JP2001228225A - 蓄電装置の残容量検出装置 - Google Patents

蓄電装置の残容量検出装置

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JP2001228225A
JP2001228225A JP2000040349A JP2000040349A JP2001228225A JP 2001228225 A JP2001228225 A JP 2001228225A JP 2000040349 A JP2000040349 A JP 2000040349A JP 2000040349 A JP2000040349 A JP 2000040349A JP 2001228225 A JP2001228225 A JP 2001228225A
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voltage value
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高陽 関根
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R19/00Arrangements for measuring currents or voltages or for indicating presence or sign thereof
    • G01R19/165Indicating that current or voltage is either above or below a predetermined value or within or outside a predetermined range of values
    • G01R19/16533Indicating that current or voltage is either above or below a predetermined value or within or outside a predetermined range of values characterised by the application
    • G01R19/16538Indicating that current or voltage is either above or below a predetermined value or within or outside a predetermined range of values characterised by the application in AC or DC supplies
    • G01R19/16542Indicating that current or voltage is either above or below a predetermined value or within or outside a predetermined range of values characterised by the application in AC or DC supplies for batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ瞬時に正確な残容量を検出する。 【解決手段】 バッテリー11の電流値I、電圧値V、
温度Tを検出する(ステップS101)。所定残容量、
10%及び90%に対して10%リセット電圧値V
RESET1及び90%リセット電圧値VRESET2を算出する
(ステップS102)。(電圧値V−10%リセット電
圧値VRESET1)がゼロ以下かつ電流値Iの時間変化の
傾きがゼロ以上かつ(電圧値V−10%リセット電圧値
RESET1)の時間変化の傾きがゼロ以下の時、残容量
ZANAに10%をセットする(ステップS103〜ス
テップS106)。(電圧値V−90%リセット電圧値
RESET2)がゼロ以上かつ電流値Iの時間変化の傾き
がゼロ以下かつ(電圧値V−90%リセット電圧値V
RESET2)の時間変化の傾きがゼロ以上の時、残容量Z
ANAに90%をセットする(ステップS107〜ステ
ップS110)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバッテリー
等の蓄電装置の残容量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電気自動車やハイブリッド
車両等に備えられたバッテリーの残容量を検出する場
合、残容量はバッテリー内に貯留されている電荷の総量
に対応することから、例えば、バッテリーの充電電流及
び放電電流を所定期間毎に積算して積算充電量及び積算
放電量を算出し、これらの積算充電量及び積算放電量を
初期状態或いは充放電開始直前の残容量に加算或いは減
算することでバッテリーの残容量を算出する方法が知ら
れている。しかしながら、このような方法では、積算充
電量及び積算放電量を算出する際に、例えば電流検出器
の測定誤差等が累積されて残容量の誤差が増大する場合
がある。
【0003】このため、上述したような電流積算法によ
り算出された残容量を、適宜のタイミングで正確な値に
較正するバッテリーの残容量検出装置として、例えば特
開平10−132911号公報に開示されたバッテリー
残容量計のように、予め、バッテリーの電流値及び電圧
値及び残容量に関する所定の関係式或いはマップ等を保
持しておき、電流検出器及び電圧検出器により検出され
たバッテリーの充放電電流の電流値及び電圧値に基づい
て残容量を算出し、算出された残容量によって較正を行
うバッテリーの残容量検出装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術の一例によるバッテリーの残容量検出装置において
は、例えば電気自動車やハイブリッド車両の走行時のよ
うに、バッテリーの充放電電流の電流値が激しく変化す
る場合には、検出された電流値及び電圧値に基づいて算
