JP2001230634A - 多段形低雑音増幅器 - Google Patents

多段形低雑音増幅器

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JP2001230634A JP2000039621A JP2000039621A JP2001230634A JP 2001230634 A JP2001230634 A JP 2001230634A JP 2000039621 A JP2000039621 A JP 2000039621A JP 2000039621 A JP2000039621 A JP 2000039621A JP 2001230634 A JP2001230634 A JP 2001230634A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも雑音指数(NF)を向上させるこ
とが可能な多段形低雑音増幅器を提供する。 【解決手段】 1番目の低雑音増幅器と、2番目の低雑
音増幅器と、前記1番目の低雑音増幅器と前記2番目の
低雑音増幅器との間に設けられるアイソレータとが縦続
接続されて構成される多段形低雑音増幅器であって、前
記1番目の低雑音増幅器は、第1のハイブリッド回路
と、第1の低雑音増幅回路と、第2の低雑音増幅回路
と、第2のハイブリッド回路とで構成され、かつ、前記
1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイントをIP
1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセプトポイン
トをIP2、および、前記2番目の低雑音増幅器の電圧
増幅度をG2とするとき、6dB≦IP1−IP2+G2
満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段形低雑音増幅
器に係わり、特に、テレビ放送や移動無線通信などにお
ける受信側の多段形低雑音増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は、移動通信の基地局、あるいは
TV放送の中継放送装置の受信側の一例の概略構成を示
すブロック図である。同図において、101は受信アン
テナ、102は広帯域帯域通過フィルタ、103は低雑
音増幅器、1041〜104nは狭帯域通過フィルタ、1
051〜105nは受信装置である。同図に示すように、
移動通信の基地局、あるいはTV放送の中継放送装置の
受信側には、受信アンテナ101で受信した微小な高周
波信号を増幅するための低雑音増幅器(LNA)103
が設けられる。図21は、図20に示す低雑音増幅器1
03の一例の従来の回路構成を示すブロック図である。
同図において、111はサーキュレータ(アイソレー
タ)、112は初段の低雑音増幅回路、113は次段の
低雑音増幅回路、Rは無反射終端器である。ここで、初
段の低雑音増幅回路112および次段の低雑音増幅回路
113は、増幅素子として、HEMT(High Electron
Mobility Transistor;高電子移動度トランジスタ)素
子、あるいは、GaAsFET素子が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図21に示す低雑音増
幅回路112は、雑音指数(NF;Noise Figure)が最
良になるように設計されるが、そのため、入力電圧反射
係数が大きいという問題がある。この問題を解決するた
めに、図21に示す低雑音増幅器103では、低雑音増
幅回路112の前段にサーキュレータ(アイソレータ)
111を挿入し、低雑音増幅回路112で反射された高
周波信号を無反射終端器Rで吸収し、低雑音増幅回路1
12で反射された高周波信号が受信アンテナ101に戻
らないようにしている。しかしながら、図21に示す低
雑音増幅器103では、信号経路に挿入されるサーキュ
レータ111の挿入損失により、雑音指数(NF)が劣
化するという問題があった。
【0004】図22は、図20に示す低雑音増幅器10
3の他の例の従来の回路構成を示すブロック図である。
同図に示すように、図22に示す低雑音増幅器103
は、低雑音増幅回路113の前段に、分岐用のハイブリ
ッド回路10と、合成用のハイブリッド回路12と、第
1および第2の低雑音増幅回路(111,112)とを設
けた点で、図21に示す従来の低雑音増幅器103と相
違する。ここで、第1の低雑音増幅回路111は、分岐
用のハイブリッド回路10の第2の端子T12と合成用の
ハイブリッド回路12の第1の端子T21との間に接続さ
れ、第2の低雑音増幅回路112は、分岐用のハイブリ
ッド回路10の第3の端子T13と合成用のハイブリッド
回路12の第4の端子T24との間に接続される。また、
分岐用のハイブリッド回路10の第4の端子T14、およ
び合成用のハイブリッド回路12の第2の端子T22
は、無反射終端器Rが接続される。図22に示す低雑音
増幅器103によれば、第1および第2の低雑音増幅回
路(111,112)からの反射電力は、分岐用のハイブ
リッド回路10の第4の端子T14に出力されて、無反射
終端器Rに吸収されるので、図21に示す低雑音増幅器
103より雑音指数(NF)を向上させることができ
る。
【0005】しかしながら、図22に示す低雑音増幅器
103では、雑音指数(NF)の値が、高周波信号の周
波数が2GHzの時に、0.5〜0.6dB(NF=
0.5〜0.6dB;f=2GHz)が限界であり、こ
れ以上、雑音指数(NF)を向上させることができない
という問題点があった。また、図21、図22に、2段
構成の低雑音増幅器103を図示したように、従来の低
雑音増幅器103は、低雑音増幅回路が縦続接続される
多段構成の増幅器で構成される。しかしながら、このよ
うな多段構成の増幅器では、各低雑音増幅回路のインタ
セクトポイント(IP)および電圧増幅度(GV)を最
適化しないと、総合特性において、直線性、あるいは、
相互変調波(IM)特性が劣化するという問題点があっ
た。本発明は、前記従来技術の問題点を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、従来よりも雑音
指数(NF)を向上させることが可能な多段形低雑音増
幅器を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、直線性、あるいは、相互変調波(IM)特性を向上
させることが可能な多段形低雑音増幅器を提供すること
にある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特
徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。即ち、本発明は、n個の低雑音増幅
