JP3573711B2 - 植付フレームの支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機に関するもので、詳しくは、田植機本体と植付フレームとの連結部分におけるヒッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、田植機の走行部本体の後部には昇降リンク機構を介して植付部が装着されており、この装着部は昇降リンク機構の後端にヒッチを設け、該ヒッチに植付フレームを連結させるために、植付部に軸を有したヒッチ台を組み、軸にベアリングやスペーサを組込み、ヒッチと嵌合させて、ローリング可能に構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の乗用型田植機においては、植付部に組込んだ軸が片持ち支持で、強度を確保するために構成が大きくなり、またベアリングを使用しているため部品点数が多くなり、構成も複雑でコストを高くしていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
田植機Aの走行車両に装着された昇降リンク機構10の後端のヒッチ94に植付部9をローリング自在に連結する構成において、植付伝動フレーム92を構成する連結パイプ166の左右方向で中央に連結部材260を固定し、該連結部材260は連結パイプ166より前方へ延出され、該連結部材260の前方部分にはヒッチ94の下部に嵌合されるブラケット260aを形成し、該ブラケット260aの前後の壁にはパイプ260bが前後方向に挿入固定され、前記昇降リンク機構10の後端のヒッチ94の下部には、下方向に開放する側面視略門型状のヒッチ側ブラケット94aを形成し、該ヒッチ側ブラケット94aは前記ブラケット260aを嵌合できる大きさとし、該ヒッチ側ブラケット94aの前後の壁には前記パイプ260bの位置に合わせて接合孔94b・94bを穿設し、該ヒッチ側ブラケット94aとブラケット260aを貫通してローリング支点軸176を挿入したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。
図1は、本発明にかかる乗用田植機Aの全体を示す概略側面図、図2は同じく平面図である。
乗用田植機Aは走行車両1と、走行車両1の後部に連結した植付部9とで構成されており、図1で示すように、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2と後輪3が懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されている。該エンジン5後方の車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部に前輪2が支持され、後部に後輪3が支持されている。エンジン5を覆うボンネット22の両側には予備苗載台90が配設され、オペレーターが搭乗する車体カバー20によってミッションケース6等が覆われている。前記車体カバー20の後上部に運転席7が設けられ、車体カバー20の前部のボンネット22の後方に操向ハンドル8が配設されている。
【0006】
植付部9は4条植えとした苗載台91や複数の植付爪93等から構成されており、前高後低に配設した苗載台91を下部レール95及びガイドレール96を介して植付伝動フレーム92に左右往復摺動自在に支持させるとともに、クランク機構によってクランク運動する植付爪93を植付伝動フレーム92の後部に配設している。
したがって、前輪2及び後輪3を走行駆動して移動させるとともに、左右に往復摺動可能な苗載台91から1株分の苗を植付爪93によって取り出し、連続的に苗植え作業が行えるようになっている。
【0007】
植付伝動フレーム92の前部にはローリング支点軸176を介してヒッチ94が設けられ、そのヒッチ94は、ヒッチ94の上部左右両側に枢支されているトップリンク11と、ヒッチ94の下部左右両側に枢支されているロワーリンク12とを含む昇降リンク機構10を介して走行車両1の後部に連結されている。
前記ロワーリンク12の前端部内側面にはリフトアーム13の基部が固設されており、このリフトアーム13をロワーリンク12の配設方向に対して略直交する上方向に突設している。昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降シリンダー15がこのロワーリンク12に連結したリフトアーム13に連結している。
【0008】
また、前記リフトアーム13の上端部とロワーリンク12の後端部との間には補強リンク14が連結されており、ロワーリンク12の剛性を高めるようにしている。前記トップリンク11及びロワーリンク12の前端部は、後述する後部連結フレーム43・44間に横設された枢支ピンを介して枢支されており、この後部連結フレーム43・44が昇降リンク機構10の支持部として兼用されて、植付部9の安定した昇降、部品点数の削減、構成のシンプル化が図られている。
この昇降リンク機構10によって植付部9を昇降させる平行リンクが形成されており、圃場の凹凸に合わせて昇降させても、植付けられた苗の植付け姿勢が変わらないようにしている。
【0009】
また、運転席7等が設置される車体カバー20には主変速レバー75、苗継ぎレバー76、植付昇降レバー77、主クラッチペダル74、ブレーキペダル73等が配設され、植付部9の下部には植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97とサイドフロート98・99が配設されている。前記センターフロート97は走行車両1の左右中心線上に配置され、センターフロート97の左右対称位置にサイドフロート98・99が配設されて、植付部9の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を安定させて、正確に植え付けができるようにしている。
【0010】
次に、各部の構成を詳述する。まず、予備苗載台の取付構成から説明する。
図3は予備苗載台を機体の内側に向けて取り付けた際の全体平面図、図4は進行方向右側の予備苗載台を機体の内側に向くように取り付けた際の小型乗用田植機の全体斜視図、図5は車体フレームとミッションケースの概略側面図、図6は同じく平面図、図76は機体の内側に向きに取り付け可能とした予備苗載台の正面図である。
【0011】
車体フレーム4はパイプ体で構成され、図6、図10の平面視で示すように、両側が機体後方に向かって屈曲形成されて、拡開した略U字状をなすフロントフレーム40と、ミッションケース6が配置されたときに、ミッションケース6の前端部付近より後方はミッションケース6と平行で、ミッションケース6の前端部付近から前方は略ハ字状に拡開するように形成されている左右一対のサイドフレーム41・42とから構成されている。
そして、サイドフレーム41・42のハ字状に拡開した前端部がフロントフレーム40の開放側後部に連結され、さらに、図5に示すように、サイドフレーム41・42の後部が上方に向かって屈曲形成されている。
【0012】
前記フロントフレーム40の両側端部とサイドフレーム41・42の前端外側との間には、平面視L字状に曲げられたステー29が固設され、該ステー29の外側に角パイプ状の保持部28が固定され、該保持部28に予備苗載台90の支柱90aが嵌入して固定されている。該予備苗載台90は後述するように保持部28から支柱90aを外すことにより、向きを180度変えられるようになっている。
また、前記サイドフレーム41・42の前側がハ字状に拡開しているため、広いエンジンスペースを確保することができ、サイドフレーム41・42のミッションケース6の前端部付近より後方はそのミッションケース6と平行になっているので、後輪3や各種操作レバー等の設置スペースを確保することができ、これらの固定及び連結方法が簡素化できるようになっている。
【0013】
また、図5に示すように、側面視において、フロントフレーム40の中央部より後下方に向かって平板状の支持部材50が延設されており、エンジン5はこの支持部材50の上に載置されている。該支持部材50の前部はフロントフレーム40に向かって上方に湾曲するように形成されており、また、このエンジン支持部材50の後端部はサイドフレーム41・42を連結する連結フレーム45に支持されており、この連結部分近傍には、開口部50aが穿設されている。
【0014】
前記支持部材50に穿設された開口部50a・50bは、機体全体の軽量化を図るとともに、エンジン5の放熱効果を促進することができるようになっているものであり、これ以外にもエンジンドレーンの挿通孔として利用したり、メンテナンス等をする際にも利用することができる。
また、この支持部材50は平板状であるため、エンジン5下部の保護カバーとして利用でき、別途保護カバーを設ける場合に比べて、部品点数の削減、軽量化することができ、さらには組立工数を減らすこともでき、コストダウンが図れるようになっている。
そして、何よりもエンジン5の取付高さ位置を低い位置にすることができるので、従来のフレーム上に配置する構成に比べて機体全体の重心を低くすることができ、転倒角の優れた田植機を実現することができるようになっている。
【0015】
次に、予備苗載台90について説明する。
図1乃至図6に示すように、フロントフレーム40の両側端部には、ステー29を介して、予備苗載台90の支柱90aを嵌入する保持部28が設けられており、該保持部28に支柱90aの下端を嵌入し、保持部28の前方よりノブネジ350を挿入して、支柱90a、即ち、予備苗載台90を固定している。
【0016】
前記予備苗載台90は左右対称に構成されているので片側について説明する。 前記支柱90aの上部にはパイプを平面視U状に曲げた支持フレーム351・351が上下二段に固設され、該支持フレーム351・351に苗箱を載せる載置部としての載置プレート352・352が固定されている。
また、該載置プレート352・352の後部の開口部352a・352aは苗箱を下から持ち上げて取り出すためのものである。
【0017】
前記載置プレート352・352下面には、図1、図2、図4に示すように、別の載置部として摺動プレート353・353が配設されている。該摺動プレート353はスライド用握りフレーム353aと一体形成され、該スライド用握りフレーム353aが支持フレーム351・351上にスライド自在に支持されている。スライド用握りフレーム353a後部が載置プレート352後部下方まで延出され、スライド用握りフレーム353a後部を持って前方に押すことで、摺動プレート353が前方にスライドし、摺動プレート353と載置プレート352とで拡大された載置部に長さの長い苗マット及び苗箱を載置可能としている。
【0018】
また、支持フレーム351・351の側部には、苗箱を受けるためのサイドフレーム354・354が固設され、下側のサイドフレーム354の中央には、受けプレート355が固設され、上下のサイドフレーム354・354と受けプレート355とで苗マットを苗載台91に載せた後のトレイ(空箱)や苗マット取出プレートを収納できるようにしている。
【0019】
そして、乗用田植機Aを納屋等に格納する際には、従来は外すことができなかったが、本実施例において作業者はノブネジ350を弛めて支柱90aの固定を解除し、該支柱90aを上方へ持ち上げて抜き取り、予備苗載台90を外した状態で乗用田植機Aを格納することができるのである。
よって、乗用田植機Aの幅を小さくすることができ、コンパクトに格納することができるようになるのである。
【0020】
また、乗用田植機Aを納屋等に格納する際に、従来は予備苗載台90を収納するために支柱90aの抜き差しによって後方若しくは内側に反転させる構成となっていなかったが、図2の予備苗載台90が機体の外側を向いた状態から、図3に示すように、予備苗載台90の向きを180度回転させて機体の内側を向くようにし、支柱90aを保持部28に嵌入し、該保持部28の前方よりノブネジ350を挿入して、前記予備苗載台90を機体に取り付けた状態で格納するのであれば、予備苗載台90を固定することができるのである。この取り外した予備苗載台90を納屋内の機体とは別の場所に保管する構成とせず、機体側にコンパクトに取り付けることができ、納屋等の収納場所に効率良く格納でき、取り外した予備苗載台90を別途保管するといった負担がないのである。
【0021】
その際、図3や図76中の二点鎖線に示すように、予備苗載台90を機体の左右幅内に収めることができるようになり、よって、幅をとらず、コンパクトな収納状態とすることができるようになるのである。
そして、従来のように、予備苗載台を機体後方に回動させる構成に比較して、構造が簡単となるとともに、部品点数を少なくすることができ、したがって、その組立作業は簡単となり、安価に製造することができるようになるのである。
【0022】
また、図3、図4に示すように、予備苗載台90を機体の内側に向けて取り付けた際、平面視で予備苗載台90のサイドフレーム354及び苗マット載置部である載置プレート352をサブステップ23とオーバーラップさせておくと、乗用田植機Aの幅を小さくすることができ、納屋等に格納した際、幅をとらず、コンパクトに格納することができるのである。
また、従来はエンジン5がフレーム上に配置されボンネット位置が高いので、予備苗載台90を内側に回動させる構成としても、ボンネット22と干渉しないように予備苗載台90の載置部が機体側方に離れて配置させる必要があり、あまりコンパクトに格納できなかった。
本実施例では、前述のように、ボンネット22内に内蔵されるエンジン5の下部を車体フレーム4より下方に突出するように配設し、エンジン5の配設位置を低くしているので、予備苗載台90を機体の内側を向くように取り付けた際、ボンネット22は予備苗載台90の下側のサイドフレーム354及び載置プレート352より下方に位置し干渉することはなく、平面視でボンネット22とオーバーラップするよう構成することができ、機体の左右幅を狭くしてコンパクトな格納状態とすることができ、納屋等の収納場所に余り場所を取ることなく収納でき、さらには工場からの出荷時にトレーラー等の輸送車の荷台により多くの機体を積み込むことができるのである。また、前記ボンネット22の高さが低くなるので、予備苗載台90の載置部を低く配置でき、オペレーターの視界を良好とするとともに、苗マット及び苗箱の取り扱いが容易となっている。
【0023】
また、図3に示すように、前記予備苗載台90を主変速レバー75や苗継ぎレバー76等の走行操作具よりも前方に格納できるので、平面視で予備苗載台90をが走行操作具とオーバーラップする構成に比べて、予備苗載台90を機体の内側に向けて取り付けた状態でも、納屋等の収納場所内や路上において機体を容易に走行操作することができ、操作性が損なわれることはないのである。
【0024】
次に、ボンネット22、サブステップ23、メインステップ32の構成を説明する。
図7はボンネットを外した状態の斜視図、図8はボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視図、図9は田植機前部の側面図、図10は車体カバーと車体フレームの平面図、図11は後部カバーの平面図、図12は前部カバーの平面図、図13は滑り止め部材の斜視図、図14は同じく正面図、図15はエンジン及びエンジンカバー部分の側面図、図16は同じく平面図一部断面図、図77は別形態のボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視図である。
【0025】
前記メインステップ32や前部カバー21のサブステップ23の上面には、図11及び図12で示すように、滑り止め部材35がそれらメインステップ32やサブステップ23と一体形成して多数、しかも格子状に並んで突設されている。
従来においては、前記滑り止め部材をゴムシートに形成し、該ゴムシートをステップ等に貼設する構成となっており、部品点数が多くなっていた。
本実施例において、メインステップ32やサブステップ23自身に滑り止め部材35を一体成形して部品点数の削減をはかっている。該滑り止め部材35の形状は、図13及び図14の如く、入母屋の屋根状に中央部を高くし、外方にいくほど傾斜して低くなるように一体成形されている。
