JP2001249078A - 微量物質濃度計測方法及び計測装置 - Google Patents

微量物質濃度計測方法及び計測装置

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JP2001249078A
JP2001249078A JP2000060020A JP2000060020A JP2001249078A JP 2001249078 A JP2001249078 A JP 2001249078A JP 2000060020 A JP2000060020 A JP 2000060020A JP 2000060020 A JP2000060020 A JP 2000060020A JP 2001249078 A JP2001249078 A JP 2001249078A
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Yutaka Uchida
田 裕 内
Mina Sakano
野 美 菜 坂
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多成分が混在する試料中において微量濃度で
含まれている物質の濃度をより正確に測定する測定方法
及び測定装置を提供すること。 【解決手段】 まず、被測定分子を含む試料を減圧され
た真空チャンバ12内に間欠的に噴射して分子ビームジ
ェット13jを形成して、試料の振動回転−温度を数1
0K程度以下に冷却して被測定分子の吸収スペクトル波
長幅を共存する分子の吸収波長と充分に分離可能になる
ようにする。次に、前記被測定分子の吸収スペクトル波
長幅に合致した波長を持つ励起光を導入用光ファイバ1
5を介して前記分子ビームジェット13j中に向けて照
射する。そして、前記励起光によって誘起された前記分
子ビームジェット13jの蛍光の強度を計測して、分子
ビームジェット13j中に存在する被測定分子の濃度を
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量物質の濃度を
計測する計測方法及び計測装置に係り、とりわけ、多成
分が混在する試料中の微量物質の濃度をより精度良く計
測することができる計測方法及び計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の微量物質濃度測定方法としては、
以下のような方法が知られている。
【0003】ガスクロマトグラフまたはガスクロマト
グラフ/質量分析法による方法。
【0004】電解液中に試料ガスを通して、電気化学
的手法を用いる方法。
【0005】紫外、可視、赤外のいずれかの光の吸収
を利用する方法。
【0006】励起光を照射して生ずる蛍光を利用して
測定する方法。
【0007】励起光を照射して生じるイオンを利用し
て測定する方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の方法に
は、以下のような問題がある。
【0009】まず、に挙げたガスクロマトグラフを用
いる測定方法の場合、試料の調製に手間がかかり、計測
時間がかかる他、検出感度も良くない。
【0010】に挙げた電気化学的手法を用いる測定方
法は、試料の成分が単純で且つ対象となる成分濃度が比
較的高い場合にのみ適応可能である。
【0011】に挙げた各吸光法は、検出感度があまり
高くない他、多成分を有する試料の場合、それぞれのス
ペクトル線が近接することがあり、その場合各成分濃度
を分離して測定することが困難である。
【0012】のいわゆる蛍光法においても、多成分を
有する試料の場合、それぞれの蛍光スペクトル線が近接
した場合、各成分濃度を分離して測定することが困難で
ある。
【0013】のイオンを利用する測定方法において
も、多成分を有する試料の場合、それぞれの励起吸収ス
ペクトル線が近接した場合、各成分濃度を分離して測定
することが困難である。
【0014】各種のスペクトル線を分離して解析するた
めに、分解能を向上させた分光器を利用することが検討
されているが、分光器を用いる場合、光計測系までの信
号光減衰が大きくなって、結果として十分な検出感度が
得られない場合が多い。
【0015】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、多成分が混在する試料中において微量濃
度で含まれている物質の濃度をより正確に測定する測定
方法及び測定装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、被測定分子を
含む試料を減圧された真空チャンバ内に間欠的に噴射し
て分子ビームジェットを形成して、試料の振動回転−温
度を数10K程度以下に冷却して被測定分子の吸収スペ
クトル波長幅を共存する分子の吸収波長と充分に分離可