出された残容量が、実際の値から大きくずれてしまうと
いう問題が生じる。すなわち、充放電電流の電流変化が
瞬間的に生じた場合、電圧値はその平衡値へと瞬間的に
変化するのでは無く、徐々に平衡値へと至るため、この
過渡状態において、電圧値には平衡値からのずれが含ま
れることになり、この電圧値から算出した残容量に大き
なずれが生じてしまう恐れがある。
【0005】例えば、図7(a),(b)はバッテリー
の電流値の変化に伴う電圧値の変化を示すグラフ図であ
り、図7(a)に示すように、バッテリーが放電を開始
して、放電電流の電流値が例えば0Aから20Aへと瞬
時に変化すると、電圧値は放電開始時の初期電圧値、例
えば12Vから徐々に低下して、所定時間経過後に電圧
の平衡値、例えば11Vへと到達する。逆に、図7
(b)に示すように、バッテリーが充電を開始して、充
電電流の電流値が例えば0Aから20Aへと瞬時に変化
すると、電圧値は充電開始時の初期電圧値、例えば12
Vから徐々に増加して、所定時間経過後に電圧の平衡
値、例えば13Vへと到達する。このため、放電開始直
後或いは充電開始直後のように、電流変化が生じた瞬間
に検出された電圧値は、電圧の平衡値に対して大きなず
れを有している。
【0006】ところで、上述した従来技術の一例による
バッテリーの残容量検出装置に予め保持された所定の関
係式或いはマップ等は、バッテリーの定常状態での電圧
特性、つまり電圧の平衡値に基づいて作成されているた
め、検出された電圧値が、電圧の平衡値に対してずれを
有するような過渡状態では、この電圧値に基づいて所定
の関係式或いはマップ等からバッテリーの残容量を算出
すると、残容量のずれが増大してしまい、特に、電流変
動が激しい場合には正確な残容量を得ることができなく
なる。また、バッテリーの温度が低い場合やバッテリー
が劣化している場合には、バッテリーの内部抵抗が高く
なり、この内部抵抗が増大した分だけ、検出された電圧
値の、その平衡値に対するずれが増大する。さらに、高
出力で充放電された場合にも、高出力になった分だけ、
検出された電圧値の、その平衡値に対するずれが増大し
て、より一層、残容量の精度が低下するという問題が生
じる。
【0007】こうした問題に対して、検出された電圧値
の、平衡値からのずれを少なくするような処理として、
例えば、連続して測定された複数の電圧測定値を平準化
し、この平準化された電圧値に基づいてバッテリーの残
容量を算出する方法が考えられる。しかしながら、この
ような平準化処理を行っても、検出された電圧値の平衡
値からのずれの影響を完全に取り除くことはできないと
いう問題が生じるこうした問題に対して、例えば、連続
して測定された電圧測定値が所定回数に亘って所定の条
件を満たした場合に、この電圧測定値に基づいてバッテ
リーの残容量を算出する方法が考えられる。
【0008】しかしながら、これらの方法では、電圧測
定値の平衡値からのずれを除去しているわけでは無く、
ずれを平準化しているだけであるから、平衡値に対する
ずれを含む電圧測定値に基づいて算出されるバッテリー
の残容量には、依然としてずれが残ってしまうという問
題がある。しかも、連続して測定された複数の電圧測定
値を得るために適宜の時間が必要となり、残容量の検出
が遅れてしまうという問題が生じる。また、平準化時間
や所定回数に亘って満たすべき所定の条件等を、例えば
電気自動車やハイブリッド車両の走行条件(最大出力、
バッテリー温度、バッテリーの劣化度等)を想定し、こ
の想定した走行条件に応じて、予め設定する必要があ
り、煩雑な手間が掛かるという問題がある。本発明は上
記事情に鑑みてなされたもので、例えば蓄電装置の過渡
状態等において、検出される電圧値の、その平衡値から
のずれが大きな場合であっても、簡便かつ瞬時に正確な
残容量を検出することが可能な蓄電装置の残容量検出装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の蓄電
装置の残容量検出装置は、蓄電装置(例えば、後述する
実施の形態におけるバッテリー11)の放電電流及び充
電電流の電流値(例えば、後述する実施の形態における
電流値I)を検出する電流検出手段(例えば、後述する
実施の形態における電流検出器15)と、前記蓄電装置
の端子電圧の電圧値(例えば、後述する実施の形態にお
ける電圧値V)を検出する電圧検出手段(例えば、後述
する実施の形態における電圧検出器16)と、前記電流
検出手段にて検出された前記電流値に基づいて、前記蓄
電装置の所定残容量(例えば、後述する実施の形態にお
ける所定の残容量#ZAN1=10%,#ZAN2=9
0%)に対する電圧閾値(例えば、後述する実施の形態
における10%リセット電圧値VRESET1,90%リセ
ット電圧値VRESET2)を算出する電圧閾値算出手段
(例えば、後述する実施の形態におけるステップS10
2)と、前記電圧閾値算出手段にて算出された前記電圧
閾値と前記電圧検出手段にて検出された前記電圧値との
電圧差(例えば、後述する実施の形態における(電圧値
V−10%リセット電圧値VRESET1),(電圧値V−
90%リセット電圧値VRESET2))を算出する電圧差
算出手段(例えば、後述する実施の形態におけるステッ
プS103,ステップS107)と、前記電圧差算出手
段にて算出された前記電圧差に対して、所定時間での電
圧差変化量(例えば、後述する実施の形態における(電
圧値V−10%リセット電圧値VRESET1)の傾き,
(電圧値V−90%リセット電圧値VRESET2)の傾
き)を算出する電圧差変化量算出手段(例えば、後述す
る実施の形態におけるステップS105,ステップS1
09)と、前記電流検出手段にて検出された前記電流値
に対して、所定時間での電流値変化量(例えば、後述す
る実施の形態における電流値Iの傾き)を算出する電流
値変化量算出手段(例えば、後述する実施の形態におけ
るステップS104,ステップS108)と、前記電圧
差変化量及び前記電流値変化量に基づいて、前記電圧値
に対する平衡電圧値(例えば、後述する実施の形態にお
