JP2001249703A - Pid制御器 - Google Patents

Pid制御器

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JP2001249703A
JP2001249703A JP2000062351A JP2000062351A JP2001249703A JP 2001249703 A JP2001249703 A JP 2001249703A JP 2000062351 A JP2000062351 A JP 2000062351A JP 2000062351 A JP2000062351 A JP 2000062351A JP 2001249703 A JP2001249703 A JP 2001249703A
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Ryuichi Kuwata
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Toshiba IT and Control Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間をかけずに速やかに最適な制御パラ
メータを決定することにある。 【解決手段】 一般の制御系を適用して限界感度テスト
および当該限界感度テストのボード線図を用いて、限界
感度、限界周期,位相勾配,減衰係数,ゲイン勾配等を
求めた後、限界感度、限界周期,位相勾配,減衰係数,
ゲイン勾配等を制御パラメータ発生機構10に入力す
る。この制御パラメータ発生機構10は、位相勾配と既
知または推定される減衰係数とを用いて、比例ゲイン用
2次元関数要素12から比例ゲイン比率係数を算出し、
また位相勾配と既知または推定される減衰係数とを用い
て、積分時間用2次元関数要素13,微分時間用2次元
関数要素14から積分時間比率係数,微分時間比率係数
を算出する。さらに、算出された比例ゲイン比率係数に
限界感度を乗算し比例ゲインKP,積分時間比率係数,
微分時間比率係数にそれぞれ限界周期を乗じて積分時間
TI,微分時間TDを求め、これらをPID制御演算機構
20に設定し、PID制御演算を実行し操作量を取り出
すPID制御器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油,化学,鉄
鋼,電力,製紙等の各種プラント制御やサーボ制御等に
利用されるPID制御器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、PID制御器は、P(比例)動
作、I(積分)動作、D(微分)動作を組み合わせた制
御器であって、定常特性および速応性を同時に改善でき
ることから広く用いられている。
【0003】従来の多くのPID制御器においては、P
制御動作、I制御動作、D制御動作の強さについて、比
例ゲインKP、積分時間TI、微分時間TD等の制御パラ
メータを設定し調整するのが一般的である。
【0004】これら制御パラメータを求める方法は、制
御対象の応答特性から種々の調整公式を用いて計算によ
り求める方法、或いはステップ入力に対する実際の制御
系の制御応答波形を観察して探索により求める方法等が
挙げられる。
【0005】例えば制御対象の限界感度Kcと限界周期
Tcとを用いて、制御パラメータを決めるZiegler and
Nicholsの限界感度法が知られているが、制御対象の
特性を表すために限界感度Kcおよび限界感度Tcと2
個のパラメータしか用いられていないので、現実に存在
する種々の制御対象の特性を的確に表現することが難し
く、満足な制御性が得られない場合が多い。
【0006】そこで、以上の改善策として、さらに制御