能になるようにする噴射工程と、前記被測定分子の吸収
スペクトル波長幅に合致した波長を持つ励起光を導入用
光ファイバを介して前記分子ビームジェット中に向けて
照射する照射工程と、前記励起光によって誘起された前
記分子ビームジェットの蛍光の強度を計測して、分子ビ
ームジェット中に存在する被測定分子の濃度を判定する
判定工程と、を備えたことを特徴とする微量物質濃度計
測方法である。
【0017】また、本発明は、減圧可能な真空チャンバ
と、被測定分子を含む試料を真空チャンバ内に間欠的に
噴射して分子ビームジェットを形成するパルスバルブ
と、被測定分子の吸収スペクトル波長幅に合致した波長
を持つ励起光を分子ビームジェットに向けて案内する導
入用光ファイバと、前記励起光によって誘起された前記
分子ビームジェットの蛍光を受光する受光装置と、受光
装置によって受光された蛍光の強度に基づいて、分子ビ
ームジェット中に存在する被測定分子の濃度を判定する
解析装置と、を備えたことを特徴とする微量物質濃度計
測装置である。
【0018】本発明によれば、導入用光ファイバによっ
て励起光が分子ビームジェットと相互作用すべき領域に
正確に案内されて、当該領域において蛍光が発生するた
め、励起光入射窓による表面反射等が無く妨害成分とな
り得る散乱光成分の発生が抑えられて、蛍光強度が微弱
な場合であっても正確な濃度測定が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0020】図1は、本発明による微量物質濃度計測装
置の第1の実施の形態の概略ブロック図である。
【0021】図1に示すように、本発明の第1の実施の
形態の微量物質濃度計測装置10は、真空ポンプ11に
より減圧される真空チャンバ12を備えている。真空チ
ャンバ12内には、被測定分子を含む試料を真空チャン
バ12内に間欠的に噴射して分子ビームジェット13j
を形成するパルスバルブ13が設けられている。
【0022】真空チャンバ12の外部には、被測定分子
の吸収スペクトル波長幅に合致した波長を持つ励起光を
出射するレーザ光源14が配置されている。レーザ光源
14には、真空チャンバ12内部へ延びる導入用光ファ
イバ15が接続されている。導入用光ファイバ15は、
励起光を分子ビームジェット13jに向けて出射するよ
うに配置されている。
【0023】真空チャンバ12には、励起光によって誘
起される分子ビームジェット13jの蛍光を透過可能な
蛍光透過窓12wが形成されている。蛍光透過窓12w
の近傍には、蛍光ディテクタ22が配置されている。こ
の場合、蛍光透過窓12wと蛍光ディテクタ22との間
に集光用光学素子21が設けられており、蛍光透過窓1
2wを透過した蛍光が効率良く蛍光ディテクタ22に送
られるようになっていいる。
【0024】蛍光ディテクタ22は、分子ビームジェッ
ト13jの蛍光を受光する受光装置として機能するよう
になっており、信号処理装置23に接続されている。信
号処理装置23は、解析装置として機能し、すなわち、
蛍光ディテクタ22によって受光された蛍光の強度に基
づいて、分子ビームジェット13j中に存在する被測定
分子の濃度を判定するようになっている。
【0025】本実施の形態の場合、真空チャンバ12
は、1mmPa以下に減圧されるようになっている。ま
た、パルスバルブ13は、被測定分子を含む試料を、1
4Pa以上の減圧条件から106Pa以上に加圧して、
1ミリ秒よりも短い時間幅で間欠的に噴射するようにな
っている。
【0026】次に、このような構成よりなる本実施の形
態の作用について図2を用いて説明する。
【0027】真空チャンバ12が、真空ポンプ11によ
って真空引きされ、1mmPa以下に減圧される(ST
EP1)。
【0028】真空チャンバ12内の圧力が安定したら、
パルスバルブ13によって、被測定分子を含む試料を真
空チャンバ12内に間欠的に噴射して分子ビームジェッ
ト13jを形成する(STEP2)。この場合、パルス
バルブ13は、被測定分子を含む試料を、104Pa以
上の減圧条件から106Pa以上に加圧して、1ミリ秒
よりも短い時間幅で噴射する。これにより、試料の振動
回転−温度が数10K程度以下に冷却され、被測定分子
の吸収スペクトル波長幅と共存する分子の吸収波長とが
充分に分離される。
【0029】この現象について、より詳細に説明する。
【0030】物質の吸収波長は物質固有であるが、試料
が高温の場合には、電子基底準位における回転励起状態
への分布が無視出来ず、その結果吸収波長は、あるスペ
クトル範囲内に広がった波長幅となる。
【0031】このような高い温度のガス状の試料を、大
きな圧力差を設けると共に小さな穴などを通して噴出さ
せた場合、断熱膨張して各成分の存在比が保存されたま
ま回転−振動温度が冷却される。十分に低い(数10K
程度)回転−振動温度のガスの場合、吸収波長幅は0.