ける平衡電圧値VEQUI)を推定する平衡電圧値推定手段
(例えば、後述する実施の形態におけるステップS00
1〜ステップS002)と、前記平衡電圧値推定手段に
て推定された前記平衡電圧値と前記電圧閾値との大小関
係を比較する電圧値比較手段(例えば、後述する実施の
形態においては、ステップS103,ステップS107
が兼ねている)と、前記電圧値比較手段での比較結果に
応じて、前記蓄電装置の残容量(例えば、後述する実施
の形態における残容量ZAN)に前記所定残容量を設定
する残容量較正手段(例えば、後述する実施の形態にお
けるステップS106,ステップS110)とを備えた
ことを特徴としている。
【0010】上記構成の蓄電装置の残容量検出装置によ
れば、蓄電装置の残容量を所定残容量で較正する際に、
例えば単に、検出された電圧値が所定残容量に対する電
圧閾値を超えたか否かの判定結果を参照するのではな
く、検出された電圧値に対する平衡電圧値を推定して、
この平衡電圧値が電圧閾値を超えたか否かの判定結果を
参照することで、残容量の較正を精度良く行うことがで
きる。すなわち、蓄電装置の電流変化に対して電圧変化
は過渡的に生じるため、電流変動が激しい場合には、検
出された電圧値と平衡電圧値との間に大きなずれが生じ
て、電圧値の平衡電圧値からのずれが大きくなる。この
ため、検出された電圧値に対する平衡電圧値が推定でき
る場合には、この平衡電圧値に基づいて残容量の較正を
行うか否かを判定し、一方、平衡電圧値を推定すること
ができず、平衡電圧値が不明な場合には、残容量の較正
を行わないようにすることで、電圧値が平衡電圧値から
のずれを含む場合を排除して、残容量の較正を正確に行
うことができる。
【0011】従って、例えば電流変動が頻繁に発生する
過渡状態や、例えば蓄電装置の低温時や劣化時等のよう
に蓄電装置の内部抵抗が増大した場合や、例えば電流値
が増大する高出力時等のように、電圧値の平衡電圧値か
らのずれが増大した場合であっても、残容量の較正の精
度を向上させることができる。また、上述した従来技
術、例えば電流積算法等により蓄電装置の残容量を算出
している場合にも、平衡電圧値が推定できる適宜のタイ
ミングで、算出された残容量に生じたずれをリセットす
ることができ、さらに、平衡電圧値が推定できない場合
には、例えば電流積算法等の従来技術による残容量の算
出を行わないようにすることで、算出される残容量にず
れが生じることを防止することができる。
【0012】さらに、請求項2に記載の本発明の蓄電装
置の残容量検出装置では、前記蓄電装置の温度(例え
ば、後述する実施の形態における温度T)を検出する温
度検出手段(例えば、後述する実施の形態における温度
検出器17)を備え、前記電圧閾値算出手段は、前記電
流値及び前記温度検出手段にて検出された前記温度に基
づいて、前記蓄電装置の所定残容量に対する前記電圧閾
値を算出することを特徴としている。
【0013】上記構成の蓄電装置の残容量検出装置によ
れば、蓄電装置の電流値及び温度に基づいて残容量を検
出することができるため、特に、蓄電装置の性能が急激
に変化する低温時や高温時であっても残容量を正確に検
出することができる。
【0014】さらに、請求項3に記載の本発明の蓄電装
置の残容量検出装置は、前記電流値の符号を放電電流に
対して正とし、前記電圧差を前記電圧値から前記電圧閾
値を減算して得た値とした場合に、前記平衡電圧推定手
段は、前記電流値変化量がゼロ以上又は所定の第1閾電
流値変化量(例えば、後述する実施の形態におけるゼロ
以外の所定の閾値)以上、かつ前記電圧差変化量がゼロ
以下又は所定の第1閾電圧差変化量(例えば、後述する
実施の形態におけるゼロ以外の所定の閾値)以下の場合
に、前記平衡電圧値が前記電圧検出手段にて検出された
前記電圧値以下の値であると推定し、前記電流値変化量
がゼロ以下又は所定の第2閾電流値変化量(例えば、後
述する実施の形態におけるゼロ以外の所定の閾値)以
下、かつ前記電圧差変化量がゼロ以上又は所定の第2閾
電圧差変化量(例えば、後述する実施の形態におけるゼ
ロ以外の所定の閾値)以上の場合に、前記平衡電圧値が
前記電圧検出手段にて検出された前記電圧値以上の値で
あると推定し、前記残容量較正手段は、前記平衡電圧推
定手段にて前記平衡電圧値が前記電圧値以下であると推
定され、かつ前記電圧値比較手段にて前記平衡電圧値が
前記電圧閾値以下であると判定された場合、或いは前記
平衡電圧推定手段にて前記平衡電圧値が前記電圧値以上
であると推定され、かつ前記電圧値比較手段にて前記平
衡電圧値が前記電圧閾値以上であると判定された場合
に、前記残容量に前記所定残容量を設定することを特徴
としている。
【0015】上記構成の蓄電装置の残容量検出装置によ
れば、単純なアルゴリズムで平衡電圧値を推定すること
ができ、この平衡電圧値を利用することで実用性の高い
高精度な残容量を検出することができる。例えば、上述
した図7(a),(b)に示すように、電流値が変動し
た瞬間には、電圧値がその平衡電圧値からずれるような
作用と共に、電圧値がその平衡電圧値へ戻ろうとする作
用が働き、この平衡電圧値からずれた電圧値が、平衡電
圧値へ戻ろうとする作用を把握することで平衡電圧値を
推定することができる。電圧値が、その平衡電圧値から
ずれようとする作用では、例えば電流値が正方向つまり
放電方向へ変動した時に、電圧差つまり(電圧値−電圧
閾値)が正方向へずれるように作用する。逆に、電流値
が負方向つまり充電方向へ変動した時に、電圧差が負方
向へずれるように作用する。このような変化に対して、
電圧値がその平衡電圧値へ戻ろうとする作用が、電圧値
がその平衡電圧値からずれようとする作用に勝る場合が
生じる。
【0016】例えば電流値が正方向つまり放電方向へ変
動した時に、電圧差つまり(電圧値−電圧閾値)が負方
向へ変動した場合には、電流値の変動に伴って電圧差が
正方向に変動する作用よりも、電圧差がその平衡値に向
かい推移する作用の方が強くなっているとみなすことが
でき、この場合、電圧平衡値は検出された電圧値よりも
