JP2001249691A - 音声符号化装置及び音声復号装置 - Google Patents

音声符号化装置及び音声復号装置

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JP2001249691A
JP2001249691A JP2000059944A JP2000059944A JP2001249691A JP 2001249691 A JP2001249691 A JP 2001249691A JP 2000059944 A JP2000059944 A JP 2000059944A JP 2000059944 A JP2000059944 A JP 2000059944A JP 2001249691 A JP2001249691 A JP 2001249691A
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transmission
quantization
code
frame
signal
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JP2000059944A
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English (en)
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Hiromi Aoyanagi
弘美 青柳
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信品質を維持しながら伝送レートを低減す
る。 【解決手段】 音声符号化装置において、伝送路が送信
符号に与える伝送誤りの程度に対応した量子化制御信号
に応じて、選択信号の状態を変化させる選択信号生成手
段と、選択信号を送信用符号と共に伝送路に送出する送
信処理手段とを備え、1又は複数種類の量子化処理手段
の内、少なくとも1種類の量子化処理手段は、連続する
フレームにつき、フレーム毎の情報内容について量子化
処理を行う情報内容量子化部と、連続するフレームに対
し、前フレームの情報内容との差分を量子化処理する差
分量子化部と、情報内容量子化部による量子化処理と当
該差分量子化部による量子化処理とを、選択信号に応じ
た割合で選択する量子化選択手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声符号化装置及
び音声復号装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の音声符号化方式としては、例え
ば、次の参考文献1に記載された方式がある。
【0003】参考文献1: DeJaco A.,Gardner
W., Jacobs P., Lee C.“QCELP:The North
American CDMA Digita1 CellularVariable Rate
Speech Coding Standard”,IEEE Workshop on
Speech Coding for Telecommun.,pp.5−6(199
3) この参考文献1に記載されている音声符号化方式は、C
DMA(符号分割多元接続)方式の自動車・携帯電話等
において、伝送レートを時間経過にともなって変化させ
るような可変レート型の音声符号化方式である。
【0004】この様な可変レート型の音声符号化方式で
は、有音時(話している時)には伝送レート(データレ
ート)を高くし、無音時(相手の声を聴いている時)に
は伝送レートを低くする。ここで、有音時には、一方の
ユーザ側からの入力信号に有効な音声信号、すなわち会
話音声などの人間の声帯や声道から発する音声に対応す
る信号が含まれており、無音時には当該ユーザ側からは
そのような有効な音声信号が含まれておらず、例えば背
景の雑音だけが存在する。
【0005】実際には、例えば4つの伝送レート(8k
b/s、4kb/s、2kb/s、1kb/s)を予め
用意しておき、20ms毎に、これらの中の1つの伝送
レートを択一的に選択する。そして音声密度(前記有音
の時間軸方向の密度)の高い有音時には8kb/sで符
号化し、音声密度の低い有音時および無音時には、4〜
1kb/sで符号化する。
【0006】このような可変レート型の音声符号化方式
によれば、有音時にも無音時にも伝送レートを一定値に
固定している固定レート型の音声符号化方式に比べて、
平均の伝送レートを下げることができ、実質的にシステ
ム容量を拡大することができるなどの、さまざまな利点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな可変レート型の音声符号化方式は、主に発話の有無
に応じて伝送レートの高低を決定しており、伝送路の良
し悪しに応じた伝送レートの可変操作は行っていなかっ
た。
【0008】また、従来のCDMA方式のディジタル携
帯電話機においては、送信電力の制御方式として、閉ル
ープ制御、開ループ制御、あるいはこれらの混合方式が
考えられる。
【0009】例えば、閉ループ制御では、注目している
携帯電話機が送信した音声信号を受信し復号する基地局
は、その復号誤り率が高いときには当該携帯電話機の送
信電力が足りないと判断して、送信電力アップを求める
制御データを送信する。そしてこれを受信した当該携帯
電話機は送信電力をアップする。これにより遠近問題に
対応するとともに、通常は前記復号誤り率が低下して、
自動的に通信品質が保持される。
【0010】この方式でも、制御の対象となっているの
は送信電力であり、伝送レートの方は、音声密度に応じ
て決定されていた。
【0011】一方、時間的に連続するフレーム間の相関
が高いという音声の特質上、フレーム間差分符号化を利
用することは、通信品質を劣化させることなく伝送レー
トを低減するための有効な手段となり得ると考えられる
が、フレーム間差分符号化に対応する復号誤り率は、伝
送路の状態に大きく左右される。
【0012】すなわち、同じ送信電力であっても、伝送
路の状態が良好でほとんど伝送誤りが発生しない環境下
では、高い割合でフレーム間差分符号化を用いても受信
