JP2001252650A - 水の光殺菌方法 - Google Patents

水の光殺菌方法

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JP2001252650A JP2000065806A JP2000065806A JP2001252650A JP 2001252650 A JP2001252650 A JP 2001252650A JP 2000065806 A JP2000065806 A JP 2000065806A JP 2000065806 A JP2000065806 A JP 2000065806A JP 2001252650 A JP2001252650 A JP 2001252650A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中に存在する微生物数が多い場合であって
も、簡便な処理にて滅菌水とすることができる水の殺菌
方法や、かかる水の殺菌方法に用いることができる殺菌
装置を提供すること。 【解決手段】 パルス光を照射して水を殺菌する方法に
おいて、パルス光の照射中又は照射を間歇的に繰り返す
間に、殺菌処理対象水である殺菌槽内の流水に、殺菌槽
等に設けた攪拌手段により乱流を生じせしめた状態で、
例えば、波長150nm以上の広帯域スペクトルの白色
光のパルス光を照射する。また、パルス1回あたりの照
射時間は50〜1000μ秒が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に存在する微
生物をパルス光を照射して殺菌する水の光殺菌方法や該
水の光殺菌方法に用いられる光殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料水をはじめとして、清涼飲料
の原料水、醸造用水、医薬品・化粧品の原料水、電子工
場の超純水等の原料用水、各種工場における機械・材料
・容器などの洗浄水や冷却水、工場排水、カキ・稚魚等
の養殖事業における循環養殖水、洗浄水、養殖孵卵用
水、養殖排水、水耕栽培用水、医療施設の手洗水、プー
ル用水など、様々な分野で使用あるいは排出される水に
存在する微生物を殺菌あるいは除菌するために、加熱、
ろ過、紫外線、オゾン等による物理的殺菌・除菌処理
や、あるいは塩素系殺菌剤等を用いた化学的殺菌・静菌
処理が利用されてきた。また最近、高電圧パルス処理や
パルス光照射を利用した新たな殺菌方法も提案され、そ
の実用化技術についての研究・開発が検討されており、
飲料水などに存在するクリプトスポリジウムに対する殺
菌効果も明らかにされ、米国では水殺菌装置の開発も行
われている。
【0003】上記パルス光照射は、海水面での太陽光の
約90000倍の強さをもつ光をパルス的に発生させ
て、食品や包装用資材の表面あるいは水などに存在する
微生物を殺菌する方法であり、照射対象物に高エネルギ
ーの光を照射するため、紫外線などで殺菌することが困
難な芽胞細菌や黒麹カビなどを1秒以内に効果的に殺菌
することができるといわれている。また、殺菌処理を行
う際の1回のパルス光照射が、カメラのフラッシュと同
じような極短時間で行われるため、加熱殺菌や紫外線照
射などに比較し、殺菌対象物における品質面でのダメー
ジも非常に少ないといわれている。
【0004】パルス光照射を利用した殺菌技術に関して
は、例えば、特開昭63−6019号公報には、稀ガ
ス、あるいは稀ガスと水銀、亜鉛、カドミウムもしくは
錫の内の少なくとも1種の金属とを発光成分とする閃光
放電灯を発光せしめ、該発光を菌類に照射せしめて殺菌
する殺菌方法、特に発光のエネルギー密度を0.03
(ジュール/cm2・m・sec.)以上とする殺菌方法が
開示されている。また、特開平1−50151号公報や
特開平3−505159号公報には、パルス光を使用し
て食品表面や水の微生物を殺菌したり、食品表面に存在
する酵素の活性を低減させたりすることにより、食品の
保存性を延長させる方法や装置、特にパルス光を発する
光源をジャケットで囲い、光源とジャケットの間に水を
流し、水に存在する微生物を殺菌する方法や装置が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、パルス
光による殺菌の応用開発の一環として、様々な産業分野
で使用あるいは排出される水の殺菌への利用について検
討を行ったところ、水中に存在する微生物の多くを短時
間に殺菌することができるものの、パルス光処理前の水
