JP2001236622A - ヘッドスライダ - Google Patents

ヘッドスライダ

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JP2001236622A
JP2001236622A JP2000046646A JP2000046646A JP2001236622A JP 2001236622 A JP2001236622 A JP 2001236622A JP 2000046646 A JP2000046646 A JP 2000046646A JP 2000046646 A JP2000046646 A JP 2000046646A JP 2001236622 A JP2001236622 A JP 2001236622A
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JP
Japan
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air
disk medium
head slider
protrusion
projection
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Application number
JP2000046646A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ueno
善弘 上野
Masaru Nakakita
勝 中北
Koji Taniguchi
康二 谷口
Kaoru Matsuoka
薫 松岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライダの振動を抑制し、空気潤滑面近傍、
特に正圧を発生する上段面近傍の空気流を乱すことのな
いヘッドスライダを提供する。 【解決手段】 本発明に係るヘッドスライダは、ディス
ク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入端と空気流出端
とを有するスライダであって、空気潤滑面は上段面と、
上段面よりディスク媒体方向と逆方向に深さを有する中
段面と、中段面より深い下段面を少なくとも有し、下段
面に形成され、かつディスク媒体方向高さが上段面より
高い突起を少なくとも1個以上具備したことを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク装置等に
用いられているヘッドスライダに関し、特にスライダの
空気潤滑面に突起が形成されているヘッドスライダに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置の記録密度の向
上は著しく、その記録密度の増加は年率100%ともい
われている。磁気ディスク装置では、ディスク媒体と磁
気ヘッドを搭載したスライダとの接触による摩耗損傷を
避けるために、ディスク媒体が停止している状態ではス
ライダをディスク媒体に接触させ、ディスク媒体が回転
しディスク媒体と磁気ヘッドとの間で記録再生を行う際
には、ディスク媒体の回転で発生する空気流によって、
スライダをディスク媒体より浮上させるようにした、コ
ンタクト・スタート・ストップ(CSS)方式といわれ
る起動停止方式が採用されている。
【0003】磁気ディスク装置では、記録密度の増加に
ともない、スライダのディスク媒体に対する浮上量は小
さくなる傾向にある。この浮上量の低下はスライダの空
気潤滑面を複数の高さの異なる略平面で形成し、スライ
ダとディスク媒体との隙間が小さくなるように高く形成
された平面で正圧を発生し、スライダとディスク媒体と
の隙間が大きくなるように低く形成された平面で負圧を
発生し、正圧と負圧とをバランスして浮上するいわゆる
負圧利用型スライダによって達成されるものである。
【0004】しかしスライダの浮上量が小さくなると記
録再生を行うディスク媒体回転中にもスライダがディス
ク媒体に接触し、スライダあるいはディスク媒体が損傷
する問題がある。
【0005】そこでスライダの浮上量を小さくする際に
は、ディスク媒体の表面あらさを小さくしてディスク媒
体とスライダの接触を防止することが行われている。し
かしながら、ディスク媒体の表面あらさが小さくなると
ディスク媒体停止時のスライダとディスク媒体との真実
接触面積が大きくなり、吸着力が大きくなる。吸着力が
大きければ、ディスク媒体回転始動時のモータ負荷が大
きくなったり、最悪の場合スライダがサスペンションか
ら脱落してしまう。
【0006】そこで吸着力を小さくするために、スライ
ダのディスク媒体に対向する空気潤滑面に複数の突起を
設けてディスク媒体との接触面積を小さくすることが、
例えば特開平9−293223号公報、特開平10−2
69736号公報等に記載されている。
【0007】また、特開平9−293223号公報に
は、空気流出端側に形成される突起の高さを空気流入端
側に形成される突起の高さより小さくすることで、ディ
スク媒体停止時のスライダを前方部が持ち上がった状態
にすることで、起動時のスライダの浮き上がりを良く
し、ディスク媒体とスライダの摺動距離を短くできるこ
とが記載されている。
【0008】また、特開平10−269736号公報に
は、突起を長手方向に長い玉子型に形成することで、突
起の面積を確保しつつ、浮上方向に対しての摩擦が大き
くなって摩耗するのを防止できることが記載されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】空気潤滑面に突起を設
けて吸着力を小さくしようとする場合、一般的に突起は
空気潤滑面から30nm〜40nm程度の高さに突出形
成される。これは突起が例えば5nm〜10nm程度に
低く突出形成されている場合、ディスク媒体表面に塗布
された潤滑剤のメニスカス力によって潤滑剤が突起側面
