JP2001230085A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2001230085A
JP2001230085A JP2000045142A JP2000045142A JP2001230085A JP 2001230085 A JP2001230085 A JP 2001230085A JP 2000045142 A JP2000045142 A JP 2000045142A JP 2000045142 A JP2000045142 A JP 2000045142A JP 2001230085 A JP2001230085 A JP 2001230085A
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electrode
organic
upper electrode
cathode
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Masaaki Ozaki
正明 尾崎
Masao Nagakubo
雅夫 永久保
Jonas Kraber
ヨーナス クレーバー
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Original Assignee
Denso Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/844Encapsulations
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に下部電極、発光部を含む有機層、上
部電極を順次積層し、少なくとも上部電極の端部を絶縁
膜により被覆してなるにおいて、上部電極の端部におけ
る上部電極の剥離を抑制するとともに、上部電極の端部
における絶縁膜のカバーレッジ性を向上させる。 【解決手段】 有機電界発光素子100において、ガラ
ス基板1上に下部電極としての透明な陽極2、ホール輸
送層3、有機発光層4、上部電極としての金属よりなる
陰極5が順次積層され、これら積層膜2〜5上は、窒化
シリコン膜等よりなる絶縁膜6により被覆保護されてお
り、陰極5の端部5aは、その上側から下側に向かって
テーパ状に裾広がり形状となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に下部電
極、発光部を含む有機層、上部電極が順次積層されてな
る有機電界発光素子に関し、特に、これら積層膜を絶縁
膜により被覆して保護するようにした有機電界発光素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子としては無機電界発光素子
と、有機電界発光素子とが知られている。これら電界発
光素子のうち、有機電界発光素子は、低電圧で駆動で
き、しかも任意の発光色が得られるという利点を有して
おり、これからの表示素子として有望である。この種の
有機電界発光素子の一般的な断面形状を図10に示す。
【0003】図10に示すものは、いわゆる有機EL
(エレクトロルミネッセンス)素子と呼ばれるもので、
基板J1上に、下部電極(本例ではITO等の透明導電
膜よりなる陽極)J2、発光部を含む有機層(ホール輸
送層J3、有機発光層J4)、上部電極(本例ではAl
等の金属よりなる陰極)J5が順次積層されてなる。さ
らに、素子の上部全体をアクリル等の樹脂よりなる絶縁
膜J6で被覆し、素子を保護している。
【0004】この絶縁膜J6の必要性は以下の理由によ
る。もし、絶縁膜J6が無いと、空気中の湿気や酸素
が、素子中の有機層及び電極層まで侵入してきて、これ
らの層間同士が剥離するために、素子寿命が短くなって
しまう。特に、上部電極J5と有機層(図10では、有
機発光層J4)とが接触している部分の近傍で、有機層
が露出している部分から、空気中の湿気等が侵入し、素
子の劣化、及び上部電極J5と有機層との剥離が進行す
る。
【0005】このような素子の劣化が起こると、素子の
低輝度領域(非発光領域)が広がるため、発光面積は減
少し、発光時の設計寸法が維持できない等の問題があっ
た。特に、ドットマットリックスディスプレイのよう
に、寸法の精度を要求される装置においては、その問題
は大きく影響する。そこで、上記のような空気中の湿気
や酸素による有機電界発光素子の劣化を防止する目的
