉄筋を埋め込んだコンクリート(以下、比較例2と称す
る)からなる3種類の供試体とした。
【0023】
【表3】
【0024】2)供試体の作成方法 表3に示した3種類の供試体を形成するために所定配合
に設定したコンクリートを、それぞれ、図2の寸法(縦
×横×高さ:50cm×50cm×1m )の内部に水を溜め
た型枠2内にコンクリート注入管4を使用して水中打設
した。この時のコンクリートの打設厚は20cmとした。
そして、コンクリートが硬化した後、カッターにより1
00mm×100mm×400mmの立方体の寸法に切り出し
て各供試体を形成した。
【0025】3)曲げ強度の測定結果図1の曲げ試験結
果から、各供試体の曲げ強度σbを比較した。なお、曲
げ強度の測定は、供試体の養生日数28日について行っ
た。 σb=PL/bh2 ………(1) ここで、σb:曲げ強度(N/mm2 ) P:最大荷重(N) L:スパン(mm) b:破壊断面の幅(mm) h:破壊断面の高さ(mm) 本発明の実施例1は、曲げ強度が6.3N/mm2 であ
り、これに対して比較例1は曲げ強度が5.1N/m
m2 、比較例2は曲げ強度が4.9N/mm2 である。
【0026】このように実施例1の曲げ強度が高い要因
は、ポリプロピレン繊維を混入すると初期ひび割れに対
してポリプロピレン繊維そのものが分散しているので、
引張力が抵抗しているためである。なお、図1ではコン
クリートについて評価したが、モルタルであっても同様
の効果が確認された。 (4)水中で作成したモルタル又はコンクリートの曲げ
じん性係数評価 1)曲げじん性係数の結果 図1の曲げ試験結果から、以下に示す式を使用して各供
試体の曲げじん性係数を比較した。
【0027】
【数1】
【0028】実施例1は、曲げじん性係数が4.5N/
mm2 と高い数値を示す。ここで、ポリプロピレン繊維の
太さが3500デニール未満の場合、コンクリート中に
空気量が増大し、圧縮強度や曲げ強度などが低下する。
また、ポリプロピレン繊維の長さが50mm以上になる
と、ベースコンクリートに対して混入後のスランプの低
下が大きくなる。さらに、混入量が2.0容積%より大
きくなると繊維の分散性が悪くなってファイバーボール
の発生確率が大きくなり、混入量が0.3容積%未満の
場合には、曲げじん性係数が0.1N/mm2 を下回る。
したがって、コンクリートの場合には、太さを3500
〜8000デニール、繊維長さを18〜48mmとし、混
入量を0.3〜2.0容積%(1m3 当たり3.03〜
20.2kg)として合成樹脂又はセメントペーストを付
着させて比重を1.07としたポリプロピレン繊維を混
入すると、曲げじん性係数を0.1N/mm2 以上得るこ
とができる。 一方、本発明のポリプロピレン繊維を配
合したモルタル供試体の曲げじん性係数を測定した。本
発明のモルタル供試体に使用したポリプロピレン繊維
は、エポキシ樹脂を付着させて比重を1.07とし、繊
維の太さを360デニール、繊維長さを12mmに形成し
たものを使用した。本発明のモルタル供試体は、セメン
ト量600kg/m3 、水セメント比(w/c)を50%と
し、ポリプロピレン繊維の混入量を1.0容積%とし
た。なお、曲げじん性係数の測定は、供試体の養生日数
28日について行った。本発明のポリプロピレン繊維を
配合したモルタル供試体の曲げじん性係数は、3.4N
/mm2 を得た。
【0029】このように、モルタルの場合には、太さを
10〜1000デニール、繊維長さを6〜12mmとし、
混入量を0.3〜1.5容積%(1m3 当たり3.03
〜15.15kg)として合成樹脂又はセメントペースト
を付着させて比重を1.07としたポリプロピレン繊維
を混入すると、曲げじん性係数を0.1N/mm2 以上得
ることができる。ここで、ポリプロピレン繊維が120
0デニールより大きく、繊維長さが15mm以上になる
と、ファイバーボールが発生する確率が高くなる。
【0030】2)曲げじん性係数の評価 本発明の合成樹脂又はセメントペーストを付着させて比
重を1.01以上としたポリプロピレン繊維を混入した
水中モルタル又は水中コンクリートは曲げじん性係数が
大きい。一方、合成樹脂又はセメントペーストを付着さ
せていない従来のポリプロピレン繊維を混入した水中モ
ルタル又は水中コンクリートの曲げじん性係数は小さ
い。これは、従来のコンクリートに混入したポリプロピ
レン繊維の比重が0.91のため、水中のポリプロピレ
ン繊維に浮力が働いてコンクリート中の分散状態が不均
一になったためである。 (5)直接せん断試験による評価 水セメント比(W/C)を50%、セメント量を400
kg/m3 、圧縮強度を405kgf/cm2 とした本発明のコン
クリート(実施例1)と、異径鉄筋を埋め込んだコンク
リート(比較例2)について直接せん断試験を行った。
この際の供試体は、10cm×10cm×30cmの寸法の立
方体であり、図3に示すように、加圧板6を用いて各供
試体に上下方向の荷重Pを加えるようにしている。載荷
方法は、2〜3kgf/min の荷重制御で行った。このせん
断試験の結果、実施例1のせん断強度は7.2N/mm2
であり、比較例2のせん断強度は3.4N/mm2 となっ
た。このように、実施例1は、ポリプロピレン繊維を混
入したことで、比較例2の2倍程度のせん断強度を有す
る。
【0031】なお、上記せん断試験ではコンクリートに
ついて評価したが、モルタルであっても同様の効果が確
認された。 (6)施工方法 ポリプロピレン繊維の混入は、ミキサにおいてセメン
ト、細骨材、粗骨材、水、混和剤と同時に投入し練り混
ぜる方法でもよい。コンクリートをミキサで製造後に生
コン車で現場まで運搬、生コン車のドラムを高速回転さ
せながら、ポリプロピレン繊維を投入、高速回転で90
秒以上攪拌させる方法でもできる。本発明の合成樹脂又
はセメントペーストを付着したポリプロピレン繊維は比
重が1.01〜1.05と軽いため、現場での計量、投
入作業も容易である。
【0032】ポリプロピレン繊維を混入した本発明のコ
ンクリートの打設方法は、ポリプロピレン繊維無混入の
普通コンクリートと同様でよい。これは、繊維の分散性
が優れていること及び比重が軽いために、ポンプの圧送
性も普通コンクリートと変わらないからである。なお、
水中での打設において、繊維の比重が1.01以上なの
で、繊維が浮いてくることが無い。
【0033】本発明は、水中に打設するいずれの構造物
にも適用することができる。なお、気中での構造物にも
適用できることは説明するまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の水
中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法によ
ると、エポキシ樹脂、ポリマーセメントモルタル用の合
成ゴム系のSBR樹脂、EVA樹脂及びアクリル樹脂の
何れか1つ又は複数からなる比重1.03以上の合成樹
脂が表面に付着して比重が1.01以上としたポリプロ
ピレン繊維をモルタル又はコンクリートに混入したの
で、水中モルタル又は水中コンクリートを打設したとき
に、ポリプロピレン繊維が浮くことが無く、高品質の水
中モルタル又は水中コンクリート構造物を得ることがで
きる。
【0035】また、請求項1記載の発明によると、太さ
を10〜8000デニール、繊維長さを6〜48mmに設
定したポリプロピレン繊維は、モルタル又はコンクリー
トへの物理的結合を著しく向上させて曲げ強度、せん断
強度が高くなり、モルタル又はコンクリートに対する分
離を防ぐので硬化後のポリプロピレン繊維の引き抜きが
抑制できて高い補強効果が期待できる。また、ポリプロ
ピレン繊維が錆びないため、河川水、海水、塩分などの
影響を受ける環境であってもモルタル又はコンクリート
構造物の耐久性が向上する。また、ポリプロピレン繊維
は比重が小さいので、運搬、投入などの作業性を改善す
ることができる。
【0036】また、請求項2記載の水中モルタル又は水
中コンクリート構造物の施工方法によると、表面に親水
性を付加し、比重が1.03以上のセメントペーストを
表面に付着して比重が1.01以上としたポリプロピレ
ン繊維をモルタル又はコンクリートに混入したので、水
中モルタル又は水中コンクリートを打設したときに、ポ
リプロピレン繊維が浮くことが無く、高品質の水中モル
タル又はコンクリート構造物を得ることができる。そし
て、請求項2記載の発明と同様に、ポリプロピレン繊維
の引き抜きが抑制できて高い補強効果が期待でき、モル
タル又はコンクリート構造物の耐久性が向上するととも
に、運搬、投入などの作業性を改善することができる。
【0037】さらに、請求項3記載の水中モルタル又は
水中コンクリート構造物の施工方法によると、曲げ強度
及びせん断強度とともに曲げじん性も大きくなるので、
曲げ強度及びせん断強度で設計される構造物において
は、、モルタル又はコンクリートの厚さを薄くすること
ができ、材料の減少及び工期の短縮によるコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種のコンクリート供試体の曲げ試験結果を示
した図である。
【図2】試験に行うための水中コンクリートの形成方法
を示す図である。
【図3】各種のコンクリート供試体の直接せん断試験を
示す図である。
【符号の説明】
2 型枠 4 コンクリート注入管 6 加圧板 P 荷重

