JP2001221694A - 熱電対 - Google Patents

熱電対

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JP2001221694A JP2000033716A JP2000033716A JP2001221694A JP 2001221694 A JP2001221694 A JP 2001221694A JP 2000033716 A JP2000033716 A JP 2000033716A JP 2000033716 A JP2000033716 A JP 2000033716A JP 2001221694 A JP2001221694 A JP 2001221694A
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岩男 松本
Kazuo Sagara
一男 相良
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り付け対象物等の振動によってもたらされ
る各種の悪影響を低減し、振動に対する信頼性の高い熱
電対を提供すること。 【解決手段】 熱電対素線を絶縁管に収めると共に、当
該絶縁管を保護管4に収めて構成された熱電対1であっ
て、絶縁管または保護管4の少なくとも一方の外周面
に、耐熱緩衝材20を設けて構成されている。この熱電
対1によれば、振動が耐熱緩衝材20にて減衰されるの
で、熱電対1が振動によって破損等される可能性が大き
く低減され、振動に対する熱電対1の信頼性を向上させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱電対素線を保
護管内に収めて構成された熱電対に関し、特に、取り付
け対象物の振動によってもたらされる悪影響を低減する
ことのできる熱電対に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種設備の温度測定を行なう
ために熱電対が利用されている。たとえば、蒸気タービ
ンには、その調速段後の車室内部の蒸気温度を測定する
ために熱電対が取り付けられている。図17には従来の
熱電対の縦断面図を示す。この図17に示すように、従
来の熱電対100は、熱電対素線101を絶縁管102
に挿入して形成されたシース熱電対103を、さらに保
護管104に挿入することによって構成されていた。こ
れら保護管104の先端部104aと絶縁管102の先
端部102aとの間には、MgO粒子105が充填され
ており、このMgO粒子105によって保護管104と
絶縁管102の間の熱伝導が行なわれると共に、これら
の間における振動伝達が粒子作用によって減衰されてい
る。
【0003】このように構成された熱電対100は、さ
らにウェルと称される取り付け用の保護管に挿入された
状態で、タービンの車室上部に上方から差し込まれた状
態で取り付けられており、車室内部を流れる蒸気の熱
が、ウェル、保護管104、MgO粒子105、および
絶縁管102を順次介して熱電対素線101に伝導さ
れ、この熱電対素線101に熱起電力が生じることによ
って、蒸気温度が測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような熱電対10
0の取り付け環境下においては、取り付け対象物である
車室等の機械的振動や、測定対象物である蒸気等の気流
によって生じる振動等が熱電対100に加わり、さらに
この振動が共振によって増加されることによって、熱電
対100に対する種々の悪影響をもたらすことがある。
【0005】具体的には、保護管104に多大な振動が
加わり、この保護管104の破損等を招くおそれがあ
る。図18は、従来の熱電対100に対する加振試験の
結果としての、振動周波数(横軸)と、振動倍率(保護
管104の先端に生じた加速度/ウェルの先端に加えた
加速度、縦軸)との関係を示すグラフである。この図1
8に示すように、振動倍率は、振動周波数約438.8
Hzにおいて約152倍程度になっており、振動が多大
に増幅されて熱電対100に加わっていることが明らか
である。したがって、このような振動を低減し、熱電対
100の破損等を防止することが要望されている。
【0006】また、このような振動は、保護管104と
絶縁管102の相互間に充填されたMgO粒子105に
よって減衰されるが、このMgO粒子105が充分な量
だけ充填されていたか否かが不明確であり、振動減衰の
信頼性が低下していた。すなわち、従来は、まずMgO
粒子105を概略的に計測し、このMgO粒子105を
保護管104の外端部側から充填し、その後に保護管1
04に絶縁管102を挿入していたが、この方法では、
保護管104と絶縁管102の相互間がMgO粒子10
5によって完全に充満されているか否かが不明確であっ
た。万が一、MgO粒子105の充填量が不足する場合
には、振動抑制を充分に行なうことができず、上述のよ
うに保護管104に多大な振動が加わった場合に、熱電
対100の破損等を防止することができなくなるおそれ
がある。したがって、MgO粒子105を確実に充填
し、振動を確実に減衰することが要望されている。
【0007】さらに、振動等によって保護管104が破
損した場合には、車室内部の蒸気が保護管104の内部
に流入して、この保護管104を介して車室外部に流出
する危険性があった。すなわち、図17に示すように、
熱電対100の外端部には、保護管104を覆うように
端子箱106が取り付けられており、この端子箱vの内
部には、熱電対素線101からのリード線107に接続
される端子板108が設けられている。この端子箱10
6の内部において、保護管104の外端部は単に開放構
造となっており、保護管104の内部に蒸気が流入した
場合には、この蒸気が保護管104の外端部から外部に
流出する。
【0008】しかしながら、従来の熱電対100におい
ては、このような蒸気流出を防止する措置が講じられて
いなかったので、たとえば、タービンの運転を直ちに停
止して、熱電対100の修理や交換等を行なう必要があ
った。しかしながら、特に発電所のタービンの如き設備
においては、電力の安定供給のために運転の継続性が求
められる。したがって、保護管104が破損したような
場合であっても、タービンの運転を継続できるよう、蒸
気の外部流出を防止することが要望されている。
【0009】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、取り付け対象物等の振動によってもたらされる
各種の悪影響を低減し、振動に対する信頼性の高い熱電