0001nm(0.01cm-1)以下の極めて狭いもの
となる。
【0032】吸収波長幅がこのように狭くなることによ
って、被測定分子の吸収スペクトル波長幅と共存する分
子の吸収波長とが充分に分離されるのである。
【0033】一方、レーザ光源14が作動して被測定分
子の吸収スペクトル波長幅に合致した波長、すなわち、
被測定分子の電子励起準位への共鳴波長に合致した波長
を持つ励起光が生成され、導入用光ファイバ15を介し
て分子ビームジェット13j中に向けて照射される(S
TEP3)。
【0034】励起光の照射により、励起光と分子ビーム
ジェット13jとの相互作用領域において、分子ビーム
ジェット13j中(試料中)に含まれる成分のうちで入
射励起光の波長を吸収して蛍光を発する成分の全てか
ら、蛍光が発せられる(STEP4)。発生する蛍光
は、前記相互作用領域を中心に等方向に発光される。
【0035】発生した蛍光は、蛍光透過窓12w及び集
光用光学素子21を介して、蛍光ディテクタ22に至る
(STEP5)。
【0036】信号処理装置23が、蛍光ディテクタ22
に受光された蛍光の強度を計測して、分子ビームジェッ
ト13j中に存在する被測定分子の濃度を判定する(S
TEP6)。通常この蛍光の強度は微弱であるが、本実
施の形態の場合、真空チャンバ12に励起光入射窓が存
在しないため、励起光入射窓の表面反射等による散乱光
の発生が無く、微量成分に対しても正確な濃度測定が行
える。
【0037】以上のように、本実施の形態によれば、導
入用光ファイバ15によって励起光が分子ビームジェッ
ト13jと相互作用すべき領域に正確に案内されて、当
該領域において蛍光が発生するため、励起光入射窓によ
る表面反射等が無く妨害成分となり得る散乱光成分の発
生が抑えられ、蛍光強度が微弱な場合であっても正確な
濃度測定が可能である。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図3を用いて説明する。図3
は、第2の実施の形態の微量物質濃度計測装置の真空チ
ャンバ内の概略斜視図である。
【0039】図3に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導入用光ファイバ15の出射部
15aに、集光用光学素子31が配置されている。この
場合、集光用光学素子31は、シリンドリカルレンズで
あり、出射部15aの側に曲面部が向くように配置され
ている。
【0040】その他の構成は、図1に示す第1の実施の
形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第
2の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態
と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0041】本実施の形態によれば、導入用光ファイバ
15の出射部15aを出た励起光が集光用光学素子31
によって集光された(光路が成形された)後に分子ビー
ムジェット13jに照射されるため、励起光と分子ビー
ムジェット13jとの相互作用領域32を、蛍光の受光
に適した形状に調整することができる。
【0042】なお、集光用光学素子31としては、シリ
ンドリカルレンズ以外の各種の光学素子も利用され得
る。
【0043】次に、本発明の第3の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図4を用いて説明する。図4
は、第3の実施の形態の微量物質濃度計測装置の真空チ
ャンバ内の概略斜視図である。
【0044】図4に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導入用光ファイバ15が複数
(5本)並列に配置されている他は、図1に示す第1の
実施の形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成であ
る。第3の実施の形態において、図1に示す第1の実施
の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明
は省略する。
【0045】本実施の形態によれば、複数の導入用光フ
ァイバ15によって励起光が案内されるため、励起光を
より効果的に分子ビームジェット13jに照射すること
ができる。
【0046】次に、本発明の第4の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図5を用いて説明する。図5
は、第4の実施の形態の微量物質濃度計測装置の要部の
概略斜視図である。
【0047】図5に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、分子ビームジェット13jから
の蛍光を直接的に蛍光ディテクタ22に案内するための
導出用光ファイバ25が、真空チャンバ12の内部から
蛍光ディテクタ22まで配置されている他は、図1に示
す第1の実施の形態の微量物質濃度計測装置と略同様の
構成である。第4の実施の形態において、図1に示す第
1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0048】本実施の形態によれば、分子ビームジェッ
ト13jからの蛍光が、直接的に蛍光ディテクタ22に
案内されるため、蛍光発光量が微弱な場合であっても、
より正確に濃度測定を行うことができる。
【0049】次に、本発明の第5の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図6を用いて説明する。図6
は、第5の実施の形態の微量物質濃度計測装置の要部の
構成斜視図である。
【0050】図6に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導出用光ファイバ25が複数