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン繊維の表面に、エポキシ
    樹脂、ポリマーセメントモルタル用の合成ゴム系のSB
    R樹脂、EVA樹脂及びアクリル樹脂の何れか1つ又は
    複数からなる比重1.03以上の合成樹脂が付着して比
    重が1.01以上のポリプロピレン繊維とし、当該ポリ
    プロピレン繊維を、太さを10〜8000デニール、繊
    維長さを6〜48mmに形成してモルタル又はコンクリー
    トに混入し、水中に打設することを特徴とする水中モル
    タル又は水中コンクリート構造物の施工方法。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン繊維の表面に親水性を付
    加し、さらに、前記表面に比重が1.03以上のセメン
    トペーストが付着して比重が1.01以上のポリプロピ
    レン繊維とし、当該ポリプロピレン繊維を、太さを10
    〜8000デニール、繊維長さを6〜48mmに形成して
    モルタル又はコンクリートに混入し、水中に打設するこ
    とを特徴とする水中モルタル又は水中コンクリート構造
    物の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリプロピレン繊維を混入した前記
    モルタル又は前記コンクリートの曲げ強度を、「鋼繊維
    補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方
    法」(JSCE−G552−1983:土木学会規準コ
    ンクリート標準示方書〔規準編〕)に基づき、JIS−
    B−7733に規定した試験機を使用して3等分点荷重
    による曲げ試験を行い、縦軸の荷重と横軸の中央点の変
    位を測定してその曲線がスパンの1/150変位までの
    値から求めた曲げじん性係数が、0.1N/mm2 以上で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の水中モルタ
    ル又は水中コンクリート構造物の施工方法。
JP2000067436A 2000-03-10 2000-03-10 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法 Expired - Fee Related JP3295408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000067436A JP3295408B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000067436A JP3295408B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001253747A true JP2001253747A (ja) 2001-09-18
JP3295408B2 JP3295408B2 (ja) 2002-06-24