で、素子全体にアクリル等の樹脂を全面に塗着すること
によって、絶縁膜(保護膜)J6を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の検討によれば、従来の素子構成では、図10に示
す様に、上部電極J5の端部(エッジ部)が、基板J1
平面即ち有機発光層J4平面に対して直角であるため
に、以下のような問題を生じることがわかった。
【0007】即ち、上部電極J5の端部が上記直角形状
であるため、絶縁膜J6となる樹脂を素子上に塗着する
際に、上部電極J5の端部における絶縁膜J6のカバー
レッジが悪くなり、カバーレッジの悪い部分J7から空
気中の湿気等が侵入しやすくなる。
【0008】また、上部電極J5の端部が上記のように
直角形状であるが故に、熱ストレス等により該端部にお
ける上部電極J5と有機層との界面に発生する応力が大
きく、結果的に、該端部において上部電極J5と有機発
光層J4とが剥離しやすくなる。
【0009】ここで、特開平4−332787号公報に
て、有機層と上部電極の密着性を向上させる目的で、有
機層と上部電極である陰極との間に接着層を設けたもの
が開示されている。しかしながら、この接着層を設ける
技術では、陰極と有機層との接着力は向上するが、陰極
の端部と有機層との界面(界面エッジ部)から侵入する
水分等による劣化の防止については、不完全である。
【0010】さらに、密着性の向上と素子の劣化低減を
目的として、真空中にて、有機層の露出面及び上部電極
である陰極の端部を、陰極と異なる材質の金属からなる
保護膜で被覆する方法が、特開平5−326143号公
報に開示されている。しかしながら、この方法について
も、やはり、上部電極である陰極の端部が上記直角形状
であるため、陰極端部における保護膜のカバーレッジが
不完全となり、水分等の侵入を防止するこが出来ない。
【0011】そこで、本発明は上記問題に鑑み、基板上
に下部電極、発光部を含む有機層、上部電極を順次積層
し、少なくとも上部電極の端部を絶縁膜により被覆して
なる有機電界発光素子において、上部電極の端部におけ
る上部電極の剥離を抑制するとともに、上部電極の端部
における絶縁膜のカバーレッジ性を向上させることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜請求項7記載の発明においては、上部電
極(5)の端部(5a)を、その上側から下側に向かっ
て裾広がり形状としたことを特徴としている。
【0013】それによれば、上部電極の端部を上記裾広
がり形状としているため、上記した従来の直角形状に比
べて、該端部において、熱ストレス等により上部電極と
下地である有機層(3、4)との界面に発生する応力が
緩和され、上部電極の剥離を抑制することができる。ま
た、絶縁膜(6)は上部電極の端部の裾広がり形状を継
承して形成されるため、上部電極の端部における絶縁膜
のカバーレッジ性を向上させることができ、耐湿性が向
上できる。
【0014】また、上部電極(5)の端部(5a)の裾
広がり形状は、請求項2の発明のように、上部電極の端
部の上側から下側に向かってテーパ形状となったものに
することができる。
【0015】また、ドットマットリックスディスプレイ
のように、上部電極と下部電極とが重なり合う領域と重
なり合わない領域とがあるものにおいては、両電極の重
なり合わない領域では、下部電極の端部が上記直角形状
であると、その上に積層された絶縁膜も、下部電極の端
部においてこの直角形状を継承した形で形成されるた
め、下部電極の端部における絶縁膜のカバーレッジが悪
化し、耐湿性が悪化する。
【0016】請求項3の発明は、この問題をも解決する
もので、絶縁膜(6)によって有機層(3、4)の全域
上を被覆した構成において、下部電極(2)の端部(2
a)も、その上側から下側に向かって裾広がり形状とし
たことを特徴としている。それにより、上下電極が重な
り合わない領域においても、絶縁膜は下部電極の端部の
裾広がり形状を継承して形成でき、下部電極の端部にお
ける絶縁膜のカバーレッジ性を向上させることができ、
耐湿性が向上できる。
【0017】ここで、この下部電極(2)の端部(2
a)の裾広がり形状も、請求項4の発明のように、下部
電極の端部の上側から下側に向かってテーパ形状となっ
たものにすることができる。
【0018】また、請求項5の発明では、上部電極