対象の伝達関数パターンとむだ時間とを用いて制御パラ
メータを求める方法が提案されている。この方法は、種
々の制御対象を良好に制御できるパラメータを求めるこ
とが可能であるが、特に進み特性をもつ系や振動系など
の場合、適切なむだ時間を推定するために試行錯誤を繰
り返しことから、制御パラメータを求めるために多くの
時間を要する問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のように
して制御パラメータを求める方法では、実際の制御対象
の特性を的確に表現できないとか、制御パラメータを求
めるのに非常に多くの時間を要する不都合がある。
【0008】本発明は上記事情にかんがみてなされたも
ので、時間をかけずに速やかに最適な制御パラメータを
決定し、汎用性ある優れた制御性能を発揮できるPID
制御器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るPID制御器は、PI制御演算または
PID制御演算により、制御量を目標値に一致させるよ
うな操作量を求めて制御対象を制御するPID制御器に
おいて、予め限界感度テスト等により求められる制御対
象の位相勾配、限界感度、限界周期、減衰係数またはゲ
イン勾配を入力とし、前記PIまたはPID制御演算に
用いる比例ゲイン、積分時間、必要に応じて微分時間を
算出する制御パラメータ発生機構を備えることにより、
時間をかけずに迅速に比例ゲイン、積分時間および微分
時間に求めることが可能である。
【0010】なお、前記制御パラメータ発生機構として
は、既知または前記位相勾配と前記ゲイン勾配から推定
される減衰係数をパラメータとし、前記位相勾配に基づ
いて、比例ゲイン、積分時間、必要に応じて微分時間に
それぞれ対応する各比率係数を取り出す2次元関数要素
と、前記限界感度に前記比例ゲイン比率係数を乗じて前
記比例ゲインを算出する比例ゲイン用乗算要素と、前記
限界周期に前記積分時間比率係数、微分時間係数をそれ
ぞれ乗じて前記積分時間、微分時間を算出する積分時間
・微分時間用乗算要素とを設けることにより、試行錯誤
を繰り返すことなく、合理的に比例ゲイン,積分時間,
微分時間を生成でき、これら生成された比例ゲイン,積
分時間,微分時間を用いてPID制御演算機構に設定す
れば、PIまたはPID制御演算を実行して得られる操
作量を制御対象に印加することにより、汎用性に優れた
制御性能を発揮させることが可能である。
【0011】さらに、前記各比率係数を取り出す2次元
関数要素に代えて各比率係数を取り出す3次元関数要素
を用いても、同様に比例ゲイン比率係数,積分時間比率
係数、微分時間係数を取り出すことが可能であり、同様
に限界感度,限界周期を乗じて比例ゲイン、積分時間お
よび微分時間に求めることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するに先立ち、本制御器に入力するためのパラメ
ータである制御対象の限界感度Kc、限界周期Tc、位
相勾配Φd、ゲイン勾配Gd、減衰係数ζ等を取得する
例およびこれらパラメータを用いて比例ゲインKP、積
分時間TI、微分時間TD等の制御パラメータを算出する
例について説明する。
【0013】先ず、本発明に係るPID制御に用いる限
界感度Kc、限界周期Tcは、図1(a)に示す比例制
御系を用いて限界感度テストによって実測する。同図に
おいて1は目標値SVと制御量PVとの偏差を演算する
偏差演算要素、2は比例ゲインK、3は比例ゲインKの
出力からの操作量MVに外乱を加えて調節信号を取り出
す加算要素、4は制御対象である。
【0014】このような比例制御系における限界感度テ
ストは、ゲインKを徐々に大きくしつつステップ状の目