小さな値を有していると判定することができる。逆に、
電流値が負方向つまり充電方向へ変動した時に、電圧差
が正方向へ変動した場合には、電流値の変動に伴って電
圧差が負方向に変動する作用よりも、電圧差がその平衡
値に向かい推移する作用の方が強くなっているとみなす
ことができ、この場合、電圧平衡値は検出された電圧値
よりも大きな値を有していると判定することができる。
【0017】検出された電圧値に対する平衡電圧値の相
対的な大小関係が推定できると、電圧値が変動して電圧
閾値を超えた時に、平衡電圧値も電圧閾値を超えている
と判定することができる場合がある。例えば、平衡電圧
値が、検出された電圧値よりも小さな値を有していると
判定された時に、この電圧値よりも小さな所定の電圧閾
値に対して、電圧値が減少傾向に変動して電圧閾値を超
えた場合には、平衡電圧値も電圧閾値を超えたと判定す
ることができる。こうして、平衡電圧値が電圧閾値を超
えた場合及び電圧閾値に等しくなった時に、この電圧閾
値に対応した所定残容量を、蓄電装置の残容量に設定す
ることで精度良く残容量の較正を行うことができる。し
かも、上述したように平衡電圧値の推定は、単純な方法
により瞬時に行うことができるため、例えば残容量に対
する正確な較正が遅れてしまうことで、蓄電装置が過放
電状態や過充電状態になってしまうことを防止すること
ができる。
【0018】なお、平衡電圧値を推定する際に、電流値
変化量及び電圧差変化量のそれぞれに対する閾値とし
て、ゼロに加えて、所定の第1閾電流値変化量又は第2
閾電流値変化量、及び第1閾電圧差変化量又は第2閾電
圧差変化量を設定しておくことで、例えば電流検出手段
にて検出される電流値や電圧検出手段にて検出される電
圧値に含まれる検出誤差の影響を考慮することができる
と共に、平衡電圧値の推定に対する自由度を高めること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の蓄電装置の残容量
検出装置の一実施形態について添付図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の一実施形態に係る蓄電装置の
残容量検出装置10の構成図である。本実施の形態によ
る蓄電装置の残容量検出装置10は、例えば電気自動車
やハイブリッド車両等に備えられており、バッテリー1
1と、このバッテリー11に接続された例えばモータや
発電機等からなる負荷装置12と、バッテリー制御装置
13とを備えて構成されている。
【0020】バッテリー制御装置13は残容量演算部1
4を備えており、バッテリー11の残容量を算出して、
例えば、残容量の信号を車両の制御装置(図示略)や運
転席の表示パネル等に設けられた残容量表示装置(図示
略)へと出力する。このため、バッテリー制御装置13
には、バッテリー11から負荷装置12へと供給される
放電電流、及び負荷装置12からバッテリー11へと供
給される充電電流を検出する電流検出器15から出力さ
れる電流値Iの信号と、バッテリー11の端子電圧を検
出する電圧検出器16からの電圧値Vの信号と、バッテ
リー11の温度を検出する温度検出器17から出力され
る温度Tの信号とが、入力されている。なお、以下にお
いて、電流値Iの符号は放電電流に対して正とし、充電
電流に対して負とする。
【0021】本実施の形態による蓄電装置の残容量検出
装置10は上記構成を備えており、次に、この蓄電装置
の残容量検出装置10の動作について添付図面を参照し
ながら説明する。図2は残容量演算処理を示すフローチ
ャートである。図2に示す残容量演算処理では、例えば
内燃機関(図示略)を始動させるイグニッションスイッ
チがON状態になると一連の処理が開始されて、ステッ
プS001〜ステップS002での平衡電圧推定法によ
る残容量演算処理、及びステップS003〜ステップS
005での電流積算法による残容量演算処理のそれぞれ
が実行される。
【0022】先ず、ステップS001では、バッテリー
11の充放電電流の電流値Iと、バッテリー11の端子
電圧の電圧値Vと、バッテリー11の温度Tとを検出す
る。次に、ステップS002では、電流値I及び電圧値
V及び温度Tに基づいて、後述する平衡電圧推定法によ
り残容量ZANAを演算して、ステップS006に進
む。
【0023】一方、ステップS003では、バッテリー
11の充放電電流の電流値Iを検出する。次に、ステッ
プS004において、電流値Iを積算して電流積算量I
Bを演算する。次に、ステップS005において、前回
の処理で算出した残容量ZANから電流積算量IBを減
算して得た値を、残容量ZANBにセットして、ステッ
プS006に進む。
【0024】ステップS006においては、上述したス
テップS002での平衡電圧推定法によって残容量ZA
NAが算出されたか否かを判定する。この判定結果が
「YES」の場合には、ステップS007に進み、平衡
電圧推定法によって算出された残容量ZANAを、残容
量ZANにセットして、ステップS009に進む。一
方、判定結果が「NO」の場合には、ステップS008
に進み、電流積算法によって算出された残容量ZANB
を、残容量ZANにセットして、ステップS009に進
む。
【0025】ステップS009では、例えば、残容量Z
ANをメモリー(図示略)等に格納して、ステップS0
10に進み、例えば、残容量ZAN又は残容量ZANに
基づいた信号を運転席の表示パネル等に設けられた残容
量表示装置(図示略)に表示する。次に、ステップS0
11において、イグニッションスイッチがOFF状態で
あるか否かを判定して、この判定結果が「NO」の場合
には、ステップS001以下の平衡電圧推定法による残
容量演算処理、及びステップS003以下の電流積算法
による残容量演算処理を実施する。一方、判定結果が
「YES」の場合には、ステップS012に進み、一連
の処理を終了する。
【0026】次に、上述したステップS001〜ステッ
プS002での平衡電圧推定法による残容量演算処理に
ついて添付図面を参照しながら説明する。図3は平衡電