対を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる熱電対は、熱電対素線を絶縁管
内に収めると共に、当該絶縁管を保護管内に収めて構成
された熱電対であって、絶縁管または保護管の少なくと
も一方の外周面に、耐熱緩衝材を設けて構成されてい
る。
【0011】この熱電対によれば、タービン室内の蒸気
の如き測定対象物や、タービンの車室の如き取り付け対
象物から振動を受けた場合、この振動が保護管の外周面
の耐熱緩衝材にて減衰され、あるいは、絶縁管の外周面
の耐熱緩衝材にて減衰される。したがって、従来のよう
に共振によって振動が多大に増幅されることを防止する
ことができ、熱電対の振動を低減することができる。そ
の結果、熱電対が振動によって破損等される可能性が大
きく低減され、振動に対する熱電対の信頼性を向上させ
ることができる。
【0012】また、請求項2にかかる熱電対は、耐熱緩
衝材を、絶縁管または保護管の外周面のうち、タービン
の内部車室に対応する位置と、内部車室および外部車室
の相互間に対応する位置との少なくとも一方に設けて構
成されている。
【0013】これは、熱電対の長手方向における耐熱緩
衝材の取り付け位置を一層具体的に示すものである。こ
のような位置においては、熱電対が直接またはウェル等
を介して間接的に蒸気の如き測定対象物に露出すること
になり、最も振動を受け易い。したがって、このような
位置に耐熱緩衝材を配置することにより、振動が共振に
よって増幅される前にこれを減衰することができ、最も
効果的に振動を低減することができる。ただし、この構
成は、この位置以外に耐熱緩衝材を設けることを否定す
るものでなく、この位置に加えてさらに他の位置に耐熱
緩衝材を設ける場合をも含むものである。
【0014】なお、説明中、「内」または「外」とは、
測定対象(または取り付け対象物)に対する内外方向に
対応する方向を意味するものとする。たとえば、タービ
ン車室の蒸気温度を測定する熱電対においては、タービ
ンの中心方向に近づく方向を「内」、タービンの中心方
向から遠ざかる方向を「外」である。また、「側方」と
は、これら内外方向にほぼ直交する方向を意味する。た
だし、「内周面」とは、熱電対の長手方向に沿った側面
のうち、熱電対の径方向中心に面する側面を意味し、
「外周面」とは、内周面と反対側の側面を意味するもの
とする。
【0015】また、請求項3にかかる熱電対において、
耐熱緩衝材は、セラミック繊維を含んで形成されて構成
されている。
【0016】タービン室内において蒸気温度を測定する
ため等に用いられる熱電対においては、緩衝性に加え
て、耐熱性が要求される。タービン室内の蒸気温度は約
500℃であり、このような環境下において、熱によっ
てその緩衝機能を損なわれることがない程度の耐熱性を
有する緩衝材としては、セラミック繊維を挙げられる。
ここで、セラミック繊維を含んで形成されるとは、セラ
ミック繊維のみによって形成される場合の他、さらに任
意の材質を含んで形成される場合を含むものである。
【0017】また、請求項4にかかる熱電対は、熱電対
素線を絶縁管内に収めると共に、当該絶縁管を保護管内
に収めて構成された熱電対であって、保護管の先端部周
辺に、当該保護管内に振動減衰用粒子を充填するための
充填口を備えて構成されている。
【0018】これは、MgO粒子に代表される振動減衰
用粒子を必要量だけ確実に充填することにより、保護管
から絶縁管に伝達される振動を確実に減衰して、振動に
よる悪影響を低減するための構成である。このような構
成によれば、保護管に絶縁管を挿入した後でこの振動減
衰用粒子を充填することができ、この振動減衰用粒子が
それ以上は充填できなくなるまで充填して、その後で充
填口を遮蔽すればよい。この場合には、収容スペース内
が振動減衰用粒子で充填されたことを確実に確認するこ
とができるので、振動減衰を確実に行なうことができ
る。なお、保護管の先端部周辺とは、保護管の先端部に
限られず、その周囲の側方をも含む意味であり、この具
体的な範囲については後述する。
【0019】また、請求項5にかかる熱電対において、
絶縁管には、保護管側に延出する振れ止め部を設け、保
護管には、振れ止め部の内面に面接触する段部を設けて
構成されている。
【0020】このような段部を設けた場合、この段部の
外側面と、振れ止め部の内側面とが相互に接触して面接
触構造が形成され、これらの間の接触面積を広く取るこ
とができ、また、振れ止め部を段部に確実に付勢した状
態で固定することによって、これら相互を強固に密着さ
せることができる。したがって、振動減衰用粒子が触れ
止め部の側方を通って脱落することを確実に防止するこ
とができる。
【0021】また、請求項6にかかる熱電対は、熱電対
素線を絶縁管内に収めると共に、当該絶縁管を保護管内
に収めて構成された熱電対であって、保護管の長手方向
の外端部には、当該外端部を固定的または可動的に遮蔽
する遮蔽部を設けて構成されている。
【0022】これは、振動によって保護管が破損した場
合における蒸気流出を防止するための構成であり、振動
による悪影響を低減するためのものである。この構成に
よれば、遮蔽部によって保護管の外端部が遮蔽されるの
で、この外端部から蒸気が流出することを防止すること
ができ、熱電対を交換等するためにタービン等を緊急停
止するような事態を回避することができ、電力の安定供
給を図ることができる。ここで、固定的とは、遮蔽部が
可動することなく外端部を遮蔽し得ることを意味し、可
動的とは、遮蔽部が可動することによって外端部を遮蔽
し得ることを意味する。これらの具体的態様については
後述する。ここで、遮蔽するとは、当業者の常識によっ
て多大な悪影響を与えないと判断され得る程度に蒸気を
遮蔽することを意味し、必ずしも厳密に気密性を保持し
得るものに限られない。
【0023】また、請求項7にかかる熱電対において、
遮蔽部は、保護管の外端部を固定的に遮蔽する遮蔽板
と、当該遮蔽板に設けた配線用貫通孔を固定的に遮蔽す
るコンプレッションフィッティングとを備えて構成され
ている。
【0024】この構成は、保護管を固定的に遮蔽する蒸
気流出防止構造の一例を具体的に示すものである。この
構成においては、保護管が遮蔽板によって遮蔽される。
ただし、遮蔽板には配線用の貫通孔が設けられているた
めに、この貫通孔と配線との隙間から蒸気が流出する可
能性があるが、この隙間についてもコンプレッションフ
ィッティング機構によって遮蔽される。したがって、蒸
気が外部に流出することを防止でき、振動による悪影響
を軽減することができる。特に、このような固定的な遮
蔽構造においては、配線を断線等させることなく気密性
を維持することができるので、保護管が破損等した場合
