JP2001241301A - ロータリ式エンジン - Google Patents

ロータリ式エンジン

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JP2001241301A
JP2001241301A JP2000054951A JP2000054951A JP2001241301A JP 2001241301 A JP2001241301 A JP 2001241301A JP 2000054951 A JP2000054951 A JP 2000054951A JP 2000054951 A JP2000054951 A JP 2000054951A JP 2001241301 A JP2001241301 A JP 2001241301A
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Japan
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piston
cylinder
rotation
rotary
combustion chamber
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JP2000054951A
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English (en)
Inventor
Fumito Komatsu
文人 小松
Kenji Muramatsu
健次 村松
Masaki Nakamura
優樹 中村
Tomohiro Takeuchi
智大 竹内
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ室の気密性確保が容易な構造にす
る。 【解決手段】 回転軸心oを中心として形成された燃焼
室側空洞部22を挟んで対向する燃焼室側シリンダ室2
3a〜23dを有する回転シリンダ部材2と、回転軸心
oから偏心した回転中心位置X5を中心として回転する
燃焼室側ピストン保持部材5とを、ケーシング6にそれ
ぞれ回転自在に支持すると共に、回転中心位置X5から
偏心した自転中心位置X1,X2には回動可能に燃焼室
側ピストン3,4が保持され、ケーシング6に吸気ポー
ト、燃焼口、点火プラグ93及び排気ポートを備え、吸
気ポートより圧縮した燃料の混合気を送り込み、点火プ
ラグ93を用いて燃焼口で燃焼させて膨張させることで
ピストン3,4を動かして回転シリンダ部材2とピスト
ン保持部材5を相対回転させると共に、回転シリンダ部
材2とピストン保持部材5のうち少なくとも一方の回転
を出力する出力軸51を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ式エンジ
ンに関する。更に詳述すると、本発明は、圧縮した気体
状の燃料をシリンダ内に供給して燃焼させてピストンを
動かすロータリ式の内燃エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃エンジンとして、シリンダ内に配置
されたピストンをコネクティングロッドによってクラン
クシャフトに連結し、ピストンの往復運動をクランクシ
ャフトの回転運動に変換するレシプロ式エンジンや、ひ
ょうたん型のケーシング内にほぼ三角形状のロータを配
置してこれらの間の空間を燃焼室とし、ロータを回転運
動させてこの回転運動を出力するロータリ式エンジンが
ある。
【0003】レシプロ式エンジンは、ピストンの往復運
動をコネクティングロッドとクランクシャフトを使用し
て回転運動に変換するため、原理的に機械効率があまり
良いとはいえないが、ロータリ式エンジンはロータの回
転運動をそのまま回転運動として出力できるので、原理
的に機械効率に優れたものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ロータリ式エンジンでは、ほぼ三角形のロータをその頂
点部分をケーシングの内周面に摺動させながら回転運動
させているので、ロータとケーシングの間のシール部分
が線接触となり、燃焼室の気密性確保のための構造が複
雑になってしまう。このため、原理的に優れたロータリ
式エンジンにおいて、燃焼室の気密性確保が容易なもの
の開発が要請されていた。
【0005】本発明は、燃焼室(シリンダ室)の気密性
確保が容易なロータリ式エンジンを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載のロータリ式エンジンは、第1の回転
軸心を中心として形成された第1の空洞部に連通し、該
第1の空洞部を挟んで対向する少なくとも一対の第1の
シリンダ室を有する円形形状の第1の回転シリンダ部材
と、第1の回転シリンダ部材の第1の回転軸心から偏心
した第1の回転中心位置を中心として回転する第1のピ
ストン保持部材とを、第1の支持部材にそれぞれ回転自
在に支持すると共に、第1のピストン保持部材の第1の
回転中心位置から偏心した第1の自転中心位置には、そ
の位置を中心として回動可能に第1のピストンが保持さ
れ、第1の回転シリンダ部材と第1のピストン保持部材
との相対回転により第1のピストン自体が第1の自転中
心位置を中心として回動しながらかつ第1の回転中心位
置を中心として回転することによって一対の第1のシリ
ンダ室の双方に出入りすると共に、第1の支持部材に第
1のシリンダ室に連なる吸気ポート、燃焼口、燃焼手段
及び排気ポートを備え、吸気ポートより第1のシリンダ
室に圧縮した燃料の混合気を送り込み、燃焼手段を用い
て燃焼口で燃焼させて膨張させることで第1のピストン
を動かして第1の回転シリンダ部材と第1のピストン保
持部材を相対回転させると共に、第1の回転シリンダ部
材と第1のピストン保持部材のうち少なくとも一方の回
転を出力する出力伝達部材を備えたものである。
【0007】第1のシリンダ室を有する第1の回転シリ
ンダ部材と、第1のピストンを有する第1のピストン保
持部材とがそれぞれ第1の支持部材に支持された状態で
回転することができ、かつ第1のピストン保持部材に保
持されている第1のピストンもそれ自体で回動可能とな
っており、第1のピストンが姿勢を変えながら各第1の
シリンダ室内を直線運動で出入りすることが可能とな
る。
【0008】吸気ポートから第1のシリンダ室に吸い込
まれた圧縮混合気は吸気を終え、第1のシリンダ室が燃
焼口にオーバーラップし、点火され一気に燃焼して膨張
する(膨張行程)と、第1のピストンは第1のシリンダ
室に対して直線運動を行う。第1のピストンの保持位置
である第1の自転中心位置は第1のピストン保持部材の
回転中心である第1の回転中心位置からずれているの
で、混合気の燃焼によって第1のピストンが受ける力は
第1のピストン保持部材の回転力になり、第1のピスト
ン保持部材の回転によって第1の回転シリンダ部材も回
転する。
【0009】第1の回転シリンダ部材の回転によって燃
焼を終えた第1のシリンダ室が排気ポートにオーバーラ
ップし、燃焼済みガスが排気される。また、第1の回転
シリンダ部材の回転によって別のシリンダ室が吸気ポー
トにオーバーラップするので、このシリンダ室も膨張行
程を行う。このようにして、エンジンは回転を続け、出
力伝達部材によって回転力が出力される。
【0010】第1のピストンが出入りする第1のシリン
ダ室は、第1の回転シリンダ部材の回転に伴い第1のピ
ストンの動きに同期して移動するので、第1のピストン
を第1のシリンダ室に対して面接触させるようにしなが
ら出入りさせることができる。
【0011】また、請求項2記載のロータリ式エンジン
は、第1の回転シリンダ部材又は第1のピストン保持部
材の回転によって回転駆動され、吸気ポートに燃料の混
合気を圧送する圧縮機構を備えるものである。したがっ
て、エンジンの出力を利用して燃料の混合気を圧縮して
第1のシリンダ室内に送り込むことができる。
【0012】また、請求項3記載のロータリ式エンジン
は、圧縮機構は、第2の回転軸心を中心として形成され
た第2の空洞部に連通し、該第2の空洞部を挟んで対向
する少なくとも一対の第2のシリンダ室を有する円形形
状の第2の回転シリンダ部材と、第2の回転シリンダ部
材の第2の回転軸心から偏心した第2の回転中心位置を
中心として回転する第2のピストン保持部材とを、第2
の支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、第2
のピストン保持部材の第2の回転中心位置から偏心した
第2の自転中心位置には、その位置を中心として回動可
能に第2のピストンが保持され、第2の回転シリンダ部
材と第2のピストン保持部材との相対回転により第2の
ピストン自体が第2の自転中心位置を中心として回動し
ながらかつ第2の回転中心位置を中心として回転するこ
とによって一対の第2のシリンダ室の双方に出入りする
と共に、第2の支持部材に第2のシリンダ室に連なる吸
込口及び吐出口を備えており、第1の回転シリンダ部材
又は第1のピストン保持部材の回転によって第2の回転
シリンダ部材と第2のピストン保持部材を相対回転させ
ることで第2のピストンを動かして吸込口から第2のシ
リンダ室内に吸い込んだ燃料の混合気を圧縮して吐出口
から吸気ポートに送り込むものである。
【0013】すなわち、圧縮機構は、請求項1記載のロ
ータリ式エンジンと同様の原理に基づく回転機構とな
る。したがって、第1の回転シリンダ部材又は第1のピ
ストン保持部材の回転力によって第2の回転シリンダ部
材と第2のピストン保持部材が相対回転されると、第2
のピストンが第2のシリンダ室に対して往復運動を行
い、吸込口から吸い込んだ燃料の混合気を圧縮して吐出
口から吸気ポートに向けて圧送する。