圧推定法による残容量演算処理を示すフローチャートで
あり、図4はバッテリー11の残容量ZAN=10%に
おいて、バッテリー11の温度Tに応じた放電電流値と
バッテリ電圧値との関係を示すグラフ図である。先ず、
図2に示すステップS001と同様に、図3に示すステ
ップS101において、バッテリー11の充放電電流の
電流値Iと、バッテリー11の端子電圧の電圧値Vと、
バッテリー11の温度Tとを検出する。
【0027】次に、ステップS102において、所定の
残容量、例えば#ZAN1=10%及び#ZAN2=9
0%のそれぞれに対して、電流値I及び温度Tに基づく
IVTマップのマップ検索により各バッテリ電圧値を算
出し、これらのバッテリ電圧値をそれぞれ、10%リセ
ット電圧値VRESET1及び90%リセット電圧値VRES ET
2にセットする。そして、ステップS103〜ステップ
S106でのエンプティー側判定処理、及びステップS
107〜ステップS110での満充電側判定処理を実施
する。なお、IVTマップは、例えば図4に示すような
バッテリー11の定常状態での特性を示すグラフ図をマ
ップ化したものであり、例えば図4には、バッテリー1
1の所定の残容量#ZAN=10%に対して、バッテリ
ー11の温度T、例えばT=20℃及びT=50℃のそ
れぞれに応じた放電電流値(A)及びバッテリ電圧値
(V)の変化を示した。
【0028】先ず、ステップS103においては、(電
圧値V−10%リセット電圧値VRE SET1)の値がゼロ
以下であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」
の場合は、ステップS111に進み、一連の処理を終了
する。一方、判定結果が「YES」の場合はステップS
104に進む。ステップS104においては、電流値I
の時間変化に対する傾き、つまり所定時間での電流値変
化量がゼロ以上であるか否かを判定する。ステップS1
04での判定結果が「NO」の場合は、ステップS11
1に進み、一連の処理を終了する。一方、ステップS1
04での判定結果が「YES」の場合は、ステップS1
05に進む。
【0029】ステップS105においては、(電圧値V
−10%リセット電圧値VRESET1)の時間変化に対す
る傾き、つまり所定時間での変化量がゼロ以下であるか
否かを判定する。ステップS105での判定結果が「N
O」の場合は、ステップS111に進み、一連の処理を
終了する。一方、ステップS105での判定結果が「Y
ES」の場合は、ステップS106に進む。ステップS
106では、平衡電圧推定法による残容量ZANAに1
0%をセットして、一連の処理を終了する(ステップS
111)。
【0030】一方、ステップS107においては、(電
圧値V−90%リセット電圧値VRE SET2)の値がゼロ
以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」
の場合は、ステップS111に進み、一連の処理を終了
する。一方、判定結果が「YES」の場合は、ステップ
S108に進む。ステップS108においては、電流値
Iの時間変化に対する傾き、つまり所定時間での電流値
変化量がゼロ以下であるか否かを判定する。ステップS
108での判定結果が「NO」の場合は、ステップS1
11に進み、一連の処理を終了する。一方、ステップS
108での判定結果が「YES」の場合は、ステップS
109に進む。
【0031】ステップS109においては、(電圧値V
−90%リセット電圧値VRESET2)の時間変化に対す
る傾き、つまり所定時間での変化量がゼロ以上であるか
否かを判定する。ステップS109での判定結果が「N
O」の場合はステップS111に進み、一連の処理を終
了する。一方、ステップS109での判定結果が「YE
S」の場合は、ステップS110に進む。ステップS1
10では、平衡電圧推定法による残容量ZANAに90
%をセットして、一連の処理を終了する(ステップS1
11)。
【0032】次に、上述した平衡電圧推定法による残容
量演算処理において、残容量ZANAが算出されるタイ
ミングについて、添付図面を参照しながら説明する。図
5はバッテリー11の残容量ZAN=10%での走行中
における電流値I及び電圧値V及び10%リセット電圧
値VRESET1の時間変化の一部を示すグラフ図であり、
図6は、図5に示す電流値I及び(電圧値V−10%リ
セット電圧値VRESET1)の時間変化の一部を示すグラ
フ図である。
【0033】上述したように、放電電流に対する符号が
正とされた電流値Iが変動すると、例えば電流値I及び
バッテリー11の温度Tに基づくIVTマップのマップ
検索により、10%リセット電圧値VRESET1が算出さ
れる。ここで、10%リセット電圧値VRESET1は瞬時
に算出可能であるのに対して、バッテリー11の電圧値
Vは電流値Iの変動開始時から徐々に変化して、所定時
間の過渡状態を経て平衡電圧値VEQUIへと推移して、瞬
時に平衡電圧値VEQUIへと変化することはない。なお、
適宜のタイミングの電圧値Vに対する平衡電圧値VEQUI
は、このタイミングでの電圧値Vが、所定時間の過渡状
態を経て定常状態へと推移した時に到達する電圧値であ
るが、このタイミングにおけるバッテリー11の残容量
ZAN及び電流値I及び温度Tに加えて、例えば直前の
出力状況等に応じて変化するため、10%リセット電圧
値VRESET1とは異なる値となる。
【0034】例えば、図5に示すように、電流値I(図
5に示す実線)が正方向(以下において放電方向とす
る)に変動すると、10%リセット電圧値VRESET
(図5に示す太実線)は減少傾向に変動し、検出される
電圧値V(図5に示す太点線)も減少傾向に変動する。
逆に、電流値Iが負方向(以下において充電方向とす
る)に変動すると、10%リセット電圧値VRESET1及
び電圧値Vは増加傾向に変動する。この時、電圧値Vの
変化は、10%リセット電圧値VRESET1の変化に比べ
て遅れるため、例えば図5及び図6では残容量ZANが
