JP2001247867A - ヤシガラセンイと生ゴミよりなる土壌改良材 - Google Patents

ヤシガラセンイと生ゴミよりなる土壌改良材

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Kyoichi Kitsugi
恭一 木次
Yoshio Miyata
善雄 宮田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生ゴミの好気性分解を促進し、植生に有用な
放線菌類の増殖を選択的に助長し、微生物相にバランス
のとれた良質の堆肥を迅速に生産し、生ゴミのリサイク
ルを経済性良く行なえる、土壌改良材を提供する。 【解決手段】ヤシガラセンイに生ゴミを、混合物の乾燥
重量部について、ヤシガラセンイ50部以上90部以
下、生ゴミ10部以上50部以下となるように配合して
堆肥化する。生ゴミの含水率が高い場合には、生ゴミの
湿潤重量部100部に対して酸化カルシウムCaOとして
10部以上100部以下となるように生石灰系資材を予
め生ゴミに添加・混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ヤシガラセンイ
を利用した植物栽培用の土壌改良材の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来の堆肥の多くは主として稲わら、
針葉樹・広葉樹の落葉等の植物性資材と生ゴミとの混合
物を堆積状態で発酵させて有機物を分解する方法で堆肥
化されているが、堆肥化には1年以上の著しい長時間を
要し、出来た堆肥中には植生に有用とされる微生物類は
比較的少なく、土壌改良材として必ずしも効果を発揮し
ないばかりか、発酵不十分な混合物は却って植生を阻害
する場合もあった。
【0003】従来の土壌改良材、特に有機質土壌改良材
においては、もみがら、枯葉、樹皮または木材片(オガ
屑・カンナ屑)等の混合物を、長時間をかけて発酵さ
せ、混合物中に増殖した土壌微生物の作用によって、混
合物に含まれるタンパク質、リグニン、脂質、炭水化
物、繊維素等を分解して、いわゆる堆肥[腐葉土、モミ
ガラ堆肥、木質堆肥(バーク堆肥、オガクズ堆肥等)]
を製造し、これを土壌に施用することによって、堆肥中
に含有される植物繊維が交絡することによる空隙の導入
で土壌の膨軟化等、土壌の物理性を改善して、好気性菌
類の増殖を促進する環境を整え、混合物の分解生成物中
に含まれる肥効成分と相俟って、植生に適した肥沃な土
壌に改善するものである。
【0004】しかしながら、上記の堆肥化過程において
は、枯葉や樹皮、または木片等(以下植物性資材とい
う)の単独の分解には著しく長時間を要するため、通
常、植物性資材と牛・豚・馬・鶏等の家畜糞尿あるいは
家庭の厨房廃棄物等との混合処理が行われているのが普
通である。このようにして発酵を促進する処理を講じた
場合でも、堆肥化に要する時間は、主として植物性資材
に含まれる難分解性のリグニンの質および量に支配され
る。特に針葉樹系植物性資材の分解性は、広葉樹系のそ
れに比して格段に劣り、難分解性であるため、針葉樹系
の堆肥化には、広葉樹系の倍以上の長時間を必要とする
ことが知られている。
【0005】ちなみに広葉樹系の植物性資材を上述の生
ゴミと混合処理する場合、完熟堆肥化に要する時間は、
概ね1〜2年とされているのに対し、針葉樹系のそれは
極めて難分解性であるため2年以上を必要とする。ま
た、これら植物性資材は、堆肥化の過程で細菌類の増殖
が著しく、特に樹皮・木片等では、粗大な有機物の分解
に要する線虫類の密度が必然的に増大する。したがっ
て、堆肥化が不十分な混合物を土壌に施用した場合に
