JP2001219874A - 乗用田植機 - Google Patents

乗用田植機

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JP2001219874A
JP2001219874A JP2000395958A JP2000395958A JP2001219874A JP 2001219874 A JP2001219874 A JP 2001219874A JP 2000395958 A JP2000395958 A JP 2000395958A JP 2000395958 A JP2000395958 A JP 2000395958A JP 2001219874 A JP2001219874 A JP 2001219874A
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Makoto Inoue
誠 井上
Tsunatake Yamashita
綱丈 山下
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の削減が図れる乗用田植機を得るこ
とを課題とする。 【解決手段】 メインステップと補助ステップを有する
車体カバーを一体成形すると共に、メインステップの前
部で左右のペダル用開口部には縁部が設けられていない
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機の車体
カバー構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、山間部等の小規模の圃場において
は、歩行型の田植機が用いられてきているが、最近、作
業者の高齢化や作業者減少化等の農業事情により、歩行
型の田植機は作業者への負担が大きく、作業時間が長く
なることから、乗用型の田植機が望まれてきている。そ
して、このような乗用型の田植機においては、車体カバ
ー上のステップとは別に乗降用の補助ステップが設けら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな乗降用の補助ステップは、車体フレームに固着する
等、車体カバーとは別体で構成されており、部品点数が
多くなってコスト的に好ましいものと言えるものではな
かった。そこで、本発明は、部品点数の削減が図れる低
コストな乗用田植機を得ることを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明は、次のような乗用田植機を提供す
るものである。すなわち、機体前部に動力部を配設し、
機体後部に植付部を昇降自在に配設した乗用田植機にお
いて、メインステップと補助ステップを有する車体カバ
ーを一体成形すると共に、メインステップの前部で左右
のペダル用開口部には縁部が設けられていないことを特
徴とする乗用田植機である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を基に説明する。図1は、本発明にかかる
乗用田植機(A)の全体を示す概略側面図である。乗用
田植機(A)は走行車両(1)と、走行車両(1)の後
部に連結した植付部(9)とで構成されており、図1で
示すように、走行車両(1)の前部及び後部にはそれぞ
れ前輪(2)と後輪(3)が懸架され、車体フレーム
(4)の前部には動力部であるエンジン(5)が搭載さ
れている。そして、エンジン(5)後方の車体フレーム
(4)の左右略中央には前後に長く形成したミッション
ケース(6)が配置されており、ミッションケース
(6)の前部に前輪(2)が支持され、後部に後輪
(3)が支持されている。エンジン(5)を覆うボンネ
ット(22)の両側には予備苗載台(90)が配設さ
れ、オペレーターが搭乗する車体カバー(20)によっ
てミッションケース(6)等が覆われている。そして、
車体カバー(20)の後上部に運転席(7)が設けら
れ、車体カバー(20)前部のボンネット(22)の後
方に操向ハンドル(8)が配設されている。
【0006】植付部(9)は4条植えとした苗載台(9
1)や複数の植付爪(93)等から構成されており、前
高後低に配設した苗載台(91)を下部レール(95)
及びガイドレール(96)を介して植付伝動フレーム
(92)に左右往復摺動自在に支持させるとともに、ク
ランク機構によってクランク運動する植付爪(93)を
植付伝動フレーム(92)の後部に配設している。した
がって、前輪(2)及び後輪(3)を走行駆動して移動
させるとともに、左右に往復摺動可能な苗載台(91)
から1株分の苗を植付爪(93)によって取り出し、連
続的に苗植え作業が行えるようになっている。
【0007】植付伝動フレーム(92)の前部にはロー
リング支点軸(176)を介してヒッチ(94)が設け
られ、そのヒッチ(94)は、ヒッチ(94)の上部左
右両側に枢支されているトップリンク(11)と、ヒッ
チ(94)の下部左右両側に枢支されているロワーリン
ク(12)とを含む昇降リンク機構(10)を介して走
行車両(1)の後部に連結されている。ロワーリンク
(12)の前端部内側面にはリフトアーム(13)の基
部が固設されており、このリフトアーム(13)をロワ
ーリンク(12)の配設方向に対して直交する上方向に
突設している。そして、昇降リンク機構(10)を昇降
駆動させる昇降シリンダー(15)がこのロワーリンク
(12)に連結したリフトアーム(13)に連結してい
る。
【0008】また、リフトアーム(13)の上端部とロ
ワーリンク(12)の後端部との間には補強リンク(1
4)が連結されており、ロワーリンク(12)の剛性を
高めるようにしている。また、トップリンク(11)及
びロワーリンク(12)の前端部は、後述する後部連結
フレーム(43)(44)間に横設された枢支ピンを介
して枢支されており、この後部連結フレーム(43)
(44)が昇降リンク機構(10)の支持部として兼用
されて、植付部(9)の安定した昇降、部品点数の削
減、構成のシンプル化が図られている。
【0009】また、運転席(7)等が設置される車体カ
バー(20)には主変速レバー(75)、苗継ぎレバー
(76)、植付昇降レバー(77)、主クラッチペダル
(74)、ブレーキペダル(73)などが配設され、植
付部(9)の下部には植付部(9)を一定の高さに保持
する均平用のセンターフロート(97)とサイドフロー
ト(98)(99)が配設されている。センターフロー
ト(97)は走行車両(1)の左右中心線上に配置さ
れ、センターフロート(97)の左右対称位置にサイド
フロート(98)(99)が配設されて、植付部(9)
の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を安定さ
せて、精確に植え付けができるようにしている。
【0010】車体フレーム(4)はパイプ体で構成さ
れ、図2、図3の平面視で示すように、両側が機体後方
に向かって屈曲形成されて、拡開した略U字状をなすフ
ロントフレーム(40)と、ミッションケース(6)が
配置されたときに、ミッションケース(6)の前端部付
近より後方はミッションケース(6)と平行で、ミッシ
ョンケース(6)の前端部付近から前方は略ハ字状に拡
開するように形成されている左右一対のサイドフレーム
(41)(42)とから構成されている。そして、サイ
ドフレーム(41)(42)のハ字状に拡開した前端部
がフロントフレーム(40)の開放側後部に連結され、
更に、図4で示すように、サイドフレーム(41)(4
2)の後部が上方に向かって屈曲形成されている。
【0011】フロントフレーム(40)の両側端部に
は、予備苗載台(90)の支柱(90a)が嵌入する保
持部(28)がステー(29)を介して設けられてお
り、予備苗載台(90)は保持部(28)から支柱(9
0a)を外すことにより、向きを180度変えられるよ
うになっている。また、サイドフレーム(41)(4
2)の前側がハ字状に拡開しているため、広いエンジン
スペースを確保することができ、サイドフレーム(4
1)(42)のミッションケース(6)の前端部付近よ
り後方はそのミッションケース(6)と平行になってい
るので、後輪(3)や各種操作レバー等の設置スペース
を確保することができ、これらの固定及び連結方法が簡
素化できるようになっている。
【0012】また、図4の側面視で示すように、フロン
トフレーム(40)の中央部より後下方に向かって平板
状の支持部材(50)が延設されており、エンジン
(5)はこの支持部材(50)の上に載置される。支持
部材(50)の前部はフロントフレーム(40)に向か
って上方に湾曲するように形成され、その湾曲させた部
分に長孔状の開口部(50a)が穿設されている。ま
た、このエンジン支持部材(50)の後端部はサイドフ
レーム(41)(42)を連結する連結フレーム(4
5)に支持されており、この連結部分近傍にも長孔状の
開口部(50b)が穿設されている。
【0013】支持部材(50)に穿設された開口部(5
0a)(50b)は、機体全体の軽量化を図るととも
に、エンジン(5)の放熱効果を促進することができる
ようになっているものであり、これ以外にもエンジンド
レーンの挿通孔として利用したり、メンテナンス等をす
る際にも利用することができる。また、この支持部材
(50)は平板状であるため、エンジン(5)下部の保
護カバーとして利用でき、別途保護カバーを設ける場合
に比べ、コストダウンが図れるようになっている。そし
て、何よりもエンジン(5)の取付高さ位置を低い位置
にすることができるので、機体全体の重心を低くするこ
とができ、転倒角の優れた田植機を実現することができ
るようになっている。
【0014】また、エンジン(5)の上方はボンネット
(22)でカバーされているが、エンジン(5)の下部
が図1で示すように車体フレーム(4)より下方に突出
しているため、空冷エンジン(5)の場合は、リコイル
スターター近傍の冷却風取入口(5a)が車体フレーム
(4)の下方から露出し、更には冷却風取入口(5a)
の反対側に比較的高温になるマフラー(5b)の排気口
を機体外方に向けて配設しているので、冷却風の吸気抵
抗がなくて吸引ロスが少なくなるとともに、冷却風の温
度を下げることができる。そして、エンジン(5)が露
出している部分からも放熱ができるので、エンジン
(5)のヒートバランスが良好になり、出力低下が生じ
ない。したがって、ヒートバランスの優れた田植機を実