標値または外乱を入力したときの制御量の応答から実測
するものであって、ゲインKを大きくしていくと、図2
に示すように次第に振動的となり、ついには安定限界を
越えて発振状態となる。このときの一定振幅の持続振動
を継続する状態の比例ゲインKを見つけ、この比例ゲイ
ンKを限界感度Kc、持続振動の周期を限界周期Tcと
して実測する。
【0015】さらに、図1(b)に示すように、制御対
象4に含まれるむだ時間の10%程度のむだ時間Lをむ
だ時間要素5として設定し、同様に限界感度テストを実
施したときの一定振幅の持続振動継続時の比例ゲインK
をむだ時間付加時の限界感度Kc’、持続振動の周期を
むだ時間付加時の限界周期Tc’と呼ぶ。
【0016】次に、位相勾配Φd、ゲイン勾配Gdは、
図3に示す限界感度テストのボード線図から決定する。
今、制御対象の特性を表す代表的な伝達関数を用いたテ
ストバッチとして、下式のような2次遅れ+むだ時間系
を用いる Ke‐Ls/(1+2ζTs+T22) ……(1) 但し、Kはプロセスゲイン、Lはむだ時間、Tは遅れ時
間である。ここで、制御対象の限界感度Kc=1、限界
周期Tc=1であるときのむだ時間を基準化むだ時間L
N(=L/Tc)、遅れ時間を基準化遅れ時間TN(=T
/Tc)、プロセスゲインを基準化プロセスゲインKN
(=K/Kc)とすると 基準化遅れ時間TN={−β+(β2+1)0.5}/2π ……(2) 基準化プロセスゲインKN=[{1−(2πTN)22+(4ζπTN)20.5 ……(3) で表される。但し、β=ζ/tan(1−2LN)πで
ある。
【0017】一方、位相交点の角周波数をω(=2π/
Tc)、むだ時間Lを付加したときの位相交点の角周波
数をω’(=2π/Tc’)とすると、ωで基準化した
周波数差Δωとしては、 Δω=(ω−ω’)ω=1−(Tc/Tc’) ……(4) 得られる。そこで、むだ時間Lによる角周波数ω’での
位相ΦLは、 ΦL=−(180/π)Lω’=−360L/Tc’ ……(5) である。従って、減衰係数ζとして、基準化むだ時間L
Nを0から0.5まで変えたときの位相交点における位
相勾配Φd(度/基準化周波数)は、図3に示すボード
線図から Φd(度/基準化周波数)=−(2πL/Tc’)・(1−Tc/Tc’) ……(6) を推定でき、また制御対象のω,ω’におけるゲイン
は、それぞれ(1/Tc)、(1/Tc’)であるの
で、同様に位相交点におけるゲイン勾配Gd(dB/基
準化周波数)は、 Gd(dB/基準化周波数)=20logKc’−20logKc) /(1−Tc/Tc’) ……(7) を推定できる。
【0018】以上のようにして位相勾配Φdおよびゲイ
ン勾配Gdを推定したならば、位相勾配を横軸、ゲイン
勾配を縦軸とする図4に示す2次元関数グラフを描くこ
とができる。従って、位相勾配とゲイン勾配とを入力
し、かかる2次元関数グラフ画面上に表示させることに
より、減衰係数ζを推定することが可能となる。なお、
ΦdとGdとから減衰係数ζが得られる3次元関数グラ
フも容易に作成でき、この3次元関数グラフ画面から一
義的に減衰係数ζを得ることもできる。
【0019】次に、制御対象の伝達関数式である(1)
式を分母系列表現伝達関数に変換すると、次式のように
なる。 1/(a0+a1s+a2s2+a3s3+……) ……(8) 但し、a0=1/K、a1=(2ζT+L)/K、a2
=(2T2+4ζTL+L2)/2K、a3=(6T2
6ζTL+L2)L/6Kである。そこで、今、制御対
象に対し、I−PDフィードバック制御を行ったときの
目標値に対する制御量の伝達特性が下式に示す規範モデ
ル特性 1/(1+σs+α2σ22+α3σ33+α4σ44+…) ……(9) (但し、σは立上り時間であって、例えばα2=0.