【0014】また、請求項4記載のロータリ式エンジン
は、円板材料の一側面に第1のシリンダ室を形成し、他
側面に第2のシリンダ室を形成することで、第1の回転
シリンダ部材と第2の回転シリンダ部材を一体化させる
と共に、第1の支持部材と第2の支持部材を一体的に構
成したものとしている。即ち、2つの部屋(燃焼、排気
/吸入、圧縮)をもつ回転機を一体的に上下のケースで
構成したものとしている。したがって、圧縮機構を内部
に備えるロータリ式エンジンが提供される。
【0015】また、請求項5記載のロータリ式エンジン
は、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室を回転方向に
対してずらして配置したものである。回転シリンダ部材
のシリンダ室が形成されている部分は薄肉となるが、第
1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを回転方向にずら
して形成しているので、薄肉になる部分がずれることに
なり、強度を確保することができる。
【0016】また、請求項6記載のロータリ式エンジン
のように、ピストンのピストン保持部材側に対向する面
は平面とし、ピストン保持部材と面接触するようにして
も良い。
【0017】また、請求項7記載のロータリ式エンジン
は、第1の回転シリンダ部材の回転数対第1のピストン
保持部材の回転数対第1のピストンのシリンダ室間を往
復する動作数の比と、第2の回転シリンダ部材の回転数
対第2のピストン保持部材の回転数対第2のピストンの
シリンダ室間を往復する動作数の比が、1:2:1とな
っている。したがって、各部材同士が確実に無理なく回
転し、回転時の振動や騒音が軽減される構成となる。
【0018】また、請求項8記載のロータリ式エンジン
は、第1及び第2のピストンの横断面形状を異形状と
し、当該形状に第1及び第2のシリンダ室の横断面形状
を一致させたものである。したがって、第1及び第2の
ピストンが摺動するシリンダ室の両側壁を底面に対して
垂直に形成せずに済むので、シリンダ室の加工が容易に
なる。
【0019】また、請求項9記載のロータリ式エンジン
は、第1及び第2のピストンの横断面形状の異形状は、
第1及び第2のピストンの底面の両コーナー部分を丸め
た形状である。したがって、ピストンが摺動するシリン
ダ室のコーナー部分を丸めた形状にすることができるの
で、シリンダ室の加工がより一層容易になる。
【0020】また、請求項10記載のロータリ式エンジ
ンは、オイルタンクと、該オイルタンク内のオイルを第
2の支持部材の吸込口に導く第1のオイル通路と、第2
の支持部材内を潤滑したオイルを第2の支持部材の吐出
口から第1の支持部材の吸気ポートに導く第2のオイル
通路と、第1の支持部材内を潤滑したオイルを第1の支
持部材の排気ポートの近傍からオイルタンクに導く第3
のオイル通路を有し、第1及び第2の回転シリンダ部材
と第1及び第2のピストン保持部材の回転によってオイ
ルを循環させる潤滑オイル循環機構を備えたものであ
る。したがって、エンジンの回転を利用して、摺動面を
潤滑することができる。
【0021】また、請求項11記載のロータリ式エンジ
ンは、第1及び第2の回転シリンダ部材と第1及び第2
のピストン保持部材の相対回転の抵抗となる背圧を減少
させる背圧逃がし手段を備えたものである。ピストンが
作動し回転シリンダ部材やピストン保持部材が回転する
ことで、これらの動きの抵抗となる背圧が発生するが、
この背圧を背圧逃がし手段が減少させるので、動きがス
ムーズになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1〜図4に、本発明を適用したロータリ
式エンジンの一例を示す。このロータリ式エンジン(以
下、単にエンジンという)1は、燃焼室側回転機構70
と圧縮機側回転機構(圧縮機構)71を備え、これらを
同一のケーシング(支持部材)6、即ち、2つの部屋
(燃焼、排気/吸入、圧縮)をもつ回転機を一体的に上
下のケース(支持部材)6に収容している。即ち、本実
施形態では、燃焼室側回転機構70を収容する燃焼室側
支持部材(第1の支持部材)と圧縮機側回転機構71を
収容する圧縮機側支持部材(第2の支持部材)とを同一
のケーシング(支持部材)6、即ち、2つの部屋(燃
焼、排気/吸入、圧縮)をもつ回転機を一体的に上下の
ケース(支持部材)6にしており、燃焼室側回転機構7
0はケーシング6の上ケース63側の内部空間に、圧縮
機側回転機構71はケーシング6の下ケース64側の内
部空間にそれぞれ配置されている。
【0024】燃焼室側回転機構70は、円形形状の回転
シリンダ部材2と、180度離れた2つの偏心した燃焼
室側自転中心位置(第1の自転中心位置)X1,X2に
それぞれ燃焼室側ピストン(第1のピストン)3,4を
回動可能に保持しかつ回転シリンダ部材2の回転軸心o
から偏心した位置を燃焼室側回転中心位置(第1の回転
中心位置)X5として回転する燃焼室側ピストン保持部
材5(第1のピストン保持部材)とを有している。
【0025】回転シリンダ部材2は所定の厚みを有する
円形形状で形成されており、その一側面、すなわち図1
及び図2において上側の面には、4つの扇状の台部25
を利用して形成された十字状の空間が設置されている。
この十字状の空間は、燃焼室側空洞部22と4つの燃焼
室側シリンダ室23a,23b,23c,23dとから
構成されている。すなわち、回転シリンダ部材2の上側
面には、回転軸心oを中心として所定の広さを備えかつ
底面を有する燃焼室側空洞部22が形成されている。そ
して、この燃焼室側空洞部22内の回転軸心oを中心と
して放射状に、4つの燃焼室側シリンダ室23a〜23
dが設けられている。燃焼室側シリンダ室23a〜23
dは上面部分が開放された溝形状をなしており、この溝
の横断面形状は詳しくは後述する燃焼室側ピストン3,
4の横断面形状と一致している。また、燃焼室側シリン
ダ室23a〜23dの長手方向の一端側(中央側)は燃
焼室側空洞部22に連通している。そして、燃焼室側シ
リンダ室23a〜23dの燃焼室側空洞部22側のコー
ナーには、小さな面取り(例えばC0.2)が施されて
いる。
【0026】なお、燃焼室側空洞部22の底面は、燃焼
室側シリンダ室23a〜23dに対応した形状となって
いる。即ち、燃焼室側シリンダ室23a〜23dの横断
面形状とこれらに連続する燃焼室側空洞部22の断面形
状は同一であり、厚肉の円板材料に十字状の溝を切削等
の方法で加工することで、燃焼室側空洞部22及び燃焼
室側シリンダ室23a〜23dより成る十字状の溝を形
成することができる。しかも、この十字状溝の形状は、
後述するように、その底面の両コーナー部分が丸みを帯
びた形状で良いため、その加工は極めて容易である。な
お、説明上、「上」「下」を使用しているが、この語
は、図に基づき便宜上使用しているもので有り、絶対的
な意味での「上」「下」を意味するものではない。
【0027】燃焼室側シリンダ室23a〜23d内に
は、後述するように燃焼室側ピストン保持部材5に保持
された燃焼室側ピストン3,4が嵌まり込んで摺動する
ようになっている。燃焼室側ピストン3,4は、例えば
図5(A)に示すように、その底面の両コーナー部分1
1を丸めた形状を成しており、その横断面形状を燃焼室
側シリンダ室23a〜23dの横断面形状に一致させて
いる。また、燃焼室側ピストン3,4の上面(燃焼室側
ピストン保持部材5との対向面)は平面となっている。
したがって、エンジン1が組み付けられると、燃焼室側
シリンダ室23a〜23dに対して燃焼室側ピストン
3,4の上面,両側面,底面は燃焼室側ピストン3,4
の全長に亘って面接触することになり、燃焼室側シリン
ダ室23a〜23dと燃焼室側ピストン3,4の間の気
密性が確保される。すなわち、燃料の混合気や燃焼ガ
ス、燃焼済みガスの漏れをより確実に防止することがで
きる。
【0028】なお、上述したように形成された燃焼室側
シリンダ室23a〜23dの長手方向の他端側(径方向
外側)は、回転シリンダ部材2の外周面に開放されてい
る。そのため、各燃焼室側シリンダ室23a〜23d
は、上ケース63に形成された吸気ポート79及び排気
ポート80に連通可能となっている。
【0029】なお、上述した各燃焼室側シリンダ室のう
ちの2つの燃焼室側シリンダ室23a,23bは、18
0度の位置に配置されており、燃焼室側ピストン3にと
って、それぞれ燃焼室側空洞部22を挟んで対向する一
対の部材となっている。そして、後述するように、燃焼
室側ピストン保持部材5の回転により、回転シリンダ部
材2と燃焼室側ピストン保持部材5とが相対回転する
と、燃焼室側ピストン3が燃焼室側空洞部22を経て燃
焼室側シリンダ室23a,23b間を見た目上の往復直
線運動を行い、燃焼室側シリンダ室23a,23b内の
双方に出入りするようになっている。
【0030】また、残りの2つの燃焼室側シリンダ室2
3cと23dも、180度の位置に配置されており、燃
焼室側ピストン4にとって、それぞれ燃焼室側空洞部2
2を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、
回転シリンダ部材2と燃焼室側ピストン保持部材5とが
相対回転すると、燃焼室側ピストン4が燃焼室側空洞部
22を経て燃焼室側シリンダ室23c,23d間を見た
目上の往復直線運動を行い、燃焼室側シリンダ室23
c,23d内の双方に出入りするようになっている。
【0031】燃焼室側ピストン保持部材5は、回転シリ
ンダ部材2の外径よりも小さい外径を有する円形形状で
形成されている。この燃焼室側ピストン保持部材5の燃
焼室側回転中心位置X5には、出力伝達部材である出力
軸51の一端が圧入により挿入固定されている。なお、
この燃焼室側ピストン保持部材5の燃焼室側回転中心位