においても、保護管内で配線の断線や短絡等が生じない
限り、温度測定を継続することができる。このため、た
とえば、電力需要のピーク時に蒸気タービンの運転を緊
急停止するような自体を回避することができ、電力の安
定供給を図ることができる。
【0025】また、請求項8にかかる熱電対において、
遮蔽部は、保護管の外端部に螺合して当該外端部を固定
的に遮蔽するソケットを備えて構成され、このソケット
を保護管の長手方向内側に可動自在とすることにより、
この保護管の側方に設けた配線用貫通孔をソケットによ
って遮蔽自在として構成されている。
【0026】この構成は、保護管を固定的および可動的
に遮蔽する蒸気流出防止構造の一例を具体的に示すもの
である。この構成においては、保護管の外端部はソケッ
トによって通常時においても固定的に遮蔽されており、
保護管の側方の配線用貫通孔のみが開放されている。こ
の配線用貫通孔は、蒸気流出があった際にソケットによ
って可動的に遮蔽される。したがって、蒸気の流出を止
めることができる。この時、配線孔からの蒸気の流出方
向は側方に向けられており、ソケットの締め付けは安全
に行うことができる。この構成においては、ソケットに
よって配線が断線されることになり温度測定が不能とな
るが、ボイラーを緊急に停止させることを回避すること
ができる。したがって、電力需要のピークが過ぎるまで
待ってから、熱電対を交換等することができ、電力の安
定供給を図ることができる。
【0027】また、請求項9にかかる熱電対において、
遮蔽部は、保護管の外端部に固定されたボール弁を備え
て構成され、このボール弁の開状態における内部通路を
配線用通路として構成されている。
【0028】この構成は、保護管を可動的に遮蔽する蒸
気流出防止構造の一例を具体的に示すものである。この
構成においては、通常時にはボール弁が開状態にされて
おり、その内部には、保護管の内部と挿通する内部経路
が形成され、この内部経路を介して配線を引き出すこと
ができる。この意味において、通常時には、保護管が開
放状態にされている。そして、蒸気流出があると、手動
または自動でボール弁が閉状態に駆動され、蒸気流出を
防止することができる。この構成においても、遮蔽時に
は配線が断線されることになるが、上述のソケットの場
合と同様に、時間等に余裕が生じるまで待ってから、熱
電対を交換等することができ、電力の安定供給を図るこ
とができる。
【0029】また、請求項10にかかる熱電対におい
て、遮蔽部は、保護管を介して外部に流出する流体の有
無を検出する検出部と、この検出部にて流体が検出され
た際にボール弁を閉状態に駆動制御する制御部とをさら
に備えて構成されている。
【0030】この構成は、上述のボール弁の制御構成を
示すものである。この構成においては、蒸気流出が検出
部にて検出されると、この検出部の検出結果に基づいて
制御部から制御信号が出力され、ボール弁が閉状態に制
御される。このような構成によれば、保護管から蒸気が
流出した場合には、自動的にボール弁が閉じられて保護
管が遮蔽されるので、手動でボール弁を閉じる場合に比
べて、容易で安全かつ迅速に蒸気を遮蔽することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる熱電対の
実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。た
だし、この実施の形態によりこの発明が限定されるもの
ではない。特に、以下の説明においてはタービンの車室
内部の温度を測定するための熱電対について説明する
が、特記する構造を除いて、取り付け対象や測定対象は
任意に変更することができる。
【0032】(実施の形態1)図1は実施の形態1にか
かる熱電対およびウェルの正面図、図2はシース熱電対
の正面図、図3は熱電対の取り付け状態を示す断面図、
図4は図1の熱電対の要部斜視図である。本実施の形態
は、概略的に、振動を減衰する耐熱緩衝材を備えてお
り、また、MgO粒子の充填構造に特徴を有しており、
さらには、蒸気の流出防止構造を備えた熱電対にかかる
ものである。
【0033】図1、2に示すように、熱電対1は、従来
と同様の基本構造を有するものである。すなわち、異種
の金属にて形成される図示しない熱電対素線を碍子等に
て形成された絶縁管2に挿入することによってシース熱
電対3が形成されており、このシース熱電対3をさらに
保護管4に挿入することによって熱電対1が構成されて
いる。そして、保護管4の先端部4aと絶縁管2の先端
部2aとの間には、振動減衰用の粒子であるMgO粒子
5が充填されており、このMgO粒子5によって保護管
4と絶縁管2相互の熱伝導が行なわれると共に、これら
の間における振動伝達が減衰されている。
【0034】このように構成された熱電対1は、図3に
示すように、保温材10、外部車室11、内部車室12
および翼環13を順次下方から貫通した状態で、内部車
室12および翼環13に取り付けられたウェル6の内部
に挿入された状態で固定されている。なお、詳細な固定
構造については従来と同様である。このような状態にお
いて、車室内部14を流れる蒸気の熱が、ウェル6、保
護管4、およびMgO粒子5を順次介して絶縁管2内の
熱電対素線に伝導され、この熱電対素線に熱起電力が生
じることによって、蒸気温度が測定される。
【0035】ただし、本実施の形態の熱電対1は、従来
の熱電対が下向きに取り付けられていたのに対して、上
述のように上向きに取り付けられている点において異な
る。これは、万が一に保護管4やウェル6等が破損して
欠落した場合であっても、この欠落部分がタービン中心
方向には侵入難いものとし、欠落部によってタービンが
損傷等することを防止するためである(なお、図3、
7、8以外の図においては、熱電対1を取り付け方向に
対して逆向きに示している)。
【0036】ここで、熱電対1には、図1、2に示すよ
うに、耐熱緩衝材20、21が設けられている。以下、
この耐熱緩衝材20、21について説明する。このう
ち、耐熱緩衝材20は、保護管4の外周面に設けられる
もので、保護管4とウェル6との間に介在して、ウェル
6から保護管4に伝達される振動を吸収等することによ
って減衰する。
【0037】また、耐熱緩衝材21は、絶縁管2の外周
面に設けられるもので、絶縁管2と保護管4との間に介
在して、保護管4から絶縁管2に伝達される振動を吸収
等することによって減衰する。すなわち、全体として
は、ウェル6から保護管4に伝達される振動と、保護管
4から絶縁管2に伝達される振動が順次減衰されること
になり、熱電対1の全体の振動が減衰されることにな
る。なお、耐熱緩衝材20、21は、必ずしも保護管4