側ではほとんど復号誤りが検出されず、反対に伝送路の
状態が劣悪で伝送誤りが頻発する場合には、低い割合で
フレーム間差分符号化を行っても復号誤り率が高くなる
傾向がある。
【0013】したがって、フレーム間差分符号化を利用
して伝送レートを低減することを前提とすると、伝送路
の状態に配慮した符号化処理が重要になる。
【0014】以上では、主として符号化器に着目して説
明したが、符号化器と対向し、符号化器と対称な機能、
構造を装備することが求められる復号器の方にも、同一
の問題が存在する。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、第1の発明では、入力音声信号に対し、1又は複
数種類の量子化処理手段を用いてフレーム単位で量子化
処理を施し符号化することによって得られた送信用符号
を、伝送路に送出する音声符号化装置において、(1)
前記伝送路が前記送信符号に与える伝送誤りの程度に対
応した量子化制御信号に応じて、選択信号の状態を変化
させる選択信号生成手段と、(2)当該選択信号を前記
送信用符号と共に前記伝送路に送出する送信処理手段と
を備え、(3)前記1又は複数種類の量子化処理手段の
内、少なくとも1種類の量子化処理手段は、(4)連続
するフレームにつき、フレーム毎の情報内容について量
子化処理を行う情報内容量子化部と、(5)連続するフ
レームに対し、前フレームの情報内容との差分を量子化
処理する差分量子化部と、(6)前記情報内容量子化部
による量子化処理と当該差分量子化部による量子化処理
とを、前記選択信号に応じた割合で選択する量子化選択
手段とを具備することを特徴とする。
【0016】また、第2の発明では、伝送路から受信し
た入力符号に対し、1又は複数種類の逆量子化処理手段
を用いてフレーム単位で逆量子化処理を施し復号するこ
とによって、所定の量子化値を得る音声復号装置におい
て、(1)伝送誤りの程度に応じて送信側で生成された
選択信号を、前記入力符号と共に前記伝送路から受信す
る受信処理手段を備え、(2)前記1又は複数種類の逆
量子化処理手段の内、少なくとも1種類の逆量子化処理
手段は、(3)連続するフレームにつき、フレーム毎の
情報内容について逆量子化処理を行う情報内容逆量子化
部と、(4)連続するフレームに対し、前フレームの情
報内容との差分を逆量子化処理する差分逆量子化部と、
(5)前記選択信号に応じた割合で、前記情報内容逆量
子化部による逆量子化処理と当該差分逆量子化部による
逆量子化処理とを選択する逆量子化選択手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 以下、本発明の音声符号化装置及び音声復号装置の実施
形態について説明する。
【0018】第1〜第3の実施形態は、音声信号の様に
時間的な相関を持つ信号は、フレーム間差分符号化を用
いることにより、伝送路の状態が良い場合には品質を劣
化させることなく伝送レートを低くすることができる点
に着眼することで成されたものである。
【0019】第1〜第3の実施形態は、伝送路状態が悪
い時にはフレーム間差分符号化を用いず、伝送路状態が
良い時にはフレーム間差分符号化を用いることにより、
伝送レートを可変するものである。
【0020】(A−1)第1の実施形態の構成 本実施形態の符号化器10の構成を図1に示す。
【0021】図1において、符号化器10は、声道係数
分析回路101と、声道係数量子化回路102と、合成
フィルタ103と、適応コードブック104と、適応ゲ
インテーブル105と、固定コードブック106と、固
定ゲインテーブル107と、重み付き誤差計算回路10
8と、インデックス検索回路109と、差分符号化制御
回路110と、多重化回路111と、減算器11と、加
算器12と、乗算器13,14とを備えている。
【0022】このうち差分符号化制御回路110は、制
御信号(差分符号化コントロール信号)Cの入力を受け
て処理選択信号Dを出力する回路で、制御信号Cの値に
より、所定の割合(図9参照)で処理選択信号Dの状態
を変更する機能を備えている。D=1はフレームの内容
自体を量子化する通常の量子化を指定し、D=0は前フ
レームとの差分を量子化する差分量子化を指定するもの
とする。
【0023】処理選択信号Dは声道係数量子化回路10
2、適応コードブック104、固定ゲインテーブル10
7、および多重化回路111に供給される。多重化回路
111に供給された処理選択信号Dはトータル符号Qに
多重されて後述する復号器30に伝達され、当該復号器
30における処理に利用される。
【0024】また、前記声道分析回路101は入力信号
Sを基にLPC(Linear Predictive Coding)分析を
行い声道予測係数aを出力する回路である。
【0025】この声道予測係数aと前記処理選択信号D
を受け取る声道係数量子化回路102は、声道予測係数
量子化値aq、声道予測係数量子化インデックスLを出
力する回路で、受け取った処理選択信号Dの状態に応じ
て異なる量子化処理を行う。
【0026】この声道係数量子化回路102の内部構成
を図2に示す。
【0027】(A−1−1)声道係数量子化回路の内部
構成 図2において、声道係数量子化回路102は、LPC・
LSP(LSP:LineSpectrum Pair)変換器200
と、LSP量子化逆量子化器201と、LSP量子化逆
量子化器202と、LSP・LPC変換器203と、イ
ンデックス変換器204と、フレーム遅延回路205
と、加算器21,22と、切替えスイッチ23とを備え
ている。
【0028】このうち、処理選択信号Dを受け取る回路
は、切替えスイッチ23とインデックス変換器204で
ある。
【0029】また、LPC・LSP変換器200は、声
道予測係数aをLSP係数wに変換する回路であり、L
SP量子化逆量子化器201はwを20ビット(この2
0ビットは量子化出力レベルの数220に対応)で量子
化し、量子化値wq1、量子化インデックスL1を出力
する回路である。
【0030】前記処理選択信号Dを受け取る切替えスイ
ッチ23は、D=1の場合はwq1側の接点23Bを選
択し、D=0の場合はwp側の接点23Aを選択する。
【0031】2つ目のLSP量子化逆量子化器202
は、減算器21においてwからwqtを減じることで得