但し、この形状は限定するものではなく、三角錐や四角錐等の形状であってもよい。これにより、泥、水等が滑り止め部材35上に堆積することなく、ステップ面上に流れていくため、常時すべり防止効果を維持できるのである。
【0026】
したがって、従来のようにステップクッション等を別途使わないで済むため、部品点数を減少させることができ、コストダウンや生産工程の削減が図れる。また、滑り止め部材35をこのような形状にすることにより滑り止め効果が高められ、機体前方での乗降や予備苗載台90から苗載台91への苗マット移送作業時の安全性が碓保できる。そして、特に滑り止め部材35が格子状に配設されていると、排水・排氾効果が高く、滑り止め部材35間の泥詰まりを防ぐことができる。
【0027】
また、図5、図6、図15で示すように、フロントフレーム40の中央部より後下方に向かって平板状の支持部材50が廷設されており、エンジン5はこの支持部材50の上に載置されている。前記エンジン5からは出力軸52が側方に突出し、該出力軸52上に一体的に駆動プーリー53が取り付けられている。該駆動プーリー53にはミッションケース6の従動プーリー55に動力を伝達するベルト54及び、駆動プーリー53の前方に配置されたポンププーリー282に動力を伝達するポンプベルト281が掛けられている。
そして、図15、図16で示すように、該ベルト54、ポンプベルト281、駆動プーリー53、及びポンププーリー282を一体的に保護するベルトカバー283が装着されている。該ベルトカバー283は保護するベルト、プーリー類の少なくとも側面、下面、前面をカバーするように構成され、そのカバーリング面の全てにスリット283a・283a・・・を設けている。
【0028】
このような構成とすることによって、安全性が向上するとともに、エンジン5の近傍に配設されているにもかかわらず、熱風の逃げ道が確保され、ベルト類の雰囲気温度の低下、エンジン5本体のヒートバランスが向上するのである。
また、該ベルトカバー283は樹脂製とし、はめ込み式としているため、ワンタッチ脱着が可能であり、メンテナンス性にも優れているのである。
【0029】
また、エンジン5の上方はエンジンカバーであるボンネット22でカバーされているが、エンジン5の下部が、図1で示すように、車体フレーム4より下方に突出しているため、空冷エンジン5の場合は、リコイルスターター近傍の冷却風取入口5aが車体フレーム4の下方から露出し、更には冷却風取入口5aの反対側に比較的高温になるマフラー5bの排気口を機体外方に向けて配設しているので、冷却風の吸気抵抗がなくて吸引ロスが少なくなるとともに、冷却風の温度を下げることができる。
そして、エンジン5が露出している部分からも放熱ができるので、エンジン5のヒートバランスが良好になり、出力低下が生じない。したがって、ヒートバランスの優れた田植機を実現することができる。
【0030】
燃料タンク136はエンジン5に固設されたステー137に支持されて取り付けられており、図9で示すように、ステー137のタンク支持部137aをボンネット22よりも上方に位置するように突設し、そのタンク支持部137aの先端を燃料タンク136の側部に形成された取付部136aにボルトなどの固定手段によって取り付けて固定している。
【0031】
このような構成にすれば、ステーなどの燃料タンクの支持部材を簡素化でき、部品点数の削滅を図れる。また、燃料タンク136の取り外しも容易に行えるので、メンテナンス性にも優れる。
【0032】
また、燃料タンク136はエンジン5の上方に載置されているため、エンジン5の放熱から燃料タンク136を保護する必要がある。そこで、本発明のボンネット22は、図7、図8に示すように、燃料タンク136が位置するボンネット22上面を凹状に形成して遮蔽凹部22bとし、該遮蔽凹部22bをエンジン5と該燃料タンク136の間に挿入し、燃料タンク136底部を嵌合して装着する構成とすることもできる。
前記遮蔽凹部22bに遮熱性をもたせ遮熱部材とすることで、従来、燃料タンク136を保護するために、取り付けられていた遮熱部材を必要とせず、ボンネット22により燃料タンク136のヒートバランスを調整できるので、部品点数の削減によるコストの低減が可能となるのである。また、部品点数の削減により組立て工程も簡易になりメンテナンス性も向上するのである。
但し、ボンネット22の上面の燃料タンク136載置部分を切り欠いて開放して、その部分に遮蔽部材を取り付ける構成とすることも可能である。
【0033】
前記ボンネット22の上面の前記遮蔽凹部22bは、燃料タンク136の下部の形状に合わせて形成されている。前記燃料タンク136の下部は、概ねタンク外周に沿った形状で下部方向に突出した凸部136bが形成されている。該凸部136bの形状に合わせボンネット22の上面の凹部22cが構成されている。該凹部22cの後方を開放して、該ボンネット22を車体の前部方向から挿入して、簡単な操作で着脱可能となっており、ボンネット22の着脱時には燃料タンク136のガイドとなり、横ずれの防止が行える。また、前記凹部22cは後方が開放していることにより、該凹部22cに水、泥等ゴミが溜まらないような構成となっている。
【0034】
また、図8、図9、図12において、ボンネット22の上面で、平面視で燃料タンク136とラップしない位置には、エンジン5の放熱を行うための放熱孔22a・22a・・・が複数個所に穿設されている。該放熱孔22a・22a・・・は、平面視で燃料タンク136とは重ならない位置であって、下部のエンジン5の上方であればよく、本実施例では、ボンネット22の前部上に形成しているが、側部上であってもかまわない。
このように放熱孔22a・22a・・・を開口することで、エンジン5のヒートバランスを保つために効果的に放熱を行えるとともに、該燃料タンク136をエンジン5の放熱による高温熱から保護することができるのである。
【0035】
次に、ボンネット22の着脱可能とする別形態について説明する。
図77に示すように、前記と同様に燃料タンク136の下部に下方に突出する凸部136bが形成されている。そして前記ボンネット22の上面に前記凸部136bの形状に合わせて平面視U字状にリブ22dが形成され、該リブ22dに囲まれるボンネット22上部をエンジン5と燃料タンク136との間の遮熱部材としている。
そして、前記リブ22dの後方を開放して、該ボンネット22を車体の前部方向から挿入して、簡単な操作で着脱可能となっており、ボンネット22の着脱時には燃料タンク136のガイドとなり、前記の凹部22cを形成したと同様に、横ずれの防止が行え、リブ22d後部の開放より水、泥等ゴミが溜まらないような構成となっている。
【0036】
また、燃料タンク136の後部には、図8、図10に示すように、平面視U字溝状の凹部136cが形成されており、該凹部136cにステアリンクシャフト81の前面部を挿嵌できるようにしており、図9の如く、該ステアリングシャフト81の上下中途部にリング状のストッパ部材280が固着されている。
このようにして、該燃料タンク136の凹部136cにステアリンクシャフト81を嵌合することで、上方向への動きはストッパ部材280で規制されるのである。また、構造の簡略化、及び軽量化が図れるのである。また、該ストッパ280は燃料タンク136の装着時において燃料タンク136の位置決めとしての役割も担うのである。
【0037】
次に、各種操作レバー類と操向ハンドルの配置等について説明をする。
図17は本発明の操向ハンドルと各種操作レバー類との位置関係を示す概略斜視図、図18は運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作レバー類、及び油量計を示す概略平面図、図19は運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作レバー類、及び油量計を示す概略平面図、図20は油量計を付設した燃料タンクの概略側面図、図21は油量計を付設した燃料タンクの概略側面図、図22は外周の一部に直線部を設けた操向ハンドルを示す概略斜視図である。
【0038】
図9、図17、図18に示すように、各種レバー類は機体中央に位置している操向ハンドル8のステアリングコラム150、即ちステアリングシャフト81の下部側左右両側方に略対称に配設されており、機体前方に向かって平面視左側に後述する走行操作部が集中配置され、右側に後述するエンジン操作部が集中配置されている。
なお、植付操作部は運転席7の右側方に集中配置されている。このように各機能を操作するレバー類がそれぞれの操作系において別々の箇所に集中配置されていると、各操作がわかり易くなり、取り扱い性が向上して好ましいものとなる。 また、図示のものは左に走行操作系、右にエンジン操作系を配設してあるが、左右逆でも構わない。
【0039】
さらに具体的に説明する。
まず、走行操作部を配設する部分には側面視略水平となるレバーガイド部150aが形成されており、走行操作部としてのレバーである主変速レバー75と苗継ぎレバー76が前後方向への操作としてシフト移動可能に機体幅方向に並べて配置されるとともに、主変速レバー75が機体内方側に、苗継ぎレバー76が機体外方側にそれぞれ配置されている。
【0040】
このように、主変速レバー75と苗継ぎレバー76を配設するレバーガイド部150aが側面視略水平になっていると、レバーガイド部150aが傾斜起立しているものに比べて、同一ポジション位置、例えば主変速レバー75の場合、中立位置におけるレバーガイド面と平行なレバー断面積が小さくなり、そのため、各レバーのポジション位置が明確にわかるようになる。
そして、使用頻度の高い主変速レバー75が運転席7に近い方に配設されていると、容易に変速操作が行える利点があるし、苗継ぎレバー76が外側に配設されていると、機体から降りて作業をする場合に操作がしやすくなる利点がある。 つまり、後述するブレーキ機構やクラッチ機能が行えことができ、圃場への出入や輸送車への積み下ろし等が容易にでき、また、機体から降りて植付位置を見ながら苗継ぎレバー76を操作できるため、畦越え寸前まで植え付けを行うことができ、最後に手植えを行う必要がなくなる。
【0041】
一方、エンジン操作部を配設する部分には運転席7側に向かう操作パネル150bが形成され、機体内方側から順にキースイッチ151、チョーク152、リコイルスターター153の把持部153aが配設されて、その上方にアクセルレバー78の把持部が配設されている。
また、エンジン操作部が配設される操作パネルが略鉛直方向に設けられているため、オペレーターとエンジン操作部との距離が近くなる。したがって、主に運転席に座って行うそれらの操作が非常にし易く、しかも機体内方側から操作力の少ない順番で配置され、かつ、機体内側より操作順に配置されているため、各操作具の配置がわかりやすくなって操作性がきわめて向上し、作業性が非常によくなる。
また、各操作具はエンジン5に近い位置に設けられているので、各操作具からエンジン5までの連動連結を簡略化することができる。
【0042】
前記操作パネル150bの右斜め上方端には、図17に示すように、苗継ぎ警報ブザー停止手段201が配置してある。
つまり、この苗継ぎ警報ブザー停止手段201は、操向ハンドル8を挟んで、走行操作系レバーと反対側の側面部近傍に設置されているため、苗継ぎ警報ブザーが突然鳴り出しても、前記主変速レバー75、苗継ぎレバー76等に触れることなく、前記苗継ぎ警報ブザー停止手段201を押して、速やかに苗継ぎ警報ブザーを停止することができる構成となっている。
すなわち、走行操作系レバーに邪魔されないため操作性が優れ、また、誤操作による事故を未然に防止することができるのである。
さらに、この苗継ぎ警報ブザー停止手段201は、操作パネル150bに配設されているキースイッチ151やチョーク152等の他のスイッチ類の外側上方にあるため、干渉されることなく操作することができる構成ともなっている。
【0043】
次に、上記各種操作レバーと操向ハンドル8の位置関係について説明する。
まず、操向ハンドル8は、図17乃至図19に示すように、機体中央から上方に突出したステアリングシャフト81の上端からは三本のスポーク200が半径方向に延出され、該スポーク200の先端には輪状の把持部210の内側が固設支持されて、操向ハンドル8を形成している。
また、前記ステアリングシャフト81の上下中途部に配置したステアリングコラム150には、機体進行方向に向かって左側に、走行操作系レバーを配設したレバーガイド部150aが形成され、右側には、エンジン操作系レバーを配設した操作パネル150bが形成されており、前方には、燃料タンク136が配置されている。
【0044】
そして、前記操向ハンドル8が直進方向を向いている時にY字状に配置した3本のスポーク200は、後方スポーク200a、左斜め前方スポーク200b、右斜め前方スポーク200cとなるように配置され、前記把持部210との間で3ヶ所の空間部209a、209b、209cを形成している。
このように配置し、オペレーターが着座した状態で、オペレーターは前記空間部209bを通してをキースイッチ151やチョーク152や苗継ぎ警報ブザー停止手段201及びその操作パネル150bを確認でき、また、空間部209cを通して主変速レバー75と苗継ぎレバー76及びそのレバーガイド部150aを確認でき、操向ハンドル8に邪魔されずに運転席7に座ったままの状態で確認できる構成となっており、視界を前方から側方に移動させる必要がなくなり、植付条が曲がってしまいきれいに植え付けることができないといった不具合がなく、誤操作を防止し、安全性を向上させることができる。
【0045】
また、前記空間部209aを通して燃料タンク136を確認できる構成となっており、該燃料タンク136には残油量確認手段202を設けており、該残油量確認手段202としては、図20、図21に示すように、透過式油量計202aやフロート式油量計202bなどを挙げることができる。該透過式油量計202aは、燃料タンク136の一部に透明部203を設け、該透明部203には目盛り204を刻み、外から油面が透視できて油量を確認することができる。フロート式油量計202bは、表示部205や測量部206を有しており、該表示部205により油量を確認することができる。
【0046】
すなわち、空間部209aを通して、運転中に残油量を確認することができるため、燃料切れを心配せずに安心して作業を続けることができるのである。
なお、これら前記スポーク200の本数や形状は限定されるものではなく、操向ハンドル8の把持部210を確実に支持固定でき、その上で、操向ハンドル8下の操作部を、運転席7に座ったままで確認できるものであればよい。
【0047】
次に、操向ハンドル8の他の実施例について説明する。
図22において、操向ハンドル207は直進状態で、後方部分を左右直線部207bとし、該直線部207bの左右中央前部をステアリングシャフト81の上端に固定している。該直線部207bの両側から前方へは従来と同様にステアリングシャフト81を中心とした円弧状把持部207aを形成している。
このように構成することによって、従来の円形ハンドルに比べて、通常、操向ハンドルは直進方向に向いているため、直線部207bと運転席7との間隔が拡大する。
すなわち、苗継ぎ時や乗降時等メインステップ33上を動き回るときに、運転席7の前の足元が広がるため、動き易くなり、誤操作や体を打ちつけることがなく、安全性を向上させることができる。
また、操向ハンドル207の構造も簡単にすることができ、コスト低減化が図れ、直線部207bより後方はハンドルがなくなるので、レバーやスイッチの位置を容易に確認することができる。
【0048】
また、ミッションケース6は、図1に示すように、後部がメインステップ32の下面から離れていくように、前低後高に形成された車体フレーム4の前後方向略中央下部より車体フレーム4の後端部の後下方まで廷出された前後方向に長く形成されており、図1に示す如く、側面視において前高後低に配置されている。 したがって、ミッションケース6の後部上方に、植付部9へのPTO伝動軸158や植付部9を昇降させる昇降シリンダー15、及び各種操作レバー関係等を配置できる有効なスペースが確保でき、機体全長を短くすることができるとともに、無駄のないシンプルな配置構成をとることができて、設計の自由度を向上させることができるようになっている。