現することができる。また、ボンネット(22)にも必
要最小限のスリットや窓部を設けるだけでよくなるの
で、オペレーターに熱気がかからない位置に設けること
ができ、ボンネット(22)自体の高さも低くなるの
で、オペレーターの視界も良好となり、作業性を向上さ
せることができる。
【0015】車体フレーム(4)の上には車体カバー
(20)が設けられるが、車体カバー(20)はボンネ
ット(22)とサブステップ(23)が合成樹脂による
ブロー成形にて一体中空成形された前部カバー(21)
と、オペレーターが搭乗する運転席(7)の設置部(3
1)とメインステップ(32)と乗降する際の補助ステ
ップ(33)が合成樹脂によるブロー成形にて一体中空
成形された後部カバー(30)とで構成されており、製
造や組立を容易にするとともに、部品点数の減少による
コストダウンが図られている。後部カバー(30)は車
体フレーム(4)にボルトなどの固定手段によって固定
され、メインステップ(32)から後側が後上方に向か
って膨出成形されて運転席(7)の設置部(31)を形
成している。
【0016】後部カバー(30)に一体成形された補助
ステップ(33)は、図1、図2、図5で示すように、
メインステップ(32)の両側部から機体外下方に向か
ってやや傾斜した壁面(33a)と、側面視でそれぞれ
前輪(2)及び後輪(3)に沿った形状をした側面(3
3b)(33c)とからなる連接部を介して連設されて
おり、前輪(2)と後輪(3)の間に配置されている。
連接部の側面(33b)(33c)はそれぞれ前輪
(2)及び後輪(3)に沿った形状をしていることか
ら、前輪(2)及び後輪(3)のカバーを兼用するよう
になっており、補助ステップ(33)から機体前後方向
に足を滑らせても前輪(2)又は後輪(3)に足が干渉
しないようになっている。また、補助ステップ(33)
を前後方向の両側から支持するため、補助ステップ(3
3)の強度を有効に保つことができるようになってい
る。
【0017】また、連接部の壁面(33a)には補助ス
テップ(33)の前後方向の長さとほぼ同じ程度の長さ
の辺(33d)を有する略台形状の開孔部(33e)が
穿設されており、足を補助ステップ(33)に乗せたと
き、その開孔部(33e)に足の先端を入れることがで
きるようになっている。したがって、奥行きの少ない補
助ステップ(33)であっても安全に乗降することがで
き、かつ、補助ステップ(33)の機体左右方向の幅を
可及的に小さくすることができるので、機体左右幅方向
のコンパクト化が図れる。
【0018】また、図2、図5の平面視で示すように、
メインステップ(32)の両側部で補助ステップ(3
3)が連設されている壁面(33a)部分には、機体内
方側に向かって凹部(32a)が形成されており、機体
から降りるときに、その凹部(32a)と傾斜した壁面
(33a)によって補助ステップ(33)の位置が確認
しやすいようになっている。したがって、補助ステップ
(33)に足を乗せたときには、補助ステップ(33)
の全面で確実に足を支えることができ、安全に乗降する
ことができるようになっている。そして更に、その壁面
(33a)がメインステップ(32)の凹部(32a)
より機体外下方に向かってやや傾斜して連設されている
ことから、平面視で開孔部(33e)が見えるように、
即ち開孔部(33e)の外端部の辺(33d)が平面視
にてメインステップ(32)の凹部(32a)より外側
に位置するようになっており、メインステップ(32)
上の泥などは補助ステップ(33)上には落ちずに、開
孔部(33e)から地上に落下するようになっている。
【0019】また、補助ステップ(33)の前部側近傍
で、メインステップ(32)の下面近傍には、断面略凹
字型の角柱型ステー(36)の上面がボルトなどの固定
手段によって取り付けられており、そのステー(36)
の下面は、図12で示すフロントアクスルケース(3
7)に取り付けられている。なお、フロントアクスルケ
ース(37)は車体フレーム(4)の前部に連結部材
(37a)を介して固定される。補助ステップ(33)
の連接部における前輪(2)側の側面(33b)はフロ
ントアクスルケース(37)の上面近傍に配置されてお
り、フロントアクスルケース(37)とメインステップ
(32)とをステー(36)によって連結して、メイン
ステップ(32)や補助ステップ(33)の鉛直方向下
向きにかかる荷重を支えるようにしている。
【0020】つまり、このステー(36)によって、機
体乗降時にメインステップ(32)や補助ステップ(3
3)にかかる鉛直方向下向きの荷重によるステップの撓
みを有効的に少なくし、撓みによる足の滑りなどを防止
するようにしている。そして、それと同時に、作業中に
フロントアクスルケース(37)にかかる前輪(2)か
ら来る鉛直方向上向きの荷重をそのステー(36)でも
って支え、互いに補強し合う関係、即ちステップステー
とフロントアクスルケースステーをこのステー(36)
で兼用して全体の部品点数を減らすようにし、軽量化及
びコストダウンを図るようにしている。その他、メイン
ステップ(32)の前部で左右のペダル用開口部(34
a)(34b)には縁部(32b)を設けないように
し、メインステップ(32)のペダル下部分に溜まる泥
や水などをその開口部(34a)(34b)から抜くこ
とができるようにして、ペダル踏み込み時の滑りや誤操
作等を防止して、安全性を高めるようにしている。
【0021】また、メインステップ(32)や前部カバ
ー(21)のサブステップ(23)の上面には、図1
0、図11で示すように、凸状の突起の中央を凹ませた
滑り止め部材(35)がそれらメインステップ(32)
やサブステップ(23)と一体的に多数、しかも格子状
に並んで突設されている。したがって、従来のようにス
テップクッション等を別途使わないで済むため、部品点
数を減少させることができ、コストダウンや生産工程の
削減が図れる。また、滑り止め部材(35)をこのよう
な形状にすることにより滑り止め効果が高められ、機体
前方での乗降や予備苗載台(90)から苗載台(91)
への苗マット移送作業時の安全性が確保できる。そし
て、特に滑り止め部材(35)が格子状に配設されてい
ると、排水・排泥効果が高く、滑り止め部材(35)間
の泥詰まりを防ぐことができる。
【0022】一方、前部カバー(21)は、図6で示す
ように、エンジン(5)を被装する中央のボンネット
(22)と、ボンネット(22)の両側に設けられて予
備苗載台(90)への通路用となるサブステップ(2
3)を有している。そして、エンジン(5)の上方位置
に燃料タンク(136)が配設できるように、ボンネッ
ト(22)の上部は開口している。この前部カバー(2
1)はペダル部分で後部カバー(30)と分割されるよ
うになっており、車体フレーム(4)上で機体前後水平
方向に前方よりスライド移動させることによって、脱着
可能に構成されている。したがって、車体フレーム
(4)が前部カバー(21)を脱着するときのいわゆる
ガイド部材になっており、前部カバー(21)の下面と
車体フレーム(4)の上面とが略同一高さになってい
る。
【0023】このように、前部カバー(21)をペダル
部分で後部カバー(30)と分割し、前方からスライド
移動させて脱着するように構成すると、ペダル用開口部
(34a)(34b)は少なくともブレーキペダルや主
クラッチペダル等の支柱(73a)(74a)部分のス
ペースが確保されていればよくなり、その開口部(34
a)(34b)の大きさを小さくすることができて、他
のステップ部分などにおいて、デザインの自由度を向上
させることができる。また、操向ハンドル(8)のステ
アリング等、ステップ上方に位置する部品に関係なく、
前部カバー(21)の脱着が行えるようになるため、エ
ンジン(5)などのメンテナンス性が向上し、そのよう
な作業を容易に行うことができる。そして、車体フレー
ム(4)の上面が前部カバー(21)のガイドとなって
いるため、別途ガイド部材を設ける必要がなく、部品点
数の減少によるコストダウンを図ることができる。
【0024】また、前部カバー(21)は図7、図8で
示すように、ノブネジなどの把持部付締結具(25)に
よって車体フレーム(4)に固定されるようになってお
り、その締結具(25)の操作により簡単に脱着が行え
るように構成されて、コストダウンが図られている。把
持部付締結具(25)は車体フレーム(4)の下方か
ら、車体フレーム(4)に設けられた固定部(24)に
穿設された貫通孔(24a)を通して、前部カバー(2
1)のサブステップ(23)側下面に螺合するようにな
っており、サブステップ(23)上面に把持部付締結具
(25)によるデザインの影響がないようにするととも
に、乗降時や苗マット補給時などの作業時において、ボ
ンネット(22)脇のサブステップ(23)を通るとき
に足等を引っかけることがないようにしている。
【0025】また、車体フレーム(4)の固定部(2
4)には、前部カバー(21)と車体フレーム(4)と
の取付位置に僅少な誤差があっても取り付けられるよう
に融通機構が設けられている。この融通機構は、例えば
固定部(24)に穿設する貫通孔(24a)を長孔状に
形成するなどして構成されるもので、これら各部品の寸
法に若干のばらつきがあっても、その融通機構によって
調節ができるようになっており、確実に前部カバー(2
1)を取り付けることができるようになるとともに、前
部カバー(21)の管理や品質の向上が図れるようにな
っている。なお、このときの貫通孔(24a)の形状
は、図3、図7で示す前後方向に長いもの以外に、図9
で示すように、機体幅方向に長いものや、前後及び機体
幅方向に長い十字状に組み合わせたものでもよく、任意
である。
【0026】また、把持部付締結具(25)が作業中に
振動で緩んで外れることがないように、締結具(25)
の軸芯方向に略直交する水平方向から平頭ピンなどの規
制具(26)を突出させて、把持部付締結具(25)の
凹んだ把持部分に係合させ、締結具(25)の回転を規
制するようにしている。なお、このとき、規制具(2
6)は車体フレーム(4)に設けられたステー(29)
の孔に挿通されて前記水平方向に摺動自在になっている
ため、スナップピンなどの係脱自在位置決め具(27)
によって、その摺動を抑制するようにしている。すなわ
ち、例えば規制具(26)に複数の孔(26a)を所定
間隔で設け、ステー(29)の両側に位置した孔にその
位置決め具(27)を差し込んで、規制具(26)が摺
