JP2001236258A - 記憶制御装置 - Google Patents

記憶制御装置

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JP2001236258A
JP2001236258A JP2000295428A JP2000295428A JP2001236258A JP 2001236258 A JP2001236258 A JP 2001236258A JP 2000295428 A JP2000295428 A JP 2000295428A JP 2000295428 A JP2000295428 A JP 2000295428A JP 2001236258 A JP2001236258 A JP 2001236258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単体のストレージシステム、ストレージのリモ
ートコピーシステムの運用中に災害が発生すると、デー
タロストが発生する。このデータロストによる被害を最
小限に留めるため、システムがダウンする前に災害の前
兆を予知し、状況に即した処理を行うことが望ましい。 【解決手段】ディスク制御装置に災害発生の検出認識機
能を持たせる。災害が発生することが察知できるように
なると、システムの用途、あるいは災害の発生状況によ
って災害時処理を最適なモードに切替えることができ、
データロストを最小限に留めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレージシステ
ムにおけるデータロストを回避するためのシステム、及
びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】記憶制御装置において、災害時のシステ
ム障害後の復旧をより早く行うために、遠距離地にシス
テムデータのバックアップを置き、このバックアップデ
ータをアルタイムに更新するリアルタイム遠隔コピー技
術が使われている。地震などの広域災害時にバックアッ
プデータ(副側データ)が被害を受けないためには、運
用中のシステム(正側システム)におけるデータ(正側
データ)に対し、より遠距離の地に副側データを置くこ
とが望まれる。また、完全に一致したバックアップデー
タとするには、正側データの更新後、副側データの更新
が確認された後、正側システムの処理を進める(これを
同期遠隔コピーと呼ぶ)ことも必要である。
【0003】しかし、副側データを格納する記録装置の
所在地が遠くなると、データの転送および、副側データ
の更新完了確認を行うための通信に時間がかかり、正側
システムにおける処理性能の低下が発生する。
【0004】これを防ぐための技術として、特開平7−
239799では同期遠隔コピーの技術と合わせ、正側
データの更新のみで正側システムにおける処理を続行
し、後から非同期に副側データを更新する非同期遠隔コ
ピーを、正側システムを運用する正側処理装置とは別
に、副側データを更新する副側処理装置を設けることで
行う技術が開示されている。
【0005】また、特開平11−85408では、記録
媒体への実際のデータ記録を制御する記憶制御装置にお
いて、正側データ記録を行う正側記憶制御装置と、副側
データ記録を行う副側記憶制御装置とで、非同期遠隔コ
ピーを行う技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】非同期遠隔コピーで
は、あくまでも、正側データの更新のみで正側システム
における処理を続行し、後から非同期に副側データを更
新する。よって一時的に正側データの記録媒体にしか記
録されていないデータが存在し、災害により正側データ
が失われると、データの消失(データロスト)は避けら
れない。
【0007】この問題に関し上記従来技術では、まず副
側データにどこまでの更新が行われたかを知る手段を用
意している。例えば、正側処理装置からのデータ更新要
求の際に、順序性をあらわす指標が正側記憶制御装置に
合わせて渡される。これが副側処理装置、あるいは副側
記憶制御装置に伝達される。すなわち、この順序性をあ
らわす指標を副側処理装置、あるいは副側記憶制御装置
で確認することで、副側データがどこまで更新されたか
がわかることになる。さらに、この指標を正側システム
の処理進行を記録するジャーナルファイルに合わせて記
録しておく。この得られる2つの指標を元に、消失デー
タの再生や、処理の再実行などを行うことが出来る。
【0008】しかしながら、なんらかの障害により、正
側における業務の続行が困難となり、副側データを使っ
て業務を再開するような場合、データの消失量は少な