【0049】
また、図5、図6、図23、図24に示すように、車体フレーム4を構成するサイドフレーム41・42は前後方向略中央部41a・42aより後方側が上方に向かって屈曲するように形成されており、その屈曲し始める中央部41a・42a付近の機体幅方向にセンターフレーム46が架設されている。該センターフレーム46の機体幅方向略中央に設けられた取付部材47に、ミッションケース6の中途部が連結されている。
また、前記ミッションケース6の中途部は、後方に向かって突出しているPTO軸65の直上部に位置している。
前記ミッションケース6の後部に一体的に設けられているリアアクスルケース38に取付プレート39を介して連結されている後部連結フレーム43・44の上端部と、前記サイドフレーム41・42の後端部とが一体的に連結され、サイドフレーム41・42と後部連結フレーム43・44とミッションケース6とで側面視略三角形状のフレームを構成するようになっている。
【0050】
前記サイドフレーム41・42の後端部と後部連結フレーム43・44の上端部とが連結された部分、すなわち略三角形状を構成する最上側の頂点部にはリアフレーム48が機体幅方向に架設され、そのリアフレーム48上に、後部カバー30の運転席設置部31の下面後側が載置固定されるとともに、後部支持部材72を介して運転席7の荷重を支えている。
また、サイドフレーム41・42の中央部41a・42aと後端部41b・42bの略中間に立設されて機体幅方向に架設されたパイプステー等の支持部材49上に、設置部31の下面前側が載置固定されるとともに、連結部材を介して運転席7の前部支持部材71が連結されている。
【0051】
このように略三角形状を構成するフレームの頂点部の丁度真上に運転席7の後部が位置するように配置し、車体フレーム4の中央部41a・42aと、車体フレーム4の後端部を支持する後部連結フレーム43・44の後下端部とをミッションケース6で支持するように構成すると、運転席7にかかる鉛直方向のほとんどの荷重をその頂点部及びミッションケース6にて強固に支持することができるようになるため、車体フレーム4自体にそれほどの剛性を要求しなくてもよくなり、車体フレーム4の軽量化が図れるとともに、部品点数の削減が図れる。
そして、運転席7の前部も、従来のように後部カバー30で支持するのではなく、車体フレーム4に立設した支持部材49によって支持するため、後部カバー30が撓むような不貝合は生じない。
また、車体フレーム4を側面視三角形状に構成することにより、その内方側部分におけるスペースの有効利用を図ることができ、機体全体のコンパクト化が図れるようになっている。
【0052】
また、前述したように、サイドフレーム41・42の機体幅方向に架設する補強用センターフレーム46の平面視略中央には、ミッションケース6の中途部が連結される取付部材47が設けられており、その取付部材47の他端には、植付部9を昇降させる油圧式昇降シリンダー15の基部が連結されている。
【0053】
以上、ここで述べてきたように、車体フレーム4にミッションケース6の前、後、中央を連結させるだけで、車体フレーム4の水平、垂直、ねじり方向の剛性及び強度を向上させることができる。そして、その少ない取り付け箇所にもかかわらず、ミッションケース6は車体フレーム4と共に有効な田植機の強度補強部材になっている。
【0054】
次に、ミッションケース6について説明する。
図23は昇降リンク機構部分の概略側面図、図24はミッションケースの右側面図一部断面図、図25はミッションケースの平面展開断面図、図26はミッションケース前部の変速ギア構成を示す平面展開断面図、図27はミッションケースの左側面図、図28はミッションケースの伝動別実施例を示す平面展開断面図、図29はミッションケース下部の別実施例を示す側面断面図、図30はミッションケース下部の別実施例を有する田植機の全体側面図、図31はミッションケース前側部の株間変速のカバーの着脱構成を示す平面断面図、図32はミッションケース前下部のデフ機構を示す部分正面断面図、図33はミッションケース前部に配置する給油パイプの構成を示す側面図、図34はミッションケースへの動力断接操作構成を示す側面図、図35はミッションケースへの動力断接操作構成を示す平面図一部断面図である。
【0055】
ミッションケース6の内部機構について図24〜図27を基に説明をする。
ミッションケース6の前部には走行変速機構が内設される変速室60が形成され、変速室60の左右両側面にフロントアクスルケース37が一体的に固設されている。前記フロントアクスルケース37の左右端部より下方に向かって車軸ケースが固設され、車軸ケースの下端部に前輪2を固設する前車輪軸66が軸支されている。前記ミッションケース6の後端部には軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスルケース38が一体的に形成され、リアアクスルケース38内に後車輪駆動軸69が軸支されている。該後車輪駆動軸69の左右両端部に後輪3が固設され、従来のようなミッションケース、伝動ケース、リアアクスルケース等を廃止した構成になっている。
【0056】
このように、フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38をミッションケース6に一体的に設けると、ミッションケース6で各車輪2・3を支持することができ、前述のように機体強度補強部材としてのフレームの一部を担うことができるので、車体フレーム4への負担を低減することができる。
なお、ミッションケース6の内面には複数のリブ6fが形成されて断面係数が高められており、ミッションケース6は剛性のあるケースとなっている。
【0057】
ミッションケース6の上下方向に膨出した前部には、前述のように、内部に変速機構やPTO軸65が配設される変速室60が形成されており、この上方に膨出させた変速室60の上後部には前後方向に軸芯を有するPTO軸65が軸支されている。
このように、ミッションケース6は後側が変速室60の後部より一段低く、すなわち変速室60の上後部はミッションケース6の後部側上面より上方に膨出した形状に形成され、その膨出した変速室60の後面より後方に向かってPTO軸65の後端部が突出している。
また、ミッションケース6の後部が、前述のように斜め下方に向かって傾斜して配置されているので、PTO軸65に接続されるユニバーサルジョイント部159を有するPTO伝動軸158を通すスペースを広くとることができ、そのユニバーサルジョイント部159及びPTO伝動軸158等を余裕をもって配置することができる。
そして、植付部9を昇降させたときにもそれらが干渉するようなことはなく、PTO軸65の動力を安定して植付部9へ伝達することができる。
【0058】
前記ミッションケース6の変速室60の上部には、左右方向に入力軸56が軸支され、図16に示すように、入力軸56の左端部が外側に突出されて従動プーリ55が固設され、エンジン5の左側面より側方に突出されている出力軸52に固設された駆動プーリ53からの動力が、ベルト54を介してミッションケース6内に入力されている。
そして、このベルト54は、テンションアーム57の先端に取り付けられたテンションローラー58によって緊張されるように構成され、主クラッチペダル74の踏み込み操作や苗継ぎレバー76のシフト操作に連動して動力の断接が行われるようになっている。
また、エンジン5側の駆動プーリ53とミッションケース6側の従動プーリ56に巻回されているベルト54と、ミッションケース6とは略直線上に配設されており、前輪2及び後輪3に動力を伝達する動力伝達経路が省スペースで効率のよい配置構成となっている。
【0059】
図24乃至図26で示すように、入力軸56の前下方には主変速軸61が軸支され、主変速軸61の前下方には前車輪駆動軸62が軸支され、入力軸56に入力した動力が略前下方に伝達されるようになっている。そして、前輪2の前車輪軸66は前車輪駆動軸62の鉛直方向下方に配置されており、入力軸56の動力を直線状に鉛直方向下方へ伝達する動力伝達経路が構成されている。
このため、動力伝達経路を短くすることができ、動力損失の少ないシンプルな構成にすることができるとともに、車軸ケースの上下方向の長さを短くすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0060】
そして、入力軸56の前方で主変速軸61の上方には副変速軸63が軸支されており、入力軸56と主変速軸61は側面視において副変速軸63を頂点とする略二等辺三角形状に配置されており、ミッションケース6内の構成がシンプルになっている。
また、後輪3を駆動する後車輪駆動軸69への駆動力は、入力軸56と前車輪駆動軸62との間の主変速軸61からチェーン70を介してミッションケース6後下方の後車軸駆動部に伝達されており、ミッションケース6の配設方向である前高後低方向に動力伝達経路が構成されている。
【0061】
すなわち、このミッションケース6の後部の後車軸駆動部には、ミッションケース6の配設方向に沿った後下方向きに従動軸67、カウンター軸68、後車輪駆動軸69が順に配設されており、チェーン70が従動軸67に伝達され、カウンター軸68を介して後車輪駆動軸69に動力が伝達されて、後車輪駆動軸69への駆動伝達経路をミッションケース6の配設方向に合わせた前高後低の直線状に伝達し、シンプルかつ省スペースで効率のよい動力伝達経路の配置構成としている。
【0062】
また、この動力伝達経路は最短経路になるため、チェーン70の長さを短くすることができてコストダウンを図ることができ、更には後車輪駆動軸69の高さ位置が車体フレーム4よりも下方位置になるため、後輪3の車輪を小径とすることができ、走行車両の小型化が図れるようになっている。
【0063】
なお、ここでは後車軸駆動部に動力を伝達する構成としてチェーン70が用いられているが、動力を伝達する構成としてはチェーン70のような無端体に限定されるものではなく、図28に示すように伝動軸324を用いることもできる。 この場合には、主変速軸61上にベベルギア325を固設して、ベベルギア326を介して伝動軸324前部に動力を伝達し、伝動軸324後部と従動軸67とをベベルギア327・328を介して連動連結させている。
【0064】
前記伝動軸324を用いる構成においては、チェーン70を用いて構成に比べてチェーン鳴り等の異音を発生させることがなく、ミッションケース6の中央部にチェーンにテンションを与えるガイド部材を配置するといった必要もなくなるので、中央部分の設計の自由度を向上することができ、更には、伝動軸324自身に剛性を持たせることができ、ミッションケース6中央部分を更に細くでき、その分に応じて操向輪である前輪2の切れ角を大きくすることができ旋回性能が向上され、ミッションケース6中央部分を上下方向にも細くすることで軽量化をはかることができる。
【0065】
さらに、図29に示すように、カウンター軸68を後車輪駆動軸69の配置より高所位置に配置して、内ギア104の外周面の最下部の高さと、ギア106外周面の最下部との高さを同一高さとして、大径のギアである内ギア104によってミッションケース6の最底部が低くなることがないようにし、最底部をギア106に合わせた形状とし、最低地上高を高めて藁屑等が引っ掛かることがないようにし、畦越えをスムーズに行えるようにしている。
また、図30に示すように、ミッションケース6の後下部の形状を、後述するセンターフロート97の昇降軌跡と略同じ形状とすることによって、全長を短くなるように構成している。
【0066】
また、ミッションケース6の後部の後車軸駆動部には、動力断接機構と制動機構が配設されており、図25で示すように、従動軸67の左右中央部にはボス部101が固設され、ボス部101の外周面上にスプロケット100が固設されてチェーン70が巻回されている。ボス部101の左右両側の従動軸67には摺動ギア102がスプライン嵌合されており、摺動ギア102とサイドクラッチ103とが歯数を同じにして一体成形されて部品点数の削減が図られるとともに、組立がし易いように構成されている。摺動ギア102にはカウンター軸68に枢支した内ギア104が噛合され、内ギア104に一体的に形成した外ギア105には後車輪駆動軸69に固設するギア106が噛合されている。
【0067】
また、摺動ギア102にはミッションケース6上面に枢支した操作軸107に固設するフォークが嵌合され、操作軸107上部に固設するアーム108を回動操作することで、操作軸107が回動し、摺動ギア102が摺動される。
摺動ギア102を内側に摺動させると、摺動ギア102内側がボス部101内に係合されて動力が伝達され、後車輪駆動軸69が駆動される。摺動ギア102を外側に摺動させると、ボス部101と摺動ギア102との係合が外れ、動力の伝達が離脱されると同時に、摺動ギア102の外側端部に形設したパットと挟持体によって構成されるブレーキ機構130が作動し、摺動ギア102の回動が制動されて後車輪駆動軸69の回動が停止される。
【0068】
一方、図26に示すように、入力軸56の後方にPTO入力軸64が軸支されており、そのPTO入力軸64からベベルギア64a・65aを介して前後方向に軸芯を有する伝達軸65bに動力を伝達し、PTOクラッチ109を介してPTO軸65に動力を伝達しており、入力軸56より水平方向後方に向けて動力を伝達し、後方の植付部9に動力を伝達するようにしている。
また、PTO軸65への動力の断接を行うPTOクラッチ109にはギア式クラッチが用いられており、伝達軸65bには前後方向中央部に筒体65cが遊嵌され、筒体65cが遊嵌されていない伝達軸65bの前部にクラッチギア110が固設され、筒体65cの前部に摺動クラッチギア111がスプライン嵌合されている。
【0069】
前記摺動クラッチギア111にはミッションケース6側面に軸支される操作軸112に固設するフォークが嵌合され、操作軸112が運転席7の近傍位置に配置されるPTOクラッチレバーを兼用する植付昇降レバー77に連動連結されており、植付昇降レバー77を操作することによりクラッチギア110と摺動クラッチギア111とが噛合され、伝達軸65bの動力が後方のPTO軸65に伝達されるようになっている。
なお、筒体65c後部にはギア式クラッチの摺動クラッチギア113が摺動自在にスプライン嵌合され、圧縮バネ114によってPTO軸65の前部に固設するクラッチギア115に噛合する方向に付勢されており、PTO軸65に動力を伝達する安全クラッチ116が形成されている。この安全クラッチ116は植付部9側の動力伝達機構に負荷がかかった場合に、ミッションケース6側で動力伝達を離脱するようになっており、植付部9の構成がシンプルになるようにしている。
【0070】
前記入力軸56には後進用ギア117が回設され、副変速軸63には走行用の第1変速ギア118と第2変速ギア119が固設されている。
前記PTO軸65への動力は、入力軸56の動力が株間変速される変速機構を介して伝達されており、従来の植付ミッションケースが廃止されている。
すなわち、入力軸56の端部に回設した後進用ギア117側方には株間変速を行う第1減速ギア121が着脱自在に固設されるとともに、PTO入力軸64の端部にもミッションケース6の側面より側方に突出して株間変速を行う第2減速ギア122が着脱自在に固設され、第2減速ギア122と第1減速ギア121とを噛合させることで株間変速が行われ、PTO軸65への動力を伝達している。
【0071】
また、前記PTO入力軸64が入力軸56の後方に配置され、第2減速ギア122と第1減速ギア121とがミッションケース6の上方に位置され、この株間変速を行う第1減速ギア121と第2減速ギア122の側面は着脱自在にカバー123で被装され、このカバー123の位置が図27に示すように上方となっている。該カバー123を外すことで容易に第1減速ギア121と第2減速ギア122を組み替えることができ、仕様に合わせた株間変速が行えるようになっている。このようにミッションケース内に植付部9の変速機構を配置すると、植付部9の構成をよりシンプルな構成にすることができる。
【0072】