(3本)並列に配置されている他は、図5に示す第4の
実施の形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成であ
る。第5の実施の形態において、図5に示す第4の実施
の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明
は省略する。
【0051】本実施の形態によれば、複数の導出用光フ
ァイバ25によって蛍光をより効果的に蛍光ディテクタ
22に案内することができるため、蛍光発光量が微弱な
場合であっても、より正確に濃度測定を行うことができ
る。
【0052】次に、本発明の第6の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図7を用いて説明する。図7
は、第6の実施の形態の微量物質濃度計測装置の要部の
概略斜視図である。
【0053】図7に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導入用光ファイバ15の出射部
15aが2軸方向に可動な位置決め装置41に支持され
て、出射部15aの位置が真空チャンバ12内で調整可
能となっている他は、図5に示す第4の実施の形態の微
量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第6の実施
の形態において、図5に示す第4の実施の形態と同一の
部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】本実施の形態によれば、導入用光ファイバ
15の出射部15aの位置を適宜に調整することによ
り、より好適な励起光照射条件で濃度測定を実施するこ
とができる。
【0055】次に、本発明の第7の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図8を用いて説明する。図8
は、第7の実施の形態の微量物質濃度計測装置の要部の
概略斜視図である。
【0056】図8に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導出用光ファイバ25の入射部
25aが2軸方向に可動な位置決め装置42に支持され
て、入射部25aの位置が真空チャンバ12内で調整可
能となっている他は、図5に示す第4の実施の形態の微
量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第7の実施
の形態において、図5に示す第4の実施の形態と同一の
部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0057】本実施の形態によれば、導出用光ファイバ
25の入射部25aの位置を適宜に調整することによ
り、より好適な蛍光の案内条件で濃度測定を実施するこ
とができる。
【0058】次に、本発明の第8の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図9を用いて説明する。図9
は、第8の実施の形態の微量物質濃度計測装置の要部の
概略斜視図である。
【0059】図9に示すように、本実施の形態の微量物
質濃度計測装置10は、導出用光ファイバ25の蛍光デ
ィテクタ22側の端面25bに、分子ビームジェットの
蛍光をフィルタリングするフィルタ26が配置されてい
る。フィルタ26は、図10に示すように、検出対象と
すべき蛍光の波長帯域のみを透過する光学フィルタによ
って構成されている。
【0060】その他の構成は、図5に示す第4の実施の
形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第
8の実施の形態において、図5に示す第4の実施の形態
と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0061】本実施の形態によれば、検出対象としない
波長帯域がフィルタ26によって除去されるため、計測
の雑音となり得る散乱光の影響が効果的に遮断され、蛍
光発光量が微弱な場合であっても、より正確に濃度測定
を行うことができる。
【0062】次に、本発明の第9の実施の形態の微量物
質濃度計測装置について、図11を用いて説明する。図
11は、第9の実施の形態の導出用光ファイバ25の蛍
光ディテクタ22側部分の概略図である。
【0063】図11に示すように、本実施の形態の微量
物質濃度計測装置10は、フィルタ26が配置される代
わりに、導出光ファイバ25の出射側端面25bに直接
的に誘電体多層膜27が蒸着形成されている。誘電体多
層膜27は、フィルタ26と同様に、検出対象とすべき
蛍光の波長帯域のみを透過する性質を有している。
【0064】その他の構成は、図9に示す第8の実施の
形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第
9の実施の形態において、図9に示す第8の実施の形態
と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0065】本実施の形態によれば、検出対象としない
波長帯域が誘電体多層膜27によって除去されるため、
計測の雑音となり得る散乱光の影響が効果的に遮断さ
れ、蛍光発光量が微弱な場合であっても、より正確に濃
度測定を行うことができる。
【0066】次に、本発明の第10の実施の形態の微量
物質濃度計測装置について、図12を用いて説明する。
図12は、第10の実施の形態の微量物質濃度計測装置
の要部の概略斜視図である。
【0067】図12に示すように、本実施の形態の微量
物質濃度計測装置10は、4本の導出用光ファイバ25
が並列に配置され、蛍光ディテクタ22及び信号処理装
置23が各2個ずつの導出用光ファイバ25に対応して
2組設けられている。この場合、一方の組の蛍光ディテ
クタ22は、高感度タイプであり、他方の組の蛍光ディ