一定値10%に保持されているにも拘わらず、電圧値V
と10%リセット電圧値VRESET1との間に電圧差が生
じる。
【0035】この電圧差は平衡電圧値VEQUIに対する電
圧値Vの偏差、つまり電圧値Vの平衡電圧値VEQUIから
のずれに起因しており、この電圧値Vの平衡電圧値V
EQUIからのずれは、電流値Iの変動開始時に最も増大し
て、電流変動が大きくなるのに伴って増大する。このた
め、例えば図6に示す時間区間A2,A5等のように、
(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET1)は、電
流値Iの変動に追従するようにして変動するとみなすこ
とができる。つまり、電流値Iが放電方向に変動する
と、(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET1)は
正方向に変動し、逆に、電流値Iが充電方向に変動する
と、(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET1)は
負方向に変動する。従って、例えば図6に示す時間区間
A2,A8,A10及び時間区間A5,A7,A12の
ように、電流値Iの傾きの符号及び(電圧値V−10%
リセット電圧値VRESET1)の傾きの符号が一致する場
合、すなわち電流値Iの時間変化に対する所定時間での
電流値変化量の符号及び(電圧値V−10%リセット電
圧値VRESET1)の時間変化に対する所定時間での電圧
差変化量の符号が一致する場合には、電流変動に伴う電
圧値Vの平衡電圧値VEQUIからのずれが大きくなってい
ると判定することができる。
【0036】一方、例えば図6に示す時間区間A1のよ
うに、電流値Iが放電方向へ変動すると、(電圧値V−
10%リセット電圧値VRESET1)が負方向へ変動し、
逆に、図6に示す時間区間A11のように、電流値Iが
充電方向へ変動すると、(電圧値V−10%リセット電
圧値VRESET1)が正方向へ変動する場合がある。例え
ば図6に示す時間区間A1では、電流値Iが放電方向へ
変動するのに伴って(電圧値V−10%リセット電圧値
RESET1)が正方向へ変動する作用よりも、(電圧値
V−10%リセット電圧値VRESET1)が、その平衡値
に向かって負方向へ変動する作用の方が強くなっている
と判定することができる。すなわち、この場合の平衡電
圧値VEQUIは電圧値Vよりも小さな値を有しており、
(平衡電圧値VEQUI−10%リセット電圧値V
RESET1)は(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET
1)よりも小さな値を有している(例えば、図6に示す
矢印α方向の領域に位置する)と判定することができ
る。
【0037】一方、図6に示す時間区間A11では、電
流値Iが充電方向へ変動するのに伴って(電圧値V−1
0%リセット電圧値VRESET1)が負方向へ変動する作
用よりも、(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET
1)が、その平衡値に向かって正方向へ変動する作用の
方が強くなっていると判定することができる。すなわ
ち、この場合の平衡電圧値VEQUIは電圧値Vよりも大き
な値を有しており、(平衡電圧値VEQUI−10%リセッ
ト電圧値VRESET1)は(電圧値V−10%リセット電
圧値VRESET1)よりも大きな値を有している(例え
ば、図6に示す矢印β方向の領域に位置する)と判定す
ることができる。
【0038】なお、上述した電流値Iの変動に対して
(電圧値V−10%リセット電圧値V RESET1)の変動
が追従しない場合には、例えば図6に示す時間区間A6
のように、電流値Iが変動している時に(電圧値V−1
0%リセット電圧値VRESET1)がゼロの場合も含まれ
る。この場合は、電流値Iの変動に伴って(電圧値V−
10%リセット電圧値VRESET1)を変動させる作用の
強さと、(電圧値V−10%リセット電圧値V
RESET1)が、その平衡値に向かって変動する作用の強
さとが、等しくなっていると判定することができる。す
なわち、図6に示す時間区間A6では、電流値Iが放電
方向へ変動しているので、平衡電圧値VEQUIは電圧値V
よりも小さな値を有しており、(平衡電圧値VEQUI−1
0%リセット電圧値VRESET1)は(電圧値V−10%
リセット電圧値VRESET1)よりも小さな値を有してい
る(例えば、図6に示す矢印γ方向の領域に位置する)
と判定することができる。
【0039】また、例えば図6に示す時間区間A3及び
A9のように、電流値Iの変動がゼロの時に(電圧値V
−10%リセット電圧値VRESET1)が変動している場
合には、その変動方向に(電圧値V−10%リセット電
圧値VRESET1)の平衡値が存在していると判定するこ
とができる。すなわち、図6に示す時間区間A3では、
平衡電圧値VEQUIは電圧値Vよりも大きな値を有してお
り、(平衡電圧値VEQUI−10%リセット電圧値V
RESET1)は(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET
1)よりも大きな値を有している(例えば、図6に示す
矢印δ方向の領域に位置する)と判定することができ、
図6に示す時間区間A9では、平衡電圧値VEQUIは電圧
値Vよりも小さな値を有しており、(平衡電圧値VEQUI
−10%リセット電圧値VRESET1)は(電圧値V−1
0%リセット電圧値VRESET1)よりも小さな値を有し
ている(例えば、図6に示す矢印ε方向の領域に位置す
る)と判定することができる。さらに、例えば図6に示
す時間区間A4及びA13のように、電流値Iの変動及
び(電圧値V−10%リセット電圧値VRESET1)の変
動がゼロの場合には、電圧値Vは平衡電圧値VEQUIに等
しくなっており、電圧値Vの平衡電圧値VEQUIからのず
れはゼロであると判定することができる。
【0040】上述した平衡電圧推定法における各判定パ