い、あるいは全く無いことが望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】データロストは、正側デ
ータには記録されたが、副側データに記録される前に、
正側システムが災害などによって突然ダウンするために
発生する。従って、災害などの前兆を認識し、システム
ダウンしてしまう前に副側データを更新すれば、データ
ロストを防止することが可能である。
【0010】本発明は、正側のデータを更新後、副側に
更新データを提供する装置にシステムダウンの原因とな
るような事象の前兆を認識させる装置を設けるようにし
たものである。この認識のための装置は、地震の揺れを
感知するセンサーや火災を認識する為の温度センサー、
煙センサー、雷センサー、水害等を感知する水位センサ
ーや漏水センサー、さらにはシステムダウンにつながり
かねない電源電圧の異状検出センサーなど記憶制御装置
内に備えたもの、あるいはシステム外部の装置や上位処
理装置からの情報を受け取る装置、システム外部からの
注意・警告を受信する装置などから構成される。システ
ム外部からの注意・警告を受信する例としては、例え
ば、ストレージの設置されている建物やフロアに不正な
侵入者があった場合に発せられる警告を受信する等が挙
げられる。
【0011】災害の前兆を認識した後の処理方法とし
て、以下の2つの方法が挙げられる。
【0012】第1の方法では、システムダウンの原因と
なるような事象の前兆を認識した後は、正側データの更
新を一時的に止める。正側データの更新を一時的に止め
ることにより、副側へ未更新のデータの増加を防ぎ、消
失するデータを少なくすることができる。この際、副側
への未更新データをより高速に、あるいは専念して副側
に更新させ、未更新データをなくす。
【0013】あるいは、第2の方法では、システムダウ
ンの原因となるような事象の前兆を認識した後は、非同
期遠隔コピーを一時中断し、同期遠隔コピーにシフトし
て副側データの更新を行う。これにより、消失するデー
タを全く無くさせることが出来る。
【0014】また、正側システムが複数の記憶制御装置
によって構成されている場合は、複数の記憶制御装置に
つながれた各記憶装置に分散して書かれたデータが、合
わせて意味を持つことがある。このとき、記憶制御装置
毎に上記データ消失防止のための措置が不統一に行われ
ると、意味をなさない。
【0015】そこで、正側システムが複数の記憶制御装
置によって構成される場合は、正側システムの全ての記
憶制御装置同士を結ぶ共通の回線を設け、全ての記憶制
御装置が同じ動作を行い、データロストを防止する。
【0016】また、災害の発生状況によっては、副側シ
ステムへのデータ転送よりも、正側の不揮発の記憶媒体
へのデータ格納を優先させたほうが好ましい場合もあ
る。このような場合には、正側システムの揮発性メモリ
にあるデータを、不揮発の記憶媒体に格納する処理を、
他の処理に優先させて行う。
【0017】さらには、正副システムの組から成るリモ
ートコピーシステムに限らず、リモートコピーを行わな
い単体のストレージシステムにおいても、上記のような
災害の前兆を認識するシステムを設けることができる。
これにより、データロストの原因となるような事象の前
兆を認識後は、揮発性のメモリから不揮発の記憶媒体へ
のデータ格納を他の処理に優先させて行うことで、ある
いは上位装置からのI/O要求と、不揮発の記憶媒体への
データ格納を非同期から同期へシフトさせることで、災
害によるデータロストを最小限に留めることが可能とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0019】まず、図1、図2、図3を用いて本発明の
第一の実施例を説明する。
【0020】図3は、本発明の一実施例である災害の前
兆を検出する認識部を有するストレージの構成例を示
す。図3において、(701)は上位装置(10)との
通信を行うチャネルアダプタ、(702)はディスク装
置との通信を行うディスクアダプタ、(204)はホス
トI/Oによりアクセスされたデータを一時的に保持する
揮発性のキャッシュメモリ、(203)は災害の前兆を
検出する認識部、(704)は副側システムとの通信を
行うデータ転送インタフェースである。この構成をもつ
ストレージを正副サイトに設置し、リモートコピーシス
テムとして機能的に表現した図が図1、図2である。
(一部構成要素は省略、正副ディスク制御装置を接続す
るパスの両端には、データ転送インタフェースがある
が、図では省略している。) 図1は、本発明の一実施例である汎用コンピュータシス
テムにおける遠隔2重コピーを行うシステムの構成及
び、概略処理を示す図である。本実施例の構成は、上位