は、土壌微生物相は細菌・線虫に偏り、土壌微生物相の
バランスが崩れる等の、好ましくない作用もあって土壌
の植生環境を却って悪化させる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 したがって本発明の
目的は、従来技術の前記問題点を解消し、生ゴミの好気
性分解を促進し、植生に有用とされる放線菌類の増殖を
選択的に助長し、微生物相のバランスのとれた良質の堆
肥を迅速に生産するとともに、生ゴミのリサイクルを経
済性良く行なえる、植物栽培用の土壌改良材を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、生ゴミ
の好気性分解を促進して、良質な堆肥化を迅速に行なわ
せるのに適した有機質配合物を求めて、種々の実験と分
析検討を重ねた結果、ヤシガラセンイの利用が最適であ
ることを知見して本発明を完成させた。すなわち、本発
明の土壌改良材は、ヤシガラセンイに生ゴミを、混合物
の乾燥重量部について、ヤシガラセンイ50部以上90
部以下、生ゴミ10部以上50部以下の割合で配合して
堆肥化するものである(請求項1の発明)。なお、本明
細書においては、牛・豚・馬等の家畜や鶏・家鴨等の家
禽といった動物の糞尿、あるいは家庭や食堂レストラン
の厨房からの生物由来の廃棄物のことを生ゴミと総称
し、ココナツヤシの実の中果皮に含まれる繊維のことを
ヤシガラセンイと称する。
【0008】本発明におけるヤシガラセンイと生ゴミと
の混合物は、ヤシガラセンイのごく微細な孔隙が、混合
物中の過剰な付着水分を吸収するとともに、好気性の環
境条件を整えることにより、植生に有用とされる放線菌
類を著しく増殖させ、混合物中における細菌類、糸状菌
類、線虫類の偏った増殖を抑制し、微生物相を安定化す
る機能において、他の繊維質植物性資材より遥かに優れ
ており、混合物の好気性分解を促進して、良質な堆肥化
を短時間(約2ヵ月以内)で可能とし、生ゴミの経済的
かつ効率的なリサイクルが行われる。
【0009】本発明は、生ゴミに含まれる肥効成分と、
安定な微細空隙に富むヤシガラセンイとの混合により、
生ゴミに含まれる余分な付着水分をヤシガラセンイに吸
収させて生ゴミを乾燥状態に移行させるものであるが、
混合物が著しく湿潤な場合、もしくは改良土壌中に肥料
要素としての石灰分を富化させる目的の場合にも、脱水
効果をあらわす生石灰を添加する。すなわち、請求項2
の発明では、湿潤状態の生ゴミの含水率が高い場合、堆
肥化に不適当な過剰の付着水分を急速に除去するため
に、生ゴミの湿潤重量部100部に対して酸化カルシウ
ムCaOとして10部以上100部以下となるように生石
灰系資材を予め生ゴミに添加・混合し、生石灰の水和反
応により脱水した石灰と生ゴミの混合物に、ヤシガラセ
ンイを配合して堆肥化する。このような生石灰系資材の
添加によって、生ゴミを乾燥状態に移行させるとともに
肥料成分としてのカルシウム量を高め、同時にヤシガラ
センイに含まれる微細空隙に、有用な土壌微生物相であ
る放線菌類を著しく増殖させる。かくして得られた土壌
改良材を植物の栽培用土壌に施用した場合には、当該土
壌の物理性・化学性および微生物環境を著しく改善する
ことにより、農業生産性および環境緑化工等の施工能率
の向上に寄与するものであり、従来廃棄物とされてきた
生ゴミやヤシガラセンイのリサイクルを可能にする。
【0010】このように本発明の土壌改良材によれば、
生ゴミが急速に分解され、植生に有用な放線菌類が選択
的に増殖し、堆肥化に要する時間が約2ヵ月以内と大幅
に短縮され、植生に寄与する土壌微生物相の改善と安定
化が実現されるのであるが、このような効果はココナツ