(5)の端部(5a)のみを絶縁膜(6)により被覆し
たことを特徴とする。上記請求項1〜4の発明では、絶
縁膜も上部電極の端部において裾広がり形状となること
で、絶縁膜によって上部電極に発生する応力が緩和され
るのであるが、本発明では、上部電極の端部のみの被覆
構造とすることにより、上部電極の上面に絶縁膜の無い
開口部を存在させることとなる。
【0019】そのため、本発明では、上部電極全面を覆
った場合に比べ、応力緩和の効果が大きくなり、上部電
極の剥離を高いレベルにて防止することが出来る。つま
り、上部電極全面を熱膨張係数の異なる絶縁膜で覆うよ
りも一部を開口した方が、上部電極と絶縁膜との熱膨張
係数の差により発生する応力が小さくなるからである。
【0020】ここで、請求項6の発明のように、絶縁膜
(6)としては、無機材料または高分子材料よりなる膜
を採用することができる。また、請求項7の発明のよう
に、絶縁膜(6)の残留応力が圧縮応力となるようにす
れば、上部電極及び有機層を上から押さえつける力が働
くため、引張応力である場合に比べて、上部電極の剥離
を抑制することができる。
【0021】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。なお、以下の各実施形態における各
図相互において、同一部分には各図中、同一符号を付し
てある。
【0023】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態に係る有機電界発光素子100の概略平面図であ
り、図2は、図1中のA−A断面に沿った概略断面構成
図である。平坦なガラス基板(基板)1上には、ITO
(インジウムチンオキサイド)膜等の透明導電膜よりな
り、ホール注入電極として機能する陽極(下部電極)2
が形成されている。
【0024】本例では、図1に示す様に、陽極2は、基
板1上に成膜されたITO膜をエッチング等にてパター
ニングすることにより、x方向に延びるストライプ状に
形成されたものであり、例えば、500μm幅の帯状の
ものが、50μmの間隔でストライプ状に並んだものと
できる。
【0025】この陽極2上には、発光部を含む有機層と
してのホール輸送層3及び有機発光層(発光部)4が、
順次形成されている。本例では、ホール輸送層3とし
て、テトラトリフエニルアミン(以下、TPTEとい
う)を約400Åの膜厚で、続いて、有機発光層4とし
て、トリス(8一キノリノール)アルミニウム(以下、
Alqという)に蛍光物質のキナクリドン化合物をドー
プしたものを約500Åの膜厚で、1.333224×
10-4Pa(約10-6Torr)の真空度にて順次蒸着
する。
【0026】そして、有機発光層4の上には、金属等よ
りなり、電子注入電極として機能する陰極(上部電極)
5が形成されている。本例では、陰極5は、マスクを用
いた真空蒸着によって形成されたAl(アルミニウム)
膜であり、図2に示す様に、陽極2と略直交するように
y方向へ延びるストライプ形状をなす。この場合例え
ば、陰極5は、500μm幅の帯状のものが、50μm
の間隔でストライプ状に並んだものとできる。
【0027】このように、本有機電界発光素子100
は、陽極2と陰極5とが交差して重なり合う領域が、発
光表示を行うべき部分である表示画素を構成しているド
ットマトリクスディスプレイである。図2では、陽極2
と陰極5とが重なり合って、複数個の矩形状の表示画素
Gを構成している。
【0028】ここで、陰極5の端部(エッジ部)5a
は、その上側から下側に向かってテーパ状に裾広がり形
状となっている。ここで、有機発光層4の層平面と陰極
5の端部5aの端面とのなす角度θ、即ち、陰極のエッ
ジテーパ角度(陰極の端部テーパ角度)θは、応力緩和
と絶縁膜6のカバーレッジとの関係より60度以下が良
く、望ましくは45度以下である。
【0029】このエッジテーパ角度θは、陰極の真空蒸
着における蒸発源と基板との距離、基板と金属マスクと
の距離、金属マスクの厚み等を変化させつつ、エッジテ
ーパ角度θを測定しながら成膜することにより、所定の
角度に形成することが出来る。例えば、蒸発源と基板と
の距離を近づけると該角度θは小さくなり、基板と金属
マスクとの距離を遠ざけても該角度θは小さくなる。
【0030】本例では、蒸発源と基板との距離を約40
cmとし、1mm厚の金属マスクを基板から3mmの距