器が縦続接続されて構成される多段形低雑音増幅器であ
って、k(k=1,2,…,n−1)番目の低雑音増幅
器のインターセプトポイントをIPk、(k+1)番目
の低雑音増幅器のインターセプトポイントをIPk+1
および、(k+1)番目の低雑音増幅器の電圧増幅度を
V(k +1)とするとき、6dB≦IPk−IPk+1+G
V(k+1)を満足することを特徴とする。前記手段によれ
ば、(k+1)番目の低雑音増幅器のインターセプトポ
イントIPk+1を仕様規格等により求められる設計要求
値で求め、前記式を満足するように、k番目の低雑音増
幅器のインターセプトポイントIPKを定めるようにし
たので、直線性の良い低雑音増幅器を得ることができ
る。
【0007】また、本発明は、1番目の低雑音増幅器
と、2番目の低雑音増幅器と、前記1番目の低雑音増幅
器と前記2番目の低雑音増幅器との間に設けられるアイ
ソレータとが縦続接続されて構成される多段形低雑音増
幅器であって、前記1番目の低雑音増幅器は、第1の端
子に入力信号が印加される第1のハイブリッド回路と、
入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第2の端子
に接続される第1の低雑音増幅回路と、入力端子が、前
記第1のハイブリッド回路の第3の端子に接続される第
2の低雑音増幅回路と、第1の端子が、前記第1の低雑
音増幅回路の出力端子に接続され、第4の端子が、前記
第2の低雑音増幅回路の出力端子に接続されるととも
に、第3の端子が、前記アイソレータの第1の端子に接
続される第2のハイブリッド回路とで構成され、かつ、
前記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイントを
IP1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセプトポ
イントをIP2、および、前記2番目の低雑音増幅器の
電圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1−IP2
V2を満足することを特徴とする。
【0008】また、本発明は、1番目の低雑音増幅器
と、2番目の低雑音増幅器とが縦続接続されて構成され
る多段形低雑音増幅器であって、前記1番目の低雑音増
幅器は、第1の端子に入力信号が印加される第1のハイ
ブリッド回路と、入力端子が、前記第1のハイブリッド
回路の第2の端子に接続される第1の低雑音増幅回路
と、入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第3の
端子に接続される第2の低雑音増幅回路と、第1の端子
が、前記第1の低雑音増幅回路の出力端子に接続され、
第4の端子が、前記第2の低雑音増幅回路の出力端子に
接続される第2のハイブリッド回路とで構成され、前記
2番目の低雑音増幅器は、第1の端子が、前記第2のハ
イブリッド回路の第3の端子に接続される第3のハイブ
リッド回路と、入力端子が、前記第3のハイブリッド回
路の第2の端子に接続される第3の低雑音増幅回路と、
入力端子が、前記第3のハイブリッド回路の第3の端子
に接続される第4の低雑音増幅回路と、第1の端子が、
前記第3の低雑音増幅回路の出力端子に接続され、第4
の端子が、前記第4の低雑音増幅回路の出力端子に接続
される第4のハイブリッド回路とで構成され、かつ、前
記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイントをI
1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセプトポイ
ントをIP2、および、前記2番目の低雑音増幅器の電
圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1−IP2+G
V2を満足することを特徴とする。
【0009】また、本発明は、1番目の低雑音増幅器
と、2番目の低雑音増幅器とが縦続接続されて構成され
る多段形低雑音増幅器であって、前記1番目の低雑音増
幅器は、第1の端子に入力信号が印加される第1のハイ
ブリッド回路と、入力端子が、前記第1のハイブリッド
回路の第2の端子に接続される第1の低雑音増幅回路
と、入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第3の
端子に接続される第2の低雑音増幅回路と、第1の端子
が、前記第1の低雑音増幅回路の出力端子に接続され、
第4の端子が、前記第2の低雑音増幅回路の出力端子に
接続される第2のハイブリッド回路とで構成され、前記
2番目の低雑音増幅器は、(2n−1;n≧2)個のハ
イブリッド回路で構成されるとともに、前記第2のハイ
ブリッド回路の第3の端子から出力される増幅後の信号
を2n個の信号に分岐する分岐手段と、前記分岐手段で
分岐された各信号を増幅する2n個の低雑音増幅回路
と、(2n−1)個のハイブリッド回路で構成されると
ともに、前記2n個の並列型低雑音増幅器から出力され
る増幅後の信号を合成する合成手段とで構成され、か
つ、前記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイン
トをIP1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセプ
トポイントをIP2、および、前記2番目の低雑音増幅
器の電圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1−I
2+GV2を満足することを特徴とする。
【0010】前記各手段によれば、第2の低雑音増幅器
での反射電圧が、第1の低雑音増幅器の入力端に反射さ
れるのを防止するようにしたので、雑音指数を従来より
も向上させることができるとともに、2番目の低雑音増
幅器のインターセプトポイントIP2を仕様規格等によ
り求められる設計要求値で求め、前記式を満足するよう
に、1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイントI
1を定めるようにしたので、直線性の良い低雑音増幅
器を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一機能を有するものは同一符
号を付け、その繰り返しの説明は省略する。 [実施の形態1]図1は、本発明の実施の形態1の低雑
音増幅器103の概略構成を示すブロック図である。同
図に示すように、本実施の形態の低雑音増幅器103
は、合成用のハイブリッド回路12と次段の低雑音増幅
回路113との間に、サーキュレータ(アイソレータ)
15を挿入した点で、図22に示す従来の低雑音増幅器
103と相違する。