られた信号を10ビット(量子化出力レベル数210
で量子化し、量子化値wq2、量子化インデックスL2
を出力する。
【0032】加算器22がwqtとwq2を加算して得
られたwqは、フレーム遅延回路205から、次のフレ
ームに対するwpとして出力される。
【0033】また、前記LSP・LPC変換器203は
wqを声道予測係数量子化値aqに変換して出力する回
路である。
【0034】インデックス変換器204は、D=1の場
合はL1とL2をパッキングしてLとし、D=0の場合
はL2をそのままLとして出力する。すなわち、D=1
のときはL1の情報内容とL2の情報内容からLの情報
内容が構成されるが、D=0のときはL2の情報内容だ
けがLの有効な情報内容となる。
【0035】この声道係数量子化回路102中のLSP
・LPC変換器203から出力された声道予測係数量子
化値aqと、図1に示す加算器12から出力される励振
信号eを受け取る合成フィルタ103は、励振信号eに
応じて内部状態を更新し、更新した内部状態と、声道予
測係数量子化値aqに応じた合成音声信号Sqを出力す
る。
【0036】前記減算器11は、前記入力信号Sからこ
の合成音声信号Sqを減算することで得られる差分信号
Evを出力する。
【0037】重み付き誤差計算回路108はこの差分信
号Evに聴覚的重みを付けた後、その自乗和を計算し、
重み付き誤差信号Eとして出力する。
【0038】すなわち重み付き誤差計算回路108は、
人間の聴覚特性上、量子化誤差を検知しづらく高品質な
合成音声信号Sqを、合成フィルタ103に合成させる
ような重み付き誤差信号Eを出力する部分である。
【0039】インデックス検索回路109は重み付き誤
差信号Eの値が最も小さくなるi,k,j,lの組み合
せを検索し、D=1の場合は各々Ia=i,Ib=k,
Is=j,Ig=lとし、D=0の場合は各々Ia=i
−(Iap−3)、Ib=k,Is=j,Ig=l−
(Igp−3)として出力する。ここで、Iapは、前
フレームでの最適適応コードインデックス(適応コード
ブック104内で保持している)である。
【0040】Ia〜Igの各信号のうちIaは、適応コ
ードブック104に供給され、Ibは適応ゲインテーブ
ル105に供給され、Isは固定コードブック106に
供給され、Igは固定ゲインテーブル107に供給され
る。
【0041】当該Iaと前記処理選択信号Dを受け取る
適応コードブック104は、適応コードeaiを出力す
る。
【0042】適応コードeaiは、D=0の場合はi=
0〜255とし、D=1の場合はi=Iap−3〜Ia
p+4とする。ただし、Iap−3<0の場合はiの下
限を0,Iap+4>255の場合はiの上限を255
とする。
【0043】これに対し適応ゲインテーブル105は、
前記Ibに応じて適応コードゲインgak(k=0〜
7)を出力する。
【0044】また、固定コードブック106は、前記I
sに応じて固定コードesj(j=0〜511)を出力
する。
【0045】これに対し固定ゲインテーブル107は、
前記IgとDに応じた固定コードゲインgslを出力す
る。
【0046】固定コードゲインgslは、D=0の場合
はl=0〜127とし、D=1の場合はl=Igp−3
〜Igp+4とする。ただしIgpは前フレームでの最
適固定ゲインインデックス(固定ゲインテーブル107
内で保持している)であり、Igp−3<0の場合はl
の下限を0,Igp+4>127の場合はlの上限を1
27とする。
【0047】適応コードブック104から出力された適
応コードeaiと適応ゲインテーブル105から出力さ
れた適応ゲインgakとは、乗算器13で乗算されてそ
の乗算結果は加算器12に供給される。
【0048】同様に、固定コードブック106から出力
された固定コードesjと固定ゲインテーブル107か
ら出力された固定ゲインgslとは、乗算器14で乗算
され、その乗算結果は加算器14に供給される。
【0049】そして加算器12において、乗算器13の
乗算結果と乗算器14の乗算結果が加算されることで、
励振信号eが生成される。
【0050】前記声道予測係数量子化値aqと、加算器
12から出力される励振信号eを受け取る合成フィルタ
103は、励振信号eに応じて内部状態を更新し、更新
した内部状態と、声道予測係数量子化値aqに応じた合
成音声信号Sqを出力する。
【0051】なお、適応コードブック104の内部状態
は、加算器12の出力端子から帰還された励振信号et
に応じて更新される。
【0052】多重化回路111は各信号D,L,Ia,
Ih,Is,Igを多重してトータル符号Qとして伝送
路TRへ出力する。多重される各信号の1フレーム当た
りの符号化ビット数は、処理選択信号Dの状態に応じ
て、図10に示すように変化する。
【0053】一方、このような符号化器10の符号化動
作に対応する復号動作を行う復号器30は、図3に示す
ような内部構成を備えている。復号器30は、符号化器
10に対向する通信装置上に搭載される復号器であって
よい。
【0054】図3において、復号器30は、多重分離回
路300と、適応コードブック301と、適応ゲインテ
ーブル302と、固定コードブック303と、固定ゲイ
ンテーブル304と、声道係数逆量子化回路305と、
合成フィルタ306と、乗算器31,33と、加算器3
2とを備えている。
【0055】このうち多重分離回路300は、伝送路T
Rからのトータル符号QをD、L,Ia,Ib,Is,
Igに分離して出力し、声道係数逆量子化回路305は
DとLを基に、声道予測係数量子化値aqを出力する。
【0056】処理選択信号Dの状態に応じて処理の内容
を変化させる当該声道係数逆量子化回路305の内部構
成を図4に示す。声道係数逆量子化回路305は符号化
器10中の声道係数量子化回路102と対称的な構成お
よび機能を持つ。
【0057】(A−1−2)声道係数逆量子化回路の内
部構成 図4において、声道係数逆量子化回路305は、インデ
ックス逆変換器401と、LSP逆量子化器402、4
03と、フレーム遅延回路404と、LSP・LPC変
換器405と、切替えスイッチ41と、加算器42とを
備えている。
【0058】このうちインデックス逆変換器401と切