と絶縁管2の両方に設けられる必要はなく、いずれか一
方にのみ設けることも可能である。
【0038】熱電対1の長手方向における、耐熱緩衝材
20、21の取り付け位置は、振動源または振動伝達要
素との関係において決定することができる。すなわち、
本実施の形態においては、図3において、内部車室12
が主たる振動伝達要素であるために、この内部車室12
の内部に配置される部分に耐熱緩衝材20、21が取り
付けられている。したがって、内部車室12から熱電対
1に振動が伝達された際に、この振動が耐熱緩衝材2
0、21によって直ちに減衰され、熱電対1の全体への
拡散を防止することができる。ただし、耐熱緩衝材2
0、21の取り付け位置は、このような位置に厳密に限
定されるものではなく、振動源や振動伝達要素に対応す
る位置より狭い位置にのみ配置してもよく、逆にその近
傍位置に至るように延出させてもよく、あるいは、保護
管4や絶縁管2の長手方向全域に設けることもできる。
本実施の形態においては、図3に示すように、翼環13
側に至るように形成されている。
【0039】つぎに、このような耐熱緩衝材20、21
の材質や形状、並びに具体的な取り付け構造について説
明する。この耐熱緩衝材20、21は、耐熱性と、緩衝
性を備える任意の材質にて形成することができる。ここ
で求められる耐熱性とは、熱電対1が取り付けられる取
り付け環境下において、当該耐熱緩衝材20、21が熱
によってその緩衝機能を損なわれることがない程度の耐
熱性を意味し、たとえば、蒸気タービンにおいては、約
500℃に耐え得ることが求められる。このような耐熱
性を有する材質としては、たとえば、セラミック繊維
や、繊維状の金属を挙げることができる。また、緩衝性
とは、振動を許容程度以下に減衰できる程度の緩衝性を
意味し、たとえば、上述のセラミック繊維等を一定以上
の厚みで設けることによって、この緩衝性を得ることが
できる。
【0040】この耐熱緩衝材20、21の形状は、上述
した取り付け位置に取り付け可能である限りにおいて、
いかなる形状で形成されもよく、たとえば、中空筒状に
形成してその内部に保護管4や絶縁管2を挿通してもよ
く、あるいは、帯状に形成して保護管4や絶縁管2の外
周面に巻き付けるようにしてもよい。特に、図4に示す
ように耐熱緩衝材20(および耐熱緩衝材21)を帯状
に形成した場合には、保護管4や絶縁管2の外周面形状
に対応させて取り付けることが容易であり、また、耐熱
緩衝材の厚みを巻き付け数によって調整することができ
る点において好ましい。
【0041】この耐熱緩衝材20、21を取り付ける場
合に特に留意すべきことは、絶縁管2を保護管4に収め
た時、あるいは、保護管4をウェル6に収めた時に、耐
熱緩衝材20、21が押圧されて圧縮する可能性がある
ことである。そして、このような圧縮が生じた場合にお
いても、耐熱緩衝材20が保護管4の内周に略接触する
と共に、耐熱緩衝材21がウェル6の内周に略接触する
ように取り付けることが好ましい。具体的には、耐熱緩
衝材20、21を、後述する触れ止め部4b、2bの外
径に対して、その圧縮分だけ厚肉状に巻き付けることが
好ましい。
【0042】この耐熱緩衝材20、21の固定構造は任
意であるが、少なくとも、固定構造自身も上述の耐熱性
を有することが必要である。たとえば、保護管4や絶縁
管2の外周面に帯状の耐熱緩衝材20、21を巻き付
け、さらにその外周面に図示しない金属性の針金を巻き
付けることによって、耐熱緩衝材20、21の固定を行
なうことができる。なお、図1、2、4に示すように、
保護管4や絶縁管2の外周面には、耐熱緩衝材20、2
1の長手方向端部に対応する位置に後述する触れ止め部
4b、2bが突設されており、これらによって耐熱緩衝
材20、21の長手方向への位置ずれを防止している。
【0043】このように針金等によって耐熱緩衝材2
0、21を固定する場合には、この針金等が保護管4や
ウェル6の内周に接触して損傷等することを防止するこ
とが好ましい。具合的には、針金等の外径を後述する触
れ止め部4b、2bの外径よりも小さくして、この針金
等が耐熱緩衝材20、21に食い込むように巻き付ける
ことが好ましい。さらに、この針金等の外面に保護層を
形成しておくことにより、針金の損傷を一層確実に防止
することができる。例えば、針金等を巻きつけた後、こ
の針金等の外面にセラミックス系等の接着剤を充填し、
針金等をコーティングしておくことが好ましい。このよ
うな接着剤としては、アルミナベース、ジルコニアベー
ス、マグネシアベース等の加熱硬化性または常温硬化性
の接着剤を用いることができる(例:アレムコ・プロダ
クツ社製、ウルトラーテンプ、セラマボンド等)。
【0044】このように耐熱緩衝材20、21を取り付
けた結果、熱電対1に加わる振動を大幅に低減すること
ができる。図5は、本実施の形態にかかる熱電対1に対
する加振試験の結果としての、振動周波数(横軸)と振
動倍率(縦軸)との関係を示すグラフである。この加振
試験においては上述の従来の熱電対に対する加振試験と
同様に、ウェル6の先端部に加振器により振動を加えた
際に保護管4の先端部に生じた振動を測定した。この結
果、図5に示すように、振動倍率は、振動周波数約45
8.8Hzにおいて約4倍程度になっている。すなわ
ち、従来であれば約152倍に増幅されていた振動が、
約4倍程度の増幅に減衰されており、振動を従来の約1
/38に低減できた(減衰率が約38倍になった)こと
が分かる。
【0045】また、試験中においては触れ止め部2b、
4bから発生する振動音が消滅したことが確認され、さ
らに、試験後において外観上も損傷がなく、電気的な導
通も正常であったことが確認された。また、保護管4と
ウェル6のそれぞれの応力が、従来の場合の約1/6、
約1/20に低減した。これらの結果が示すように、本
発明によれば、振動による熱電対1の破損等を防止する
ことができ、振動に対する信頼性の高い熱電対1を構成
することができる。
【0046】つぎに、本実施の形態における熱電対1の
他の特徴であるMgO粒子5の充填構造について説明す
る。図7は、熱電対先端部の拡大断面図である。この図
7に示すように、絶縁管2の先端部2aの近傍位置に
は、フランジ状の振れ止め部2bが設けられている。こ
の振れ止め部2bは、保護管4の内周に略接触すること
によって絶縁管2と保護管4との相互移動を規制し、絶
縁管2の振動を低減するものである。そして、この振れ
止め部2bと、保護管4の内周面とによって区画された
収容スペース7の内部には、MgO粒子5が充填されて
いる。このMgO粒子5は、従来と同様に、保護管4か
ら絶縁管2への熱伝導を行なうと共に、これら保護管4
と絶縁管2との間の振動を減衰するものである。