ヤシの中果皮繊維(ヤシガラセンイ)を植物性資材とし
て導入したことによるものである。熱帯地方で生育した
ココナッツヤシの中果皮は、収穫の時点で自然的な枯死
を経て乾燥状態にあり、容易に堆肥化し得る繊維の集合
体である。現地(例えばスリランカ)での工程は、伝統
的な手法にしたがって処理されており、その概要を述べ
れば、先ず中果皮を熱帯の泥水に浸漬してその中に含ま
れる繊維以外の分解され易い夾雑物(タンパク質、炭水
化物等)を腐熟させて分離し、その繊維部分のみが取り
出される。この取り出された繊維部分がブラウンハスク
であり、これを出発物質として、その長繊維は種々の工
芸品やロープなどに加工されるが、この分級・選別の工
程で生じた廃棄物としての短繊維(ファイバーダスト)
が、本発明でいうヤシガラセンイであり、従来は産業廃
棄物として処分されていた。
【0011】ヤシガラセンイは、熱帯植物に共通する特
性として、その維管束(導水管)が一列の維管束鞘細胞
で囲まれ、さらにその外側を数層の葉肉細胞が囲むとい
うように、2重以上に厚く構成されているものである。
この特徴的な構造では、維管束と気孔とは数層の細胞で
遮られているから、高温で水の少ない環境に育った植物
は、天然の摂理により容易に水分が失われないような組
織・構造になっている。逆に、このような構造の植物体
の遺骸を土壌中に施用した場合、その繊維細胞中に飽水
した水分は、容易には脱水しないかわりに、緩徐な滲出
によって水分を供給し、植生土壌としての湿分を安定に
保持する効果がある。また、繊維自体にミクロン単位以
下の微細な孔隙を保有していることから、この繊維を土
壌に施用した場合、土壌の物理特性を改善して土壌微生
物相の棲息環境に適した空隙を、土壌中に提供するもの
である。
【0012】上記短繊維は、現地でココナツヤシの中果
皮繊維をブラウンハスクとする過程で、易分解性のタン
パク質や炭水化物、脂質などは既に分解・除去の工程を
経ているため、通常の植物性資材を用いた堆肥化におけ
るような腐敗現象は起こさず、直ちに生ゴミの栄養分に
より、安定した微生物相を短時間(ほぼ2ヵ月以内)で
形成するものである。すなわち、本発明品を土壌と混合
した場合には、短繊維の交絡によって生ずる土壌の膨軟
化、換言すれば巨視的な空隙の形成は、いわゆる「従来
の堆肥」と殆ど変わらないが、短繊維そのものに含まれ
る微細な細胞空隙によってもたらされる好気性環境によ
って、土壌微生物相の形成、なかんずく放線菌類の増殖
が極めて順調に進行する一方、細菌類および線虫類の繁
殖が抑制されて、バランスのとれた土壌微生物相をごく
短時間で形成するものである。
【0013】更には、生ゴミとの混合処理において、生
ゴミの含有水分が過剰の場合には、この水分を除去して
混合物の放り扱いを容易にするために、脱水剤として酸
化カルシウムCaOを含有する生石灰を添加することが有
効である。この場合、生石灰の添加量は生ゴミの湿潤重
量部に対し酸化カルシウムCaOとして100重量部以
下、10重量部以上の範囲内において、畜糞などの含水
量に応じて、最適の添加量を設定する。酸化カルシウム
CaOは水分と反応し、
【式1】 式1の化学反応式に示す通り、消石灰Ca(OH)を生じ、
同時に酸化カルシウムCaOの1モル当たり15.6kcaIの水和
熱を発生する。すなわち、理論的に1モルのCaOが、生ゴ
ミ中に含まれる1モルの水を脱水し、15.6kca1の発熱反
応によって1モルの消石灰[Ca(OH)]を生ずる訳であ
り、化学反応による脱水と、発生する水和熱のエンタル
ピーと水の蒸発潜熱との割合に比例して、生ゴミ中の含
有水分を急速に脱水して乾燥状態とするのである。本発
明でいう乾燥状態とは、生ゴミまたは生ゴミ・石灰混合