替えスイッチ41が処理選択信号Dの供給を受ける部分
である。
【0059】インデックス逆変換回路401は、D=1
の時はLをL1,L2に分離し、D=0の時はLをその
ままL2として出力する。
【0060】D=1の場合、LSP逆量子化器402が
L1を基にwq1を出力するとともに、LSP逆量子化
器403がL2を基にwq2を出力し、切替えスイッチ
41はwq1側の接点41Bを選択する。
【0061】したがって、加算器42では、当該wq1
(wqt)とwq2が加算され、その加算結果wqがL
SP・LPC変換器405に供給される。
【0062】D=0の場合は、L1には有効な情報内容
が含まれておらずL2だけが有効なので、LSP逆量子
化器402の機能は無効で、LSP逆量子化器403が
L2を基にwq2を出力し、切替えスイッチ41はwp
側の接点41Aを選択する。
【0063】このとき切替えスイッチ41により、声道
係数逆量子化回路305内には、フレーム遅延回路40
4を介した帰還ループが形成され、加算器42の一方の
入力端子に供給されるwqtに供給される情報内容は1
フレーム前のフレームに関する情報wpとなる。
【0064】したがって、加算器42では、当該wp
(wqt)とwq2が加算され、その加算結果wqがL
SP・LPC変換器405に供給される。
【0065】フレーム遅延回路404は連続的に発生す
るwqを、1フレーム分遅延させるから、新たなwq2
が加算器42の他方の入力端子に供給されるたびに、順
次、直前のwqがwpとなされ、当該wpがwtとして
加算器42の一方の入力端子に供給されることになる。
【0066】最後に、LSP・LPC変換器405は、
wqを声道予測係数量子化値aqに変換して出力する。
【0067】図3上では、合成フィルタ306が当該声
道予測係数量子化値aqを受け取る。
【0068】また、前記適応コードブック301はIa
を基に適応コードeaを出力し、適応ゲインテーブル3
02はIbを基に適応コードゲインgaを出力し、固定
コードブック303はIsを基に固定コードesを出力
し、固定ゲインテーブル304はDとIgを基に固定コ
ードゲインgsを出力する。
【0069】そして乗算器31は適応コードeaと適応
ゲインgaを乗算し、その乗算結果を加算器32に出力
し、乗算器33は固定コードesと固定ゲインgsを乗
算し、その乗算結果を加算器32に出力する。
【0070】加算器32は、乗算器31の出力と乗算器
33の出力を加算することで励振信号eを生成して出力
する。この励振信号eは合成フィルタ306に供給され
て合成フィルタ306の内部状態の更新に用いられると
ともに、適応コードブック301に帰還されて適応コー
ドブック301の内部状態の更新にも用いられる。
【0071】合成フィルタ306は当該励振信号eと前
記声道予測係数量子化値aqに応じて合成音声信号Sq
を計算する。
【0072】適応コードブック301はIaを基に適応
コードeaを出力する。ただしD=0の場合はIa=I
ap−3+Iaの変換を行う。ここで、前フレームでの
適応コードインデックスであるIapは、適応コードブ
ック301内で保持されている。
【0073】また、適応ゲインテーブル302はIbを
基に適応コードゲインgaを出力し、固定コードブック
303はIsを基に固定コードesを出力し、固定ゲイ
ンテーブル304はIgとDを基に固定コードゲインg
sを出力する。
【0074】ただし固定ゲインテーブル304におい
て、D=0の場合はIg=Igp−3+Igの変換を行
う。ここでIgpは前フレームでの固定コードゲインイ
ンデックスであり、固定ゲインテープル304内で保持
されている。
【0075】適応コードeaと適応ゲインgaは乗算器
31で乗算され、その乗算結果は加算器32に供給され
る。
【0076】同様に、固定コードesと固定ゲインgs
は乗算器33で乗算され、その乗算結果は加算器32に
供給される。
【0077】加算器32は、乗算器31と33から供給
された2つの乗算結果を加算することによって、励振信
号eを生成し、この励振信号eを用いて合成フィルタ3
06の内部状態を更新する。加算器32の出力端子から
帰還されたこの励振信号eは、適応コードブック301
の内部状態を更新するために使用される。
【0078】以下、上記のような構成を有する第1の実
施形態の動作につき、主として処理選択信号Dの状態変
化との関連を説明する。
【0079】(A−2)第1の実施形態の動作 まず最初に、差分符号化制御回路110の動作について
説明する。
【0080】制御信号Cの値は伝送路TRの状態に対応
して変化するもので、図9に示すように、0、1,2,
3の4通りがある。ここでは伝送路TRの状態は劣悪で
伝送誤りの発生頻度が高いほどCの値が小さく、反対に
伝送路TRの状態が良好で伝送誤りの発生頻度が低いほ
どCの値が大きくなるものとする。
【0081】すなわち、C=0は伝送路TRの状態が最
も劣悪であり、伝送誤りの発生頻度が高いことを示し、
伝送誤りの発生頻度が低下するほどCの値は、C=1、
C=2と変化して行く。そしてC=3の場合が伝送路T
Rの状態が最も良好な状態で、伝送誤りがほとんど発生
しない状態に対応する。
【0082】差分符号化制御回路110は、このような
制御信号Cの値の変化に対応して、処理選択信号Dにお
ける時間軸方向のD=1とD=0の割合を変化させる。
上述したように、D=0はフレーム間差分符号化に対応
し、D=1は通常の符号化に対応するから、トータル符
号Qの伝送レートは、D=1の割合が増加するほど増加
し、D=1の割合が減少するほど減少する傾向がある。
【0083】図9において、制御信号Cの値が0のとき
は、毎フレームにつきD=1なので、すべてのフレーム
に通常の量子化、符号化が施されることになる。
【0084】このとき、前記切替えスイッチ23は接点
23Bを選択し、切替えスイッチ41は接点41Bを選
択する等、符号化器10および復号器30の該当部分が
上述したD=1の場合に対応した動作を行う。
【0085】次に、制御信号Cの値がC=1の場合に
は、処理選択信号Dの状態は2フレームに1回の割合で
D=1となる。
【0086】このとき、前記切替えスイッチ23は2フ
レームに1回の割合で接点23Bを選択し(換言するな