中に存在する微生物数が多い場合、照射エネルギーを高
くしても、また照射(フラッシュ)回数を増加させて
も、微生物を滅菌することができないという問題がある
ことがわかった。しかし、これまでパルス光照射による
水の殺菌で、このような問題が発生することやその解決
策などについて明らかにされていない。また、微生物は
自己増殖能を有することから、特に各種食品用の原料水
として、滅菌水、すなわち生存微生物が全く存在しない
水を用いることは、パルス光による水の殺菌の実用化上
極めて重要であるといえる。本発明の課題は、水中に存
在する微生物数が多い場合であっても、簡便な処理にて
滅菌水とすることができる水の殺菌方法や、かかる水の
殺菌方法に用いることができる殺菌装置を提供すること
にある。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決を目指して鋭意研究を重ねてきた結果、パルス光
を照射して水中に存在する微生物を殺菌する場合、パル
ス光照射を間歇的に繰り返す間に、殺菌処理対象物であ
る水を撹拌することにより、かかる処理対象水を滅菌水
とすることができることをたまたま見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、パルス光を照射して水
を殺菌する方法において、パルス光の照射中又は照射を
間歇的に繰り返す間に、殺菌処理対象水に乱流を生じせ
しめることを特徴とする水の殺菌方法(請求項1)や、
殺菌処理対象水が、殺菌槽内の流水であることを特徴と
する請求項1記載の水の殺菌方法(請求項2)や、導水
管の殺菌槽側近傍に配設された攪拌手段により、殺菌槽
内の流水に回転力を与えることによって乱流を生じせし
めることを特徴とする請求項2記載の水の殺菌方法(請
求項3)や、攪拌手段が、流水により自動的に回転する
攪拌羽根であることを特徴とする請求項3記載の水の殺
菌方法(請求項4)や、殺菌槽の内側壁の長手方向に沿
って配設された複数の所定形状の障害物により、殺菌槽
内の流水を攪拌することによって乱流を生じせしめるこ
とを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の水の殺菌
方法(請求項5)や、殺菌槽内に配設された複数の所定
形状の撹拌板により、殺菌槽内の流水を攪拌することに
よって乱流を生じせしめることを特徴とする請求項2〜
4のいずれか記載の水の殺菌方法(請求項6)や、撹拌
板が、1又は2以上の通水孔を有する攪拌板であること
を特徴とする請求項6記載の水の殺菌方法(請求項7)
や、パルス光が、波長150nm以上の広帯域スペクト
ルの白色光であることを特徴とする請求項1〜7のいず
れか記載の水の殺菌方法(請求項8)や、パルス1回あ
たりの照射時間が、50〜1000μ秒であることを特
徴とする請求項1〜8のいずれか記載の水の殺菌方法
(請求項9)に関する。
【0008】また本発明は、殺菌槽と、該殺菌槽の内部
に配置された1又は2以上のパルス光を照射することが
できるランプと、殺菌槽内の殺菌処理対象水に乱流を生
じせしめることができる攪拌手段とを備えたことを特徴
とする水の殺菌装置(請求項10)や、殺菌槽が導水管
と排水管とを有し、パルス光を照射することができるラ
ンプが殺菌槽のほぼ中心長手方向に配置され、攪拌手段
が殺菌槽内の流水に乱流を生じせしめることができるこ
とを特徴とする請求項10記載の水の殺菌装置(請求項
11)や、殺菌槽内の流水に回転力を与えることによっ
て乱流を生じせしめる攪拌手段が、導水管の殺菌槽側近
傍に配設されていることを特徴とする請求項11記載の
水の殺菌装置(請求項12)や、攪拌手段が、流水によ
り自動的に回転する攪拌羽根であることを特徴とする請
求項12記載の水の殺菌装置(請求項13)や、殺菌槽
内の流水を攪拌することによって乱流を生じせしめる複
数の所定形状の障害物が、殺菌槽の内側壁の長手方向に
沿って配設されていることを特徴とする請求項11〜1
3のいずれか記載の水の殺菌装置(請求項14)や、殺
菌槽内の流水を攪拌することによって乱流を生じせしめ
る複数の所定形状の撹拌板が、殺菌槽内に配設されてい
ることを特徴とする請求項11〜13のいずれか記載の
水の殺菌装置(請求項15)や、撹拌板が、1又は2以
上の通水孔を有する攪拌板であることを特徴とする請求
項15記載の水の殺菌装置(請求項16)や、パルス光
を照射することができるランプが、波長150nm以上