本実施例において、前記カバー123は、ミッションケース6側面に嵌め込み式とし、取付け容易な構成としている。すなわち図31に示すように、ミッションケース6の側面にカバー123の外周形状に合わせて、段差320を形成しており、カバー123ー側面である外周部を合わせて容易に嵌め込むことができ、該カバー123をミッションケース6と一体化させることができる。
【0073】
さらに、前記カバー123に孔123aを開口して、孔123aに蝶ボルト321を挿入してミッションケース6の側面に螺合させてミッションケースにカバー123を確実に固定することができ、前記段差320への嵌め込み後の固定を確実とし、内部に組み込んだ第1減速ギア121と第2減速ギア122を完全にシールすることができる。更には、該カバー123内側面に凸部123b・123cを設けてて減速ギア121・122の抜け止めとすることができ、機能的なカバー123構成としている。
また、図27に示すように、前記蝶ボルト321の取付位置は、前輪2の外側であり、サイドフレーム41の下方となっており、機体の側方より蝶ボルト321を容易に取り外すことができ、カバー123を取り外して内部の第1減速ギア121と第2減速ギア122の交換作業を容易に行うことができるようにし、メンテナンス性を向上している。
【0074】
また、図26に示すように、入力軸56の前下方に配置した主変速軸61には軸芯方向に摺動される走行変速ギア124がスプライン嵌合されており、走行変速ギア124は大径ギア125と小径ギア126とを横方向に一体的に固設するギアで構成されるとともに、主変速レバー75の操作に連動して左右方向に摺動するフォーク329に嵌合されている。前記主変速軸61のミッションケース前後方向左側にはスプロケットとギアが一体となった動力分岐ギア127が固設されており、この動力分岐ギア127には、図25、図32に示すように、左右の前車輪駆動軸62を駆動する差動装置128のリングギア305が噛合され、動力分岐ギア127を用いて動力を2方向に分岐している。
【0075】
そして、前記主変速レバー75を中立位置より前方に回動させると、シフトフォーク329を介して走行変速ギア124がミッションケース前後方向左側に摺動され、小径ギア126と副変速軸63上の第2変速ギア119とが噛合されて主変速軸61を高速回転させることにより、各車輪2・3を高速で回動させる通常走行が行われる。
また、前記主変速レバー75を中立位置より1段階後方に回動すると、走行変速ギア124がミッションケース前後方向右側に摺動されて、大径ギア125と副変速軸63上の第1変速ギア113とが噛合され、主変速軸61が低速回転されて各車輪2・3を作業速度で駆動するとともに、前進側に2段階の変速が行われる。
【0076】
また、前記主変速レバー75を後方に回動すると、走行変速ギア124がミッションケース前後方向右側に更に摺動され、入力軸56上の後進用ギア117が主変速軸61上のギアと噛合され、主変速軸61が逆転回動されて、各車輪2・3を後進回動させている。
このように、入力軸56を後進変速用のギアを有するカウンター軸として使用し、ミッションケース内の変速機構をPTO側への入力軸であるPTOカウンター軸を省いたシンプルな変速機構に構成しても、通常走行、作業走行、後進走行といった必要最小限の走行変速を行うことができるようになっている。
【0077】
また、前記差動装置128の側部には、デフロック機構129が配置されている。すなわち、前記差動装置128のリングギア305の側端部にはロック用のギア305aが形成され、該ギア305aに前車輪駆動軸62上にスプライン係合されているロック体306側面の噛合歯306aが係合可能となっている。前記ロック体306はバネ304によって外側に付勢され、前車輪駆動軸62の段差部に当接するように付勢されている。この位置では、リングギア305のギア305aとロック体306側面の噛合歯306aとが係合されない非係合位置となっており、左右の前車輪駆動軸62・62が差動される。
【0078】
また、前記ロック体306外周面の外側には溝306bが形成され、ミッションケース6下面に枢支したロック操作ピン307上部が係合される。ロック操作ピン307上部は片側を半円状に当接部307aを形成し、逆側を凹状部307bとしてる。前記ミッションケース6下面より下方に突設したロック操作ピン307下部には左右にアーム308・309が突設されている。該アーム308・309を左右に向けた状態で、ロック操作ピン307上部の凹状部307bがロック体306の溝306bに位置し、ロック体306をリングギア305に対して非係合位置に位置させている。
そして、前記アーム309が図2に示すデフロック操作レバー349に連動して回動されたり、前記アーム308・309が、後述する操向ハンドル8の操向操作に応じて設定角度以上回動されると、引っ張られてロック操作ピン307が左右何方向に回転されると、当接部307aでロック体306を押して、噛合歯306aとギア305aとが係合される。この係合によって、リングギア305がロック体306を介して前車輪駆動軸62に係合された、いわゆる差動装置128のロック状態となり、左右の前車輪駆動軸62・62が差動されることがないのである。
【0079】
また、このような変速機構を有するミッションケース6において、図24、図25で示すように、油圧式昇降シリンダー15側へ潤滑油を吸引させるためのサクション管157がミッションケース6の後部側の側面に配置され、また、ミッションケース6内に油を戻すための戻り油管156がミッションケース6前部の変速室60上部に設けられ、ミッションケース6を潤滑油用のタンクとして兼用される。
【0080】
前記油圧式昇降シリンダー15側より戻り油管156を介して戻された潤滑油は、変速室60上部に送り込まれてこの部分の変速ギアにかけて潤滑を行っており、変速室60内の変速ギア等が浸るまでミッションケース6内の潤滑油の液面を高くする必要がなくなり、潤滑油量を減らすことができ、コストダウンを図るとともに軽量化を実現することができるのである。
【0081】
また、前記サクション管157は、前記操作軸107の直前方に介装した筒状のサクションフィルター330側部に連通されている。前記サクション管157のミッションケース6への連通位置(サクションフィルター330の配置)は、できる限り後車輪駆動軸69に近づけた操作軸107の直前方に配置され、ミッションケース6の低所に設けることができ、ミッションケース6の下部から、ミッションケース6の上途中部までの領域に潤滑油を貯留可能としたタンクが形成されるのである。そして、ミッションケース6下部の潤滑油をサクションフィルター330を介してサクション管157に送り、ミッションケース6内の変速用のギアの噛合により欠けたり削れたりした屑等を除去した潤滑油を前記油圧式昇降シリンダー15内に送り込むのである。
【0082】
また、前記サクション管157がミッションケース6の後方側に取付けられ、戻り油管156との前後距離が長くなり、ミッションケース6前部から後部へ循環する間にミッションケース6側面より温められた潤滑油の熱を放熱することができ、冷却効率を向上している。
さらに、戻り油管156とサクション管157とがチェーン70を挟んで対向するように配設されていると、サクション管157からミッションケース6内に戻される高温の油をチェーン70の駆動によって攪拌することができるようになり、ミッションケース6内を対流する間に十分に冷却することができ、ミッションケース6内の油の温度をほぼ均一にすることができる。
【0083】
また、前記ミッションケース6の底部の形状を側面視で円弧部6gを形成した流線型とし、植付け作業時に圃場内の水に浸されながら走行させても抵抗が大きくならず、この部分の水の流れをスムーズとしている。
そして、このミッションケース6の底部が水に浸されることで、この部分の放熱性能が良くなり、ミッションケース6を前後に長く形成して放熱面積を広くしたことと合わせて内部の潤滑油を冷却して、完全に冷却された潤滑油をミッションケース6下部のサクション管157より吸引して油圧式昇降シリンダー15等の作業機に送油することができ、油圧パルス駆動方式の油圧式昇降シリンダー15の駆動性能を高く保つことができ、植付部9を圃場の凹凸の合わせて確実に昇降させることができるのである。
【0084】
また、図33に示すように、前記ミッションケース6前上部の一側側面には、給油パイプ331が接続され、該給油パイプ331を前上方のエンジン5側に延設し、給油パイプ331上部をサイドフレーム41・42の上方で後上方に屈曲させて、運転席7側に向けて突出させている。
前記給油パイプ331上部にはブリーザ332が設けられ、ミッションケース6内部の潤滑油が熱で膨張しても、内部の空気を排出するようにしている。この給油パイプ331上部は、前記ステアリングコラム150によって被装され、潤滑油の臭いを運転席7側に流れ込まないように遮断させて作業環境を良好に保つ構成としている。
そして、ステアリングコラム150をワンタッチで取り外して給油パイプ331より潤滑油を補充することができ、運転席7側よりこの作業ができ作業性の優れたものとなっている。
【0085】
また、図5に示すように、ミッションケース6の前部下端部より内方側、すなわち変速室60の下部には左右のブレーキロッド131を作動させるブレーキシャフト132を通す貫通孔133が穿設されており、ミッションケース6でブレーキ機構を支持するようになっている。
したがって、別途支持部材を設ける必要がなく、その部分のスペースをコンパクトに設計できる。
また、本実施例において、前記貫通孔133の開口位置をミッションケース6の前下部に配置させているが、ブレーキシャフト132に連結するブレーキロッド131が後述する如くミッションケース6側方を通過させており、ミッションケース6前下部の構成がシンプルとなり、この部分に藁や草等がひっかかたり、泥等が付着して腐食させることがないのである。
【0086】
ブレーキ機構としてはブレーキペダルを2本とする2ブレーキ機構が用いられており、図5、図6で示すように、左右に分かれたブレーキペダル73a・73bのどちらか一方を踏み込み操作すると、それに連動して2重の筒体で構成されたブレーキシャフト132のどちらか一方の筒体が回動するようになっており、それぞれの筒体に連動連結された左右のブレーキロッド131が別々に作動するようになって、ブレーキロッド131後端部に連動連結されているアーム108が回動し、前述した摺動ギア102が外側に摺動して動力伝達が離脱されると同時に、ブレーキ機構130が作動して踏み込み操作した側の後車輪駆動軸69が制動され、他方の後車輪駆動軸69のみが駆動して走行車両1を急旋回させるようになっている。路上走行時等において両方同時にブレーキをかけたいときには、左右のブレーキペダル73を連結する連結具135を用いるようになっている。
【0087】
従来においては、図36に示すように、前記後車輪駆動軸69・69の制動を操作するアーム108・108がミッションケース6後部の下方に配置され、該アーム108・108とブレーキシャフト132と連動させるブレーキロッド131が、植付作業時に底所となるミッションケース6の下方に配置され、泥等が付着されやすく、藁屑や草等が絡みつき易いものとなっており、畦越え時にはこのブレーキロッド131を打ち付けて損傷し易い配置構成となっていた。
【0088】
本実施例においては、前記後車輪駆動軸69・69の制動を操作するアーム108・108をミッションケース6後部の上方に配置され、アーム108・108外端部をミッションケース6左右側面より外側に突設させられており、ブレーキシャフト132と連動させるブレーキロッド131が、ミッションケース6の左右側方を通過して連結されている。
よって、作業時の底所となるミッションケース6の下方に、操作連動部であるアーム108・108やブレーキロッド131・131等を配置する構成となっていないので、前述した如く、泥等が付着することがなく、藁屑や草等が引っ掛かる等の不具合を生じることがなく、畦越え時にも打ち付けることがないのである。
【0089】
次に、ステアリング駆動部を説明する。
図37はステアリングシャフト下部の側面図、図38は操向操作とデフロック機構との連動構成を示す平面図である。
図9、図37、図38に示すように、エンジン5の後方で、かつミッションケース6の前方には、操向ハンドル8のステアリングシャフト81が配置されており、このステアリングシャフト81は直状に形成されている。
そして、ステアリングシャフト81の下端に配設されているステアリング駆動部80がエンジン5の下方に位置するように配設され、側面視及び平面視においてエンジン5とオーバーラップしている。
【0090】
また、図9に示すように、側面視において、直状のステアリングシャフト81の傾斜角度と同角度に、すなわちステアリングシャフト81と略平行になるようにミッションケース6の前上面6e が傾斜形成されており、ミッションケース6とステアリングシャフト81とが互いに干渉するのを回避できるようになっている。
【0091】
このように、エンジン5とミッションケース6が前後に並んで配置され、その間に直状のステアリングシャフト81が配設可能に構成されていると、従来のようなステアリングギアケース等のジョイント部を設ける必要がなくなり、部品点数を削減することができる。
したがって、ミッションケース6の簡素化や省スペース化が実現でき、その部分におけるスペースの有効利用を図ることができる。
また、ステアリング駆動部80が平面視でエンジン5とオーバーラップしていると、従来に比べて機体全長を短くすることができ、かつ、エンジン5下方の空間部を有効利用できるので、ステアリング駆動部80の設計の自由度を向上させることができる。
そして更に、エンジン5を車体フレーム4よりも下方に突出させて配置しているので、ステアリング駆動部80も下方側に配設されることになり、低重心で作業性のよい転倒角の優れた田植機を実現することができる。
また、圃場などに出入りする際、特に後進時においてはミッションケース6の膨出した前下部が泥除けになって、ステアリング駆動部80に泥が付着するのを極力防止することができる。
【0092】
また、ステアリング駆動部80のステアリングギア82は、操向ハンドル8のステアリングシャフト81の下端部に設けられているギア83と噛合しており、操向ハンドル8の回動操作によって回動軸84を中心に回動し、ステアリングギア82の前部両側に連結されている左右一対のステアリングロッド85を作動させて前輪2の向きを変えるように構成されている。
なお、ステアリングギア82のほぼ中央には操作軸86が挿通される左右方向に長い開孔部82aが穿設されており、ステアリングギア82の回動範囲をその操作軸86で規制するようにしている。
【0093】
また、ステアリングギア82のユニットは、図37で示すように、ボルト208・208・・・によって下方から取付部材51に取り付けられており、取付部材51の上方に締結用工具を入れる空間が不要となり、組み立てや分解が簡単に行うことができ、エンジン5の載置高さを更に低くして、低重心化を図ることができるように構成されている。
【0094】
そして、前述したデフロック機構129の操作は、図2に示すように、運転席7の右側方のデフロック操作レバー349によって行われている。作業時に圃場のぬかるみにはまり前輪2がスリップした場合に、デフロック操作レバー349を上方に引き上げる操作を行うことによって、この操作に連動して前記アーム309が回動され、前述した如く、差動装置128のロック状態となり、左右の前車輪駆動軸62・62が差動されることがなくなり、前輪2がスリップすることなく、ぬかるみより機体を脱出させることができる。
【0095】
また、前述したデフロック機構129を操向ハンドル8の回動操作に連動させることもできる。図38に示すように、前記アーム308・309の各端部より前方にデフロックロッド310・310を突設し、その前端部にガイドプレート311・311を形成し、前記ステアリングギア82に長孔311aと連動アーム312を介して連動連結され連動手段を構成し、操向ハンドル8の一定角度以上の回動操作によって差動装置128をロックするようにしている。
【0096】