装置の中央処理装置であるCPU(10)、正側記憶シ
ステムのディスク制御装置 (20)とディスク装置
(30)及び、バックアップデータのコピー先である副
側記憶システムの副ディスク制御装置(21)と副ディ
スク装置(31)で構成されている。また正ディスク制
御装置(20)は、副側システムへのデータコピーを制
御するデータコピー制御部(201)、一時的にコピー
データ保持するデータバッファ(202)等のメモリ手
段、保持データの消失の危険を認識する認識部(20
3)を備えている。メモリ手段は、図2に示すようなキ
ャッシュメモリ(204)であってもよい。
【0021】本発明の第一の実施例である本システムの
平常時の動作では、CPU(10)から正ディスク装置
(30)へのデータ書き込み要求が正ディスク制御装置
(20)に行われると、正ディスク制御装置(20)は
正ディスク装置(30)へのデータ書き込みを行うとと
もにデータバッファ(202)へも書き込み、CPU
(10)へ書き込み完了を報告する。その後、正ディス
ク制御装置(20)のデータコピー制御部(201)が
データバッファ(202)のデータを副ディスク制御装
置(21)へ送り、副ディスク制御装置(21)は受け
取ったデータを副ディスク装置(31)に書き込む。こ
うして遠隔2重コピーが行われる。この方式は、CPU
(10)への書き込み完了報告後に副ディスク制御装置
(21)へデータが送られ副ディスク装置(31)へ副
データが作成されることから、非同期の遠隔2重コピー
となっている。
【0022】本発明の第一の実施例である本システムの
平常時の動作中において地震等の災害が発生し、万一、
正側システムの正ディスク制御装置(20)と正ディス
ク装置(30)に破損が生じた場合、メモリ手段(ここ
では、データバッファ(202))のデータが副ディス
ク制御装置(21)へ送られる前であると、そのデータ
は消失してしまう。この被害を最小限に抑えることは非
常に重要である。このデータ消失をなくすため、あるい
は、最小限にするため、危険を察知(認識)する手段と
して認識部(203)を備えていることが、本発明の特
徴である。
【0023】認識部(203)としては幾つもの手段が
考えられる。例えば、正ディスク制御装置(20)の装
置自身に備わるセンサーでも良い。センサーとしては地
震を感知する地震計や火災を感知する温度計、煙感知
器、雷の感知器、また、電圧変動を捕らえる検知機でも
よい。正ディスク制御装置(20)、正ディスク装置
(30)に被害が及ぶ危険を感知するものであれば何で
もセンサーとなりうる。
【0024】また例えば、正側システムの置かれる部屋
や建物にセンサーが備わり、このセンサーからの情報を
受けとる装置が認識部(203)であっても良い。また
あるいは、気象庁のような外部機関からの公共情報や、
外部からの注意・警告情報を受けとり、これを認識する
のが認識部(203)であっても良い。
【0025】認識部(203)が保持データの消失の危
険を認識すると、CPU(10)から正ディスク装置
(30)への新たなデータ書き込み要求を、一時的に正
ディスク制御装置(20)が受け付けないようにさせ
る。また、正ディスク制御装置(20)における機能を
データコピー制御部(201)が行うコピー動作に専念
させる、または、データコピー制御部(201)のコピ
ー動作を高速に行うようにさせる。保持データ消失の危
険が去った後は、通常の処理を再開する。こうすること
で未コピーデータを少なくさせ、または無くさせ、デー
タ消失被害に対処する。これより、新しい未コピーデー
タが生じなくなり、データバッファ(202)やキャッ
シュメモリ(204)等のメモリ手段に保持中の副側シ
ステムへの未コピーデータが副側へコピーされた後は、
万一、正側システムに災害による被害が生じても、消失
データはゼロとなる。
【0026】次に、本発明の第二の実施例について図
6、図7、図8を用いて説明する。
【0027】図7は、正副リモートコピーシステムにお
ける同期コピーの処理動作を示し、図8は非同期コピー
の処理動作を示している。
【0028】この第二の実施例のシステムでは、副ディ
スク制御装置(21)もメモリ手段(ここでは、キャッ
シュメモリ(214))を具備していること、および副
ディスク制御装置(21)が非同期・同期切替制御部
(215)を持っている点が特徴的で、その他のおもな
構成は第一の実施例と同様である。
【0029】この第二の実施例において、認識部(20
3)が保持データ消失の危険を認識すると、正ディスク
制御装置(20)が行なうCPU(10)への書き込み
完了報告を、データコピー制御部(201)がメモリ手
段のデータを副ディスク制御装置(21)へ送り、副デ