【0012】図2は、λ/4・3dB結合器で構成され
るハイブリッド回路を説明するための図である。同図に
おいて、測定端子以外の各端子は無反射終端器で終端さ
れているものすると、各入力端での電圧反射係数は零で
あるから、
【数1】 S11=S22=S33=S44=0 ・・・・・・・・・・・・・・・ (1) となる。測定端子以外の端子を無反射終端器で終端し、
端子(T1−T2)、(T2−T1)、(T3−T4)、(T
4−T3)間の結合係数を測定すると、下記(2)式を得
ることができる。
【数2】 S12=S21=S34=S43=jCsinθ/((1−C21/2・cosθ+jsinθ) =1/21/2 =0.707 ・・・・・・・・・・・・ (2) 但し、C(ハイブリッド回路の結合係数)=1/21/2
(=0.707)、θ=90°である。
【0013】また、測定端子以外の端子を無反射終端器
で終端し、端子(T1−T3)、(T 3−T1)、(T2
4)、(T4−T2)間の結合係数を測定すると、下記
(3)式を得ることができる。
【数3】 S13=S31=S24=S42=(1−C2)1/2/((1−C21/2・cosθ+jsinθ) =−j/21/2 =−0.707・j ・・・・・・・・・・ (3) 但し、C(ハイブリッド回路の結合係数)=1/21/2
(=0.707)、θ=90°である。また、測定端子
以外の端子を無反射終端器で終端し、端子(T1
4)、(T 4−T1)、(T2−T3)、(T3−T2)間
の結合係数を測定すると、下記(4)式を得ることがで
きる。
【数4】 S14=S41=S23=S32=0 ・・・・・・・・・・・・・・・ (4) 前記(1)〜(4)の関係式を用いて、図2に示すハイ
ブリッド回路の〔S〕マトリクスを求めると、下記
(5)式のように表される。
【0014】
【数5】 図2に示すハイブリッド回路の端子T1に、入力電圧
(Ein)を印加したときに、端子T2、T3、T4から得
られる出力電圧(E11,E12,E13,E14)を、前記
(5)式を用いて求めると、下記(6)式のようにな
る。
【0015】
【数6】
【0016】前記(6)式から分かるように、端子T2
には、Ein/21/2(E12=Ein/2 1/2)の電圧が、端
子T3には、−jEin/21/2(E13=−jEin/
1/2)の電圧が得られる。図3は、本実施の形態にお
いて、第1および第2の低雑音増幅回路(111,1
2)で反射された高周波信号の出力先を説明するため
の図である。図3において、第1および第2の低雑音増
幅回路(111,112)の入力電圧反射係数を、それぞ
れΓ2、Γ3とすると、ハイブリッド回路の端子(T12
13)における反射電圧(EΓ 2、EΓ 3)は、下記
(7)式で表される。
【0017】
【数7】 EΓ 2=Γ2Ein/21/2Γ 3=−jΓ3Ein/21/2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (7) 前記(5)式、(7)式を用いて、ハイブリッド回路の
端子(T11,T12,T 13,T14)における出力電圧(E
1,E2,E3,E4)を求めると、下記(8)式のように
なる。
【0018】
【数8】
【0019】前記(8)式から分かるように、第1およ
び第2の低雑音増幅回路(111,112)の入力電圧反
射係数(Γ2,Γ3)が互いに等しく、Γ(=Γ2=Γ3
であれば、分岐用のハイブリッド回路10の第1の端子
11には、第1および第2の低雑音増幅回路(111
112)で反射された反射電圧が出力されず、ハイブリ
ッド回路10の第4の端子T14にのみ、第1および第2
の低雑音増幅回路(111,112)で反射された反射電
圧の合成電圧が出力され、無反射終端器Rに吸収され
る。図3において、端子(T12,T13)からそれぞれ出
力されるE12(=Ein/2 1/2)、E13(=−jEin/
1/2)の電圧は、第1および第2の低雑音増幅回路
(111,112)での反射による減衰を受けて、第1お
よび第2の低雑音増幅回路(111,112)に入力され
る。ここで、第1および第2の低雑音増幅回路(1
1,112)に入力される電圧は、下記(9)式で表さ
れる。
【0020】
【数9】 E12i=(1−Γ21/2Ein/21/213i=−j(1−Γ21/2Ein/21/2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (9) 第1および第2の低雑音増幅回路(111,112)の電
圧増幅度(電圧利得)をGv、雑音出力電圧を、それぞ
れEN1、EN2とすると、第1および第2の低雑音増幅回
路(111,112)の出力電圧は、下記(10)式のよ
うに表される。
【0021】
【数10】 E210=Gv(1−Γ21/2Ein/21/2+EN1240=−jGv(1−Γ21/2Ein/21/2+EN2 ・・・・・・・・・・・・・・・・ (10) 図4は、本実施の形態において、合成用のハイブリッド
回路12の第1および第4の端子から入力される高周波
信号の出力先を説明するための図である。同図に示すよ
うに、合成用のハイブリッド回路12の第1の端子
21、第4の端子T24に前記(10)式に示す電圧が印
加されるものとすると、合成用のハイブリッド回路12
の第2の端子T22、第3の端子T23から出力される電圧
は、下記(11)式のように表される。
【0022】
【数11】 即ち、図5に示す定インピーダンス型低雑音増幅回路に
おいて、電圧反射係数(Γin11,Γout23)は、それぞ
れ0(Γin11,Γout23=0)となり、端子(T 22,T
23)の出力電圧は、それぞれE22、E23となる。ここ
で、出力電圧(E22,E23)は、下記(12)式で表さ
れる。
【0023】
【数12】 E22=(EN1−jEN2)/21/223=−jGv(1−Γ21/2Ein+(EN2−jEN1)/21/2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (12) (12)式から分かるように、合成用のハイブリッド回
路12の第2の端子T 22には、合成高周波信号は出力さ
れないが、第1および第2の低雑音増幅回路(111
112)で発生する雑音電力(En1,EN2)の合成波が
出力される。また、合成用のハイブリッド回路12の第
3の端子T23には、信号電圧の合成波と、第1および第
2の低雑音増幅回路(111,112)で発生する雑音電
力(En1,EN2)の合成波が出力される。また、図6に
示すように、図5に示す雑音増幅回路112の後段に低
雑音増幅回路113を接続した低雑音増幅器において、
出力電圧E3は、下記(13)式で表される。
【0024】
