JP2001216909A - 電子ビーム励起プラズマ発生装置 - Google Patents
電子ビーム励起プラズマ発生装置Info
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Abstract
り、電極などの容器内壁部分から放出される物質により
プラズマが汚染されることを抑制できる電子ビーム励起
プラズマ装置を提供する。 【解決手段】 放電電極13を基準として測定した中間
電極12の電位もしくは中間電極と放電電極間に介装さ
れる短管16について放電電極を基準とした電位を測定
し、放電電流、不活性ガス流量、加速電圧、プロセス室
ガス圧、カソード加熱電流の内の1個以上を調整してこ
れら電位が所定の範囲に収まるようにする制御器56を
備える。
Description
ラズマ発生装置の構造に関し、特にプラズマプロセス中
への電極物質のコンタミネーションを減少させるように
した構成に関する。
ンなどの不活性ガスを放電電流によりプラズマ化して放
電プラズマを生成し、加速電圧をかけることによって放
電プラズマから隘路を通して引き出し加速した電子ビー
ムをプロセスガスに当ててプラズマ化し各種の反応を起
こさせるもので、プラズマプロセシング、すなわちプラ
ズマイオンプレーティング、プラズマCVD、プラズマ
スパッタリング、プラズマエッチングなどに用いられて
いる。
応用プラズマを用いることが重要であるが、従来の電子
ビーム励起プラズマ装置では、反応用プラズマに電極物
質が混入する場合があり良質の製品を得ることが容易で
なかった。反応用プラズマのコンタミネーションは、放
電プラズマや反応用プラズマ中の荷電粒子が壁を形成す
る物質のスパッタリングイールドを越えるエネルギを持
って容器内壁に衝突することにより物質粒子が壁から飛
び出してプラズマに混入して生じる。放電プラズマは全
体がほぼ一定のプラズマ電位になっていて、放電プラズ
マ中のイオンが壁に衝突するエネルギはこのプラズマ電
位と壁の電位との差で決まる。
00には、引き出し隘路を他の電極から電気的に絶縁さ
せることによりコンタミネーションを抑制した電子ビー
ム励起プラズマ装置が開示されている。しかし、開示さ
れた装置では放電電極におけるスパッタリングを抑制す
ることはできなかった。特に、圧力勾配型電子ビーム励
起プラズマ装置など放電部がプロセス室に隣接している
構造を有する場合は、スパッタリングによるコンタミネ
ーションが大きな問題となっていた。荷電粒子のエネル
ギが電極物質のスパッタリングイールドを越えなければ
物質粒子が飛び出しにくいので、電極をスパッタリング
イールドの高いモリブデンやセラミックで形成すればコ
ンタミネーションを抑えることができる。しかし、スパ
ッタリングイールドの高い物質で電極を形成する方法
は、材料が限られ、工作上の困難や、原材料が高価なこ
となどの問題がある。
定して各電極や壁面との電位差を評価し、これに基づい
て放電条件を制御することによりコンタミネーションを
抑制することができる。プラズマ電位はたとえばラング
ミュアプローブにより測定することができる。ラングミ
ュアプローブは、放電領域に挿入してプローブに掃引電
圧を印加したときにプローブに流れる電流の変曲点から
プラズマ電位を計測する。このようなプラズマ電位計
は、コストが高く測定に時間がかかるばかりでなく、プ
ロセス中に測定することができず、フィードバック制御
に用いることができない。
しようとする課題は、カソードと中間電極と放電電極お
よびプロセス室を備える電子ビーム励起プラズマ装置に
おいて、測定容易な指標に基づいて、電極などの容器内
壁部分から放出される物質によりプラズマが汚染される
ことを抑制できる機構を提供することである。
め、本発明第1の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、
放電電極を基準として中間電極の電位を測定し、中間電
極電位が所定の範囲に収まるようにする制御器を備える
ことを特徴とする。なお、中間電極の電位を+6V以
下、さらに好ましくは−4V以下になるように運転する