すなわち、図32、図38で示すように、ステアリングギア82の下部に操作軸86に枢支された連動アーム312を設けるとともに、連動アーム312の左右両端部に突設されたピン88をガイドプレート311先端の長孔311aに挿通して取り付け、ステアリングギア82の開孔部82a後方の下面に突設された係合部89を、操向ハンドル8の設定角度以上の回動で、ステアリングギア82が回動することによって連動アーム312に当接させて、その連動アーム312を回動させるとともに、その回動範囲によって長孔311aに挿通されているピン88を介して左右どちらかのガイドプレート311及びデフロックロッド310を作動させ、デフロックロッド310に連動連結されているアーム308(若しくはアーム309)を介して、ロック操作ピン307を回動しロック体306をリングギア305と係合してデフロック機構129を作動させるのである。
また、前記連動アーム312は、平面視で「へ」字状に形成し、連動アーム312の左右端部のピン88・88をリングギア305の左右終端より内側位置に配置している。
【0097】
このような構成とすることによって、操向ハンドル8を回動操作して係合部89が連動アーム312に当接してデフロック機構129が作動される作動開始時期を、操向ハンドル8の最大操作時(前輪2の切れ角度の最大時)より前としている。
したがって、前記操向ハンドル8を最大に操作して旋回方向の内側の前輪2へ伝達すべき駆動力が外側の前輪2へ伝達されて動力が過剰となって空転される前に、デフロック機構129を作動させ、左右両前輪2・2に均等に動力を伝達して空転を抑えて正確に旋回操向をさせるのである。
なお、前記連動アーム312は図示せぬトグルバネ等によって中立位置(連動アーム312の左右向き)に付勢して、操向ハンドル8を中立側に操作すると、連動アーム312が中立に戻ってデフロック機構129の作動を中止するようにしている。
【0098】
また、前記デフロックロッド310前部をガイドプレート311後面に前後に摺動自在に挿入し、デフロックロッド310前部とガイドプレート311後面との間にコイルバネ313を介装し、前記のように連動アーム312、ピン88を介してガイドプレート311を前方に回動させた際に、コイルバネ313を介して、デフロックロッド310を前方に引っ張るようにして緩衝部材を構成している。
よって、操向ハンドル8の操作をある一定の範囲より大きく操作してデフロック機構129を作動させることができ、またデフロック機構129を作動させながらさらに操向ハンドル8を回動操作することができる。この時、差動装置128をロックする抵抗が緩衝部材であるコイルバネ313に吸収され、操向ハンドル8側にその抵抗の伝達が抑えられるので良好な操作性を得ることができる。
また、デフロック機構129を構成するリングギア305のギア305aとロック体306側面の噛合歯306aとの噛み合い位置が合うまでロック体306が待機させることができ、歯こぼれ等を生じることがないのである。
【0099】
なお、前記緩衝部材はデフロックロッド310を前後に二分割して摺動自在に連結する構成とすることもできる。また、前記緩衝部材を設けることによって、圃場以外の操向時には、アーム308(若しくはアーム309)の回動を強制的に固定して操向ハンドル8の切れ角が最大に操作されてもデフロック機構129の作動されることがないようにすることもできる。
【0100】
また、前記操向ハンドル8の回動操作量に対して長孔311aの大きさを調整したり、大きさを調整して、旋回角度が最大となる前に、デフロック129を作動させるようになっている。
【0101】
また、図16、図34に示すように、機体進行方向に向かって左側に配設される主クラッチペダル74の近傍には苗継ぎレバー76が設けられ、主クラッチペダル74や苗継ぎレバー76の操作により、エンジン5からミッションケース6内へ動力を伝達するベルト54のテンションを「切」状態にできるように構成されている。
そして、それらの操作系において、一方の操作具を操作しても、他方の操作具には影響を与えないように、融通機構が設けられている。この融通機構は、例えば図34の側面視で示すように、苗継ぎレバー76の回動支軸141に設けられたブラケット142に枢支されている連動ロッド140に長孔140aを穿設して構成するもので、ベルトテンションを「入」「切」するテンションアーム57に突設されたピンなどの嵌入部材143をその長孔140aに挿通して構成している。
【0102】
したがって、苗継ぎレバー76を後方に向けて図34の矢印方向に回動操作すると、連動ロッド140が下方に向かって移動し、長孔140aに挿通された嵌入部材143を介してテンションアーム57を下方に回動して、テンションアーム57に取り付けられているテンションローラー58をベルト54から離し、ベルトテンションを「切」状態にするようになっている。
一方、主クラッチペダル74を踏み込むと、図34、図35で示すように、ペダルの支柱に固設されたL字型ブラケット144に取り付けられたピンなどの押圧部材145が、テンションアーム57の回動軸59に固定されたカム146を押してテンションアーム57を下方に回動させるようになっており、これによってベルトテンションを「切」状態にするようになっている。
このため、主クラッチペダル74を踏み込んでもテンションアーム57の嵌入部材143が連動ロッド140に穿設された長孔140a内を移動するだけで苗継ぎレバー76には何の影響も与えないし、苗継ぎレバー76を操作しても主クラッチペダル74に影響を与えないのは言うまでもない。
【0103】
何れにしても、全動力を停止させる同一操作となる手動操作具である苗継ぎレバー76と足動操作具である主クラッチペダル74の2つを設けたので、機体に乗ったまま又は降りたままでもそれらの操作が可能となり、また、手動操作具であるレバーと足動操作具であるペダルなので、両者を識別して操作することが容易になって誤操作がない。
そして更に、ベルトテンションを「切」状態にする機構にはワイヤー等を使用していないため、操作力が軽くて耐久性がよく、メンテナンスも容易にできる。 その他、苗継ぎレバー76の「切」の位置にのみエンジン始動可能となる電気的なスイッチが設けられており、主クラッチペダル74を踏み込まなくてもリコイルスターター153を用いてエンジン5を始動させることができるようになっている。
【0104】
また、テンションアーム57には、図15、図34、図35で示すように、ミッションケース6側の従動プーリ55の回転を停止させるブレーキ部材147が固設され、このブレーキ部材147は、テンションアーム57が下方に向かって回動することによって従動プーリ55を押圧するように構成されている。
すなわち、前記テンションアーム57のミッションケース6側にスライド支持板301を突設し、該スライド支持板301下面に側面視「コ」字状の支持体303を配置し、該支持体303の前後側面に前後に摺動自在にブレーキ部材147を支持し、該ブレーキ部材147前部をゴムなどの弾性体149で構成し、該弾性体149と支持体303との間にバネ148が介装され、ブレーキ部材147を従動プーリ55側に向けて付勢している。
【0105】
したがって、前記ベルト54のテンションを「切」とするとともに、弾性体149を従動プーリ55のプーリ溝内に押圧することによって回転を停止させ、機体全体にブレーキがかかるように構成することができ、走行車両1をトラックの荷台に積込み若しくは積下ろしするためにアユミ板上を走行させたり、圃場への出入りの際の畦越え時に走行車両1を降車した作業者が苗継ぎレバー76を操作することで、走行車両1を停止させることができ、操作性が非常に優れたものになっている。
【0106】
また、圃場外での走行時に主クラッチペダル74の踏み込み操作をしても、テンションアーム57を回動される量が少なく、ブレーキ部材147を従動プーリ55に当接させることがないので、従動プーリ55を制動させることがない。
また、前記弾性体149は摩耗したときのために交換可能に構成されており、メンテナンスが容易にできるようになっている。そして更に、その弾性体149を芯金に焼き付けすれば、耐久性を向上させることができる。
【0107】
また、前記スライド支持板301には、進行方向に対して左右に長い長穴301a・301aが左右に開口されている。該長穴301a・301aの上方より挿入されるボルト302・302に側面視「コ」字状の支持体303の閉塞面を螺合して、スライド支持板301に対して支持体303及びブレーキ部材147を左右にスライド自在に支持される。
よって、ブレーキ部材147先端部の弾性体149を従動プーリ55のプーリ溝に対し直角であり、精度良く押圧するように調整することができる。
【0108】
したがって、従動プーリ55を制動させたときに、異音が発生することなく確実に制動させることができる。また、前記ブレーキ部材147を「コ」字状の支持体303の前後の側面を用いて二箇所で支持でき、従動プーリ55の回転方向に対する支持剛性を高めて、ブレーキ部材147端部の弾性体149を従動プーリ55のプーリ溝に力強く押圧することができ、制動動作の信頼性を向上している。さらに、前記ボルト302・302の螺合を外すことで、支持体303が取り外され、ブレーキ部材147端部の弾性体149の交換作業を容易に行うことができる。
【0109】
次に、植付部9を説明する。
図39は植付伝動フレーム92の平面断面図、図40は連結部材の側面図一部断面図、図41はヒッチの側面図、図42は同じく後面図、図43は苗載台下部のヒッチ部分の側面図、図44はヒッチの斜視図、図45は苗載台の裏面から見た図、図46は苗載台の側面図である。
【0110】
植付伝動フレーム92は後述する左右平行に前後方向に配置した伝動パイプ164・165と、十字型管継ぎ手167a・167bを介して連結する横連結パイプ166からなり、該植付伝動フレーム92には駆動ケース172やクランク機構171、苗載台支持フレーム190が付設されており、植付伝動フレーム92を構成する左側伝動パイプ165の前部に配置する十字型管継ぎ手167a・167bの側面には、前上方向きに支持プレート174が突設されるとともに、横連結パイプ166の右側前部より前上方向きに支持プレート175が支持プレート174と平行に突設され、更に横連結パイプ166の左右中央部より前方にローリング支点軸176を嵌合する連結部材260が配設されている。
【0111】
すなわち、ローリング支点の構成は、図39、図40に示すように、植付伝動フレーム92の連結パイプ166には、左右方向で中央に連結部材260が挿嵌固定されており、該連結部材260は連結パイプ166より前方に延出し、前方部分は左右方向の幅が広くなり、前方部分上部には側面視で略門型状に形成されて、後述するヒッチ94の下部に嵌合されるブラケット260aが形成されている。また、ブラケット260aの前後の壁にはパイプ260bが前後方向に挿入固定されている。
【0112】
一方、前記昇降リンク機構10の後部のヒッチ94は、図41及び図42で示すように、側面視で下方が幅広となるテーパー形状をしており、その断面は平面視で略コ字状に形成され、その開放部を後方に向けて、後面下部はプレートによって固定して閉じられている。
このように植付部9を固定することにより、最も力の加わるヒッチ94の下側の強度が高くなるよう効率的な形状としているのである。
そして、前記ヒッチ94の両側面の上部と下部にはそれぞれトップリンク枢支パイプ94iとロワーリンク枢支パイプ94jが固設されており、トップリンク11が上部左右両側に枢支軸によって枢支され、ロワーリンク12が下部左右両側に枢支軸によって枢支されている。
【0113】
また、前記ヒッチ94の下部には下方向に開放する側面視略門型状のブラケット94aを形成しており、前記ブラケット260aを丁度外嵌できる大きさとして、該ブラケット94aの前後の壁には接合孔94b・94bが前記パイプ260bの位置に合わせて穿設されている。
そして、前記ブラケット260aの上方から前記ブラケット94aを嵌合し、前記パイプ260b・260b及び接合孔94b・94bの中心を合わせて図43で示すローリング支点軸176を挿嵌して、該ローリング支点軸176に固定したストッパー板176aをヒッチ94の前面下部にねじ等の固定手段で固定している。このようにして、該植付伝動フレーム92をヒッチ94に枢支連結している。
このような構成で、植付部9を本機にローリング可能に連結しているので、従来使用していたベアリング等ヒッチ台の部品が必要なくなり、またローリング支点軸176も従来のローリング軸より小さな部品で良く、焼入れも研磨も不要でコストダウンが図れるのである。
【0114】
また、前記ヒッチ94の両側側面上部にはフック孔94c・94c・・・が上下方向に数箇所に穿設されており、該フック孔94cに苗載台91が傾斜した時に水平方向へ戻すようにするローリング補正バネ262の一端が引掛けられている。
そして、該ローリング補正バネ262の他方の一端が、図45で示すように、苗載台91の裏面のガイドレール96に穿設されたフック孔96b・96b・・・に掛けられている。
【0115】
このようにフック孔94cをヒッチ94の側面に設けたので、ローリング補正バネ262を掛ける作業が、従来のようにヒッチ上面にフック孔を設けた場合に比べてフック孔94cがローリング補正バネ262のフックに対して略垂直に位置するため容易に行うことができる。このフック孔94cを上下方向に配列し、フック位置を調整することで苗載台91の回転方向に対して効率的な補正を行うことができる構造となっている。
そして、他方のフック孔96bをガイドレール96に直接穿設したので、バネステーを必要としないシンプルな構成となるばかりでなく、ローリング補正バネ262が苗載台91のより近い位置であり、なおかつ、ローリング補正バネ262がガイドレール96(苗載台9の左右回動平面)と略平行となり、苗載台9の左右の傾き(ローリング)を強制的に修正するように、ばね力が効率よく働くよう構成されているのである。
【0116】
また、図44に示すように、前記ローリング補正バネ262は両端部のフック部によって掛止する方向が180°位相をずらしたものが用いられ、また少なくとも一方のフック部をコイル部の円周外方に設けているので、図45に示すように、ガイドレール96前面のフック孔96bに前側よりローリング補正バネ262のフック部を掛止し、他方のフック部を、図44に示すように、ヒッチ94後部の開放面よりフック孔94cに掛止し易くなっており、ローリング補正バネ262の組み付けが簡単となるのである。更には前記ローリング補正バネ262の組み付け後、該ローリング補正バネ262とガイドレール96との干渉を防止してローリング補正バネ262による弾性力を効率よく伝えるよう構成されている。
さらに、該フック孔96bはガイドレール96の左右方向複数個所に穿設されており、フック位置を変えることによって、ばね力を調整できるようになっている。
また、該フック孔94cが穿設されているヒッチ94の上部側では、高い強度が要求されていないため、前壁に切り抜き孔94dを設け、ヒッチ94前方からヒッチ94の内方を確認しやすく組立性の向上をはかるとともに、軽量化をはかった構成としている。
【0117】
一方、前記ヒッチ94の上下方向で途中部分の両側面にはマーカー引き上げ用のワイヤーブラケット94e・94eが外方に向けて突出するよう装着されている。該ワイヤーブラケット94eは側面視で略L字状の板で形成されており、側壁には、ワイヤー溝94f、94gが設けられ、上壁には補正バネ263用のフック孔94hが穿設されている。
このように、従来補正バネ用に取付けられていたブラケットを無くして、ワイヤーブラケット94eは左右兼用することで、部品点数の削減を行い、コストダウンを図っている。
そして、図44の如く該フック孔94hに掛けられた補正バネ263の他方の一端を、連結部材260の前部に装着されているフック孔260cに掛止することで、植付部9のローリングを補正するのである。
【0118】
また、センターフロートに配設されている植え深さ制御用の補正アームが機体中心位置から、左右方向にずれている場合があり、この場合、マーカー引き上げワイヤ266と補正アームの干渉を避ける必要がある。
そこで、補正アームの位置が機体中心から図42において右方向に偏心している場合、該ワイヤーブラケット94eにおいては、ワイヤー溝94fの溝の奥行きが、ワイヤー溝94gの奥行きよりも深くなるよう形成している。