置X5は、上述の回転シリンダ部材2の回転軸心oから
偏心した位置に設けられている。そして、出力軸51の
他端側は、ケーシング6内に配置された軸受け部材7に
回転自在に支承されている。
【0032】燃焼室側ピストン保持部材5の出力軸51
が突出する面と反対側の面には、燃焼室側ピストン3を
自転可能に保持する燃焼室側保持軸52と、燃焼室側ピ
ストン4を自転可能に保持する燃焼室側保持軸53とが
立設固定されている。
【0033】燃焼室側ピストン3は、往復直線運動時に
おける前後の面31,31が若干丸みを有するように形
成されている。また、燃焼室側ピストン3の中心部分に
は孔3aが形成されており、この孔3aに燃焼室側保持
軸52を挿入することで、燃焼室側ピストン3は燃焼室
側保持軸52に自転可能に保持される。
【0034】燃焼室側ピストン4も燃焼室側ピストン3
と同様、往復直線運動時における前後の面が若干丸みを
有するように形成されている。また、燃焼室側ピストン
4の中心部分には孔4aが形成されており、この孔4a
に燃焼室側保持軸53を挿入することで、燃焼室側ピス
トン4は燃焼室側保持軸53に自転可能に保持される。
【0035】この様に構成された燃焼室側回転機構70
は、ケーシング6の上ケース63内に収容されている。
また、回転シリンダ部材2の回転軸心oと燃焼室側ピス
トン保持部材5の回転中心位置X5は、回転シリンダ部
材2の図示しないピッチ円の半径の距離の1/2だけ離
れている。このため、後述するように、回転シリンダ部
材2の回転数対燃焼室側ピストン保持部材5の回転数対
燃焼室側ピストン3,4の対応するシリンダ室23a〜
23d間を往復する動作数の比は、1:2:1となる。
【0036】圧縮機側回転機構71は、燃焼室側回転機
構70と同様に、円形形状の回転シリンダ部材2と、1
80度離れた2つの偏心した圧縮機側自転中心位置(第
2の自転中心位置)X3,X4にそれぞれ圧縮機側ピス
トン(第2のピストン)8,9を回動可能に保持しかつ
回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心した位置を圧
縮機側回転中心位置(第2の回転中心位置)X6として
回転する圧縮機側ピストン保持部材(第2のピストン保
持部材)75とを有している。
【0037】なお、本実施形態では、燃焼室側の回転シ
リンダ部材(第1の回転シリンダ部材)と圧縮機側の回
転シリンダ部材(第2の回転シリンダ部材)とを同一の
回転シリンダ部材2として一体化している。即ち、図6
〜図8に示すように、円形材料の一側面に燃焼室側シリ
ンダ室23a〜23dを形成し、他側面に圧縮機側シリ
ンダ室73a〜73dを形成することで、回転シリンダ
部材2を構成している。
【0038】つまり、回転シリンダ部材2の他側面、す
なわち図1及び図2において下側の面には、4つの扇状
の台部65を利用して形成された十字状の空間が設置さ
れている。この十字状の空間は、圧縮機側空洞部72と
4つの圧縮機側シリンダ室73a,73b,73c,7
3dとから構成されている。すなわち、回転シリンダ部
材2の下側面には、回転軸心oを中心として所定の広さ
を備えかつ底面を有する圧縮機側空洞部72が形成され
ている。そして、この圧縮機側空洞部72内の回転軸心
oを中心として放射状に、4つの圧縮機側シリンダ室7
3a〜73dが設けられている。圧縮機側シリンダ室7
3a〜73dは下面部分が開放された溝形状をなしてお
り、この溝の横断面形状は詳しくは後述する圧縮機側ピ
ストン8,9の横断面形状と一致している。また、圧縮
機側シリンダ室73a〜73dの長手方向の一端側(中
央側)は圧縮機側空洞部72に連通している。そして、
圧縮機側シリンダ室73a〜73dの圧縮機側空洞部7
2側のコーナーには、小さな面取り(例えばC0.2)
が施されている。
【0039】なお、圧縮機側空洞部72の底面は、圧縮
機側シリンダ室73a〜73dに対応した形状となって
いる。即ち、圧縮機側シリンダ室73a〜73dの横断
面形状とこれらに連続する圧縮機側空洞部72の断面形
状は同一であり、厚肉の円板材料に十字状の溝を切削等
の方法で加工することで、圧縮機側空洞部72及び圧縮
機側シリンダ室73a〜73dより成る十字状の溝を形
成することができる。しかも、この十字状溝の形状は、
後述するように、その底面の両コーナー部分が丸みを帯
びた形状で良いため、その加工は極めて容易である。
【0040】圧縮機側シリンダ室73a〜73d内に
は、後述するように圧縮機側ピストン保持部材75に保
持された圧縮機側ピストン8,9が嵌まり込んで摺動す
るようになっている。すなわち、圧縮機側ピストン8,
9も燃焼室側ピストン3,4と同様に、その底面の両コ
ーナー部分を丸めた形状を成しており、その横断面形状
を圧縮機側シリンダ室73a〜73dの横断面形状に一
致させている。また、圧縮機側ピストン8,9の上面
(圧縮機側ピストン保持部材75との対向面)は平面と
なっている。したがって、エンジン1が組み付けられる
と、圧縮機側シリンダ室73a〜73dに対して圧縮機
側ピストン8,9の上面,両側面,底面は圧縮機側ピス
トン8,9の全長に亘って面接触することになり、圧縮
機側シリンダ室73a〜73dと圧縮機側ピストン8,
9の間の気密性が確保される。すなわち、燃料の混合気
の漏れをより確実に防止することができる。
【0041】なお、上述したように形成された圧縮機側
シリンダ室73a〜73dの長手方向の他端側(径方向
外側)は、回転シリンダ部材2の外周面に開放されてい
る。そのため、各圧縮機側シリンダ室73a〜73d
は、下ケース64に形成された吸込口61及び吐出口6
2に連通可能となっている。
【0042】各シリンダ室のうちの2つの圧縮機側シリ
ンダ室73a,73bは、180度の位置に配置されて
おり、圧縮機側ピストン8にとって、それぞれ圧縮機側
空洞部72を挟んで対向する一対の部材となっている。
そして、後述するように、圧縮機側ピストン保持部材7
5の回転により、回転シリンダ部材2と圧縮機側ピスト
ン保持部材75とが相対回転すると、圧縮機側ピストン
8が圧縮機側空洞部72を経て圧縮機側シリンダ室73
a,73b間を見た目上の往復直線運動を行い、圧縮機
側シリンダ室73a,73b内の双方に出入りするよう
になっている。
【0043】また、残りの2つの圧縮機側シリンダ室7
3cと73dも、180度の位置に配置されており、圧
縮機側ピストン9にとって、それぞれ圧縮機側空洞部7
2を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、
回転シリンダ部材2と圧縮機側ピストン保持部材75と
が相対回転すると、圧縮機側ピストン9が圧縮機側空洞
部72を経て圧縮機側シリンダ室73c,73d間を見
た目上の往復直線運動を行い、圧縮機側シリンダ室73
c,73d内の双方に出入りするようになっている。
【0044】なお、回転シリンダ部材2は、燃焼室側シ
リンダ室23a〜23d側が圧縮機側シリンダ室73a
〜73dよりも小径に形成されている。また、燃焼室側
シリンダ室23a〜23dと圧縮機側シリンダ室73a
〜73dとは、回転シリンダ部材2の回転方向に対し
て、例えば45度ずれている。ただし、ずらす角度は4
5度に限るものではないことは勿論である。各シリンダ
室23a〜23d,73a〜73dをずらして形成する
ことで、薄肉となる部分を分散し、回転シリンダ部材2
の強度を確保することができる。
【0045】圧縮機側ピストン保持部材75は、回転シ
リンダ部材2の外径よりも小さい外径を有する円形形状
で形成されている。圧縮機側ピストン保持部材75の圧
縮機側回転中心位置X6は、上述の回転シリンダ部材2
の回転軸心oから偏心した位置に設けられている。
【0046】圧縮機側ピストン保持部材75の回転シリ
ンダ部材2側の面には、圧縮機側ピストン8を自転可能
に保持する圧縮機側保持軸76と、圧縮機側ピストン9
を自転可能に保持する圧縮機側保持軸77とが立設固定
されている。
【0047】圧縮機側ピストン8は燃焼室側ピストン
3,4と同様、往復直線運動時における前後の面が若干
丸みを有するように形成されている。また、圧縮機側ピ
ストン8の中心部分には孔8aが形成されており、この
孔8aに圧縮機側保持軸76を挿入することで、圧縮機
側ピストン8は圧縮機側保持軸76に自転可能に保持さ
れる。
【0048】圧縮機側ピストン9は燃焼室側ピストン8
と同様、往復直線運動時における前後の面が若干丸みを
有するように形成されている。また、圧縮機側ピストン
9の中心部分には孔9aが形成されており、この孔9a
に圧縮機側保持軸77を挿入することで、圧縮機側ピス
トン9は圧縮機側保持軸77に自転可能に保持される。
【0049】この様に構成された圧縮機側回転機構71
は、ケーシング6の下ケース64内に収容されている。
また、回転シリンダ部材2の回転軸心oと圧縮機側ピス
トン保持部材75の回転中心位置X6は、回転シリンダ
部材2の図示しないピッチ円の半径の距離の1/2だけ
離れている。このため、後述するように、回転シリンダ
部材2の回転数対圧縮機側ピストン保持部材75の回転
数対圧縮機側ピストン8,9の対応するシリンダ室73
a〜73d間を往復する動作数の比は、1:2:1とな
る。
【0050】ケーシング6は、2つのケース半体、すな
わち燃焼室側回転機構70を回転自在に支持するための
上ケース63と、圧縮機側回転機構71を回転自在に支
持するための下ケース64とから構成されている。上ケ
ース63には、回転シリンダ部材2を回転自在に支持す
るスラスト軸受け面63bが形成されている。このスラ
スト軸受け面63bに対向して、台部25の外周部分に
はリブ25aが形成されている。また、下ケース64に
は、回転シリンダ部材2を回転自在に支持するスラスト
