JP2001231872A - 放射線照射装置 - Google Patents

放射線照射装置

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JP2001231872A
JP2001231872A JP2000042879A JP2000042879A JP2001231872A JP 2001231872 A JP2001231872 A JP 2001231872A JP 2000042879 A JP2000042879 A JP 2000042879A JP 2000042879 A JP2000042879 A JP 2000042879A JP 2001231872 A JP2001231872 A JP 2001231872A
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irradiating
shielding
unit
irradiation
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Takeshi Kano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる形状の放射線減衰器を照射条件毎に作
成する手間を減少させ、所望の線量分布を得る。 【解決手段】 所定の方向へ放射線を照射する放射線照
射手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を遮蔽
する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を移動させることによ
り、放射線照射方向の線量分布を制御する制御手段とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は任意の線量分布を得
ることができる放射線照射装置に関し、たとえば放射線
を人体表面に対し斜め方向から照射する場合に人体内部
に生じる線量分布の偏りを補正することができる放射線
照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図16(a)および(b)は従来の線量
分布の偏り補正方法を例示する説明図である。図におい
て、11は患者の体表面、7は線源、19は放射線の照
射範囲、20は鉛又は鉄で作られた放射線減衰器、21
は患者体内の線量分布を示す等線量分布線である。線源
7から照射された放射線は、体表面11に照射される前
に放射線減衰器20を通過する。この放射線減衰器20
は三角形または凹凸形状の断面を有しており、その厚み
は一定ではない。この厚みの変化は、そこを通過する放
射線の減衰量に変化を生じさせ、任意の線量分布を実現
する。
【0003】図16(a)は、患者の体表面に対して傾
斜を有する線量分布を実現する放射線減衰器20を例示
する説明図である。このような放射線減衰器は、一般的
にコンベンショナルエッジ(Conventional Wedge)と呼
ばれ、患者の体表面に対して斜め方向から放射線を照射
する際に患者体内での線量分布を補正するために用いら
れる。通常は楔型の鉛や鉄を用いる。
【0004】図16(b)は、体表面の凹凸を補償する
放射線減衰器20を例示する説明図である。このような
放射線減衰器は、一般的に補償フィルターと呼ばれ、体
表面の凹凸にあわせて成型された鉛や鉄を用いて、患者
体内での線量分布を補正する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
放射線照射装置においては、任意の線量分布を得るため
に、照射条件毎に異なる形状の放射線減衰器を作成して
いた。しかしながら、このような放射線減衰器の作成に
は手間およびコストがかかるという問題があった。
【0006】本発明は以上のような問題点を解決するも
のであり、異なる形状の放射線減衰器を照射条件毎に作
成する手間を減少させ、所望の線量分布を得ることがで
きる放射線照射装置に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放射線照
射装置においては、所定の方向へ放射線を照射する放射
線照射手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を
遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を移動させることに
より、放射線照射方向の線量分布を制御する制御手段と
を備える。
【0008】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、ウェッジアングルを入力するための入力手段を
備え、前記制御手段は、線量分布が前記入力されたウェ
ッジアングルを有するように制御する。
【0009】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、前記放射線照射手段が照射する放射線量を測定