の広帯域スペクトルの白色光を照射することができるラ
ンプであることを特徴とする請求項11〜16のいずれ
か記載の水の殺菌装置(請求項17)や、パルス光を照
射することができるランプのパルス1回あたりの照射時
間が50〜1000μ秒に制御されていることを特徴と
する請求項11〜17のいずれか記載の水の殺菌装置
(請求項18)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるパルス光として
は、光のパルス照射により微生物を死滅させることがで
きるものであれば特に制限されるものではないが、波長
150nm以上の広帯域スペクトルの白色光が好まし
く、パルス光発生装置のパルス光照射ランプから発光さ
れる、遠紫外線から可視光線、赤外線に及ぶ非電離性波
長域を含み、波長約450nmに放射ピークを有し、全
体の約25%が紫外線の波長にある広帯域スペクトルの
白色光を具体的に挙げることができる。また、パルス1
回あたりのパルス光の照射時間としては特に制限されな
いが、50〜1000μ秒とすることが好ましい。
【0010】本発明における殺菌処理対象水としては、
殺菌、好ましくは滅菌の対象となる水であれば特に制限
されるものではなく、飲料水をはじめとして、清涼飲料
の原料水、醸造用水、医薬品・化粧品の原料水、電子工
場の超純水等の原料用水、各種工場における機械・材料
・容器などの洗浄水や冷却水、工場排水、カキ・稚魚等
の養殖事業における循環養殖海水、洗浄水、養殖孵卵用
水、養殖排水、水耕栽培用水、医療施設の手洗水、プー
ル用水など、様々な分野で使用あるいは排出される水を
具体的に例示することができ、特に細菌やカビ等の微生
物が比較的多く存在する水、例えば微生物が102CF
U/ml以上、特に104CFU/ml以上存在する水
が、本発明を好適に実施する上で好ましい。
【0011】本発明の水の殺菌方法は、パルス光を照射
して水を殺菌する方法であって、パルス光の照射中又は
照射を間歇的に繰り返す間に、殺菌処理対象水に乱流を
生じせしめることを特徴とする。そして、かかる殺菌処
理は、殺菌槽(殺菌タンク)と、該殺菌槽の内部に配置
された1又は2以上のパルス光を照射することができる
ランプと、殺菌槽内の殺菌処理対象水に乱流を生じせし
めることができる攪拌手段とを備えた水の殺菌装置を用
いるバッチ処理、又は、導水管と排水管とを有する殺菌
槽(殺菌セル)と、該殺菌槽のほぼ中心長手方向に配置
されたパルス光を照射することができるランプと、殺菌
槽内の流水に渦等を含む乱流を生じせしめることができ
る攪拌手段とを備えた水の殺菌装置を用いる連続処理の
いずれでもよいが、処理効率の点からして殺菌槽内の流
水に連続的に殺菌処理する連続処理が好ましい。
【0012】図1には、上記バッチ処理に用いられる水
の殺菌装置の概略が示されている。このバッチ式殺菌装
置は、殺菌槽(タンク)1と、4本のパルス光照射ラン
プ2と、殺菌タンク1の底部に設けられた攪拌羽根3と
から構成されている。また、バッチ処理の一形態とし
て、殺菌槽を2槽設け、第1槽でパルス光照射殺菌処理
を行った後、撹拌を行い、第2槽でさらにパルス光照射
殺菌処理を行う方法を挙げることができる。
【0013】図2には、上記連続処理に用いられる殺菌
装置が示されている。この連続式殺菌装置は、殺菌処理
対象水を搬送するポンプ4と、導入管5と排水管6を有
する殺菌槽(殺菌セル)7と、該殺菌セル7のほぼ中心
長手方向に配置されたパルス光照射ランプ2とを備えて
いる。なお図2において、8は流量計、9はサンプリン
グライン、10はランプ用電源を示す。以下、殺菌セル
7中の流水に乱流を生じせしめることができる攪拌手段
について説明する。
【0014】殺菌セル7中の流水に乱流を生じせしめる
ことができる攪拌手段は、殺菌セル7内に設けてもよい
し、殺菌セル7外に設けてもよい。殺菌セル7外に設け
られる攪拌手段としては、殺菌セル7内の流水に回転力
を与えることによって乱流を生じせしめるものが好まし
く、かかる攪拌手段の形状としては、水流に回転状の流
れを発生させるものであればどのような形状のものでも
よいが、スクリュー状の攪拌羽根を挙げることができ
る。この攪拌羽根は駆動手段により回転させてもよい
が、流水により自動的に回転する構造のものでもよい。
図3には、導水管5の殺菌セル7側近傍に配設され、流
水により自動的に回転する攪拌羽根11からなる攪拌手
段を備えた殺菌セル7が示されている。図4は、上記攪
拌羽根11の拡大図である。なお、殺菌セル7内の流水