動しないようにするのである。
【0027】このような構成によれば、規制具(26)
が曲がるか、抜けるかしないと締結具(25)との係合
は解除されないので、安全性は確保される。また、2つ
の係脱自在位置決め具(27)によって位置決め固定し
ているため、締結具(25)側の位置決め具のみを外す
だけで、簡単に規制具(26)は摺動可能となり、締結
具(25)に対する規制具(26)の係合が容易に解除
できるようになっている。なお、このとき、規制具(2
6)には、もう一方の位置決め具が差し込まれたままに
なっているので、前部カバー(21)の取り外し操作時
等において、規制具(26)が紛失するようなことはな
い。また、規制具(26)に対し、締結具(25)が回
転する方向に力が加わっても位置決め具(27)には直
接力が加わらないので、作業中に位置決め具(27)が
外れるようなことはなく安全である。その他、前部カバ
ー(21)の例えばペダル部分近傍を屈曲可能に形成し
て、ボンネット(22)が上方へ回動可能になるように
構成してもよく、この場合はエンジン(5)などのメン
テナンス時において、前部カバー(21)を取り外す作
業をしなくてもよく、容易に作業を行うことができる。
【0028】また、後部カバー(30)の下方にはミッ
ションケース(6)のほぼ全体が配置されるが、このと
き、ミッションケース(6)の前部上面がメインステッ
プ(32)の前部下面に当接しており、鉛直方向下向き
の力が多くかかるメインステップ(32)をミッション
ケース(6)で好適に支えるようにしている。したがっ
て、メインステップ(32)の強度を向上させることが
できるともに、車体フレーム(4)に別途ステップ支持
部材を設ける必要がなくなり、部品点数を減少できてコ
ストダウンが図れるようになっている。そして、この当
接部分において次のように構成すると、ミッションケー
ス(6)に対する後部カバー(30)の位置決め精度を
向上させることができる。
【0029】すなわち、図12、図13で示すように、
ミッションケース(6)の前部上面ほぼ中央に凸部(6
a)を設け、メインステップ(32)の前部下面ほぼ中
央に凹部(32c)を設けて、それらを互いに嵌合させ
ることにより、両者を位置決めして当接させるようにす
る。なお、凸部(6a)及び凹部(32c)は円錐台な
どの形状のように、側面視で側面を傾斜させてテーパー
状に形成することが望ましく、これによれば、その傾斜
した側面がガイドになって後部カバー(30)の位置決
め精度を更に向上させることができ、組立性を向上させ
ることができる。なお、ミッションケース(6)に凹部
を設け、後部カバー(30)に凸部を設けるようにして
もよい。
【0030】また、ミッションケース(6)は、後部が
メインステップ(32)の下面から離れていくように、
即ち、図4、図12で示すように、前低後高に形成され
た車体フレーム(4)の前後方向略中央下部より車体フ
レーム(4)の後端部の後下方まで延出された前後方向
に長く形成されており、図1で示す側面視において前高
後低に配置されている。したがって、ミッションケース
(6)の後部上方に、植付部(9)へのPTO伝動軸
(158)や植付部(9)を昇降させる昇降シリンダー
(15)及び各種操作レバー関係などを配置できる有効
なスペースが確保でき、機体全長を短くすることができ
るとともに、無駄のないシンプルな配置構成をとること
ができて、設計の自由度を向上させることができるよう
になっている。
【0031】このミッションケース(6)は車体フレー
ム(4)に対して、その最前部近傍と最後部近傍及び中
間部近傍において固定されているが、ミッションケース
(6)の最前部近傍は、エンジン(5)が載置される支
持部材(50)に、支持部材(50)から斜め内側後下
方に向かって延設されている取付部材(51)を介して
固定されている。したがって、重量物であるエンジン
(5)の荷重をミッションケース(6)でも支えること
ができるようになっており、その荷重はミッションケー
ス(6)を圧縮する方向にかかるようになっている。し
たがって、エンジン(5)の振動を剛性のあるミッショ
ンケース(6)で抑制することができるようになるとと
もに、車体フレーム(4)自体を軽量化でき、そのコン
パクト化が図れるようになっている。
【0032】また、車体フレーム(4)を構成するサイ
ドフレーム(41)(42)は前後方向略中央部(41
a)(42a)より上方に向かって屈曲するように形成
されており、その屈曲し始める中央部(41a)(42
a)付近の機体幅方向にセンターフレーム(46)が架
設されている。そして、このセンターフレーム(46)
の機体幅方向略中央に設けられた取付部材(47)に、
ミッションケース(6)の中途部(6b)が連結されて
いる。なお、この中途部(6b)は後方に向かって突出
しているPTO軸(65)の直上部に位置している。そ
して、ミッションケース(6)の後部に一体的に設けら
れているリアアクスルケース(38)に取付プレート
(39)を介して連結されている後部連結フレーム(4
3)(44)の上端部(43a)(44a)と、前記サ
イドフレーム(41)(42)の後端部(41b)(4
2b)とが一体的に連結され、サイドフレーム(41)
(42)と後部連結フレーム(43)(44)とミッシ
ョンケース(6)とで側面視略三角形状のフレームを構
成するようになっている。
【0033】サイドフレーム(41)(42)の後端部
(41b)(42b)と後部連結フレーム(43)(4
4)の上端部(43a)(44a)とが連結された部
分、即ち略三角形状を構成する最上側の頂点部にはリア
フレーム(48)が機体幅方向に架設され、そのリアフ
レーム(48)上に、後部カバー(30)の運転席設置
部(31)の下面後側が載置固定されるとともに、連結
部材を介して運転席(7)の後部支持部材(72)が連
結されている。また、サイドフレーム(41)(42)
の中央部(41a)(42a)と後端部(41b)(4
2b)の略中間に立設されて機体幅方向に架設されたパ
イプステーなどの支持部材(49)上に、設置部(3
1)の下面前側が載置固定されるとともに、連結部材を
介して運転席(7)の前部支持部材(71)が連結され
ている。
【0034】このように略三角形状を構成するフレーム
の頂点部の丁度真上に運転席(7)の後部が来るように
配置し、車体フレーム(4)の中央部(41a)(42
a)と、車体フレーム(4)の後端部(41b)(42
b)を支持する後部連結フレーム(43)(44)の後
下端部(43b)(44b)とをミッションケース
(6)で支持するように構成すると、運転席(7)にか
かる鉛直方向のほとんどの荷重をその頂点部及びミッシ
ョンケース(6)で強固に支持することができるように
なるため、車体フレーム(4)自体にそれほどの剛性を
要求しなくてもよくなり、車体フレーム(4)の軽量化
が図れるとともに、部品点数の削減が図れる。そして、
運転席(7)の前部も従来のように後部カバー(30)
で支持するのではなく、車体フレーム(4)に立設した
パイプステー(49)によって支持するため、後部カバ
ー(30)が撓むような不具合は生じない。また、車体
フレーム(4)を側面視三角形状に構成することによ
り、その内方側部分におけるスペースの有効利用を図る
ことができ、機体全体のコンパクト化が図れるようにな
っている。
【0035】また、前述したように、サイドフレーム
(41)(42)の機体幅方向に架設する補強用センタ
ーフレーム(46)の平面視略中央には、ミッションケ
ース(6)の中途部(6b)が連結される取付部材(4
7)が設けられており、その取付部材(47)の他端に
は、植付部(9)を昇降させる油圧式昇降シリンダー
(15)の基部(15a)が連結されている。そして、
ミッションケース中途部(6b)の連結点(47a)と
センターフレーム(46)の固定点(47b)と昇降シ
リンダー(15)の取付点(47c)が、側面視で昇降
シリンダー(15)の力が加わる直線方向とほぼ同一直
線上に位置するように、順に配設されている。
【0036】したがって、車輪からのミッションケース
(6)にかかるねじれ力に対する強度を増大させること
ができるとともに、センターフレーム(46)には主に
昇降シリンダー(15)による引張圧力しかかからない
ため、更に強度上有利となり、これによっても車体フレ
ーム(4)自体の軽量化、コンパクト化が実現できて、
コストダウンを図ることができる。以上、ここで述べて
きたように、車体フレーム(4)にミッションケース
(6)の前、後、中央を連結させるだけで、車体フレー
ム(4)の水平、垂直、ねじり方向の剛性及び強度を向
上させることができる。そして、その少ない取り付け箇
所にもかかわらず、ミッションケース(6)は車体フレ
ーム(4)と共に有効な田植機の強度補強部材になって
いる。
【0037】その他、植付部(9)を昇降させる昇降シ
リンダー(15)には、植付部(9)の昇降駆動を自動
的に停止させる昇降駆動解除機構が設けられている。こ
の昇降駆動解除機構は、図14、図15で示すように、
昇降シリンダー(15)の基部(15a)の先端に係合
部材(16)を設けるとともに、その係合部材(16)
に支点軸(17)を中心に回動可能となるアーム(1
8)を設け、そのアーム(18)の一端部(18a)を
シリンダーロッド(15b)に当接させるとともに、他
端部(18b)を植付昇降レバー(77)のデイテント
プレート(155)に連結部材であるコイルバネ(15
4)を介して接続されているワイヤー(19)に連結し
て構成している。
【0038】したがって、昇降シリンダー(15)のシ
リンダーロッド(15b)が縮んでアーム(18)を図
14、図15で示す矢印方向へ回動させると、ワイヤー
(19)が図示の矢印方向へ引っ張られることになり、
植付昇降レバー(77)を元の中立位置に自動復帰させ
る。このような構成によれば、ワイヤー(19)が短く
て済むため、信頼性が向上するし、植付昇降レバー(7
7)のデイテントプレート(155)に昇降駆動解除機
構用のワイヤー(19)を接続しているので、部品点数
の削減を図ることができ、構造も非常に簡単になって軽
量化が図れ、コストダウンを図ることができる。なお、
昇降シリンダー(15)の作動油はミッションケース
(6)内からサクション(156)及び油圧ポンプを介
して供給されている。
【0039】次に、ミッションケース(6)の内部機構
について図16乃至図20を基に説明をすると、ミッシ