【0047】ここで、保護管4の先端部には充填口8が
設けられている。この充填口8は、保護管4を貫通する
ように設けられたもので、この充填口8を介してMgO
粒子5を収容スペース7に充填することができる。この
充填口8は、MgO粒子5の充填後に、溶接等の任意の
方法によって遮蔽されており、MgO粒子5が収容スペ
ース7の外部に流出することが防止されている。
【0048】このような充填口8を有する場合には、M
gO粒子5を必要量だけ確実に充填することができる。
すなわち、保護管4の内部に絶縁管2を挿入した後、こ
の充填口8からMgO粒子5の充填を開始し、MgO粒
子5がそれ以上は充填できなくなるまで充填を継続し、
その後で充填口8を遮蔽すればよい。この場合には、収
容スペー7がMgO粒子5にて完全に充満されたことを
容易かつ確実に確認することができるので、上述のよう
にMgO粒子5を必要量だけ確実に充填することがで
き、振動減衰を確実に行なうことができる。
【0049】このような充填口8の位置、数、形状、構
造等については、必ずしも図示のものに限られない。た
とえば、充填口8の位置については、保護管4の先端部
でなく、振れ止め部2bよりも先端側に位置する限りに
おいて、保護管4の側方に設けることも可能である。ま
た、充填口8は一つに限られず、複数の充填口8を設け
て充填性を高めてもよい。あるいは、充填口8の形状に
ついては、円柱状に形成することが加工性の観点からは
好ましいが、角柱状等の他の形状にて形成することも可
能である。
【0050】また、充填口8の内周にネジ溝を形成し、
このネジ溝に螺合するボルト等によって当該充填口8を
遮蔽するようにしてもよい。この場合には、点検や修理
等の際にMgO粒子5を再充填する必要が生じたような
場合であっても、充填口8を開閉して、再充填を容易に
行なうことができる。ただし、部品の欠落を完全に防止
する観点からすれば、充填口8の遮蔽を、上述のように
溶接等にて行なうことが好ましい。なお、収容スペース
7に充填される粒子は、温度応答性が高いこと、およ
び、粒子であるために振動減衰作用があることから、一
般にMgO粒子5が用いられているが、上述のような伝
熱および振動低減を行ない得る任意の粒子を用いること
ができる。
【0051】さらに、本実施の形態における熱電対1の
他の特徴である蒸気の流出防止構造について説明する。
図9は熱電対外端部の拡大断面図、図10は図9の要部
拡大断面図である。これら図9、10に示すように、保
護管4の外端部4eには、従来と同様に端子箱30が設
けられており、この端子箱30の内部には図示しない端
子板が設けられている。この端子板には、熱電対素線か
ら延びるリード線32が接続されており、この端子板を
介して熱起電力を外部に導くことができる。また、端子
板には図示しない基準導線等が接続される。
【0052】ここで、保護管4の外端部4eは、従来と
異なり、遮蔽部40によって固定的に遮蔽されている。
この遮蔽部40は、遮蔽板41と、コンプレッションフ
ィッテング機構(CF機構)42とによって構成されて
いる。このうち、遮蔽板41は、保護管4と略同径の円
状板であり、この保護管4の外端部4eに溶接等にて固
定されることによって、この外端部4eを遮蔽する。こ
の遮蔽板41には、リード線32を引き出すための一対
の貫通孔43が形成されており、この貫通孔43を介し
てリード線32が外側に導かれている。
【0053】そして、この遮蔽板41の貫通孔43とリ
ード線32との相互間に、上述のCF機構42が設けら
れている。このCF機構42は、図10に示すように、
プラグ44と、袋ナット45と、シール材46とを備え
て構成されており、これら各部に形成された配線孔を介
してリード線32の引き出しが行なわれる。このうち、
プラグ44は、遮蔽板41の貫通孔43に対応する下端
部44aを有し、この下端部44aの外周面に形成され
たネジ溝を貫通孔43の内周に形成されたネジ溝に螺合
させることによって、この貫通孔43に固定されてい
る。このプラグ44は、六角形状のナット部44bを介
して容易に回転させて貫通孔43にネジ込むことができ
る。また、プラグ44の上端部44cの外周面にもネジ
溝が形成されており、これを袋ナット45の内周に形成
されたネジ溝に螺合させることによって、袋ナット45
がプラグ44に固定されている。
【0054】この袋ナット45の内部には、テーパを有
する空間部45aが形成されており、この空間部45a
に菱形状のシール材46が配置されている。そして、袋
ナット45をプラグ44側に螺合移動させることによっ
て、このシール材46が押圧されてプラグ44側に付勢
され、このプラグ44の上端部44cに設けたテーパ部
44dに弾性変形した状態で入り込んで固定される。こ
のようなCF機構42によれば、遮蔽板41の貫通孔4
3がプラグ44にて遮蔽され、さらにプラグ44の配線
孔の周囲の隙間がシール材46にて遮蔽されるので、蒸
気が外部に流出することを防止でき、振動による悪影響
を軽減することができる。特にこの構造においては、リ
ード線32を配線したままの状態で気密性を維持するこ
とができるので、保護管4が破損等した場合において
も、保護管4内でリード線32の断線や短絡等が生じな
い限り、温度測定を継続することができる。
【0055】(実施の形態2)図11は実施の形態2に
かかる熱電対を構成するシース熱電対の正面図である。
本実施の形態は、概略的に、耐熱緩衝材の取り付け位置
の変形例を示すものである。なお、特に説明なき構成に
ついては、上記実施の形態1と同じであり、また、同じ
構成を同符号にて示す。
【0056】本実施の形態において熱電対50のシース
熱電対3には、絶縁管2の外周面のうち、内部車室12
に対応する部分のみならず、内部車室12と外部車室1
1との間の通気路15に露出する部分にも耐熱緩衝材2
2が設けられている。すなわち、この通気路15にも蒸
気が流入して熱電対50に振動を与えることになるの
で、この部分に耐熱緩衝材22を設けることによって、
さらなる振動の減衰を行なうことができる。この場合に
おいて、耐熱緩衝材22の取り付け位置は、通気路15
内の露出部分に厳密に対応する位置に限定されるもので
はなく、露出部分の近傍に延出させてもよい。たとえ
ば、耐熱緩衝材22を、外部車室11に入り込む位置に
まで延出させてもよい。
【0057】このように耐熱緩衝材22を取り付けた結
果、熱電対50に加わる振動をさらに大幅に低減するこ
とができる。図6は、本実施の形態にかかる熱電対50
に関する、振動周波数(横軸)と、振動倍率(縦軸)と
の関係を示すグラフである。この図6に示すように、振
動倍率は、振動周波数約338.8Hzにおいて約2.