5,α3=0.15、α4=0.03)に等しくするPI
D値(Tc=Kc=1のとき、比率係数はfk、fI,
fD)は、 fk=a2/(α3σ2)−a0 ……(10) fI={1−α3(a0/a2)σ2}σ ……(11) fD=(α2a2−α3a1σ)σ/(a2−α3a0σ2) ……(12) となる。但し、σ=α3a3/(α4a2)である。
【0020】そこで、前述と同様に減衰係数ζをパラメ
ータとし、LN値が0から0.5まで変えたときのf
k、fI,fDを前記(10)式〜(12)式で求めた
後、位相勾配Φdを横軸、各fk、fI,fDをそれぞれ
縦軸とする2次元関数グラフを描くと、図5(a)〜
(c)となる。従って、Φdとζとを与えれば、関数要
素からfk、fI,fDの値を決定できる。
【0021】よって、Tc、Kc、Φdとζ(またはG
d)の値を入力すれば、次式で示すような最適なPID
値を決定することが可能である。
【0022】 比例ゲイン:KP=fk・Kc ……(13) 積分時間 :TI=fI・Tc ……(14) 微分時間 :TD=fD・Tc ……(15) さらに、減衰係数ζをパラメータとしたΦdとLNとの
関係は図6で表され、Φdとζとから制御対象の基準化
むだ時間LNを決定でき、またLN,ζとfk、fI,fD
との関係を表す3次元関数グラフは図7、図8(a),
(b)となるから、この関数要素を用い場合にも前記
(13)式〜(15)式に基づいて最適なPID値を決
定できる。
【0023】なお、テストバッチとして(1)式の2次
遅れ+むだ時間系を用いたが、これは次の理由からであ
る。 (1) 振動系がζ<0.7で近似できること。 (2) ζを大きな値(約20以上)とすれば、次のよ
うな関係を近似できること。 2.1) −90度>Φd>−180度(0.25
<LN<0.5)で1次遅れ+むだ時間を近似できる。 2.2) Φd=−90度(LN=0.25)で
積分+むだ時間系を近似できる。 2.3) 0度>Φd>−90度(0<LN<0.2
5)で積分+遅れ+むだ時間系を近似できる。 (3) Φd=−180度(LN=0.5)で純粋むだ
時間系を近似できること。
【0024】すなわち、広範囲な制御対象の位相交点近
傍における周波数特性を近似でき、汎用性があるためで
ある。
【0025】以下、以上のようにして得られる制御対象
の限界感度Kc、限界周期Tc、位相勾配Φd、ゲイン
勾配Gd、減衰係数ζ等から制御パラメータを決定し、
これら制御パラメータを用いてPIまたはPID制御演
算を実行する本発明に係るPID制御器の実施の形態に
ついて説明する。
【0026】図9は本発明に係るPID制御器の一実施
の形態を示す構成図である。
【0027】このPID制御器は、制御パラメータを発
生する制御パラメータ発生機構0とこの発生機構10か
ら発生される制御パラメータを用いてPID制御演算を
実行するPID制御演算機構20とで構成されている。
【0028】この制御パラメータ発生機構10は、前述
のごとく実測された限界周期Tc、限界感度Kc、位相
勾配Φd、ゲイン勾配Gd或いは減衰係数ζ等を用い
て、制御パラメータである比例ゲインKP,積分時間
I,微分時間TDを算出し、ここで算出された比例ゲイ
ンKP,積分時間TI,微分時間TDをPID制御演算機
構20に設定する。
【0029】前記PID制御演算機構20は、目標値S
Vと制御対象(図示せず)からの制御量PVとが入力さ
れ、前記制御パラメータ発生機構10から設定される比
例ゲインKP,積分時間TI,微分時間TDを用いて、目
標値SVと制御量PVとの偏差を零とするようなP制御
演算、I制御演算、必要に応じてD制御演算を実行し、
これら制御演算によって得られた操作量MVを用いて制
御対象を制御する機能をもっている。
【0030】従って、この実施の形態によれば、一般の
制御系に限界感度テスト等を適用して得られる限界周期
Tc、限界感度Kc、位相勾配Φd、ゲイン勾配Gd或
いは減衰係数ζ等を入力すれば、試行錯誤を繰り返すこ
となく最適な制御パラメータを取り出すことができる。
【0031】図10は制御パラメータ発生機構10の一
構成例を示す図である。この発生機構10は、予め減衰
係数ζが既知として入力されている場合には当該減衰係