ョンケース(6)の前部には走行変速機構が内設される
変速室(60)が形成され、変速室(60)の左右両側
面にフロントアクスルケース(37)が一体的に固設さ
れている。そして、フロントアクスルケース(37)の
左右端部より下方に向かって車軸ケースが固設され、車
軸ケースの下端部に前輪(2)を固設する前車輪軸(6
6)が軸支されている。ミッションケース(6)の後端
部には軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスルケース
(38)が一体的に形成され、リアアクスルケース(3
8)内に後車輪駆動軸(69)が軸支されている。そし
て、後車輪駆動軸(69)の左右両端部に後輪(3)が
固設され、従来のような伝動ケースを廃止した構成にな
っている。このように、フロントアクスルケース(3
7)とリアアクスルケース(38)をミッションケース
(6)に一体的に設けると、ミッションケース(6)で
各車輪(2)(3)を支持することができ、前述のよう
に機体強度補強部材としてのフレームの一部を担うこと
ができるので、車体フレーム(4)への負担を低減する
ことができる。なお、ミッションケース(6)の内面に
は複数のリブ(6f)が形成されて断面係数が高められ
ており、ミッションケース(6)は剛性のあるケースと
なっている。
【0040】ミッションケース(6)の上下方向に膨出
した前部には、前述のように、内部に変速機構やPTO
軸(65)が配設される変速室(60)が形成されてお
り、この上方に膨出させた変速室(60)の上後部には
前後方向に軸芯を有するPTO軸(65)が軸支されて
いる。このように、ミッションケース(6)は後側が変
速室(60)の後部より一段低く、即ち変速室(60)
の上後部はミッションケース(6)の後部側上面より上
方に膨出した形状に形成され、その膨出した変速室(6
0)の後面より後方に向かってPTO軸(65)の後端
部が突出している。また、ミッションケース(6)の後
部が、前述のように斜め下方に向かって傾斜して配置さ
れているので、PTO軸(65)に接続されるユニバー
サルジョイント部(159)を有するPTO伝動軸(1
58)を通すスペースを広くとることができ、そのユニ
バーサルジョイント部(159)及びPTO伝動軸(1
58)等を余裕をもって配置することができる。そし
て、植付部(9)を昇降させたときにもそれらが干渉す
るようなことはなく、PTO軸(65)の動力を安定し
て植付部(9)へ伝達することができる。
【0041】ミッションケース(6)の変速室(60)
の上部には、左右方向に入力軸(56)が軸支され、入
力軸(56)の左端部が外側に突出されて従動プーリー
(55)が固設され、エンジン(5)の左側面より側方
に突出されている出力軸(52)に固設された駆動プー
リー(53)からの動力が、ベルト(54)を介してミ
ッションケース(6)内に入力されている。そして、こ
のベルト(54)はテンションアーム(57)の先端に
取り付けられたテンションローラー(58)によって緊
張されるように構成されており、主クラッチペダル(7
4)の踏み込み操作や苗継ぎレバー(76)のシフト操
作に連動して動力の断接が行われるようになっている。
また、エンジン(5)側の駆動プーリー(53)とミッ
ションケース(6)側の従動プーリー(56)に巻回さ
れているベルト(54)と、ミッションケース(6)と
は略直線上に配設されており、前輪(2)及び後輪
(3)に動力を伝達する動力伝達経路が省スペースで効
率のよい配置構成となっている。
【0042】入力軸(56)の前下方には主変速軸(6
1)が軸支され、主変速軸(61)の前下方には前車輪
駆動軸(62)が軸支され、入力軸(56)に入力した
動力が略前下方に伝達されるようになっている。そし
て、前輪(2)の前車輪軸(66)は前車輪駆動軸(6
2)の鉛直方向下方に配置されており、入力軸(56)
の動力を直線状に鉛直方向下方へ伝達する動力伝達経路
が構成されている。このため、動力伝達経路を短くする
ことができ、動力損失の少ないシンプルな構成にするこ
とができるとともに、車軸ケースの上下方向の長さを短
くすることができ、コストダウンを図ることができる。
そして、入力軸(56)の前方で主変速軸(61)の上
方には副変速軸(63)が軸支されており、入力軸(5
6)と主変速軸(61)は側面視において副変速軸(6
3)を頂点とする略二等辺三角形状に配置されており、
ミッションケース(6)内の構成がシンプルになってい
る。また、後輪(3)を駆動する後車輪駆動軸(69)
への駆動力は、入力軸(56)と前車輪駆動軸(62)
との間の主変速軸(61)からチェーン(70)を介し
てミッションケース(6)後下方の後車軸駆動部に伝達
されており、ミッションケース(6)の配設方向である
前高後低方向に動力伝達経路が構成されている。
【0043】すなわち、このミッションケース(6)後
部の後車軸駆動部にはミッションケース(6)の配設方
向に沿った後下方向きに従動軸(67)、カウンター軸
(68)、後車輪駆動軸(69)が順に配設されてお
り、チェーン(70)が従動軸(67)に伝達され、カ
ウンター軸(68)を介して後車輪駆動軸(69)に動
力が伝達されて、後車輪駆動軸(69)への駆動伝達経
路をミッションケース(6)の配設方向に合わせた前高
後低の直線状に伝達し、シンプルかつ省スペースで効率
のよい動力伝達経路の配置構成としている。また、この
動力伝達経路は最短経路になるため、チェーン(70)
の長さを短くすることができてコストダウンを図ること
ができ、更には後車輪駆動軸(69)の高さ位置が車体
フレーム(4)よりも下方位置になるため、後輪(3)
の車輪を小径とすることができ、走行車両の小型化が図
れるようになっている。なお、ここでは後車軸駆動部に
動力を伝達する構成としてチェーン(70)が用いられ
ているが、動力を伝達する構成としてはチェーン(7
0)のような無端体に限定されるものではなく、伝動軸
を用いることもできる。
【0044】ミッションケース(6)後部の後車軸駆動
部には、動力断接機構と制動機構が配設されており、図
17で示すように、従動軸(67)の左右中央部にはボ
ス部(101)が固設され、ボス部(101)の外周面
上にスプロケット(100)が固設されてチェーン(7
0)が巻回されている。ボス部(101)の左右両側の
従動軸(67)には摺動ギア(102)がスプライン嵌
合されており、摺動ギア(102)とサイドクラッチ
(103)とが歯数を同じにして一体成形されて部品点
数の削減が図られるとともに、組立がしやすいように構
成されている。摺動ギア(102)にはカウンター軸
(68)に枢支した内ギア(104)が噛合され、内ギ
ア(104)に一体的に形成した外ギア(105)には
後車輪駆動軸(69)に固設するギア(106)が噛合
されている。
【0045】また、摺動ギア(102)にはミッション
ケース(6)下面に枢支した操作軸(107)に固設す
るフォークが嵌合され、操作軸(107)下部に固設す
るアーム(108)を回動操作することで、操作軸(1
07)が回動し、摺動ギア(102)が摺動される。摺
動ギア(102)を内側に摺動させると、摺動ギア(1
02)内側がボス部(101)内に係合されて動力が伝
達され、後車輪駆動軸(69)が駆動される。摺動ギア
(102)を外側に摺動させると、ボス部(101)と
摺動ギア(102)との係合が外れ、動力の伝達が離脱
されると同時に、摺動ギア(102)の外側端部に形設
したパットと挟持体によって構成されるブレーキ機構
(130)が作動し、摺動ギア(102)の回動が制動
されて後車輪駆動軸(69)の回動が停止される。
【0046】一方、入力軸(56)の後方にPTO入力
軸(64)が軸支され、そのPTO入力軸(64)から
ベベルギア(64a)(65a)を介して前後方向に軸
芯を有する伝達軸(65b)に動力を伝達し、PTOク
ラッチ(109)を介してPTO軸(65)に動力を伝
達しており、入力軸(56)より水平方向後方に向けて
動力を伝達し、後方の植付部(9)に動力を伝達するよ
うにしている。また、PTO軸(65)への動力の断接
を行うPTOクラッチ(109)にはギア式クラッチが
用いられており、伝達軸(65b)には前後方向中央部
に筒体(65c)が遊嵌され、筒体(65c)が遊嵌さ
れていない伝達軸(65b)の前部にクラッチギア(1
10)が固設され、筒体(65c)の前部に摺動クラッ
チギア(111)がスプライン嵌合されている。
【0047】摺動クラッチギア(111)にはミッショ
ンケース(6)側面に軸支される操作軸(112)に固
設するフォークが嵌合され、操作軸(112)が運転席
(7)の近傍位置に配置されるPTOクラッチレバーを
兼用する植付昇降レバー(77)に連動連結されてお
り、植付昇降レバー(77)を操作してクラッチギア
(110)と摺動クラッチギア(111)とが噛合さ
れ、伝達軸(65b)の動力が後方のPTO軸(65)
に伝達されるようになっている。なお、筒体(65c)
後部にはギア式クラッチの摺動クラッチギア(113)
が摺動自在にスプライン嵌合され、圧縮バネ(114)
によってPTO軸(65)の前部に固設するクラッチギ
ア(115)に噛合する方向に付勢されており、PTO
軸(65)に動力を伝達する安全クラッチ(116)が
形成されている。この安全クラッチ(116)は植付部
(9)側の動力伝達機構に負荷がかかった場合に、ミッ
ションケース(6)側で動力伝達を離脱するようになっ
ており、植付部(9)の構成がシンプルになるようにし
ている。
【0048】入力軸(56)には走行用ギア(117)
と後進用ギア(120)が固設され、副変速軸(63)
には走行用の第1変速ギア(118)と第2変速ギア
(119)が固設されている。また、PTO軸(65)
への動力は、図18で示すように、入力軸(56)の動
力が株間変速される変速機構を介して伝達されており、
従来の植付ミッションケースが廃止されている。すなわ
ち、入力軸(56)の端部にはミッションケース(6)
側面より側方に突出して株間変速を行う第1減速ギア
(121)が固設されるとともに、PTO入力軸(6
4)の端部にもミッションケース(6)の側面より側方
に突出して株間変速を行う第2減速ギア(122)が固
設され、第2減速ギア(122)と第1減速ギア(12
1)とを噛合させることで株間変速が行われ、PTO軸
(65)への動力を伝達している。また、この株間変速
を行う第1減速ギア(121)と第2減速ギア(12