を伝って、空気潤滑面を覆ってしまい吸着力を小さくす
ることができないためである。しかし現在スライダの浮
上量は25nm以下の領域であり、突起の高さよりも小
さい。そこで、スライダが浮上している際、磁気ヘッド
が搭載されているスライダ空気流出端の浮上量は25n
mとし、スライダ空気流入端の浮上量は例えば200n
mと大きくして、突起とディスク媒体との隙間をスライ
ダ空気流出端とディスク媒体との隙間より大きくして接
触を防ぐ必要がある。
【0010】このようにいわゆるピッチ角を大きくした
場合、スライダとディスク媒体との間に形成される空気
膜の剛性が低下してしまい、スライダの浮上姿勢が不安
定になるという問題がある。さらに、突起をスライダの
正圧を発生する平面に設けることで、空気潤滑面近傍の
空気流を乱してしまい、スライダの浮上姿勢が不安定に
なるという問題がある。あるいは空気流入端側の突起を
空気流出端側の突起より高く形成し、ディスク媒体回転
始動時のスライダとディスク媒体との間への空気の流入
を促進することで、スライダとディスク媒体との摺動距
離を短くするためには、空気流入端側の突起と空気流出
端側の突起の高さを変えて形成しなければならないの
で、加工工程が複雑になるという問題がある。
【0011】本発明はこのような不都合に鑑みて創案さ
れたものであって、空気潤滑面近傍、特に正圧を発生す
る上段面近傍の空気流を乱すことのないヘッドスライダ
の提供を目的としている。
【0012】さらに、本発明は、空気潤滑面を流れる空
気流を乱すことのないヘッドスライダの提供を目的とし
ている。
【0013】さらに、本発明は、スライダの空気膜剛性
を高くし、かつスライダとディスク媒体との摺動距離を
短くできるヘッドスライダの提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヘッドスラ
イダは、ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入
端と空気流出端とを有するヘッドスライダであって、該
空気潤滑面は、上段面と、該上段面より該ディスク媒体
方向と逆方向に深さを有する中段面と、該中段面より深
い下段面とを少なくとも有し、該空気潤滑面は、該下段
面に形成される突起を少なくとも1個以上有し、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0015】前記突起の前記ディスク媒体方向高さが前
記上段面より高くてもよい。
【0016】前記突起は前記ディスク媒体に平行な方向
に前記上段面から50μm以上離間して形成されてもよ
い。
【0017】本発明に係る他のヘッドスライダは、ディ
スク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入端と空気流出
端とを有するヘッドスライダであって、該空気潤滑面
は、上段面と、該上段面より該ディスク媒体方向に深い
少なくとも2つ以上の略平面と、該ディスク媒体方向に
高さの異なる略平面に形成した突起とを有し、空気流入
端側の第1突起が配設された略平面は、空気流出端側の
第2突起が配設された略平面よりディスク媒体方向と逆
方向に深く、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】前記第1突起と前記第2突起とは前記上段
面より前記ディスク媒体方向に高くなるように形成され
てもよい。
【0019】前記第1突起は前記第2突起より高くても
よい。
【0020】本発明に係るさらに他のヘッドスライダ
は、ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入端と
空気流出端とを有するヘッドスライダであって、該空気
潤滑面は、上段面と、該上段面より該ディスク媒体方向
に深い少なくとも1つ以上の略平面と、該上段面に形成
される第1突起と、該略平面に形成される第2突起とを
有し、該第1突起は、該第2突起に対して該空気流入端
に形成され、該第2突起は、該上段面より該ディスク媒
体方向に高くなるように形成され、該第1突起は該第2
突起より高く、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】本発明に係るさらに他のヘッドスライダ
は、ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入端と
空気流出端とを有するヘッドスライダであって、空気潤
滑面は上段面と、上段面よりディスク媒体方向と逆方向
に深さを有する中段面と、中段面より深い下段面を少な
くとも有し、空気流入端側の幅が大きく、空気流出端側
の幅を狭めた玉子型に形成される突起を少なくとも1個
以上有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】前記突起の前記ディスク媒体方向高さが前
記上段面より高くてもよい。本発明に係るさらに他のヘ
ッドスライダは、ディスク媒体に対向する空気潤滑面と
空気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであ
って、該空気潤滑面は上段面と、該上段面より該ディス
ク媒体方向と逆方向に深さを有する中段面と、該中段面
より深い下段面とを少なくとも有し、該上段面あるいは
該中段面に形成される少なくとも1個以上の突起を有
し、該突起は、該上段面より所定の高さだけ突出し、該
高さは、好ましくないフリクションが発生しない程度に
十分高く、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】前記高さは、5nm以上であってもよい。
【0024】前記突起が形成される前記上段面あるいは
前記中段面の面積に対する該突起の前記ディスク媒体に
対向する面の面積の比率は、好ましくない前記フリクシ
ョンが発生しない程度に十分高くてもよい。