数ζを用いるが、この減衰係数ζを入力できない場合に
は外部から入力される位相勾配Φdとゲイン勾配Gdと
に基づいて減衰係数ζを推定し出力する減衰係数推定要
素11と、比例ゲイン用2次元関数要素12と、積分時
間用2次元関数要素13と、微分時間用2次元関数要素
14と、これら各関数要素12〜14の出力側に接続さ
れる乗算要素15〜17とによって構成されている。
【0032】前記比例ゲイン用2次元関数要素12は、
位相勾配Φdと減衰係数ζとに基づいて比例ゲイン比率
係数fKを取り出するものであって、外部から入力され
る位相勾配Φdに対し、例えば図5(a)に示す特性に
基づき、減数係数ζをパラメータとする関数から比例ゲ
イン比率係数fKを取り出し、乗算要素15に送出す
る。この乗算要素15は比例ゲイン用2次元関数要素1
2からの比例ゲイン比率係数fKに限界感度Kcを乗じ
て比例ゲインKPを生成し、PID制御演算機構20に
設定する。
【0033】前記積分時間用2次元関数要素13は、位
相勾配Φdと減衰係数ζとに基づいて積分時間比率係数
fIを取り出するものであって、外部から入力される位
相勾配Φdに対し、例えば図5(b)に示す特性に基づ
き、減数係数ζをパラメータとする関数から積分時間比
率係数fIを取り出し、乗算要素16に送出する。この
乗算要素16は積分時間用2次元関数要素13からの積
分時間比率係数fIに限界周期Tcを乗じて積分時間TI
を生成し、PID制御演算機構20に設定する。
【0034】前記微分時間用2次元関数要素14は、位
相勾配Φdと減衰係数ζとに基づいて微分時間比率係数
fDを取り出するものであって、同じく外部から入力さ
れる位相勾配Φdに対し、例えば図5(c)に示す特性
に基づき、減数係数ζをパラメータとする関数から微分
時間比率係数fDを取り出し、乗算要素17に送出す
る。この乗算要素17は微分時間用2次元関数要素14
からの微分時間比率係数fDに限界周期Tcを乗じて微
分時間TDを生成し、PID制御演算機構20に設定す
る。
【0035】なお、前記減衰係数推定要素11による減
衰係数ζの推定手段は図4に示す特性を画面に表示し、
外部から入力される位相勾配Φdとゲイン勾配Gdとの
点を表示させれば、その点から減衰係数ζを推定でき
る。
【0036】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、一般の制御系から求められる位相勾配Φdと既知ま
たは推定される減衰係数ζとから簡単に比例ゲイン比率
係数fK,積分時間比率係数fI,微分時間比率係数fD
を得ることができ、さらにこれら比率係数に限界感度,
限界周期を乗算すれば、特に試行錯誤を繰り返すことな
く、合理的に比例ゲインKP,積分時間TI,微分時間T
Dを生成でき、これら生成された比例ゲインKP,積分時
間TI,微分時間TDを用いてP制御演算、I制御演算お
よびD制御演算を実行し、得られる操作量を制御対象に
印加することにより、汎用性に優れた制御性能を発揮さ
せることができる。
【0037】図11は制御パラメータ発生機構10の他
の実施形態例を示す構成図である。この発生機構10
は、図10と同様に必要に応じて設けられる減衰係数推
定要素11と、位相勾配Φdと減衰係数ζとに基づいて
基準化むだ時間LNを求める関数要素21と、この関数
要素21の出力側に設けられた図10に示す2次元関数
要素12〜14に代わる比例ゲイン用3次元関数要素2
2、積分時間用3次元関数要素23および微分時間用3
次元関数要素24と、乗算要素15〜17とによって構
成されている。
【0038】この基準化むだ時間関数要素21は、図6
に示す特性に基づき、外部から入力される位相勾配Φd
に対し、減衰係数ζをパラメータとする関数により基準
化むだ時間LNを取り出すものである。
【0039】前記比例ゲイン用3次元関数要素22は、
基準化むだ時間関数要素21からの基準化むだ時間LN
と既知または推定要素11で推定される減衰係数ζとに
基づいて比例ゲイン比率係数fKを取り出し、乗算要素
15に送出する。この乗算要素15は比例ゲイン3次元
関数要素22からの比例ゲイン比率係数fKに限界感度
Kcを乗じて比例ゲインKPを生成し、PID制御演算
機構20に設定する。なお、比例ゲイン比率係数fKを