2)の側面は着脱自在にカバー(123)で被装され、
カバー(123)を外すことで容易に第1減速ギア(1
21)と第2減速ギア(122)を組み替えることがで
き、仕様に合わせた株間変速が行えるようになってい
る。このようにミッションケース内に植付部(9)の変
速機構を配置すると、植付部(9)の構成をよりシンプ
ルな構成にすることができる。
【0049】また、図18で示すように、入力軸(5
6)の前下方に配置した主変速軸(61)には軸芯方向
に摺動される走行変速ギア(124)がスプライン嵌合
されており、走行変速ギア(124)は大径ギア(12
5)と小径ギア(126)とを横方向に一体的に固設す
るギアで構成されるとともに、主変速レバー(75)の
操作に連動して左右方向に摺動するフォークに嵌合され
ている。主変速軸(61)のミッションケース前後方向
左側にはスプロケットとギアが一体となった動力分岐ギ
ア(127)が固設されており、この動力分岐ギア(1
27)のギアには左右の前車輪駆動軸(62)を駆動す
るデフ機構(128)のリングギアが噛合され、動力分
岐ギア(127)を用いて動力を2方向に分岐してい
る。
【0050】デフ機構(128)の側部にはデフロック
機構(129)が配置されており、主変速レバー(7
5)を中立位置より前方に回動させると、走行変速ギア
(124)がミッションケース前後方向左側に摺動さ
れ、小径ギア(126)と副変速軸(63)上の第2変
速ギア(119)とが噛合されて主変速軸(61)を高
速回転させることにより、各車輪(2)(3)を高速で
回動させる通常走行が行われる。また、主変速レバー
(75)を中立位置より1段階後方に回動すると、走行
変速ギア(124)がミッションケース前後方向右側に
摺動されて、大径ギア(125)と副変速軸(63)上
の第1変速ギア(118)とが噛合され、主変速軸(6
1)が低速回転されて各車輪(2)(3)を作業速度で
駆動するとともに、前進側に2段階の変速が行われる。
【0051】また、主変速レバー(75)を後方に回動
すると、走行変速ギア(124)がミッションケース前
後方向右側に更に摺動され、入力軸(56)上の後進用
ギア(120)が図示しない主変速軸(61)上のギア
と噛合され、主変速軸(61)が逆転回動されて、各車
輪(2)(3)を後進回動させている。このように、入
力軸(56)を後進変速用のギアを有するカウンター軸
として使用し、ミッションケース内の変速機構をPTO
側への入力軸であるPTOカウンター軸を省いたシンプ
ルな変速機構に構成しても、通常走行、作業走行、後進
走行といった必要最小限の走行変速を行うことができる
ようになっている。
【0052】また、このような変速機構を有するミッシ
ョンケース(6)において、図16、図17で示すよう
に、油圧式昇降シリンダー(15)からの戻り油管(1
57)がミッションケース(6)の後部側ほぼ中央に設
けられるとともに、ミッションケース(6)内の油を吸
引するためのサクション(156)がミッションケース
(6)前部の変速室(60)下部に設けられている。こ
のように、戻り油管(157)がサクション(156)
から離れて配設され、更にはサクション(156)と戻
り油管(157)とがチェーン(70)を挟んで対向す
るように配設されていると、戻り油管(157)からミ
ッションケース(6)内に戻される高温の油をチェーン
(70)の駆動によって後下方へ送って撹拌することが
できるようになり、ミッションケース(6)内を対流す
る間に十分に冷却することができるようになる。したが
って、高温の油が前方のサクション(156)側へすぐ
に移動することを防止でき、ミッションケース(6)内
の油の温度をほぼ均一にすることができる。
【0053】また、ミッションケース(6)の前部下端
部より内方側、即ち変速室(60)の下部でサクション
(156)の前方には左右のブレーキロッド(131)
を作動させるブレーキシャフト(132)を通す貫通孔
(133)が穿設されており、ミッションケース(6)
でブレーキ機構を支持するようになっている。したがっ
て、別途支持部材を設ける必要がなく、その部分のスペ
ースをコンパクトに設計できる。ブレーキ機構にはブレ
ーキペダルが1本である1ブレーキ機構とブレーキペダ
ルが2本である2ブレーキ機構があり、1ブレーキ機構
の場合は、図24、図25で示すように、ブレーキペダ
ル(73)を踏み込み操作すると、それに連動してブレ
ーキシャフト(132)が回動し、ブレーキシャフト
(132)に連動連結されているブレーキロッド(13
1)が両方同時に作動して、ブレーキロッド(131)
後端部に連動連結されているアーム(108)が両方同
時に回動し、摺動ギア(102)が左右両側に摺動して
動力伝達が離脱されると同時に、両方のブレーキ機構
(130)が作動して左右両後車輪駆動軸(69)が制
動され、走行車両(1)を停止させるようになってい
る。
【0054】また、2ブレーキ機構の場合には、図2
2、図23で示すように、左右に分かれたブレーキペダ
ル(73a)(73b)のどちらか一方を踏み込み操作
すると、それに連動して2重の筒体で構成されたブレー
キシャフト(132)のどちらか一方の筒体が回動する
ようになっており、それぞれの筒体に連動連結された左
右のブレーキロッド(131)が別々に作動するように
なって、左右別々にブレーキ機構(130)が作動する
ようになっており、1ブレーキ機構のように両方同時に
ブレーキをかけたいときには、左右のブレーキペダル
(73)を連結する連結具(135)を用いるようにな
っている。
【0055】エンジン(5)の後方で、かつミッション
ケース(6)の前方には操向ハンドル(8)のステアリ
ングシャフト(81)が配置されており、このステアリ
ングシャフト(81)は直状に形成されている。そし
て、ステアリングシャフト(81)の下端に配設されて
いるステアリング駆動部(80)がエンジン(5)の下
方に位置するように配設され、側面視及び平面視におい
てエンジン(5)とオーバーラップしている。また、こ
のステアリング駆動部(80)は、図25の側面視で示
すように、車体フレーム(4)に取り付けられた前高後
低型のミッションケース(6)の前部側最下面(6c)
と後部側最下面(6d)を結ぶ接線(T)より上方側
で、かつ機体前方側近傍に配置され、特にそのステアリ
ング駆動部(80)の取付角度と前記ミッションケース
(6)の最下面における接線(T)の角度とがほぼ同一
の角度か、それ以上になるように配置されている。そし
て更に、図25の側面視で示すように、直状のステアリ
ングシャフト(81)の傾斜角度と同角度に、即ちステ
アリングシャフト(81)と略平行になるようにミッシ
ョンケース(6)の前上面(6e)が傾斜形成されてお
り、ミッションケース(6)とステアリングシャフト
(81)とが互いに干渉するのを回避できるようになっ
ている。
【0056】このようにエンジン(5)とミッションケ
ース(6)が前後に並んで配置され、その間に直状のス
テアリングシャフト(81)が配設可能に構成されてい
ると、従来のようなステアリングギアケース等のジョイ
ント部を設ける必要がなくなり、部品点数を削減するこ
とができる。したがって、ミッションケース(6)の簡
素化や省スペース化が実現でき、その部分におけるスペ
ースの有効利用を図ることができる。また、ステアリン
グ駆動部(80)が平面視でエンジン(5)とオーバー
ラップしていると、従来に比べて機体全長を短くするこ
とができ、かつ、エンジン(5)下方の空間部を有効利
用できるので、ステアリング駆動部(80)の設計の自
由度を向上させることができる。そして更に、エンジン
(5)を車体フレーム(4)よりも下方に突出させて配
置しているので、ステアリング駆動部(80)も下方側
に配設されることになり、低重心で作業性のよい転倒角
の優れた田植機を実現することができる。また、圃場な
どに出入りする際、特に後進時においてはミッションケ
ース(6)の膨出した前下部が泥除けになって、ステア
リング駆動部(80)に泥が付着するのを極力防止する
ことができる。
【0057】また、図21、図24で示すように、ステ
アリング駆動部(80)のステアリングギア(82)
は、操向ハンドル(8)のステアリングシャフト(8
1)の下端部に設けられているギア(83)と噛合して
おり、操向ハンドル(8)の回動操作によって回動軸
(84)を中心に回動し、ステアリングギア(82)の
前部両側に連結されている左右一対のステアリングロッ
ド(85)を作動させて前輪(2)の向きを変えるよう
に構成されている。なお、ステアリングギア(82)の
ほぼ中央には操作軸(86)が挿通される左右方向に長
い開孔部(82a)が穿設されており、ステアリングギ
ア(82)の回動範囲をその操作軸(86)で規制する
ようにしている。そして、前述の1ブレーキ機構の場合
には、ブレーキロッド(131)から前方に向かって更
に延設された左右のサブブレーキロッド(134)の前
端部が、このステアリングギア(82)に長孔(134
a)とブレーキアーム(87)を介して連動連結され、
操向ハンドル(8)の回動操作によって左右どちらか一
方のブレーキがかかるように構成されている。
【0058】すなわち、図24、図25で示すように、
ステアリングギア(82)の下部に操作軸(86)に枢
支されたブレーキアーム(87)を設けるとともに、ブ
レーキアーム(87)の左右両端部に突設されたピン
(88)をサブブレーキロッド(134)先端の長孔
(134a)に挿通して取り付け、ステアリングギア
(82)の開孔部(82a)後方の下面に突設された係
合部(89)をステアリングギア(82)の回動によっ
てブレーキアーム(87)に当接させて、そのブレーキ
アーム(87)を回動させるとともに、その回動範囲に
よっては長孔(134a)に挿通されているピン(8
8)を介して左右どちらかのサブブレーキロッド(13
4a)、つまりブレーキロッド(131)を作動させ、
ブレーキロッド(131)に連動連結されているアーム
(108)を介して、左右どちらか一方の摺動ギア(1
02)への動力の伝達を離脱して後車輪駆動軸(69)
を制動するようになっている。このように、操向ハンド
ル(8)の回動操作によって左右どちらかのブレーキが
かかるように構成されたり、2ブレーキ機構にしてそれ
ぞれのブレーキを独立してかけられるように構成されて
いるので、右旋回時又は左旋回時において旋回半径を小
さくする急旋回が可能となっている。