【0025】前記比率は、4分の1以上であってもよ
い。すべての前記突起の面積の和は、好ましくない前記
フリクションが発生しない程度に十分小さくてもよい。
【0026】前記面積の和は、0.03mm2以下であ
ってもよい。
【0027】本発明に係るさらに他のヘッドスライダ
は、ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空気流入端と
空気流出端とを有するヘッドスライダであって、該空気
潤滑面は、該ディスク媒体方向に高さの異なる第1およ
び第2略平面と、該第1略平面に形成される第1突起
と、該第2略平面に形成される第2突起とを有し、該第
1突起は、該第2突起に対して該空気流入端側に形成さ
れ、該第2略平面は、該第1略平面よりも該ディスク媒
体方向と逆方向に深く、該第1突起の該第1略平面から
の突起高さと該第2突起の該第2略平面からの突起高さ
とは実質的に等しくてもよい。
【0028】この発明によれば、潤滑剤の伝達を防ぐに
十分な突起高さを確保し、かつ上段面からの突出を小さ
くするとともに、空気潤滑面近傍、特に正圧を発生する
上段面近傍の空気流を乱すことがなく、スライダの浮上
姿勢を安定させることができるという優れた効果が得ら
れる。
【0029】この発明によれば、空気流出端側突起の上
段面からの高さを小さくすることが可能であり、ピッチ
角を小さくでき、空気膜剛性を確保し安定した浮上姿勢
が得られるとともに、ディスク媒体停止時のスライダを
前方部が持ち上がった状態にすることで、起動時のスラ
イダの浮き上がりを良くし、ディスク媒体とスライダの
摺動距離を短くできるという優れた効果が得られる。
【0030】この発明によれば、突起の面積を確保しつ
つ、浮上方向に対しての摩擦が大きくなって摩耗するの
を防止でき、かつ突起の後流を乱すことがないのでスラ
イダの浮上姿勢を安定にできるという優れた効果が得ら
れる。
【0031】突起を下段面に配設し、上段面より突出す
るように形成する場合、突起高さを大きくする必要があ
るが、この発明によれば、何ら突起を高く形成すること
なく、ディスク媒体との吸着を防止することが可能であ
り、かつスライダの浮上姿勢を安定にできるという優れ
た効果が得られる。
【0032】この発明によれば、すべての突起を同時形
成、同一高さに形成しても、空気流入端側に形成した突
起の上段面からの突出を空気流出端側に形成した突起の
上段面からの突出よりも大きくすることが可能であり、
何ら複雑な加工工程を経ることなくディスク媒体停止時
のスライダを前方部が持ち上がった状態にすることで、
起動時のスライダの浮き上がりを良くし、ディスク媒体
とスライダの摺動距離を短くできるという優れた効果が
得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0034】(実施の形態1)図1はディスク装置の内
部の斜視図である。図2は磁気ディスク装置の断面図で
ある。磁気ディスク装置はハウジングカバー(図示せ
ず)により覆われている。アクチュエータ軸20に回転
可能に取り付けられたアクチュエータ・アームの組5の
それぞれの先端には、サスペンション14が取り付けら
れている。それぞれのサスペンション14の先端には、
磁気変換器あるいは読み取り書き込みヘッド99(図1
には図示せず)を運ぶ磁気ヘッドスライダ3が取り付け
られている。
【0035】ハウジング7内には主軸1が装着されてい
る。主軸1には、多数の磁気ディスク媒体2が回転可能
に間隔をあけて取り付けられている。磁気ディスク媒体
2は、モーター8によって回転する主軸1とともに矢印
Aで示す方向に回転する。磁気ヘッドスライダ3の中に
あって、アクチュエータ・アームの組5で位置決めされ
るヘッド99(図示せず)によって、情報が磁気ディス
ク媒体2上に書き込まれあるいは磁気ディスク媒体2か
ら読み取られる。
【0036】磁気ディスク媒体2のそれぞれの表面と裏
面の両方に磁気ヘッドスライダ3が設けられており,各
磁気ディスク媒体2の表面と裏面に情報が書き込まれあ
るいは磁気ディスク媒体2から読み取られる.ボイスコ
イルモータ6によって、アクチュエータの組5に動力が
あたえられ、アクチュエータアーム5はアクチュエータ
軸20の周りを回転する。
【0037】磁気ヘッドスライダ3とそれに一体化され
た磁気変換器(図示せず)は、データの磁気的表示を磁
気ディスク媒体2上のどのトラックにでも記憶できるよ
うに磁気ディスク媒体2の表面上を動く。磁気ディスク
装置中では、この変換器の動きは、アクチュエータ軸2
0周りの回転によるものである。アクチュエータ・アー
ム5を回転させることで、磁気ヘッドスライダ3及びそ
の中の変換器は、磁気ディスク媒体2の表面上のどのト
ラックの上にでも位置することができる。
【0038】図3は、磁気ディスク媒体2の中の一枚を
上から見た詳細図である。磁気ディスク装置の技術とし
てよく知られているように、それぞれの磁気ディスク媒
体2には、磁気情報が記録される同心状のトラックの列
がある。内直径(ID)11は、データが記憶される最
も内側の同心トラックである。外直径(OD)12は、
データが記憶される最も外側の同心トラックである。
【0039】CSSゾーン13は、ID11の内周にト
ラック状に構成されている。磁気ディスク媒体2の回転
が停止している状態では、磁気ヘッドスライダ3はCS
Sゾーン13上に接触状態で待機している。
【0040】図4(a)、図4(b)および図4(c)
はCSSを説明する模式図である。CSSゾーン13に
は磁気ディスク媒体2と磁気ヘッドスライダ3との吸着
を防ぐために磁気ディスク媒体2表面上に周期的なバン
プと呼ばれる突起が形成されていて、本実施の形態1に
おけるバンプ高さは5nm、潤滑剤の厚さは2nmであ
る。また磁気ヘッドスライダ3と磁気ディスク媒体2と
の吸着を防ぐために、磁気ヘッドスライダ3の磁気ディ
スク媒体2と対向する空気潤滑面30には、吸着防止用