離を取って成膜することにより、エッジテーパ角度θを
40度としている。
【0031】さらに、陰極5の上部、陰極5が形成され
ていない有機発光層4の上部には、窒化シリコンや窒化
アルミニウム等の窒化物、または、酸化アルミニウムや
酸化シリコン等の無機膜よりなる絶縁膜6が形成されて
いる。この絶縁膜6は、図1に示す様に(便宜上、絶縁
膜6にハッチングを施してあるが断面ではない)、有機
発光層4の成膜領域(二点鎖線にて図示)よりも広い範
囲を被覆しており、下地である積層膜2〜5を保護して
いる。
【0032】また、絶縁膜6の成膜領域は、図1に示す
様に、陰極5と陽極2における外部回路(図示せず)と
の接続端子部が露出されるように設定されている。この
絶縁膜6の厚さは、ピンホール、カバーレッジ、防湿性
等の面から、100nmは必要であるが、膜特性や生産
性等の点から50μm以下が望ましい。
【0033】また、絶縁膜形成の条件としては、一般的
な条件であるが、特に有機膜へのダーメジを少なくする
ために成膜温度は出来るだけ低い方が望ましい。また、
絶縁膜6の残留応力が圧縮応力となるようにすれば、陰
極(上部電極)5及び有機層3、4を上から押さえつけ
る力が働くため、引張応力である場合に比べて、陰極5
の有機発光層4からの剥離を抑制することができ、好ま
しい。
【0034】本例では、絶縁膜6は、プラズマCVD法
により約2μmの厚さで形成された窒化シリコン(Si
34)膜としている。そして、窒化シリコン膜6の残留
応力が圧縮応力となるように、反応室への流入ガスは、
一般的なSiH4(シラン)とNH3(アンモニア)に加
えてH2を流入した。具体的な各条件は、成膜温度30
℃〜120℃,反応炉の圧力1.333224Pa(1
0mTorr)、SiH4ガスの流速率及びNH3ガスの
流速率15SCCM、H2ガスの流速率10SCCMと
した。
【0035】上記方法で成膜した窒化シリコン膜6は、
図2に示す様に、陰極5の端部5aのテーパ形状を継承
して形成されるため、該端部5aにおけるカバーレッジ
が非常に良好であり、また、膜の応力を顕微ラマン法を
用いて測定した結果、圧縮応力で2×108Pa(2×
109dyn/cm2)という値を示した。
【0036】このように、本実施形態によれば、陰極
(上部電極)5の端部5aを、その上側から下側に向か
ってテーパ状に裾広がり形状としたことを特徴としてお
り、それによって、従来の直角形状に比べて、該端部5
aにおいて、熱ストレス等により陰極5と下地である有
機発光層4との界面に発生する応力が緩和され、該界面
での剥離を抑制することができる。
【0037】また、絶縁膜6は、陰極(上部電極)5の
端部5aのテーパ形状を継承して形成されるため、該端
部5aにおける絶縁膜6のカバーレッジ性を向上させる
ことができ、耐湿性が向上できる。次に、これら本実施
形態の効果について具体的に検証した結果を、図3及び
図4を用いて説明する。
【0038】上記した本例の構成とした有機電界発光素
子100(α素子)と、このα素子において、上記図1
0に示した様に、陰極J5を従来の直角形状とした有機
電界発光素子(β素子)とを、それぞれ作製し、これら
両素子について、高温高湿作動試験により寿命の比較を
行なった。なお、α素子とβ素子は、陰極のテーパ形状
以外は同条件で作成した素子である。
【0039】試験条件は、65℃、95%RHの雰囲気
内で動作することとした。その時の動作時間と輝度の変
化を示したのが図3である。また、図4は、高温高湿作
動試験における200時間作動後のα素子((a)参
照)及びβ素子((b)参照)の低輝度領域(ダークエ
リア)の発生状況を模式的に示す図である。
【0040】図3より明らかなように、α素子は、絶縁
膜6によるカバーレッジが良いため、陰極5の端部5a
から発生する低輝度領域の表示画素Gへの進行が抑制さ
れているが(図4(a)参照)、陰極5の端部5aにお
ける絶縁膜6のカバーレッジが不完全なβ素子では、陰
極5の端部5aから低輝度領域(図4(b)中、点々ハ
ッチングにて図示)が表示画素G内まで進行しているた
め、α素子に比べて輝度の低下が速い。
【0041】なお、絶縁膜6としては、低誘電率で高温
での安定性も良いことで最近注目されているフルオロカ
ーボン/シリコン酸化膜を用いても良い。この膜は、フ
ルオロカーボンのソースガスとして過フルオロベンゼン
と、SiO2のソースガスとしてヘキサメチルシシロキ