ィスク制御装置(21)が受け取ったデータを副ディス
ク装置(31)に書き込み終わってから行うようにさせ
る。すなわち、認識部(203)による保持データ消失
の危険を認識後は、非同期遠隔コピーから同期の遠隔2
重コピーへシフトする。あるいは、認識部(203)に
よる保持データの消失危険性を認識している間だけ、同
期の遠隔2重コピーをさせるようにしてもよい。
【0030】以下、この第二の実施例において、認識部
(203)が保持データ消失の危険を認識した後の処理
を説明する。
【0031】正ディスク制御装置(20)にて保持デー
タの消失の危険が認識され、非同期の遠隔2重コピーか
ら同期の遠隔2重コピーへシフトした場合、それ以降の
正ディスク装置(30)への書き込みデータは同時に副
ディスク制御装置(21)へ送られ、副ディスク装置
(31)に書き込まれることになる。
【0032】しかし、メモリ手段(ここでは、キャッシ
ュメモリ(204))に副ディスク装置(31)へ未コ
ピーのデータが残っていると、同期遠隔2重コピーで書
かれるデータが先に副ディスク装置(31)に書かれ、
後から未コピーのデータが副ディスク装置(31)に書
かれることになってしまう。これはCPU(10)から
のデータ書き込み順序を乱す事になる。またさらに、同
じ位置へのデータの書き込みがあった場合には、同期遠
隔2重コピーで書かれた新しいデータが、非同期の遠隔
2重コピーで遅れて届いた古いデータで上書きされてし
まうことにもなり兼ねない。これを避ける為には同期遠
隔2重コピーへシフトする前に、一時的にCPU(1
0)からのデータ書き込み要求を待たせ、メモリ手段
(ここでは、キャッシュメモリ(204))に保持され
ている、副ディスク制御装置(21)への未コピーデー
タが全て送られた後に、同期遠隔2重コピーへシフト
し、待たせていたデータ書き込み要求を受け付けるよう
にすればよい。
【0033】しかし、未コピーのデータが大量に残って
いると、データ書き込み要求を長時間待たせることにな
り、CPU(10)での業務が異常終了する場合もあ
る。また、未コピーのデータは少なく、データ書き込み
要求を待たせる時間が短くすむ場合であっても、書き込
み要求を待たせると言う事はCPU(10)での業務に
遅延が生じることになり、好ましいことではない。
【0034】そこで本実施例について、図10にデータ
コピー制御部(201)における同期遠隔2重コピーの
動作を、図11に非同期・同期切替え制御部(215)
の動作をそれぞれ示し、以下説明する。
【0035】同期遠隔2重コピーへシフトし、メモリ手
段(ここでは、キャッシュメモリ(204))に副ディ
スク装置(31)へ未コピーのデータが残っている場合
は、データコピー制御部(201)は、未コピーデータ
有りの同期遠隔2重コピーを行う事をフラグに覚え(未
コピーデータ有り同期コピーフラグ=1)、さらに送る
データへ一時保留指示をつけ、同期遠隔2重コピーで副
ディスク制御装置(21)へ送るようにする。副ディス
ク制御装置(21)では、非同期・同期切替え制御部
(215)が一時保留指示付きで受け取ったデータは、
メモリ手段(ここでは、副側のキャッシュメモリ(21
4))へ順序が判るようにして格納し、副ディスク装置
(31)への書き込みは一時保留しておく。この時の順
序が判る手段としては、よく知られたFIFOが行える
キュー構造で管理し格納すればよい。
【0036】また、一時保留指示無しで受け取ったデー
タは、残っていた未コピーのデータであるから、受け取
ったら副ディスク装置(31)へ書き込んでいく。
【0037】その後、メモリ手段(ここでは、キャッシ
ュメモリ(204))の副ディスク装置(31)への未
コピーデータが全て副ディスク制御装置(21)へ送り
終わったら、次の同期遠隔2重コピーで副ディスク制御
装置(21)へ送る際に、未コピーデータ有りの同期遠
隔2重コピーを行った事が未コピーデータ有り同期コピ
ーフラグ=1で判るので、データコピー制御部(20
1)は、送るデータへ保留終了指示をつけて送るように
する。そして未コピーデータ有り同期コピーフラグは落
しておく(0にする)。
【0038】副ディスク制御装置(21)では、非同期
・同期切替え制御部(215)が保留終了指示付きで受
け取ったデータも一旦メモリ手段(ここでは、キャッシ
ュメモリ(214))へ順序が判るようにして格納し、
続いて保留していた全てのデータを順序を守って一斉に
副ディスク装置(31)へ書き込むようにする。
【0039】以降のCPU(10)からのデータ書き込
み要求については、データコピー制御部(201)は、
同期遠隔2重コピーで特別な指示のないデータを送り、
受け取った非同期・同期切替え制御部(215)では、