の突起101、102が配設されている。通常、この突
起は空気潤滑面30にシリコン膜およびDLC膜を所望
の厚さに積層した後、パターニングによって形成される
ものである。
【0041】図4(a)に示すように、磁気ディスク媒
体2が回転停止している状態では、磁気ヘッドスライダ
3はサスペンション14によってピボット15を介して
磁気ディスク媒体3表面に押圧されていて、空気潤滑面
30に形成された突起101、102が磁気ディスク媒
体2と接触するようにされている。
【0042】磁気ディスク媒体2が回転を始めると、空
気流が磁気ディスク媒体2表面と空気潤滑面30との間
に流入し、磁気ヘッドスライダ3は、図4(b)に示す
ように磁気ディスク媒体2の回転速度の増加にともなっ
て、徐々に磁気ディスク媒体2から浮上する。
【0043】図4(c)に示すように、磁気ディスク媒
体2の回転速度が所定の回転速度、本実施の形態1では
3000rpmより大きくなった際には、磁気ヘッドス
ライダ3は磁気ディスク媒体2表面から浮上し、非接触
の状態となる。さらに記録再生を行う一定の回転速度、
本実施の形態1では7200rpmまで加速された際に
は、ピッチ角θをもって浮上し、突起102が空気流出
端42よりも高くなるようにされる。
【0044】図5に、磁気ヘッドスライダ3の空気潤滑
面30の形状を示す。空気潤滑面30は、磁気ヘッドス
ライダ3の下面に形成され、磁気ディスク媒体2に対向
している。空気潤滑面30の形状は、型成形、エッチン
グ、レーザ切削加工、イオン粉砕加工、汎用の機械加
工、あるいは他の種々の方法によって形成される。
【0045】空気潤滑面30は上段面31、中段面3
2、下段面33の3段階の互いに略平行な、平坦面で構
成されている。図5において、上段面31は白抜きで示
し、中段面32は間隔があらいハッチングで示し、下段
面33は間隔が密なハッチングで示している。
【0046】空気潤滑面30の構造を説明する。空気潤
滑面30には、空気流入端41、空気流出端42、内周
側端43から所定間隔隔てて形成したクロスレール34
と、空気流入端41、内周側端43から所定間隔隔てら
れ空気流出端42まで形成された内側のサイドレール3
5と、空気流入端41、外周側端44から所定間隔隔て
られ空気流出端42まで形成された外側のサイドレール
36とを相互につないで中段面32が構成されている。
【0047】中段面32上にクロスレール37と内側の
サイドレール38と外側のサイドレール39が上段面3
1として構成されている。中段面32に囲まれる形で形
成された負圧発生凹部48が構成されている。
【0048】空気流入端41は磁気ディスク媒体2の表
面が回転する方向に向いている。回転する磁気ディスク
媒体2は、粘性効果によって、磁気ディスク媒体2の摺
動方向の空気流を空気流入端41から空気潤滑面30下
に流入させる。
【0049】空気流により空気潤滑面30に発生する圧
力で磁気ヘッドスライダ3を磁気ディスク媒体2から遠
ざける方向に作用する圧力を正圧と呼び、磁気ヘッドス
ライダ3を磁気ディスク媒体2に近づける方向に作用す
る圧力を負圧と呼ぶ。
【0050】記録変換器あるいは読み取り書き込みヘッ
ド99は、通常、上段面31の空気流出端42近傍に位
置している。
【0051】81、82は空気流入端側に配設された突
起、63、64は空気流出端側に配設された突起であ
り、黒塗りで示している。突起81、82、63、64
は下段面33に形成され、下段面33からの高さh1で
形成され、突出h2で形成されている。
【0052】本実施の形態1では、上段面31と中段面
32との落差は0.1μmであり、上段面31と下段面
33との落差は1μmであり、突起81、82、63、
64の高さh1は1.01μm、突出h2は0.01μ
mである。
【0053】磁気ヘッドスライダ3の空気潤滑面30に
形成された突起高さと吸着力の関係を図7に示し、突起
高さごとの潤滑剤のモデル図を図8(a)、図8
(b)、図8(c)に示す。
【0054】図7から磁気ディスク媒体2と磁気ヘッド
スライダ3との吸着力は突起高さが小さくなると急激に
増加することが分かる。図8(a)は突起高さを10n
mに形成した場合の潤滑剤のモデル図である。突起高さ
が10nmと小さい場合には、潤滑剤がメニスカス力に
よって突起側面を伝って、上段面31を覆ってしまい、
突起が吸着防止として十分に機能しない。
【0055】一方、図8(b)に示すように突起高さを
30nmに形成した場合、突起が吸着防止機能を十分に
果たしている。
【0056】図8(c)は本実施の形態1の突起81、
82、63、64におけるモデル図である。突起81、
82、63、64は上段面31から10nmしか突出し
ていないが、下段面に配設されることで、突起高さは
1.01μm(1010nm)と十分に大きく、吸着防
止機構として十分に作用する。
【0057】また図4(C)にピッチ角θを示してい
る。磁気ヘッドスライダ3が磁気ディスク媒体2上を浮
上している際、空気流出端側突起63、64と磁気ディ
スク媒体2との接触を防止するため、空気流出端側突起
63、64は空気流出端42よりも磁気ディスク媒体2
から離れて浮上するようにされる。つまり空気流出端側
突起63、64の突出h2が大きいとそれにともなって
ピッチ角θを大きくする必要がある。
【0058】本実施の形態1では空気流出端側突起6
3、64を下段面33から形成することにより突起高さ
h1を1.01μmと大きくし、かつ突出h2を0.0
1μm(10nm)と小さく構成したことにより、ピッ
チ角θを小さく、空気膜剛性を確保することが可能とな
り、磁気ヘッドスライダ3の安定した浮上姿勢が得られ
る。
【0059】図9は突起周辺の流れを示すモデル図であ
る。空気流入端41から空気流出端42へ流れる空気流
は突起の空気流出端側で剥離し負圧を発生する。またこ
のとき渦をともなう複雑な流れを形成する。図9に示す
ように突起が円柱形に形成されている場合には、カルマ