に回転力を与えることによって乱流を生じせしめる上記
攪拌手段を、導水管に隣接する殺菌セル7内に設けるこ
ともできる。
【0015】殺菌セル7内に設けられる攪拌手段として
は、殺菌セル7内の流水に乱流を生じせしめることがで
きるものであればどのようなものでもよいが、例えば、
図5〜図9に示される攪拌手段を例示することができ
る。図5及び図6には、殺菌セル7内の流水を攪拌する
ことによって乱流を生じせしめることができる、殺菌セ
ル7の内側壁12の長手方向に沿って配設された複数の
所定形状の障害物13を備えた殺菌セル7が示されてい
る。所定の形状としては、三角柱14等の角柱、断面台
形15等の角錐台柱、断面半円形16等の半円柱などを
例示することができる。これら障害物13は、同一形状
のものを複数配設してもよいし、異種の形状のものを配
設してもよい。殺菌槽では、ランプ長さ方向に複数の撹
拌板を設け、撹拌板と撹拌板の間には面積が大、中、小
と、それぞれ流れ抵抗の異なるような連絡孔を設けるこ
とにより、撹拌を促進させることも可能となる。
【0016】図7〜図9には、殺菌セル7内の流水を攪
拌することによって乱流を生じせしめることができる、
殺菌セル7内に配設された複数の所定形状の撹拌板を備
えた殺菌セル7が示されている。かかる攪拌板として
は、1又は2以上の通水孔を有する攪拌円板や、攪拌半
円板を例示することができる。図7及び図8には、1つ
の円形通水孔17を有する複数の攪拌円板18を備えた
殺菌セル7が示されている。かかる通水孔の形状・大き
さ・配設位置は特に制限されないが、乱流を促進させる
ために、図7及び図8に示されるように、その配設位置
を交互としたり、その大きさを変えたり、その形状を濾
斗状とし、それぞれの攪拌円板18を通過するときの流
れ抵抗が異なるようにすることが好ましい。また、流水
を蛇行させることにより乱流を発生させることもでき
る。図9には、攪拌手段として偏芯させた楕円形通水孔
19を備えた殺菌セル7が、また図10には、攪拌手段
として攪拌半円板20を備えた殺菌セル7が示されてい
る。
【0017】上記本発明の殺菌装置を用いて水の殺菌処
理を行う場合の、流速、パルス光照射エネルギー、1秒
あたりの照射パルス回数、殺菌セルの内径・長さ等の殺
菌条件としては、殺菌処理対象水の種類、殺菌処理対象
水における初発菌数、目標とする殺菌の程度等を考慮し
て適宜選択することができるが、滅菌することができる
条件を選択することが好ましい。かかる殺菌条件は、目
的に応じた予備実験等により、当業者であれば適宜選択
・決定することができるが、前記のように、通常パルス
光の照射時間としては50〜1000μ秒とすること
が、また1秒あたりの照射パルス回数としては4〜10
回とすることが好ましい。
【0018】次に、水に存在する微生物をパルス光によ
って殺菌した場合の死滅状況と撹拌の影響を確認するた
めに実施した試験例を示して、本発明を詳しく説明す
る。供試微生物としては、バチラス・ピュミラス(Baci
llus pumilus IFO14367)を用いた。なお、比較のため
に通常の紫外線照射における殺菌試験も併せて実施し
た。試験方法を以下に示す。
【0019】バチラス・ピュミラスは、普通寒天平板培
地にあらかじめ芽胞を形成させ、生理食塩水で培地上の
芽胞を回収した。次いで、ガラスビーズを使用して撹拌
した後、ナイロンメッシュでろ過した。ろ過液を80℃
で20分間加熱処理した後、遠心し、沈殿物を滅菌水に
懸濁して、2℃で保管した。なお、滅菌水中の芽胞数
は、照射試験に供する前に測定した。また、照射試験す
る際、菌液を滅菌蒸留水に懸濁して所定の濃度とした。
次いで、ガラス製時計皿(直径80mm)を照射殺菌装
置台の中央に置き、所定の濃度に設定された菌液3ml
を時計皿中央部に静かに注入した。
【0020】照射条件は、パルス光殺菌は表1に、紫外
線殺菌は表2にそれぞれ示した試験区に従った。各試験
区とも2回繰り返して行い、撹拌区は、パルス光の場合
は1回照射するごとに、また紫外線照射の場合は2秒照
射するごとに、滅菌済みガラス棒で時計皿中の菌液をか
き混ぜるように、円形に10回撹拌した。また、照射
後、トリプトソーヤ寒天培地(日水社製)を用いて、3
5℃で24〜48時間培養し、菌液1mlあたりの菌数
を測定した。なお、照射しない区(無照射区)も同様に
菌数を測定した。パルス光殺菌の結果を表1に、紫外線
殺菌の結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1からもわかるように、パルス光の照射