【数13】 E3=−jGv1V2(1−Γ1 21/2(1−Γ2 21/2Ein +(EN2−jEN1)(1−Γ2 21/2/21/2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (13) ここで、Gv1は、第1および第2の低雑音増幅回路(1
1,112)の電圧増幅度、Γ1は、第1および第2の
低雑音増幅回路(111,112)の電圧反射係数、Gv2
は、低雑音増幅回路113の電圧増幅度、Γ2は、低雑
音増幅回路113の電圧反射係数である。また、図6に
示す合成用ハイブリッド回路12の第3の端子T23
は、低雑音増幅回路113の反射により、下記(14)
式で表される反射電圧EP23が生じる。
【0025】
【数14】 EP23=(−jGv1(1−Γ1 21/2Ein+(EN2−jEN1)/21/2)Γ2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (14) この反射電圧EP23が、合成用ハイブリッド回路12の
第3の端子T23に印加されると、合成用ハイブリッド回
路12の第1の端子T21と、第1の端子T24とには、下
記(15)式で表される反射電圧(EP21,EP24)が出
力される。
【0026】
【数15】 EP21=Γ2(−Gv1(1−Γ1 21/2Ein −(EN1−jEN2)/21/2)/21/2P24=Γ2(−jGv1(1−Γ1 21/2Ein +(EN2−jEN1)21/2)/21/2 ・・・・・・・・・・・・・・・ (15) この反射電圧(EP21,EP24)は、第1および第2の低
雑音増幅回路(111,112)の出力端−入力端との間
の結合により、分岐用ハイブリッド回路10の第2の端
子T12と、第3の端子T13に印加される。ここで、分岐
用ハイブリッド回路10の第2の端子T12と、第3の端
子T13に印加される反射電圧(EP12,EP13)は、下記
(16)式で表される。
【0027】
【数16】 EP12=SSEP21P13=SSEP24 ・・・・・・・・・・・・・・・ (16) ここで、SSは、第1および第2の低雑音増幅回路(1
1,112)の出力端−入力端との間の結合係数であ
る。前記(5)式、(16)式を用いて、分岐用のハイ
ブリッド回路11の各端子に出力される反射電圧を求め
ると下記(17)式のようになる。
【0028】
【数17】 したがって、分岐用のハイブリッド回路11の第1の端
子T11と第4の端子T 14に生じる反射電圧(EP11,E
P14)は、下記(18)式のようになる。
【0029】
【数18】 EP11=SS(EP21−jEP24)/21/2 =Γ2SS(−Gv1(1−Γ1 21/2Ein −(EN1+jEN2)/21/2)/2 −jΓ2SS(−jGv1(1−Γ1 21/2Ein +(EN2−jEN1)/21/2)/2 =Γ2SS(−Gv1(1−Γ1 21/2Ein−(EN1+jEN2)/21/2) EP14=SS(EP24−jEP21) =Γ2SS(−Gv1(1−Γ1 21/2Ein +(EN2−jEN1)/21/2)/2 −jΓ2SS(−Gv1(1−Γ1 21/2Ein −(EN1+jEN2)/21/2)/2 =0 ・・・・・・・・・・・・・・・ (18)
【0030】この(18)式から分かるように、分岐用
のハイブリッド回路11の第4の端子T14に生じる反射
電圧は0となるが、第1の端子T11には、(18)式で
求まる反射電圧が生じる。この反射電圧EP11によっ
て、分岐用ハイブリッド回路10の第1の端子T11の入
力インピーダンスが劣化し、さらに、この反射電圧E
P11が、再度反射して、第1および第2の低雑音増幅回
路(111,112)、並びに、低雑音増幅回路113で
増幅されることになる。したがって、図6に示すように
低雑音増幅器(即ち、図22に示す低雑音増幅器)で
は、雑音指数(NF)が理論値より以上に劣化する。図
6に示す低雑音増幅器の入力インピーダンス特性を図7
に、図6に示す低雑音増幅器の雑音指数(NF)を図8
に示す。図8にから分かるように、図6に示す低雑音増
幅器では、雑音指数(NF)がほぼ0.6dBである。
【0031】図1に示すように、本実施の形態では、分
岐用ハイブリッド回路10と、低雑音増幅回路113と
の間に、アイソレータ15を介在させるようにしてい
る。したがって、本実施の形態では、前記(14)式で
表される反射電圧(EP23)は、アイソレータ15の無
反射終端器に出力されるので、分岐用ハイブリッド回路
10の第1の端子T11の入力インピーダンス特性と、雑
音指数(NF)を改善することができる。本実施の形態
の低雑音増幅器の一例の入力インピーダンス特性を図9
に、本実施の形態の低雑音増幅器の一例の雑音指数(N
F)を図10に示す。図10から分かるように、本実施
の形態の低雑音増幅器では、雑音指数(NF)を0.3
dBとすることができる。
【0032】次に、本実施の形態の第1および第2の低
雑音増幅回路(111,112)のインタセクトポイント
(IP)について説明する。単体の低雑音増幅回路のイ
ンタセクトポイント(IP)と、電力1dB圧縮時出力
レベル(P1dB)との間には、下記(19)式に示す関
係がある。
【数19】 IP=P1dB+10dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (19) 一般に、電界効果型トランジスタ(FET)の技術試料
(またはカタログ)には、インタセクトポイント(I
P)、または電力1dB圧縮時出力レベル(P1d B)が
記載されているので、(19)式によりインタセクトポ
イント(IP)と、電力1dB圧縮時出力レベル(P
1dB)を求めることができる。また、図1に示す第1お
よび第2の低雑音増幅回路(111,112)のように、
n個の低雑音増幅回路を用いて並列型の回路構成とした
場合には、低雑音増幅回路を単体で使用する場合より
も、インタセクトポイント(IP)が大きくなる。その
場合の増加量(ΔIP)は、下記(20)式で表すこと
ができる。
【0033】
【数20】 ΔIP=10logn (nは並列接続される単位低雑音増幅器の数) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (20) 例えば、本実施の形態のように、並列接続される単位低
雑音増幅器の数が2個の場合には、増加量(ΔIP)
は、下記(21)式で表すことができる。
【数21】 ΔIP=10log2 =3dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (21) したがって、本実施の形態の低雑音増幅回路の(I
1)は、下記(22)式のようになる。
【数22】 IP1=IPT1+ΔIP =IPT1+3dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (22) ここで、IPT1は、第1および第2の低雑音増幅回路