メモリ手段(ここでは、キャッシュメモリ(214))
へ一時保留の為の格納をすることなく副ディスク装置
(31)へデータを書き込む。
【0040】また、保持データ消失の危険がなくなり、
非同期の遠隔2重コピーへ戻す際は、副ディスク装置
(31)へのデータ書き込み順序が乱れることもないの
で、そのまま戻せばよい。
【0041】このようにして、CPU(10)からのデ
ータ書き込み要求を待たせること無く、非同期の遠隔2
重コピーから同期の遠隔2重コピーへシフトする事がで
きることとなる。
【0042】次に、本発明の第三の実施例を説明する。
【0043】図9は、本発明の第三の実施例の概略を説
明する図である。この第三の実施例のシステムでは、第
一の実施例におけるCPU(10)へ、さらに正ディス
ク装置(30')を接続した正ディスク制御装置(2
0')が繋がり、正ディスク制御装置(20')にはデー
タコピー制御部(201')、認識部(203')、メモ
リ手段(ここでは、キャッシュメモリ(204'))を
備え、正ディスク制御装置(20)と正ディスク制御装
置(20')間は連絡線(40)で結ばれている。
【0044】このように複数の正ディスク制御装置を持
つ構成において本発明を適用すると、各ディスク制御装
置がデータ消失の可能性を個別に認識する為、この認識
のタイミングにずれが生じることが有り得る。すると、
CPU(10)から正ディスク制御装置(20)への
書き込みデータと、正ディスク制御装置(20')への
書き込みデータが関連している場合、いずれかのデータ
のみが消失し残った(コピーされた)データのみでは意
味を成さない事がある。そこで、この第三の実施例にお
いては、正ディスク制御装置(20)(20')のどち
らかがデータ消失の可能性を認識すると、他の正ディス
ク制御装置にこれを通知するようにしたものである。こ
の通知により、データ消失の可能性の認識タイミングを
合わせることができ、複数正ディスク制御装置のある構
成においても災害時のデータ消失被害を軽減させること
ができる。
【0045】この場合における、データ消失の危険性認
識後の処理は、上記の第一の実施例、第二の実施例のい
ずれでもよいとする。
【0046】本発明の第四の実施例は、副側システムへ
のデータ転送よりも、正側の不揮発の記憶媒体へのデー
タ格納を優先させたほうが好ましい場合について説明す
る。たとえば、正副間を結ぶパスが災害によって破損し
た場合、あるいは副側システムに災害が発生した場合、
もしくは副側サイトは単なるバックアップシステムであ
って、副側では業務再開ができない場合等は、副側への
リモートコピーを優先的に行うよりもむしろ、データを
記憶ディスクに格納することを最優先に行うほうが、デ
ータロストの危険は軽減される。
【0047】さらに、本発明の第五の実施例は、リモー
トコピーを行わない単体のストレージシステムであっ
て、図3のように災害の前兆を認識する認識部を備えた
ものの災害時の処理に関する。
【0048】単体のストレージシステムは、平常時(災
害の前兆が検出されないとき)においては、図4に示す
ようにホストI/Oとデータのディスク装置への格納は同
期していない。これは、ディスク装置の書き込み速度
が、ホストの処理能力、および揮発性のキャッシュメモ
リと比較して遅いため、ディスク装置への書き込みをそ
の都度行っていたのでは業務の処理能力が著しく低下す
るためである。
【0049】このように、ディスク装置への格納をホス
トI/Oと非同期に行う場合、揮発性のキャッシュメモリ
には保持されているが、不揮発のディスク装置には格納
されていないデータが存在する。この状態でストレージ
システムに電源障害等が起こると、揮発性のキャッシュ
メモリの内容は失われてしまうためデータロストが避け
られない。
【0050】そこで、本実施例においては、災害の前兆
が認識部によって認識されると、ホストI/Oとは非同期
に行っていたディスク装置へのデータ格納を、図5に示
すような同期にシフトする。この、非同期格納から同期
格納へのシフトは、上記リモートコピーシステムの場合
の非同期コピーから同期コピーへのシフトに準ずる。
【0051】あるいは、ディスク装置へ未格納のデータ
の格納を、ホストI/O処理よりも優先させて処理するこ
ととしてもよい。この場合も、上記リモートコピーシス
テムの場合の、副側へのコピーを正側の処理よりも優先
させる場合に準ずる。
【0052】
【発明の効果】本発明では、災害発生による未コピーデ
ータ(あるいは不揮発性のメモリへ未格納のデータ)の
消失を前もって認識できるので、未コピーデータの消失
を少なくできる、あるいは無くす事ができる、非同期遠
隔コピー機能を提供する事ができる。