【0059】燃料タンク(136)はボンネット(2
2)の上部開口から露出するエンジン(5)の上部に固
設されたステー(137)に支持されて取り付けられて
おり、図21、図26、図27で示すように、ステー
(137)のタンク支持部(137a)をボンネット
(22)よりも上方に位置するように突設し、そのタン
ク支持部(137a)の先端を燃料タンク(136)の
側部に形成された取付部(136a)にボルトなどの固
定手段によって取り付けて固定している。このような構
成にすれば、ステーなどの燃料タンクの支持部材を簡素
化でき、部品点数の削減を図れるとともに、燃料タンク
(136)を側部で支持するため、安定させて固定する
ことができる。また、燃料タンク(136)の取り外し
も容易に行えるので、メンテナンス性にも優れ、ボンネ
ット(22)から露出しているエンジン(5)の上部に
燃料タンク(136)が配設されるので、ボンネット
(22)から露出する部分を最小にすることができ、外
観が損なわれることもない。
【0060】また、燃料タンク(136)上面の給油口
(138)近傍には、燃料こぼれ防止用の壁部(13
9)がステアリングシャフト(81)側を除いて略U字
型の環状に一体的に突設されており、その燃料タンク
(136)の後部がステアリングシャフト(81)に一
部オーバーラップするように係合されて、燃料タンク
(136)の位置決めがされるようになっている。そし
て、ステアリングシャフト(81)と燃料タンク(13
6)の後部及びステアリングシャフト(81)とボンネ
ット(22)の後部には僅少な間隙が設けられており、
燃料が給油口(138)からこぼれた場合には、ステア
リングシャフト(81)部分に流出させるとともに、そ
のステアリングシャフト(81)を伝わって機体底部ま
で燃料が落下して排出されるように構成されている。し
たがって、比較的高温なエンジン(5)のマフラー(5
b)部分に燃料がかかったり、ステップ上に燃料が流れ
出るようなおそれはなく、このような簡単な構造で流出
経路を確保することにより、安全性を高めることができ
るようになっている。
【0061】機体進行方向に向かって左側に配設される
主クラッチペダル(74)の近傍には苗継ぎレバー(7
6)が設けられ、主クラッチペダル(74)や苗継ぎレ
バー(76)の操作により、エンジン(5)からミッシ
ョンケース(6)内へ動力を伝達するベルト(54)の
テンションを「切」状態にできるように構成されてい
る。そして、それらの操作系において、一方の操作具を
操作しても、他方の操作具には影響を与えないように、
融通機構が設けられている。この融通機構は、例えば図
19の側面視で示すように、苗継ぎレバー(76)の回
動支軸(141)に設けられたブラケット(142)に
枢支されている連動ロッド(140)に長孔(140
a)を穿設して構成するもので、ベルトテンションを
「入」・「切」するテンションアーム(57)に突設さ
れたピンなどの嵌入部材(143)をその長孔(140
a)に挿通して構成している。
【0062】したがって、苗継ぎレバー(76)を後方
に向けて図19の矢印方向に回動操作すると、連動ロッ
ド(140)が下方に向かって移動し、長孔(140
a)に挿通された嵌入部材(143)を介してテンショ
ンアーム(57)を下方に回動して、テンションアーム
(57)に取り付けられているテンションローラー(5
8)をベルト(54)から離し、ベルトテンションを
「切」状態にするようになっている。一方、主クラッチ
ペダル(74)を踏み込むと、図20で示すように、ペ
ダル支柱(74a)に固設されたL字型ブラケット(1
44)に取り付けられたピンなどの押圧部材(145)
が、テンションアーム(57)の回動軸(59)に固定
されたカム(146)を押してテンションアーム(5
7)を下方に回動させるようになっており、これによっ
てベルトテンションを「切」状態にするようになってい
る。このため、主クラッチペダル(74)を踏み込んで
もテンションアーム(57)の嵌入部材(143)が連
動ロッド(140)に穿設された長孔(140a)内を
移動するだけで苗継ぎレバー(76)には何の影響も与
えないし、苗継ぎレバー(76)を操作しても主クラッ
チペダル(74)に影響を与えないのは言うまでもな
い。
【0063】何れにしても、全動力を停止させる同一操
作となる手動操作具である苗継ぎレバー(76)と足動
操作具である主クラッチペダル(74)の2つを設けた
ので、機体に乗ったまま又は降りたままでもそれらの操
作が可能となり、また、手動操作具であるレバーと足動
操作具であるペダルなので、両者を識別して操作するこ
とが容易になって誤操作がない。そして更に、ベルトテ
ンションを「切」状態にする機構にはワイヤー等を使用
していないため、操作力が軽くて耐久性がよく、メンテ
ナンスも容易にできる。その他、苗継ぎレバー(76)
の「切」の位置にのみエンジン始動可能となる電気的な
スイッチが設けられており、主クラッチペダル(74)
を踏み込まなくてもリコイルスターター(153)を用
いてエンジン(5)を始動させることができるようにな
っている。
【0064】また、テンションアーム(57)には、図
19、図20で示すように、ミッションケース(6)側
の従動プーリー(55)の回転を停止させるブレーキ部
材(147)が固設されており、このブレーキ部材(1
47)は、テンションアーム(57)が下方に向かって
回動することによって従動プーリー(55)を押圧する
ように構成されている。ブレーキ部材(147)の押圧
部分は、バネ(148)などで従動プーリー(55)側
に向けて付勢されたゴムなどの弾性体(149)で構成
されており、押圧側より後退可能に構成されている。こ
のように、ブレーキ部材(147)の弾性体(149)
が従動プーリー(55)を押圧することによって回転を
停止させ、機体全体にブレーキがかかるように構成する
と、坂道でも走行車両(1)を停止させることができる
ようになって非常に安全になる。
【0065】なお、このブレーキ部材(147)は苗継
ぎレバー(76)を操作してベルトテンションを「切」
状態にしたときにのみ作用するもので、主クラッチペダ
ル(74)の踏み込み操作では非作用状態となるよう
に、それぞれの操作具を使用したときのテンションアー
ム(57)の回動範囲を考慮して設けられている。した
がって、高速時において主クラッチペダル(74)を踏
み込んでも急停止することがなく安全である。また、ブ
レーキ部材(147)の弾性体(149)はバネ(14
8)によって後退可能になっているため、苗継ぎレバー
(76)の操作でも急激に停止することがなく安全であ
る。また、弾性体(149)は摩耗したときのために交
換可能に構成されており、メンテナンスが容易にできる
ようになっている。そして更に、その弾性体(149)
を芯金に焼き付けすれば、耐久性を向上させることがで
きる。
【0066】次に各種操作レバー類の配置等について説
明をする。図26、図28乃至図30で示すように、各
種レバー類は機体中央に位置している操向ハンドル
(8)のステアリングコラム(150)、即ちステアリ
ングシャフト(81)の下部側左右両側方に略対称に配
設されており、機体前方に向かって平面視左側に走行操
作系レバー類が集中配置され、右側にエンジン操作系レ
バー類が集中配置されている。なお、植付操作系レバー
類は運転席(7)の右側方に集中配置されている。この
ように各機能を操作するレバー類がそれぞれの操作系に
おいて別々の箇所に集中配置されていると、各操作がわ
かりやすくなり、取り扱い性が向上して好ましいものと
なる。なお、図示のものは左に走行操作系、右にエンジ
ン操作系を配設してあるが、左右逆でも構わない。
【0067】更に具体的に説明すると、まず、走行操作
系レバー類を配設する部分には側面視略水平となるレバ
ーガイド部(150a)が形成されており、走行操作系
のレバーである主変速レバー(75)と苗継ぎレバー
(76)が前後方向への操作としてシフト移動可能に機
体幅方向に並べて配置されるとともに、主変速レバー
(75)が機体内方側に、苗継ぎレバー(76)が機体
外方側にそれぞれ配置されている。このように、主変速
レバー(75)と苗継ぎレバー(76)を配設するレバ
ーガイド部(150a)が側面視略水平になっている
と、レバーガイド部(150a)が傾斜起立しているも
のに比べて、同一ポジション位置、例えば主変速レバー
(75)の場合、中立位置におけるレバーガイド面と平
行なレバー断面積が小さくなり、したがって、各レバー
のポジション位置が明確にわかるようになる。そして、
使用頻度の高い主変速レバー(75)が運転席(7)に
近い方に配設されていると、容易に変速操作が行える利
点があるし、苗継ぎレバー(76)が外側に配設されて
いると、機体から降りて作業をする場合に操作がしやす
くなる利点がある。つまり、機体側方から苗継ぎレバー
(76)を用いて半クラッチによる速度調節やブレーキ
操作を行うことができるので、圃場への出入や輸送車へ
の積み下ろし等が容易にでき、また、機体から降りて植
付位置を見ながら苗継ぎレバー(76)を操作できるた
め、畦越え寸前まで植え付けを行うことができ、最後に
手植えを行う必要がなくなる。
【0068】一方、エンジン操作系レバー類を配設する
部分には運転席(7)側に向かう起立面(150b)が
形成され、機体内方側から順にキースイッチ(15
1)、チョーク(152)、リコイルスターター(15
3)の把持部(153a)が配設されて、その上方にア
クセルレバー(78)の把持部が配設されている。した
がって、主に運転席に座って行うそれらの操作が非常に
しやすく、しかも機体内方側から操作力の少ない順番で
配置されているため、各操作具の配置がわかりやすくな
って操作性がきわめて向上し、作業性が非常によくな
る。また、各操作具はエンジン(5)に近い位置に設け
られているので、各操作具からエンジン(5)までの内
部構造を簡略化することができる。
【0069】また、図31で示すように、苗継ぎレバー
(76)の操作位置は機体前方より「入」、「切」とな
っており、主変速レバー(75)の操作位置は機体前方
より「走行」、「中立」、「植付」、「後進」となって
おり、苗継ぎレバー(76)の「切」位置では機体内方
側へレバー(76)を移動させるようにレバーガイド
(76a)が略L字型に穿設され、主変速レバー(7
5)のレバーガイド(75a)も「植付」及び「後進」