サンを供給して、プラズマCVDにより成膜することが
出来る。
【0042】また、本実施形態において、陰極5の端部
5aの裾広がり形状は、上記したテーパ形状でなくとも
良い。例えば、陰極(上部電極)5の端部5a形状の変
形例としては、図5に示す様な各形状でもよい。図5に
おいて、(a)は波段形状、(b)は凸状に湾曲した形
状、(c)は凹状に湾曲した形状であるが、それぞれ、
上記裾広がり形状を構成している。
【0043】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
絶縁膜6として無機材料よりなる膜を用いたが、本第2
実施形態では、絶縁膜6として高分子材料よりなる膜を
採用したことが異なるものである。従って、形状的には
本実施形態の有機電界発光素子は、上記第1実施形態の
ものと同様である。また、製造面でも、陰極5の形成ま
では、第1実施形態と同様である。
【0044】有機発光層4の材料である蛍光性の有機固
体は、機械的熱的強度が低いために、無機材料の成膜に
より、蛍光性の有機固体が物理的に損傷してしまい、輝
度の低下や寿命の低下の原因となってしまう可能性があ
る。また、無機材料の絶縁膜6の熱膨張率と蛍光性の有
機固体の熱膨張率とは大きく異なるため、絶縁膜6にひ
び割れが生じてしまい、空気中の湿気や酸素の侵入防止
効果が低下してしまう可能性がある。
【0045】本実施形態では、絶縁膜6を構成する高分
子材料として、例えば、フッ素系高分子であるテトラフ
ルオロエチレン、また、フッ素系に限らず、例えばポリ
オレフィン系(ポリエチレン等)の材料を用いることが
できる。そして、これら高分子材料は、スピンコート
法、真空蒸着法またはスパッタ法により成膜することが
できる。
【0046】絶縁膜6を構成する高分子材料として、テ
トラフルオロエチレンを用いた例を挙げて説明する。ス
ピンコート法により、陰極5まで形成された基板1の全
面に塗布した後、フォトエッチングにより、陰極5と陽
極2の接続端子部に相当する領域をエッチングし、厚さ
約10μmの絶縁膜6を形成した。
【0047】ここで、エッチング領域については、上記
第1実施形態と同様、回路を接続する端子部のみ露出す
るようにマスク設計することと、有機層3、4を完全に
覆うことが重要である。これは、有機層3、4がエッチ
ング液で汚染される心配が有るということと、絶縁膜6
の端面から空気中の湿気や酸素が侵入し、低輝度領域
(ダークエリア)が発生する心配が有るからである。
【0048】本例の絶縁膜6の厚さは、約10μmで形
成したが、ピンホールが無い均一な膜で、湿気の侵入を
防止出来るものであれば良く、段差等を考慮すると1μ
m以上必要である。但し、膜厚が50μm以上になる
と、蒸着で成膜する場合はプロセス時間が長くなるだけ
で、ピンホールや湿気防止等へのメリットが無くなる。
また、スピンコートで成膜する場合は、時間的なロスは
無いが、膜厚が不均一となるためエッチングが困難とな
る。従って、1μm〜50μmが妥当な範囲である。
【0049】ところで、本実施形態でも、上記第1実施
形態と同様の効果を有する有機電界発光素子を実現する
ことができるが、さらに、無機材料の絶縁膜6を成膜す
る場合に比べて、有機発光層4を損傷したり、熱膨張率
差による絶縁膜6のひび割れといった可能性を、低減す
ることができる。
【0050】(第3実施形態)上記第1及び第2実施形
態では、陰極5の端部5aを裾広がり形状にする構造で
あったが、本第3実施形態では、それに加えて、絶縁膜
6によって有機層3、4の全域上を被覆した構成におい
て、陽極2の端部(エッジ部)も、裾広がり形状にする
ようにしたものである。まず、このような構成とする必
要性について述べる。
【0051】図6は、上記図1中のB−B断面に沿った
有機電界発光素子100の概略断面を示す図である。上
記有機電界発光素子100はドットマトリクスディスプ
レイであり、図6は、陰極5と陽極2とが交差していな
い領域(上部電極と下部電極とが重なり合わない領域)
である。この領域において、図6に示す様に、陽極2の
端部2aの形状が、基板1の平面に対して垂直となった
直角形状であれば、陽極2の端部2aにおける絶縁膜6
のカバーレッジが不完全となり、水分の侵入が発生する
可能性がある。
【0052】この交差していない領域は、本来の発光領
域(つまり、表示画素G)ではないが、湿気や酸素の侵