取り出す手段としては、入力される基準化むだ時間LN
と減衰係数ζとに対し、図7(a)に示す特性上の交点
に対応する縦軸の値をもって比例ゲイン比率係数fKを
得るものである。
【0040】前記積分時間用3次元関数要素23は、基
準化むだ時間LNと既知または推定要素11で推定され
る減衰係数ζとに基づいて積分時間比率係数fIを取り
出し、乗算要素16に送出する。この乗算要素16は積
分時間用3次元関数要素23からの積分時間比率係数f
Iに限界周期Tcを乗じて積分時間TIを生成し、PID
制御演算機構20に設定する。なお、積分時間比率係数
fIを取り出す手段としては、入力される基準化むだ時
間LNと減衰係数ζとに対し、図8(a)に示す特性上
の交点に対応する縦軸の値をもって積分時間比率係数f
Iを得るものである。
【0041】前記微分時間用3次元関数要素24は、基
準化むだ時間LNと既知または推定要素11で推定され
る減衰係数ζとに基づいて微分時間比率係数fDを取り
出し、乗算要素17に送出する。この乗算要素17は微
分時間用3次元関数要素24からの微分時間比率係数f
Dに限界周期Tcを乗じて微分時間TDを生成し、PID
制御演算機構20に設定する。なお、微分時間比率係数
fDを取り出す手段としては、入力される基準化むだ時
間LNと減衰係数ζとに対し、図8(b)に示す特性上
の交点に対応する縦軸の値をもって微分時間比率係数f
Dを得るものである。
【0042】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、位相勾配Φdと既知または推定要素11で推定され
る減衰係数ζとから図6に基づいて基準化むだ時間を算
出し、この基準化むだ時間と前記減衰係数とから3次元
関数要素22〜24を用いて比例ゲイン,積分時間,微
分時間等の適切な比率係数を求めることができ、その結
果、特に試行錯誤を繰り返すことなく、合理的に比例ゲ
インKP,積分時間TI,微分時間TDを容易に生成で
き、汎用性に優れた制御性能を発揮させることができ
る。
【0043】図12は制御パラメータ発生機構10の更
に他の実施形態例を示す構成図である。この発生機構1
0は、位相勾配Φdと減衰係数ζに代わるゲイン勾配G
dとを用いて、比率係数fK,fI,fDを求める比例ゲイ
ン用3次元関数要素31、積分時間用3次元関数要素3
2、微分時間用3次元関数要素33と、これら関数要素
31〜33の出力側に接続される乗算要素15〜17と
によって構成されている。
【0044】すなわち、この発生機構10は、比例ゲイ
ン用3次元関数要素31が外部から入力される位相勾配
Φdとゲイン勾配Gdとに基づいて比例ゲイン比率係数
fKを取り出し、また積分時間用3次元関数要素32が
同じく位相勾配Φdとゲイン勾配Gdとを用いて積分時
間比率係数fIを取り出し、さらに微分時間用3次元関
数要素33が位相勾配Φdとゲイン勾配Gdとを用いて
微分時間比率係数fDを取り出し、それぞれ対応する乗
算要素15,16,17に送出する。これら乗算要素1
5,16,17は、それぞれ対応する関数要素31,3
2,33から得られる比例ゲイン比率係数fK,積分時
間比率係数fI,微分時間比率係数fDに個別に限界周期
Tcを乗算し、制御パラメータである比例ゲインKP、
積分時間TI、微分時間TDを生成し、PID制御演算機
構20に設定する。
【0045】従って、PID制御演算機構20は、発生
機構10からの比例ゲインKP、積分時間TI、微分時間
Dを用いて、制御量PVが目標値PVと一致するよう
な制御演算を実行し、得られた操作量MVに基づいて制
御対象を制御するものである。
【0046】なお、前述する限界感度テストにおいて限
界感度Kc,むだ時間付加時の限界感度Kc’,限界周
期Tc,むだ時間付加時の限界周期Tc’を求めた場
合、図13に示すようにそれらKc,Kc’,Tc,T
c’を用いて、勾配算出演算要素41が前記(6)式お
よび(7)式に基づいて位相勾配Φdおよびゲイン勾配
Gdを算出することができ、ここで算出された位相勾配
Φdおよびゲイン勾配Gdを図12に適用してもよい。
【0047】従って、以上のような実施の形態全般につ
いて言えることは、PID制御演算機構20に制御パラ