と照射の間で撹拌を行った攪拌区では、104CFU/
ml及び106CFU/mlといった高い汚染レベルで
も、それぞれ0.2J、3フラッシュ、0.2J、4フ
ラッシュ(パルス光照射時間の合計:約1秒)で、滅菌
することができたのに対し、無攪拌区では0.2J、1
0フラッシュでも滅菌することができなかった。これら
の結果は、パルス光の照射と照射の間で撹拌を行うこと
により、少なくとも40%以下の照射回数で確実な殺菌
効果が得られるということを示しており、このことは、
パルス光照射による水殺菌において、殺菌効果の精度向
上に大きく寄与するばかりでなく、処理能力、設備経
費、エネルギーコストあるいはメンテナンス作業などに
おいて、次のような画期的な効果をもたらす。 (1)同一容量の殺菌装置において、殺菌処理量を約
2.5倍にすることができる。 (2)同一殺菌処理量を考えると、照射を行う殺菌タン
ク又は殺菌セル内の容量、ランプ本数、電力消費量は6
割減とすることができる。また、殺菌設備コストの9割
を占める蓄電装置容量も6割減となる。 (3)設備の小型化による設備面積の低減やランプ取り
替えなどのメンテナンス作業も半減できる。一方、紫外
線照射では、表2からもわかるように、攪拌による殺菌
効果の向上は何ら見い出せなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明により、乱流を生じせしめた殺菌
処理対象水にパルス光を照射すると、乱流を生じせしめ
ない場合に比べ、少なくとも40%以下の照射回数で確
実に滅菌することができる。このことは、パルス光照射
による水殺菌において、殺菌効果の精度向上に大きく寄
与するばかりでなく、処理能力、設備経費、エネルギー
コストあるいはメンテナンス作業などにおいて、多大な
効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッチ処理に用いられる水の殺菌装置
の概略図である。
【図2】連続処理に用いられる攪拌手段を備えた水の殺
菌装置の概略図である。
【図3】流水により自動的に回転する攪拌羽根を備えた
殺菌セルの概略斜視図である。
【図4】図3に示される攪拌羽根の拡大図である。
【図5】殺菌セル内の流水を攪拌することによって乱流
を生じせしめることができるように配設された複数の所
定形状の障害物を備えた殺菌セルの概略斜視図である。
【図6】図5に示される殺菌セルの概略横断面図であ
る。
【図7】殺菌セル内の流水を攪拌することによって乱流
を生じせしめることができるように1つの円形通水孔を
有する攪拌円板を備えた殺菌セルの概略斜視図である。
【図8】図7に示される殺菌セルの概略縦断面図であ
る。
【図9】殺菌セル内の流水を攪拌することによって乱流
を生じせしめることができるように偏芯させた楕円形通
水孔を備えた殺菌セルの概略斜視図である。
【図10】殺菌セル内の流水を攪拌することによって乱
流を生じせしめることができるように攪拌半円板を備え
た殺菌セルの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 殺菌槽(タンク) 2 パルス光照射ランプ 3 攪拌羽根 4 ポンプ 5 導入管 6 排水管 7 殺菌槽(殺菌セル) 8 流量計 9 サンプリングライン 10 ランプ用電源 11 攪拌羽根 12 内側壁 13 障害物 14 三角柱 15 断面台形 16 断面半円形 17 円形通水孔 18 攪拌円板 19 楕円形通水孔 20 攪拌半円板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮫島 隆 茨城県土浦市中向原635番地 プリマハム 株式会社内 (72)発明者 金子 純 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 星川 雅之 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA02 AA03 AA08 AA09 AB03 BA16 BB04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス光を照射して水を殺菌する方法に
    おいて、パルス光の照射中又は照射を間歇的に繰り返す
    間に、殺菌処理対象水に乱流を生じせしめることを特徴