(111,112)の単体のインタセクトポイントであ
る。
【0034】図11は、低雑音増幅回路のインタセクト
ポイント(IP)を示すグラフである。同図において、
横軸は入力電力(単位はdBm)、縦軸は出力電力(単
位はdBm)であり、Fは基本波の入力−出力電力特
性、Tは2波による3次IM波の入力−出力電力特性を
示す。なお、同図において、IPはインタセクトポイン
ト、Gは電力利得である。図12は、本実施の形態の低
雑音増幅器を簡略化して表す図である。図12におい
て、低雑音増幅回路A1は、第1および第2の低雑音増
幅回路(111,112)を表し、低雑音増幅回路A2
は、次段の低雑音増幅回路311を表す。また、同図に
おいて、GV1、IPT1+3dBは、それぞれ低雑音増幅
回路A1の電圧増幅度、インタセクトポイントであり、
V2、IP2は、それぞれ低雑音増幅回路A2の電圧増
幅度、インタセクトポイントである。
【0035】本実施の形態のような多段型の低雑音増幅
器においては、各段の低雑音増幅回路のインタセクトポ
イント(IP)および電圧増幅度(GV)を最適化しな
いと、総合特性において、3次IM特性が設計値以下に
なったり、あるいは、図11に示すように、電力1dB
圧縮時出力レベル(P1dB)付近の直線性が劣化する。
そこで、下記(23)式で表される余裕度Mを定義し、
さらに、IP2を仕様規格等により求められる設計要求
値で求め、下記(23)式を満足するように、IP1
求めると直線性の良い低雑音増幅器を得ることができ
る。
【数23】 M=IPT1+3dB−IP2+GV2≧6dB IPT1+3dB−IP2+GV2≧6dB IPT1−IP2+GV2≧3dB ・・・・・・・・・・・・・・・ (23)
【0036】一般には、図13に示すようなn個の低雑
音増幅回路が縦続接続された多段型の低雑音増幅器にお
いて、下記(24)式を満足するように設計することに
より、直線性のよい低雑音増幅器を得ることができる。
【数24】 IPk−IPk+1+GV(k+1)≧6dB ・・・・・・・・・・・・・ (24) ここで、IPkは、k(1≦k≦n−1)番目の低雑音
増幅回路のインタセクタポイント、IPk+1、GV(k+1)
は、(k+1)番目の低雑音増幅回路のインタセクタポ
イントと、電圧増幅度である。次に、図13に示す多段
型の雑音増幅器において、総合雑音指数(NF)の求方
について説明する。なお、図13において、F1dB、
2dB〜FndB、GV1dB、GV2dB〜GVndBは、
それぞれdB値で表示される1番目、2番目ないしn番
目の低雑音増回路の雑音指数(NF)と電圧増幅度であ
り、また、dB値で表示される総合雑音指数(NF)
を、FtdBとする。
【0037】初めに、dB値で表示される雑音指数(F
dB)を、下記(25)式により、真値の雑音指数
(F)に変換する。
【数25】 FdB=10logF F=10FdB/10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (25) また、dB値で表示される雑音指数(FdB)を求める
ためには、電圧増幅度(GVdB)も必要となるが、電
圧増幅度はdB値で表示されているので、下記(26)
式により、真値の電圧増幅度(GV)に変換する。
【数26】 GVdB=10logGVV=10GVdB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (26) 総合雑音指数(FtdB)は、下記(27)式により求
めることができる。
【0038】
【数27】 Ft=F1+(F2−1)/G1+(F3−1)/G12+‥‥ +(Fn−1)/G12‥‥GntdB=10logFt ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (27) 次に、一例として、本実施の形態の低雑音増幅器103
における、以下の条件下でのdBで表示される総合雑音
指数(FtdB)を計算する。 〈条件〉 増幅周波数f=2GHZ 初段の低雑音増幅回路をHEMT素子で構成し、単体の
低雑音増幅回路(11 1,112)のインタセクトポイン
ト(IPT1)=24dBm、dB値で表示される雑音指
数(F1dB)=0.3dB、dB値で表示される電圧
増幅度(GV1dB)=18dBとする。次段の低雑音回
路113をGaAsFET素子で構成し、低雑音増幅回
路113のインタセクトポイント(IP2)=39.5
dBm、dB値で表示される雑音指数(F2dB)=
1.2dB、dB値で表示される電圧増幅度(GV2
B)=18dBとする。また、アイソレータ15の挿入
損(L1)=0.5dBとする。
【0039】前記(25)式、(26)式により、真値
の雑音指数(F1,F2)、真値の電圧増幅度(G1
2)は、下記(28)式のようになる。
【数28】 F1=100.3/10≒1.072 F2=102.5/10≒1.778 GV1=GV2=1018/10≒63.1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (28) また、アイソレータ15の挿入損と、低雑音増幅回路1
13の雑音指数を加味した雑音指数(F2’)は、下記
(29)式のようになる。
【数29】 F2’dB=F2dB+L1 =2.5+0.5 =3.0dB F2’=103.0/10 ≒2.0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (29) したがって、総合雑音指数(Ft,Ftdb)は、前記
(27)式を用いて、下記(30)式のようになる。
【0040】
【数30】 Ft=F1+(F2’−1)/G1 =1.072+(2.0−1)/63.1 ≒1.088 FtdB=10log1.088 ≒0.37dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (30) ハイブリッド回路10の抵抗損(L1)を0.05dB
とし、ハイブリッド回路10の抵抗損(L1)と、低雑
音増幅回路112の雑音指数を加味した雑音指数
(F1’)は、下記(31)式のようになる。
【数31】 F1’dB=F1dB+L1 =0.3+0.05 =0.35dB F1’=100.35/10 ≒1.084 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (31) したがって、この場合の総合雑音指数(Ft,Ftdb)
は、前記(27)式を用いて、下記(32)式のように
なる。
【0041】
【数32】 Ft=F1’+(F2’−1)/GV1 =1.084+(2.0−1)/63.1 ≒1.102 FtdB=10log1.102 ≒0.42dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (32)