3倍程度になっている。すなわち、振動を、従来の約1
52倍に対する約1/66、実施の形態1の約4倍に対
する1/2に低減できたことが分かる。したがって、振
動に対して一層信頼性の高い熱電対を構成することがで
きる。
【0058】(実施の形態3)図8は実施の形態3にか
かる熱電対の先端部の拡大断面図である。本実施の形態
は、概略的に、MgO粒子の収容構造の変形例を示すも
のである。なお、特に説明なき構成については、上記実
施の形態1と同じであり、また、同じ構成を同符号にて
示す。
【0059】本実施の形態にかかる熱電対60は、上述
したように上向きに取り付けられている。したがって、
保護管4と絶縁管2の間に充填されたMgO粒子5は、
振れ止め部2bと保護管4の内周面との相互間から脱落
する可能性がある。特に、図7に示したMgO粒子5の
収容構造においては、絶縁管2の振れ止め部2bが、保
護管4の内周面に対して単に直交するように接触してい
たので、これらの隙間からMgO粒子5が脱落する可能
性が比較的高い。
【0060】そこで、本実施の形態においては、図8に
示すように、MgO粒子5の脱落を防止するための段部
4dを形成している。この段部4dは、保護管4の側壁
のうち、振れ止め部2bよりも先端側に位置する部分を
肉厚状とすることによって形成されたもので、この段部
4dの外側面と、振れ止め部2bの内側面とが相互に接
触する面接触構造が形成されている。
【0061】このような面接触構造においては、上述の
ように単に直交状に接触させた場合に比べて接触面積を
広く取ることができ、さらには、振れ止め部2bを段部
に確実に付勢した状態で固定することによって、これら
相互を強固に密着させることができる。したがって、M
gO粒子5が脱落することを確実に防止することができ
る。なお、保護管4の側壁の肉厚化の程度(段部の突出
量)は、MgO粒子5を充填するために必要となる収容
スペース7の大きさと、MgO粒子5の脱落を防止する
ために必要となる接触面積とを比較考慮して最適に決定
することができる。
【0062】また、必ずしも保護管4の側壁を肉厚化す
ることによって段部4dを形成する必要はなく、段部4
dを形成するための別部品を保護管4の内部に固定して
もよく、あるいは、強度上の問題がない限りにおいて保
護管4の側壁を肉薄化し、この肉薄部分に振れ止め部2
bを挿入するようにしてもよい。しかしながら、図8の
如く段部4dを形成した場合には、鋳造等による製造が
容易である。
【0063】(実施の形態4)図12は実施の形態4に
かかる熱電対の外端部の通常時における拡大断面図、図
13は熱電対の外端部の蒸気流出時における拡大断面
図、図14は保護管およびソケットの要部分解斜視図で
ある。本実施の形態は、概略的に、蒸気の流出防止構造
の変形例を示すものであり、保護管の外端部にソケット
を取り付ける流出防止構造にかかるものである。なお、
特に説明なき構成については、上記実施の形態1と同じ
であり、また、同じ構成を同符号にて示す。
【0064】図12、13において、保護管4の外端部
4eは、遮蔽部70によって可動的に遮蔽することがで
きるように構成されている。この遮蔽部70は、主とし
て、保護管4の外端部4eを覆うように取り付けられた
ソケット71によって構成されている。そして、図14
に示すように、ソケット71の内周には突部72が設け
られると共に、保護管4の外端部4eの外周面には溝部
73が設けられており、これら突部72と溝部73によ
って可動機構(トライロック機構)が構成されている。
【0065】この可動機構は、保護管4に対してソケッ
トをワンタッチにて着脱するためのもので、ソケット7
1を回転させつつ外端部4eに押し付けることにより、
その突部72が溝部73内に案内されつつ、ソケット7
1を保護管4に取り付けることができる。なお、ソケッ
ト71の外面には、工具差し入れ用の凹部74が形成さ
れており、この凹部74に所定の工具を差し入れて回転
させることによって、ソケット71を容易に回転させる
ことができる。
【0066】ここで、保護管4の外端部4eには、側方
に向けて貫通する配線孔4fが形成されている。そし
て、熱電対素線から延出するリード線32が、この配線
孔4fを介して保護管4の外部に引き出され、ソケット
71の外面に設けられた端子75に接続されている。そ
して、通常状態においてソケット71は、図12に示す
ように、その内側端部が配線孔4fよりも内側に位置す
る状態で取り付けられている。
【0067】そして、保護管4の破損等により蒸気が流
出した場合には、ソケット71を回転させて内側に移動
させることにより、図12に示すように、このソケット
71によって配線孔4fを遮蔽することができ、蒸気の
流出を止めることができる。この時、配線孔4fからは
既に蒸気が流出し始めているが、この配線孔4fが側方
に向いているために蒸気も側方に噴出するので、端子7
5側は安全であり、ソケット71の締め付けを安全に行
うことが可能となる。
【0068】特に、ソケット71を締め付ける工具とし
て図13に示す如き柄の長い工具76を用いることによ
り、締め付けが一層安全になる。なお、このようにソケ
ット71を締め付けた場合には、このソケット71によ
ってリード線32が断線されることになり温度測定が不
能となるが、ボイラーを緊急に停止させること等を回避
することができる。したがって、時間等に余裕が生じる
まで待ってから、熱電対を交換等することができる。
【0069】(実施の形態5)図15は実施の形態5に
かかる熱電対の外端部等の通常時における拡大断面図、
図16は熱電対の外端部等の蒸気流出時における拡大断
面図である。本実施の形態は、概略的に、蒸気の流出防
止構造のさらなる変形例を示すものであり、保護管の外
端部にボール弁を取りつけて自動制御する流出防止構造
にかかるものである。なお、特に説明なき構成について
は、上記実施の形態1と同じであり、また、同じ構成を
同符号にて示す。
【0070】図15、16において、保護管4の外端部
4eは、遮蔽部80によって可動的に遮蔽することがで
きるように構成されている。この遮蔽部80は、主とし
て、ボール弁81と、蒸気流出の有無を検出する検出部
82と、この検出部82の検出結果に応じてボール弁8
1を開閉制御する制御部83とを備えて構成されてい
る。このうち、ボール弁81は、電動式のネジ込み形ボ
ール弁81であって、保護管4の外端部4eの外周面に
設けたネジ溝にネジ込み固定されている。このボール弁