する測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手段の
測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させる。
【0010】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、前記放射線照射手段の放射線照射時間を測定す
る測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手段の時
間測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させる。
【0011】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、パルスを発生する高圧パルス発生手段と、前記
パルス発生手段が発生するパルスの数をカウントするカ
ウント手段と、前記パルスが入力されると所定の方向へ
放射線を照射する放射線照射手段と、前記放射線照射手
段が照射する放射線を遮蔽する遮蔽手段と、前記カウン
ト手段のカウント結果に応じて前記遮蔽手段を移動させ
ることにより、放射線照射方向の線量分布を制御する制
御手段とを備える。
【0012】さらにまた、この発明に係る放射線照射装
置においては、所定の方向へ放射線を照射する放射線照
射手段と、被照射物を透過した前記放射線の量を検出す
る検出手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を
遮蔽する遮蔽手段と、前記検出された放射線の量に応じ
て前記遮蔽手段を移動させることにより、放射線照射方
向の線量分布を制御する制御手段とを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本実施の形態1で
は、患者と線源との間に、隙間を有して対向する遮蔽物
を設け、この遮蔽物を移動させて当該隙間の大きさを変
化させることにより、放射線減衰器を挿入した場合と同
等な線量分布を得られるようにしたものである。
【0014】図1は本実施の形態1の放射線照射装置を
例示する構成図である。図において、1は患者、2は高
圧パルスを発生するパルサ、3は高圧パルスが入力され
ると線源7から患者1の方向に放射線を照射する照射
部、4は照射部3が照射する放射線量をモニタする線量
計、5、6は放射線を部分的に遮蔽することにより照射
野を形成する遮蔽物である。
【0015】図2(a)は、この遮蔽物の詳細を例示す
る斜視図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図であ
る。図において、図1と同一又は相当部分には同一符号
を付して説明を省略する。本実施の形態1では、遮蔽物
5、6のうちの少なくとも一方の位置をずらしながら放
射線を照射することにより、放射線照射方向の線量分布
に傾きを与えるようにする。以下、遮蔽物5の位置を固
定させ、遮蔽物6のみを移動させた場合について説明す
る。
【0016】図1の8はオペレータがX線の照射条件を
入力する入力部、9はこの入力された照射条件に基づき
後述するステップテーブルを生成する演算部、10はこ
のステップテーブルおよび線量計4のモニタ結果に基づ
き、高圧パルサ2のパルス発生および遮蔽物5、6の位
置を制御する制御部である。
【0017】図6はこのステップテーブルを例示する説
明図である。このテーブルには、遮蔽物5、6のそれぞ
れの位置、および照射部の照射線量が実行順に処理番号
を付されて定義されている。そして、遮蔽物5、6をこ
のステップテーブルに基づいて移動させることにより、
目標とする線量分布が得られるようになっている。図6
についての詳細は後述する。図1の演算部9には、この
ステップテーブルを決定する際に用いられるFF(Fiel
d Factor)テーブルなどの線源データが記憶されてい
る。
【0018】図3は、アイソセンタ付近を例示する説明
図であり、患者の断面を示している。図において、11
は患者の体表面、7は線源、12はアイソセンタ、Yは
線源7とアイソセンタ12とを結ぶ仮想軸、Xはアイソ
センタ12を通り仮想軸Yに垂直な仮想軸、Pは線量が
等しい点を結んでなる等線量分布線、Depは患者の体
表面に対するアイソセンタ12の深さ、Wは放射線の照
射野サイズである。αはアイソセンタ12における等線
量分布線Pと仮想軸Xとの交わり角度であり、一般的に
ウェッジアングルと呼ばれている。
【0019】以下、図3に示した等線量分布線Pが仮想
軸Xに対してウェッジアングルαを有するように線量分
布を制御する場合を例にとり、図1に示した放射線照射
装置の動作について説明する。オペレータは図1の入力
部8に対して、患者に照射すべき線量の総量G、X線の
エネルギーモードE、アイソセンタの体表面からの深さ
Dep、照射野形状、およびウェッジアングルαを照射
条件として入力する。ここで、エネルギーモードEとは