ン渦といわれる周期的な渦流れを形成する。
【0060】周期的なカルマン渦が正圧を発生する圧力
の高い上段面31に形成されていると、磁気ヘッドスラ
イダ3が振動を起こす。カルマン渦の周期が突起の固有
振動数と一致すれば、最悪の場合、突起が破損する。
【0061】本実施の形態1では突起63、64を圧力
の低い負圧発生凹部48に配設してあるので、空気の粘
性によって渦の発生は小さく押さえられ、振動を抑制す
ることができる。また空気潤滑面近傍、特に正圧を発生
する上段面近傍の空気流を乱すことがなく、磁気ヘッド
スライダ3の安定した浮上姿勢が得られる。
【0062】すなわち本実施の形態1によれば、潤滑剤
が突起側面を伝って上段面31を覆うことを防ぐに十分
な突起の高さh1を確保し、かつ上段面からの突出h2
を小さくするとともに、磁気ヘッドスライダ3浮上時の
ピッチ角θを小さくし、空気膜剛性を確保することが可
能であり、安定した浮上姿勢を確保できるという優れた
効果が得られる。
【0063】また磁気ヘッドスライダ3の振動を抑制
し、かつ空気潤滑面近傍、特に正圧を発生する上段面近
傍の空気流を乱すことがないので、磁気ヘッドスライダ
3の浮上姿勢を安定させることができるという優れた効
果が得られる。突起81、82、63、64の後流の乱
れを考慮し、突起81、82、63、64は上段面31
から50μm以上離間した位置に配設することが望まし
い。本実施の形態1においては突起81、82、63、
64は上段面31から175μm離間して配設した。
【0064】(実施の形態2)図6は本実施の形態2に
おける空気潤滑面30Aの平面図である。図6におい
て、上段面31は白抜きで示し、中段面32は間隔があ
らいハッチングで示し、下段面33は間隔が密なハッチ
ングで示している。
【0065】61、62は空気流入端側に配設された突
起、63、64は空気流出端側に配設された突起であ
り、黒塗りで示している。空気流出端側突起63、64
は下段面33に高さh1、上段面31からの突出h2で
形成され、空気流入端側突起61、62は上段面31に
高さh3、上段面31からの突出h4で形成されてい
る。
【0066】本実施の形態2において上段面31と中段
面32との落差は0.1μmであり、上段面31と下段
面33との落差は1μmであり、空気流出端側突起6
3、64の高さh1は1.01μm、空気流入端側突起
61、62の高さh2は0.03μmである。
【0067】つまり、空気流出端側突起63、64の上
段面31からの突出h2は0.01μm、空気流入端側
突起61、62の上段面31からの突出h4は0.03
μmであり、空気流入端側突起61、62のほうが空気
流出端側突起63、64よりも大きく突出した構成であ
るので、磁気ディスク媒体2停止時の磁気ヘッドスライ
ダ3の前方部(空気流入端側)が持ち上がった状態にす
ることで、起動時の磁気ヘッドスライダ3の浮き上がり
を良くし、磁気ディスク媒体2と磁気ヘッドスライダ3
との摺動距離を短くできる。
【0068】図8(C)を参照すると、空気流出端側突
起63、64の突出h2は10nm(0.01μm)で
あるが、下段面33に配設することで高さh1は101
0nm(0.01μm)と十分に大きく、吸着防止機構
として十分に作用する。
【0069】また図4(C)を参照すると、空気流出端
側突起63、64の突出h2を10nmと小さく形成し
てあるので、磁気ヘッドスライダ3浮上時のピッチ角θ
を小さくし、空気膜剛性を確保することが可能であり、
安定した浮上姿勢が得られる。
【0070】すなわち本実施の形態2によれば、空気流
出端側突起63、64を上段面31からの突出h2を小
さくすることが可能であり、ピッチ角θを小さくでき、
空気膜剛性を確保し安定した浮上姿勢が得られるととも
に、磁気ディスク媒体2停止時の磁気ヘッドスライダ3
を前方部が持ち上がった状態にすることで、起動時の磁
気ヘッドスライダ3の浮き上がりを良くし、磁気ディス
ク媒体2と磁気ヘッドスライダ3との摺動距離を短くで
きるという優れた効果が得られる。
【0071】なお本実施の形態2では空気流入端側突起
61、62を上段面31、空気流出端側突起63、64
を下段面33に形成したが、空気流出端側突起63、6
4は空気流入端側突起61、62より低い略平面に形成
されていればよいのであって、例えば空気流出端側突起
63、64は中段面32に形成されていてもよい。
【0072】次に突起の形状が磁気ヘッドスライダ3の
浮上姿勢へ与える影響を説明する。図6を参照すると空
気流入端側に形成された突起61、62は上段面31に
配設されている。突起61、62は空気流入端側の幅が
大きく、空気流出端側の幅を狭めた玉子型の形状に形成
されている。
【0073】突起を形成する場合、突起自体の摩耗を考
慮して、突起の面積を大きくすることが行われるが、本
実施の形態1では突起を長手方向に長い形状に形成し、
突起の面積を確保しつつ、浮上方向に対しての摩擦が大
きくなって摩耗するのを防止するためである。
【0074】図10(a)、図10(b)は突起周りの
空気流のモデル図である。図10(a)は突起を空気流
入端側の幅が小さく、空気流出端側を拡げた玉子型に形
成した場合、図10(b)は本実施の形態1の空気流入
端側突起61、62のように突起を空気流入端側の幅が
大きく、空気流出端側を狭めた玉子型に形成した場合に
ついて示してある。
【0075】図10(a)に示す形状に形成した場合、
突起の空気流出端側で空気流が突起から剥離し負圧を発
生する。またこのとき渦をともなう複雑な流れを形成す
る。このような渦流れが上段面31のように正圧を発生
する圧力の高い位置に配設されていると、渦流れによる
振動によって磁気ヘッドスライダ3の浮上姿勢が不安定
になってしまう。また、突起後部の空気流が剥離してい
る位置に空気中の微細粉塵が堆積し、堆積した粉塵が一
度に脱落し、磁気ディスク媒体2の上に落下すると、磁