そして、図42において左側のワイヤーブラケット94eにおいては、ワイヤー溝94fでマーカー引き上げワイヤ266を支持し、右側のワイヤーブラケット94eにおいては、ワイヤー溝94gでマーカー引き上げワイヤ266を支持している。
このようにして、マーカー引き上げワイヤ266・266の経路中心を機体中心より図42において右側に偏心させることで、補正アームとの干渉を防いでいるのである。
【0119】
また、両側のワイヤーブラケット94e・94eには、それぞれワイヤー溝94f、94gの両方が設けられた部材を装着している。これにより、ワイヤーブラケット94eは左右両側で同一の部品を利用することが可能となり、部品の製造工程におけるコストダウンを可能としている。
本実施例においては、左右方向の長さの等しいワイヤーブラケット94eに溝の深さを変えることによって、マーカー引き上げワイヤ266の経路を調整しているが、左右のワイヤーブラケット94eを違う長さのものを用意して、マーカー引き上げワイヤ266の経路を調整することも可能である。
【0120】
次に、図45及び図46より、ワイヤーハーネス264の支持構造について説明する。
苗載台91裏側のレール91aには左右方向で中央にハーネス支持部材91cが装着されている。そしてワイヤーハーネス264が該ハーネス支持部材91cに設けられた支持孔91dを上方から通過して係止され、苗載台91の下方へと延出されている。
前記ハーネス支持部材91cには、支持孔91dの後部近傍にガイドロッド265が水平方向に回動自在となるよう軸支されている。
【0121】
そして、該ガイドロッド265は、螺旋状の形状をしており、その螺旋部においてワイヤーハーネス264を内包するようにガイドし、ヒッチ94の上部からさらに前方まで延出している。
このような構成で、ワイヤーハーネス264をガイドすることにより、ワイヤーハーネス264が垂れ下がったり、振れたりせず、補正バネフック262やヒッチ94と干渉したり絡まったりすることを防ぐのである。
そして、前記ガイドロッド265は螺旋部においてワイヤーハーネス264をクランプするので、従来のワイヤーハーネス途中部のガイドを行うクランプ用の別部材を必要とせず、部品点数の削減を可能としている。
また、前記ガイドロッド265は、水平方向に回動可能であるので、苗載台91が左右移動してもワイヤーハーネス264の撓みを防止できるのである。
【0122】
図47は苗載台支持フレーム190の平面図、図48はフロート支持部の平面図、図49は同じく側面図、図50は苗載台駆動ケースの後面断面図、図51は苗載台裏側の連結体部分を示す図、図52は同じく従来の連結体を示す図、図53は連結体の斜視図、図54は植付フレーム前部の左側面図、図55は縦送りローラーの正面断面図、図56は縦送りローラーの側面図、図57は苗台シューを左側によせて配置した苗載台の概略図、図58は苗台シューを右側によせて配置した苗載台の概略図、図59は苗載台の上下調節部分の斜視図である。
【0123】
図43、図47、図48に示すように、植付伝動フレーム92には一体的に苗載台支持フレーム190が溶接等で固設されており、該苗載台支持フレーム190は後面視門型に構成されて、左下端は前記支持プレート174の内側に固設され、苗載台駆動ケース172の剛性を高めて強度をアップし、右側は前側に配置した十字型管継ぎ手167aに固設されている。
したがって、パイプ体を連結したシンプルな構成であるとともに、空間に余裕のある植付伝動フレーム92と一体的に構成されて、クランク機構171、苗載台駆動ケース172、横送り軸180の支持部が強固に固設され、振動や衝撃に強くて耐久性のある支持部が構成できる。
【0124】
そして、苗載台支持フレーム190の横フレーム190aの右側より前下方に苗取量調節レバーのレバーガイド178が突設され、横フレーム190aの左側より前下方に植深さ調節レバー79のレバーガイド179が突設されている。
前記苗載台支持フレーム190の両側上に苗載台91の裏側の上下中途部に設けたガイドレール96に嵌合するローラー部材199を配置している。
【0125】
次に、植付伝動フレーム92について説明する。
図39で示す植付部は、4条植用であるため、植付爪93が4本設けられており、植付爪93に駆動力を伝達する伝動パイプ164・165が左右に1本ずつ配設されている。該伝動パイプ164・165の前部が横連結パイプ166で連結され、平面視門型の植付伝動フレーム92が一体的に形成されるとともに、門型の開放側が後方に向けられて、左右の開放側端部の左右両側に植付爪93が配置されている。
なお、この伝動パイプ164・165と横連結パイプ166の内部には伝動軸が軸支されている。
このように植付伝動フレーム92を構成することによって、製造コストが低くて済み、剛性が高いわりには軽量化されるので植付部9全体の重量を低減することができ、昇降リンク機構10や車体フレーム4への負担を低減することができる。
【0126】
また、前記植付伝動フレーム92の伝動パイプ164・165と横連結パイプ166は棒状の鋼管で形成されており、伝動パイプ164・165と横連結パイプ166は平面視十字型形状の十字型管継ぎ手167a・167bによって連結されている。前記伝動パイプ164・165及び十字型管継ぎ手167a・167bは市販のものを使用してコスト低減化を図っており、該十字型管継ぎ手167の開口部の径はその中に配置する伝動パイプ164・165等の動力伝達部材やその支持部材であるブッシュやベベルギヤ等よりも大きく構成して、挿入したり、組み立てたり、メンテナンスを容易としている。
前記十字型管継ぎ手167a・167bは十字型に突出した部分の一つは短く切断してその部分の開口部は蓋体168を装着して閉じるように挿入口となり、この部分から軸を挿入して組み立てたり、ギアの交換や注油等のメンテナンスができるようにしている。
【0127】
また、前記横連結パイプ166の右側に固設した十字型管継ぎ手167aは右開口部に伝動軸187を挿入して蓋体168を嵌挿固定し、該伝動軸187の右端はブッシュ170を介して十字型管継ぎ手167aの左開口部に支持し、該伝動軸187の端部にベベルギア187aを固定している。
前記十字型管継ぎ手167aの前開口部は植付入力軸185が挿入されて、ベアリング400aによって植付入力軸185が回転自在に支持され、十字型管継ぎ手167a内でベベルギア185bを固設して、前記ベベルギア187aと噛合している。後開口部に伝動パイプ164の前端を挿入固定している。
【0128】
前記左十字型管継ぎ手167bは、右開口部に横連結パイプ166を挿入固定し、左開口部では前記伝動軸187の左側をベアリング400bで回転自在に支持し、左十字型管継ぎ手167b内の伝動軸187上にベベルギア187bを固設し、その左開口部端には支持プレート174を固定し、該支持プレート174に苗載台駆動ケース172を固定し、該苗載台駆動ケース172内に伝動軸187を挿入している。
前記左十字型管継ぎ手167bの前開口部からは、伝動軸186を挿入して蓋体168で嵌挿固定し、伝動軸186の前部はブッシュ170で後開口部に支持し、伝動軸186前端にはベベルギア186bを固設し、前記ベベルギア187bと噛合し、左十字型管継ぎ手167bの後開口部に伝動パイプ165の前端を挿入固定している。
【0129】
前記左右の伝動パイプ164・165の後端にそれぞれ後十字型管継ぎ手169・169が外嵌固定され、該後十字型管継ぎ手169は前記十字型管継ぎ手167と略同じ構成としており、該後十字型管継ぎ手169・169の前開口部は伝動パイプ164・165を嵌挿固定して、前記伝動軸185・186の後部をブッシュ170・170で支持して、軸後端にそれぞれベベルギア185a・186aを固定している。後開口部は蓋体168・168を固定して蓋し、左右の開口部にはベアリング400c・400cを介して植付爪駆動軸184を回転自在に支持し、その両側に配置するクランク機構171に動力を伝達するようになっている。
【0130】
また、伝動パイプ164・165の後部に配置した後十字型管継ぎ手169・169の後部には、後上方向きにクランク支持アーム173が突設され、該クランク支持アーム173の後部には、図39、図49で示すように、枢支部181が形成されており、枢支部181にはクランク機構171のリンク401基部を枢支するピン182が固設されている。
また、左右の枢支部181の間は、平面視門型の補強体183によって補強され、クランク機構171を強固に枢支することができるようになっている。
なお、クランク支持アーム173の後部を2方向に分岐し、平面視略Y字型形状に形成して枢支部181を構成してもよい。
【0131】
前記クランク支持アーム173の後端部の左右両側には、各々クランク機構171のリンク401が枢支され、該リンク401の他端に植付爪93を取り付けた揺動アーム402の基部が枢支され、一方、伝動パイプ164・165後部の後十字型管継ぎ手169・169に軸支する植付爪駆動軸184の両端部に回動アーム403が固設され、該回動アーム403の他端が前記揺動アーム402の中途部に枢支され、前記回動アーム403を回転駆動することによって、植付爪93をクランク運動させている。
【0132】
また、前記入力軸185は、前右側の十字型管継ぎ手167aの横方向から前方に突出する部分に、ユニバーサルジョイント部159を介してPTO伝動軸158の一端が連結され、前述したPTO軸65からの動力がPTO伝動軸158及びユニバーサルジョイント部159を介して伝達される。
したがって、伝動が簡略であり、部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0133】
前記入力軸185の後端部にはベベルギア185aが固設され、植付爪駆動軸184の中途部に固設するベベルギア184aに噛合されて植付爪駆動軸184を駆動している。また前記入力軸185の前部側にはベベルギア185bが固設され、連結パイプ166の伝動軸187の端部に固設するベベルギア187aに噛合されて伝動軸187に動力を伝達している。該伝動軸187の左側にはベベルギア187bが固設され、左側の伝動パイプ165内の伝動軸186の前部に固設するベベルギア186aに噛合されて伝動軸186に伝動され、伝動軸186の後端部に固設するベベルギア186b及びベベルギア184aを介して植付爪駆動軸184が駆動され、伝動パイプ164・165の後部側方に配置するクランク機構171を駆動して植付爪93を図49で示す軌跡を描くように回転せしめて、苗の植え付けを行うようになっている。
したがって、動力損失のない、効率のよいシンプルな動力伝達機構が実現できている。
【0134】
次に、横送り軸180等の苗載台への動力伝達機構について説明する。
前記支持プレート174の外側面には苗載台駆動ケース172が固設され、この支持プレート174と苗載台駆動ケース172の嵌合部はパッキンが不要で水等が浸入せず、組み立ても容易にできるように、図50に示すように、苗載台駆動ケース172の外周に合わせた支持プレート174の周囲に段差174aが形成されている。
【0135】
そして、前記支持プレート174前部と前記横連結パイプ166の右側に固設した支持プレート175前部に、それぞれベアリング405、ボス406を介して横送り軸180が軸支されている。該横送り軸180が支持プレート174・175の間にガタつくことなく正確に組み付けられるように、前記ボス406と支持プレート174・175の間にはシム407・407が介装されて、隙間調節が容易にできるようにしている。
前記横送り軸180の左端部が苗載台駆動ケース172内に挿入されている。横送り軸180は連結パイプ166と平行状に配置され、側面視において、横送り軸180がローリング支点軸176の上方に配置されており、横送り軸180の支持構成がシンプルになって、効率のよい配置構成となっている。
【0136】
また、連結パイプ166内の伝動軸187の左端部も苗載台駆動ケース172内に挿入されて、端部にギア188が固設され、前記苗載台駆動ケース172に挿入された横送り軸180の左端部にもギア189が固設され、ギア188とギア189が噛み合うことにより、横送り軸180に動力を伝達する苗載台駆動機構が構成されている。
前記横送り軸180上には滑り子摺動用の溝180aが形設されており、横送り軸180の外周面上に滑り子受け191が遊嵌され、滑り子受け191内に付設されている滑り子192が溝180aに嵌入されて、横送り軸180の回動に伴われて溝180a内を摺動し、滑り子受け191が横送り軸180上を左右に往復動する。
【0137】
前記滑り子受け191の後部は苗載台91の裏側に設けた連結体410に嵌合固定されている。
従来の連結体410’は、図52に示すように、U字状に構成されて、前記滑り子受け191を上方より連結体410’に挿入後に平頭ピン411を連結体410’上部に挿入して抜けとめとしていたが、部品点数が多く、苗載台を組んだ後に平頭ピン411を通すので面倒な作業となっていた。
そこで、本実施例では、図51、図53に示すように、連結体410を正面視「ロ」状に板金加工して、連結体410の前部上は組付け完了時に上方に抜けない程度に切欠き410aを設けて、組み立てを容易にできるようにしている。
このようにして苗載台91が連結され、横送り軸180の回動によって苗載台91が正確に左右往復動される。
【0138】
また、図39、図54の示すように、側面視において、横送り軸180の右側端部で人力軸185の上方位置には縦送りカム193が突設され、従来の縦送りカム193駆動用の縦送り軸をなくし、横送り軸180が縦送り軸として兼用されるようになっている。
したがって、部品点数が削減され、コストダウンとなっている。
前記縦送りカム193の外側(右側)には、図54に示すように、カムカバー412が設けられて、縦送りカム193が回転する周囲における従動カム(カムフォロア)413(図46)と当接する位置以外の側方を覆う構成とし、オペレーターが手を突っ込んでけがをしたり、ワイヤーハーネス等が絡みついたりすることを防止している。
【0139】
前記縦送りカム193は苗載台91の裏側(前面)下部に設けられている従動カム413と当接可能に配設され、該従動カム413は左右に2本突設されており、従動カム413の間隔は横送りによる苗載台91の移動距離と等しく構成され、苗載台91の横送り往復動の終端位置において、縦送りカム193と一方の従動カム413とが当接されるようにしている。該従動カム413の基部はワンウェイクラッチを介して縦送り軸414に連結され、該縦送り軸414は苗載台91の下部に回転自在に横架され、図45に示すように、その上方に縦送り従動軸415が平行に回転自在に支持され、該縦送り軸414及び縦送り従動軸415上にはそれぞれ各条毎に縦送りローラー194・194・・・が二つずつ外嵌固定され、該縦送りローラー194・194・・・の表側は苗載台91に設けた開口部より突出させて、上下の縦送りローラー194・194間に縦送りベルト195が巻回されている。
【0140】
このようにして、横送り軸180が駆動されて苗載台91が左右に往復摺動されて、右端または左端に至ると、縦送りカム193の回転によってその先端が従動カム413に当接して従動カム413が回動され、該従動カム413の回動によってワンウェイクラッチを介して縦送り軸414が回動されて、縦送りベルト195が回動されて苗マットが正確に下方へ縦送りされる。
そして、縦送りカム193が従動カム413より離れると、従動カム413は戻しバネによって元の位置に戻るのである。
【0141】
前記縦送りローラー194の構成は、従来において外周形状が複雑であり、縦送りローラー194を成形するための金型が、縦送りローラー194の円周方向に4分割した4個の金型が必要となっていた。本実施例においては図55、図56に示すように、外周の左右中央部に縦送りベルト195が横ずれしないように山部195a・195a・・・が一定間隔をおいて、かつ、千鳥状に配置されて、左右の割り型で容易に製作できるうようにしている。
つまり、金型の数を減らしてコスト低減化を図っている。
【0142】
また、図2に示すように、前記従動カム413が位置する苗載台91の苗マットを載せる部分を左右に区切るリブ91aには開口部91bが形成され、通常は蓋で閉じられているが、メンテナンスを行う場合には、蓋を開けて縦送り軸414との回転部に注油等ができるようにしている。