位置でレバー(75)が機体内方側へスライド移動する
ように穿設されている。そして、苗継ぎレバー(76)
のレバーガイド(76a)の苗継ぎ(「切」)位置に
は、レバー(76)が機体前方に向かって極僅かに移動
可能なように係止部(76b)が設けられており、苗継
ぎレバー(76)を「切」位置、即ち全動力を停止させ
る苗継ぎ位置に移動させた際には、苗継ぎレバー(7
6)がバネの付勢力により前方に戻されて、その係止部
(76b)に係止されるようになっている。そして、更
にその「切」位置において、苗継ぎレバー(76)上端
の把持部(76c)が図26で示す平面視で操向ハンド
ル(8)のステアリング外径より内方側に来るようにな
っているため、苗継ぎ作業時や乗降時等に、オペレータ
ーが例えばサブステップ(23)上を通って移動しても
苗継ぎレバー(76)に引っかかるようなことはなく、
運転席(7)側より苗継ぎレバー(76)に不注意で接
触したとしても、係止部(76b)より外れることがな
いので安全性が高い。なお、この安全機構はレバーガイ
ド(76a)の形状を変えるだけなので実施が簡単であ
り、コストがかからない利点がある。
【0070】苗継ぎ時や植付時には、各レバー(75)
(76)を機体進行方向と反対の方向、つまり手前側に
引くように操作するようになっているため、オペレータ
ーが力を入れやすく、特に苗継ぎレバー(76)の場合
は苗継ぎ位置に入れやすくなって操作性が向上し、安全
性において非常に優れたものとなっている。そして、植
付作業中は主に主クラッチペダル(74)を踏んで主変
速レバー(75)を操作するので、苗継ぎレバー(7
6)と主変速レバー(75)が2本並べられてあって
も、苗継ぎレバー(76)は前方の「入」位置にあるた
め、主変速レバー(75)を使用頻度の高い「植付」又
は「後進」位置にしても邪魔にならず、また、苗継ぎレ
バー(76)を「切」位置にして主変速レバー(75)
を操作するときにも、「植付」や「後進」は機体内方側
のポジションになるので支障がない。つまり、図21で
示すように、主変速レバー(75)が「植付」又は「後
進」にあり、かつ、苗継ぎレバー(76)が「入」のと
き、側面視において、主変速レバー(75)と苗継ぎレ
バー(76)がオーバーラップしないように構成されて
いるので、植え付け作業中に主変速レバー(75)を操
作する際、苗継ぎレバー(76)が邪魔になるようなこ
とは一切ない。なお、主変速レバー(75)上端の把持
部(75b)も、図26で示すように、「植付」又は
「後進」位置のときに、平面視で操向ハンドル(8)の
ステアリング外径より内方側に来るようになっているの
で、前述と同様に引っかかるおそれはなく、安全であ
る。
【0071】また、運転席(7)の側方に配置した植付
操作系の植付昇降レバー(77)をレバーガイド(77
a)の前端位置にシフトしたとき、そのレバーガイド
(77a)近傍において植付昇降レバー(77)を屈曲
形成すると、図14で示すように、植付昇降レバー(7
7)をレバーガイド(77a)の後端位置にシフトさせ
たときに、直状のレバーよりも更に後方にレバー(7
7)の支点軸(77b)近傍を傾倒させることができ
る。すなわち、レバーガイド(77a)の位置に対し
て、植付昇降レバー(77)が前端側にシフトされてい
るときには、植付昇降レバー(77)の屈曲部分がレバ
ーガイド(77a)より上面にあり、後端側にシフトさ
れているときには、植付昇降レバー(77)の屈曲部分
がレバーガイド(77a)より下面にあるようにする
と、植付昇降レバー(77)のストロークに対してレバ
ーの回動範囲を広くとることができるようになり、した
がって、小さなレバーガイド(77a)で済むようにな
るため、レバーガイド(77a)のコンパクト設計が可
能となる。なお、植付昇降レバー(77)だけではな
く、苗継ぎレバー(76)なども同様である。
【0072】最後に昇降自在な植付部(9)について説
明をする。まず、植付部(9)を一定の高さに保持する
均平用のセンターフロート(97)とサイドフロート
(98)(99)との支持構成について説明すると、図
1で示すように、植付部(9)の動力伝達部である植付
伝動フレーム(92)の下部に支点軸(161)が左右
のサイドフロート(98)(99)の幅に合わせて横設
されるとともに、支点軸(161)の適所位置より後下
方の各フロートの後部に向けて支持アーム(162)が
突設され、各フロートの後部上に枢支されている。ま
た、支点軸(161)より前方に操作アーム(163)
が突出され、操作アーム(163)の後端部より上方に
向かって植深さ設定レバー(79)が設けられている。
このため、オペレーターが植深さ設定レバー(79)を
操作しやすく、容易に調整することができるようになっ
ている。
【0073】そして、この植深さ設定レバー(79)を
操作すると、支持アーム(162)の後端が支点軸(1
61)を中心に上下動し、各フロートと支点軸(16
1)との上下間隔が調整されて、植付部(9)の高さが
上下動され、植付爪(93)によって切り取った苗を一
定の深さに植え付けることができるようになっている。
また、植深さ設定レバー(79)と略左右対称の位置に
は植付本数調節レバーが配設されており、植深さ設定レ
バー(79)や植付本数調節レバーの中途部には上部支
持フレーム(190)に固設されるレバーガイドが設け
られ、各レバーがそのレバーガイド内を貫通するととも
に、レバーガイドに形設されているラッチに係合される
ようになっている。
【0074】図32で示す植付部は4条植用であるた
め、植付爪(93)が4本設けられており、植付爪(9
3)に駆動力を伝達する伝動パイプ(164)(16
5)が左右に1本ずつ配設されている。そして、その伝
動パイプ(164)(165)の前部が連結パイプ(1
66)で連結され、平面視門型の植付伝動フレーム(9
2)が一体的に形成されるとともに、門型の開放側が後
方に向けられて、左右の開放側端部の左右両側に植付爪
(93)が配置されている。なお、この伝動パイプ(1
64)(165)と連結パイプ(166)の内部には伝
動軸が軸支されている。このように植付伝動フレーム
(92)が構成されていると、製造コストが低くて済
み、剛性が高いわりには軽量化されるので植付部(9)
全体の重量を低減することができ、昇降リンク機構(1
0)や車体フレーム(4)への負担を低減することがで
きる。
【0075】また、植付伝動フレーム(92)の伝動パ
イプ(164)(165)と連結パイプ(166)は棒
状のパイプ型で形成されており、伝動パイプ(164)
(165)と連結パイプ(166)は平面視T字型形状
のT型パイプ(167)(168)によって連結されて
おり、T型パイプ(167)(168)は横パイプ(1
67a)(168a)と縦パイプ(167b)(168
b)とで形成されている。伝動パイプ(164)(16
5)の後端部にはT型パイプ(169)(170)が連
結され、前部に配置したT型パイプの内で一方の側(図
示のものは右側)のT型パイプ(167)には横パイプ
(167a)が前後方向に配置され、横パイプ(167
a)内に伝動パイプ(164)前部が挿入されるととも
に、縦パイプ(167b)内に連結パイプ(166)の
一方の側が挿入されている。前部に配置されたT型パイ
プの内で他方の側(図示のものは左側)のT型パイプ
(168)は連結パイプ(166)の軸心に横パイプ
(168b)の軸心が一致しており、その横パイプ(1
68b)内に連結パイプ(166)が挿入されるととも
に、縦パイプ(168a)内に伝動パイプ(165)前
部が挿入されている。また、後部に配置したT型パイプ
(169)(170)は、横パイプ(169b)(17
0b)の軸芯が左右方向に配置され、横パイプ(169
b)(170b)の両側に配置するクランク機構(17
1)に動力を伝達するようになっている。
【0076】また、植付伝動フレーム(92)には駆動
ケース(172)やクランク機構(171)、上部支持
フレーム(190)を支持する支持部が固設されてお
り、伝動パイプ(164)(165)の後部に配置した
T型パイプ(169)(170)の後部には、後上方向
きにクランク支持アーム(173)が突設され、左側伝
動パイプ(165)の前部に配置するT型パイプ(16
8)の前部には、前上方向きにケース支持アーム(17
4)が突設されるとともに、連結パイプ(166)の右
側前部より前上方向きに横軸支持アーム(175)がケ
ース支持アーム(174)と平行に突設され、更に連結
パイプ(166)の左右中央部より前方にローリング支
点軸(176)を嵌合する筒体(177)が固設されて
いる。また、植付伝動フレーム(92)の前部、即ち前
側に配置したT型パイプ(167)(168)の前部
に、上部支持フレーム(190)が固設されるブラケッ
ト(178)(179)が固設されている。したがっ
て、パイプ体を連結したシンプルな構成であるとともに
空間に余裕のある植付伝動フレーム(92)に、クラン
ク機構(171)、駆動ケース(172)、横送り軸
(180)の支持部が強固に固設され、振動や衝撃に強
くて耐久性のある支持部が構成できる。
【0077】クランク支持アーム(173)の後部に
は、図32、図33で示すように枢支部(181)が形
成されており、枢支部(181)にはクランク機構(1
71)のアーム基部を枢支するピン(182)が固設さ
れている。また、左右の枢支部(181)の間は平面視
門型の補強体(183)によって補強され、クランク機
構(171)を強固に枢支することができるようになっ
ている。なお、クランク支持アーム(173)の後部を
2方向に分岐し、平面視略Y字型形状に形成して枢支部
(181)を構成してもよい。また、筒体(177)は
重心が安定するように、植付伝動フレーム(92)の左
右中央位置に固設され、側面視U字型の固定部材の開放
面内に連結パイプ(166)の中央部分が嵌合され、固
定部材の開放側端部が前上方に向けて固定されて、固定
部材の上部に前後方向に軸心を有する筒体(177)が
固設され、筒体(177)前部下部と固定部材下部との
間に補強体が固設されて、連結パイプ(166)の左右
中央部上部に筒体(177)が強固に固設されている。
したがって、ローリング支点軸(176)が強固に固設
され、植付部(9)が安定して苗の植え付け精度を向上
させることができる。
【0078】植付伝動フレーム(92)の各支持部に
は、図32で示すように、駆動ケース(172)等が固
定されており、クランク支持アーム(173)の後端部