X線の強度のことであり、一般的にはX4、X6、X1
0等と称されるエネルギーモードが規格化されている。
【0020】演算部9は、これら入力された照射条件お
よび後述するFF(Field Factor)テーブルに基づき、
ステップテーブルを生成する。まず、演算部9は、「放
射線の強さは、線源からの距離の二乗に比例して小さく
なる」という法則に基づき、図3に示した等線量分布線
P上の放射線量を1と仮定したときの、仮想軸X上にお
ける放射線量、すなわち放射線量の相対比を計算する。
例えば、等線量分布線P上の点をp1とし、点p1を通
る放射線が仮想軸Xを通る点をx1とし、線源7から点
p1までの距離をDp1とし、点x1から線源7までの
距離をDx1とすると、点x1における線量は Dp1
2/Dx12 になる。図4は、このような計算を仮想軸
X上の複数の点について行った結果を例示した説明図で
ある。図において、仮想軸X上の各点に付された数値が
計算された相対比を示す。このようにして計算された放
射線量の相対比を重みづけ係数として、仮想軸X方向に
X線照射量を配分することにより、ウェッジアングルα
を有した線量分布を実現することができる。
【0021】次に図1の演算部9は、このようなX線照
射量の配分を実現するステップテーブルをFFテーブル
に基づき生成する。FFテーブルとは、照射野サイズと
人体の吸収線量との関係を、エネルギーモード毎に記録
したテーブルである。図5は、このようなFFテーブル
をあるエネルギーモードについて例示した説明図であ
る。この図における照射野サイズとは、照射野の形状が
正方形であると仮定したときの当該正方形の一辺のサイ
ズ(cm)のことである。この図から、たとえば照射野
サイズが2cm×2cmの正方形であるときの人体の吸
収線量が0.8センチグレイ(cGy)であることが分
かる。演算部7は、このFFテーブルに基づき、照射野
サイズをどのように制御すればよいか、すなわち遮蔽物
5、6の位置をどのように制御すれば上述した配分を実
現できるかを演算し、ステップテーブルを生成する。
【0022】図6は、演算部9が生成するステップテー
ブルを例示したものである。このステップテーブルの各
行には、処理順を示す処理番号、遮蔽物5の位置、遮蔽
物6の位置、遮蔽物が当該位置にある時に照射すべき線
量が記録されている。この生成されたステップテーブル
は図1に示した制御部10へ入力される。
【0023】制御部10は、入力されたステップテーブ
ルに基づき高圧パルサ2および遮蔽物5、6の位置を制
御する。なお、遮蔽物5、6は図3に示した仮想軸Yに
対して垂直な方向、特にここでは仮想軸Xと平行な方向
に移動させるものとする。制御部10は遮蔽物5、6を
ステップテーブルの処理番号1に定義された位置まで移
動させた後、高圧パルサ2を制御して照射部3から放射
線を照射させる。照射部3から照射される放射線量は線
量計4が常時測定しており、制御部8はこの線量計4を
モニタすることにより積算線量を把握する。
【0024】制御部10は、積算線量がステップテーブ
ルの処理番号1に定義されている線量にまで達すると、
遮蔽物5、6を次の処理番号2に定義されている位置に
まで移動させ、線量計4をモニタする。以後、同様の処
理をステップテーブルの最後まで繰り返すことにより所
定の線量分布を実現する。なお、必ずしも予めステップ
テーブルを作成しておく必要はなく、各処理が終了する
たびに次の処理を演算するようにしてもよい。たとえば
処理番号1の処理が終了した時点ではじめて処理番号2
の内容を演算するようにしてもよい。また、遮蔽物5、
6は、放射線照射中は必ず停止するように制御されても
よいし、放射線照射中に駆動される場合があってもよ
い。
【0025】以上のように、本発明の放射線照射装置で
は、放射線遮蔽物を移動させながら放射線を照射して、
放射線照射方向の線量分布を制御することより、同じ放
射線遮蔽物を用いて複数パターンの線量分布を実現す
る。よって、異なる形状の放射線減衰器を照射条件毎に
作成する手間が減少し、目的とするウェッジアングルを
有した線量分布を容易に得ることができる。
【0026】また、「放射線の強さは、線源からの距離
の二乗に比例して小さくなる」という法則に基づき放射
線遮蔽物の移動量を演算するようにしたので、放射線の
照射方向の線量分布を制御することができる。
【0027】また、アイソセンタを通り放射線遮蔽物の
移動方向に平行な仮想軸Xを定義し、目的とする線量分
布を当該仮想軸上の各点における放射線量の相対比に換
算するとともに、その相対比を重みづけ係数として当該
仮想軸上に放射線照射量を配分することにより、目的と
する線量分布を得ることができる。
【0028】また、照射野サイズと人体の吸収線量との
関係を示すFFテーブルに基づき、各ステップでの照射
量を決定することにより、人体患部の放射線吸収量が適
切となるような線量分布を得ることができる。
【0029】なお、ここでは仮想軸X上の各点における
放射線量の相対比を演算するようにしたが、この仮想軸