メータ発生機構10を設け、一般の制御系を適用して制
御対象の位相交点付近の周波数特性を代表する位相勾
配,減衰係数またはゲイン勾配等を用いて、所要とする
演算により比例ゲイン比率係数、積分時間比率係数およ
び微分時間比率係数を求めた後、同じく予め求められる
限界感度,限界周期を乗じることによりPID調整が難
しい制御ループであっても、適切、制御パラメータであ
る比例ゲインKP、積分時間TI、微分時間TDを生成す
ることができる。
【0048】そして、このような制御パラメータ発生機
構10で得られたある比例ゲインK P、積分時間TI、微
分時間TDをPID制御演算機構20に設定し、例えば
進み特性を持つ伝達関数が 130(3s+2)/{(s+1)(5s+2)(4s
+1)(s+4)} なる制御対象に適用したとき、図14に示すごとくステ
ップ状目標値の入力に対し、同図に示すように最適な制
御性能を得ることができ、ひいては制御対象を良好に制
御することができる。
【0049】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ずにその要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施可能
である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、予
め求められる限界感度,限界周期、位相勾配,減衰係数
またはゲイン勾配等を用いて、時間をかけずに速やかに
最適な制御パラメータを決定でき、これら制御パラメー
タを制御演算に用いることにより汎用性ある優れた制御
性能を発揮させることができるPID制御器を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 限界感度,限界周期、位相勾配,減衰係数ま
たはゲイン勾配等を取得するための限界感度テストに用
いる制御系を示す図。
【図2】 限界感度テストにより得られる時間応答例を
示す図。
【図3】 限界感度テスト系一巡伝達関数の周波数特性
例を示すボード線図。
【図4】 位相勾配とゲイン勾配とから減衰係数を推定
する関数要素の特性を示す図。
【図5】 位相勾配から比例ゲイン,積分時間,微分時
間等の比率係数を得る2次元関数要素の特性を示す図。
【図6】 位相勾配から基準化むだ時間を得る関数要素
の特性を示す図。
【図7】 基準化むだ時間と減衰係数とから比例ゲイン
比率係数を得る3次元関数要素の特性を示す図。
【図8】 基準化むだ時間と減衰係数とから積分時間お
よび微分時間の比率係数を得る3次元関数要素の特性を
示す図。
【図9】 本発明に係るPID制御器の概略構成を示す
図。
【図10】 図9に示す制御パラメータ発生機構の一実
施の形態を示す構成図。
【図11】 図9に示す制御パラメータ発生機構の他の
実施形態を示す構成図。
【図12】 図9に示す制御パラメータ発生機構のさら
に他の実施形態を示す構成図。
【図13】 位相勾配およびゲイン勾配を取得するため
の勾配算出演算要素を説明する図。
【図14】 本発明に係るPID制御器を適用した場合
の制御応答の一例を説明する図。
【符号の説明】
1…偏差演算要素 2…比例ゲイン 4…制御対象 5…むだ時間要素 10…制御パラメータ発生機構 11…減衰係数推定要素 12…比例ゲイン用2次元関数要素 13…積分時間用2次元関数要素 14…微分時間用2次元関数要素 15〜17…乗算要素 22,31…比例ゲイン用3次元関数要素 23,32…積分時間用3次元関数要素 24,33…微分時間用3次元関数要素 41…勾配算出演算要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H004 KA41 KA78 KB02 KB04 KB06 KB18 KC34 KC48 LA02 LA03 LA13 MA19 9A001 BB02 GG03 HH34 JJ48 KK54 KK55 LL09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PI(P:比例,I:積分)制御演算ま
    たはPID(D:微分)制御演算により、制御量を目標
    値に一致させるような操作量を求めて制御対象を制御す