気ディスク媒体2と磁気ヘッドスライダ3との間に噛み
込み、磁気ディスク媒体2あるいは磁気ヘッドスライダ
3を損傷する。
【0076】図10(b)に示す形状に形成した場合に
は、空気流は突起から剥離することなく流れるので、渦
流れによる振動を発生することがない。また空気流が剥
離しないので、突起後部に微細粉塵が堆積することもな
い。
【0077】すなわち実施の形態2によれば、空気流入
端側突起61、62を空気流入端側の幅が大きく、空気
流出端側の幅を狭めた玉子型に形成することによって、
空気流入方向に突起面積を確保することで、浮上方向に
対しての摩擦が大きくなって摩耗するのを防止し、かつ
突起の後流を乱すことがなく、磁気ヘッドスライダ3の
安定した浮上姿勢を確保できるという優れた効果が得ら
れる。
【0078】(実施の形態3)図11は実施の形態3に
おける空気潤滑面30Bの平面図である。図11におい
て、上段面31は白抜きで示し、中段面32は間隔があ
らいハッチングで示し、下段面33は間隔が密なハッチ
ングで示している。
【0079】61、62は空気流入端側に高さh3、上
段面31からの突出h4で形成された突起、65、66
は空気流出端側に高さh1、上段面31からの突出h2
で形成された突起であり、黒塗りで示してある。
【0080】実施の形態3において、空気流出端側突起
65、66は直径50μmの略円形であり、直径100
μmの上段面75、76上にそれぞれ形成されている。
なお空気流出端側突起65、66の高さh1は10n
m、空気流入端側突起61、62の高さh4は30n
m、突起61、62、65、66の面積の合計は0.0
12mm2である。
【0081】その他図6に示した空気潤滑面30Aと同
一の部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0082】図12は磁気ディスク媒体2回転始動時の
スティクションの発生する割合と、独立した突起と突起
の形成された独立した上段面31のディスクに対向する
面の面積比との関係を、突起の高さが5nm、20n
m、30nmの場合についてそれぞれ示したものであ
る。
【0083】スティクションの発生する割合とは、CS
Sを繰り返すCSS試験を行い、ディスク回転始動時に
摩擦係数が1を超える頻度である。図12を参照すると
突起を30nmの高さに形成した場合には、突起自体が
吸着を防ぐに十分な高さを有しているので、突起の形成
された上段面の面積に関係なく、ほとんどスティクショ
ンは発生しない。
【0084】突起を20nmあるいは5nmの高さに形
成した場合、スティクションの発生する割合は、突起を
形成した上段面の面積が突起面積の4倍を越えるあたり
から急激に増加している。言い換えれば、突起を形成し
た上段面の面積が、突起面積の4倍以下で、かつ突起高
さh1が5nm以上確保できていれば、スティクション
はほとんど発生しないといえる。ここで図13は上段面
31のみで形成した空気潤滑面30に突起を形成した場
合の、突起面積の合計とスティクションの発生する割合
の関係を、突起の高さごとに示したものである。図13
を参照すると、突起高さが5nm、20nmの場合に
は、スティクションの発生する割合が高い。また突起高
さを30nmに形成した場合でも、突起面積の合計が
0.03mm2以上になるとスティスションの発生する
割合が急激に増加している。実施の形態3のように、突
起を突起面積の4倍以下の上段面31に形成する場合で
も、スティスクションの発生を防止するためには、突起
面積の合計は0.03mm2以下にする必要がある。本
実施の形態3では突起61、62、65、66の面積の
合計は0.012mm2に形成してある。
【0085】すなわち実施の形態3によれば、突起高さ
を5nm以上に形成し、かつ突起面積の合計が0.03
mm2以下であれば、突起を突起面積の4倍以下の面積
である上段面に配設することで、スティクションの発生
を抑制できるという優れた効果が得られる。
【0086】また空気流出端側突起65、66の突起高
さh1を小さくすることによって、磁気ヘッドスライダ
3浮上時のピッチ角θを小さくし、空気膜剛性を確保す
るすることが可能であり、安定した浮上姿勢が確保でき
るという優れた効果が得られる。なお本実施の形態2で
は、空気流出端側突起65、66の高さは10nmとし
た。
【0087】さらに実施の形態3では、空気流入端側突
起61、62の上段面31からの突出h4を0.03μ
m(30nm)、空気流出端側突起65、66の上段面
31からの突出h2を0.01μm(10nm)と空気
流入端側突起61、62のほうが空気流出端側突起6
3、64よりも大きく突出するように形成してあるの
で、磁気ディスク媒体2停止時の磁気ヘッドスライダ3
を前方部が持ち上がった状態にすることで、起動時の磁
気ヘッドスライダ3の浮き上がりを良くし、磁気ディス
ク媒体2と磁気ヘッドスライダ3との摺動距離を短くで
きるという優れた効果も得られる。
【0088】(実施の形態4)図14は本実施の形態3
における空気潤滑面30Cの平面図である。図14にお
いて、上段面31は白抜きで示し、中段面32は間隔が
あらいハッチングで示し、下段面33は間隔が密なハッ
チングで示している。
【0089】61、62は空気流入端側に形成された突
起、67、68は空気流出端側に形成された突起であ
り、中段面32である77、78上に配設されていて、
黒塗りで示してある。
【0090】実施の形態4において上段面31と中段面
32との落差は0.05μmであり、上段面31と下段
面33との落差は1μmである。空気流入端側突起6
1、62の高さh3、空気流出端側突起67、68の高
さh1はすべて80nmである。
【0091】つまり空気流入端側突起61、62の上段
面31からの突出h4は80nm、空気流出端側突起6
7、68の上段面31からの突出h2は30nmと、空
気流入端側突起61、62は空気流出端側突起67、6