テクタ22は、高速応答タイプである。
【0068】その他の構成は、図6に示す第5の実施の
形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第
10の実施の形態において、図6に示す第5の実施の形
態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0069】本実施の形態によれば、2つの蛍光強度測
定系が構築されているため、高感度タイプの蛍光ディテ
クタ22によって蛍光強度を正確に求めることができ、
さらに高速応答タイプの蛍光ディテクタ22によって、
蛍光の減衰特性を同時に求めることができる。
【0070】試料中に含まれる狭雑物質からの蛍光スペ
クトルが被測定対象物質と似ている場合でも、図13に
示すように、蛍光の減衰特定は一般に異なる。従って、
本実施の形態によって蛍光スペクトルと減衰特性とを組
み合わせて測定することにより、狭雑物質の多い試料に
対しても高い選択性をもって計測を行うことができる。
【0071】なお、2つの蛍光強度測定系の態様は、種
々の組合わせが採用され得る。
【0072】次に、本発明の第11の実施の形態の微量
物質濃度計測装置について、図14を用いて説明する。
図13は、第11の実施の形態の微量物質濃度計測装置
の要部の概略斜視図である。
【0073】図14に示すように、本実施の形態の微量
物質濃度計測装置10は、並列に配置された3個の導出
用光ファイバ25の蛍光ディテクタ22側の各端面25
bに、分子ビームジェットの蛍光をフィルタリングする
フィルタ26a〜26cがそれぞれ配置されると共に、
各導出用光ファイバ31に対応して蛍光ディテクタ22
及び信号処理装置23が配置されている。
【0074】各フィルタ26a〜26cは、図15に示
すように、それぞれ異なる蛍光の波長帯域のみを透過す
る光学フィルタによって構成されている。
【0075】その他の構成は、図6に示す第5の実施の
形態の微量物質濃度計測装置と略同様の構成である。第
11の実施の形態において、図6に示す第5の実施の形
態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0076】本実施の形態によれば、検出対象としない
波長帯域が各フィルタ26a〜26cによって遮断され
るため、マルチチャンネル分光装置等を用いることな
く、同時に複数の波長成分を計測することができる。ま
た、波長成分の違いによるデータを組み合わせることに
より、高い識別能力を持った計測が可能となる。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、導入用
光ファイバによって励起光が分子ビームジェットと相互
作用すべき領域に正確に案内されて、当該領域において
蛍光が発生するため、励起光入射窓による表面反射等が
無く妨害成分となり得る散乱光成分の発生が抑えられ
て、蛍光強度が微弱な場合であっても正確な濃度測定が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微量物質濃度計測装置の第1の実
施の形態を示す概略ブロック図。
【図2】図1の微量物質濃度計測装置の作用を示すフロ
ー図。
【図3】本発明による微量物質濃度計測装置の第2の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図4】本発明による微量物質濃度計測装置の第3の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図5】本発明による微量物質濃度計測装置の第4の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図6】本発明による微量物質濃度計測装置の第5の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図7】本発明による微量物質濃度計測装置の第6の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図8】本発明による微量物質濃度計測装置の第7の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図9】本発明による微量物質濃度計測装置の第8の実
施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図10】フィルタのフィルタリング特性の例を示す概
略図。
【図11】本発明による微量物質濃度計測装置の第9の
実施の形態の導出用光ファイバの蛍光ディテクタ側部分
を示す概略図。
【図12】本発明による微量物質濃度計測装置の第10
の実施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図13】蛍光の減衰特性の例を示す概略図。
【図14】本発明による微量物質濃度計測装置の第11
の実施の形態の要部を示す概略斜視図。
【図15】フィルタの分光特性の例を示す概略図。
【符号の説明】 10 微量物質濃度計測装置 11 真空ポンプ 12 真空チャンバ 12w 蛍光透過窓 13 パルスバルブ 13j 分子ビームジェット 14 レーザ光源 15 導入用光ファイバ 15a 出射部 21 集光用光学素子 22 蛍光ディテクタ 23 信号処理装置 25 導出用光ファイバ 25a 入射部 26、26a〜26c フィルタ 27 誘電体多層膜 31 集光用光学素子 32 相互作用領域 41 位置決め装置 42 位置決め装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 CA01 DA05 DA08 EA01 GA07 GB08 GB09 GB21 HA01 HA05 JA02 JA03 KA09 LA01 LA03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定分子を含む試料を減圧された真空チ