入により、本来の発光領域にまで影響を与えることは充
分考えられる。つまり、低輝度領域(ダークエリア)
が、表示画素Gの端部から表示画素G内まで広がって、
低輝度の原因となる可能性がある。従って、絶縁膜6に
よって有機層3、4の全域上を被覆した構成において
は、絶縁膜6のカバーレッジを考えると、陰極5の端部
5aの裾広がり形状化だけでは不十分であり、陽極2の
端部2aも同様に裾広がり形状とする必要がある。
【0053】陽極2の端部2aも裾広がり形状とした本
実施形態に係る有機電界発光素子200の概略断面構造
を図7に示す。この図7は、上記図6に対応した断面を
示している。勿論、本有機電界発光素子200において
も、図7中には図示しないが、上記図2のものと同様
に、陰極5の端部5aは上記裾広がり形状となってい
る。そして、陽極2の端部2aを被覆する絶縁膜6も、
陽極2の端部2aの裾広がり形状を継承した形状となっ
ている。
【0054】ここで、本例では、陽極2の端部2aは、
その上側から下側に向かってテーパ状に裾広がり形状と
なっているが、このテーパ形状としては、陰極5の場合
と同様に、絶縁膜6のカバーレッジ性より、テーパ角度
θ(図7参照)は60度以下が望ましい。また、絶縁膜
6として、本例では窒化シリコン膜を用いているが、無
機材料、高分子材料を問わず採用することができる。
【0055】本実施形態の製造プロセスとしては、陽極
2のパターン形成後に研磨工程を追加するだけで、その
他の工程は、上記第1実施形態や第2実施形態と同様で
ある。この研磨工程により、陽極2の端部2aを研磨
し、上記裾広がり形状を形成する。研磨方法としては、
テープ研磨、またはショットブラスト等の一般的な方法
を用いて行うことができる。
【0056】そして、本実施形態によれば、上記第1及
び第2実施形態と同様の効果を奏することに加えて、上
下電極2、5が重なり合わない領域においても、絶縁膜
6は陽極(下部電極)2の端部2aの裾広がり形状を継
承して形成でき、陽極2の端部2aにおける絶縁膜6の
カバーレッジ性を向上させることができ、耐湿性が向上
できる。従って、さらに高信頼性の有機電界発光素子3
00が得られる。なお、陽極2の端部2aの裾広がり形
状も、上記図5に示す各形状のようであっても良い。
【0057】(第4実施形態)図8は、本発明の第4実
施形態に係る有機電界発光素子300の概略平面図であ
り、図9は、図8中のC−C断面に沿った概略断面構成
図である。本実施形態は、陰極5の端部5aのみを絶縁
膜6により被覆し、それによって、絶縁膜6が有機発光
層4上面の露出部分を被覆するようにしている。その他
は、上記第1及び第2実施形態と同様である。
【0058】つまり、本実施形態では、有機発光層4の
露出部分及び該露出部分近傍を絶縁膜6で覆うことによ
り、空気中の湿気や酸素の侵入を防止するとともに、空
気中の湿気や酸素の侵入の心配が少ない陰極5の一部分
には、絶縁膜6を形成しないようにしている。即ち、陰
極5の端部5aのみの被覆構造とすることにより、陰極
5の上面に絶縁膜6の無い開口部を存在させることとな
る。
【0059】このような構造とすることにより、無機材
料の絶縁膜6の場合には、無機材料の熱膨張率と蛍光性
の有機固体の熱膨張率とは大きく異なるために発生す
る、絶縁膜6のひび割れが抑制出来る。また、高分子材
料の絶縁膜6の場合は、高分子材料と陰極(Al等の金
属)との熱膨張率の差により発生する剥離が抑制出来
る。
【0060】つまり、上記第1及び第2実施形態のよう
に、全面を絶縁膜6で覆うより、部分的に絶縁膜6の無
い領域を設けることによって応力緩和が出来るのであ
る。本実施形態の製造プロセスについては、絶縁膜6の
形成方法のみ記載するが、その他の工程は、上記第1及
び第2実施形態と同様である。
【0061】無機材料(例えば窒化シリコン膜)で絶縁
膜6を形成する場合は、マスク蒸着により形成すること
が可能である。また、フッ素系高分子であるテトラフル
オロエチレン等の高分子材料で絶縁膜6を形成する場合
は、陰極5まで形成された基板1の全面に、スピンコー
ト法で塗布した後、フォトエッチングプロセスでパター
ン形成することが出来る。フォトプロセスを使用して
も、エッチング液にさらされるのは陰極5の表面だけ
で、有機発光層4は汚染されることがない。
【0062】(他の実施形態)上記各実施形態では、陰
極5側に有機発光層4が露出している場合について説明