軸受け面64bが形成されている。このスラスト軸受け
面64bに対向して、扇形台部65の外周部分にはリブ
65aが形成されている。このように、各スラスト軸受
け面63b,64bによって回転シリンダ部材2の各台
部25,65の外周部分を平面受けすることで、回転シ
リンダ部材2の回転を安定させることができる。なお、
上ケース63と下ケース64は、各合わせ面63aと6
4aを重ね合わせてネジ78により固定される。
【0051】上ケース63には、図9に示すように、燃
焼室側回転機構70に対向する吸気ポート79と排気ポ
ート80が形成されている。吸気ポート79と排気ポー
ト80は回転シリンダ部材2を収容する内周面に形成さ
れたスリットで、回転シリンダ部材2が回転すると、各
燃焼室側シリンダ室23a〜23dとそれぞれ連なるよ
うになっている。すなわち、ポート79,80が各シリ
ンダ室23a〜23dにオーバーラップ(対向)すると
ポート79,80が開き、ポート79,80が各シリン
ダ室23a〜23dから外れるとポート79,80が閉
じることになり、開閉バルブとして機能する。
【0052】排気ポート80は排気通路81を介してケ
ーシング6の外に設けられた図示しない排気管や消音器
(マフラー)等に接続されている。この排気通路81
は、上ケース63の下ケース64に対する合わせ面63
aに形成された溝であり、上ケース63を下ケース64
に重ね合わすことで通路となる。また、吸気ポート79
は、排気ポート80に比べて、周方向に対して極めて狭
い範囲に形成されている。したがって、圧縮機側回転機
構71から供給された燃料混合気の圧力をあまり低下さ
せることなく、燃焼室側シリンダ室23a〜23dに充
填することができる。また、上ケース63にはスリット
状の燃焼口92が形成されている。燃焼口92は、回転
シリンダ部材2の回転方向に対して吸気ポート79の後
側に形成されている。この燃焼口92には燃焼手段とし
ての点火プラグ93を挿入するための孔97が連通して
いる。点火プラグ93は、例えばいわゆる焼玉であり、
最初に通電することで火種を生じさせ、その後はシリン
ダ室23a〜23d内の燃焼によって火種を維持するも
のである。燃焼室側シリンダ室23a〜23dが燃焼口
92にオーバーラップすることで燃焼が行われるので、
点火プラグ93によって常時火種を形成しておくことが
できる。即ち、燃焼させるタイミングを回転シリンダ部
材2等の回転によってとることができるので、燃焼手段
側でタイミングをとる必要がなくなり、その制御が簡単
になる。ただし、スパークプラグのように、燃焼室側シ
リンダ室23a〜23dが燃焼口92にオーバーラップ
するタイミングで点火させるものを使用しても良いこと
は勿論である。。
【0053】なお、回転シリンダ部材2に対して、吸気
ポート79は例えば約15度、燃焼口92は例えば約6
0度、排気ポート80は例えば約110度に亘って形成
されている。
【0054】一方、下ケース64には、図10に示すよ
うに、圧縮機側回転機構71に対向する吸込口61と吐
出口62が形成されている。吸込口61と吐出口62は
回転シリンダ部材2を収容する内周面に形成されたスリ
ットで、回転シリンダ部材2が回転すると、各圧縮機側
シリンダ室73a〜73dとそれぞれ連なるようになっ
ている。吸込口61は連通孔82を介してジョイント8
3に連通しており、図11に示す燃料供給系に接続され
ている。また、吐出口62は、吸込口61に比べて、回
転方向に対して極めて狭い範囲に形成されている。した
がって、圧縮機側ピストン8,9によって圧縮した圧縮
機側シリンダ室73a〜73d内の燃料の混合気を、高
圧のまま一気に吐出口62から排出することができる。
吐出口62は、圧縮混合気通路84を介して燃焼室側回
転機構70の吸気ポート79に連通されている。圧縮混
合気通路84は、上ケース63の合わせ面63aに形成
された溝で、上ケース63と回転シリンダ部材2に挟ま
れた通路となる。
【0055】なお、回転シリンダ部材2に対して、吸込
口61は例えば約80度、吐出口62は例えば約10度
に亘って形成されている。
【0056】各ケース63,64は合わせ面63a,6
4aに形成された凹凸の印篭構造によって正確に位置決
めした状態で重ね合わされる。本実施形態では、上ケー
ス63の合わせ面63aに凸部94を形成すると共に、
下ケース64の合わせ面64aに凹部95を形成し、凸
部94を凹部95にはめ込むことで各合わせ面63a,
64aを正確に位置決めし、ずれを防止し、燃焼室側回
転機構70と圧縮機側回転機構71のセンタ決めをして
いる。ただし、下ケース64の合わせ面64aに凸部9
4を、上ケース63の合わせ面63aに凹部95を形成
するようにしても良い。
【0057】また、各ケース63,64には、放熱用の
フィン96が多数形成されている。なお、フィン96を
形成する位置は、図示のものに限るものではなく適宜変
更可能である。
【0058】燃料供給系は、例えば図11に示すよう
に、空気取込み口85、フィルタ86、キャブレター8
7、燃料タンク88を備えて構成されている。圧縮機側
回転機構71の回転によって生じる負圧により空気取込
み口85から取り込まれた空気は、フィルタ86を通過
してキャブレター87に流入し、燃料タンク88から吸
い上げられた燃料と混合されて混合気となった後、ジョ
イント83から連通孔82を通じて吸込口61に吸い込
まれる。なお、キャブレター87に代えて燃料ノズルを
備え、加圧された燃料を燃料ノズルから空気の流れに向
けて噴霧して混合気を形成するようにしても良い。
【0059】このエンジン1は、背圧逃がし手段を備え
ている。この背圧逃がし手段は、作動中に回転シリンダ
部材2の両側間に発生する背圧を逃がして回転シリンダ
部材2や燃焼室側及び圧縮機側ピストン保持部材5,7
5等の相対回転を円滑にする為のもので、例えば、回転
シリンダ部材2を軸方向に貫通する孔12と、燃焼室側
ピストン保持部材5を貫通する孔13と、圧縮機側ピス
トン保持部材75を貫通する孔14である。回転シリン
ダ部材2を貫通する孔12は、回転シリンダ部材2の両
面の燃焼室側シリンダ室23a〜23dと圧縮機側シリ
ンダ室73a〜73dを避けた位置に設けられている。
燃焼室側ピストン保持部材5を貫通する孔13は、燃焼
室側保持軸52,53と同一周上に設けられている。圧
縮機側ピストン保持部材75を貫通する孔14は、圧縮
機側保持軸76,77と同一周上に設けられている。な
お、各貫通孔12〜14は、後述する潤滑オイルの循環
路ともなる。
【0060】ただし、各貫通孔12〜14に代えて、回
転シリンダ部材2,燃焼室側ピストン保持部材5,圧縮
機側ピストン保持部材75の外周面に溝を設けて通路を
形成したり、回転シリンダ部材2,燃焼室側ピストン保
持部材5,圧縮機側ピストン保持部材75の外周面に対
向する各ケース63,64の内壁に溝を設けてこれを通
路を形成しても良い。
【0061】また、このエンジン1は、潤滑オイル循環
機構を備えている。この潤滑オイル循環機構は、上ケー
ス63と下ケース64の間に形成されたオイルタンク8
9と、このオイルタンク89内のオイルを圧縮機側の支
持部材である下ケース64に形成された吸込口61に導
く第1のオイル通路90と、下ケース64内即ち圧縮機
側回転機構71を潤滑したオイルを吐出口62から燃焼
室側の支持部材である上ケース63に形成された吸気ポ
ート79に導く第2のオイル通路84と、上ケース63
内即ち燃焼室側回転機構70を潤滑したオイルを排気ポ
ート80の近傍からオイルタンク89に導く第3のオイ
ル通路91を備えて構成されている(図12〜図1
4)。オイルタンク89には、オイル供給穴891とオ
イル抜き穴892が形成されている。
【0062】第1のオイル通路90は、下ケース64の
合わせ面64aに溝を形成し、下ケース64と上ケース
63とを重ね合わせることでこれらの間に形成される通
路である。また、本実施形態では、圧縮混合気通路84
を上述の第2のオイル通路として利用している。また、
第3のオイル通路91は上ケース63に形成されてい
る。
【0063】この潤滑オイル循環機構では、回転シリン
ダ部材2とピストン保持部材5,75等の回転によって
オイルを循環させている。即ち、圧縮機側回転機構71
の回転により吸込口61付近の圧力がオイルタンク89
内の圧力よりも低下するので、オイルがオイルタンク8
9から第1のオイル通路90を通って吸込口61に移動
する。そして、吸込口61に移動したオイルは回転シリ
ンダ部材2等の回転によって圧縮機側回転機構71を潤
滑しながら吐出口62に移動し、圧縮された混合気と一
緒になって圧縮混合気通路84を吸気ポート79に向け
て流れる。吸気ポート79に流入したオイルは、回転シ
リンダ部材2等の回転によって燃焼室側回転機構70を
潤滑しながら排気ポート80に移動し、この排気ポート
80付近はオイルタンク89内よりも高圧になっている
ので、第3のオイル通路91を流れてオイルタンク89
内へと循環する。なお、各摺動面の潤滑は、燃料の混合
気によっても行われる。
【0064】なお、このエンジン1は、実際には図3及
び図4に示す姿勢で使用するものであり、オイルタンク
89は燃焼室側回転機構70と圧縮機側回転機構71の
下方に設けられている。そして、第1のオイル通路90
はオイルタンク89の底部に開口し、第3のオイルタン
ク91はオイルタンク89の天井部に開口している。ま
た、オイルタンク89には、図15に示すように、オイ
ル残量を確認するための窓98が形成されている。さら
に、オイル抜き、オイル供給のための穴892,891
が設けられ、ネジで塞がれている。
【0065】次に、エンジン1の動作について説明す
る。先ず最初に、図16(A)〜(F)に基づいて燃焼
室側回転機構70の動作原理について説明する。なお、