ことができる。
2の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、中間電極と放
電電極間に介装される短管について放電電極を基準とし
た電位を測定し、短管部の電位が所定の範囲に収まるよ
うにする制御器を備えることを特徴とする。なお、短管
電位を+26V以下、さらには+16V以下になるよう
に運転することが好ましい。また、制御器は、放電電
流、不活性ガス流量、加速電圧、プロセス室ガス圧、カ
ソード加熱電流の内の1個以上を調整して中間電極電位
あるいは短管部電位を制御するようにすることができ
る。
ガス流量、プロセスガス圧力などプラズマ生成条件を変
化させたときのプロセス挙動を綿密に観察した結果、中
間電極電位および中間電極と放電電極間に介装される短
管の電位が放電電極スパッタエネルギとよく対応するこ
とを発見した。中間電極電位や電極間短管の電位は、ラ
ングミュアプローブのような特殊な装置を使用すること
なく、通常の電圧計を用いて運転中でも容易に測定する
ことができる。したがって、放電電極スパッタエネルギ
を直接に制御変数として用いる代わりにこれら電位を用
いれば、容易にフィードバック制御を構成することがで
き、放電電極スパッタエネルギを常に適当な値に調整す
ることができる。本発明の電子ビーム励起プラズマ発生
装置を用いて、放電電極スパッタエネルギを電極を形成
する物質のスパッタリングイールドより低い値に維持す
るようにすれば、電極からの物質混入を抑制して良質な
反応用プラズマを得るようにすることが可能である。
ィールなど通常使用される金属のスパッタリングイール
ドの範囲である20eVから30eVに対応する中間電
極電位は−4Vから+6Vで、中間電極と放電電極間に
介装される短管の電位は+16Vから+26Vであるこ
とが判明した。したがって、コンタミネーションを抑制
する効果は中間電極電位が+6V以下、または短管電位
が+26V以下になるように運転することで得られ、さ
らに中間電極電位が−4V以下、または短管電位が+1
6V以下になるように運転すればコンタミネーションは
極めて小さくなる。なお、中間電極や短管の電位を容易
に変化させることができるものとしては、カソード加熱
電流、放電電流、加速電圧ばかりでなく、不活性ガスの
流量やプロセスガスの圧力があり、これらを操作変数と
して利用することができる。
起プラズマ発生装置の実施の形態を、図1〜10を用い
実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を差
動排気型電子ビーム励起プラズマ装置に適用した実施例
を説明する構成図である。
マ発生装置はプラズマ領域1と電子加速領域2とプラズ
マプロセス領域3からなる。プラズマ領域1は陰極11
と中間電極12と放電電極13を備え、アルゴンガス等
の不活性ガスを供給するガスノズル14を有する。電子
加速領域2は放電電極13と加速電極21に挟まれた部
分であり、排気口22を備える。プラズマプロセス領域
3はプロセス室31に囲まれた部分で、反応ガスを供給
するガスノズル32と排気口33を有し、被処理体35
を搭載する試料台34を備える。
電源41が接続されている。さらに、陰極11と放電電
極13の間に放電用電源42が設けられている。放電用
電源42の陰極端子は陰極11に、陽極端子は放電電極
13に接続されている。中間電極12は抵抗とスイッチ
を介して放電電極13と接続されている。また、放電電
極13と加速電極21の間には加速用電源43が設けら
れ、その陰極端子は放電電極13に、陽極端子は加速電
極21に接続されている。プロセス室31の壁は接地さ
れていて、接地端子と試料台34の間には整合器48を
介してRF電源47が介設されている。
54を介してプラズマ領域1に供給される。陰極11に
加熱用電源41からの電流が流れると周囲に熱電子が放
出され、放電電極13に放電用電源42の電圧がかかる
と中間電極12の間に生じる初期放電を仲介として陰極
11と放電電極13の間に放電が生じる。この放電によ