を含む仮想平面上における相対比を演算し、その相対比
を重みづけ係数として当該仮想平面上に放射線量を配分
してもよい。このようにすると、さらに適切な線量分布
を得ることができる。
【0030】実施の形態2.実施の形態1では「放射線
の強さは線源からの距離の二乗に比例して小さくなる」
という法則に基づき、仮想軸上の重みづけ係数を決定
し、ステップテーブルを生成した。しかしながら、人体
内部においては上記法則に加えて、人体自身が放射線を
吸収してしまうことに因っても放射線が減衰する。よっ
て、本実施の形態2では、放射線が人体に吸収されるこ
とを考慮して、実施の形態1で示した重みづけ係数を補
正することにより、さらに正確な線量分布を実現する。
【0031】本実施の形態2では、「放射線の強さは線
源からの距離の二乗に比例して小さくなる」という法則
に基づき、重みづけ係数を計算した後、TPR(Tumor
PeakRatio)テーブルを用いてその重みづけ係数を補正
する。TPRテーブルとは、体表面からの深さと、その
位置における吸収線量との関係を示すテーブルである。
図7はある特定のエネルギーモード、ある特定の照射野
サイズにおける、当該関係を例示した説明図である。T
PRテーブルには、このような深さと線量との関係が、
エネルギーモードと照射野サイズの組み合わせ毎に記録
されている。なお、図7に示す傾きkのように、深さと
吸収線量との関係を大まかな比例関係に近似して当該補
正量を決めてもよいことはいうまでもない。
【0032】このように本実施の形態2では、体表面か
らの深さと、その位置における吸収線量との関係を示す
TPRテーブルに基づき、放射線遮蔽物の移動量を決定
することにより、人体患部の放射線吸収量がさらに適切
となるような線量分布を得ることができる。
【0033】実施の形態3.本実施の形態3では、実施
の形態2で行った重みづけ係数の補正に加え、OCRテ
ーブルに基づく補正を行うことにより、さらに正確に所
望の線量分布を実現する。OCR(Off Center Ratio)
テーブルとは、図3に示した仮想軸X上における線量の
変化を記録したものである。つまり、X線源7と仮想軸
X上の各点との距離は一定ではなく、アイソセンタ12
から遠い点ほどX線源からの距離も遠くなる。OCRテ
ーブルには、このような仮想軸X上の位置と線量との関
係が記録されている。図8は、このような関係を例示し
た説明図である。図に示すように、仮想軸X上における
線量は図3に示した深さDepに応じて変化する。
【0034】本実施の形態3では、このように仮想軸X
上における線量の変化を示すOCRテーブルに基づき、
放射線遮蔽物の移動量を決定することにより、人体患部
の放射線吸収量がさらに適切となるような線量分布を得
ることができる。
【0035】実施の形態4.実施の形態1のステップテ
ーブルでは、遮蔽物の位置と照射線量との関係を定義し
た。本実施の形態4では、照射線量に替えて、照射時間
に対応づけたステップテーブルを生成する。
【0036】図9は、本実施の形態4の放射線照射装置
を例示する構成図である。線量計4に替えてタイマ13
を有している点、演算部9が図6に示したステップテー
ブルに代えて図10に示すステップテーブルを生成する
点以外は図1と同様である。図10はこの演算部9が生
成するステップテーブルを例示する説明図である。照射
線量に替えて、照射時間に対応づけられたステップテー
ブルが生成されている。
【0037】図9の制御部10は遮蔽物5、6を図10
のステップテーブルの処理番号1に定義された位置まで
移動させた後、高圧パルサ2を制御して照射部3から放
射線を照射させる。照射時間はタイマ13にて測定され
る。照射時間が処理番号1に定義された時間に達する
と、制御部10は処理番号2の処理へと進む。以後、同
様の処理をステップテーブルの最後まで繰り返すことに
より所定の線量分布を実現する。
【0038】実施の形態5.実施の形態1のステップテ
ーブルでは、遮蔽物の位置と照射線量との関係を定義し
た。本実施の形態5では、照射線量に替えて、高圧パル
スの発生数に対応づけてステップテーブルを作成する。
【0039】図11は、本実施の形態5の放射線照射装
置を例示する構成図である。線量計4に替えてカウンタ
14を有している点、演算部9が図6に示したステップ
テーブルに代えて図12に示すステップテーブルを生成
する点以外は図1と同様である。図12はこの演算部9
が生成するステップテーブルを例示する説明図である。
照射線量に替えて、パルサ2の発生パルス数に対応づけ
られたステップテーブルが生成されている。
【0040】図11の制御部10は遮蔽物5、6を図1
2のステップテーブルの処理番号1に定義された位置ま
で移動させた後、高圧パルサ2を制御して照射部3から
放射線を照射させる。高圧パルサ2の発生パルス数はカ
ウンタ14にてカウントされる。当該発生パルス数が処
理番号1に定義された値に達すると、制御部10は処理
番号2の処理へと進みカウント値をリセットする。以
後、同様の処理をステップテーブルの最後まで繰り返す