ら2フレームに1回の割合で接点23Aを選択し)、切
替えスイッチ41は2フレームに1回の割合で接点41
Bを選択する(換言するなら2フレームに1回の割合で
接点41Aを選択する)等、符号化器10および復号器
30の該当部分が上述したD=1の場合に対応した動作
とD=0に対応した動作を1対1の割合で交互に繰り返
す。
【0087】同様に、制御信号Cの値がC=2の場合に
は、処理選択信号Dの状態は4フレームに1回の割合で
D=1となるから、前記切替えスイッチ23は4フレー
ムに1回の割合で接点23Bを選択し(換言するなら4
フレームに3回の割合で接点23Aを選択し)、切替え
スイッチ41は4フレームに1回の割合で接点41Bを
選択する(換言するなら4フレームに3回の割合で接点
41Aを選択する)等、符号化器10および復号器30
の該当部分が上述したD=1の場合に対応した動作とD
=0に対応した動作を、1対3の割合で交互に繰り返
す。
【0088】最後に、制御信号Cの値がC=3の場合に
は、処理選択信号Dの状態は8フレームに1回の割合で
D=1となるから、前記切替えスイッチ23は8フレー
ムに1回の割合で接点23Bを選択し(換言するなら8
フレームに7回の割合で接点23Aを選択し)、切替え
スイッチ41は8フレームに1回の割合で接点41Bを
選択する(換言するなら8フレームに7回の割合で接点
41Aを選択する)等、符号化器10および復号器30
の該当部分が上述したD=1の場合に対応した動作とD
=0に対応した動作を、1対7の割合で交互に繰り返
す。
【0089】伝送路TRの状態が最良のケースに対応す
る制御信号C=3の際のD=1の割合は、具体的なフレ
ーム長や対応する必要がある最大の音声密度などに応じ
て変化し得る値で、聴覚特性、音声特性などを考慮した
一定の限界値として定まるものである。
【0090】トータル符号Qおよびトータル符号Qに多
重された各信号の具体的な伝送レートについては、図1
0に示す。
【0091】図10において、D=1のとき、インデッ
クスDは1ビット、Lは30ビット、Iaは8ビット、
Ibは3ビット、Isは9ビット、Igは7ビット、ト
ータル符号は58ビットとなり、D=0のときには、イ
ンデックスDは1ビット、Lは10ビット、Iaは3ビ
ット、Ibは3ビット、Isは9ビット、Igは7ビッ
ト、トータル符号は29ビットとなる。
【0092】結局、D、Ib、Isは、D=1のときと
D=0のときとで変化しないが、D=1のときに比べて
D=0のときには、Lが20ビット減少し、Iaが5ビ
ット減少し、Igが4ビット減少するので、トータル符
号Qに関しては、都合29ビット分が減少して、瞬間的
にはちょうど半分の伝送レートになる。
【0093】ただし実際には、8回に1回、4回に1回
などの割合で通常の量子化、符号化も行われるため、十
分に長い時間幅(連続する8フレーム分以上の時間幅)
についての平均の符号化レートは、図11に示すように
なる。
【0094】図11では、制御信号Cの値がC=0のと
きの平均の符号化レート(前記伝送レートに対応する)
をX(Xは正の実数)kbpsとすると、C=0のとき
には平均符号化レートはXkbpsであるが、C=1の
ときの平均符号化レートは0.75×X(=3X/4)
kbps、C=2のときの平均符号化レートは0.63
×X(≒5X/8)kbps、C=3のときの平均符号
化レートは0.56×X(≒9X/16)kbpsとな
る。
【0095】(A−3)第1の実施形態の効果 本実施形態によれば、予め伝送路状態を調査しておき、
伝送路の状態が良かった場合には制御信号Cの値を3に
近づけ、伝送路の状態が悪かった時には0に近づけるこ
とにより、伝送路状態が良い場合には、音声品質を保っ
たまま符号化レートを低くすることが可能となる。
【0096】また、実際には、1回の通信が継続されて
いる期間内でも、伝送路の状態の良否は時々刻々と変動
し得るので、それに対応して制御信号Cの値やD=1の
割合も動的に変化し、前記平均符号化レートも変化する
ことになり得るが、このように変化する複数の制御信号
Cの値に対応した十分に長い期間内(例えば数百フレー
ム分以上の期間内)についての実効的な符号化レート
も、本実施形態では従来に比べて低減される。
【0097】(B)第2の実施形態 本実施形態は、第1の実施形態と機能面で共通する点が
多いので、以下では、本実施形態が第1の実施形態と相
違する点についてのみ説明する。
【0098】実質的にこの相違点は、主として制御信号
Cに関連する部分に限られる。
【0099】第1の実施形態では特に限定していなかっ
たが、本実施形態では制御信号Cの生成過程や伝送路
(TR)と制御信号Cの関係についても明確化する。
【0100】(B−1)第2の実施形態の構成および動
作 本実施形態の符号化器50の構成を図5に示す。
【0101】図5において、第1の実施形態の符号化器
10と同一の符号を付した各構成要素101〜111、
11〜14、および各信号S、a、aq、Sq、Ev、
E、Q、D、Ia、Ib、Is、Ig、L、C、e、e
t、eai、esj、gak、gslの機能は、第1の
実施形態の各構成要素および各信号と同じである。
【0102】したがって、本実施形態の符号化器50
は、第1の実施形態の符号化器10に伝送路状態推定回
路500と誤り検出符号付加回路501を追加した構成
を備えている。
【0103】また、第1の実施形態では復号器30は、
符号化器10に対向する通信装置上に搭載される復号器
であってよいとしたので、符号化器10を搭載している
通信装置が復号器を搭載しているかどうか、あるいは搭
載しているとした場合でもその復号器の構成はどのよう
なものであるか、については特に限定していなかった。
したがって第1の実施形態の符号化器10を搭載した通
信装置は、送信専用の通信装置であってもかまわなかっ
たが、本実施形態では図13に示すように、符号化器5
0を搭載した通信装置70は後述する復号器60を搭載
しており、当該通信装置70に伝送路TR1を介して対
向する相手側通信装置71も復号器60、符号化器50
と同様な復号器60Aと符号化器50Aを搭載している
ことを前提とする。
【0104】したがって図5は、符号化器60Aの構成
をも示しているものとする。