【0053】上述した本発明の実施例によれば、本発明
は以下のいずれかの効果を奏する。
【0054】未コピーデータの消失危険性を認識後は、
新たな書き込み要求を受け付けない、すなわち新たな未
コピーデータを作らないように動作するので、消失デー
タを少なくすることができる。
【0055】未コピーデータの消失危険性を認識後は、
非同期遠隔コピーから同期遠隔コピーに切り替えるの
で、消失データをなくすことができる。
【0056】装置外部に未コピーデータの消失危険性認
識のためのセンサーがある場合に、そのセンサーと記憶
制御装置との位置関係を考慮しなければならないのに対
して、本発明では装置内に検出器を設けたため、装置の
設置場所を選ばない。
【0057】未コピーデータの消失危険性認識のため
に、外部からの情報を受けるようにするので、火災など
をより早く認識する事ができる。
【0058】正ディスク制御装置間で未コピーデータ消
失の危険性の認識タイミングを合わせることができるの
で、複数正ディスク制御装置を備えるシステムにおいて
も、システム全体に整合性を持たせることができる。
【0059】未コピーデータを大量に保持しながら使わ
れる装置でも、CPUからのデータ更新順序を守って副
ディスク装置にデータを書込むので、未コピーデータの
消失危険性を認識後は、同期遠隔コピーに切り替えるこ
とができ、消失データをなくすことができる。
【0060】また、コピーシステムであっても、システ
ム異常の状況、災害の状況によっては副側システムへの
コピーではなく正側システム内の不揮発記憶装置へのデ
ータ格納を優先し、データロストを最低限に抑える。
【0061】単体ストレージの場合は、上記は未コピー
データではなく不揮発記憶装置への未格納データでおき
かえられ、得られる効果は上記に準ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、メモリ手段をデータ
バッファとした遠隔コピーシステムの構成。
【図2】本発明の実施例において、メモリ手段をキャッ
シュメモリとした遠隔コピーシステムの構成。
【図3】本発明の実施例における、災害認識部を有する
ストレージの構成。
【図4】本発明の実施例における、災害認識部を有する
ストレージの平常時処理を示す。
【図5】本発明の実施例における、災害認識部を有する
ストレージにおいてデータ消失の可能性が認識された時
の処理を示す。
【図6】本発明の実施例である、非同期・同期切替え制
御部を有する遠隔コピーシステムの構成。
【図7】本発明の実施例における、同期コピー処理を示
す。
【図8】本発明の実施例における、非同期コピー処理を
示す。
【図9】本発明の実施例である、複数正ディスク制御装
置がある場合の遠隔コピーシステムの構成。
【図10】本発明の実施例における、正ディスク制御装
置の処理を示す。
【図11】本発明の実施例における、副ディスク制御装
置の処理を示す。
【符号の説明】
10‥‥上位装置 20、20'‥‥正ディスク制御装置 21‥‥副ディスク制御装置 201,201'‥‥データコピー制御部 202‥‥データバッファ 203、203'‥‥認識部 204、204'、214‥‥キャッシュメモリ 215‥‥非同期・同期切替え制御部 30‥‥正ディスク装置 31‥‥副ディスク装置 40‥‥連絡線 701‥‥チャネルアダプタ 702‥‥ディスクアダプタ 703‥‥バス 704‥‥データ転送インタフェース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 12/08 557 G06F 12/08 557 12/16 310 12/16 310M 13/00 301 13/00 301P 301A (72)発明者 小出 雄 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 5B005 JJ01 KK15 LL11 MM11 5B018 GA04 HA04 MA14 QA15 5B065 BA01 EA12 EA31 EA33 EK10 5B082 DE06 HA03 5B083 AA04 AA08 BB01 BB03 CC04 CD11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上位装置からのデータを格納する記憶装置
    と、前記記憶装置を制御する記憶制御装置とからなる記
    憶システムにおいて、前記記憶制御装置は、 前記データを一時的に保持するメモリと、他の記憶シス
    テムへ前記データをコピーするデータコピー制御部と、 前記メモリ内に記憶したデータが消失する可能性を認識