を行ったが、有機発光層4の陰極5側に電子輸送層が形
成されている構造においても同様の効果を得ることがで
きる。また、ガラス基板1側に陽極2を形成した例しか
記載されていないが、ガラス基板側に陰極を形成した構
造においても同様の効果を得ることができる。また、絶
縁膜6が無機膜と高分子膜の2層構造であれば、さらに
高寿命の素子となることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機電界発光素子
の概略平面図である。
【図2】図1中のA−A断面に沿った概略断面図であ
る。
【図3】上記第1実施形態の高温高湿作動試験における
具体的効果を示す図である。
【図4】高温高湿作動試験における低輝度領域の発生状
況を示す図である。
【図5】上部電極の端部形状の変形例を示す図である。
【図6】図1中のB−B断面に沿った概略断面図であ
る。
【図7】本発明の第3実施形態に係る有機電界発光素子
の概略断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る有機電界発光素子
の概略平面図である。
【図9】図8中のC−C断面に沿った概略断面図であ
る。
【図10】従来の有機電界発光素子の一般的な断面形状
を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…陽極、2a…陽極の端部、3…ホ
ール輸送層、4…有機発光層、5…陰極、5a…陰極の
端部、6…絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレーバー ヨーナス 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB15 BA06 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)上に下部電極(2)、発光部
    を含む有機層(3、4)、上部電極(5)が順次積層さ
    れており、少なくとも前記上部電極の端部(5a)が、
    これら積層膜(3〜5)を保護するための絶縁膜(6)
    により被覆されてなる有機電界発光素子において、 前記上部電極の端部は、その上側から下側に向かって裾
    広がり形状となっていることを特徴とする有機電界発光
    素子。
  2. 【請求項2】 前記上部電極(5)の端部(5a)の裾
    広がり形状は、前記上部電極の端部の上側から下側に向
    かってテーパ形状となっているものであることを特徴と
    する請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜(6)は、前記有機層(3、
    4)の全域上を被覆しており、 前記下部電極(2)の端部(2a)も、その上側から下
    側に向かって裾広がり形状となっていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 前記下部電極(2)の端部(2a)の裾
    広がり形状は、前記下部電極の端部の上側から下側に向
    かってテーパ形状となっているものであることを特徴と
    する請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 前記上部電極(5)の端部(5a)のみ
    が、前記絶縁膜(6)により被覆されていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の有機電
    界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜(6)は、無機材料または高
    分子材料よりなる膜であることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれか1つに記載の有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】 前記絶縁膜(6)の残留応力が圧縮応力
    であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1
    つに記載の有機電界発光素子。
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