8よりも上段面31から大きく突出している。その他図
6に示した空気潤滑面30と同一の部分には同一符号を
付し、説明は省略する。
【0092】通常、突起はスパッタ法、CVD法等の薄
膜形成技術を用いてDLC等を空気潤滑面30上に積層
した後、パターニングによって形成するわけであるが、
このとき突起の高さは、薄膜形成を行う際の時間管理に
よって決定される。
【0093】したがって、空気潤滑面30上に高さの異
なる突起を形成する場合には、別々の薄膜形成の時間管
理、別々のパターニングを行う必要があり、同時に形成
することができない。
【0094】つまり、たとえばすべての突起を上段面に
形成した場合、空気流出端側突起を空気流出端側突起よ
りも上段面からの突出を大きくし、磁気ディスク媒体2
停止時の磁気ヘッドスライダ3を前方部が持ち上がった
状態にするためには、空気流入端側突起を薄膜形成、パ
ターニングした後、空気流出端突起を空気流入端側突起
とは異なる時間管理の下、薄膜形成、パターニングする
必要がある。
【0095】実施の形態4では、空気流入端側突起6
1、62を上段面31に、空気流出端側突起67、68
を上段面31より0.05μm(50nm)低い中段面
32に形成してあるので、突起61、62、67、68
を同時に同一高さ80nmに形成することで、上段面3
1からの突出を空気流入端側突起61、62は80n
m、空気流出端側突起67、68は30nmとでき、な
んら複雑な加工工程を経ることなく、磁気ディスク媒体
2停止時の磁気ヘッドスライダ3を前方部が持ち上がっ
た状態にすることが可能である。
【0096】すなわち本実施の形態3によれば、すべて
の突起61、62、67、68を同時形成、同一高さに
形成しても、空気流入端側突起61、62の上段面31
からの突出を空気流出端側突起67、68よりも大きく
することが可能であり、何ら複雑な加工工程を経ること
なく磁気ディスク媒体2停止時の磁気ヘッドスライダ3
を前方部が持ち上がった状態にすることで、起動時の磁
気ヘッドスライダ3の浮き上がりを良くし、磁気ディス
ク媒体2と磁気ヘッドスライダ3との摺動距離を短くで
きるという優れた効果が得られる。
【0097】なお実施の形態1〜4では、ヘッドは磁気
ヘッドとしたが、例えば光ヘッドであってもよいことは
勿論であり、本発明は上記の実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の範囲内において種々の形態、変
形、修正等が可能である。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明は、潤滑剤の伝達を
防ぐに十分な突起高さを確保し、かつ上段面からの突出
を小さくするとともに、空気潤滑面近傍、特に正圧を発
生する上段面近傍の空気流を乱すことがなく、スライダ
の浮上姿勢を安定させることができるという優れた効果
を有する。
【0099】また、突起の面積を確保しつつ、浮上方向
に対しての摩擦が大きくなって摩耗するのを防止でき、
かつ突起の後流を乱すことがないのでスライダの浮上姿
勢を安定にできるという優れた効果が得られる。
【0100】また、すべての突起を同時形成、同一高さ
に形成しても、空気流入端側に形成した突起の上段面か
らの突出を空気流出端側に形成した突起の上段面からの
突出よりも大きくすることが可能であり、何ら複雑な加
工工程を経ることなくディスク媒体停止時のスライダを
前方部が持ち上がった状態にすることで、起動時のスラ
イダの浮き上がりを良くし、ディスク媒体とスライダの
摺動距離を短くできるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク装置の斜視図である。
【図2】磁気ディスク装置の断面図である。
【図3】磁気ディスク媒体2の中の1枚を上から見た詳
細図である。
【図4】CSSを説明する模式図である。
【図5】実施の形態1の磁気ヘッドスライダの空気潤滑
面の形状の説明図である。
【図6】実施の形態1の磁気ヘッドスライダの他の空気
潤滑面の形状の説明図である。
【図7】突起高さと吸着力の関係図である。
【図8】突起高さごとの潤滑剤の形状を示すモデル図で
ある。
【図9】突起周辺の空気流れを示すモデル図である。
【図10】突起周辺の空気流れを示すモデル図である。
【図11】実施の形態2の磁気ヘッドスライダ3の空気
潤滑面の形状の説明図である。
【図12】突起の形成された上段面の面積比とスティク
ションの発生率の関係図である。
【図13】突起面積とスティスション発生率の関係図で
ある。
【図14】実施の形態3の磁気ヘッドスライダ3の空気
潤滑面の形状の説明図である。
【符号の説明】
30 空気潤滑面 31 上段面 32 中段面 33 下段面 41 空気流入端 42 空気流出端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 康二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 薫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D042 NA02 PA10 QA02 QA03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空
    気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであっ
    て、該空気潤滑面は、上段面と、 該上段面より該ディスク媒体方向と逆方向に深さを有す
    る中段面と、 該中段面より深い下段面とを少なくとも有し、 該空気潤滑面は、該下段面に形成される突起を少なくと
    も1個以上有するヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】 前記突起の前記ディスク媒体方向高さが