81は、アクチュエータ84を介して駆動され、少なく
とも開状態または閉状態のいずれかにされる。この開状
態において、ボール弁81の内部には、保護管4の内部
と挿通する内部経路85が形成され、この内部経路85
を介してリード線32が外部に引き出されている。
【0071】また、検出部82は任意の検出方法によっ
て、保護管4から外部への蒸気の流出の有無を検出す
る。この検出は、たとえば、車室内部の熱電対の近傍位
置における圧力を検知し、この圧力が所定圧力以下に低
下した場合には、蒸気流出があったものと判断してもよ
い。あるいは、端子箱30の周辺温度を検出し、この温
度が所定温度以上になった場合には、蒸気流出があった
ものと判断してもよい。
【0072】また、必ずしも新たに検出部82を設ける
必要はなく、タービンの圧力検知用等として既に設けら
れている検出部がある場合には、これを流用することも
可能である。その他、熱電対自身を検出部82として兼
用してもよい。すなわち、熱電対によって測定された車
室内部の温度が、所定温度以下になった場合や、急激に
低下した場合に、蒸気流出があったものと判断してもよ
い。このような検出方法によって蒸気流出が検出される
と、その旨を示す信号が検出部82から制御部83に出
力される。
【0073】この検出部82では、検出部82からの出
力を常時または所定間隔で監視しており、検出部82か
ら蒸気流出を示す信号が出力された場合には、ボール弁
81のアクチュエータ84に制御信号を出力して、この
ボール弁81を閉状態に制御する。この制御部83は、
ボール弁81の近傍位置に設けてもよく、あるいは、タ
ービンの制御室等において他の制御機器と集中的に設け
てもよい。
【0074】このような構成によれば、保護管4から蒸
気が流出した場合には、自動的にボール弁81が閉じら
れて保護管4が遮蔽されるので、手動でボール弁81を
閉じる場合に比べて、容易で安全かつ迅速に蒸気を遮蔽
することができる。なお、この場合においても実施の形
態4と同様に、リード線32が断線されることになる
が、ボイラーを緊急に停止させることを回避でき、時間
等に余裕が生じるまで待ってから、熱電対を交換等する
ことができる。
【0075】なお、このようにボール弁81を用いた場
合において、自動制御に代えて手動操作を行なうように
してもよい。つまり、ハンドルにて開閉可能な手動式の
ボール弁を用い、蒸気流出時にはこのボール弁をハンド
ルにて閉じてもよい。この場合においても、ハンドルの
位置を、蒸気の流出方向とは干渉しないように決定する
ことにより、安全に蒸気遮蔽を行うことができる。ま
た、検出部82や制御部83が不要となるので、構造の
簡素化や製造コストを低減することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
熱電対(請求項1)によれば、絶縁管または保護管の少
なくとも一方の外周面に耐熱緩衝材を設けているので、
振動が耐熱緩衝材にて減衰されるので、熱電対が振動に
よって破損等される可能性が大きく低減され、振動に対
する熱電対の信頼性を向上させることができる。
【0077】また、この発明にかかる熱電対(請求項
2)によれば、耐熱緩衝材を、絶縁管または保護管の外
周面のうち、タービンの内部車室に対応する位置と、内
部車室および外部車室の相互間に対応する位置との少な
くとも一方に設けているので、振動が共振によって増幅
される前にこれを減衰することができ、最も効果的に振
動を低減することができる。
【0078】また、この発明にかかる熱電対(請求項
3)によれば、耐熱緩衝材は、セラミック繊維を含んで
形成されて構成されているので、タービン室内において
蒸気温度を測定するような場合においても、必要となる
緩衝性および耐熱性を満たすことができる。
【0079】また、この発明にかかる熱電対(請求項
4)によれば、保護管の先端部周辺に、当該保護管内に
振動減衰用粒子を充填するための充填口を備えて構成さ
れているので、保護管に絶縁管を挿入した後でこの振動
減衰用粒子を充填することができ、収容スペース内が振
動減衰用粒子で充填されたことを確実に確認することが
できるので、振動減衰を確実に行なうことができる。
【0080】また、この発明にかかる熱電対(請求項
5)によれば、絶縁管には、保護管側に延出する振れ止
め部を設け、保護管には、振れ止め部の内面に面接触す
る段部を設けたので、これらの間の接触面積を広く取る
ことができ、また、これら相互を強固に密着させること
ができるので、振動減衰用粒子が脱落することを確実に
防止することができる。
【0081】また、この発明にかかる熱電対(請求項
6)によれば、保護管の長手方向の外端部には、当該外
端部を固定的または可動的に遮蔽する遮蔽部を設けて構
成されているので、遮蔽部によって保護管の外端部が遮
蔽されるので、この外端部から蒸気が流出することを防
止することができ、電力の安定供給を図ることができ
る。
【0082】また、この発明にかかる熱電対(請求項
7)によれば、遮蔽部は、保護管の外端部を固定的に遮
蔽する遮蔽板と、当該遮蔽板に設けた配線用貫通孔を固
定的に遮蔽するコンプレッションフィッティングとを備
えて構成されているので、保護管が遮蔽板によって遮蔽
されると共に、配線用の貫通孔の隙間についてもコンプ
レッションフィッティング機構によって遮蔽することが
できる。特に、配線を断線等させることなく気密性を維
持することができるので、温度測定を継続することがで
きる。
【0083】また、この発明にかかる熱電対(請求項
8)によれば、遮蔽部は、保護管の外端部に螺合して当
該外端部を固定的に遮蔽するソケットを備えて構成さ
れ、このソケットを保護管の長手方向内側に可動自在と
することにより、この保護管の側方に設けた配線用貫通
孔をソケットによって遮蔽自在として構成されているの
で、蒸気流出があった際にソケットによって保護管を可
動的に遮蔽することができる。
【0084】また、この発明にかかる熱電対(請求項
9)によれば、遮蔽部は、保護管の外端部に固定された
ボール弁を備えて構成され、このボール弁の開状態にお
ける内部通路を配線用通路として構成されているので、
蒸気流出時にはボール弁を閉状態に駆動することによっ
て保護管を可動的に遮蔽することができる。
【0085】また、この発明にかかる熱電対(請求項1
0)によれば、遮蔽部は、保護管を介して外部に流出す
る流体の有無を検出する検出部と、この検出部にて流体
が検出された際にボール弁を閉状態に駆動制御する制御
部とをさらに備えて構成されているので、保護管から蒸