    とする水の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 殺菌処理対象水が、殺菌槽内の流水であ
    ることを特徴とする請求項1記載の水の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 導水管の殺菌槽側近傍に配設された攪拌
    手段により、殺菌槽内の流水に回転力を与えることによ
    って乱流を生じせしめることを特徴とする請求項2記載
    の水の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 攪拌手段が、流水により自動的に回転す
    る攪拌羽根であることを特徴とする請求項3記載の水の
    殺菌方法。
  5. 【請求項5】 殺菌槽の内側壁の長手方向に沿って配設
    された複数の所定形状の障害物により、殺菌槽内の流水
    を攪拌することによって乱流を生じせしめることを特徴
    とする請求項2〜4のいずれか記載の水の殺菌方法。
  6. 【請求項6】 殺菌槽内に配設された複数の所定形状の
    撹拌板により、殺菌槽内の流水を攪拌することによって
    乱流を生じせしめることを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれか記載の水の殺菌方法。
  7. 【請求項7】 撹拌板が、1又は2以上の通水孔を有す
    る攪拌板であることを特徴とする請求項6記載の水の殺
    菌方法。
  8. 【請求項8】 パルス光が、波長150nm以上の広帯
    域スペクトルの白色光であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか記載の水の殺菌方法。
  9. 【請求項9】 パルス1回あたりの照射時間が、50〜
    1000μ秒であることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか記載の水の殺菌方法。
  10. 【請求項10】 殺菌槽と、該殺菌槽の内部に配置され
    た1又は2以上のパルス光を照射することができるラン
    プと、殺菌槽内の殺菌処理対象水に乱流を生じせしめる
    ことができる攪拌手段とを備えたことを特徴とする水の
    殺菌装置。
  11. 【請求項11】 殺菌槽が導水管と排水管とを有し、パ
    ルス光を照射することができるランプが殺菌槽のほぼ中
    心長手方向に配置され、攪拌手段が殺菌槽内の流水に乱
    流を生じせしめることができることを特徴とする請求項
    10記載の水の殺菌装置。
  12. 【請求項12】 殺菌槽内の流水に回転力を与えること
    によって乱流を生じせしめる攪拌手段が、導水管の殺菌
    槽側近傍に配設されていることを特徴とする請求項11
    記載の水の殺菌装置。
  13. 【請求項13】 攪拌手段が、流水により自動的に回転
    する攪拌羽根であることを特徴とする請求項12記載の
    水の殺菌装置。
  14. 【請求項14】 殺菌槽内の流水を攪拌することによっ
    て乱流を生じせしめる複数の所定形状の障害物が、殺菌
    槽の内側壁の長手方向に沿って配設されていることを特
    徴とする請求項11〜13のいずれか記載の水の殺菌装
    置。
  15. 【請求項15】 殺菌槽内の流水を攪拌することによっ
    て乱流を生じせしめる複数の所定形状の撹拌板が、殺菌
    槽内に配設されていることを特徴とする請求項11〜1
    3のいずれか記載の水の殺菌装置。
  16. 【請求項16】 撹拌板が、1又は2以上の通水孔を有
    する攪拌板であることを特徴とする請求項15記載の水
    の殺菌装置。
  17. 【請求項17】 パルス光を照射することができるラン
    プが、波長150nm以上の広帯域スペクトルの白色光
    を照射することができるランプであることを特徴とする
    請求項11〜16のいずれか記載の水の殺菌装置。
  18. 【請求項18】 パルス光を照射することができるラン
    プのパルス1回あたりの照射時間が50〜1000μ秒
    に制御されていることを特徴とする請求項11〜17の
    いずれか記載の水の殺菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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