り不活性ガスがプラズマ化されてプラズマ領域1に充満
する。中間電極12は、放電プラズマが安定に形成され
た後はスイッチを切って放電電極13と接続を絶ち、浮
遊電位状態になる。放電電極13と加速電極21の間に
加速用電源43の電圧を印加すると、プラズマ領域1内
の放電プラズマから電子流が電子加速領域2に引き出さ
れ、加速されて高速化しプラズマプロセス領域3に到達
する。
ス室31内に導入された反応ガスのガス分子を電離・解
離しプラズマ状にして反応ガスプラズマを生成する。プ
ラズマ化したガスはそれぞれの目的に応じて、試料台3
4に搭載された試料35と反応して製品を形成する。ま
た、試料台34には適当なRFバイアスを印加して、試
料表面のイオン照射エネルギーを制御する。反応ガスは
図示しない流量制御器を介してプロセス室31に設けら
れたガス供給口32から供給され、プロセス室内の圧力
を調整する排気コンダクタンスバルブ53が設けられた
排気口33から排出される。また、プロセス室3内の試
料台34は試料35を載置して回転したり上下方向に動
かすことができる構造になっている。
けられ、プラズマ領域1の不活性ガスとプラズマプロセ
ス領域3内の反応ガスを併せて真空排気することによ
り、系内の圧力勾配を適切に保持している。また、プラ
ズマ領域1は中間電極12によりカソード室と放電室に
隔てられていて、運転中は両者がそれぞれ適当な圧力状
態を持つように構成されている。なお、放電電極13の
外周に設けられたコイル15と加速電極21の外周に設
けられたコイル23は電子ビームを所望の形状に保持す
るために磁界分布を調整するものである。また、放電電
極13の電子加速領域2側にはスパッタ防止板24が設
置されており、加速領域で生成されるプラズマ中のイオ
ンにより放電電極がスパッタするのを抑制している。
置は、中間電極12と放電電極13の間の電圧を測定す
る電圧計51と、中間電極12と放電電極13の間の短
管16と放電電極13の間の電圧を測定する電圧計52
を備え、また、プロセス室3のガス圧力を測定する絶対
圧真空計55を備えている。さらに、プロセスガスのコ
ンタミネーションを抑制するための制御器56を備え、
放電電極13を基準として測定した中間電極電位もしく
は短管電位を入力して、アルゴンガス流量を制御する流
量調整器54、カソード加熱電流を制御する加熱用電源
41、陰極11と放電電極13間に流れる放電電流を決
定する放電用電源42、加速電圧を決定する加速用電源
43、さらにプロセス室内のガス圧力を決定する排気バ
ルブ53のいずれか、あるいはこれらの組み合わせを操
作して、中間電極12または短管16を所定の電位に保
持するようにする。なお、制御器56は絶対圧真空計5
5の測定出力を入力して排気バルブ53によりプロセス
室圧力を制御するマイナーループの制御系を形成し、こ
れを操作変数として利用することができる。
ギを壁を形成する物質のスパッタリングイールドより小
さくすれば物質のコンタミネーションを小さくできるこ
とは知られていたが、装置の運転中に衝突エネルギを測
定する実際的な方法がなかった。そこで、本願発明の発
明者らは、鋭意研究の結果、中間電極あるいは中間電極
と放電電極の間に挿入された短管の電位を管理すること
によって、間接的にプラズマ中のイオンが放電電極に衝
突するエネルギを調整することができることを見出した
ものである。これらの部位の電位は普通の電圧計51,
52を用いて簡単に測定することができるから、装置の
運転中においても容易に管理してプロセスプラズマの汚
染を防止することができる。
マ電位と各部の電位の関係を表すグラフである。運転上
の必要からプロセス室への投入電流を変化させる目的で
放電電流を変化させることがある。図2は、放電電流を
変化させた場合について各部の電位変化を表したグラフ
で、横軸を放電電流、縦軸を電位として、アルゴンガス
流量を5sccm、加速電圧を100V、プロセス室圧力を
1mTorrとした時についてプロットしてある。図から分
かるように、放電電流を9Aにするとプラズマ電位が2
0V、すなわち放電電極へのイオンの衝突エネルギが2
0eVになる。さらに、放電電流を7.5Aにすると衝
突エネルギが30eV、5Aにすると衝突エネルギが4
5eVになり、放電電極物質はスパッタリングされ表面
から飛び出してプラズマを盛んに汚染することになる。
ィールであれば、スパッタリングイールドは約20eV
であるから、この条件下では放電電流を9A以下にすれ
ばスパッタは起こらず、コンタミネーションを抑制する
ことができる。放電電流を5Aとして運転するとスパッ
タが著しく生じ、スパッタにより遊離した物質が大量に
プロセス室に流入して成膜プロセス等に悪い影響を与え
ることになる。この時の、中間電極の電位と短管の電位
をプロットしてみると、いずれもプラズマ電位と平行し
て変化することが分かる。
図2と同様のグラフで、放電電流を15A、加速電圧を
100V、プロセス室圧力を1mTorrとした時について
プロットしたものである。アルゴンガス流量を調整して
プロセス室への流入電流を調整する場合がある。図から
分かるように、上記の条件下では、アルゴンガス流量が
4.0sccmで衝突エネルギが20eV、4.3sccmで3
0eVとなり、さらに4.5sccmでは35eVとなる。
この場合にも、短管電位はプラズマ電位に追従して変化
し、中間電極電位もアルゴンガス流量が問題になる領域
では傾向がよく一致する。
たときの各所の電位の変化をプロットしたものである。
放電電流を15A、加速電圧を100V、アルゴンガス
流量を5sccmとしている。プロセスガスの圧力を調整す
ることによってプロセス室での反応を制御することがで
きる。しかし、上記の条件下では、プロセスガス圧力が
12mTorrになると衝突エネルギが20eVとなり、1
6mTorrで30eV、20mTorrで42eVとなる。した
がって、ステンレススティール製の放電電極に対して
は、16mTorr以下、好ましくは12mTorr以下で運転す
ることにより、プロセスガスの汚染を防ぐことができ
る。
て良質な反応を確保するために重要である。しかし、こ
のような知見を利用するためには、放電電流、アルゴン
ガス流量、プロセスガス圧力の各々について他の条件を
パラメータとしてプラズマ電位との関係を求め、各操作
変数を適当な衝突エネルギに対応するそれぞれの値に管
理する必要があり、制御方法は極めて複雑になる。そこ
で、発明者らは、図2から4に代表的に表現された関係
からさらに普遍的な関係を見出して、簡単な制御を可能
とするに至ったものである。
タ点を放電電極スパッタエネルギ、すなわちプラズマ電
位に関して再編集してプロットしたグラフである。図5
は、プラズマ電位すなわち放電電極スパッタエネルギを
横軸に取り、縦軸に中間電極電位を取ったグラフであ
る。異なる条件における測定結果がすべて同じ直線上に
プロットされ、5eV付近の極く低いエネルギ範囲を除
いて、中間電極電位が放電電極スパッタエネルギの代替
変数として利用できることが証明された。この図による
と、いずれの変数を調整するにしても、多くの材質がス
パッタリングを受けないようにするためスパッタエネル
ギを30eV以下に抑えるには中間電極電位を+6V以
下にすればよい。また、電極物質としてよく用いられる
ステンレススチールでもスパッタを受けないようにする
ためスパッタエネルギを20eV以下に抑えようとすれ
ば中間電極電位を−4V以下にすればよいことが分か
る。
れる短管の電位を縦軸に取った図5と同様のグラフであ
る。図5に表した中間電極電位と比較すると、この短管
部位の電位の方が放電電極スパッタエネルギとより忠実
に対応していることが分かる。この図によると、スパッ
タエネルギを30eV以下に抑えようとすれば短管電位
を+26V以下にすればよく、スパッタエネルギを20
eV以下に抑えようとすれば中間電極電位を+16V以
下にすればよいことが分かる。このように、中間電極電
位あるいは中間電極と放電電極の間の短管の電位により
放電電極スパッタエネルギを代替できることが分かっ
た。本発明は、この知見を利用して開発されたもので、
上記電位を指標として放電電流、アルゴンガス流量、プ
ロセス室圧力のいずれを制御しても、スパッタエネルギ
を管理して壁物質がスパッタを受けないようにしてプラ
ズマの汚染を防止することができる。なお、上記電位を
指標とする限り、これに影響を与える各種の操作変数を
選択でき、従来から放電プラズマの電位に影響を与える
ことが知られているカソード加熱電流や、加速電圧も利
用できることは言うまでもない。
発生装置の別の態様における中間電極と放電電極の付近
のみを示す断面図である。図1に示した装置と同じ機能
を表す要素には同じ参照番号を付して説明を簡約化す
る。本態様は、図1に示した装置に使用された中間電極
12と放電電極13の間の短管16を省略して小型化し
たもので、電圧計51で中間電極12の電圧を測定する
と、その値は上記と同じようにスパッタエネルギとよく
対応するので、中間電極電位を所定の値に制御すること
により放電電極13のスパッタを防止することができ
る。なお、放電電極13の下流側表面にはスパッタ防止
板24を設置して、加速された電子ビームによって生成
したプラズマ中のイオンが放電電極をスパッタすること
を防ぐことができる。
もので、放電電極部分のみを示す断面図である。図1に
示した装置と同じ機能を表す要素には同じ参照番号を付
して説明を簡約化する。本実施例において、放電電極1
3の引き出し隘路部分を絶縁材60で形成することがで
きる。引き出し隘路部分を絶縁材で形成することによ
り、プロセス用プラズマ中の荷電粒子が引き出し隘路部
分をスパッタリングすることによるプラズマの汚染が防
止できる。しかし、引き出し隘路を絶縁しても放電電極
13のうち引き出し隘路の外側に露出する部分62がス
パッタリングを受けることを防止することはできない。
そこで、中間電極あるいは短管の電位を調整することに
より放電電極スパッタエネルギを管理して、放電プラズ
マ中のイオン61が放電電極13の放電プラズマに面し
ている部分62をアタックしないようにして、プロセス
用プラズマの汚染を防止することができる。
起プラズマ装置に適用した例を説明する構成図である。
図1に示した装置と同じ機能を表す要素には同じ参照番
号を付して説明を簡約化する。図9を参照すると、電子
ビーム励起プラズマ発生装置は、カソード室にアルゴン
ガスが供給され、プロセス室31で排気口33を介して
真空吸引を行う。中間電極12と放電電極13に存在す
る隘路により、装置内部の圧力はカソード室からプロセ
ス室31まで順に低下する。なお、加速電極21はプロ
セス室31の内に設けられている。このように構成され
た電子ビーム励起プラズマ装置においても、電圧計51
で測定する中間電極12の電位が放電電極スパッタエネ
ルギとよく対応する。したがって、中間電極12の電位
を所定の値に維持するように操作変数を調整することに
より、放電プラズマ中のイオンが放電電極13をスパッ
タするのを抑制して、プロセス用プラズマの汚染を防止
することができる。
ス室が鉛直方向に配置され、放電プラズマが充満する部
屋をプロセス室内に突出するように設けて引き出し隘路
から引き出される加速電子流が水平方向に放出されるよ
うに構成し、加速電子流に対して試料面がほぼ平行に設
置されるようにした電子ビーム励起プラズマ発生装置に
本発明を適用した例である。図10においても、図1と
同じ機能を有する要素には同じ参照番号を付して説明を
簡約化する。アルゴンガスが導入され、カソード11と
放電電極13の間に生起する放電電流によりプラズマ化
して放電プラズマとしてプラズマ室17に充満する。加
速電極21により放電プラズマから引き出された電子は
プラズマ室の壁に開けられた隘路を通ってプロセス室3
1内に流入する。引き出された電子流がプロセスガスを
プラズマ化して試料台34の上の試料35に作用し製品
を作る。
間に挿入された電圧計51により中間電極12の電位を
測定する。このような電子ビーム励起プラズマ装置にお
いても、中間電極12の電位は放電電極スパッタエネル
ギと直線的な関係を有する。したがって、放電電極13
を形成する物質のスパッタリングイールドに対応する値
を越えないように中間電極12の電位を調整することに
より、放電電極13へのスパッタリングを抑制してプロ
セス用プラズマの汚染を防止することができる。
ビーム励起プラズマ発生装置は、簡単に測定できる中間
電極電位もしくは中間電極と放電電極に挟まれた短管の
電位を指標として自動制御することにより、容易に放電
電極スパッタリングを抑制してプロセスプラズマのコン
タミネーションを防止することができる。したがって、
本発明を使用することにより、良好なプラズマプロセス
を施すことができ良質な製品を得ることができるように
なる。
施例の構成図である。
である。
ラフである。
示すグラフである。
中間電極電位の関係を示すグラフである。
中間電極と放電電極間の短管の電位との関係を示すグラ
フである。
ある。
生装置に適用した状態を説明する構成図である。
置に適用した状態を説明する構成図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 カソードと中間電極と放電電極およびプ
ロセス室を備え、不活性ガスをカソード部に供給し前記
カソードと前記放電電極間の放電により放電プラズマを
生成し、該放電プラズマから電子を引き出して加速し前
記プロセス室に導入し、該プロセス室内のガスをプラズ
マ化して試料面に作用させる電子ビーム励起プラズマ装
置において、前記放電電極を基準として前記中間電極の
電位を測定し、該中間電極電位が所定の範囲に収まるよ
うにする制御器を備えることを特徴とする電子ビーム励
起プラズマ装置。 - 【請求項2】 前記中間電極の電位を+6V以下になる
ように運転することを特徴とする請求項1記載の電子ビ
ーム励起プラズマ発生装置。 - 【請求項3】 前記中間電極の電位を−4V以下になる
ように運転することを特徴とする請求項1記載の電子ビ
ーム励起プラズマ発生装置。 - 【請求項4】 カソードと中間電極と放電電極およびプ
ロセス室を備え、不活性ガスをカソード部に供給し前記
カソードと前記放電電極間の放電により放電プラズマを
生成し、該放電プラズマから電子を引き出して加速し前
記プロセス室に導入し、該プロセス室内のガスをプラズ
マ化して試料面に作用させる電子ビーム励起プラズマ装
置において、前記中間電極と放電電極間に介装される短
管について前記放電電極を基準とした電位を測定し、該
短管電位が所定の範囲に収まるように調整する制御器を
備えることを特徴とする電子ビーム励起プラズマ発生装
置。 - 【請求項5】 前記短管電位を+26V以下になるよう
に運転することを特徴とする請求項4記載の電子ビーム
励起プラズマ発生装置。 - 【請求項6】 前記中間電極の電位を+16V以下にな
るように運転することを特徴とする請求項4記載の電子
ビーム励起プラズマ発生装置。 - 【請求項7】 前記制御器が放電電流、不活性ガス流
量、加速電圧、プロセス室ガス圧、カソード加熱電流の
内の1個以上を調整することを特徴とする請求項1から
6のいずれかに記載の電子ビーム励起プラズマ発生装
置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109671601A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-04-23 | 温州职业技术学院 | 基于热电子放电的电子源 |
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CN109671601A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-04-23 | 温州职业技术学院 | 基于热电子放电的电子源 |
CN109671601B (zh) * | 2018-11-15 | 2021-06-15 | 温州职业技术学院 | 基于热电子放电的电子源 |
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JP3398639B2 (ja) | 2003-04-21 |
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