【0105】なお、図13において、機能ブロック72
は符号化器50から出力されるトータル符号Qを変調し
て伝送路TR1に無線送信する変調器であり、機能ブロ
ック73は伝送路TR1から受信した信号を復調して復
号器60に供給する復調器である。同様に、通信装置7
1内の機能ブロック74は復調器であり、機能ブロック
75は変調器である。
【0106】ここで、変調器72、75や復調器73,
74については、本発明のポイントから外れるので言及
しない。なお、図13では、伝送路TR1は通信装置7
0,71の外部に図示されているが、符号化器50、5
0Aや復号器60、60Aから見ると、変調器72,7
5や復調器73,74も伝送路TR1の一部であるとと
らえることもできる。
【0107】一方、本実施形態の復号器60の構成は図
6に示す。
【0108】図6において、第1の実施形態の復号器3
0と同一の符号を付した各構成要素300〜306、3
1〜33、および各信号aq、Sq、Q、D、Ia、I
b、Is、Ig、L、e、ea、es、ga、gsの機
能は、第1の実施形態の各構成要素および各信号と同じ
である。
【0109】したがって、本実施形態の復号器60は、
第1の実施形態の復号器30に誤り検出回路600を追
加した構成を備えている。なお、図6は、前記復号器6
0Aの構成をも示している。
【0110】図13に示した通信システム80におい
て、符号化器50の誤り検出符号付加回路501によっ
て、トータル符号Qに誤り検出符号が付加されることで
誤り検出トータル符号Qeが生成され、このQeが伝送
路TR1に送出される。同様にして符号化器50A側で
生成される誤り検出トータル符号を、このQeと区別す
るためにQeAとする。
【0111】通信装置71から送信されたこの誤り検出
トータル符号QeAが伝送路TR1を介して通信装置7
0に受信されると、通信装置70中の復号器60では、
誤り検出トータル符号QeA中のトータル符号Qと誤り
検出符号を分離して、誤り検出符号をもとに誤り検出を
行い、誤り検出符号を除去したトータル符号Qを多重分
離回路300に供給する。
【0112】誤り検出の結果、所定レベル以上の誤りが
検出された場合には、誤り検出回路600はバッドフレ
ーム信号Bの状態をB=1とし、所定レベル以上の誤り
が検出されなかった場合にはB=0とする。当該所定レ
ベルとしては、例えばBER(ビットエラーレート)に
関するしきい値を設定するようにしてもよい。もちろ
ん、1フレーム中に1ビットでも誤りがあれば、B=1
とし、1ビットの誤りも無い場合にだけ、B=0として
もよい。
【0113】符号化器50の伝送路状態推定回路500
では、復号器60から供給される当該バッドフレーム信
号Bの状態を、例えば過去100フレームに渡って監視
しその監視結果をもとに、例えば8フレーム毎に、前記
制御信号Cの値を切り替える。
【0114】この監視結果と制御信号Cの値の切り替え
の関係を、図12に示す。図12の左欄内の数値は、過
去100フレームについてのB=1の割合を示す。この
数値は換言するなら、過去100フレーム分のBの値の
累積加算結果である。
【0115】図12において、過去100フレームのB
=1の割合が20以上の場合には制御信号Cの値はC=
0とし、B=1の割合が15以上20未満の場合にはC
=1とし、B=1の割合が10以上15未満の場合には
C=2とし、B=1の割合が10未満の場合にはC=3
とする。
【0116】通信装置71の復号器60Aや符号化器5
0Aでも、バッドフレーム信号Bと同様なバッドフレー
ム信号BAの生成と、当該バッドフレーム信号BAの値
に対応した制御信号Cの値の変更動作が行われる。
【0117】要するに本実施形態では、符号化器50か
ら復号器60Aに向かう第1方向の伝送レートは、符号
化器50Aが付加した誤り検出符号をもとに復号器60
が行う第2方向伝送路の誤り検出の結果に基づいて決定
され、反対に符号化器50Aから復号器60に向かう第
2方向の伝送レートは、符号化器50が付加した誤り検
出符号をもとに復号器60Aが行う第1方向伝送路に関
する誤り検出の結果に基づいて決定される。
【0118】(B)第2の実施形態の効果 本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効
果を得ることができる。
【0119】加えて、本実施形態では、双方向通信を前
提とするものの、伝送路の状態を動的に推定することに
より、第1の実施形態に比べて実使用環境に適したレー
ト制御が可能となる。
【0120】(C)第3の実施形態 本実施形態は、第2の実施形態と機能面で共通する点が
多いので、以下では、本実施形態が第2の実施形態と相
違する点についてのみ説明する。
【0121】また、本実施形態と第1の実施形態の関係
は、第2の実施形態と第1の実施形態の関係とほぼ同じ
である。
【0122】第2の実施形態との関係で本実施形態が相
違するのは、第2の実施形態においては、対向する通信
装置70と71のあいだの双方向通信に同じ伝送路TR
1を使用したのに対し、本実施形態では異なる伝送路を
使用する点にある。
【0123】具体的には、例えば、第2の実施形態が双
方向通信の第1方向と第2方向に同一の周波数チャネル
を使用して通信するケースに相当するものとすると、本
実施形態は、第1方向と第2方向で異なる周波数チャネ
ルを使用するケース等に相当する。使用している周波数
が異なれば干渉の影響も異なり、伝送誤りの程度も異な
るのが普通だからである。
【0124】第2の実施形態では、第1方向の伝送路状
態と第2方向の伝送路状態が同じまたはほぼ同じ場合に
は有効であるが、これらが大きく相違する場合には、通
信品質を維持しながら伝送レートを低減することが困難
な場合もある。
【0125】これに対して本実施形態は、第1方向の伝
送路状態と第2方向の伝送路状態が大きく異なる場合で
も通信品質を維持しながら伝送レートを低減することが
可能で、有効性を失わない点に特徴がある。
【0126】(C−1)第3の実施形態の構成および動
作 本実施形態の通信システム81の構成を図14に示す。
図14は図13と同じ形式の図である。
【0127】図14において、通信装置70は符号化器
90と、復号器100と、変調器72と、復調器73と