【0143】
また、苗載台91の下部には、図43に示すように、下部レール95上をスムースに摺動できるように苗台シュー416・416・416が三つ配置されており、該苗台シュー416は、従来図45に示すように、四つ等間隔で配置されていたが、小型、特に4条植えの田植機においては三つでも十分支えることができ耐久性もある。
そこで、本実施例では、苗台シュー416を左右両側下部と中央付近の三カ所に位置する構成としている。
そして、前記従動カム413を戻すためのバネ力が大きい場合には、図57に示すように、中央の苗台シュー416を従動カム413が位置する側に寄せて配置し、従動カム413が戻る時に受ける力が中央及び左側の苗台シュー416で受けるようにしている。
また、前記バネ力が弱く戻る時のショックが殆どない場合には、図58に示すように、中央の苗台シュー416を右側に寄せて配置し、縦送りカム193が駆動されて従動カム413が受ける力によって生じるモーメントを中央と右側の苗台シュー416で受けるようにしている。このようにして苗台シュー416を一つ削減することによっても、軽量化とコスト低減化を図っている。
【0144】
前記苗載台91は下部レール95上に左右摺動自在に載置され、図43、図47、図59に示すように、該下部レール95の両側はステー420・420上に固定され、該ステー420は後面視逆L字状に構成されて、該ステー420の上面には逆U字状に構成したフック421が固定され、ステー420下面にはガイドロッド422が突設されている。
一方、前記植付伝動フレーム92の伝動パイプ164・165の前部側面にコ字状に構成したガイドステー423・423が固設され、該ガイドステー423・423に、前記ステー420の側面とガイドロッド422・422が昇降時にガイドされるようにしている。
【0145】
そして、苗取量設定レバー196の基部が左右方向に設けた支点軸424の右側に固設され、該支点軸424の左右両側には係合板425・425が後方に突設され、該係合板425・425の先端に形成した凹部を前記フック421・421に挿入係合している。そして、支点軸424の右端は前記十字型管継ぎ手167aに固設したブラケット426に枢支され、左端は前記支持プレート174に枢支されている。
但し、支点軸424の左端は十字型管継ぎ手167bにブラケット426を固設して枢支することも可能てある。
そして、苗取量設定レバー196の上部は前記レバーガイド178に挿入されて前上方へ突出されている。
【0146】
次に、苗載台91の構成について説明する。
図60は苗載台の底面図、図61は苗載台の側面図、図62は苗マット押えの正面図、図63は苗マット押えの分解斜視図、図64は支持部材の側面図、図65は全条一体形成された苗マット押えの底面図、図66は従来の苗マット押えの装着図、図67は従来の条止めの装着図である。
【0147】
苗載台91は、前述のとおり横送り軸180上を左右に往復運動する滑り子受け191の前部に連結されており、横送り軸180の回動によって苗載台91が左右往復するよう装着されている。
そして、本実施例における苗載台91は4条植えとしている。該苗載台91は前高後低となるよう装着されており、その後端の上部側面にはパイプにて形成された苗マット押え250及び苗押え棒251が装着されている。
【0148】
前記苗マット押え250及び苗押え棒251は、図60及び図61の如く、左右方向に2条分の幅をもつ部品より構成され、4条植えの苗載台91の下部に2対の苗マット押え250及び苗押え棒251を配置する構成としている。
そして、該苗マット押え250は、平面視略U字状のパイプで形成される外フレーム250aと、外フレーム250aの開放側に左右方向に固定された補強フレーム250bが一体的に形成され、さらに、側面視で略L字状のパイプで形成された押えフレーム250c・250c・・・の苗送り方向と平行に伸延するパイプが、苗載台91の後面(苗マット載せ面)に一定の間隔をおいて配置され、苗マットを載置した時にずれたり落下したりしないようにしている。
【0149】
前記押えフレーム250c・250c・・・の他端が外フレーム250aの左右方向のパイプの下部に取付けている。また前記押えフレーム250cは、外フレーム250aの左右方向のパイプに1条幅に対して2本、つまり本実施例においては、外フレーム250a上に2対4本の押えフレーム250c・250c・・・が取り付けられている。
そして、側面視で該押えフレーム250c・250c・・・の下部は補強フレーム250bの上面側に固設して(または当接して)支えるよう構成しているので、簡易な構成でもって、充分な強度を確保できる。
【0150】
また、前記苗押え棒251は平面視で略U字状のパイプにて形成されている。苗載台91の下部側面に、苗載台91に対して略垂直方向に端部の支持部材としてフレーム支持板252・252が突出され、左右中央のリブ上にもフレーム支持板252Mが突設されて、苗載台91下端の左右両側と中央の3個所に装着されている。
そして、該フレーム支持板252の上部に取付板252aが固定されて、該取付板252aの上面に苗マット押え250の外フレーム250aの両側端部がクランプ253aで固定され、下面側からは苗押え棒251の両側がクランプ253bで固定されている。よって、一つの支持部材(クランプ253a・253b)で苗マット押え250及び苗押え棒251を支持することができ、部品点数の削減によるコストダウンを可能としている。
また、図62、図63で示すように、苗マット押え250を固定しているクランプ253aは、上部から固定ねじ254にて締結され、固定ねじ254を弛めることにより該苗マット押え250の着脱したり、高さを調節したりすることを可能としている。前記固定ねじ254は上部に屈曲したアーム部が構成されており、容易に回動できて苗マット押え250の着脱作業の操作性を優れたものとしている。
【0151】
また、前記外フレーム250a及び補強フレーム250bには各条毎に条止め256が装着されており、該条止め256は両側より下方にアーム257を突出し、側面視でL字状に一体的に構成して、該アーム257の先端に係合部257aを設けて、前記補強フレーム250b上で回動自在に軸支され、着脱可能としている。また前記条止め256の後端にフック256aを形成し、該フック256aは前記外フレーム250aに係止可能としている。
【0152】
このようにして、条止めを行わない場合には、前記条止め256を上方に回動し、フック256aを前記外フレーム250aに係止することで係合固定し、条止めを行う時にはフック256aの係合を解除して係合部257a中心に下方へ回動して条止め256先端を苗載台91に当接させて苗マットが下方へ滑り落ちることを防止するようにしている。
このような構成とすることで、従来のように条止め256を軸支するための新たな部品を必要とせず、苗マット押え250を支持部材に兼用して利用可能な構成としている。
【0153】
また、前記苗マット押え250及び苗押え棒251は左右二つで一つの苗載台に配置しているが、図65に示すように、一組の苗マット押え250及び苗押え棒251で構成することが可能である。この場合、左右方向に長くなるために、中央部がその重量で撓んでしまうので、その左右方向で中央付近には側面視で略L字状に構成した中央近傍の支持部材255が、苗載台91の中央のリブ上に固定装着されている。
そして、図64で示すように、該支持部材255の短辺側の上方へ突出した部分は略三角形に形成され、短辺部上辺には、苗マット押え250の補強フレーム250bを支持する長溝255aが穿設され、その中央部には苗押え棒251を挿入支持する長孔255bが穿設されている。
【0154】
このようにして、左右方向で中央付近に撓みの力が加わる、苗マット押え250及び苗押え棒251を支持部材255で下部側から支持し、簡易な構成でもって充分な補強の役割を成している。
さらに、該補強フレーム250bを長溝250a内で、また該苗押え棒251を長孔255b内で、それぞれ適切な位置に移動させ、前記クランプ253により固定することにより、該苗マット押え250及び苗押え棒251の高さ調整を可能とし、最大に撓んでも、長溝250a及び長孔255bで規制されて外れたりすることがない。
【0155】
以上のように苗マット押え250及び苗押え棒251を構成することにより、従来の1条ごとに取り付けられていた苗マットの押え構造と比較すると、部品点数が大幅に削減されるばかりでなく、組立て構成が簡易になるためメンテナンス性に優れている。よって部品点数削減、組立て工程の簡易化による製造コストの低減も実現されるのである。
また、苗マット押え250及び苗押え棒251の高さ調整を、簡易な構成である支持部材255にて実現しているので、操作性が優れており、また、複数の苗マット押え250及び、苗押え棒251が一体構造となっているため、複数条分の高さを同時に同じ高さに調整可能となり、簡易な構成でもって、確実な苗マットの押えを可能としている。
【0156】
また、本実施例においては、4条植えの苗載台91に対して2条用の苗マット押え250及び苗押え棒251を2対装着しているが、6条植えの田植機のおいては、3条用のものを2対、または2条用のものを3対装着する等、その組み合わせは適宜調整される。
また、前述のように、全条一体化した苗マット押え250及び苗押え棒251を装着することも可能である。
このような構成をとることで、苗マット押え250及び、苗押え棒251の高さ調整を全条一度に同じ高さとなるよう調整可能であり、また、さらなる部品点数の削減と組み立て工程の簡易化を図ることができ、田植機の軽量化及び、コスト削減を実現するのである。
【0157】
次に、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97とサイドフロート98・99との支持構成について説明する。
図1、図48、図49で示すように、植付部9の動力伝達部である植付伝動フレーム92の下部に支点軸161が左右のサイドフロート98・99の幅に合わせて横設され、該支点軸161は両側をU字状に構成した取付プレート430・430の凹部に嵌合させて、該取付プレート430・430の上端が前記支持プレート174・175の下部にボルト等で固定され、支点軸161が植付伝動フレーム92に支持されている。
【0158】
前記支点軸161より前方に操作アーム163が突出され、操作アーム163の後端部より上方に向かって植深さ設定レバー79が設けられている。よって、オペレーターが植深さ設定レバー79を操作し易く、容易に調整することができるようになっている。
また、前記支点軸161の適所位置より後下方の各フロートの後部に向けて支持アーム162・162・・・が突設され、該支持アーム162・162・・・の後部に各フロートの後部が枢支されている。
【0159】
そして、前記センターフロート97の前部上には植付部と田面間の距離を検知するためのセンサーリンク431が配置され、操作アーム163と支持されている。前記センターフロート97の前端はミッションケース6の後端に位置する後車輪駆動軸69の下方に位置するようにしている。
このような配置構成とするために、前記昇降リンク機構10のトップリンク11とロワーリンク12の長さは従来よりも短く構成している。そして、図30に示すように、ミッションケース6の後下部の形状は、前記センターフロート97の昇降軌跡xと略同じ形状としている。
【0160】
このように構成することによって、植付部9を昇降した時にはセンターフロート97前端はミッションケース6を回避してその後部に沿う如く昇降することになり、センターフロート97とミッションケース6が干渉することがなく、昇降されるのである。
そして、田植機の全長は短くなり、運転席7と植付部9との間の距離が短くなり、苗継ぎが容易に行える。また、植付部9を前方に設けることができて、重量バランスを改善できる。
【0161】
次に、植付作業時に植付部9を支持するサイドフロート98・99の支持構成について説明する。
図68はサイドフロート支持部の側面図、図69は同じく平面図、図70は支点軸側部の線引きマーカー取付部の平面図、図71は同じく側面図である。
【0162】
図48、図49、図68、図69において、前記支点軸161の左右両側の適所位置より後下方の両サイドフロート98・99の後部に向けて一対ずつ支持アーム162・162・・・を突設している。一方、サイドフロート98・99の後上面には、正面視で略L字形状に折り曲げられた支持板270が取り付けられている。該支持板270の側板270aは、側面視で略三角形状に形成されており、該側板270aには支持ピン270bを挿嵌するためのピン孔270cが穿設されている。
そして、前記支持軸161から後下方に突設している支持アーム162は、正面視で断面が略逆U字形状をしており、下方向に開放した略U字形状の先端を該支持板270の側板270aの上方から嵌合させ、該支持ピン270bにより回動自在に軸支されている。
【0163】
本実施例においては、左右それぞれのサイドフロート98・99はそれぞれ、2本の支持アーム162により支持されている。そして、それぞれ図69において左側の支持アーム162を枢支する前記支持ピン270bの外周にはコイルバネ271が巻かれ、該コイルバネ271の一端のフック部271aは前記左側の支持アーム162の途中部分に掛止され、該コイルバネ271の他端は前記支持板270の底面上へ延出し、サイドフロートの上面を押圧するようにして、サイドフロートの前部が持ち上げられて水平に保つように付勢している。
但し、前記コイルバネ271は弾性体であればよく、板バネやゴム等で水平に付勢するものであれば限定するものではない。
【0164】
また、支持アーム162の後部下面の支持板270上面と当接する部分は、図68に示すように、支持ピン270bによる枢支位置下方より後方に斜め後上方にカットして下げストッパー面162aを形成し、支持ピン270bの枢支位置下方より前方に斜め前上方にカットして上げストッパー面162bとしている。 このように支持アーム162の後下部にストッパー面162a・162bを構成することにより、該コイルバネ271の弾性力によりサイドフロート98・99の上下方向の揺れを吸収するとともに、植付部9を持ち上げた時や植付作業時に凹凸のある耕盤上を通過する時に下げストッパー面162aによってサイドフロート98・99が所定角度以上回動して他の部材を損傷したりすることを防止して、回動量を規制している。
また、サイドフロート98・99による均平作業時にサイドフロート98・99前部が急激に持ち上げられても、前記上げストッパー面162bによってその回動量を規制して、他の部材と干渉されることがない。
【0165】
また、前記支点軸161より前上方に植深さ設定レバー79が突設され、先端部をレバーガイド179を挿通して運転席後方へ突出している。このため、オペレーターが植深さ設定レバー79を操作し易く、容易に調整することができるようになっている。
そして、この植深さ設定レバー79を操作すると、支持アーム162の後端が支点軸161を中心に上下動し、各フロートと植付伝動フレーム92との間の間隔が調整されて、植付爪93によって切り取った苗を植え付ける深さを調整できるようになっている。
【0166】
このような構成で、サイドフロート98・99を支持しているので、サイドフロート98・99の前方部分には、従来のような支持部材が必要なくなり、前方部分の空間が開放されるため、横送り機構を配置することが可能となり、植付部9、苗載台91を前方に配置することが可能となり、全長を短く構成できる。
また、支点軸161の前方でサイドフロート99の上方空間に、植付伝動機構を収納する苗載台駆動ケース172を配置したので、植付部9がコンパクトな構成となった。
これにより、植付部9、苗載台91を後輪3のすぐ後ろの位置に配置することが可能となるため、田植機全長を短縮することができ、前輪2のバランス改善にもなる。
そして、サイドフロート98・99の前部に従来設けられていた支持部材をなくすことができたので、部品点数の削減となり、コストダウンを図ることができる。
【0167】