ターンの分類を表1に示した。この結果、バッテリー1
1の電流値I及び温度T及び所定の残容量#ZANに基
づき算出されたリセット電圧VRESETと、電圧検出器1
6により検出された電圧値Vとに対して、電流値Iの時
間変化の傾き(つまり所定時間での電流値変化量)がゼ
ロ以上かつ(電圧値V−リセット電圧VRESET)の時間
変化の傾き(つまりつまり所定時間での電圧差変化量)
がゼロ以下の場合、或いは電流値Iの時間変化の傾きが
ゼロ以下かつ(電圧値V−リセット電圧VRESET)の時
間変化の傾きがゼロ以上の場合には、少なくとも電圧値
Vに対する平衡電圧値VEQUIの相対的な大小関係を推定
することができる。なお、リセット電圧VRESETは、バ
ッテリー11の定常状態において、例えば電流値I及び
温度T及び所定の残容量#ZANで規定されるバッテリ
ー11の電圧値である。
【0041】
【表1】
【0042】さらに、電流値Iの時間変化の傾きがゼロ
以上かつ(電圧値V−リセット電圧VRESET)の時間変
化の傾きがゼロ以下かつ(電圧値V−リセット電圧V
RESET)がゼロ以下の場合には、平衡電圧値VEQUIはリ
セット電圧VRESET以上の値であると判断し、また、電
流値Iの時間変化の傾きがゼロ以下かつ(電圧値V−リ
セット電圧VRESET)の時間変化の傾きがゼロ以上かつ
(電圧値V−リセット電圧VRESET)がゼロ以上の場合
には、平衡電圧値VEQUIがリセット電圧VRESET以下で
あると判断して、バッテリー11の残容量ZANに所定
の残容量#ZANをセットして、残容量の較正を行う。
例えば、図5及び図6に示す車両の走行状態では、時間
区間A4及び時間区間A13と、時間区間A9の後端位
置のタイミング(例えば、図6に示す各領域ψ1,ψ
2,ψ3)で、バッテリー11の残容量ZANに10%
がセットされる。
【0043】上述したように、本実施の形態による蓄電
装置の残容量検出装置10によれば、例えば電流変動が
頻繁に発生する過渡状態や、例えばバッテリー11の低
温時や劣化時等のようにバッテリー11の内部抵抗が増
大した場合や、例えば電流値Iが増大する高出力時等の
ように、検出される電圧値Vの平衡電圧値VEQUIからの
ずれが増大して、電流積算法による残容量演算処理にて
算出された残容量ZANのずれが増大した場合であって
も、適宜のタイミングで積算誤差をリセットすることが
でき、高い精度で残容量ZANを検出することができ
る。ここで、バッテリー11の残容量ZANを所定の残
容量#ZANによって較正するタイミングを、電圧値V
に対する平衡電圧値VEQUIが推定できる場合に限定する
ことで、検出された電圧値Vの平衡電圧値VEQUIからの
ずれが大きい場合を排除して、残容量ZANの較正を正
確に行うことができる。
【0044】しかも、平衡電圧値VEQUIは、電流値Iの
時間変化の傾き及び(電圧値V−リセット電圧
RESET)の時間変化の傾きを判定するだけの簡便な方
法によって瞬時に推定することができ、バッテリー11
のエンプティー状態及び満充電状態の近傍での所定の残
容量#ZAN1=10%及び#ZAN2=90%によっ
て較正を行う場合であっても、例えば残容量ZANの較
正が遅れてしまったり、例えばずれの大きな較正が行わ
れることで、バッテリー11が過放電状態や過充電状態
になってしまうことを防止することができる。
【0045】なお、上述した本実施の形態においては、
ステップS103〜ステップS105、及びステップS
107〜ステップS109において、所定時間での電流
値Iの変化量及び電圧差の変化量に対する判定条件とし
てゼロを基準としたが、これに限定されず、ゼロ以外の
所定の閾値(第1及び第2閾電流値変化量、及び第1及
び第2閾電圧差変化量)を設定しても良く、この場合、
例えば電流検出器15にて検出される電流値Iや電圧検
出器16にて検出される電圧値Vに含まれる検出誤差の
影響を考慮することができると共に、バッテリー11に
対する適宜の設定条件に応じて平衡電圧値VEQUIの推定
に関する自由度を高めることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明の蓄電装置の残容量検出装置によれば、電圧値に
対する平衡電圧値を推定して、この平衡電圧値に基づい
て残容量を推定する事ができる。このため、例えば電流
変動が頻繁に発生する過渡状態のように、電圧値がその
平衡電圧値から乖離するような場合、例えば検出された
電圧値を用いて残容量を算出すると、残容量に大きなず
れが生じるのに対して、平衡電圧値を推定してこの平衡
電圧値に基づいて残容量を推定することで、正確な残容
量を得ることができる。また、蓄電装置の低温時や劣化
時等のように蓄電装置の内部抵抗が増大した場合や大電
流での充放電時には、電圧値も大きく変動して、検出さ
れた電圧値の平衡電圧値からのずれも増大して、例えば
検出された電圧値に基づいて算出された残容量には更に
大きなずれが生じてしまうが、平衡電圧値から残容量を
算出することで、精度を劣化させることなく正確に残容
量を検出することができる。この場合、電圧変動が激し
いほど、検出された電圧値が平衡電圧値からずれている
か否かを判定し易い場合があり、平衡電圧値を精度良く
推定することができ、残容量の検出精度を向上させるこ
とが可能である。
【0047】また、上述した従来技術のように、例えば
検出された複数の電圧値を平準化する等の方法では、予
め、ユーザーの利用状況や蓄電装置の劣化度合い等を想
定して電圧値の平準化方法等を設定しておくという煩雑
な手間が必要であり、さらに、ユーザーの利用状況や蓄
電装置の劣化度合い等が想定した範囲を超えた場合は、
電圧値の平衡電圧値からのずれも想定以上となり、この
電圧値に基づいて算出された残容量が大きなずれを有す
ることになる。これに対して、本発明では、予め、ユー
ザーの利用状況や蓄電装置の劣化度合い等を想定して、
適宜のデータを設定しておく必要がなく、たとえユーザ
ーの利用状況や蓄電装置の劣化度合い等が想定した範囲