を備えており、通信装置71は符号化器90Aと、復号
器100Aと、変調器75と、復調器74とを備えてい
る。
【0128】ただし、これらの対向する通信装置70と
71は、状態が異なり得る2つの伝送路TR2とTR3
で接続されている。ここで、例えばTR3を第1方向伝
送路とすると、TR2が第2方向伝送路になる。
【0129】本実施形態の符号化器90の構成を図7に
示す。符号化90Aの構成もこの符号化器90と同じで
ある。
【0130】図7において、第2の実施形態の符号化器
50と同一の符号を付した各構成要素101〜110、
11〜14、500,501、および各信号S、a、a
q、Sq、Ev、E、Q、D、Ia、Ib、Is、I
g、L、C、e、et、eai、esj、gak、gs
lの機能は、第2の実施形態の各構成要素および各信号
と同じである。
【0131】ただし第2の実施形態の多重化回路111
は信号D、Ia、Ib、L、Is、Igを多重してトー
タル符号Qを生成したが、本実施形態の符号化器90内
の多重化回路111Cは、信号D、Ia、Ib、L、I
s、Igに加えて折り返しバッドフレーム信号B2をも
多重して、トータル符号QCを生成する。
【0132】復号器100から符号化器90に供給され
るこの折り返しバッドフレーム信号B2は、信号自体の
機能や構造は第2の実施形態のバッドフレーム信号Bと
同じであるが、符号化器90で利用するのではなく符号
化器90A(図14参照)で伝送レート制御のために利
用されるものである。
【0133】すなわち折り返しバッドフレーム信号B2
は、符号化器90Aによってトータル符号QCAに付加
された誤り検出符号を、伝送路TR2の通過後、復号器
100内の誤り検出回路600(図8参照)が調べた結
果をもとに生成された信号である。
【0134】また、符号化器90内の伝送路状態推定回
路500が復号器100から受け取る折り返しバッドフ
レーム信号B1は、復号器100ではなく復号器100
A内の誤り検出回路600によって生成されたものであ
る。
【0135】したがって本実施形態では、復号器100
の誤り検出処理は、自通信装置70内の符号化器90で
はなく他通信装置71内の符号化器90Aの伝送レート
制御のために行われ、復号器100Aの誤り検出処理も
符号化器90Aではなく符号化器90の伝送レート制御
のために行われる。
【0136】なお、上述した復号器100の構成は、図
8に示す。前記復号器100Aの構成も復号器100と
同じである。
【0137】図8において、第2の実施形態の復号器6
0と同一の符号を付した各構成要素300〜306、3
1〜33、および各信号aq、Sq、D、Q、Ia、I
b、Is、Ig、L、e、ea、es、ga、gsの機
能は、第1の実施形態の各構成要素および各信号と同じ
である。
【0138】(C−2)第3の実施形態の効果 本実施形態によれば、第2の実施形態の効果と同等な効
果を得ることができる。
【0139】したがって本実施形態では、第2の実施形
態が想定している第1方向伝送路と第2方向伝送路の状
態が同じ場合にももちろん、伝送路の状態を適切に推定
することができるが、それに加えて、第1方向伝送路と
第2方向伝送路の伝送路状態が異なる場合にも伝送路状
態の推定を適切に行うことができるから、信頼性が高
く、いっそう多様な通信環境に対応することが可能であ
る。
【0140】すなわち本実施形態は、対向する2つの通
信装置のうちの一方から見て、受信用伝送路の状態と送
信用伝送路の状態が異なる場合にも、送信用伝送路の状
態に関して高い精度の推定を行うことができ、効果的で
ある。
【0141】(D)他の実施形態 なお、第1〜第3の実施形態の説明では、説明の簡明の
ために多くの具体的な数値を示したが、これらの数値は
例示的なものであり、本発明は上述した数値以外につい
ても広く適用することができる。
【0142】また、第1の実施形態の符号化器を、より
一般化すると、音声符号化器において、声道係数分析回
路と、声道係数量子化回路と、励振波形量子化回路と、
励振ゲイン量子化回路と、合成フィルタと、誤差計算回
路と、インデックス検索回路と、量子化制御回路とを有
し、各量子化器のうち少なくとも1つは通常の量子化手
段の他に前フレームとの差分を量子化する手段を持ち量
子化制御回路からの制御信号により2つの量子化手段を
切り替えて動作させ、量子化制御回路は予め与えられた
信号に基づいた割合で差分量子化手段を動作させるよう
な制御信号を生成し、複数ある声道係数と励振波形と励
振ゲインの組み合せから、合成フィルタを用いて対応す
る複数の合成音声信号を生成し、入力音声信号との差分
信号を各々計算し、誤差計算回路により複数の差分信号
から各々の誤差パワーを計算し、インデックス検索回路
により複数の誤差パワーのうちで最も誤差パワーが小さ
くなるような声道係数と励振波形と励振ゲインの組み合
わせを検索し、その時の声道係数と励振波形と励振ゲイ
ンの各量子化インデックスと量子化制御信号をトータル
符号として出力することを特徴とする、と表現すること
ができる。
【0143】一方、復号器のほうは、音声復号器におい
て、声道係数逆量子化回路と、励振波形逆量子化回路
と、励振ゲイン逆量子化回路と、合成フィルタとを有
し、各逆量子化器のうち少なくとも1つは通常の逆量子
化手段の他に前フレームとの差分を逆量子化する手段を
持ち、前記音声符号器からの制御信号により2つの量子
化手段を切り替えて動作させ、前記音声符号器からのイ
ンデックスに基づいた声道係数と励振波形と励振ゲイン
の組み合せから合成フィルタを用いて合成音声信号を生
成することを特徴とする、と表現することができる。
【0144】さらに、第1〜第3の実施形態におけるC
ELPはフォワード型であったが、本発明はバックワー
ド型のCELPにも適用可能である。
【0145】なお、第1〜第3の実施形態ではハードウ
エア的に本発明を実現したが、本発明は、ソフトウエア
的に実現することも可能である。
【0146】
【発明の効果】以上に説明したように、第1、第2の発
明によれば、通信品質を劣化させることなく伝送レート
を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る符号化器の概略構成を示