【0042】また、初段の低雑音増幅回路112のイン
タセクトポイント(IP1)は、増加量(ΔIP)を加
味して下記(33)式のようになる。
【数33】 IP1=IPT1+10log2 =24dBm+3dB ・・・・・・・・・・・・・・・・ (33) したがって、余裕度M(=IP1−IP2+GV2)は、下
記(34)式のようになる。
【数34】 M=IP1−IP2+GV2 =24dBm+3dB−39.5dBm+18dB+0.5dB =6.0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (34) このように、余裕度Mは6以上であるので、前記した低
雑音増幅器は直線性は良好である。
【0043】[実施の形態2]図14は、本発明の実施
の形態2の低雑音増幅器103の概略構成を示すブロッ
ク図である。同図に示すように、本実施の形態の低雑音
増幅器103は、次段の低雑音増幅回路113を、分岐
用のハイブリッド回路20と、合成用のハイブリッド回
路22と、第3および第4の低雑音増幅回路(211
212)とで構成した点で、前記実施の形態の低雑音増
幅器103と相違する。ここで、第3の低雑音増幅回路
211は、分岐用のハイブリッド回路20の第2の端子
32と合成用のハイブリッド回路22の第1の端子T41
との間に接続され、第4の低雑音増幅回路212は、分
岐用のハイブリッド回路20の第3の端子T33と合成用
のハイブリッド回路22の第4の端子T44との間に接続
される。また、分岐用のハイブリッド回路20の第1の
端子T31、および合成用のハイブリッド回路22の第3
の端子T43には、無反射終端器Rが接続される。さら
に、分岐用のハイブリッド回路20の第4の端子T
34は、合成用のハイブリッド回路12の第3の端子T23
に接続される。
【0044】本実施の形態では、増幅された信号は、合
成用のハイブリッド回路22の第2の端子T42から出力
されるが、負荷の影響によって、分岐用ハイブリッド回
路10の第1の端子T11の入力電圧反射係数が変動する
場合には、図15に示すように、合成用ハイブリッド回
路22の第2の端子T42の後段に、アイソレータ15を
接続すればよい。図16は、本実施の形態の低雑音増幅
器を簡略化して表す図である。同図において、低雑音増
幅回路A1は、第1および第2の低雑音増幅回路(11
1,112)を表し、低雑音増幅回路A2は、第3および
第4の低雑音増幅回路(211,212)を表す。また、
同図において、GV1、IPT1+3dBは、それぞれ低雑
音増幅回路A1の電圧増幅度、インタセクトポイントで
あり、GV2、IPT2+3dBは、それぞれ低雑音増幅回
路A2の電圧増幅度、インタセクトポイントである。
【0045】ここで、(IPT2+3dB)を設計要求値
で求め、下記(35)式を満足するように、IP1を求
めると直線性の良い低雑音増幅器を得ることができる。
【数35】 M=IPT1+3dB−IPT2−3dB+GV2≧6dB IPT1+3dB−IPT2−3dB+GV2≧6dB IPT1−IPT2+GV2≧6dB ・・・・・・・・・・・・・・ (35) 本実施の形態は、低雑音増幅回路A2のインタセクトポ
イントが、低雑音増幅回路A1のインタセクトポイント
より10数dBm高い場合に適した回路である。
【0046】[実施の形態3]図17は、本発明の実施
の形態3の低雑音増幅器103の概略構成を示すブロッ
ク図である。同図に示すように、本実施の形態の低雑音
増幅器103は、次段の低雑音増幅回路113を、15
(=2(4-1)+1−1=16−1)個のハイブリッド回路
(301〜3015)で構成される分岐手段と、16(=
4)個の低雑音増幅回路(311〜3116)と、16個
のハイブリッド回路(321〜3215)構成される合成
手段とで構成したで、前記実施の形態の低雑音増幅器1
03と相違する。本実施の形態では、増幅された信号
は、合成手段のハイブリッド回路321の第3の端子か
ら出力されるが、負荷の影響によって、分岐用ハイブリ
ッド回路10の第1の端子T11の入力電圧反射係数が変
動する場合には、図18に示すように、合成手段のハイ
ブリッド回路3215の第2の端子の後段に、アイソレー
タ15を接続すればよい。本実施の形態の低雑音増幅回
路113のように、並列接続される単位低雑音増幅器の
数が16個の場合には、増加量(ΔIP)は、前記(2
1)式により、下記(36)式で表すことができる。
【0047】
【数36】 ΔIP=10logn =10log16 =12dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (36) したがって、本実施の形態の低雑音増幅回路113の
(IP)は、下記(37)式のようになる。
【数37】 IP=IPT2+12dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (37)
【0048】図19は、本実施の形態の低雑音増幅器を
簡略化して表す図である。同図において、低雑音増幅回
路A1は、第1および第2の低雑音増幅回路(111
112 )を表し、低雑音増幅回路A2は、16(=
4)個の低雑音増幅回路(341〜1416)を表す。ま
た、同図において、GV1、IPT1+3dBは、それぞれ
低雑音増幅回路A1の電圧増幅度、インタセクトポイン
トであり、GV2、IPT2+12dBは、それぞれ低雑音
増幅回路A2の電圧増幅度、インタセクトポイントであ
る。
【0049】ここで、(IPT2+12dB)を設計要求
値で求め、下記(38)式を満足するように、IPT1
求めると直線性の良い低雑音増幅器を得ることができ
る。
【数38】 M=IPT1+3dB−IPT2−12dB+GV2≧6dB IPT1−IPT2+GV2≧15dB・・・・・・・・・・・・・・ (38) GaAsFET素子は、インタセクトポイント(IP)
が高いが、HEMT素子よりも雑音指数(NF)が若干
劣化する。例えば、GaAsFET素子で構成した2段
型の低雑音増幅器で、雑音指数(NF)は0.5dB程
度である。したがって、本実施の形態では、HEMT素
子で低雑音増幅器で構成する場合に、インタセクトポイ
ントを高くすることができる。
【0050】次に、本実施の形態の低雑音増幅器103
における、以下の条件下でのdBで表示される総合雑音
指数(FtdB)を計算する。 〈条件〉 増幅周波数f=2GHZ 初段の低雑音増幅回路112をHEMT素子で構成し、
単体の低雑音増幅回路(111,112)のインタセクト
ポイント(IPT1)=24dBm、dB値で表示される
雑音指数(F1dB)=0.3dB、dB値で表示され