    前記上段面より高い、請求項1記載のヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】 前記突起は前記ディスク媒体に平行な方
    向に前記上段面から50μm以上離間して形成される、
    請求項1記載のヘッドスライダ。
  4. 【請求項4】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空
    気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであっ
    て、該空気潤滑面は、上段面と、該上段面より該ディス
    ク媒体方向に深い少なくとも2つ以上の略平面と、該デ
    ィスク媒体方向に高さの異なる略平面に形成した突起と
    を有し、空気流入端側の第1突起が配設された略平面
    は、空気流出端側の第2突起が配設された略平面よりデ
    ィスク媒体方向と逆方向に深いヘッドスライダ。
  5. 【請求項5】 前記第1突起と前記第2突起とは前記上
    段面より前記ディスク媒体方向に高くなるように形成さ
    れる、請求項4記載のヘッドスライダ。
  6. 【請求項6】 前記第1突起は前記第2突起より高い、
    請求項4記載のヘッドスライダ。
  7. 【請求項7】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空
    気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであっ
    て、該空気潤滑面は、上段面と、該上段面より該ディス
    ク媒体方向に深い少なくとも1つ以上の略平面と、該上
    段面に形成される第1突起と、該略平面に形成される第
    2突起とを有し、該第1突起は、該第2突起に対して該
    空気流入端に形成され、該第2突起は、該上段面より該
    ディスク媒体方向に高くなるように形成され、該第1突
    起は該第2突起より高いヘッドスライダ。
  8. 【請求項8】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と空
    気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであっ
    て、 空気潤滑面は上段面と、 上段面よりディスク媒体方向と逆方向に深さを有する中
    段面と、 中段面より深い下段面を少なくとも有し、 空気流入端側の幅が大きく、空気流出端側の幅を狭めた
    玉子型に形成される突起を少なくとも1個以上有するヘ
    ッドスライダ。
  9. 【請求項9】 前記突起の前記ディスク媒体方向高さが
    前記上段面より高い、請求項8記載のヘッドスライダ。
  10. 【請求項10】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と
    空気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであ
    って、該空気潤滑面は上段面と、該上段面より該ディス
    ク媒体方向と逆方向に深さを有する中段面と、該中段面
    より深い下段面とを少なくとも有し、該上段面あるいは
    該中段面に形成される少なくとも1個以上の突起を有
    し、該突起は、該上段面より所定の高さだけ突出し、該
    高さは、好ましくないフリクションが発生しない程度に
    十分高いヘッドスライダ。
  11. 【請求項11】 前記高さは、5nm以上である、請求
    項10記載のヘッドスライダ。
  12. 【請求項12】 前記突起が形成される前記上段面ある
    いは前記中段面の面積に対する該突起の前記ディスク媒
    体に対向する面の面積の比率は、好ましくない前記フリ
    クションが発生しない程度に十分高い、請求項10記載
    のヘッドスライダ。
  13. 【請求項13】 前記比率は、4分の1以上である、請
    求項12記載のヘッドスライダ。
  14. 【請求項14】 すべての前記突起の面積の和は、好ま
    しくない前記フリクションが発生しない程度に十分小さ
    い、請求項10記載のヘッドスライダ。
  15. 【請求項15】 前記面積の和は、0.03mm2以下
    である、請求項14記載のヘッドスライダ。
  16. 【請求項16】 ディスク媒体に対向する空気潤滑面と
    空気流入端と空気流出端とを有するヘッドスライダであ
    って、該空気潤滑面は、該ディスク媒体方向に高さの異
    なる第1および第2略平面と、該第1略平面に形成され
    る第1突起と、該第2略平面に形成される第2突起とを
    有し、該第1突起は、該第2突起に対して該空気流入端
    側に形成され、該第2略平面は、該第1略平面よりも該
    ディスク媒体方向と逆方向に深く、該第1突起の該第1
    略平面からの突起高さと該第2突起の該第2略平面から
    の突起高さとは実質的に等しいヘッドスライダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008293568A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Tdk Corp 磁気ヘッド装置
US8248729B2 (en) * 2006-11-16 2012-08-21 Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. Slider with hook-shaped air compression mechanisms near trailing edge corners

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