ことにより所定の線量分布を実現する。
【0041】実施の形態6.図13は、本実施の形態6
の放射線照射装置を例示する構成図である。線量計4に
代えて放射線撮像器15を有している点以外は図1と同
様である。図13の演算部9は、各種線源データおよび
照射対象物の放射線特性を考慮して作成されたステップ
テーブルを生成する。また、放射線撮像器15は、照射
開始と同時にパルサ2が発生する高圧パルスと同期して
放射線画像の撮像を開始する。放射線撮像器15が撮像
する放射線画像は、照射対象物たる患者1を透過した放
射線の映像である。
【0042】制御部10は、放射線撮像器15が撮像す
る放射線画像をモニタし、その放射線画像からのアイソ
センタでの積算線量を算出する。そして、ステップテー
ブルに定義されている当該積算線量が所定の値に達した
ときに、遮蔽物5、6をステップテーブルに定義されて
いる次の位置まで駆動する。遮蔽物5、6が当該所定の
位置に達すればその駆動を停止させる。そして、放射線
撮像器15が撮像する放射線画像を再びモニタし、積算
線量を算出する。これをステップテーブルの最後まで繰
り返すことによって、所定の線量分布を得ることができ
る。
【0043】実施の形態7.実施の形態7では、図2に
示した遮蔽物5、6に代えて、駆動可能な対向する二枚
の放射線遮蔽物がその駆動方向と直行する方向に多数並
べられたマルチリーフを採用する。図14は、このマル
チリーフを例示する斜視図である。図において図2と同
一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図14の16はそれぞれ独立してその長手方向(図示す
る矢印の方向)に駆動可能な放射線遮蔽物である。この
ようなマルチリーフを採用することにより、任意の形状
の照射野において、より適切な線量分布を実現すること
ができる。なお、図14に示したマルチリーフ構造の遮
蔽物5、6をそれぞれモノブロック的に移動させてもよ
いことはいうまでもない。
【0044】図15はその他の放射線遮蔽物を例示した
斜視図である。図において、図2と同一又は相当部分に
は同一符号を付して説明を省略する。図15の17、1
8は、遮蔽物5、6とその駆動方向が直交する(さらに
詳しくは、駆動方向がねじれの位置になる)ように設け
られた対向する遮蔽物である。これら四個の遮蔽物5、
6、17、18を駆動させることにより、さらに適切な
線量分布を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。この発明
に係る放射線照射装置においては、所定の方向へ放射線
を照射する放射線照射手段と、前記放射線照射手段が照
射する放射線を遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を移
動させることにより、放射線照射方向の線量分布を制御
する制御手段とを備えたので、所望の線量分布を容易に
得ることができる。
【0046】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、ウェッジアングルを入力するための入力手段を
備え、前記制御手段は、線量分布が前記入力されたウェ
ッジアングルを有するように制御するので、所望のウェ
ッジアングルを得ることができる。
【0047】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、前記放射線照射手段が照射する放射線量を測定
する測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手段の
測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させるので、正確
に所望の線量分布を得ることができる。
【0048】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、前記放射線照射手段の放射線照射時間を測定す
る測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手段の時
間測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させるので、正
確に所望の線量分布を得ることができる。
【0049】また、この発明に係る放射線照射装置にお
いては、パルスを発生する高圧パルス発生手段と、前記
パルス発生手段が発生するパルスの数をカウントするカ
ウント手段と、前記パルスが入力されると所定の方向へ
放射線を照射する放射線照射手段と、前記放射線照射手
段が照射する放射線を遮蔽する遮蔽手段と、前記カウン
ト手段のカウント結果に応じて前記遮蔽手段を移動させ
ることにより、放射線照射方向の線量分布を制御する制
御手段とを備えたので、正確に所望の線量分布を得るこ
とができる。
【0050】さらにまた、この発明に係る放射線照射装
置においては、所定の方向へ放射線を照射する放射線照
射手段と、被照射物を透過した前記放射線の量を検出す