物が、ヤシガラセンイと混合する段階で、容易に取り扱
い出来る程度に付着水分を減少して、緊密な混合が可能
となる状態であり、この時点での.生ゴミまたは生ゴミ
・石灰混合物の保有する付着水分の量が、乾燥重量につ
いて50部以下の状態を指す。
【0014】ヤシガラセンイは、前述のごとく、ココナ
ツヤシの中果皮から取り出したブラウンハスクを分級し
て長繊維を選別採取した残りの、いわゆるファイバーダ
ストであって、従来は産業廃棄物として処理されていた
ものであるが、短繊維であること、繊維質そのものが維
管束に基づく微細な孔隙で構成されていて、土壌微生物
の増殖に適する環境を提供すること、さらには、腐敗を
生ずるタンパク質や脂質等が予め水漬によって除去され
ていることによって腐敗の心配がないことから、植生土
壌の改良材としては、その物理的特性がすぐれており、
生ゴミと混合して短時間の熟成を経ることによって、土
壌改良材として極めて優れた効果をあらわす。本発明者
らは、この機能性は主に、本発明品を土壌に施用した場
合、土壌微生物中、最も植生に好ましい効果を及ぼすと
されている放線菌類の繁殖を助長することであり、放線
菌数の増加により、土壌微生物中の細菌、糸状菌は偏っ
た増殖が抑制され、土壌微生物相は、最も肥沃な土壌に
おける微生物相のバランスに近づくことを知見した。ま
た、この施用によって、粗大な有機物の分解のために必
然的に増加する線虫の繁殖も抑制される。これは、ブラ
ウンハスクの製造工程における水漬の効果により、易分
解性有機物が予め除去されたためと考えられる。本発明
者らは、長年の研究の成果と実績値に基づいて、植生に
適する肥沃な土壌の微生物相では、土壌1ml中に存在す
る線虫類、細菌類、糸状菌類、放線菌類の4相の基準個
体数は、概ね表1に示すような値であることを知見し
た。
【表1】 本発明品は、通常、土壌に対する有機資材施用の適正量
の範囲とされる処理土壌の容積部で、10〜50容積部
となるような範囲内で添加・混合して、静置2週間後の
土壌1ml中に存在する微生物個体数を推計した結果、表
1の線虫類および土壌菌類の基準個体数をほぼ満足する
結果が得られることを確認した。
【0015】
【発明の実施の形態】 本発明の土壌改良材は、植生土
壌の物理性を改善すると同時に、土壌微生物相を活性化
し、特に植生に有用とされる放線菌類の個体数を増大さ
せて微生物相のバランスを矯正するものであり、ココナ
ツヤシの中果皮から得られる短繊維のヤシガラセンイと
生ゴミとを構成材料とし、これら2材料の混合物を2ヵ
月以内の短期間熟成することによって製造されるもので
ある。この場合、生ゴミによっては、その付着水分が著
しく多く、そのままでは取り扱いが困難であるばかりで
なく、ヤシガラセンイとの緊密な混合が不十分となる場
合には、あらかじめ付着水分を低減する必要があり、こ
の目的でCaOに富む生石灰を添加・混合して、CaOの水和
反応によって脱水し、生ゴミの含水率を低下させて乾燥
状態にすることが出来る。この場合、生ゴミを乾燥状態
とするのに必要な生石灰の添加量の範囲は、生ゴミの湿
潤重量部について100部以下、10部以上と規定し
た。この理由は、生ゴミの一般的な含水率に対し、10
湿潤重量部未満では脱水機能を期待することは出来ず、
また生ゴミ等と同重量に相当する100部を超えると、こ
こで期待する乾燥状態を遥かに超過して脱水剤を浪費す
ることとなり、不経済であるからである。ここでいう乾
燥状態の含水率とは、生ゴミまたは生ゴミ・石灰混合物
のいずれについても、湿潤基準重量部で50部以下とし
た。本発明品について、構成材料間の配合割合は、生ゴ
ミまたは生ゴミ・石灰混合物のいずれについても、ヤシ