の左右両側には、各々クランク機構(171)のリンク
基部が枢支され、伝動パイプ(164)(165)後部
のT型パイプ(169)(170)に軸支する駆動軸
(184)の両端部にクランク機構(171)を構成す
る他のリンクが固設され、植付爪(93)をクランク運
動させている。また、植付伝動フレーム(92)前部
に、パイプ体を門型に屈曲して構成した上部支持フレー
ム(190)が配置され、上部支持フレーム(190)
の左右の開放側端部がそれぞれブラケット(178)
(179)に取り付けられている。上部支持フレーム
(190)は、後述する横送り軸(180)の前方を通
過して上方に延出し、上部支持フレーム(190)の上
部を用いて前述したガイドレール(96)が支持され、
植付伝動フレーム(92)と上部支持フレーム(19
0)とが一体的に連結されて、植付部(9)を支持する
剛性の高いフレームを構成している。
【0079】また、ケース支持アーム(174)の外側
面には駆動ケース(172)が固設され、ケース支持ア
ーム(174)前部と横軸支持アーム(175)前部に
横送り軸(180)が軸支されて、横送り軸(180)
の左端部が駆動ケース(172)内に挿入されている。
横送り軸(180)は連結パイプ(166)と平行状に
配置され、側面視において、横送り軸(180)がロー
リング支点軸(176)の上方に配置されており、横送
り軸(180)の支持構成がシンプルになって、効率の
よい配置構成となっている。また、植付伝動フレーム
(92)の内部には、図示するように、伝動軸が軸支さ
れており、右側の伝動パイプ(164)には入力軸(1
85)が軸支され、左側の伝動パイプ(165)には伝
動軸(186)が軸支されている。そして、連結パイプ
(166)には伝動軸(187)が軸支され、左右の伝
動パイプ(164)(165)後部のT型パイプ(16
9)(170)には駆動軸(184)が軸支されてい
る。
【0080】入力軸(185)は、前右側のT型パイプ
(167)の横パイプ(167b)より前方に突出し、
ユニバーサルジョイント部(159)を介してPTO伝
動軸(158)の一端が連結され、前述したPTO軸
(65)の動力がPTO伝動軸(158)及びユニバー
サルジョイント部(159)を介して伝達される。した
がって、構造が簡略であり、部品点数の削減、コストダ
ウンになっている。なお、このとき、ミッションケース
(6)の上面には図1、図16で示すように、PTO伝
動軸(158)を支持する支持部材(160)が設けら
れており、PTO伝動軸(158)の両端が同一のミッ
ションケース(6)に支持されることになって、同心精
度が容易に高められるようになっている。
【0081】入力軸(185)の後端部にはベベルギア
(185a)が固設され、駆動軸(184)の中途部に
固設するベベルギア(184a)に噛合されて駆動軸
(184)を駆動している。また、入力軸(185)の
前部側にはベベルギア(185b)が固設され、連結パ
イプ(166)の伝動軸(187)の端部に固設するベ
ベルギア(187a)に噛合されて伝動軸(187)に
動力を伝達している。伝動軸(187)の左側にはベベ
ルギア(187b)が固設され、左側の伝動パイプ(1
65)内の伝動軸(186)の前部に固設するベベルギ
ア(186a)に噛合されて伝動軸(186)に伝動さ
れ、伝動軸(186)の後端部に固設するベベルギア
(186b)及びベベルギア(184a)を介して駆動
軸(184)が駆動され、伝動パイプ(164)(16
5)の後部側方に配置するクランク機構(171)を駆
動して植付爪(93)を図1で示す軌跡を描くように回
転せしめて、苗の植え付けを行うようになっている。し
たがって、動力損失のない、効率のよいシンプルな動力
伝達機構が実現できている。
【0082】また、植付伝動フレーム(92)内に配置
する伝動軸の組み付け、取り外し機構について説明する
と、伝動パイプ(164)内の入力軸(185)と後部
に配置したT型パイプ(169)内の駆動軸(184)
は、軸受けを外すことにより挿脱される。また、連結パ
イプ(166)内の伝動軸(187)は駆動ケース(1
72)を取り外すことで挿脱される。左側の伝動パイプ
(165)内の伝動軸(186)は、伝動パイプ(16
5)後部のT型パイプ(170)内の駆動軸(184)
を取り外し、連結パイプ(166)内の伝動軸(18
7)が取り外された状態で、伝動軸(187)に固設し
たベベルギア(187b)がT型パイプ(168)より
取り出され、前方に固設したT型パイプ(168)の前
面に開口された抜脱孔より、伝動軸(186)が抜脱さ
れる。
【0083】次に、横送り軸(180)等の苗載台駆動
機構への動力伝達について説明すると、連結パイプ(1
66)内の伝動軸(187)の左端部はT型パイプ(1
68)より側方に突出され、駆動ケース(172)内に
挿入されて、端部にギア(188)が固設されている。
駆動ケース(172)に挿入された横送り軸(180)
の左端部にもギア(189)が固設され、ギア(18
8)とギア(189)が噛み合うことにより、横送り軸
(180)に動力を伝達する苗載台駆動機構が構成され
ている。また、横送り軸(180)には滑り子摺動用の
溝(180a)が形設されており、横送り軸(180)
の外周面上に滑り子受け(191)が遊嵌され、滑り子
受け(191)内に付設されている滑り子(192)が
溝(180a)に嵌入されて、横送り軸(180)の回
動に伴われて溝(180a)内を摺動し、滑り子受け
(191)が横送り軸(180)上を左右に往復動す
る。滑り子受け(191)後部には図示しない連結部を
介して苗載台(91)が連結され、横送り軸(180)
の回動によって苗載台(91)が精確に左右往復動され
る。
【0084】また、図33の側面視で示すように、横送
り軸(180)の右側端部で入力軸(185)の上方位
置には縦送りカム(193)が突設され、従来の縦送り
カム(193)駆動用の縦送り軸をなくし、横送り軸
(180)が縦送り軸として兼用されるようになってい
る。したがって、部品点数が削減され、コストダウンと
なっている。縦送りカム(193)は苗載台(91)の
下部に設けられている従動カムと当接可能に配設され、
縦送りローラー(194)を間欠的に駆動するように構
成されている。従動カムは左右に2本突設されており、
従動カムの間隔は横送りによる移動距離と等しく構成さ
れ、苗載台(91)の横送り往復動の終端位置におい
て、縦送りカム(193)と一方の従動カムとが当接さ
れ、縦送りベルト(195)が駆動して苗マットが精確
に縦送りされる。
【0085】以上、何れにしても本発明の田植機は、車
輪等の支持構造やミッションケース内における動力伝達
構成等がシンプルであり、走行車両全体の構成も簡略化
されているので、組立作業も容易であり、剛性を損なう
ことなく軽量化・小型化されているので、全体としてコ
ストがかからず、安価に製造することができる。そし
て、メインステップと補助ステップを有する車体カバー
を一体成形したので、全体の部品点数を減少させること
ができ、コストダウンが図れる。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、メインステップと補助
ステップを有する車体カバーを一体成形したので、製造
や組立が容易になり、部品点数が削減されてコストダウ
ンが図れる。また、メインステップの前部で左右のペダ
ル用開口部には縁部が設けられていないので、メインス
テップのペダル下部分に溜まる泥や水などをその開口部
から抜くことができるので、ペダル踏み込み時の滑りや
誤操作等を防止して、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型乗用田植機の概略側面図
【図2】走行車両の概略平面図
【図3】車体フレームの概略平面図
【図4】車体フレームの概略側面図
【図5】後部カバーの平面図
【図6】前部カバーの平面図
【図7】車体フレームの一部拡大平面図
【図8】前部カバーの一部拡大側面図
【図9】固定部の別実施例を示す概略平面図
【図10】滑り止め部材の概略断面図
【図11】滑り止め部材の概略平面図
【図12】走行車両の概略側面図
【図13】後部カバーとミッションケースの嵌合部分の
概略側面図
【図14】昇降シリンダー部分の概略側面図
【図15】昇降シリンダー部分の概略平面図
【図16】ミッションケース内の機構を示す概略側面図
【図17】ミッションケース内の後部の機構を示す概略
平面図
【図18】ミッションケース内の前部の機構を示す概略
平面図
【図19】エンジンからミッションケースへ動力を伝達
する機構を示す概略側面図
【図20】エンジンからミッションケースへ動力を伝達
する機構を示す概略平面図
【図21】走行車両前部の様子を示す概略側面図
【図22】2ブレーキ機構の様子を示す概略平面図
【図23】2ブレーキ機構の様子を示す概略側面図
【図24】1ブレーキ機構の様子を示す概略平面図
【図25】1ブレーキ機構の様子を示す概略側面図
【図26】ボンネット上部の様子を示す概略平面図
【図27】燃料タンクの様子を示す概略平面図
【図28】ステアリングコラムの様子を示す概略斜視図
【図29】ステアリングコラムの様子を示す概略右側面
【図30】ステアリングコラムの様子を示す概略左側面
【図31】走行操作系レバーのレバーガイドを示す説明
【図32】植付伝動フレーム内の機構を示す概略平面図
【図33】植付伝動フレームの概略右側面図
【符号の説明】
2 前輪 3 後輪 4 車体フレーム 7 運転席 8 操向ハンドル 20 車体カバー 21 前部カバー 22 ボンネット 23 サブステップ 30 後部カバー 31 設置部 32 メインステップ 32a 凹部 33 補助ステップ 33a 壁面 33b 側面 33c 側面 33e 開孔部 36 ステー 37 フロントアクスルケース 37a 連結部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体前部に動力部を配設し、機体後部に
    植付部を昇降自在に配設した乗用田植機において、メイ
    ンステップと補助ステップを有する車体カバーを一体成
    形すると共に、前記メインステップの前部で左右のペダ
    ル用開口部には縁部が設けられていないことを特徴とす
    る乗用田植機。
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