Family

ID=18586632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000067436A Expired - Fee Related JP3295408B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3295408B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007210849A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Jfe Steel Kk 水和硬化体
JP2007269563A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Jfe Steel Kk 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
KR100797597B1 (ko) 2006-06-21 2008-01-23 주식회사 서림 아크릴 연질수지로 보호 피막이 형성된 수용성 에폭시를함유한 모르타르를 이용한 콘크리트 구조물의 단면보수 및중성화 및 염해방지용 처리제 제조방법 및 그 보수공법
JP2009180020A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Utsunomiya Univ 水中柱の構築方法および水中施工用セメント系硬化物
EP2484650A1 (fr) 2011-02-04 2012-08-08 Egis Eau Ouvrage comprenant plusieurs blocs de béton non-armé coquillier fibré et procédé de fabrication d'un tel ouvrage
JP2013103847A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Univ Of Tokyo セメント混和材およびセメント組成物
CN104891886A (zh) * 2015-05-26 2015-09-09 柳州市亿廷贸易有限责任公司 橡胶钢纤维混凝土
CN108002784A (zh) * 2017-12-28 2018-05-08 安徽宏实光机电高科有限公司 一种改性聚丙烯纤维-钢纤维掺杂的高强混凝土及其制备方法
CN109801686A (zh) * 2019-03-15 2019-05-24 郑州大学 钢筋与纳米SiO2和PVA纤维增强地聚合物砂浆间的粘结滑移模型
CN110015877A (zh) * 2019-04-11 2019-07-16 济南长兴建设商砼有限公司 一种透水混凝土