図16(A)〜(F)は、回転シリンダ部材2の回転角
にして15度おきに示したものである。
【0066】いま、燃焼室側シリンダ室23dに注目し
て説明すると、先ず、図16(A)の状態では、燃焼室
側シリンダ室23dは吸気ポート79の手前側に位置し
ており、燃焼室側ピストン4は燃焼室側シリンダ室23
dの最外周端部に位置している。
【0067】この状態で、点火プラグ93をオンし、出
力軸51を外部より時計回り方向に回転させると、燃焼
室側ピストン保持部材5と回転シリンダ部材2が回転
し、燃焼室側シリンダ室23dは吸気ポート79に対向
(オーバーラップ)し、また、燃焼室側ピストン4は燃
焼室側空洞部22に向けて移動し始める(図16
(B))。このため、圧縮機側回転機構71によって圧
縮された混合気が吸気ポート79から燃焼室側シリンダ
室23d内に流入し始める。
【0068】そして、燃焼室側ピストン保持部材5と回
転シリンダ部材2がさらに回転し続けることで(図16
(C))、燃焼室側シリンダ室23d内には十分な量の
圧縮混合気が充填される。この後、燃焼室側シリンダ室
23dに対して吸気ポート79が閉じた(図16
(D))後、さらに回転シリンダ部材2が回転すること
で燃焼室側シリンダ室23dが燃焼口92にオーバーラ
ップする(図16(E))ので、燃焼室側シリンダ室2
3d内の混合気が点火プラグ93によって点火される。
これにより、この混合気は一気に燃焼して急激に膨張
し、燃焼室側ピストン4を燃焼室側シリンダ室23cに
向けて移動させる(図16(F))。この移動力が後述
するように燃焼室側ピストン保持部材5と回転シリンダ
部材2の回転力となる。
【0069】この後、燃焼室側ピストン4は燃焼室側シ
リンダ室23dから燃焼室側シリンダ室23cに移動す
るが、燃焼室側ピストン保持部材5と回転シリンダ部材
2の更なる回転によって燃焼室側ピストン4は燃焼室側
シリンダ室23dに戻る。このとき、燃焼室側シリンダ
室23dは排気ポート80にオーバーラップしているの
で、即ち、燃焼室側シリンダ室23dが図16(E)に
記載されているシリンダ室23cの位置に移動している
ので、燃焼室側シリンダ室23d内の燃焼済みガスは排
気ポート80から排出される。
【0070】そして、以上の動作は各シリンダ室23a
〜23dについて順番に繰り返されるので、燃焼室側ピ
ストン保持部材5と回転シリンダ部材2は回転し続け
る。すなわち、エンジン1が回転し続ける。
【0071】この燃焼室側回転機構70では、燃焼室側
ピストン3,4が保持されている燃焼室側自転中心位置
X1,X2が燃焼室側回転中心位置X5に対してずれて
いることから、燃焼室側ピストン3,4が対応する燃焼
室側シリンダ室23a・23b,23c・23dを往復
移動する力は燃焼室側ピストン保持部材5を回転させる
力となる。また、燃焼室側ピストン保持部材5が回転す
ることで、燃焼室側ピストン3,4は燃焼室側回転中心
位置X5まわりに回転移動することになるので、回転シ
リンダ部材2を回転軸心oまわりに回転させることがで
きる。
【0072】燃焼室側ピストン保持部材5には出力軸5
1が固定されているので、燃焼室側回転機構70の作動
によって出力軸51が回転する。また、燃焼室側回転機
構70と圧縮機側回転機構71とでは回転シリンダ部材
2を共有しているので、燃焼室側回転機構70の作動に
よって圧縮機側回転機構71も作動することになる。
【0073】次に、圧縮機側回転機構71の作動原理を
図17(A)〜(F)に基づいて説明する。上述の燃焼
室側回転機構70では燃焼室側ピストン3,4の往復運
動によって燃焼室側ピストン保持部材5と回転シリンダ
部材2を回転運動させていたが、圧縮機側回転機構71
は回転シリンダ部材2の回転運動によって圧縮機側ピス
トン8,9を往復運動させて混合気を圧縮するものであ
る。この圧縮機側回転機構71では、吸気行程と圧縮行
程を交互に繰り返すことで混合気を圧縮する。
【0074】まず最初に吸気行程について、圧縮機側シ
リンダ室73dに着目して説明する。回転シリンダ部材
2の回転によって圧縮機側ピストン保持部材75が回転
すると、圧縮機側ピストン9は図17(A)に示す圧縮
機側シリンダ室73dの外側位置から圧縮機側空洞部7
2に向けて移動する(図17(B))。そして、圧縮機
側ピストン保持部材75と回転シリンダ部材2が図17
(C)に示す位置まで回転すると、圧縮機側シリンダ室
73dが吸込口61にオーバーラップするので、圧縮機
側ピストン9の移動に伴う負圧によって混合気が吸込口
61から圧縮機側シリンダ室73d内に吸い込まれる
(図17(D)〜(F))。そして、圧縮機側ピストン
保持部材75と回転シリンダ部材2がさらに回転する
と、圧縮機側シリンダ室73dが吸込口61から外れる
ので吸気行程が終了し、さらに、この圧縮機側シリンダ
室73dが図17(A)の圧縮機側シリンダ室73aの
位置まで回転すると、圧縮行程が開始される。
【0075】この圧縮行程を圧縮機側シリンダ室73a
に着目して説明する。回転シリンダ部材2の回転によっ
て圧縮機側ピストン保持部材75が回転すると、圧縮機
側ピストン8は圧縮機側空洞部72の位置から圧縮機側
シリンダ室73a内に進入する(図17(A)
(B))。そして、回転シリンダ部材2と圧縮機側ピス
トン保持部材75の更なる回転により、圧縮機側ピスト
ン8はシリンダ室73a内の外側位置に向けて移動する
(図17(C)(D))ので、圧縮機側シリンダ室73
a内の混合気が圧縮される。そして、この混合気が十分
圧縮されると(図17(E))、圧縮機側シリンダ室7
3aが吐出口62とオーバーラップし(図17
(F))、圧縮機側シリンダ室73a内の圧縮混合気が
圧縮混合気通路84に向けて圧送される。
【0076】以上の作動は、各圧縮機側シリンダ室73
a〜73dについて順番に繰り返されるので、ピストン
8,9は次々に混合気を圧縮して燃焼室側回転機構70
に供給する。
【0077】つまり、燃料供給系から供給される燃料混
合気は、吸込口61から圧縮機側シリンダ室73a〜7
3dに吸い込まれ圧縮機側ピストン8,9によって圧縮
された後、吐出口62から圧縮混合気通路84を通って
吸気ポート79に圧送される。そして、この吸気ポート
79から燃焼室側シリンダ室23a〜23d内に充填さ
れた混合気は、点火プラグ93によって点火されて燃焼
した後、燃焼済みガスとなって排気ポート80から排気
される。
【0078】このエンジン1では回転シリンダ部材2が
ケーシング6に対して回転することで、燃焼室側回転機
構70の各燃焼室側シリンダ室23a〜23dが吸気ポ
ート79,燃焼口92,排気ポート80に対して順番に
オーバーラップし、また、圧縮機側回転機構71の各圧
縮機側シリンダ室73a〜73dが吸込口61,吐出口
62に対して順番にオーバーラップする。即ち、回転シ
リンダ部材2の回転によって各シリンダ室23a〜23
d,73a〜73dを開閉することができる。このた
め、各通路を開閉するためにバルブ機構等の複雑な機構
が不要であり、レシプロエンジン等で必要とされるオー
バーヘッドカム機構等の複雑な給排気バルブ機構を備え
る必要がなくなり、簡単な構造の内燃エンジンを得るこ
とができる。また、吸気ポート79,燃焼口92,排気
ポート80,吸込口61,吐出口62の位置に応じて各
シリンダ室23a〜23d,73a〜73dが開閉する
タイミングが決定されるので、エンジン1の使用等によ
り開閉タイミングが狂うことがない。
【0079】また、各ピストン3,4,8,9は、回転
シリンダ部材2が1回転する間に対応するシリンダ室2
3a〜23d,73a〜73d間を1往復するようにな
っており、各ピストン3,4,8,9の往復動作数と回
転シリンダ部材2の回転数とが1:1の関係になってい
る。すなわち、回転シリンダ部材2の回転数対ピストン
保持部材5,75の回転数対ピストン3,4,8,9の
対応するシリンダ室間を往復する動作数の比が、1:
2:1となっている。
【0080】また、上述したように、ピストン3,4,
8,9の横断面形状と対応するシリンダ室の横断面形状
を一致させているので、エンジン1が組み付けられる
と、各シリンダ室に対してピストン3,4,8,9の上
面,両側面,底面はピストン3,4,8,9の全長に亘
って面接触することになり、各シリンダ室23a〜23
d,73a〜73dと各ピストン3,4,8,9の間の
気密性が確保される。すなわち、混合気の漏れをより確
実に防止することができ、効率の良いロータリ式エンジ
ンとすることができる。
【0081】また、燃焼室側回転機構70と圧縮機側回
転機構71とを分離させ、燃焼室側シリンダ室23a〜
23dで次々に燃焼を行うようにしているので、発生す
る回転力がとぎれることが無く、円滑に回転させること
ができる。
【0082】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0083】例えば、上述の各実施の形態では、ピスト
ン3,4,8,9の横断面形状と各シリンダ室23a〜
23d,73a〜73dの横断面形状を一致させること
で各ピストン3,4,8,9の周囲から混合気が漏れる
のを防止する構成となっているが、これに加え各ピスト
ン3,4,8,9と各シリンダ室23a〜23d,73
a〜73dとの間、すなわち対向面部分を磁性流体や粘
性グリス等で埋めるようにしてもよい。なお、磁性流体
で埋める場合は、各ピストン3,4,8,9内部に、磁
性流体を隙間部分に保持する保持手段としてのマグネッ
トを備えるようにしたり、シリンダ室23a〜23d,
73a〜73dを区切る扇状の台部25,65中にマグ
ネットを埋め込むようにしたり、またその両者にマグネ
ットを備えるようにするのが好ましい。
【0084】また、ピストン3,4,8,9の形状やシ
リンダ室23a〜23d,73a〜73dの横断面形状