ガラセンイとの配合割合は、乾燥重量部について、生ゴ
ミ10部以上、50部以下と規定し、ヤシガラセンイは
50部以上、90部以下と規定した。本発明品を土壌に
施用するに当たっては、経験的に最も好ましい施用量
は、原土壌を100部とする容積基準で25部である
が、施用の有効範囲は10部〜50部と規定した。ちな
みに本発明品を、原土を100部とする容積部で10か
ら50部の範囲で施用した場合、約2週間後の土壌につ
いて微生物相を検定した結果では、施用した本発明品中
に占める生ゴミまたは生ゴミ・石灰混合物の配合割合
が、乾燥重量部で10部未満の場合には、処理土壌中の
放線菌類の個体数は殆ど原土壌のそれと同等であり、所
期の効果を確認することは出来なかった。また、50部
超とした場合でも、とくに著しい効果の増進を認めるこ
とができなかった。
【0016】本発明の試験例および実施例を次の(1)
から(5)に示す。 (1)ヤシガラセンイと、豚糞(含水率15重量部)と、
これら2種の構成材料を乾燥重量部で80部:20部の
割合で混合した本発明の土壌改良材とを、20日間、温
度が摂氏28度の室内で養生した後、宮田式微量土壌平
板法(農学博士・宮田善雄発案による微生物相の簡易検
定法)を用いて検定した。上記3種の試料に関する検定
により測定された主要な微生物相の個体数を表2に示
す。
【表2】 (2)ヤシガラセンイと、厨房ゴミ(家庭から排出する
厨房ゴミ;主として野菜屑、魚肉片等から成り、含水率
30%)と、これら2種の構成材料を乾燥重量部でヤシガ
ラセンイ80部、生ゴミ20部の割合で混合した本発明の土
壌改良材とを、20日間、温度が摂氏28度の室内で養
生した後、前記微生物簡易検定法を用いて検定した。上
記3種の試料に関する検定結果として主要な微生物相の
個体数を表3に示す。
【表3】 (3)上記(1)および(2)の方法で試製した本発明
の土壌改良材2種について、水田土壌および畑土壌の湿
潤容積基準の容積部で土壌100部に対し、土壌改良材
20部を添加混合して、水田土壌の場合には冠水培養、
畑土壌の場合には底面潅水培養の条件で、摂氏28度の
温度のもとに1ヵ月間培養した。この培養期間後に採取
した処理土壌の微生物相を上掲(1)(2)と同様の方
法で検定した結果を表4に示す。
【表4】 この試験に供した畑土壌は、和歌山県田辺市周辺の畑土
壌であり、水田土壌は、茨城県明野町の水田より採取し
た土壌であって、いずれも営農中の圃場培土である。微
生物相検定に用いた試料土壌は、気温摂氏25度、相対
湿度70%の大気中で風乾状態とした。 (4)前記の表2、表3に掲げたように、本発明に係る
土壌改良材を原土壌の容積部100部に対し20部添加
・混合して培養した改良土壌は、畜糞または厨房ゴミを
それぞれ単独で土壌と混合して培養した土壌と比較し
て、いずれも放線菌指数の著しい伸びの傾向が明らかで
ある。畑土壌、水田土壌のいずれについても、上記方法
による改良土壌の放線菌指数は、原土壌の10倍以上の値
となり、細菌類の個体数も1/3から1/4程度に減少
して、土壌中の微生物相は植生に適する肥沃な土壌に含
まれる基準個体数を満足し、主要4相の微生物相(線
虫、細菌、糸状菌、放線菌)は良好なバランスにあっ
た。原土壌に対し、ヤシガラセンイを、容積部外割で2
0部、単味で混合した場合も、土壌微生物相の相対密度
を示唆する放線菌指数は原土壌に比し、かなり改善され
るが、ヤシガラセンイに生ゴミを添加・混合して熟成し
た本発明の土壌改良材は、この改善効果を更に飛躍的に
向上させ、主要微生物相間のバランスを良好に保たせる
ことが明らかとなった。 (5)そこで、上掲(3)で得られた本発明品、原土
壌、および容積部で原土壌100部にヤシガラセンイ2