る電圧増幅度(GV1dB)=18dBとする。次段の低
雑音回路113をHEMT素子で構成し、単体の低雑音
増幅回路(131〜3116)のインタセクトポイント
(IPT2)=26dBm、dB値で表示される雑音指数
(F2dB)=0.35dB、dB値で表示される電圧
増幅度(GV2dB)=18dBとする。また、ハイブリ
ッド回路10の抵抗損(L1)=0.05dB、ハイブ
リッド回路(301〜308)の抵抗損(L2)=0.2
dBとする。
【0051】ハイブリッド回路10の抵抗損(L1
と、低雑音増幅回路112の雑音指数を加味した雑音指
数(F1’)と、ハイブリッド回路(301〜308)の
抵抗損(L2)と、低雑音増幅回路113の雑音指数を
加味した雑音指数(F2’)は、下記(39)式のよう
になる。
【数39】 F1’dB=F1dB+L1 =0.3+0.05 =0.35dB F1’=100.35/10 ≒1.084 F2’dB=F2dB+L2 =0.35+0.2 =0.55dB F2’=100.55/10 ≒1.135 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (39)
【0052】前記(25)式、(26)式により、真値
の電圧増幅度(GV1,GV2)は、下記(40)式のよう
になる。
【数40】 GV1=GV2=1018/10 ≒63.1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (40) したがって、総合雑音指数(Ft,Ftdb)は、前記
(27)式を用いて、下記(41)式のようになる。
【0053】
【数41】 Ft=F1’+(F2’−1)/GV1 =1.084+(1.135−1)/63.1 ≒1.086 FtdB=10log1.086 ≒0.36dB ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (41)
【0054】また、余裕度M(=IPT1+3dB−IP
T2−12dB+GV2)は、下記(42)式のようにな
る。
【数42】 M=IPT1+3dB−IPT2−12dB+GV2 =24dBm+3dB−26dBm−12dB+18dB =7.0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (42) このように、余裕度Mは6以上であるので、前記した低
雑音増幅器は直線性は良好である。以上、本発明者によ
ってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に
説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)本発明の多段形低雑音増幅器によれば、直線性、
あるいは、相互変調波(IM)特性を向上させることが
可能となる。 (2)本発明の多段形低雑音増幅器によれば、従来より
も雑音指数(NF)を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の低雑音増幅器の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】λ/4・3dB結合器で構成されるハイブリッ
ド回路を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1において、第1および第
2の低雑音増幅回路で反射された高周波信号の出力先を
説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1において、第2のハイブ
リッド回路の第1および第4の端子から入力される高周
波信号の出力先を説明するための図である。
【図5】従来の定インピーダンス型低雑音増幅回路を示
すブロック図である。
【図6】図5に示す定インピーダンス型低雑音増幅回路
の後段に低雑音増幅回路を接続した低雑音増幅器を示す
ブロック図である。
【図7】図6に示す低雑音増幅器の入力インピーダンス
特性を示すグラフである。
【図8】図6に示す低雑音増幅器の雑音指数(NF)を
示す表である。
【図9】本発明の実施の形態1の低雑音増幅器の入力イ
ンピーダンス特性を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態1の低雑音増幅器の雑音
指数(NF)を示す表である。
【図11】単体の低雑音増幅回路のインタセクトポイン
ト(IP)を示すグラフである。
【図12】本発明の実施の形態1の低雑音増幅器を簡略
化して表す図である。
【図13】一般的な、多段型低雑音増幅器の構成を示す
ブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態2の低雑音増幅器の概略
構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態2の低雑音増幅器の変形
例を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施の形態2の低雑音増幅器を簡略
化して表す図である。
【図17】本発明の実施の形態3の低雑音増幅器の概略
構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態3の低雑音増幅器の変形
例を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態3の低雑音増幅器を簡略
化して表す図である。
【図20】移動通信の基地局、あるいはTV放送の中継
放送装置の受信側の一例の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図21】図20に示す低雑音増幅器の一例の従来の回
路構成を示すブロック図である。
【図22】図16に示す低雑音増幅器の他の例の従来の
回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,12,20,22,301〜3015,321 〜3
15…ハイブリッド回路、111,112,211,2
2,311〜3116,112,113,A1,A2,A
n…低雑音増幅回路、15,111…サーキュレータ
(アイソレータ)、101…受信アンテナ、102…広
帯域帯域通過フィルタ、103…多段形低雑音増幅器、
1041〜104n…狭帯域通過フィルタ、1051〜1