は、図5に示したものに限るものではなく、例えば図1
8〜図22に示す異形状の横断面形状を有するものであ
っても良く、また、図23に示すものであっても良い。
さらに、その他の形状であっても良い。
【0085】また、上述の説明では、出力軸51を燃焼
室側回転機構70の燃焼室側ピストン保持部材5に取り
付けて燃焼室側回転機構70より出力を取り出すように
していたが、図24,図25に示すように、圧縮機側回
転機構71の圧縮機側ピストン保持部材75に取り付け
て圧縮機側回転機構71より出力を取り出すようにして
も良い。また、図示はしていないが、燃焼室側回転機構
70と圧縮機側回転機構71の両方から出力を取り出す
ようにしても良い。
【0086】また、上述の説明では、燃焼室側回転機構
70及び圧縮機側回転機構71のシリンダ室の数を4
つ,ピストンの数を2つとしていたが、必ずしもこの数
の組み合わせに限るものではない。例えば、シリンダ室
の数を6つ,ピストンの数を3としてもよい。即ち、燃
焼室側回転機構70及び圧縮機側回転機構71を、図2
6に示すような回転機構としても良い。この場合のシリ
ンダ室23a〜23fとピストン3A〜3Cの関係を、
図26に基づいて簡単に説明する。
【0087】図26の例では、ケーシング6内に6つの
シリンダ室23a〜23fと6つの扇状の台部25を備
えた回転シリンダ部材2が回転自在に配置されている。
そして、回転シリンダ部材2の偏心位置には、ピストン
保持部材5が回転自在に配置され、このピストン保持部
材5には、3つのピストン3A,3B,3Cが回転自在
に保持されている。なお、上述の場合と同様に、この回
転機構のケーシング6内に配置された回転シリンダ部材
2とピストン保持部材5の回転の比率は、ピストン保持
部材5の回転数が2に対して回転シリンダ部材2の回転
数が1である。
【0088】この例でも上述の場合と同様に、ピストン
保持部材5の回転により各ピストン3A〜3Cが図中時
計回り方向に回転すると、この動作に伴い回転シリンダ
部材2も同方向に回転するようになっている。これによ
り、ピストン3Aがシリンダ室23a,23b間を、ピ
ストン3Bがシリンダ室23c,23d間を、ピストン
3Cがシリンダ室23e,23f間を、それぞれ空洞部
22を横切りながら見た目上の往復運動するようになっ
ている。
【0089】なお、各ピストン3A〜3Cの長手方向の
寸法は、空洞部22を横切る際に、空洞部22の両側の
シリンダ室の内壁双方に係合することが可能なものとな
っている。したがって、各ピストン3A〜3Cは、空洞
部22を横切る際には両側のシリンダ室に同時に接触す
ることとなる。なお、各ピストン3A〜3Cは、空洞部
22を横切る際に互いに他のピストン3A〜3Cにぶつ
かり合わないように設計されているのは勿論である。こ
れにより、図26の例では、各ピストン3A〜3Cが常
時いずれかのシリンダ室にガイドされながら回転移動
し、その結果各ピストン3A〜3Cが各シリンダ室23
a〜23f内に確実に出入する。
【0090】なお、図26に示すような6つのシリンダ
室23a〜23f及び3つのピストン3A〜3Cを有す
るタイプの回転機構は、トルク変動が少ないものとな
る。また、シリンダ室の数及びピストンの数は、上述し
たものに限らず、シリンダ室の数を偶数としかつピスト
ンの数をシリンダ室の数の半分で構成すれば、シリンダ
室の数を2つとしたりあるいは8個以上としても良い。
また、ピストンの数は、シリンダ室の数の半分ではな
く、半分より少ない数としてもよい。
【0091】また、上述の場合には、排気通路81を各
ケース63,64の合わせ面63a,64aに沿って形
成していたが、例えば出力軸51の延びる方向と平行な
方向に形成しても良く、又は各部材に邪魔にならない方
向に引き回しても良い。
【0092】また、回転シリンダ部材2や各ピストン保
持部材5,75を、ボールベアリング等の転がり軸受け
や、メタル軸受け等の滑り軸受け、動圧軸受け等によっ
て支持するようにしても良い。
【0093】また、上述の説明では、ピストン3,4の
孔3a,4a内に保持軸52,53を直接挿入していた
が、これらの間にガイド駒44を介在させるようにして
も良い。ガイド駒44を図27に示す。ガイド駒44と
ピストン3,4の孔3a,4aとの間には、ピストン幅
方向に若干のがた付きが設けられている。したがって、
たとえ保持軸52,53の軸心とピストン3,4の自転
中心位置X1,X2がずれていたとしても当該ずれを吸
収しながらピストン3,4を回転中心位置Xを中心に回
転運動させることができる。このため、要求される部品
の加工精度を落とすことができ、加工が容易になって製
造コストを下げることができる。同様に、ピストン8,
9と保持軸76,77の間にガイド駒44を設けても良
く、この場合にも、たとえ保持軸76,77の軸心とピ
ストン8,9の自転中心位置X3,X4がずれていたと
しても当該ずれを吸収しながらピストン8,9を回転中
心位置X6を中心に回転運動させることができ、要求さ
れる部品の加工精度を落とすことができ、加工が容易に
なって製造コストを下げることができる。
【0094】また、燃焼室側回転機構70,圧縮機側回
転機構71の内部やオイルタンク89をメカニカルシー
ル等によりシールしても良い。
【0095】また、燃焼室側回転機構70を複数連結し
て多段式にしても良い。同様に、圧縮機側回転機構71
を複数連結して多段式にしても良い。
【0096】また、図28に示すように、回転シリンダ
部材2と各ケース63,64の間にそれぞれスラスト軸
受けプレート101を介在させるようにしても良い。こ
のスラスト軸受けプレート101は、例えば各ケース6
3,64の外側からそれぞれ例えば6本のねじによって
スラスト方向のがた付きを調整可能なものであり、6本
のうちの3本は押しねじ102、他の3本は引きねじ1
03となっている。押しねじ102と引きねじ103は
周方向に交互に並んで配置されている。各押しねじ10
2によってスラスト軸受けプレート101の端面を押
し、各引きねじ103をスラスト軸受けプレート101
のねじ孔にねじ込んで引っ張るようにすることで、スラ
スト軸受けプレート101の位置や角度を調整すること
ができる。各ねじ102,103とケース63,64の
間は、Oリングによってシールされている。また、潤滑
のため、同心状の受け面は2条となっており、潤滑オイ
ルを潤滑させるために、同心円を部分的にカットした形
状となっている。
【0097】また、使用する燃料は、ガソリンや軽油等
に限るものではなく、天然ガスやその他の気体燃料を使
用しても良い。
【0098】また、回転シリンダ部材2とピストン3,
4,8,9は鉄系材料、上ケース63、下ケース64は
アルミ系材料を使用することが望ましい。すなわち、線
膨張率がアルミ系材料>鉄系材料であり、温度分布は、
上ケース63,下ケース64<回転シリンダ部材2、ピ
ストン3,4,8,9であるので、発熱時に、外部の方
が当然温度は低いため、内部の寸法変化量<外部の寸法
変化量としておく。ただし、動作時に各部品のクリアラ
ンスは当然最適化されている。
【0099】さらに、上述の説明では、燃焼室側回転機
構70と圧縮機側回転機構71を同一のケーシング6内
に収容し、これらを一体化していたが、燃焼室側回転機
構70に対して圧縮機側回転機構71を別体にしても良
い。また、圧縮機側回転機構71としては、例えば、ベ
ーン型の回転圧縮機構等、公知の回転圧縮機構を使用し
ても良い。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のロ
ータリ式エンジンでは、第1の回転軸心を中心として形
成された第1の空洞部に連通し、該第1の空洞部を挟ん
で対向する少なくとも一対の第1のシリンダ室を有する
円形形状の第1の回転シリンダ部材と、第1の回転シリ
ンダ部材の第1の回転軸心から偏心した第1の回転中心
位置を中心として回転する第1のピストン保持部材と
を、第1の支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共
に、第1のピストン保持部材の第1の回転中心位置から
偏心した第1の自転中心位置には、その位置を中心とし
て回動可能に第1のピストンが保持され、第1の回転シ
リンダ部材と第1のピストン保持部材との相対回転によ
り第1のピストン自体が第1の自転中心位置を中心とし
て回動しながらかつ第1の回転中心位置を中心として回
転することによって一対の第1のシリンダ室の双方に出
入りすると共に、第1の支持部材に第1のシリンダ室に
連なる吸気ポート、燃焼口、燃焼手段及び排気ポートを
備え、吸気ポートより第1のシリンダ室に圧縮した燃料
の混合気を送り込み、燃焼手段を用いて燃焼口で燃焼さ
せて膨張させることで第1のピストンを動かして第1の
回転シリンダ部材と第1のピストン保持部材を相対回転
させると共に、第1の回転シリンダ部材と第1のピスト
ン保持部材のうち少なくとも一方の回転を出力する出力
伝達部材を備えているので、効率が良く、回転バランス
に優れたロータリ式エンジンを実現することができる。
また、ピストンとシリンダ室とを面接触させることがで
きるので、気密性を確保することができ、信頼性を向上
させることができる。
【0101】また、請求項2記載のロータリ式エンジン
では、第1の回転シリンダ部材又は第1のピストン保持
部材の回転によって回転駆動され、吸気ポートに燃料の
混合気を圧送する圧縮機構を備えているので、エンジン
の出力を利用して燃料の混合気を圧縮して第1のシリン
ダ室内に送り込むことができる。
【0102】また、請求項3記載のロータリ式エンジン
では、圧縮機構は、第2の回転軸心を中心として形成さ
れた第2の空洞部に連通し、該第2の空洞部を挟んで対
向する少なくとも一対の第2のシリンダ室を有する円形