気が流出した場合には自動的にボール弁が閉じられて保
護管が遮蔽されるので、容易で安全かつ迅速に蒸気を遮
蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる熱電対および
ウェルの構成を示す正面図である。
【図2】シース熱電対の構成を示す正面図である。
【図3】熱電対の取り付け状態を示す断面図である。
【図4】図1に示した熱電対の構成を示す要部斜視図で
ある。
【図5】熱電対に対する加振試験の結果としての、振動
周波数と振動倍率との関係を示すグラフである。
【図6】実施の形態2にかかる熱電対に対する加振試験
の結果としての、振動周波数と振動倍率との関係を示す
グラフである。
【図7】実施の形態1にかかる熱電対の先端部の構成を
示す拡大断面図である。
【図8】実施の形態3にかかる熱電対の先端部の構成を
示す拡大断面図である。
【図9】実施の形態1にかかる熱電対の外端部の構成を
示す拡大断面図である。
【図10】図9に示した熱電対の外端部の構成を示す要
部拡大断面図である。
【図11】実施の形態2にかかる熱電対を構成するシー
ス熱電対の構成を示す正面図である。
【図12】実施の形態4にかかる熱電対の外端部の通常
時における状態を示す拡大断面図である。
【図13】熱電対の外端部の蒸気流出時における状態を
示す拡大断面図である。
【図14】保護管およびソケットの構成を示す要部分解
斜視図である。
【図15】実施の形態5にかかる熱電対の外端部等の通
常時における状態を示す拡大断面図である。
【図16】熱電対の外端部等の蒸気流出時における状態
お示す拡大断面図である。
【図17】従来における熱電対の構成を示す縦断面図で
ある。
【図18】従来における熱電対に対する加振試験の結果
としての、振動周波数と振動倍率との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1、50、60 熱電対 2 絶縁管 2a、4a 先端部 2b、4b 触れ止め部 3 シース熱電対 4 保護管 4d 段部 4e 外端部 4f 配線孔 5 MgO粒子 6 ウェル 7 収容スペース 8 充填口 10 保温材 11 外部車室 12 内部車室 13 翼環 14 車室内部 15 通気路 20、21、22 耐熱緩衝材 30 端子箱 32 リード線 40、70、80 遮蔽部 41 遮蔽板 42 コンプレッションフィッテング機構 43 貫通孔 44 プラグ 44a 下端部 44b ナット部 44c 上端部 44d テーパ部 45 袋ナット 45a 空間部 46 シール材 71 ソケット 72 突部 73 溝部 74 凹部 75 端子 76 工具 81 ボール弁 82 検出部 83 制御部 84 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相良 一男 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 (72)発明者 田端 茂樹 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 Fターム(参考) 2F056 BP10 KC01 KC06 KC07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電対素線を絶縁管内に収めると共に、
    当該絶縁管を保護管内に収めて構成された熱電対であっ
    て、絶縁管または保護管の少なくとも一方の外周面に、
    耐熱緩衝材を設けたことを特徴とする熱電対。
  2. 【請求項2】 耐熱緩衝材を、絶縁管または保護管の外
    周面のうち、タービンの内部車室に対応する位置と、内
    部車室および外部車室の相互間に対応する位置との少な
    くとも一方に設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    熱電対。
  3. 【請求項3】 耐熱緩衝材は、セラミック繊維を含んで
    形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の
    熱電対。
  4. 【請求項4】 熱電対素線を絶縁管内に収めると共に、
    当該絶縁管を保護管内に収めて構成された熱電対であっ
    て、保護管の先端部周辺に、当該保護管内に振動減衰用
    粒子を充填するための充填口を備えることを特徴とする
    熱電対。
  5. 【請求項5】 絶縁管には、保護管側に延出する振れ止
    め部を設け、保護管には、振れ止め部の内面に面接触す
    る段部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の熱電
    対。
  6. 【請求項6】 熱電対素線を絶縁管内に収めると共に、
    当該絶縁管を保護管内に収めて構成された熱電対であっ
    て、保護管の長手方向の外端部には、当該外端部を固定
    的または可動的に遮蔽する遮蔽部を設けたことを特徴と
    する熱電対。
  7. 【請求項7】 遮蔽部は、保護管の外端部を固定的に遮
    蔽する遮蔽板と、当該遮蔽板に設けた配線用貫通孔を固
    定的に遮蔽するコンプレッションフィッティングとを備
    えて構成されたことを特徴とする請求項6に記載の熱電
    対。
  8. 【請求項8】 遮蔽部は、保護管の外端部に螺合して当
    該外端部を固定的に遮蔽するソケットを備えて構成さ
    れ、このソケットを保護管の長手方向内側に可動自在と
    することにより、この保護管の側方に設けた配線用貫通
    孔をソケットによって遮蔽自在としたことを特徴とする
    請求項6に記載の熱電対。
  9. 【請求項9】 遮蔽部は、保護管の外端部に固定された
    ボール弁を備えて構成され、このボール弁の開状態にお
    ける内部通路を配線用通路としたことを特徴とする請求
    項6に記載の熱電対。
  10. 【請求項10】 遮蔽部は、保護管を介して外部に流出
    する流体の有無を検出する検出部と、この検出部にて流
    体が検出された際にボール弁を閉状態に駆動制御する制
    御部とをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載
    の熱電対。
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