    ャンバ内に間欠的に噴射して分子ビームジェットを形成
    して、試料の振動回転−温度を数10K程度以下に冷却
    して被測定分子の吸収スペクトル波長幅を共存する分子
    の吸収波長と充分に分離可能になるようにする噴射工程
    と、 前記被測定分子の吸収スペクトル波長幅に合致した波長
    を持つ励起光を導入用光ファイバを介して前記分子ビー
    ムジェット中に向けて照射する照射工程と、 前記励起光によって誘起された前記分子ビームジェット
    の蛍光の強度を計測して、分子ビームジェット中に存在
    する被測定分子の濃度を判定する判定工程と、を備えた
    ことを特徴とする微量物質濃度計測方法。
  2. 【請求項2】前記噴射工程において、被測定分子を含む
    試料は、104Pa以上の減圧条件から106Pa以上に
    加圧され、1mmPa以下に減圧された真空チャンバー
    内に、1ミリ秒よりも短い時間幅で間欠的に噴射される
    ことを特徴とする請求項1に記載の微量物質濃度計測方
    法。
  3. 【請求項3】前記照射工程において、励起光は、導入用
    光ファイバ及び集光用光学素子を介して前記分子ビーム
    ジェット中に向けて照射されることを特徴とする請求項
    1または2に記載の微量物質濃度計測方法。
  4. 【請求項4】前記照射工程において、励起光は、並列に
    配置された複数の導入用光ファイバを介して前記分子ビ
    ームジェット中に向けて照射されることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の微量物質濃度計測方
    法。
  5. 【請求項5】前記判定工程において、前記分子ビームジ
    ェットの蛍光は、導出用光ファイバを介して真空チャン
    バ外へ導かれた後に強度が計測されることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の微量物質濃度計測方
    法。
  6. 【請求項6】導入用光ファイバの出射部は、真空チャン
    バ内で可動であり、 前記微量物質濃度計測方法は、導入用光ファイバの出射
    部の位置を調整する工程を更に有していることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の微量物質濃度計
    測方法。
  7. 【請求項7】導出用光ファイバの入射部は、真空チャン
    バ内で可動であり、 前記微量物質濃度計測方法は、導出用光ファイバの入射
    部の位置を調整する工程を更に有していることを特徴と
    する請求項5に記載の微量物質濃度計測方法。
  8. 【請求項8】前記判定工程は、分子ビームジェットの蛍
    光を所定の条件でフィルタリングする工程と、 フィルタリング後の分子ビームジェットの蛍光の強度を
    計測する工程と、を含んでいることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれかに記載の微量物質濃度計測方法。
  9. 【請求項9】前記判定工程において、前記分子ビームジ
    ェットの蛍光は、並列に配置された複数の導出用光ファ
    イバを介して真空チャンバ外へ導かれた後に強度が計測
    されることを特徴とする請求項5に記載の微量物質濃度
    計測方法。
  10. 【請求項10】前記判定工程は、各導出用光ファイバを
    介して導かれた各分子ビームジェットの蛍光を、それぞ
    れの所定の条件でフィルタリングする工程と、 フィルタリング後の各分子ビームジェットの蛍光の強度
    をそれぞれ計測する工程と、を含んでいることを特徴と
    する請求項9に記載の微量物質濃度計測方法。
  11. 【請求項11】減圧可能な真空チャンバと、 被測定分子を含む試料を真空チャンバ内に間欠的に噴射
    して分子ビームジェットを形成するパルスバルブと、 被測定分子の吸収スペクトル波長幅に合致した波長を持
    つ励起光を分子ビームジェットに向けて案内する導入用
    光ファイバと、 前記励起光によって誘起された前記分子ビームジェット
    の蛍光を受光する受光装置と、 受光装置によって受光された蛍光の強度に基づいて、分
    子ビームジェット中に存在する被測定分子の濃度を判定
    する解析装置と、を備えたことを特徴とする微量物質濃
    度計測装置。
  12. 【請求項12】前記真空チャンバは、1mmPa以下に
    減圧されるようになっており、 前記パルスバルブは、被測定分子を含む試料を、104
    Pa以上の減圧条件から106Pa以上に加圧して、1
    ミリ秒よりも短い時間幅で間欠的に噴射するようになっ
    ていることを特徴とする請求項11に記載の微量物質濃
    度計測装置。
  13. 【請求項13】導入用光ファイバの出射部に、集光用光
    学素子が配置されていることを特徴とする請求項11ま
    たは12に記載の微量物質濃度計測装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003121361A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd レーザ光を用いた微量成分測定方法及びその装置
CN113092374A (zh) * 2021-04-12 2021-07-09 青岛科技大学 小型真空光电测试系统

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CN113092374B (zh) * 2021-04-12 2022-11-15 青岛科技大学 小型真空光电测试系统

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