を超えた場合であっても、算出された残容量が実際の値
からずれてしまうことを防止することができる。さら
に、例えば検出された複数の電圧値を平準化する方法で
は、平準化のために適宜の時間が必要となるが、本発明
ではこのような時間が不要であり、瞬時に残容量を検出
することができ、例えば残容量の検出が遅れることで蓄
電装置が過充電や過放電状態になってしまうことを抑制
することができる。しかも、平衡電圧値を推定して残容
量を算出するアルゴリズムが単純であるため、実用性の
高い制御が可能となる。
【0048】さらに、請求項2に記載の本発明の蓄電装
置の残容量検出装置によれば、蓄電装置の電流値及び温
度に基づいて残容量を検出することができるため、特
に、蓄電装置の性能が急激に変化する低温時や高温時で
あっても残容量を正確に検出することができる。さら
に、請求項3に記載の本発明の蓄電装置の残容量検出装
置によれば、単純なアルゴリズムで平衡電圧値を推定す
ることができ、この平衡電圧値を利用することで実用性
の高い高精度な残容量を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る蓄電装置の
残容量検出装置の構成図である。
【図2】 残容量演算処理を示すフローチャートであ
る。
【図3】 平衡電圧推定法による残容量演算処理を示す
フローチャートでありる。
【図4】 バッテリの残容量ZAN=10%において、
バッテリの温度Tに応じた放電電流値とバッテリ電圧値
との関係を示すグラフ図である。
【図5】 バッテリの残容量ZAN=10%での走行中
における電流値I及び電圧値V及び10%リセット電圧
値VRESET1の時間変化の一部を示すグラフ図である。
【図6】 図5に示す電流値I及び(電圧値V−10%
リセット電圧値VRE SET1)の時間変化の一部を示すグ
ラフ図である。
【図7】 放電時(a)及び充電時(b)における、バ
ッテリーの電流値の変化に伴う電圧値の変化を示すグラ
フ図である。
【符号の説明】
10 蓄電装置の残容量検出装置 11 バッテリ(蓄電装置) 15 電流検出器(電流検出手段) 16 電圧検出器(電圧検出手段) 17 温度検出器(温度検出手段) ステップS001〜ステップS002 平衡電圧値推定
手段 ステップS004 電流値積算手段 ステップS005 残容量算出手段 ステップS102 電圧閾値算出手
段 ステップS103,ステップS107 電圧差算出手
段、電圧値比較手段 ステップS104,ステップS108 電流値変化量算
出手段 ステップS105,ステップS109 電圧差変化量算
出手段 ステップS106,ステップS110 残容量較正手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄電装置の放電電流及び充電電流の電流
    値を検出する電流検出手段と、前記蓄電装置の端子電圧
    の電圧値を検出する電圧検出手段と、 前記電流検出手段にて検出された前記電流値に基づい
    て、前記蓄電装置の所定残容量に対する電圧閾値を算出
    する電圧閾値算出手段と、 前記電圧閾値算出手段にて算出された前記電圧閾値と前
    記電圧検出手段にて検出された前記電圧値との電圧差を
    算出する電圧差算出手段と、 前記電圧差算出手段にて算出された前記電圧差に対し
    て、所定時間での電圧差変化量を算出する電圧差変化量
    算出手段と、 前記電流検出手段にて検出された前記電流値に対して、
    所定時間での電流値変化量を算出する電流値変化量算出
    手段と、 前記電圧差変化量及び前記電流値変化量に基づいて、前
    記電圧値に対する平衡電圧値を推定する平衡電圧値推定
    手段と、 前記平衡電圧値推定手段にて推定された前記平衡電圧値
    と前記電圧閾値との大小関係を比較する電圧値比較手段
    と、 前記電圧値比較手段での比較結果に応じて、前記蓄電装
    置の残容量に前記所定残容量を設定する残容量較正手段
    とを備えたことを特徴とする蓄電装置の残容量検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記蓄電装置の温度を検出する温度検出
    手段を備え、 前記電圧閾値算出手段は、前記電流値及び前記温度検出
    手段にて検出された前記温度に基づいて、前記蓄電装置
    の所定残容量に対する前記電圧閾値を算出することを特
    徴とする請求項1に記載の蓄電装置の残容量検出装置。
  3. 【請求項3】 前記電流値の符号を放電電流に対して正
    とし、前記電圧差を前記電圧値から前記電圧閾値を減算
    して得た値とした場合に、 前記平衡電圧推定手段は、前記電流値変化量がゼロ以上
    又は所定の第1閾電流値変化量以上、かつ前記電圧差変
    化量がゼロ以下又は所定の第1閾電圧差変化量以下の場
    合に、前記平衡電圧値が前記電圧検出手段にて検出され
    た前記電圧値以下の値であると推定し、 前記電流値変化量がゼロ以下又は所定の第2閾電流値変
    化量以下、かつ前記電圧差変化量がゼロ以上又は所定の
    第2閾電圧差変化量以上の場合に、前記平衡電圧値が前
    記電圧検出手段にて検出された前記電圧値以上の値であ
    ると推定し、 前記残容量較正手段は、前記平衡電圧推定手段にて前記
    平衡電圧値が前記電圧値以下であると推定され、かつ前
    記電圧値比較手段にて前記平衡電圧値が前記電圧閾値以
    下であると判定された場合、 或いは前記平衡電圧推定手段にて前記平衡電圧値が前記
    電圧値以上であると推定され、かつ前記電圧値比較手段
    にて前記平衡電圧値が前記電圧閾値以上であると判定さ
    れた場合に、前記残容量に前記所定残容量を設定するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の
    蓄電装置の残容量検出装置。
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