    する認識部とを有し、 前記認識部が、データの消失の可能性を認識すると、前
    記データコピー制御部へ指示を出す記憶システム。
  2. 【請求項2】他の記憶システムからのコピーデータを格
    納する記憶装置と、前記記憶装置を制御する記憶制御装
    置とからなる記憶システムにおいて、前記記憶制御装置
    は、 前記データを一時的に記憶するメモリと、非同期・同期
    切替部を有する記憶システム。
  3. 【請求項3】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリとを
    有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返すステップと、 前記メモリに保持している前記データを、他の記憶シス
    テムへコピーするステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識したとき、前記上
    位装置からの書きこみ要求の受け付けを一時的に停止す
    るステップからなる、記憶システムの制御方法。
  4. 【請求項4】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリとを
    有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返すステップと、 前記メモリに保持している前記データを、他の記憶シス
    テムへコピーするステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識したとき、前記メ
    モリが保持するデータのうち、前記他の記憶システムへ
    未コピーのデータをコピーする処理を、前記記憶装置へ
    のデータ格納に優先させて行なう記憶システムの制御方
    法。
  5. 【請求項5】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリとを
    有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返し、前記メモリに
    保持している前記データを、他の記憶システムへコピー
    するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識後は、前記上位装
    置から書きこみ要求のあったデータを前記他の記憶シス
    テムへコピーしてから前記上位装置へ書きこみ完了報告
    を返すステップからなる、記憶システムの制御方法。
  6. 【請求項6】正側記憶制御装置と、正側記憶装置と、正
    側メモリを有する正側記憶システムと、副側記憶制御装
    置と、副側記憶装置と、副側メモリを有する副側記憶シ
    ステムからなるリモートコピーシステムの制御方法であ
    って、 正側上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、
    前記書きこみ要求に関するデータを前記正側メモリに保
    持するステップと、 前記正側上位装置に書きこみ完了報告を返し、前記正側
    メモリに保持している前記データを、前記副側記憶シス
    テムへコピーするステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識後は、前記正側上
    位装置から書きこみ要求のあったデータを前期副側記憶
    システムへコピーしてから前記正側上位装置へ書きこみ
    完了報告を返すステップからなる、リモートコピーシス
    テムの制御方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載のリモートコピーシステムの
    制御方法であって、前期保持データの消失の可能性を認
    識後のリモートコピーが、 前記正側メモリに、前記副側記憶システムへ未コピーの
    データが残っているか検出するステップと、 前記未コピーデータが検出された場合、前記副側記憶シ
    ステムに送られてくる、前記正側上位装置からの新たな
    書き込み要求に関するコピーデータを前記副側メモリに
    保留するステップと、 前記未コピーデータを前記副側記憶システムで全て受領
    後、前記副側メモリ内のデータを、書き込まれるべき順
    序を守って前記副側記憶装置に格納するステップからな
    る、リモートコピーシステムの制御方法。
  8. 【請求項8】請求項6記載のリモートコピーシステムの
    制御方法であって、前期保持データの消失の可能性を認