    るPID制御器において、 前記制御対象の位相勾配、限界感度、限界周期、減衰係
    数またはゲイン勾配を入力とし、前記PIまたはPID
    制御演算に用いる比例ゲイン、積分時間、必要に応じて
    微分時間を算出する制御パラメータ発生機構を備えたこ
    とを特徴とするPID制御器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のPID制御器におい
    て、 前記制御パラメータ発生機構は、既知または前記位相勾
    配と前記ゲイン勾配から推定される減衰係数をパラメー
    タとし、前記位相勾配に基づいて、比例ゲイン、積分時
    間、必要に応じて微分時間にそれぞれ対応する各比率係
    数を取り出す2次元関数要素と、 前記限界感度に前記比例ゲイン比率係数を乗じて前記比
    例ゲインを算出する比例ゲイン用乗算要素と、 前記限界周期に前記積分時間比率係数、微分時間係数を
    それぞれ乗じて前記積分時間、微分時間を算出する積分
    時間・微分時間用乗算要素とを設けたことを特徴とする
    PID制御器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のPID制御器におい
    て、 前記制御パラメータ発生機構は、既知または前記位相勾
    配と前記ゲイン勾配から推定される減衰係数をパラメー
    タとし、前記位相勾配に基づいて関数グラフから基準化
    むだ時間を推定する基準化むだ時間関数要素と、 この関数要素からの基準化むだ時間と前記減衰係数とに
    基づいて、比例ゲイン、積分時間、必要に応じて微分時
    間にそれぞれ対応する各比率係数を取り出す3次元関数
    要素と、 前記限界感度に前記比例ゲイン比率係数を乗じて前記比
    例ゲインを算出する比例ゲイン用乗算要素と、 前記限界周期に前記積分時間比率係数、微分時間係数を
    それぞれ乗じて前記積分時間、微分時間を算出する積分
    時間・微分時間用乗算要素とを設けたことを特徴とする
    PID制御器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    のPID制御器において、 前記位相勾配および前記ゲイン勾配は、位相が−180
    度になる位相交点周波数或いはそれよりも低い周波数に
    対する位相およびゲインの変化率であることを特徴とす
    るPID制御器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    のPID制御器において、 前記前記位相勾配および前記ゲイン勾配の算出は、限界
    感度テスト時にむだ時間を付加し、当該むだ時間有無に
    応じてそれぞれ複数の限界感度および限界周期を取り出
    す手段と、この手段により取り出される複数の限界感度
    および限界周期を入力とし、位相勾配およびゲイン勾配
    を算出する演算要素とを有することを特徴とするPID
    制御器。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のPID制御器におい
    て、 前記制御パラメータ発生機構は、前記位相勾配と前記ゲ
    イン勾配とに基づいて、比例ゲイン、積分時間、必要に
    応じて微分時間にそれぞれ対応する各比率係数を取り出
    す3次元関数要素と、 前記限界感度に前記比例ゲイン比率係数を乗じて前記比
    例ゲインを算出する比例ゲイン用乗算要素と、 前記限界周期に前記積分時間比率係数、微分時間係数を
    それぞれ乗じて前記積分時間、微分時間を算出する積分
    時間・微分時間用乗算要素とを設けたことを特徴とする
    PID制御器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101086128B1 (ko) 2008-03-25 2011-11-25 가부시키가이샤 야마다케 제어 기기 및 전력 추정 방법

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