る検出手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を
遮蔽する遮蔽手段と、前記検出された放射線の量に応じ
て前記遮蔽手段を移動させることにより、放射線照射方
向の線量分布を制御する制御手段とを備えたので、正確
に所望の線量分布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の放射線照射装置を例示する構
成図である。
【図2】 実施の形態1の放射線照射物を例示する斜視
図である。
【図3】 アイソセンタ付近を例示する説明図である。
【図4】 仮想軸X上の線量の相対比を例示する説明図
である。
【図5】 FFテーブルが有する情報を例示する説明図
である。
【図6】 ステップテーブルを例示する説明図である。
【図7】 TPRテーブルが有する情報を例示する説明
図である。
【図8】 OCRテーブルが有する情報を例示した説明
図である。
【図9】 実施の形態4の放射線照射装置を例示する構
成図である。
【図10】 実施の形態4のステップテーブルを例示す
る説明図である。
【図11】 実施の形態5の放射線照射装置を例示する
構成図である。
【図12】 実施の形態5のステップテーブルを例示す
る説明図である。
【図13】 実施の形態6の放射線照射装置を例示する
構成図である。
【図14】 実施の形態7の放射線照射物を例示する斜
視図である。
【図15】 実施の形態7のその他の放射線照射物を例
示する斜視図である。
【図16】 従来の放射線照射装置を例示する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 患者 2 パルサ 3 照射部 4 線量計
5,6 放射線遮蔽物 7 線源 8 入力部
9 演算部 10 制御部 12 アイソセン
タ 13 タイマ 14 カウンタ 15 放射線
撮像器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向へ放射線を照射する放射線照
    射手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を遮蔽
    する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を移動させることによ
    り、放射線照射方向の線量分布を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする放射線照射装置。
  2. 【請求項2】 ウェッジアングルを入力するための入力
    手段を備え、前記制御手段は、線量分布が前記入力され
    たウェッジアングルを有するように制御することを特徴
    とする請求項1に記載の放射線照射装置。
  3. 【請求項3】 前記放射線照射手段が照射する放射線量
    を測定する測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定
    手段の測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線照射装置。
  4. 【請求項4】 前記放射線照射手段の放射線照射時間を
    測定する測定手段を備え、前記制御手段は、前記測定手
    段の時間測定結果に応じて前記遮蔽手段を移動させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の放射線照射装置。
  5. 【請求項5】 パルスを発生する高圧パルス発生手段
    と、前記パルス発生手段が発生するパルスの数をカウン
    トするカウント手段と、前記パルスが入力されると所定
    の方向へ放射線を照射する放射線照射手段と、前記放射
    線照射手段が照射する放射線を遮蔽する遮蔽手段と、前
    記カウント手段のカウント結果に応じて前記遮蔽手段を
    移動させることにより、放射線照射方向の線量分布を制
    御する制御手段とを備えたことを特徴とする放射線照射
    装置。
  6. 【請求項6】 所定の方向へ放射線を照射する放射線照
    射手段と、被照射物を透過した前記放射線の量を検出す
    る検出手段と、前記放射線照射手段が照射する放射線を
    遮蔽する遮蔽手段と、前記検出された放射線の量に応じ
    て前記遮蔽手段を移動させることにより、放射線照射方
    向の線量分布を制御する制御手段とを備えたことを特徴
    とする放射線照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014524271A (ja) * 2011-08-04 2014-09-22 ゲーエスイー ヘルムホルッツェントゥルム フュア シュヴェリオネンフォルシュンク ゲーエムベーハー 改良型エネルギ変調器

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