すブロック図である。
【図2】第1〜第3の実施形態で用いる声道係数量子化
回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の復号器の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図4】第1〜第3の実施形態で用いる声道係数逆量子
化回路の概略構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態に係る符号化器の概略構成を示
すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る復号器の概略構成を示す
ブロック図である。
【図7】第3の実施形態に係る符号化器の概略構成を示
すブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る復号器の概略構成を示す
ブロック図である。
【図9】第1〜第3の実施形態の動作説明図である。
【図10】第1〜第3の実施形態の動作説明図である。
【図11】第1〜第3の実施形態の動作説明図である。
【図12】第1〜第3の実施形態の動作説明図である。
【図13】第2の実施形態の通信システムの構成を示す
概略図である。
【図14】第3の実施形態の通信システムの構成を示す
概略図である。
【符号の説明】
10,50,50A、90、90A…符号化器、23、
41…切替えスイッチ、30,60、60A、100、
100A…復号器、102…声道係数量子化回路、、3
05…声道係数逆量子化回路、B、B1、B2…バッド
フレーム信号、C…制御信号、D…処理選択信号、T
R、TR1〜TR3…伝送路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音声信号に対し、1又は複数種類の
    量子化処理手段を用いてフレーム単位で量子化処理を施
    し符号化することによって得られた送信用符号を、伝送
    路に送出する音声符号化装置において、 前記伝送路が前記送信符号に与える伝送誤りの程度に対
    応した量子化制御信号に応じて、選択信号の状態を変化
    させる選択信号生成手段と、 当該選択信号を前記送信用符号と共に前記伝送路に送出
    する送信処理手段とを備え、 前記1又は複数種類の量子化処理手段の内、少なくとも
    1種類の量子化処理手段は、 連続するフレームにつき、フレーム毎の情報内容につい
    て量子化処理を行う情報内容量子化部と、 連続するフレームに対し、前フレームの情報内容との差
    分を量子化処理する差分量子化部と、 前記情報内容量子化部による量子化処理と当該差分量子
    化部による量子化処理とを、前記選択信号に応じた割合
    で選択する量子化選択手段とを具備することを特徴とす
    る音声符号化装置。
  2. 【請求項2】 送受信を行う同一通信装置上に、対応す
    る復号装置と共に搭載された請求項1の音声符号化装置
    において、 当該復号装置の出力をもとに前記伝送路の状態を推定す
    ることで、前記量子化制御信号を得る伝送路状態推定手
    段を備えることを特徴とする音声符号化装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の音声符号化装置において、 前記送信用符号に誤り検出用符号を付加した上で前記伝
    送路に送出させる誤り検出用符号付加手段を備えること
    を特徴とする音声符号化装置。
  4. 【請求項4】 請求項2の音声符号化装置において、 前記通信装置の通信相手である相手側通信装置が搭載し
    ている音声符号化装置が、その送信用符号に付加して送
    信した誤り検出用符号を、折り返し送信する折り返し送
    信手段を備えたことを特徴とする音声符号化装置。
  5. 【請求項5】 伝送路から受信した入力符号に対し、1
    又は複数種類の逆量子化処理手段を用いてフレーム単位
    で逆量子化処理を施し復号することによって、所定の量
    子化値を得る音声復号装置において、 伝送誤りの程度に応じて送信側で生成された選択信号
    を、前記入力符号と共に前記伝送路から受信する受信処
    理手段を備え、 前記1又は複数種類の逆量子化処理手段の内、少なくと
    も1種類の逆量子化処理手段は、 連続するフレームにつき、フレーム毎の情報内容につい
    て逆量子化処理を行う情報内容逆量子化部と、 連続するフレームに対し、前フレームの情報内容との差
    分を逆量子化処理する差分逆量子化部と、 前記選択信号に応じた割合で、前記情報内容逆量子化部
    による逆量子化処理と当該差分逆量子化部による逆量子
    化処理とを選択する逆量子化選択手段とを具備すること
    を特徴とする音声復号装置。
  6. 【請求項6】 送受信を行う同一通信装置上に、対応す
    る符号化装置と共に搭載された請求項5の音声復号装置
    において、 前記入力符号をもとに、当該入力符号に前記伝送路が与
    えた伝送誤りの程度につきフレーム単位で良否判定を行
    って、フレーム良否判定信号を出力するフレーム良否判
    定手段を備え、 当該フレーム良否判定信号は、前記符号化装置が、通信
    相手である相手側通信装置に送信することを特徴とする
    音声復号装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の音声復号装置において、 前記フレーム良否判定手段による良否判定は、前記相手
    側通信装置が前記入力符号に混入させた誤り検出用符号
    を用いて行うことを特徴とする音声復号装置。
  8. 【請求項8】 請求項6の音声復号装置において、 前記フレーム良否判定手段による良否判定は、前記通信
    装置の符号化装置から送信された後、前記相手側通信装
    置の復号装置で受信され、当該相手側通信装置の符号化
    装置から折り返し送信された誤り検出用符号を用いて行
    うことを特徴とする音声復号装置。
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