0部を混合した改良土壌、及び比較試料として、市販赤
玉微粒子土、及びピートモスについて、植物種子を播種
した場合の発芽率を比較検討した。発芽試験は、試料培
土をペトリー皿に等量づつ秤取し、アブラナ科、キク
科、マメ科の検定種子3種およびシバ(品種;ペンクロ
ス)を加えた4種の種子を50粒づつ播種し、気温摂氏
25度の室内で、播種後2週間の発芽率を計測した。こ
の試験結果を表5に示す。
【表5】 試験結果はピートモスを除くほかは、各試料間で著しい
傾向を見いだすことはできなかった。これは発芽を支配
する要因がむしろ土壌の物理性によるためであるが、本
発明品はいずれも最も安定した発芽率を示した。
【0017】
【発明の効果】 前記の実験例に見るように、ヤシガラ
センイは、それを単独で原土壌に添加・混合した場合
は、ヤシガラセンイの持つ微細孔隙による保水性・透水
性の向上や、土壌との交絡による巨視的な空隙の導入に
よる膨軟化等、土壌物理性の改善効果をもたらすが、こ
の効果は他の繊維質植物資材単独の添加によっても、ほ
ぼ同様の改善効果が得られるものであり、また、施用後
の土壌における放線菌類の個体数、放線菌指数は原土壌
のそれに比して著しい改善効果を期待することはできな
い。しかしながら、このヤシガラセンイに生ゴミを加え
て熟成させた場合には、2ヵ月以内のごく短期間であり
ながら、急速な堆肥化が進行し、有用な放線菌類の増殖
が顕著であり、放線菌指数は目標とする100%に急速
に接近する著しい改善効果が認められた。しかも、土壌
改良材として、微生物相(細菌類、糸状菌類、線虫類、
放線菌類の4相)におけるバランスが、肥沃な土壌の正
常な範囲に収斂し、得られた堆肥を土壌に施用した場
合、処理土壌の微生物相は急速に改善されて、肥沃な植
生土壌に再生された。このような微生物相の改善効果は
他の植物性資材による従来の堆肥には期待し難い、画期
的な効果である。これらの改善効果を確認することによ
り、生ゴミのリサイクルを可能とする特定資材としての
ココナツヤシの中果皮繊維(ヤシガラセンイ)と生ゴミ
とからなる本発明の土壌改良材は、従来技術による堆肥
の品質を大幅に凌駕する優れた品質と、量産を可能とす
る機能性とを発現し、植生土壌の品質改善に著しい寄与
をもたらすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 101:00 B09B 3/00 ZABD Fターム(参考) 4D004 AA03 BA10 CA19 CC11 CC15 DA03 DA10 4H026 AA16 AA19 4H061 AA01 CC47 CC55 DD20 EE12 EE61 LL25 LL26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤシガラセンイに生ゴミを、混合物の乾
    燥重量部について、ヤシガラセンイ50部以上90部以
    下、生ゴミ10部以上50部以下となるように配合して
    堆肥化することを特徴とする植物栽培用土壌改良材。
  2. 【請求項2】 湿潤状態の生ゴミについて、含水率が高
    い場合、堆肥化に不適当な過剰の付着水分を急速に除去
    するために、生ゴミの湿潤重量部100部に対して酸化
    カルシウムCaOとして10部以上100部以下となるよ
    うに生石灰系資材を予め生ゴミに添加・混合し、生石灰
    の水和反応により脱水した石灰と生ゴミの混合物に、ヤ
    シガラセンイを配合して堆肥化することを特徴とする植
    物栽培用土壌改良材。
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