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10131579B2 (en) 2015-12-30 2018-11-20 Exxonmobil Research And Engineering Company Polarity-enhanced ductile polymer fibers for concrete micro-reinforcement
US10717673B2 (en) 2015-12-30 2020-07-21 Exxonmobil Research And Engineering Company Polymer fibers for concrete reinforcement

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007210849A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Jfe Steel Kk 水和硬化体
JP2007269563A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Jfe Steel Kk 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
KR100797597B1 (ko) 2006-06-21 2008-01-23 주식회사 서림 아크릴 연질수지로 보호 피막이 형성된 수용성 에폭시를함유한 모르타르를 이용한 콘크리트 구조물의 단면보수 및중성화 및 염해방지용 처리제 제조방법 및 그 보수공법
JP2009180020A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Utsunomiya Univ 水中柱の構築方法および水中施工用セメント系硬化物
EP2484650A1 (fr) 2011-02-04 2012-08-08 Egis Eau Ouvrage comprenant plusieurs blocs de béton non-armé coquillier fibré et procédé de fabrication d'un tel ouvrage
FR2971246A1 (fr) * 2011-02-04 2012-08-10 Egis Eau Beton non arme coquillier fibre, bloc de beton et ouvrage forme a partir de ce beton non arme coquillier fibre et procede de fabrication
JP2013103847A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Univ Of Tokyo セメント混和材およびセメント組成物
CN104891886A (zh) * 2015-05-26 2015-09-09 柳州市亿廷贸易有限责任公司 橡胶钢纤维混凝土
CN108002784A (zh) * 2017-12-28 2018-05-08 安徽宏实光机电高科有限公司 一种改性聚丙烯纤维-钢纤维掺杂的高强混凝土及其制备方法
CN109801686A (zh) * 2019-03-15 2019-05-24 郑州大学 钢筋与纳米SiO2和PVA纤维增强地聚合物砂浆间的粘结滑移模型
CN109801686B (zh) * 2019-03-15 2022-09-09 郑州大学 钢筋与纳米SiO2和PVA纤维增强地聚合物砂浆间的粘结滑移模型
CN110015877A (zh) * 2019-04-11 2019-07-16 济南长兴建设商砼有限公司 一种透水混凝土
CN110015877B (zh) * 2019-04-11 2021-07-20 济南长兴建设商砼有限公司 一种透水混凝土

Also Published As

Publication number Publication date
JP3295408B2 (ja) 2002-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3698723B2 (ja) コンクリート部材をモールディングするための金属ファイバーコンクリート組成物、得られた部材および熱キュアリング方法
JP3295408B2 (ja) 水中モルタル又は水中コンクリート構造物の施工方法
Punmia et al. Limit state design of reinforced concrete
WO2006082665A1 (ja) 繊維補強コンクリートと繊維補強コンクリート部材の製造方法
JP2007162417A (ja) 鋼床版補修用コンクリート複合材
Ardeshana et al. Durability of fiber reinforced concrete of marine structures
Tanoli et al. Effect of steel fibers on compressive and tensile strength of concrete
CN109678429A (zh) 一种tbm隧道用无筋钢纤维混凝土管片的制备方法
US11465939B2 (en) Mortar repaired reinforced concrete structure
CA2547694C (en) Metal fiber concrete
Geetha et al. 3D concrete printing matrix reinforced with Geogrid
Roy et al. Effect of Silica Fume and Foundry waste sand on strength characteristics of Geogrid and Ferro cement panel
Warudkar et al. Strength and durability properties of waste steel slag mixed concrete
Nis Mechanical properties of steel fiber reinforced self-compacting concrete
CN111574167B (zh) 一种耐海水腐蚀的混凝土构件及其制备方法
Marke et al. Comparative evaluation of the flexural strength of concrete and colcrete
JP3394738B2 (ja) ポリプロピレン繊維を用いたモルタル又はコンクリート構造物の施工方法
JP3723385B2 (ja) 繊維補強ソイルセメント固化体
JP2021130603A (ja) 繊維補強コンクリート
Keeler et al. Mechanical properties of on-site manufactured compressed earth blocks
CN107572982A (zh) 一种超长混凝土拌合物及其浇筑墙体的施工方法
Imbin et al. Performance of concrete grout under aggressive chloride environment in Sabah
Santos Sustainable strain-hardening cementitious composites using wastes and alternative additives
Anwar A Study on Mechanical Properties of Metallic Fiber Reinforced Concrete
GB2459833A (en) Concrete ground beam containing plastic reinforcement fibres

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130405

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees