JP2001218493A - 同期モータ制御方法およびその装置 - Google Patents

同期モータ制御方法およびその装置

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JP2001218493A
JP2001218493A JP2000166237A JP2000166237A JP2001218493A JP 2001218493 A JP2001218493 A JP 2001218493A JP 2000166237 A JP2000166237 A JP 2000166237A JP 2000166237 A JP2000166237 A JP 2000166237A JP 2001218493 A JP2001218493 A JP 2001218493A
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synchronous motor
phase
power supply
control
position sensor
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JP2000166237A
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Inventor
Hiroyuki Yamai
広之 山井
Atsushi Suhara
淳 須原
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置センサの取り付け精度を高めなくても波
形制御を高精度化するとともに、高応答性を実現する。 【解決手段】 任意に装着されたパルスエンコーダ2、
アップ/ダウン・カウンタ3、インバータ4、PWM制
御部5、電流制御部6、スイッチングパターン選択部
7、始動シーケンス部8、回転位置角設定部9、および
加算器10を有し、始動時に始動シーケンス部8から電
流制御部6に所定の電流振幅指令を供給して同期モータ
1の固定子をロックすることにより、回転子位置角と通
電波形との位相を特定し、この位相およびアップ/ダウ
ン・カウンタ3の内容に基づいて回転子の位置角を検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、制御電源を制御
して同期モータに所定の電圧もしくは電流を供給するこ
とにより同期モータを制御するための方法およびその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境保護の観点から各種機器の省エ
ネルギーのニーズが高まっている。
【0003】こうした背景の中、電動可変速モータ(以
下、単に可変速モータと略称する)は、これを駆動する
ための電源の周波数とモータ回転数との間にあるすべり
により原理的に効率が悪い非同期モータ(例えば誘導モ
ータなど)に代わって、前記すべりがないため高効率な
同期モータ(例えば、ブラシレスDCモータ、シンクロ
ナスリラクタンスモータ、スイッチトリラクタンスモー
タなど)が主流になってきている。
【0004】同期モータでは、これに接続された制御電
源(例えば、インバータ、サイクロ(登録商標)コンバ
ータなどであり、以下、単にインバータと称する)の周
波数と回転数とを同期させるために回転位置検出が不可
欠であり、(1)モータ軸に回転位置センサを取り付け
て回転位置角を直接検出する方法、または(2)モータ
端子電圧や電流などを検出して回転位置角を間接的に検
出する方法が用いられる。
【0005】産業機械や工作機械用途で用いられる同期
モータは、トルクリプル補償や高速トルク応答を実現す
るモータ制御が望まれる。このため、モータを駆動する
インバータの電流もしくは電圧波形の振幅や位相を回転
位置角に応答して、精密に、かつ高速に制御する必要が
あり、一般的には回転位置センサには、回転角の検出分
解能が1000パルス/回転以上で、レゾルバや絶対値
エンコーダなどの回転角の絶対位置検出機能を有するも
のが採用される{山村他、「パワーエレクトロニクス入
門(改訂2版)」、オーム社、p.217−p.219
参照}。そして、この回転位置センサからの出力信号は
インバータを制御するための高性能・高速マイコンやア
ナログ回路に入力されている。
【0006】なお、モータ端子電圧や電流などを検出し
て回転位置角を間接的に検出する方法を用いる場合に
も、同程度の分解能で絶対回転位置角が得られる電子回
路が用いられる。
【0007】このため、一般にモータ制御装置はコスト
高になっている。なお、以降において、これらを「高性
能同期サーボモータ」と称する。
【0008】図34はブラシレスDCモータを採用した
高性能同期サーボモータの装置構成例を示すブロック図
である。
【0009】ブラシレスDCモータの回転軸には、10
24パルス/回転の分解能を持つ絶対位置エンコーダ
が、その検出位置角の”0”とブラシレスDCモータの
u相逆貴電圧位相の”0”とが一致するように取り付け
られている。そして、絶対位置エンコーダの検出位置角
θに対して外部からの位相指令β*が加算され、加算結
果が3相正弦波発生部に供給されている。この3相正弦
波発生部の出力に速度制御部から出力される電流振幅指
令を乗算し、インバータをスイッチング制御する電流制
御部に電流指令として供給している。そして、インバー
タを介して、指令電流に対応する巻線電流がブラシレス
DCモータに供給される。
【0010】前記速度制御部は、回転位置角を時間微分
して実回転速度を得る速度検出部の出力と外部からの速
度指令とを入力として、例えばPI演算(比例・積分演
算)を行って電流振幅指令を出力する。
【0011】なお、インバータの電流制御の動作につい
ては、例えば、電気学会 半導体電力変換方式調査専門
委員会編、「半導体電力変換回路」、電気学会、p.1
43−p.150などに種々の方式が詳述されているの
で、詳細な説明を省略する。
【0012】図35は図34の装置により得られる電流
波形とモータ逆起電圧波形との関係を示す図である。
【0013】なお、インバータのスイッチング動作に伴
う電流リプルは通常小さいので、簡単化のために図示を
省略している。ブラシレスDCモータの発生トルクは原
理的に、ブラシレスDCモータの巻線電流をモータ逆起
電圧に対して所定の位相{ブラシレスDCモータとして
永久磁石を回転子の表面の装着した構造(以下、表面磁
石構造と略称する)を採用した場合には電気角で0(r
ad)に固定、ブラシレスDCモータとして永久磁石を
回転子の内部に装着した構造(以下、埋込磁石構造と略
称する)を採用した場合には電気角で0〜π/5(ra
d)程度の範囲を電流振幅に応じて変化させる}の正弦
波交流とすれば、トルク発生効率を極大化でき、かつ、
トルクリプルを極小化できる(例えば、畠中他、「PM
形ブラシレスDCモータの最大トルク制御」電気学会半
導体電力変換研究会、SPC−91−6、1991年参
照)。
【0014】そして、1024パルス/回転の高分解能
な位置検出器を採用しているので、図35のような正弦
波電流を各相に供給でき、かつ、回転子の絶対位置角を
検出しているので、モータ巻線電流とモータ逆起電圧と
の位相を正確に設定できている。
【0015】一方、低コストが求められる家庭機器用途
で使われる同期モータの回転位置センサとしては、同期
モータを1回転させるのに必要なインバータ出力波形の
転流回数に等しい分解能、具体的には、4極のブラシレ
スDCモータで12パルス/回転のものが専ら用いられ
ている。この回転位置センサから得られる信号は安価な
ワンチップマイコンに供給され、マイコン処理で位置信
号周期を1サンプル前の速度情報に基づいて分割し、内
蔵タイマにより擬似的な位置信号を得、インバータの電
流もしくは電圧波形の振幅や位相をマイコン制御してい
る。なお、以降において、これを「同期サーボモータ」
と称する。
【0016】図36はブラシレスDCモータを採用した
同期サーボモータの装置構成例を示すブロック図であ
る。
【0017】ブラシレスDCモータの内部には、位置セ
ンサとして最も安価なホール素子が、回転子に装着され
た永久磁石もしくは位置検出用に別途回転軸に取り付け
られた永久磁石の磁束を検出するように、電気的に12
0度毎に3つ配置されている。そして、インバータは、
これらのホール素子によってモータ回転子の位置角に対
応した信号を得てブラシレスDCモータの巻線に120
度通電方式で電圧を印加して駆動するようにしている。
【0018】コンパレータなどにより”0””1”のデ
ジタル信号に変換されたホール素子信号Hu、Hv、H
wは、表1のように、回転位置角(電気角)に対応して
いる。
【0019】
【表1】
【0020】これらホール素子信号はインバータの通電
状態を制御するために、表1、表2に基づいてインバー
タに含まれるトランジスタTrのオンオフ信号を出力す
るスイッチングパターン選択部に供給される。
【0021】
【表2】
【0022】さらに、図37に示す論理回路により、各
ホール素子信号の立ち上がりもしくは立ち下がりに応答
して”0””1””0”・・・と変化するパルス列に変
換され、速度検出部に供給される。速度検出部では、入
力のパルス列の周期測定、並びにその逆数演算を経て速
度情報を出力する。この速度情報はPI演算などで構成
された速度制御部に供給され、ここで得られた演算結果
は電流振幅指令として電流制御部に供給される。電流制
御部には、他にインバータの直流側の電流検出値が供給
され、例えばPI演算によりインバータの出力電圧指令
を演算し、この演算結果と鋸歯状波との比較によりチョ
ッパ信号を出力する。このチョッパ信号は、PWM制御
部を介して選択的に、表2の各モードの”*”に対応す
るトランジスタTrのゲート駆動回路に供給している。
【0023】このPWM制御の結果、インバータ出力電
流波形の波高値が直流側の電流値に設定される。
【0024】なお、通電波形の位相を制御するために、
スイッチングパターン選択部からの出力は遅延部に供給
されている。この遅延部に記憶されたスイッチングパタ
ーン(スイッチングパターン選択部からの出力)は、前
記論理回路からの出力をトリガとしてカウントダウンす
るタイマのアンダーフロー信号に応答して出力される。
ここで、タイマ値は、外部から与えられる位相指令と速
度検出部からの出力(速度情報)とを入力とするタイマ
値演算部で決定される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】産業機器や工作機器な
どで使われている油圧ポンプなどの駆動源に可変速モー
タを使う場合には、ポンプ吐出圧力に発生するサージを
なくし、もしくは低減するために、圧力変化に応答して
高速な流量制御、すなわち、ポンプの回転速度制御を行
うことが必要とされる。
【0026】また、定常時には、ポンプ吐出圧力の脈動
をなくし、もしくは低減するために、高精度なモータの
回転速度制御、もしくはトルク制御が要求され、さらに
は、高効率化のために、モータ発生トルクの極大化が必
要とされる。
【0027】このような要求は、高精度同期サーボモー
タを採用すれば満足することができるが、油圧ポンプ装
置のコストが高くなるので、コストダウンへの要求が高
い油圧ポンプ装置などの用途に適用することは困難であ
る。
【0028】また、同期サーボモータを採用する場合に
は、ホール素子によってモータ回転角の絶対位置を検出
しなければならないので、ホール素子の取り付け位置精
度を高めなければならず、この結果、組立作業が煩雑化
してしまうという不都合がある。
【0029】さらに説明する。
【0030】高性能同期サーボモータに接続される絶対
値エンコーダの構成は図39中(A)〜(E)に示すよ
うに、回転軸に装着されたスリット円盤に位置分解能に
対応して設けられたスリット列に対応して複数のフォト
センサが装着され、対向部に光源が配置されている。そ
して、図39中(D)(E)に示すように、スリットの
開口部に正対するフォトセンサからは受光により”1”
信号が、スリットの開口部に正対しないフォトセンサか
らは非受光により”0”信号が出力される。なお、スリ
ット列は2進数として符号化されているため、例えば、
10列のスリット列を持つスリット円盤と10個のフォ
トセンサ並びに光源の組み合わせにより、10ビットの
分解能(最下位ビットが1回転で1024パルスの出
力)で回転位置角を検出することができる。
【0031】1回転で最下位ビットに1024パルスの
出力のある絶対値エンコーダの場合、例えば、モータの
回転数が100rpsであれば、パルス列の周波数は1
00kHz以上に達する。そして、このような高周波応
答を得るためには、エンコーダに用いるフォトインタラ
プタがコスト高になり、さらに、カップリングなどを介
してモータ軸にエンコーダの回転軸を取り付けるため、
位相合わせを精度よく行うためには、工程が複雑化し、
生産コストが高くなる。
【0032】一方、従来の同期サーボモータにおいて
は、位置センサは安価であっても、ホール素子信号の立
ち上がり、もしくは立ち下がりが絶対位置角を示すの
で、その取り付け精度を高くする必要があり、高性能同
期サーボモータと同様に、工程が複雑化し、生産コスト
が高くなる(例えば、特開平9−149679号公報参
照)。
【0033】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、位置センサの取り付け精度を高めなくて
も波形制御を高精度化するとともに、角度検出の分解能
が低い位置センサを用いて高応答性を実現することがで
きる同期モータ制御方法およびその装置を提供すること
を目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1の同期モータ制
御方法は、停止時に回転子位置角と通電波形との位相を
特定し、始動後に、任意に装着された位置センサからの
出力信号に基づいて制御電源を制御する方法である。
【0035】請求項2の同期モータ制御方法は、前記位
置センサの分解能を同期モータ1回転の転流回数の2倍
以上に設定し、位置センサからの出力信号の変化に同期
させて制御電源波形を出力する方法である。
【0036】請求項3の同期モータ制御方法は、前記位
置センサからの出力信号の周期を速度情報に基づいて分
割して擬似的な位置信号を発生し、擬似的な位置信号に
も基づいて制御電源を制御する方法である。
【0037】請求項4の同期モータ制御方法は、前記位
置センサの分解能を同期モータの1回転当たり200パ
ルス以下に設定する方法である。
【0038】請求項5の同期モータ制御方法は、停止時
に、同期モータの回転子を所定位置にロックするための
トルクに対応する通電電流振幅指令を出力することによ
り、回転子位置角と通電波形との位相を特定する方法で
ある。
【0039】請求項6の同期モータ制御方法は、始動後
に、回転子のロック位置と、回転子のロックと同期して
内容がクリアされ、その後の位置センサからの出力信号
のカウント値との加算結果に基づいて制御電源を制御す
る方法である。
【0040】請求項7の同期モータ制御装置は、停止時
に回転子位置角と通電波形との位相を特定する位相特定
手段と、始動後に、任意に装着された位置センサからの
出力信号に基づいて制御電源を制御する制御電源制御手
段とを含むものである。
【0041】請求項8の同期モータ制御装置は、前記位
置センサとして分解能を同期モータ1回転の転流回数の
2倍以上に設定したものを採用し、前記制御電源制御手
段として位置センサからの出力信号の変化に同期させて
制御電源波形を出力するものを採用するものである。
【0042】請求項9の同期モータ制御装置は、前記制
御電源制御手段として、前記位置センサからの出力信号
の周期を速度情報に基づいて分割して擬似的な位置信号
を発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制御電源を制
御するものを採用するものである。
【0043】請求項10の同期モータ制御装置は、前記
位置センサとして分解能を同期モータの1回転当たり2
00パルス以下に設定したものを採用するものである。
【0044】請求項11の同期モータ制御装置は、前記
位相特定手段として、同期モータの回転子を所定位置に
ロックするためのトルクに対応する通電電流振幅指令を
出力するものを採用するものである。
【0045】請求項12の同期モータ制御装置は、前記
制御電源制御手段として、位相特定手段による回転子の
ロック位置と、回転子のロックと同期して内容がクリア
され、その後の位置センサからの出力信号のカウント値
との加算結果に基づいて制御電源を制御するものを採用
するものである。
【0046】請求項13の同期モータ制御方法は、同期
モータの回転動作に伴って位置センサから出力される出
力信号に基づいて制御電源制御手段により制御電源を制
御して同期モータに所定の電圧もしくは電流を供給する
ことにより同期モータを制御するに当たって、位置セン
サの分解能を同期モータの1回転の転流回数の2倍以上
に設定し、位置センサからの出力信号の変化に同期させ
て制御電源波形を出力する方法である。
【0047】請求項14の同期モータ制御方法は、前記
位置センサからの出力信号の周期を速度情報に基づいて
分割して擬似的な位置信号を発生し、擬似的な位置信号
にも基づいて制御電源を制御する方法である。
【0048】請求項15の同期モータ制御方法は、前記
位置センサの分解能を同期モータの1回転当たり200
パルス以下に設定する方法である。
【0049】請求項16の同期モータ制御装置は、同期
モータの回転動作に伴って位置センサから出力される出
力信号に基づいて制御電源制御手段により制御電源を制
御して同期モータに所定の電圧もしくは電流を供給する
ことにより同期モータを制御するものであって、前記位
置センサとして分解能を同期モータの1回転の転流回数
の2倍以上に設定したものを採用し、前記制御電源制御
手段として位置センサからの出力信号の変化に同期させ
て制御電源波形を出力するものを採用するものである。
【0050】請求項17の同期モータ制御装置は、前記
制御電源制御手段として、前記位置センサからの出力信
号の周期を速度情報に基づいて分割して擬似的な位置信
号を発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制御電源を
制御するものを採用するものである。
【0051】請求項18の同期モータ制御装置は、前記
位置センサとして分解能を同期モータの1回転当たり2
00パルス以下に設定したものを採用するものである。
【0052】請求項19の同期モータ制御方法は、制御
電源の直流通電相を少なくとも1回切り換えることによ
り回転子位置角と通電波形との位相を特定する方法であ
る。
【0053】請求項20の同期モータ制御方法は、制御
電源の直流通電相を2回以上切り換えることにより回転
子位置角と通電波形との位相を特定する方法である。
【0054】請求項21の同期モータ制御装置は、前記
位相特定手段として、制御電源の直流通電相を少なくと
も1回切り換える直流通電相切換手段を含むものを採用
するものである。
【0055】請求項22の同期モータ制御装置は、前記
位相特定手段として、制御電源の直流通電相を2回以上
切り換える直流通電相切換手段を含むものを採用するも
のである。
【0056】
【作用】請求項1の同期モータ制御方法であれば、制御
電源を制御して同期モータに所定の電圧もしくは電流を
供給することにより同期モータを制御するに当たって、
停止時に回転子位置角と通電波形との位相を特定し、始
動後に、任意に装着された位置センサからの出力信号に
基づいて制御電源を制御するのであるから、位置センサ
の取り付け精度を高めなくても(換言すれば、モータ回
転角の絶対位置を検出する機能のない位置センサを用い
ても)波形制御を高精度化するとともに、高応答性を実
現することができる。
【0057】請求項2の同期モータ制御方法であれば、
前記位置センサの分解能を同期モータ1回転の転流回数
の2倍以上に設定し、位置センサからの出力信号の変化
に同期させて制御電源波形を出力するのであるから、実
際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因す
るトルク変動を大幅に緩和することができ、さらにモー
タ効率や制御系の安定性を低下する低周波成分の重畳が
ない(もしくは、極めて小さい)指令波形を出力するこ
とができるほか、請求項1と同様の作用を達成すること
ができる。
【0058】請求項3の同期モータ制御方法であれば、
前記位置センサからの出力信号の周期を速度情報に基づ
いて分割して擬似的な位置信号を発生し、擬似的な位置
信号にも基づいて制御電源を制御するのであるから、位
相制御の分解能を位置センサの検出分解能以上に高める
ことができ、実際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅
れ位相に起因するトルク変動を大幅に緩和することがで
きるほか、請求項1または請求項2と同様の作用を達成
することができる。
【0059】請求項4の同期モータ制御方法であれば、
前記位置センサの分解能を同期モータの1回転当たり2
00パルス以下に設定するのであるから、タイマによる
制御を省略することができるほか、請求項2または請求
項3と同様の作用を達成することができる。
【0060】請求項5の同期モータ制御方法であれば、
停止時に、同期モータの回転子を所定位置にロックする
ためのトルクに対応する通電電流振幅指令を出力するこ
とにより、回転子位置角と通電波形との位相を特定する
のであるから、簡単にかつ確実に回転子位置角と通電波
形との位相を特定することができるほか、請求項1から
請求項4の何れかと同様の作用を達成することができ
る。
【0061】請求項6の同期モータ制御方法であれば、
始動後に、回転子のロック位置と、回転子のロックと同
期して内容がクリアされ、その後の位置センサからの出
力信号のカウント値との加算結果に基づいて制御電源を
制御するのであるから、位置センサが絶対位置を検出で
きなくても、簡単に絶対位置を得て制御電源を制御する
ことができ、請求項5と同様の作用を達成することがで
きる。
【0062】請求項7の同期モータ制御装置であれば、
位相特定手段によって停止時に回転子位置角と通電波形
との位相を特定し、始動後に、制御電源制御手段によっ
て、任意に装着された位置センサからの出力信号に基づ
いて制御電源を制御することができる。
【0063】したがって、位置センサの取り付け精度を
高めなくても(換言すれば、モータ回転角の絶対位置を
検出する機能のない位置センサを用いても)波形制御を
高精度化するとともに、高応答性を実現することができ
る。
【0064】請求項8の同期モータ制御装置であれば、
前記位置センサとして分解能を同期モータ1回転の転流
回数の2倍以上に設定したものを採用し、前記制御電源
制御手段として位置センサからの出力信号の変化に同期
させて制御電源波形を出力するものを採用するのである
から、実際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相
に起因するトルク変動を大幅に緩和することができ、さ
らにモータ効率や制御系の安定性を低下する低周波成分
の重畳がない(もしくは、極めて小さい)指令波形を出
力することができるほか、請求項7と同様の作用を達成
することができる。
【0065】請求項9の同期モータ制御装置であれば、
前記制御電源制御手段として、前記位置センサからの出
力信号の周期を速度情報に基づいて分割して擬似的な位
置信号を発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制御電
源を制御するものを採用するのであるから、位相制御の
分解能を位置センサの検出分解能以上に高めることがで
き、実際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に
起因するトルク変動を大幅に緩和することができるほ
か、請求項7または請求項8と同様の作用を達成するこ
とができる。
【0066】請求項10の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位置センサとして分解能を同期モータの1回転
当たり200パルス以下に設定したものを採用するので
あるから、タイマによる制御を省略することができるほ
か、請求項8または請求項9と同様の作用を達成するこ
とができる。
【0067】請求項11の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位相特定手段として、同期モータの回転子を所
定位置にロックするためのトルクに対応する通電電流振
幅指令を出力するものを採用するのであるから、簡単に
かつ確実に回転子位置角と通電波形との位相を特定する
ことができるほか、請求項7から請求項10の何れかと
同様の作用を達成することができる。
【0068】請求項12の同期モータ制御装置であれ
ば、前記制御電源制御手段として、位相特定手段による
回転子のロック位置と、回転子のロックと同期して内容
がクリアされ、その後の位置センサからの出力信号のカ
ウント値との加算結果に基づいて制御電源を制御するも
のを採用するのであるから、位置センサが絶対位置を検
出できなくても、簡単に絶対位置を得て制御電源を制御
することができ、請求項11と同様の作用を達成するこ
とができる。
【0069】請求項13の同期モータ制御方法であれ
ば、同期モータの回転動作に伴って位置センサから出力
される出力信号に基づいて制御電源を制御して同期モー
タに所定の電圧もしくは電流を供給することにより同期
モータを制御するに当たって、位置センサの分解能を同
期モータの1回転の転流回数の2倍以上に設定し、位置
センサからの出力信号の変化に同期させて制御電源波形
を出力するのであるから、実際の通電波形の遅れ位相を
小さくし、遅れ位相に起因するトルク変動を大幅に緩和
することができ、さらにモータ効率や制御系の安定性を
低下する低周波成分の重畳がない(もしくは、極めて小
さい)指令波形を出力することができる。
【0070】請求項14の同期モータ制御方法であれ
ば、前記位置センサからの出力信号の周期を速度情報に
基づいて分割して擬似的な位置信号を発生し、擬似的な
位置信号にも基づいて制御電源を制御するのであるか
ら、位相制御の分解能を位置センサの検出分解能以上に
高めることができ、実際の通電波形の遅れ位相を小さく
し、遅れ位相に起因するトルク変動を大幅に緩和するこ
とができる。
【0071】請求項15の同期モータ制御方法であれ
ば、前記位置センサの分解能を同期モータの1回転当た
り200パルス以下に設定するのであるから、タイマに
よる制御を省略することができるほか、請求項13また
は請求項14と同様の作用を達成することができる。
【0072】請求項16の同期モータ制御装置であれ
ば、同期モータの回転動作に伴って位置センサから出力
される出力信号に基づいて制御電源制御手段により制御
電源を制御して同期モータに所定の電圧もしくは電流を
供給することにより同期モータを制御するに当たって、
前記位置センサの分解能を同期モータの1回転の転流回
数の2倍以上に設定するとともに、前記制御電源制御手
段として位置センサからの出力信号の変化に同期させて
制御電源波形を出力するものを採用するのであるから、
実際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因
するトルク変動を大幅に緩和することができ、さらにモ
ータ効率や制御系の安定性を低下する低周波成分の重畳
がない(もしくは、極めて小さい)指令波形を出力する
ことができる。
【0073】請求項17の同期モータ制御装置であれ
ば、前記制御電源制御手段として、前記位置センサから
の出力信号の周期を速度情報に基づいて分割して擬似的
な位置信号を発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制
御電源を制御するものを採用するのであるから、位相制
御の分解能を位置センサの検出分解能以上に高めること
ができ、実際の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位
相に起因するトルク変動を大幅に緩和することができ
る。
【0074】請求項18の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位置センサとして分解能を同期モータの1回転
当たり200パルス以下に設定したものを採用するので
あるから、タイマによる制御を省略することができるほ
か、請求項16または請求項17と同様の作用を達成す
ることができる。
【0075】請求項19の同期モータ制御方法であれ
ば、制御電源の直流通電相を少なくとも1回切り換える
ことにより回転子位置角と通電波形との位相を特定する
のであるから、単に制御電源の直流通電相を設定しただ
けでは回転子位置角と通電波形との位相を特定すること
ができない場合であっても、制御電源の直流通電相の切
り換えによって回転子位置角と通電波形との位相を一意
に特定することができるほか、請求項1と同様の作用を
達成することができる。
【0076】請求項20の同期モータ制御方法であれ
ば、制御電源の直流通電相を2回以上切り換えることに
より回転子位置角と通電波形との位相を特定するのであ
るから、単に制御電源の直流通電相を設定しただけでは
回転子位置角と通電波形との位相を特定することができ
ない場合であっても、制御電源の直流通電相の切り換え
によって回転子位置角と通電波形との位相を一意に特定
することができるとともに、同期モータが油圧ポンプ、
圧縮機などを駆動するものである場合に、油圧ポンプ内
の作動油、圧縮機内の冷媒を排出して、回転子位置ロッ
ク時の負荷トルクを低減することができるほか、請求項
1と同様の作用を達成することができる。
【0077】請求項21の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位相特定手段として、制御電源の制御電源の直
流通電相を少なくとも1回切り換える直流通電相切換手
段を含むものを採用するのであるから、単に制御電源の
直流通電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形
との位相を特定することができない場合であっても、制
御電源の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と
通電波形との位相を一意に特定することができるほか、
請求項7と同様の作用を達成することができる。
【0078】請求項22の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位相特定手段として、制御電源の制御電源の直
流通電相を2回以上切り換える直流通電相切換手段を含
むものを採用するのであるから、単に制御電源の直流通
電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形との位
相を特定することができない場合であっても、制御電源
の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と通電波
形との位相を一意に特定することができるとともに、同
期モータが油圧ポンプ、圧縮機などを駆動するものであ
る場合に、油圧ポンプ内の作動油、圧縮機内の冷媒を排
出して、回転子位置ロック時の負荷トルクを低減するこ
とができるほか、請求項7と同様の作用を達成すること
ができる。
【0079】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の同期モータ制御方法およびその装置の実施の態様
を詳細に説明する。
【0080】図1はこの発明の同期モータ制御装置の一
実施態様の要部を示すブロック図である。このブロック
図は同期モータの回転位置角を検出する部分のみを示し
ている。
【0081】この装置は、同期モータ1の回転軸と接続
された2相インクリメンタルパルスエンコーダ2と、2
相インクリメンタルパルスエンコーダ2から出力される
A信号およびB信号を入力とするアップ/ダウン・カウ
ンタ3とを有している。
【0082】この2相インクリメンタルパルスエンコー
ダ2からは、A信号、B信号のパルス列が1回転当た
り”1024”出力される。そして、この2相信号は、
回転方向が時計回りの場合に、B信号がA信号に対し
て、(パルス列の周期を360°として)90°進み位
相となり、図2に示すように、回転方向が反時計回りの
場合に、B信号がA信号に対して90°遅れ位相とな
る。
【0083】したがって、B信号をアップ/ダウン・カ
ウンタ3のアップ/ダウン端子U/D(この入力が”
1”でアップカウント、”0”でダウンカウント)に入
力し、A信号をインクリメンタル信号としてカウンタ端
子CLKに入力することで、図2に示すように、回転方
向に対応して、時計回りでアップカウントし、反時計回
りでダウンカウントする。
【0084】なお、A信号、B信号は、例えば、図39
に示す構成のエンコーダにおいて、フォトセンサ列と光
源とを2組にし、90°の位相差で配列したスリットを
2列にすれば得ることができるため、図39に示すエン
コーダを2組設ける場合と比較してコストダウンを達成
することができる。
【0085】位置センサとしては、正転/逆転動作が必
要な用途では2相のパルスエンコーダを使用する必要が
あるが、同期モータを1方向にのみ回転させる用途で
は、例えば、カウントアップ動作のみで十分であるから
1相パルス出力のものを使用すればよい。また、102
4パルスのインクリメンタルパルスエンコーダでは、カ
ウンタのビット幅を10ビットに選べば、・・・”10
22””1023””0””1”・・・とサイクリック
に位置情報をカウンタ出力から得ることができる。
【0086】図3はこの発明の同期モータ制御装置の一
実施態様を示すブロック図である。
【0087】この同期モータ制御装置は、図1とほぼ同
様の装置に加え、インバータ4、PWM(パルス幅変
調)制御部5、電流制御部6、スイッチングパターン選
択部7、始動シーケンス部8、回転位置角設定部9、お
よび加算器10を有している。
【0088】前記始動シーケンス部8は、同期モータ1
の巻線に直流を通電すべくスイッチングパターン選択部
7に供給するモード信号を出力し、同期モータ1の回転
子を所定位置にロックするためのトルクに対応させた通
電電流振幅指令を電流制御部6へ出力し、始動時の回転
位置角の初期設定値を回転位置角設定部9へ出力するも
のである。
【0089】前記電流制御部6は、通電電流振幅指令を
入力として従来公知の電流制御演算を行って電圧振幅指
令を算出し、PWM制御部5に供給するものである。
【0090】前記スイッチングパターン選択部7はモー
ド信号を入力として予め設定されているスイッチングパ
ターンを選択し、スイッチングパターン信号をPWM制
御部5に供給するものである。
【0091】前記PWM制御部5は、電流制御部6から
の電圧振幅指令またはスイッチングパターン選択部7か
らのスイッチングパターン信号を入力としてPWM制御
演算を行い、スイッチング指令をインバータ4に供給す
るものである。
【0092】前記回転位置角設定部9は、始動時の回転
位置角の初期設定値を保持するとともに、初期設定値の
保持と同期してアップ/ダウン・カウンタ3のクリア端
子CLにクリア信号を供給するものである。
【0093】前記加算器10は、アップ/ダウン・カウ
ンタ3の内容と回転位置角設定部9の初期設定値とを加
算して位置角(位置角に対応したデジタル値)を出力す
るものである。
【0094】インクリメンタルパルスエンコーダ2は、
A信号、B信号を出力するものである。
【0095】アップ/ダウン・カウンタ3は、B信号を
アップ/ダウン端子U/Dに入力し、A信号をインクリ
メンタル信号としてカウンタ端子CLKに入力すること
で、回転方向に対応して、時計回りでアップカウント
し、反時計回りでダウンカウントするものである。
【0096】図4は始動シーケンス部の処理経過と各部
の波形との関係を示す図である。
【0097】同期モータ1の巻線に直流通電を開始する
と、回転子は所定の位置に回転し、ロックされる。図4
においては、所定時間(Tlock)の直流通電後にロ
ックされたと判定し、初期位置を設定するとともに、モ
ータ制御許可フラグをセットし、これに応答して、通常
行われる波形制御処理(同期サーボモータを回転させる
制御)が開始される。
【0098】ただし、A信号もしくはB信号の出力を監
視し、パルス列に変化がなくなったことに応答してロッ
ク状態を判定するようにしてもよい。
【0099】図5は同期モータとしてブラシレスDCモ
ータもしくはシンクロナスリラクタンスモータを採用し
た場合に対応する始動シーケンス部の処理を説明するフ
ローチャートである。
【0100】処理開始と共に、ステップSP1におい
て、モード信号=5{Tw+(w相の上アームのトラン
ジスタ)およびTv−(v相の下アームのトランジス
タ)をオンにするモード信号}をスイッチングパターン
選択部7へ出力し、ステップSP2において、電流振幅
指令I*=Iを電流制御部6へ出力し、ステップSP3
において、通電タイマ用の変数kをk=0に初期化す
る。
【0101】そして、ステップSP4において、変数k
を1だけインクリメントし、ステップSP5において、
変数kが所定時間(Tlock)に対応するカウント値
Tiを越えたか否かを判定する。この判定により変数k
がカウント値Tiを越えていないと判定された場合に
は、再びステップSP4の処理を行う。逆に、この判定
により変数kがカウント値Tiを越えたと判定された場
合には、ステップSP6において、位置角カウンタを初
期化し(θr=π/4に初期化し)、ステップSP7に
おいて、モータ制御許可フラグをセットし、その後、波
形制御処理などを含むメイン処理に戻る。
【0102】なお、位置角カウンタの初期化は、アップ
/ダウン・カウンタ3をクリアし、回転位置角設定部9
に初期化する角度に対応したカウンタ値をセットするこ
とにより行われる。
【0103】図6はモード信号=5に設定した場合の直
流通電の回路状態を示す図である。
【0104】始動シーケンス部8から与えられた電流振
幅指令を実現するようにトランジスタTw+は電流制御
部6およびPWM制御部5を介してオンオフ制御(PW
M制御)される。トランジスタTw+オン時には、トラ
ンジスタTw+、Tv−を介して直流電圧VDCが印加
される。トランジスタTw+のオフ時はダイオードDw
−がオンし、v−w線間の印加電圧は0となる。そし
て、トランジスタTw+のオンオフにより得られたPW
M波形の平均電圧は、巻線電流を電流振幅指令に保持す
るために必要な電圧となる。
【0105】図7中(A)(B)はブラシレスDCモー
タのv相、w相の巻線電流とそれにより生ずる磁束を示
す図である。
【0106】図5の処理が開始すると、位置角θr=π
/12の状態{図7中(A)参照}で通電すると、固定
子に誘起された磁束により回転子磁石が吸引され、位置
角θr=π/4の状態でロック(図8に示すディテント
トルクの安定点Aで停止)する{図7中(B)参照}。
この状態は回転子磁石のu相鎖交磁束が0となる位置、
すなわち、u相逆起電圧最大の位置角になる。
【0107】このように、直流通電時に、回転子は電磁
吸引力で回転する場合があるが、それは1回転未満(最
大回転角度=360°/モータ1回転に必要なインバー
タ出力波形の転流回数)であり、例えば、油圧ポンプに
おいてはこの程度の回転による圧力上昇が無視できる程
度に小さく、ひいては負荷トルクがほぼ0[Nm]に保
持され、回転子を所定の位置に確実にロックできる。
【0108】この状態で、位置検出部の位置角θrをπ
/4に設定すればよい(ただし、この角度はモータの極
対数により変わる)。なお、P極対のブラシレスDCモ
ータもしくはシンクロナスリラクタンスモータでは、イ
ンバータ出力波形に対応した電気角をθe=θr・Pと
すればよい。
【0109】また、電流制御を図34の高性能同期サー
ボモータの構成にする場合には、位置検出部の信号に代
えて正弦波発生部の入力に固定位相φ=0を供給するこ
とにより直流通電を実現できる。
【0110】図9は同期モータとしてスイッチトリラク
タンスモータを採用した場合に対応する始動シーケンス
部の処理を説明するフローチャートである。
【0111】処理開始と共に、ステップSP1におい
て、モード信号=0{Tu+(u相の上アームのトラン
ジスタ)およびTu−(u相の下アームのトランジス
タ)をオンにするモード信号}をスイッチングパターン
選択部7へ出力し、ステップSP2において、電流振幅
指令I*=Iを電流制御部6へ出力し、ステップSP3
において、通電タイマ用の変数kをk=0に初期化す
る。
【0112】そして、ステップSP4において、変数k
を1だけインクリメントし、ステップSP5において、
変数kが所定時間(Tlock)に対応するカウント値
Tiを越えたか否かを判定する。この判定により変数k
がカウント値Tiを越えていないと判定された場合に
は、再びステップSP4の処理を行う。逆に、この判定
により変数kがカウント値Tiを越えたと判定された場
合には、ステップSP6において、位置角カウンタを初
期化し(θr=2π/9に初期化し)、ステップSP7
において、モータ制御許可フラグをセットし、その後、
波形制御処理などを含むメイン処理に戻る。
【0113】なお、位置角カウンタの初期化は、アップ
/ダウン・カウンタ3をクリアし、回転位置角設定部9
に初期化する角度に対応したカウンタ値をセットするこ
とにより行われる。
【0114】図10はモード信号=0に設定した場合の
直流通電の回路状態を示す図である。 始動シーケンス
部8から与えられた電流振幅指令を実現するようにトラ
ンジスタTu+は電流制御部6およびPWM制御部5を
介してオンオフ制御(PWM制御)される。トランジス
タTu+オン時には、トランジスタTu+、Tu−を介
して直流電圧VDCが印加される。トランジスタTu+
のOFF時はダイオードDu−がオンし、印加電圧は0
となる。そして、トランジスタTu+のオンオフにより
得られたPWM波形の平均電圧は、巻線電流を電流振幅
指令に保持するために必要な電圧となる。
【0115】また、モードとインバータの各トランジス
タのオンオフ状態との関係を表3に示している。
【0116】
【表3】
【0117】図11中(A)(B)はスイッチトリラク
タンスモータのu相の巻線電流とそれにより生ずる磁束
を示す図である。
【0118】図9の処理を開始し、位置角θr=0(u
相インダクタンスが極小値から回転に伴い上昇に転ずる
ポイント)の状態{図11中(A)参照}で通電する
と、固定子に誘起された磁束により回転子の突極が吸引
され、位置角θr=2π/9の状態でロック(図12に
示すディテントトルクの安定点Bで停止)する{図11
中(B)参照}。
【0119】このように、直流通電時に、回転子は電磁
吸引力で回転する場合があるが、それは1回転未満(最
大回転角度=360°/モータ1回転に必要なインバー
タ出力波形の転流回数)であり、例えば、油圧ポンプに
おいては、この程度の回転による圧力上昇が無視できる
程度に小さく、ひいては、負荷トルクがほぼ0[Nm]
に保持され、回転子を所定の位置に確実にロックするこ
とができる。
【0120】この状態で、位置検出部の位置角θrを2
π/9に設定すればよい。なお、この位置角θrは、固
定子や回転子の極数に加えてそれぞれの極幅で変わる
が、図16に示すようなインダクタンス波形と回転位置
角との関係を測定し、これを基に直流通電時の回転子ロ
ック位置角と位置角θr=0との関係から所望の初期設
定位置角を定めることができる。
【0121】なお、スイッチトリラクタンスモータの巻
線電流はユニポーラ電流波形で駆動されるので、u→v
→wの転流サイクル1周期を電気角の1周期としている
(図16の通電波形を参照)。
【0122】以上の実施態様を採用することにより、従
来必要であった位置センサの絶対位置出力機能を不要に
することができるとともに、センサ出力による位置信号
とモータ回転位置角との絶対位置合わせのための生産工
程を不要にすることができ、ひいては同期サーボモータ
装置のコストダウンを達成することができる。
【0123】この発明では、さらに位置センサの分解能
を低減し、位置センサのコストダウンを達成する(安価
な位置センサを使用可能とする)とともに、従来の同期
サーボモータの急加減速時において発生する遅れ位相に
起因するトルク変動を緩和すべく実際の通電波形の遅れ
位相を小さくするために、位置センサの分解能を同期モ
ータの1回転の転流回数の2倍以上とし、位置センサ信
号の変化に同期させてインバータ波形を制御するととも
に、位置センサから得られる信号の周期を速度情報に基
づいて分割し、擬似的な位置信号を発生するようにして
いる。
【0124】さらに、位置センサの変化に同期させて、
インバータを制御するための指令波形(電流指令波形も
しくは電圧指令波形)を更新することにより。モータ効
率や制御系の安定性を低下する低周波成分の重畳がない
(もしくは、極めて小さい)指令波形を出力することが
できる。
【0125】以下、従来技術と対比して説明する。
【0126】図32は、同期モータとしてブラシレスD
Cモータもしくはシンクロナスリラクタンスモータを採
用し、図33は同期モータとしてスイッチトリラクタン
スモータを採用し、上記の処理(図32もしくは図33
に始動シーケンス部と表記)を行うようにした同期モー
タ制御装置の構成を示すブロック図である。
【0127】図32の同期モータ制御装置は、位置セン
サから出力される位置センサ信号を入力として位置検出
を行う位置検出部11と、位置検出部11から出力され
る位置検出信号の周期に基づいて速度を検出する速度検
出部12と、検出された実速度と外部からの速度指令ω
*とを入力として速度制御処理を行い、電流振幅指令i
*を出力する速度制御部13と、位置検出部11から出
力される位置検出信号を入力としてカウントダウン動作
により分周を行う分周部18と、分周部18から出力さ
れる信号の変化(トリガ)に応答して、計時を開始する
タイマ部17と、このタイマ部からの出力変化(トリ
ガ)により、処理が実行されるモード演算部14と、モ
ード演算部14からの出力に応じたスイッチングパター
ンを選択し、PWM制御部20に該パターンを供給する
スイッチングパターン選択部15と、スイッチングパタ
ーン選択部15からの出力並びに電流制御部19からの
チョッパ信号を入力として、インバータ4の各相のトラ
ンジスタに対するオンオフ信号を出力するPWM制御部
20とを有している。電流制御部19は、電流振幅指令
i*およびインバータ4の直流側の実電流を入力として
電流制御処理を行い、チョッパ信号を出力している。さ
らに、外部から与えられた位相指令β*を入力として、
分周部18に設定するカウンタ値を演算するための分周
カウンタ値演算部21と、位相指令β*並びに速度情報
を入力として、タイマ部17に設定すべきタイマ値を演
算するためのタイマ値演算部16とを有している。
【0128】なお、タイマ部17、分周部18並びにモ
ード演算部14の初期値は始動シーケンス部の処理によ
り定まる位置角θrに対応した値にそれぞれ初期化され
る。
【0129】また、図33の同期モータ制御装置はイン
バータ4の主回路構成のみが異なり、その他は同一であ
る。
【0130】さらに説明する。なお、以下の説明では、
断りのない限り、位相については電気角で表記してい
る。
【0131】図13、図14は表面磁石タイプ(回転子
の表面に永久磁石を装着してなるタイプ)のブラシレス
DCモータ、埋込磁石タイプ(回転子の内部に永久磁石
を装着してなるタイプ)のブラシレスDCモータの各相
基本波電流と各相逆起電圧基本波との間(例えば、u相
電流とu相逆起電圧との基本波の間)の位相β(β>0
で電流が進み位相)とモータトルクとの関係を示してい
る。
【0132】トルク式は、 τM=KM・It・cosβ {:表面磁石タイプ} τM=KM・It・cosβ+KR・It2・sin
(2β) {:埋込磁石タイプ} となる。ここで、KM、KRは定数、Itは巻線電流基
本波振幅である。
【0133】図15はシンクロナスリラクタンスモータ
のトルク特性を示す図であり、回転角に応じて変化する
各相巻線自己インダクタンス波形の基本波と巻線の各相
基本波電流との間(例えば、u相巻線自己インダクタン
ス波形の基本波とu相巻線電流の基本波との間)の位相
をβ(β>0で電流が進み位相)としている(例えば、
David A. Staton他「Unified
Theory ofTorque Productio
n in Switched Riluctance
and Synchronous Reluctanc
e Motors」 IEEE Trans. on
Industry Applications, Vo
l.31, No.2, 1995参照)。
【0134】トルク式は、 τM=KR・It2・sin(2β) となる。
【0135】図13〜図15のトルク特性は、モータト
ルク発生原理から3相正弦波交流により得られるが、こ
れらの図から電流位相βによりトルクが大きく変化する
ことが分かる。
【0136】図32の装置においては、図5から図8に
より説明した始動シーケンス部の作用により、回転子位
置角、すなわち、ブラシレスDCモータでは各相逆起電
圧位相、シンクロナスリラクタンスモータでは各相イン
ダクタンス波形の基本波位相を特定できているため、図
13から図15に示した最大トルク点τmaxに保持す
るように、電流位相βを制御することができる。
【0137】一方、スイッチトリラクタンスモータの1
相の巻線に通電した時の発生トルクτMは、 τM=(1/2)・dL(θ)/dθ・I2 で与えられる。ここで、dL(θ)/dθは巻線自己イ
ンダクタンスの回転角に対する変化率である。
【0138】このため、スイッチトリラクタンスモータ
の巻線自己インダクタンス波形L(θ)と通電波形との
位相関係は、図16に示すように、各相巻線の自己イン
ダクタンスが極小値から回転に伴い上昇に転ずるポイン
トから通電し、自己インダクタンスが減少に転ずる前に
非通電状態とする矩形波がトルク/電流比を最大にでき
る理想状態である。
【0139】図17は、図16のように各相電流を電気
角で2π/3通電した場合における、転流位相(u相イ
ンダクタンスが極小値から回転に伴い上昇に転ずるポイ
ントとu相通電波形の起点との間の位相)とトルクとの
関係を示す図である。ブラシレスDCモータやシンクロ
ナスリラクタンスモータと同様に転流位相βによりトル
クが大きく変化することが分かる。
【0140】図33の装置においては、図9から図12
により説明した始動シーケンス部の作用により、回転子
位置角、すなわち、u相インダクタンスが極小値から回
転に伴い上昇に転ずるポイントの位相を特定できている
ため、図17に示した最大トルク点τmaxに保持する
ように、転流位相βを制御することができる。
【0141】同期モータとしてブラシレスDCモータや
シンクロナスリラクタンスモータを採用した場合には、
制御回路コストを極小にするために、正弦波に比べ波形
出力(制御)が容易な120°通電波形などの矩形波が
専ら用いられる。また、同期モータとしてスイッチトリ
ラクタンスモータを採用した場合には、前述したとお
り、トルク発生原理から矩形波が好ましい。
【0142】表面磁石タイプのブラシレスDCモータを
例にとって同期モータの120°通電波形制御について
説明する。図18中(A)(B)は、低速時、高速時の
矩形波通電波形を示す図である。
【0143】インバータからモータ巻線に印加する電源
の周波数が低い低速回転では、巻線のインダクタンスの
インピーダンスも小さく、電流指令{図18中(A)の
細線参照}に実電流が追従している。このため、矩形波
の基本波位相は所定の値に設定できている。しかし、モ
ータ巻線に供給する電源周波数が高くなる高速回転で
は、図18中(B)に示すように、巻線インダクタンス
の影響で電流の立ち上がり、立ち下がり共に鈍くなり、
ひいては、通電矩形波の基本波が設定された電流波形の
基本波に対してΔβだけ遅れ位相となる。
【0144】このような不都合に対処するために、矩形
波電流指令の位相を所定値だけ進める制御が一般に行わ
れる。図19、図20は、低速、高速での制御の様子を
示す波形図である。
【0145】ホール素子は、その信号の立ち上がりもし
くは立ち下がりが示す位置角を図38もしくは図35に
比べて電気角でπ/6だけ進ませるように取り付けられ
ている。一方、図37に示す、ホール素子信号を入力と
した論理回路の出力として得たトリガ信号周期は、電気
角でπ/3に相当する。
【0146】したがって、図19に示すとおり、低速回
転では、トリガ信号周期Twの1/2の時間をタイマに
セットし(β*=0に対応させ)、設定時間後、タイマ
から出力されるトリガ信号に基づいて各相の転流を行え
ば、図38と同じように、各相逆起電圧と矩形波電流指
令との位相関係を得ることができる。
【0147】そして、回転数が上昇するに伴い、タイマ
にセットすべき時間を、 Tβ(n)=Tw(n−1)・{1/2−β*/(π/
3)} ただし、Tβ(n)<0ならばTβ(n)=0、またβ
*は電流位相指令 と設定すれば、指令電流波形の位相をβ*だけ進ませる
ことができる。β*はホール素子の取り付け角の進ませ
角(この例では、π/6)まで進ませることができる。
また、図20は、β*=π/9の場合について示してい
る。
【0148】図21は、図19もしくは図20の動作を
行う同期サーボモータを用い、10[rps]の低速回
転から、加速レートΔN/Δt=800[rps/s]
の急加速を行った場合のシミュレーション結果を示す図
である。
【0149】サンプル点nで位相制御を行うタイマにセ
ットされる時間Tβ(n)は直前のトリガ信号周期Tw
(n−1)が用いられる。このため、図示のとおり、所
望の通電波形(図21中の細線参照)に対して、タイマ
からの信号に応答して出力される実際の通電波形(矩形
波電流指令)には位相制御誤差Δδ=約π/10の遅れ
が生ずる。これにより、図13を参照して分かるよう
に、モータ発生トルクに変動(落ち込み)が生ずる。Δ
δは当然のことながら加減速レートと共に増加し、発生
するトルク変動も大きくなる。すなわち、Δδの発生に
より制御系が不安定になり、大きなモータ振動などの不
都合を招くことが分かる。
【0150】なお、図13から図15および図17を参
照して分かるように、他の同期モータにおいても位相制
御誤差Δδによりトルクに落ち込みが生じ、ひいては制
御系の不安定化やモータ振動などの不都合を招く。
【0151】このような不都合は、加減速レートを小さ
くすることにより回避でき、問題はなくなるが、この発
明が想定している高速応答の制御が必須である用途(例
えば、油圧ポンプ)では、そうした対策は実用上困難で
ある。
【0152】当然のことながら、位置センサパルス数を
増加させ、タイマを介することなく制御を行えば、こう
した不都合をなくすることができるが、例えば、位相制
御を0.5°(電気角)の分解能で行おうとすれば、2
極対のブラシレスDCモータでは、1回転当たり360
/0.5×2=1440パルスの分解能の位置センサが
必要になる。そして、高分解能かつ高速回転まで対応で
きる周波数応答特性を有するこのような位置センサは極
めて高価である。
【0153】図22中(A)(B)は転流信号を生成す
るための装置(電流制御部19およびPWM制御部2
0)の構成を示すブロック図である。
【0154】電流振幅指令と実電流との差分をPI(比
例・積分)演算器27に供給してPI演算を行い、PI
演算結果と鋸歯状波発振器22からの鋸歯状波とを比較
器23に供給してチョッパ信号(PWM信号)を出力す
る{図22中(A)参照}。
【0155】そして、チョッパ信号とPWMするトラン
ジスタの選択信号とをANDゲート24に供給すること
により、対応するトランジスタ用の転流信号を出力する
{図22中(B)参照}。
【0156】図23は、位置センサの分解能を2極対の
ブラシレスDCモータの転流回数の3倍に設定した場合
における位置センサ信号と通電波形との関係を示す図で
ある。
【0157】位置センサから供給されるA信号のパルス
列を分周カウンタにて1/3に分周し、この分周カウン
タの出力の変化(電気角のπ/3毎に変化)に応答して
タイマの計時をスタートしている。このタイマに設定さ
れた時間になるとタイマからトリガ信号が出力され、こ
れに応答して転流(各相電流指令波形の更新)を行って
いる。なお、タイマの設定値は最大でA信号のパルス周
期となるように設定されている。
【0158】このため、タイマにより調整可能な位相制
御幅は0〜π/9{=(π/3)/3}となり、図1
9、図20に示す従来例の位相調整幅の1/3になる
が、図21の急加速時に発生していたΔδも1/3に軽
減され、ひいてはΔδによるトルク変動を大幅に緩和す
ることができる。
【0159】次に、0〜π/9以上の位相制御幅の設定
法について、以下実施態様をもとに説明する。
【0160】図24は図23に示す波形を得るための装
置の構成例を示すブロック図である。
【0161】図25、図26は図24の装置構成により
位相制御幅を拡大するための動作を説明する図である。
【0162】図24の装置は、A信号のパルス列を入力
としてダウンカウントを行うカウンタ25と、このカウ
ンタ25がアンダーフローしたことに応答して、カウン
タ値を更新する値を保持するリロードレジスタ26とを
有している。
【0163】なお、図24の装置は、図32もしくは図
33の分周部16に対応している。
【0164】図25のG点において位相進み処理を実行
すると、分周カウンタの値としてリロードレジスタに設
定した値から1だけデクリメントした値(=1)をセッ
トする。また、図26のH点において位相遅れ処理を実
行すると、分周カウンタの値としてリロードレジスタに
設定した値を1だけインクリメントした値(=3)をセ
ットする。
【0165】そして、これらの処理をn回繰り返すこと
により、タイマ計時を開始する位相(タイミング)をn
・π/9={n・(π/3)/3}だけ進めたり、遅ら
せたりすることができ、これらの作用はそのまま電流指
令波形の位相に反映される。
【0166】図27は、図25、図26の動作波形に対
応した位相制御の処理を説明するフローチャートであ
る。
【0167】ステップSP1において、位相指令β*の
入力を行い、ステップSP2において、CO=floo
r{(β*)/ΔD}+1{ここで、ΔD=360°/
Np、Npは電気角1周期で得られる位置センサパルス
数、floor()は負の方向の最寄りの整数に変換す
る関数(例えば、floor(1.5)=1,floo
r(−1.2)=−2)である}の演算を行って位相指
令β*をカウンタ値COに変換する。この時、カウンタ
値は所定値に対して1だけ(角度ではΔDだけ)進ませ
ている。
【0168】そして、ステップSP3において、tβ
(n)=[{CO×ΔD−(β*)}/ΔD]×tw
(n−1)(ここで、tw(n−1)は直前の位置セン
サ信号の周期であり、速度情報の逆数として得ることが
できる)の演算を行ってΔD以下の分解能の位相を設定
するためのタイマ値(図28参照)を演算し、このタイ
マ値を所定のタイマに設定する。 その後、ステップS
P4において、演算されたカウンタ値COと中間変数C
1との大小を比較する。
【0169】ステップSP4においてCO≦C1である
と判定された場合には、ステップSP5において、CO
<C1か否かを判定し、CO<C1であると判定された
場合には、ステップSP6において、(図32の分周部
16の)カウンタ値を1だけインクリメントし、ステッ
プSP7において、中間変数C1を1だけデクリメント
する。すなわち、ステップSP6、ステップSP7の処
理により遅れ位相処理を実行する。
【0170】逆に、ステップSP4においてCO>C1
であると判定された場合には、ステップSP8におい
て、(図32の分周部16の)カウンタ値を1だけデク
リメントし、ステップSP9において、中間変数C1を
1だけインクリメントする。すなわち、ステップSP
8、ステップSP9の処理により進み位相処理を実行す
る。
【0171】そして、ステップSP5においてCO=C
1であると判定された場合、ステップSP7の処理が行
われた場合、またはステップSP9の処理が行われた場
合には、ステップSP10において、タイマの計時開始
フラグをセットしてタイマによる計時を開始し、そのま
まメインの処理に復帰する。
【0172】なお、この一連の処理は、分周カウンタ出
力の変化に応答して実行される。また、タイマは計時時
間に達すると波形出力のためのトリガを出力し、計時動
作を停止する。
【0173】図29はブラシレスDCモータやシンクロ
ナスリラクタンスモータに対応した波形出力処理を説明
するフローチャートである。
【0174】タイマ信号に応答して処理が開始すると、
ステップSP1において、modeをインクリメントし
てモードを更新し、ステップSP2において、mode
が5を越えたか否かを判定し、modeが5を越えたと
判定された場合には、ステップSP3において、モード
を初期化する(modeを0に設定する)。
【0175】そして、ステップSP2においてmode
が5を越えていないと判定された場合、またはステップ
SP3の処理が行われた場合には、ステップSP4にお
いて、モード出力処理(図32のスイッチングパターン
選択部15への出力)を行い、そのままメインの処理に
復帰する。
【0176】なお、このようにモード出力処理が行われ
れば、表4に示すように、各モードに対応してインバー
タの各トランジスタのオンオフが、図32のスイッチン
グパターン選択部15を介して制御される。
【0177】
【表4】
【0178】図30はスイッチトリラクタンスモータに
対応した波形出力処理を説明するフローチャートであ
る。
【0179】タイマ信号に応答して処理が開始すると、
ステップSP1において、modeをインクリメントし
てモードを更新し、ステップSP2において、mode
が2を越えたか否かを判定し、modeが2を越えたと
判定された場合には、ステップSP3において、モード
を初期化する(modeを0に設定する)。
【0180】そして、ステップSP2においてmode
が2を越えていないと判定された場合、またはステップ
SP3の処理が行われた場合には、ステップSP4にお
いて、モード出力処理(図33のスイッチングパターン
選択部15への出力)を行い、そのままメインの処理に
復帰する。
【0181】なお、このようにモード出力処理が行われ
れば、表5に示すように、各モードに対応してインバー
タの各トランジスタのオンオフが、図33のスイッチン
グパターン選択部15を介して制御される。
【0182】
【表5】
【0183】上記の実施態様を採用すれば、位置センサ
の分解能をモータの1回転の転流回数の2倍以上とし
て、位置センサ信号の変化に同期させてインバータ波形
を制御するとともに、位置センサから得られる信号の周
期を速度情報に基づいて分割し、擬似的な位置信号を発
生し、これによりきめ細かな位相制御を達成することが
でき、高速応答かつ高精度な位相制御、ひいてはモータ
効率の向上を達成することができる。
【0184】もちろん、位置センサの分解能をコスト高
にならない範囲(一般に200パルス/回転以下の範
囲)の上限に設定することが可能であり、この場合に
は、タイマによる制御を省略することができる。
【0185】さらに、正弦波電流指令を出力するための
実施態様を説明し、この発明の効果を示す。図40にこ
の実施態様の処理を説明するフローチャートを示す。な
お、この処理は図29の処理に代えて行われる。すなわ
ち、位置センサからの信号が入力された分周カウンタの
変化に応答して、計時を開始するタイマから計時時間に
達し出力されるトリガ信号により処理が開始される。
【0186】図40の処理が開始すると、ステップSP
1において、modeをインクリメントしてモードを更
新し、ステップSP2において、modeが23を越え
たか否かを判定し、modeが23を越えたと判定され
た場合には、ステップSP3において、モードを初期化
する(modeを0に設定する)。
【0187】逆に、ステップSP2においてmodeが
23を越えていないと判定された場合、またはステップ
SP3の処理が行われた場合には、ステップSP4にお
いて、表6に示すルックアップテーブル{各sin()
値は適当なデジタル値に変換され、マイコンに記憶して
いる。また、表6には、便宜上、1相分のデータのみを
示している。)を参照し、図示しないA/D変換器を介
してアナログの電流指令として出力される。そして、ス
テップSP4の処理が行われた後は、そのまま元の処理
に戻る。
【0188】
【表6】
【0189】図31中(C)は、図40の処理により、
位置センサの分解能をモータの1回転の転流回数の2倍
以上とし、しかも位置センサ信号の変化に同期させてイ
ンバータ波形を制御するようにして得た電流指令波形を
示し、図31中(D)は、この指令波形と正弦波電流波
形との誤差電流を示している。図31中(A)は、従来
方法で得られた電流指令波形を示し、図31中(B)
は、この指令波形と正弦波電流波形との誤差電流を示し
ている。なお、何れの場合も、モータ回転数が85[r
ps]に設定されたブラシレスDCモータについて示し
ている。
【0190】また、従来方法では、250[μs]の制
御周期で1024パルス/回転の位置センサからの位置
角を入力し、マイコンの内部に記憶したルックアップテ
ーブル{(360/1024)×2=0.703°毎に
データを格納}を参照して指令電流を出力している。こ
れに対してこの発明では、その約1/20の48パルス
/回転の位置センサを用い、位置センサ信号の変化に応
答してモードを更新し、モードに対応したルックアップ
テーブルを参照して電流指令波形を出力している。この
ため、制御処理の頻度は1/(90*48)=231
[μs]となり、従来方法と比較して遜色はない。
【0191】もちろん、この発明では、電流指令波形を
位置センサの変化に同期して更新させるため、位置セン
サの信号周期が遅くなる低速では、1秒当たりの図39
の処理頻度が少なくなり、ひいては、マイコンの処理負
担が軽減される。
【0192】図31中(B)(D)の誤差電流を比較し
て分かるように、従来方法では、位置センサの分解能は
十分であっても、マイコン処理能力の制約から決まる制
御周期(波形更新頻度)により、指令波形と正弦波波形
(理想波形)との差である誤差電流には基本波周波数の
ビート成分が発生していることが分かる。これにより、
モータ効率や制御系の安定性の低下を招く。
【0193】これに対して、この発明により得た指令波
形にも誤差電流を生じているが、基本波周波数を除く高
周波成分のみで、かつ、その振幅も小さくなっている。
【0194】さらに、図31中(A)の矢視J、Kの1
周期後のゼロクロス点を対比して分かるように、その位
相も常時変化してしまっている。もちろん、高速処理可
能な高価なマイコンにより制御周期を高めればこの問題
点を解決することができるが、低コスト化の要求を達成
することができない。
【0195】これに対して、この発明によれば、正弦波
電流指令により同期モータを制御する装置においても、
位置センサのコスト低減を達成することができるととも
に、波形制御に用いるマイコンのコストの低減を達成す
ることができ、ひいては一層の低コスト化を達成するこ
とができる。
【0196】なお、前記の実施態様においては、同期モ
ータの回転方向を1方向に設定した場合について説明し
たが、位置センサとして2相パルスエンコーダなどのよ
うに回転方向を検出できる機能を有するものを採用すれ
ば、正転/逆転に簡単に対応させることができる。
【0197】以上には、電流波形指令についてその実施
態様を示したが、所定の電流波形を出力するために演算
した電圧波形指令に対してもこの発明を適用することが
できる。
【0198】さらに、電流もしくは電圧波形の位相を制
御することにより定出力範囲を拡大する同期モータの弱
め磁束制御においても、この発明を適用することができ
る。
【0199】また、この発明の用途として油圧ポンプの
みを例示したが、高速応答のみを要求される用途にこの
発明を適用すれば、低コスト化を達成することができ
る。
【0200】上記の実施態様は、同期モータ1の巻線に
直流通電を行うことによって回転子のロック位置を一意
に決定できると仮定している。しかし、例えば、スイッ
チトリラクタンスモータ(SRモータ)を例にとると、
1相通電時には、回転子の停止角は2箇所存在し得る。
具体的には、図41中(b)に示すように、通電相の固
定子突極と回転子突極とが対向した状態(以下、アライ
ン状態と称する){図42中(a)のインダクタンス波
形のトップの位置参照}と、図41中(c)に示すよう
に、通電相の固定子突極と回転子突極とが最も離れた状
態(以下、アンアラインと称する){図42中(b)の
インダクタンス波形のボトムの位置参照}とがある。
【0201】さらに説明する。
【0202】図41中(a)に示す初期状態で通電する
と、回転角θrに応じたトルクが発生し、トルク=0の
B点、即ちアライン状態で停止する{図41中(b)参
照}。
【0203】また、摩擦などの力が働く場合には、通電
電流を増加させれば、回転角に対するトルクの変化を大
きくすることができ{図41中(d)破線参照}、B点
とB’点との角度差を小さくでき、B点の位置に精度よ
く停止させることができる。
【0204】一方、図41中(e)に示す点Aのアンア
ライン状態で通電すると、回転はせず、アンアライン状
態を保持する{図41中(c)参照}。ただし、通電時
の位置がアンアライン状態でない限り、この位置に留ま
ることがないため、希にしか起こらない状態である。
【0205】このように、回転子の通電前の初期位置に
よって2つの停止角が存在するため、1回の1相通電で
は回転子位置を確実に特定することができない。ただ
し、メカ的な工夫で停止時にアンアライン状態で停止し
ない機構を設けることで、この不都合を回避することが
可能である。
【0206】図42はSRモータのインダクタンス波形
を示す図である。
【0207】u相通電により、アライン状態もしくはア
ンアライン状態で静止している。
【0208】この時、w相のインダクタンス波形に着目
すると、w相に通電を切り換えると、u相アライン状態
では負、u相アンアライン状態では正のトルクがそれぞ
れ発生し、w相インダクタンス最大の点(w相アライン
状態)まで回転し停止することが分かる。
【0209】なお、SRモータのトルク発生式は、一般
に3相機の場合、次式で与えられる。 τ=(1/2)・(iu・iu・dLu/dθr+iv
・iv・dLv/dθr+iw・iw・dLw/dθ
r) ここで、θrは回転子位置角、iu、iv、iwは各相
巻線電流、Lu、Lv、Lwは各相巻線の自己インダク
タンスである。
【0210】したがって、直流通電相を少なくとも1回
切り換えることにより、停止角を確実に、かつ一意に決
定することができる。ただし、圧縮機や油圧ポンプで
は、通電相切り換えにより微小回転により負荷圧(負荷
トルク)が発生する。そして、例えば、吐出容量が大き
い油圧ポンプを使用する場合には、微小回転角による負
荷圧を無視することができなくなる。
【0211】このような不都合を解消するためには、例
えば、前記シーケンスにより通電相の切り換えを行い、
w相アライン状態に位置を確定した後、v相に通電して
反時計方向に回転させることにより、圧縮機内の冷媒、
もしくは油圧ポンプ内の作動油を排出し、負荷圧を減少
させ、より精度よくアライン状態にすることができる。
なお、時計方向に回転させることで冷媒もしくは作動油
を排出する圧縮機もしくは油圧ポンプでは通電相をu相
→v相→w相の順に切り換えればよい。
【0212】図43はこのような処理を説明するフロー
チャートである。なお、この処理は、図3に示す同期モ
ータ制御装置の始動シーケンス部8において行われる。
また、図44は初期位置角設定処理の一例を説明する信
号波形図である。
【0213】ステップSP1において、u相通電のスイ
ッチングパターンを出力し、ステップSP2において、
電流振幅指令を出力し(電流振幅指令i*=Iに設定
し)、ステップSP3において、所定時間の待ち時間処
理を行い、ステップSP4において、w相通電のスイッ
チングパターンを出力し、ステップSP5において、所
定時間の待ち時間処理を行い、ステップSP6におい
て、v相通電のスイッチングパターンを出力し、ステッ
プSP7において、所定時間の待ち時間処理を行い、ス
テップSP8において、位置角カウンタを初期化し、ス
テップSP9において、モータ制御処理許可フラグをセ
ットし、そのまま元の処理に戻る。
【0214】なお、上記フローチャートの処理におい
て、待ち時間は、通電切り換え後に発生する回転子の振
動がなくなる程度の時間であればよく、実験に基づいて
設定すればよい。また、排出すべき冷媒、作動油の量を
増加させる必要がある場合には、通電相切り換え回数を
さらに増加させればよい。
【0215】この実施態様はSRモータを例にとって説
明したが、ブラシレスDCモータ、シンクロナスリラク
タンスモータについても同様に適用することができ、同
様の作用を達成することができる。
【0216】
【発明の効果】請求項1の発明は、位置センサの取り付
け精度を高めなくても(換言すれば、モータ回転角の絶
対位置を検出する機能のない位置センサを用いても)波
形制御を高精度化するとともに、高応答性を実現するこ
とができるという特有の効果を奏する。
【0217】請求項2の発明は、実際の通電波形の遅れ
位相を小さくし、遅れ位相に起因するトルク変動を大幅
に緩和することができ、さらにモータ効率や制御系の安
定性を低下する低周波成分の重畳がない(もしくは、極
めて小さい)指令波形を出力することができるほか、請
求項1と同様の効果を奏する。
【0218】請求項3の発明は、位相制御の分解能を位
置センサの検出分解能以上に高めることができ、実際の
通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因するト
ルク変動を大幅に緩和することができるほか、請求項1
または請求項2と同様の効果を奏する。
【0219】請求項4の発明は、タイマによる制御を省
略することができるほか、請求項2または請求項3と同
様の効果を奏する。
【0220】請求項5の発明は、簡単にかつ確実に回転
子位置角と通電波形との位相を特定することができるほ
か、請求項1から請求項4の何れかと同様の効果を奏す
る。
【0221】請求項6の発明は、位置センサが絶対位置
を検出できなくても、簡単に絶対位置を得て制御電源を
制御することができ、請求項5と同様の効果を奏する。
【0222】請求項7の発明は、位置センサの取り付け
精度を高めなくても(換言すれば、モータ回転角の絶対
位置を検出する機能のない位置センサを用いても)波形
制御を高精度化するとともに、高応答性を実現すること
ができるという特有の効果を奏する。
【0223】請求項8の発明は、実際の通電波形の遅れ
位相を小さくし、遅れ位相に起因するトルク変動を大幅
に緩和することができ、さらにモータ効率や制御系の安
定性を低下する低周波成分の重畳がない(もしくは、極
めて小さい)指令波形を出力することができるほか、請
求項7と同様の効果を奏する。
【0224】請求項9の発明は、位相制御の分解能を位
置センサの検出分解能以上に高めることができ、実際の
通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因するト
ルク変動を大幅に緩和することができるほか、請求項7
または請求項8と同様の効果を奏する。
【0225】請求項10の発明は、タイマによる制御を
省略することができるほか、請求項8または請求項9と
同様の効果を奏する。
【0226】請求項11の発明は、簡単にかつ確実に回
転子位置角と通電波形との位相を特定することができる
ほか、請求項7から請求項10の何れかと同様の効果を
奏する。
【0227】請求項12の発明は、位置センサが絶対位
置を検出できなくても、簡単に絶対位置を得て制御電源
を制御することができ、請求項11と同様の効果を奏す
る。
【0228】請求項13の発明は、実際の通電波形の遅
れ位相を小さくし、遅れ位相に起因するトルク変動を大
幅に緩和することができ、さらにモータ効率や制御系の
安定性を低下する低周波成分の重畳がない(もしくは、
極めて小さい)指令波形を出力することができるという
特有の効果を奏する。
【0229】請求項14の発明は、位相制御の分解能を
位置センサの検出分解能以上に高めることができ、実際
の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因する
トルク変動を大幅に緩和することができるという特有の
効果を奏する。
【0230】請求項15の発明は、タイマによる制御を
省略することができるほか、請求項13または請求項1
4と同様の効果を奏する。
【0231】請求項16の発明は、実際の通電波形の遅
れ位相を小さくし、遅れ位相に起因するトルク変動を大
幅に緩和することができ、さらにモータ効率や制御系の
安定性を低下する低周波成分の重畳がない(もしくは、
極めて小さい)指令波形を出力することができるという
特有の効果を奏する。
【0232】請求項17の発明は、位相制御の分解能を
位置センサの検出分解能以上に高めることができ、実際
の通電波形の遅れ位相を小さくし、遅れ位相に起因する
トルク変動を大幅に緩和することができるという特有の
効果を奏する。
【0233】請求項18の発明は、タイマによる制御を
省略することができるほか、請求項16または請求項1
7と同様の効果を奏する。
【0234】請求項19の発明は、単に制御電源の直流
通電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形との
位相を特定することができない場合であっても、制御電
源の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と通電
波形との位相を一意に特定することができるほか、請求
項1と同様の効果を奏する。
【0235】請求項20の発明は、単に制御電源の直流
通電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形との
位相を特定することができない場合であっても、制御電
源の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と通電
波形との位相を一意に特定することができるとともに、
同期モータが油圧ポンプ、圧縮機などを駆動するもので
ある場合に、油圧ポンプ内の作動油、圧縮機内の冷媒を
排出して、回転子位置ロック時の負荷トルクを低減する
ことができるほか、請求項1と同様の効果を奏する。
【0236】請求項21の発明は、単に制御電源の直流
通電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形との
位相を特定することができない場合であっても、制御電
源の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と通電
波形との位相を一意に特定することができるほか、請求
項7と同様の効果を奏する。
【0237】請求項22の発明は、単に制御電源の直流
通電相を設定しただけでは回転子位置角と通電波形との
位相を特定することができない場合であっても、制御電
源の直流通電相の切り換えによって回転子位置角と通電
波形との位相を一意に特定することができるとともに、
同期モータが油圧ポンプ、圧縮機などを駆動するもので
ある場合に、油圧ポンプ内の作動油、圧縮機内の冷媒を
排出して、回転子位置ロック時の負荷トルクを低減する
ことができるほか、請求項7と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の同期モータ制御装置の一実施態様の
要部を示すブロック図である。
【図2】位置角検出処理の一例を説明する図である。
【図3】この発明の同期モータ制御装置の一実施態様を
示すブロック図である。
【図4】初期位置角設定処理の一例を説明する図であ
る。
【図5】ブラシレスDCモータもしくはシンクロナスリ
ラクタンスモータに対応した始動シーケンス部の処理を
説明するフローチャートである。
【図6】モード=5に設定した場合における直流通電の
回路状態を示す図である。
【図7】ブラシレスDCモータのv相、w相の巻線電流
とそれにより生ずる磁束を示す図である。
【図8】位置角に対するw−v相通電時のモータディテ
ントトルクの変化を示す図である。
【図9】スイッチトリラクタンスモータに対応した始動
シーケンス部の処理を説明するフローチャートである。
【図10】モード信号=0に設定した場合の直流通電の
回路状態を示す図である。
【図11】スイッチトリラクタンスモータのu相の巻線
電流とそれにより生ずる磁束を示す図である。
【図12】回転角に対するu相通電時のモータディテン
トトルクの変化を示す図である。
【図13】表面磁石タイプのブラシレスDCモータにお
ける電流位相に対するモータトルクの変化を示す図であ
る。
【図14】埋込磁石タイプのブラシレスDCモータにお
ける電流位相に対するモータトルクの変化を示す図であ
る。
【図15】シンクロナスリラクタンスモータにおける電
流位相に対するモータトルクの変化を示す図である。
【図16】スイッチトリラクタンスモータの位置検出部
出力、各相インダクタンス波形、各相インダクタンスの
回転角に対する変化率、各相巻線電流を示す図である。
【図17】スイッチトリラクタンスモータにおける転流
位相に対するモータトルクの変化を示す図である。
【図18】低速時、高速時における矩形波通電波形を示
す図である。
【図19】低速時において矩形波電流指令の位相を進め
る制御を説明する図である。
【図20】高速時において矩形波電流指令の位相を進め
る制御を説明する図である。
【図21】図19もしくは図20の動作を行う同期サー
ボモータを用い、10[rps]の低速回転から、加速
レートΔN/Δt=800[rps/s]の急加速を行