05n…受信装置、R…無反射終端器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J069 AA04 AA21 CA44 FA12 FA15 HA12 HA24 HA25 KA68 KC04 KC05 KC06 KC07 MA08 SA01 TA01 TA03 TA05 5J090 AA04 AA21 CA22 CA44 FA12 FA15 GN01 HA12 HA24 HA25 KA68 MA08 SA01 TA01 TA03 TA05 5J092 AA04 AA21 CA22 CA44 FA12 FA15 HA12 HA24 HA25 KA68 MA08 SA01 TA01 TA03 TA05 UR02 5K062 AA06 AB06 AB07 AD00 AD04 AE04 BE00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個の低雑音増幅器が縦続接続されて構
    成される多段形低雑音増幅器であって、 k(k=1,2,…,n−1)番目の低雑音増幅器のイ
    ンターセプトポイントをIPk、(k+1)番目の低雑
    音増幅器のインターセプトポイントをIPk+1、およ
    び、(k+1)番目の低雑音増幅器の電圧増幅度をG
    V(k+1)とするとき、6dB≦IPk−IPk+1+GV(k+1)
    を満足することを特徴とする多段形低雑音増幅器。
  2. 【請求項2】 1番目の低雑音増幅器と、2番目の低雑
    音増幅器と、前記1番目の低雑音増幅器と前記2番目の
    低雑音増幅器との間に設けられるアイソレータとが縦続
    接続されて構成される多段形低雑音増幅器であって、 前記1番目の低雑音増幅器は、第1の端子に入力信号が
    印加される第1のハイブリッド回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第2の端子
    に接続される第1の低雑音増幅回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第3の端子
    に接続される第2の低雑音増幅回路と、 第1の端子が、前記第1の低雑音増幅回路の出力端子に
    接続され、第4の端子が、前記第2の低雑音増幅回路の
    出力端子に接続されるとともに、第3の端子が、前記ア
    イソレータの第1の端子に接続される第2のハイブリッ
    ド回路とで構成され、 かつ、前記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイ
    ントをIP1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセ
    プトポイントをIP2、および、前記2番目の低雑音増
    幅器の電圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1
    IP2+GV2を満足することを特徴とする多段形低雑音
    増幅器。
  3. 【請求項3】 1番目の低雑音増幅器と、2番目の低雑
    音増幅器とが縦続接続されて構成される多段形低雑音増
    幅器であって、 前記1番目の低雑音増幅器は、第1の端子に入力信号が
    印加される第1のハイブリッド回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第2の端子
    に接続される第1の低雑音増幅回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第3の端子
    に接続される第2の低雑音増幅回路と、 第1の端子が、前記第1の低雑音増幅回路の出力端子に
    接続され、第4の端子が、前記第2の低雑音増幅回路の
    出力端子に接続される第2のハイブリッド回路とで構成
    され、 前記2番目の低雑音増幅器は、第1の端子が、前記第2
    のハイブリッド回路の第3の端子に接続される第3のハ
    イブリッド回路と、 入力端子が、前記第3のハイブリッド回路の第2の端子
    に接続される第3の低雑音増幅回路と、 入力端子が、前記第3のハイブリッド回路の第3の端子
    に接続される第4の低雑音増幅回路と、 第1の端子が、前記第3の低雑音増幅回路の出力端子に
    接続され、第4の端子が、前記第4の低雑音増幅回路の
    出力端子に接続される第4のハイブリッド回路とで構成
    され、 かつ、前記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイ
    ントをIP1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセ
    プトポイントをIP2、および、前記2番目の低雑音増
    幅器の電圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1
    IP2+GV2を満足することを特徴とする多段形低雑音
    増幅器。
  4. 【請求項4】 1番目の低雑音増幅器と、2番目の低雑
    音増幅器とが縦続接続されて構成される多段形低雑音増
    幅器であって、 前記1番目の低雑音増幅器は、第1の端子に入力信号が
    印加される第1のハイブリッド回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第2の端子
    に接続される第1の低雑音増幅回路と、 入力端子が、前記第1のハイブリッド回路の第3の端子
    に接続される第2の低雑音増幅回路と、 第1の端子が、前記第1の低雑音増幅回路の出力端子に
    接続され、第4の端子が、前記第2の低雑音増幅回路の
    出力端子に接続される第2のハイブリッド回路とで構成
    され、 前記2番目の低雑音増幅器は、(2n−1;n≧2)個
    のハイブリッド回路で構成されるとともに、前記第2の
    ハイブリッド回路の第3の端子から出力される増幅後の
    信号を2n個の信号に分岐する分岐手段と、 前記分岐手段で分岐された各信号を増幅する2n個の低
    雑音増幅回路と、 (2n−1)個のハイブリッド回路で構成されるととも
    に、前記2n個の並列型低雑音増幅器から出力される増
    幅後の信号を合成する合成手段とで構成され、 かつ、前記1番目の低雑音増幅器のインターセプトポイ
    ントをIP1、前記2番目の低雑音増幅器のインターセ
    プトポイントをIP2、および、前記2番目の低雑音増
    幅器の電圧増幅度をGV2とするとき、6dB≦IP1
    IP2+GV2を満足することを特徴とする多段形低雑音
    増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110311635A (zh) * 2019-06-28 2019-10-08 京信通信系统(中国)有限公司 超宽带放大器和基于该放大器的多载波发射、收发装置

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