形状の第2の回転シリンダ部材と、第2の回転シリンダ
部材の第2の回転軸心から偏心した第2の回転中心位置
を中心として回転する第2のピストン保持部材とを、第
2の支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、第
2のピストン保持部材の第2の回転中心位置から偏心し
た第2の自転中心位置には、その位置を中心として回動
可能に第2のピストンが保持され、第2の回転シリンダ
部材と第2のピストン保持部材との相対回転により第2
のピストン自体が第2の自転中心位置を中心として回動
しながらかつ第2の回転中心位置を中心として回転する
ことによって一対の第2のシリンダ室の双方に出入りす
ると共に、第2の支持部材に第2のシリンダ室に連なる
吸込口及び吐出口を備えており、第1の回転シリンダ部
材又は第1のピストン保持部材の回転によって第2の回
転シリンダ部材と第2のピストン保持部材を相対回転さ
せることで第2のピストンを動かして吸込口から第2の
シリンダ室内に吸い込んだ燃料の混合気を圧縮して吐出
口から吸気ポートに送り込むようにしているので、請求
項1記載のロータリ式エンジンと同様の動作原理に基づ
く回転機構によって圧縮機構を実現することができる。
このため、圧縮機構も効率が良く、回転バランスに優れ
たものとなる。
【0103】また、請求項4記載のロータリ式エンジン
では、円板材料の一側面に第1のシリンダ室を形成し、
他側面に第2のシリンダ室を形成することで、第1の回
転シリンダ部材と第2の回転シリンダ部材を一体化させ
ると共に、第1の支持部材と第2の支持部材を同一のも
のとしたので、圧縮機構を内部に備えるロータリ式エン
ジンを提供することができる。
【0104】また、請求項5記載のロータリ式エンジン
では、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室を回転方向
に対してずらして配置しているので、回転シリンダ部材
の強度を確保することができる。
【0105】また、請求項6記載のロータリ式エンジン
のように、ピストンのピストン保持部材側に対向する面
は平面とし、ピストン保持部材と面接触するようにして
も良い。
【0106】また、請求項7記載のロータリ式エンジン
では、第1の回転シリンダ部材の回転数対第1のピスト
ン保持部材の回転数対第1のピストンのシリンダ室間を
往復する動作数の比と、第2の回転シリンダ部材の回転
数対第2のピストン保持部材の回転数対第2のピストン
のシリンダ室間を往復する動作数の比が、1:2:1と
なっているので、各部材同士をバランス良く確実に無理
なく回転させることができ、回転時の振動や騒音を軽減
することができる。また、これにより摺動面の摩耗防止
を図ることができ、耐久性を向上させることができる。
【0107】また、請求項8記載のロータリ式エンジン
では、第1及び第2のピストンの横断面形状を異形状と
し、当該形状に第1及び第2のシリンダ室の横断面形状
を一致させているので、第1及び第2のピストンが摺動
するシリンダ室の両側壁を底面に対して垂直に形成せず
に済むので、シリンダ室の加工が容易になる。
【0108】また、請求項9記載のロータリ式エンジン
では、第1及び第2のピストンの横断面形状の異形状
は、第1及び第2のピストンの底面の両コーナー部分を
丸めた形状としているので、ピストンが摺動するシリン
ダ室のコーナー部分を丸めた形状にすること可能にな
り、シリンダ室の加工がより一層容易になる。
【0109】また、請求項10記載のロータリ式エンジ
ンでは、オイルタンクと、該オイルタンク内のオイルを
第2の支持部材の吸込口に導く第1のオイル通路と、第
2の支持部材内を潤滑したオイルを第2の支持部材の吐
出口から第1の支持部材の吸気ポートに導く第2のオイ
ル通路と、第1の支持部材内を潤滑したオイルを第1の
支持部材の排気ポートの近傍からオイルタンクに導く第
3のオイル通路を有し、第1及び第2の回転シリンダ部
材と第1及び第2のピストン保持部材の回転によってオ
イルを循環させる潤滑オイル循環機構を備えているの
で、エンジンの回転を利用して、摺動面にオイルを潤滑
させることができる。このため、安定した回転状態とな
り信頼性を向上させることができる。
【0110】また、請求項11記載のロータリ式エンジ
ンでは、第1及び第2の回転シリンダ部材と第1及び第
2のピストン保持部材の相対回転の抵抗となる背圧を減
少させる背圧逃がし手段を備えているので、回転シリン
ダ部材やピストン保持部材等の動きをスムーズにするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したロータリ式エンジンの実施形
態の一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1のロータリ式エンジンの縦断面図である。
【図3】図1のロータリ式エンジンを燃焼室側回転機構
側から見てその一部を切り欠いて示す図である。
【図4】図1のロータリ式エンジンを圧縮機側回転機構
側から見てその一部を切り欠いて示す図である。
【図5】ピストンの例を示し、(A)はピストンの斜視
図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図6】回転シリンダ部材を燃焼室側回転機構側から見
た図である。
【図7】回転シリンダ部材の側面図である。
【図8】回転シリンダ部材を圧縮機側回転機構側から見
た図である。
【図9】上ケースの合わせ面を示す図である。
【図10】下ケースの合わせ面を示す図である。
【図11】燃料供給系の概略構成図である。
【図12】潤滑オイル循環機構の動作を示し、(A)は
ピストンによって潤滑オイルが第3のオイル通路に戻さ
れる様子を示す図、(B)は(A)に続く状態を示す、
(C)は(B)に続く状態を示す図である。
【図13】図12(C)のG−E線に沿う断面図であ
る。
【図14】図12(C)のG−F線に沿う断面図であ
る。
【図15】図10のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】燃焼室側回転機構の作動原理を説明するため
の図で、(A)は一方のピストンが空洞部を横切り、他
方のピストンがシリンダ室の最奥部にまで進入した状態
を示す図、(B)は(A)の状態から回転シリンダ部材
の回転角で15度だけ回転した状態を示す図、(C)は
(B)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に15
度だけ回転した状態を示す図、(D)は(C)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に15度だけ回転した
状態を示す図、(E)は(D)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に15度だけ回転した状態を示す図、
(F)は(E)の状態から回転シリンダ部材の回転角で
更に15度だけ回転した状態を示す図である。
【図17】圧縮機側回転機構の作動原理を説明するため
の図で、(A)は一方のピストンが空洞部を横切り、他
方のピストンがシリンダ室の最奥部にまで進入した状態
を示す図、(B)は(A)の状態から回転シリンダ部材
の回転角で15度だけ回転した状態を示す図、(C)は
(B)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に15
度だけ回転した状態を示す図、(D)は(C)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に15度だけ回転した
状態を示す図、(E)は(D)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に15度だけ回転した状態を示す図、
(F)は(E)の状態から回転シリンダ部材の回転角で
更に15度だけ回転した状態を示す図である。
【図18】ピストンの第2の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図19】ピストンの第3の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図20】ピストンの第4の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図21】ピストンの第5の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図22】ピストンの第6の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図23】ピストンの第7の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図24】本発明を適用したロータリ式エンジンの他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図25】図24のロータリ式エンジンの側面図であ
る。
【図26】燃焼室側回転機構及び圧縮機側回転機構の他
の形態の作動原理を説明するための図で、(A)は3つ
のピストンのうちの1つがシリンダ室の最奥部にまで進
入している状態を示す図、(B)は(A)の状態から回
転シリンダ部材の回転角で10度だけ回転した状態を示
す図、(C)は(B)の状態から回転シリンダ部材の回
転角で更に10度だけ回転した状態を示す図、(D)は
(C)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に10
度だけ回転した状態を示す図、(E)は(D)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に10度だけ回転した