った場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図22】転流信号を生成するための装置(電流制御部
19およびPWM制御部20)の構成を示すブロック図
である。
【図23】位置センサの分解能を2極対のブラシレスD
Cモータの転流回数の3倍に設定した場合における位置
センサ信号と通電波形との関係を示す図である。
【図24】図23の波形を得るための装置の構成例を示
すブロック図である。
【図25】位相制御幅を拡大するための位相進み処理を
説明する図である。
【図26】位相制御幅を拡大するための位相遅れ処理を
説明する図である。
【図27】図25、図26の動作波形に対応した位相制
御を説明するフローチャートである。
【図28】Δδ以下の分解能の位相を設定するためのタ
イマ値を説明する図である。
【図29】ブラシレスDCモータ、シンクロナスリラク
タンスモータに対応した波形出力処理を説明するフロー
チャートである。
【図30】スイッチトリラクタンスモータに対応した波
形出力処理を説明するフローチャートである。
【図31】従来方法により得られる正弦波電流指令波形
と、この発明の実施態様により得られる正弦波電流指令
波形とを示す図である。
【図32】同期モータとしてブラシレスDCモータを採
用し、位置センサの分解能を同期モータの1回転の転流
回数の2倍以上とし、位置センサ信号の変化に同期させ
てインバータ波形を制御するとともに、位置センサから
得られる信号の周期を速度情報に基づいて分割し、擬似
的な位置信号を発生する処理を行うようにした同期モー
タ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図33】同期モータとしてスイッチトリラクタンスモ
ータを採用し、位置センサの分解能を同期モータの1回
転の転流回数の2倍以上とし、位置センサ信号の変化に
同期させてインバータ波形を制御するとともに、位置セ
ンサから得られる信号の周期を速度情報に基づいて分割
し、擬似的な位置信号を発生する処理を行うようにした
同期モータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図34】ブラシレスDCモータを採用した高性能同期
サーボモータの装置構成例を示すブロック図である。
【図35】巻線電流波形とモータ逆起電圧波形との関係
を示す図である。
【図36】ブラシレスDCモータを採用した同期サーボ
モータの装置構成例を示すブロック図である。
【図37】論理回路の構成を示すブロック図である。
【図38】図36の装置におけるモータ逆起電圧波形、
ホール素子信号、巻線電流波形を示す図である。
【図39】絶対値エンコーダの構成を示す図である。
【図40】正弦波電流指令を出力するための処理を説明
するフローチャートである。
【図41】SRモータの回転子の停止角が2箇所存在す
ることを説明する図である。
【図42】SRモータの各相インダクタンス波形および
u相通電時の停止位置を示す図である。
【図43】位置角初期化動作を説明するフローチャート
である。
【図44】初期位置角設定処理の一例を説明する信号波
形図である。
【符号の説明】
1 同期モータ 2 パルスエンコーダ 4 インバータ 5 PWM制御部 6 電流制御部 7 スイッチングパターン選択部 9 回転位置角設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須原 淳 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 株式会社ダイキン空調技術研究所滋賀分室 内 Fターム(参考) 5H550 AA09 BB02 BB05 BB08 CC01 DD04 DD08 DD09 FF01 FF03 FF05 GG05 GG08 HB07 HB16 JJ12 JJ19 JJ24 JJ26 LL07 LL22 LL34 5H560 AA02 BB04 BB12 BB18 DA07 EC02 HA09 TT02 TT07 TT08 TT20 XA02 XA12

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電源(4)を制御して同期モータ
    (1)に所定の電圧もしくは電流を供給することにより
    同期モータ(1)を制御する方法であって、 停止時に回転子位置角と通電波形との位相を特定し、 始動後に、任意に装着された位置センサ(2)からの出
    力信号に基づいて制御電源を制御することを特徴とする
    同期モータ制御方法。
  2. 【請求項2】 前記位置センサ(2)の分解能を同期モ
    ータ(1)の1回転の転流回数の2倍以上に設定し、位
    置センサ(2)からの出力信号の変化に同期させて制御
    電源波形を出力する請求項1に記載の同期モータ制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記位置センサ(2)からの出力信号の
    周期を速度情報に基づいて分割して擬似的な位置信号を
    発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制御電源(4)
    を制御する請求項1または請求項2に記載の同期モータ
    制御方法。
  4. 【請求項4】 前記位置センサ(2)の分解能を同期モ
    ータ(1)の1回転当たり200パルス以下に設定する
    請求項2または請求項3に記載の同期モータ制御方法。
  5. 【請求項5】 停止時に、同期モータ(1)の回転子を
    所定位置にロックするためのトルクに対応する通電電流
    振幅指令を出力することにより、回転子位置角と通電波
    形との位相を特定する請求項1から請求項4の何れかに
    記載の同期モータ制御方法。
  6. 【請求項6】 始動後に、回転子のロック位置と、回転
    子のロックと同期して内容がクリアされ、その後の位置
    センサ(2)からの出力信号のカウント値との加算結果
    に基づいて制御電源を制御する請求項5に記載の同期モ
    ータ制御方法。
  7. 【請求項7】 制御電源(4)を制御して同期モータ
    (1)に所定の電圧もしくは電流を供給することにより
    同期モータ(1)を制御する装置であって、 停止時に回転子位置角と通電波形との位相を特定する位
    相特定手段(6)(9)と、 始動後に、任意に装着された位置センサ(2)からの出
    力信号に基づいて制御電源(4)を制御する制御電源制
    御手段(5)(7)とを含むことを特徴とする同期モー
    タ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記位置センサ(2)は分解能を同期モ
    ータ(1)の1回転の転流回数の2倍以上に設定したも
    のであり、前記制御電源制御手段(5)(7)は位置セ
    ンサ(2)からの出力信号の変化に同期させて制御電源
    波形を出力するものである請求項7に記載の同期モータ
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御電源制御手段(5)(7)は、
    前記位置センサ(2)からの出力信号の周期を速度情報
    に基づいて分割して擬似的な位置信号を発生し、擬似的
    な位置信号にも基づいて制御電源(4)を制御するもの
    である請求項7または請求項8に記載の同期モータ制御
    装置。
  10. 【請求項10】 前記位置センサ(2)は分解能を同期
    モータ(1)の1回転当たり200パルス以下に設定し
    たものである請求項8または請求項9に記載の同期モー
    タ制御装置。
  11. 【請求項11】 前記位相特定手段(6)は、同期モー
    タ(1)の回転子を所定位置にロックするためのトルク
    に対応する通電電流振幅指令を出力するものである請求
    項7から請求項10の何れかに記載の同期モータ制御装
    置。
  12. 【請求項12】 前記制御電源制御手段(5)(7)
    は、位相特定手段(6)による回転子のロック位置と、
    回転子のロックと同期して内容がクリアされ、その後の
    位置センサ(2)からの出力信号のカウント値との加算
    結果に基づいて制御電源(4)を制御するものである請
    求項11に記載の同期モータ制御装置。
  13. 【請求項13】 同期モータ(1)の回転動作に伴って
    位置センサ(2)から出力される出力信号に基づいて制
    御電源(4)を制御して同期モータ(1)に所定の電圧
    もしくは電流を供給することにより同期モータ(1)を
    制御する方法であって、 位置センサ(2)の分解能を同期モータ(1)の1回転
    の転流回数の2倍以上に設定し、位置センサ(2)から
    の出力信号の変化に同期させて制御電源波形を出力する
    ことを特徴とする同期モータ制御方法。
  14. 【請求項14】 前記位置センサ(2)からの出力信号
    の周期を速度情報に基づいて分割して擬似的な位置信号
    を発生し、擬似的な位置信号にも基づいて制御電源
    (4)を制御する請求項13に記載の同期モータ制御方
    法。
  15. 【請求項15】 前記位置センサ(2)の分解能を同期
    モータ(1)の1回転当たり200パルス以下に設定す
    る請求項13または請求項14に記載の同期モータ制御
    方法。
  16. 【請求項16】 同期モータ(1)の回転動作に伴って
    位置センサ(2)から出力される出力信号に基づいて制
    御電源制御手段(5)(7)により制御電源(4)を制
    御して同期モータ(1)に所定の電圧もしくは電流を供
    給することにより同期モータ(1)を制御する装置であ
    って、前記位置センサ(2)は分解能を同期モータ
    (1)の1回転の転流回数の2倍以上に設定したもので
    あり、前記制御電源制御手段(5)(7)は位置センサ
    (2)からの出力信号の変化に同期させて制御電源波形
    を出力するものであることを特徴とする同期モータ制御
    装置。
  17. 【請求項17】 前記制御電源制御手段(5)(7)
    は、前記位置センサ(2)からの出力信号の周期を速度
    情報に基づいて分割して擬似的な位置信号を発生し、擬
    似的な位置信号にも基づいて制御電源(4)を制御する
    ものである請求項16に記載の同期モータ制御装置。
  18. 【請求項18】 前記位置センサ(2)は分解能を同期
    モータ(1)の1回転当たり200パルス以下に設定し
    たものである請求項16または請求項17に記載の同期
    モータ制御装置。
  19. 【請求項19】 制御電源(4)の直流通電相を少なく
    とも1回切り換えることにより回転子位置角と通電波形
    との位相を特定する請求項1に記載の同期モータ制御方
    法。
  20. 【請求項20】 制御電源(4)の直流通電相を2回以
    上切り換えることにより回転子位置角と通電波形との位
    相を特定する請求項1に記載の同期モータ制御方法。
  21. 【請求項21】 前記位相特定手段は、制御電源(4)
    の直流通電相を少なくとも1回切り換える直流通電相切
    換手段を含む請求項7に記載の同期モータ制御装置。
  22. 【請求項22】 前記位相特定手段は、制御電源(4)
    の直流通電相を2回以上切り換える直流通電相切換手段
    を含む請求項7に記載の同期モータ制御装置。
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