また、前記支点軸161両側に線引きマーカー272・272を取り付けている。すなわち図70及び図71の如く、該線引きマーカー272は、その基端部をマーカーブラケット273に固定されており、該マーカーブラケット273は側面視逆U字状に構成されて、上下中途部をピン275によって前記支点軸161の両側に上下方向に回動自在となるよう枢支されている。
前記マーカーブラケット273の下端部は第一マーカー付勢バネ276の一端に係止され、該第一マーカー付勢バネ276の他端は支点軸161に固定したステー277に係止され、線引きマーカー272の先端が下方へ回動するように付勢している。前記マーカーブラケット273の上側には係止ピン288が横架され、該係止ピン288の一端に線引きマーカー272の引き上げ用のワイヤー278が連結されている。
【0168】
また、前記マーカーブラケット273の左右方向中央側の支点軸161上にマーカーフック274の下部がピン279によって枢支され、前記マーカーフック274の下端が第二マーカー付勢バネ268の一端が係止され、該第二マーカー付勢バネ268の他端は前記ステー277に係止されている。
前記マーカーフック274の中途部にはロック解除用のワイヤー267が係止され、マーカーフック274の先端がフック部として前記係止ピン288を係止できるようにしている。
【0169】
このような構成において、植付部9を上昇させると引き上げ用のワイヤー278が引っ張られて、線引きマーカー272が上昇回転して引き上げられる(図70における一点破線で示す線引きマーカー272’及びマーカーブラケット273’)。
そして、上昇端位置でマーカーブラケット273の係止ピン288がマーカーフック274に係止されて、線引きマーカー272を上昇位置に保持する。
また、線引きマーカー272を下げて圃場に線を引く場合には、ロック解除用のワイヤー267を引っ張ることによって、マーカーフック274と係止ピン288の係合が外れて、マーカーブラケット273が第一マーカー付勢バネ276の付勢力によって引っ張られて、線引きマーカー272を側方へ回動する。
そして更に、ワイヤー267の操作を止めると、マーカーフック274は第二マーカー付勢バネ268の付勢力によって先端が下方へ回動するように付勢されて、該マーカーフック274先端面274aが係止ピン288に当接し、これにより線引きマーカー272を下方へ回動するように押して、二つの付勢バネ276・268で線引きマーカー272を押し、線引きマーカー272が浮き上がることなく、常に圃場に突っ込んで確実に線を引くようにしているのである。
【0170】
次に、植付部への動力伝達構成を説明する。
図72は植付部への動力伝達構成を示す側面図、図73は植付部への動力伝達構成を示す平面図、図74は別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図、図75は別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図である。
【0171】
前述した如く、植付部9の植付伝動フレーム92内には、ユニバーサルジョイント部159を介して、ミッションケース6側に軸支したPTO軸65に連動連結されている。
具体的には、図72、図73に示すように、前記PTO軸65は、半割り形状のミッションケース6の合わせ面に設けた開口より突出され、PTO軸65に連動連結したPTO伝動軸158を合わせ面に沿ってその上方に配置されている。
前記PTO伝動軸158は、ミッションケース6の後上部に立設した支持部材160に枢支されている。このミッションケース6の合わせ面は、走行車両1の左右中央部となっており、PTO軸65及びPTO伝動軸158も同じ左右中央部に配置されている。
【0172】
そして、前記PTO軸65より動力を植付伝動フレーム92に伝達する構成としては、前後に直線状に伝達することが動力伝達経路が短くなるという観点より望ましいが、植付伝動フレーム92の左右中央部の前方にはセンターフロート97前部が前上方に反り上げられており、植付部9を上昇させた場合に、センターフロート97前部が動力伝達経路上に重なるため、植付伝動フレーム92の左右中央部に動力を入力することができないものであった。
【0173】
そこで、前述した如く、植付伝動フレーム92の右側の伝動パイプ164に入力軸185を軸支し、センターフロート97の側方より動力を取り入れる構成としている。この入力軸185前部とPTO伝動軸158とを、傾斜状に配置するユニバーサルジョイント部159を用いて連動連結し、平面視でセンターフロート97を迂回して配置されている。このユニバーサルジョイント部159は、前後端部にユニバーサルジョイントが形成されているので、PTO伝動軸158に対してこの入力軸185の軸芯が右側にずれ、さらに昇降リンク機構10の昇降駆動によって上下に平行に移動されても、動力を伝達することができる。
【0174】
よって、前記昇降リンク機構10の昇降駆動によって、図72中の二点鎖線のように植付部9を上昇させても、センターフロート97とユニバーサルジョイント部159とが干渉されることがなく、植付部9を下降させてもユニバーサルジョイント部159の前部側がミッションケース6後部の側方を通過されるので、ミッションケース6とも干渉されることがなくなっており、植付部9の昇降ストロークを長くすることができる。
さらには植付部9を昇降可能に吊設する昇降リンク機構10の前後長さを短くしても、上下の昇降ストロークを大きくすることができるのでき、機体全長を短くしたコンパクトな田植機を実現することができる。
【0175】
また、入力軸185を軸支した伝動パイプ164は、図73に示すように、前後方向に配置され、PTO伝動軸158と入力軸185とが平面視において平行となっている。さらには図72に示す如く、PTO伝動軸158に対して伝動パイプ164が平行に配置されているので、側面視においてPTO伝動軸158と入力軸185とが平行となっており、PTO伝動軸158からユニバーサルジョイント部159への動力伝達と、ユニバーサルジョイント部159から入力軸185への動力伝達とが等しくなっており、入力軸185へ伝達する回転数が増減変動することがなく、ミッションケース6で株間変速した動力が正確に伝達される。したがって、植付け駆動に悪影響を及ぼすことがなく植付性能が高く維持されている。
【0176】
また、図74に示すように、前上方に反り上がった前記センターフロート97前部の左右中央部に凹部97aを形成し、PTO伝動軸158後端部から後方へ直線状にユニバーサルジョイント部159’を突設して、植付伝動フレーム92の左右中央部に動力を伝達する構成とすることもできる。
この構成において、昇降リンク機構10を用いて植付部9を上昇させても、ユニバーサルジョイント部159’の途中部を凹部97a内に配置されるので、センターフロート97に干渉されることがない動力伝達経路を構成することができる。
なお、この場合には、センターフロート97前部に配置するセンサーリンク431を左右に位置をずらして配置してユニバーサルジョイント部159’と干渉することがないようにする必要がある。
【0177】
また、図75に示すように、ミッションケース6’を走行車両1の左右中央部より左右一方にずらして配置し、ミッションケース6’の合わせ面の上方であるPTO伝動軸158をセンターフロート97の側前方に配置し、PTO伝動軸158より後方に直線状にユニバーサルジョイント部159”を突設し、センターフロート97の反り上がった部分を迂回して植付伝動フレーム92内に動力を伝達する構成とすることができる。
この場合にも、植付部9を上昇させても、センターフロート97とユニバーサルジョイント部159”とが干渉されることがなく、動力伝達経路を短くすることができる。
【0178】
以上、何れにしても本実施例の田植機は、車輪等の支持構造やミッションケース内における動力伝達構成等がシンプルであり、走行車両全体の構成も簡略化されているので、組立作業も容易であり、剛性を損なうことなく軽量化・小型化されているので、全体としてコストがかからず、安価に製造することができる。
そして、各種レバー類も機能別に集中配置されて操作性が非常に長く、安全性の高い田植機が実現できる。
【0179】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
田植機Aの走行車両に装着された昇降リンク機構10の後端のヒッチ94に植付部9をローリング自在に連結する構成において、植付伝動フレーム92を構成する連結パイプ166の左右方向で中央に連結部材260を固定し、該連結部材260は連結パイプ166より前方へ延出され、該連結部材260の前方部分にはヒッチ94の下部に嵌合されるブラケット260aを形成し、該ブラケット260aの前後の壁にはパイプ260bが前後方向に挿入固定され、前記昇降リンク機構10の後端のヒッチ94の下部には、下方向に開放する側面視略門型状のヒッチ側ブラケット94aを形成し、該ヒッチ側ブラケット94aは前記ブラケット260aを嵌合できる大きさとし、該ヒッチ側ブラケット94aの前後の壁には前記パイプ260bの位置に合わせて接合孔94b・94bを穿設し、該ヒッチ側ブラケット94aとブラケット260aを貫通してローリング支点軸176を挿入したことにより、従来のように、植付部に組込んだ軸が片持ち支持ではないので、強度を確保するために構成が大きくなり、またベアリングを使用しているため部品点数が多くなり、構成も複雑でコストを高くしていた点を解消できたのである。
即ち、使用していたベアリング等ヒッチ台の部品が必要なくなり、またローリング支点軸も従来のローリング軸より小さな部品で良く、コストダウンが図れるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型乗用田植機の概略側面図である。
【図2】同じく概略平面図である。
【図3】予備苗載台を機体の内側に向けて取り付けた際の全体平面図である。
【図4】進行方向右側の予備苗載台を機体の内側に向くように取り付けた際の小型乗用田植機の全体斜視図である。
【図5】車体フレームとミッションケースの概略側面図である。
【図6】同じく概略平面図である。
【図7】ボンネットを外した状態の斜視図である。
【図8】ボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視図である。
【図9】田植機前部の側面図である。
【図10】車体カバーと車体フレームの平面図である。
【図11】後部カバーの平面図である。
【図12】前部カバーの平面図である。
【図13】滑り止め部材の斜視図である。
【図14】同じく正面図である。
【図15】エンジン及びエンジンカバー部分の側面図である。
【図16】同じく平面図一部断面図車体フレームの一部拡大平面図である。
【図17】操向ハンドルと各種操作レバー類との位置関係を示す概略斜視図である。
【図18】運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作レバー類、及び油量計を示す概略平面図である。
【図19】運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作レバー類、及び油量計を示す概略平面図である。
【図20】油量計を付設した燃料タンクの概略側面図である。
【図21】油量計を付設した燃料タンクの概略側面図である。
【図22】外周の一部に直線部を設けた操向ハンドルを示す概略斜視図である。
【図23】昇降リンク機構部分の概略側面図である。
【図24】ミッションケースの右側面図一部断面図である。
【図25】ミッションケースの平面展開断面図である。
【図26】ミッションケース前部の変速ギア構成を示す平面展開断面図である。
【図27】ミッションケースの左側面図である。
【図28】ミッションケースの伝動別実施例を示す平面展開断面図である。
【図29】ミッションケース下部の別実施例を示す側面断面図である。
【図30】ミッションケース下部の別実施例を有する田植機の全体側面図である。
【図31】ミッションケース前側部の株間変速のカバーの着脱構成を示す平面断面図である。
【図32】ミッションケース前下部のデフ機構を示す部分正面断面図である。
【図33】ミッションケース前部に配置する給油パイプの構成を示す側面図である。
【図34】ミッションケースへの動力断接操作構成を示す側面図である。
【図35】ミッションケースへの動力断接操作構成を示す平面図一部断面図である。
【図36】従来のブレーキロッドの配置構成を示すミッションケースの側面図である。
【図37】ステアリングシャフト下部の側面図である。
【図38】操向操作とデフロック機構との連動構成を示す平面図である。
【図39】植付伝動フレーム92の平面断面図である。
【図40】連結部材の側面図一部断面図である。
【図41】ヒッチの側面図である。
【図42】同じく後面図である。
【図43】苗載台下部のヒッチ部分の側面図である。
【図44】ヒッチの斜視図である。
【図45】苗載台の裏面から見た図である。
【図46】苗載台の側面図である。
【図47】苗載台支持フレームの平面図である。
【図48】フロート支持部の平面図である。
【図49】同じく側面図である。
【図50】駆動ケースの後面断面図である。
【図51】苗載台裏側の連結体部分を示す図である。
【図52】同じく従来の連結体を示す図である。
【図53】連結体の斜視図である。
【図54】植付フレーム前部の左側面図である。
【図55】縦送りローラーの正面断面図である。
【図56】縦送りローラーの側面図である。
【図57】苗台シューを左側によせて配置した苗載台の概略図である。
【図58】苗台シューを右側によせて配置した苗載台の概略図である。
【図59】苗載台の上下調節部分の斜視図である。
【図60】苗載台の底面図である。
【図61】苗載台の側面図である。
【図62】苗マット押えの正面図である。
【図63】苗マット押えの分解斜視図である。
【図64】支持部材の側面図である。
【図65】全条一体形成された苗マット押えの底面図である。
【図66】従来の苗マット押えの装着図である。
【図67】従来の条止めの装着図である。
【図68】サイドフロート支持部の側面図である。
【図69】同じく平面図である。
【図70】支点軸側部の線引きマーカー取付部の平面図である。
【図71】同じく側面図である。
【図72】植付部への動力伝達構成を示す側面図である。
【図73】植付部への動力伝達構成を示す平面図である。
【図74】別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図である。
【図75】別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図である。
【図76】機体の内側向きに取り付け可能とした予備苗載台の正面図である。
【図77】別形態のボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視図である。
【符号の説明】
A 田植機
9 植付部
10 昇降リンク機構
92 植付フレーム
94 ヒッチ
176 ローリング支点軸
260 連結部材

Claims (1)

  1. 田植機Aの走行車両に装着された昇降リンク機構10の後端のヒッチ94に植付部9をローリング自在に連結する構成において、植付伝動フレーム92を構成する連結パイプ166の左右方向で中央に連結部材260を固定し、該連結部材260は連結パイプ166より前方へ延出され、該連結部材260の前方部分にはヒッチ94の下部に嵌合されるブラケット260aを形成し、該ブラケット260aの前後の壁にはパイプ260bが前後方向に挿入固定され、
    前記昇降リンク機構10の後端のヒッチ94の下部には、下方向に開放する側面視略門型状のヒッチ側ブラケット94aを形成し、該ヒッチ側ブラケット94aは前記ブラケット260aを嵌合できる大きさとし、該ヒッチ側ブラケット94aの前後の壁には前記パイプ260bの位置に合わせて接合孔94b・94bを穿設し、該ヒッチ側ブラケット94aとブラケット260aを貫通してローリング支点軸176を挿入したことを特徴とする植付フレームの支持構造。
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