状態を示す図、(F)は(E)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に10度だけ回転した状態を示す図で
ある。
【図27】ガイド駒を示す平面図である。
【図28】スラスト軸受けプレートを使用した例を示す
ロータリ式エンジンの断面図である。
【符号の説明】
1 ロータリ式エンジン 2 回転シリンダ部材 3,4 燃焼室側ピストン(第1のピストン) 5 燃焼室側ピストン保持部材(第1のピストン保持部
材) 6 ケーシング(支持部材) 8,9 圧縮機側ピストン(第2のピストン) 12 孔(背圧逃がし手段) 13 孔(背圧逃がし手段) 14 孔(背圧逃がし手段) 22 燃焼室側空洞部(第1の空洞部) 23a〜23d 燃焼室側シリンダ室(第1のシリンダ
室) 51 出力軸(出力伝達部材) 61 吸込口 62 吐出口 72 圧縮機側空洞部(第2の空洞部) 73a〜73d 圧縮機側シリンダ室(第2のシリンダ
室) 79 吸気ポート 80 排気ポート 92 燃焼口 93 点火プラグ(燃焼手段) o 回転軸心 X1,X2 燃焼室側自転中心位置(第1の自転中心位
置) X3,X4 圧縮機側自転中心位置(第2の自転中心位
置) X5 燃焼室側回転中心位置(第1の回転中心位置) X6 圧縮機側回転中心位置(第2の回転中心位置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 23/02 F04C 23/02 A (72)発明者 中村 優樹 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内 (72)発明者 竹内 智大 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内 Fターム(参考) 3G013 AA11 BA03 BC04 BD00 BD46 BD47 3H029 AA01 AA05 AA09 AA17 AB01 AB02 BB01 BB16 BB18 BB21 BB24 BB31 BB32 BB33 BB41 BB42 BB44 CC02 CC07 CC19 CC22 CC26 CC32 CC38

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の回転軸心を中心として形成された
    第1の空洞部に連通し、該第1の空洞部を挟んで対向す
    る少なくとも一対の第1のシリンダ室を有する円形形状
    の第1の回転シリンダ部材と、上記第1の回転シリンダ
    部材の第1の回転軸心から偏心した第1の回転中心位置
    を中心として回転する第1のピストン保持部材とを、第
    1の支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、上
    記第1のピストン保持部材の上記第1の回転中心位置か
    ら偏心した第1の自転中心位置には、その位置を中心と
    して回動可能に第1のピストンが保持され、上記第1の
    回転シリンダ部材と上記第1のピストン保持部材との相
    対回転により上記第1のピストン自体が上記第1の自転
    中心位置を中心として回動しながらかつ上記第1の回転
    中心位置を中心として回転することによって上記一対の
    第1のシリンダ室の双方に出入りすると共に、上記第1
    の支持部材に上記第1のシリンダ室に連なる吸気ポー
    ト、燃焼口、燃焼手段及び排気ポートを備え、上記吸気
    ポートより上記第1のシリンダ室に圧縮した燃料の混合
    気を送り込み、上記燃焼手段を用いて上記燃焼口で燃焼
    させて膨張させることで上記第1のピストンを動かして
    上記第1の回転シリンダ部材と第1のピストン保持部材
    を相対回転させると共に、上記第1の回転シリンダ部材
    と第1のピストン保持部材のうち少なくとも一方の回転
    を出力する出力伝達部材を備えたことを特徴とするロー
    タリ式エンジン。
  2. 【請求項2】 前記第1の回転シリンダ部材又は第1の
    ピストン保持部材の回転によって回転駆動され、前記吸
    気ポートに燃料の混合気を圧送する圧縮機構を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載のロータリ式エンジン。
  3. 【請求項3】 前記圧縮機構は、第2の回転軸心を中心
    として形成された第2の空洞部に連通し、該第2の空洞
    部を挟んで対向する少なくとも一対の第2のシリンダ室
    を有する円形形状の第2の回転シリンダ部材と、上記第
    2の回転シリンダ部材の第2の回転軸心から偏心した第
    2の回転中心位置を中心として回転する第2のピストン
    保持部材とを、第2の支持部材にそれぞれ回転自在に支
    持すると共に、上記第2のピストン保持部材の上記第2
    の回転中心位置から偏心した第2の自転中心位置には、
    その位置を中心として回動可能に第2のピストンが保持
    され、上記第2の回転シリンダ部材と上記第2のピスト
    ン保持部材との相対回転により上記第2のピストン自体
    が上記第2の自転中心位置を中心として回動しながらか
    つ上記第2の回転中心位置を中心として回転することに
    よって上記一対の第2のシリンダ室の双方に出入りする
    と共に、上記第2の支持部材に上記第2のシリンダ室に
    連なる吸込口及び吐出口を備えており、前記第1の回転
    シリンダ部材又は第1のピストン保持部材の回転によっ
    て上記第2の回転シリンダ部材と第2のピストン保持部
    材を相対回転させることで上記第2のピストンを動かし
    て上記吸込口から上記第2のシリンダ室内に吸い込んだ
    燃料の混合気を圧縮して上記吐出口から前記吸気ポート
    に送り込むことを特徴とする請求項2記載のロータリ式
    エンジン。
  4. 【請求項4】 円板材料の一側面に前記第1のシリンダ
    室を形成し、他側面に前記第2のシリンダ室を形成する
    ことで、前記第1の回転シリンダ部材と第2の回転シリ
    ンダ部材を一体化させると共に、前記第1の支持部材と
    第2の支持部材を同一のものとしたことを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載のロータリ式エンジン。
  5. 【請求項5】 前記第1のシリンダ室と第2のシリンダ
    室を回転方向に対してずらして配置したことを特徴とす
    る請求項4記載のロータリ式エンジン。
  6. 【請求項6】 上記ピストンの上記ピストン保持部材側
    に対向する面は平面とし、上記ピストン保持部材と面接
    触することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載のロータリ式エンジン。
  7. 【請求項7】 前記第1の回転シリンダ部材の回転数対
    前記第1のピストン保持部材の回転数対前記第1のピス
    トンの前記シリンダ室間を往復する動作数の比と、前記
    第2の回転シリンダ部材の回転数対前記第2のピストン
    保持部材の回転数対前記第2のピストンの前記シリンダ
    室間を往復する動作数の比が、1:2:1となっている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のロ
    ータリ式エンジン。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のピストンの横断面形
    状を異形状とし、当該形状に前記第1及び第2のシリン
    ダ室の横断面形状を一致させたことを特徴とする請求項
    1から7のいずれかに記載のロータリ式エンジン。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のピストンの横断面形
    状の異形状は、前記第1及び第2のピストンの底面の両
    コーナー部分を丸めた形状であることを特徴とする請求
    項8記載のロータリ式エンジン。
  10. 【請求項10】 オイルタンクと、該オイルタンク内の
    オイルを前記第2の支持部材の吸込口に導く第1のオイ
    ル通路と、前記第2の支持部材内を潤滑したオイルを前
    記第2の支持部材の吐出口から前記第1の支持部材の吸
    気ポートに導く第2のオイル通路と、前記第1の支持部
    材内を潤滑したオイルを前記第1の支持部材の排気ポー
    トの近傍から上記オイルタンクに導く第3のオイル通路
    を有し、前記第1及び第2の回転シリンダ部材と前記第
    1及び第2のピストン保持部材の回転によって上記オイ
    ルを循環させる潤滑オイル循環機構を備えたことを特徴
    とする請求項1から9のいずれかに記載のロータリ式エ
    ンジン。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2の回転シリンダ部材
    と第1及び第2のピストン保持部材の相対回転の抵抗と
    なる背圧を減少させる背圧逃がし手段を備えたことを特
    徴とする請求項1から10のいずれかに記載のロータリ
    式エンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114922713A (zh) * 2022-05-26 2022-08-19 江西中发天信航空发动机科技有限公司 一种滴灌式轴承润滑结构及短寿命航空发动机

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