    識後のリモートコピーが、 前記正側メモリに、前記副
    側記憶システムへ未コピーのデータが残っているか検出
    するステップと、 前記未コピーデータが検出された場合、前記正側上位装
    置からの書きこみ要求に関するデータを一時保留指示つ
    きで前記副側記憶システムへコピーし、前記正側上位装
    置へ書きこみ完了報告を返すステップと、 前記未コピーデータをコピーし終えた後、前記正側上位
    装置からの書きこみ要求に関するデータを一時保留終了
    指示つきで前記副側記憶システムへコピーし、前記正側
    上位装置へ書きこみ完了報告を返すステップと、 前記副側記憶システムにおいて、前記正側上位装置から
    の書きこみ要求に関する前記一時保留指示つきのデータ
    と、前記一時保留終了指示つきのデータを前記副側メモ
    リに保持するステップと、 前記副側メモリに保持されたデータを、格納されるべき
    順序に従って前記副側記憶装置に格納するステップから
    なる、リモートコピーシステムの制御方法。
  9. 【請求項9】請求項3もしくは請求項4乃至請求項6に
    記載の記憶システムの制御方法であって、前記保持デー
    タの消失の可能性を認識するステップは、地震計の作
    動、火災の予兆認識、煙感知器の作動、電圧変動の検
    出、雷の感知、気象庁からの公共情報の受信、外部から
    の注意・警告情報の受信のいずれか1つを含む、記憶シ
    ステムの制御方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載の記憶システムであって、
    当該記憶システムが組みをなして動作している場合に、
    前記保持データの消失の危険を認識後、記憶制御装置同
    士で通信するための前記記憶制御装置同士を接続する連
    絡線を有する記憶システム。
  11. 【請求項11】上位装置からのデータを格納する記憶装
    置と、前記記憶装置を制御する記憶制御装置とからなる
    記憶システムにおいて、前記記憶制御装置は、 前記データを一時的に保持するメモリと、 前記メモリ内に記憶したデータが消失する可能性を認識
    する認識部とを有する記憶システム。
  12. 【請求項12】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリと
    を有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返すステップと、 前記メモリに保持している前記データを、前記記憶装置
    に格納するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識したとき、前記メ
    モリが保持するデータのうち、前記記憶装置へ未格納の
    データを格納する処理を、前記書き込み要求の受け取り
    に優先させて行なう記憶システムの制御方法。
  13. 【請求項13】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリと
    を有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返し、前記メモリに
    保持している前記データを、前記記憶装置へ格納するス
    テップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識後は、前記上位装
    置から書きこみ要求のあったデータを前記記憶装置へ格
    納してから前記上位装置へ書きこみ完了報告を返すステ
    ップからなる、記憶システムの制御方法。
  14. 【請求項14】記憶制御装置と、記憶装置と、メモリと
    を有する記憶システムの制御方法であって、 上位装置から書きこみ要求を受け取るステップと、 前記書きこみ要求に関するデータを前記メモリに保持す
    るステップと、 前記上位装置に書きこみ完了報告を返すステップと、 前記メモリに保持している前記データを、他の記憶シス
    テムへコピーするステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識するステップと、 前記保持データの消失の可能性を認識したとき、前記メ
    モリが保持するデータのうち、前記記憶装置へ未格納の
    データを前記記憶装置へ格納する処理を、他の記憶シス
    テムへのデータコピー処理よりも優先させて行なう記憶
    システムの制御方法。
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